JPH0446690B2 - - Google Patents

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JPH0446690B2
JPH0446690B2 JP61231395A JP23139586A JPH0446690B2 JP H0446690 B2 JPH0446690 B2 JP H0446690B2 JP 61231395 A JP61231395 A JP 61231395A JP 23139586 A JP23139586 A JP 23139586A JP H0446690 B2 JPH0446690 B2 JP H0446690B2
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JP
Japan
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edge
cutting edge
diameter
cutting
linear
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JP61231395A
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JPS6389211A (ja
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Katsuyuki Goto
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Tungaloy Corp
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Toshiba Tungaloy Co Ltd
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Publication date
Application filed by Toshiba Tungaloy Co Ltd filed Critical Toshiba Tungaloy Co Ltd
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Publication of JPS6389211A publication Critical patent/JPS6389211A/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、切屑処理性を有効にすることにより
鋼加工に好適させた深穴加工ができる超硬合金製
のツイストドリルに関する。 (従来の技術) 従来、この種の超硬合金製のツイストドリルと
しては、例えば米国特許第4583888号明細書、特
開昭57−211406号公報等にみられるものが開示さ
れている。 前者の米国特許明細書にみられるものは、超硬
合金の脆性を補うため、芯厚、溝巾比などの形状
を改善したものである。すなわち、この明細書で
は、芯厚をドリル直径の25%〜35%と大きくし、
溝巾比を0.4〜0.8:1に小さくするとともに、ド
リル直径の2/3より外側の切刃端面直視形状を半
径方法のすくい角が−5゜〜正になるように形成
し、また切刃外周端と切刃端面のドリル直径の2/
3の点を通る基準線に対向する溝壁外端からの前
記基準線への垂線との距離がドリル直径の47%以
下になるようにしたものが開示されている。さら
に、この明細書では、ドリル本体にTiC、TiCN
などのコーテイングを施すことおよび油穴を形成
することなどが記載されている。 また、後者の公報にみられるものは、第1切刃
およびこの第1切刃の終端にある直線状の第2切
刃を有し、この第1切刃が回転方向に対して凸な
る曲線をなしているとともに、第2切刃が半径方
向のすくい角を−50゜〜−5゜軸方向すくい角を−
20゜〜+15゜に設定し、その刃幅をドリル半径の1/
6〜1/2に設定したものである。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら、前者の明細書にみられるツイス
トドリルの実用結果から、特に脆性をカバーする
ため溝巾比0.4〜0.8:1と小さくしたことが、溝
部断面積の減少、切屑処理性の劣化につながり、
鋼材などの深穴加工では不都合となることが判明
した。すなわち、深穴加工は、その判断基準とし
てドリル直径Dに対する加工深さLの比L/Dが
通常使われているが、前述したツイストドリルで
は、SS41の穴加工ではL/D=3が限度であり、
また油穴を形成したものについても、前述した小
さな溝巾比が原因となつて、冷却効果等を活かせ
ずL/D=3を越えることができなかつた。 また、後者の公報にみられるドリルは、半径方
向のすくい角が負角となるため、切削抵抗が高い
という問題点を有しているものであり、また同様
に、L/D=3が限度であつた。 本発明は、このような従来品の深穴加工の問題
点に対し、大きな溝巾比の採用および油穴の採用
を前提として、これに切刃構成の改善などを加え
ることにより、切屑処理性を有効にして、超硬合
金の脆性を補うようにしたものである。要する
に、本発明は、従来の超硬ツイストドリルでは加
工し得なかつたL/D=4〜6を可能にして深穴
加工の問題点を解決しようとするものである。 (問題点を解決するための手段) 本発明は、上述の点に鑑みなされたもので、工
具本体の一端には、チゼルエツジを備えた一対の
先端切刃稜が形成されるとともに、その軸方向に
は、溝部、マージンを備えたランド部および油穴
がそれぞれ捩れを伴つて形成されるようにした超
硬合金製のツイストドリルを提供するものであ
る。 すなわち、前記先端刃切稜は、端面方向視の形
状がマージンの存在する外周側では、第1次直線
稜および第2次直線稜が折曲することにより略V
字状の凸形状を呈し、またチゼルエツジ側では、
直線的なチゼルエツジおよびこれに接続する直線
的な内側稜によつて略V字状の凸形状を呈し、さ
らに前記第2次直線稜および内側量を結ぶ部分で
は、丸味を伴つた凹形状を呈するようにしたもの
である。そして、具体的な形状として前記第1次
直線稜および第2次直線稜における半径方向のす
くい角θ1、θ2がそれぞれθ1=−15゜〜−25゜、θ2
0゜
〜−10゜の範囲内で設定され、しかも前記外側直
線稜の切刃長さlが刃先直径Dを基準にしてl=
(0.02〜0.06)Dの範囲内で設定するようにした
ものである。 また、チゼルエツジは、シンニングによつて形
成され、その稜線部分には、刃先強化のため面取
りが施される。この面取り量δは、δ=0.05〜1
mmの範囲内で設定される。 さらに、前記ランド部および溝部は、両者間に
よる溝巾比A/Bが外周切刃稜が始まる付近の横
断面でA/B=0.8〜1.0に設定されるようにした
ものである。 また、前記油穴は、先端逃げ面側にそれぞれ開
口するとともに、刃先直径Dを基準としたとき
に、油穴10のピツチ円直径D1、油穴10の直
径dがD1=(0.3〜0.6)D、d=(0.05〜0.20)D
の範囲内で設定されるようにしたものである。 (作用) 本発明のツイストドリルは、溝巾比A/Bが
A/B=0.8〜1.0と大きくできたことにより、従
来の超硬ツイストドリルよりも溝部容積即ち切屑
処理容積が増加しているものである。 また、本発明のツイストドリルは、先端切刃稜
については、略V字状を呈する凸形状および凹形
状が組合わされることにより、切屑が細かく分断
され、これによつて切屑処理作用を円滑にしてい
るものである。 さらに、本発明のツイストドリルは、油穴の形
成に伴つて冷却油として内部供給できることか
ら、冷却作用が能率よく行なわれ、高能率の穴あ
け作用が行なわれるものである。 このようなことから、本発明のツイストドリル
は、鋼材の穴あけ加工において従来の超硬ドリル
では加工し得なかつたL/D=4〜6の深穴加工
でも安定した切屑処理作用が行なえるものであ
る。 (実施例) 以下、本発明ツイストドリルの一実施例につい
て図を参照しながら説明する。 第1図乃至第4図において、1は、工具本体2
およびシヤンク3からなる超硬合金製のツイスト
ドリルであり、通常刃先直径Dがφ3〜φ30mmのも
のに適用される。 この工具本体2は、その端部に一対の先端切刃
稜4が形成されるとともに、その軸方向には、溝
部5、マージン6および外周切刃稜7を備えたラ
ンド部8がそれぞれ捩れを伴つて形成される。こ
の場合、外周切刃稜7における捩れ角αは、一般
的には、α=20゜〜35゜のものに適用され、またバ
ツクテーパーは、0.03/100程度で設定される。 前記先端切刃稜4は、その先端角βが一般的に
は、β=130゜〜150゜に設定され、また先端逃げ面
9については、図示の場合段階的に角度を変化さ
せた第1次逃げ面9aおよび第2次逃げ面9bに
よつて構成される。そして、この第2次逃げ面9
bには、捩れを伴つた油穴10が一対開口し、ま
た回転中心部分には、例えば特開昭61−109606号
公報にみられるようにクロス形またはS形のシン
ニング11によつてチゼルエツジ12が形成され
る。この油穴10は、例えば、工具本体2および
シヤンク3における素材の押出し成形時に捩れを
伴うように形成されたり、焼結後に再加熱して捩
れを加えることにより形成される。そして、油穴
10は、刃先直径Dを基準としたときに、油穴1
0のピツチ円直径D1、油穴10の直径dがD1
(0.3〜0.6)D、d=(0.05〜0.20)Dの範囲内で
設定される。これは、後述する第5図および第6
図からみられるように、ドリルの曲げ強度比およ
び油量の関係、ねじり変位および曲げ変位の関係
から求められたものである。 また、チゼルエツジ12は、第3図で明示され
ているように、面取りが施され刃先強化が図られ
ている。この面取り量δは、通常δ=0.05〜1mm
程度である。0.05mm未満では、刃先強化が充分で
なく、1mmをこえると切れ味が悪くなるためであ
る。 そして、この先端刃切稜4は、チゼルエツジ1
2から外周切刃稜7に至るまでの端面方向視の形
状に特徴を有するものである。 すなわち、先端切刃稜4は、第2図で明示され
ているように、端面方向視において、マージン6
の存在する外周側では、第1次直線稜4aが形成
され、この第1次直線稜4aおよび第2次直線稜
4bが折曲することにより略V字状の凸形状を呈
する。また、チゼルエツジ12側では、直線的な
チゼルエツジ12およびこれに接続する直線的な
内側稜4cによつて略V字状の凸形状を呈する。
さらに、前記第1次直線稜4aおよび内側稜4c
を結ぶ部分では、丸味を伴つた凹形状を呈するも
のである。これは、切欠きによる剛性低下を避け
るためである。 このようにして構成された先端切刃稜4は、前
述した第1次直線稜4a、第2次直線稜4bおよ
び内側稜4cの存在によつて切屑を細かく分断
し、切屑処理性能を良好にする。 そして、具体的には、前記第1次直線稜4a
は、その切刃長さlが刃先直径Dを基準にしたと
きにl=(0.02〜0.06)Dの範囲内で設定される。
これは、後述するように切屑の細断に影響するこ
とからである。 また、第1次直線稜4aおよび第2次直線稜4
bにおける半径方向のすくい角θ1、θ2について
は、それぞれθ1=−15゜〜−25゜、θ2=0゜〜−10゜

範囲内で設定される。 さらに、前記ランド部8および溝部5との間に
おける溝巾比A/Bについては、第4図に示され
ているように、溝部5の巾A、ランド部8の巾B
によつて設定される。すなわち、外周切刃稜7が
始まる付近の横断面で溝巾比がA/B=0.8〜1.0
に設定される。これは、0.8未満であると、溝部
5の空間が少なくなつて切屑の排出性が悪くな
り、また0.1をこえるとランド部8による強度が
不足するためである。この場合、ランド部8にお
けるヒール13については、切削抵抗に伴う応力
集中を避けることおよび切屑排出性から溝巾を広
くすることの意義から面取り部分を形成すること
が好ましい。この面取部分の面取り量γは、例え
ば、刃先直径Dがφ10mmであれば、γ=0.25mm程
度である。また、心厚については、ねじり剛性と
の関係から、通常採用されている刃先直径Dの25
〜35%内で設定される。 なお、本発明のツイストドリル1は、工具本体
2の部分に、TiC、TiN、TiCN、Al2O3等から
なるコーテイング層を1層、または複層で形成す
るようにすれば、耐摩耗性が高められ切削性能が
向上する。 第5図および第6図は、工具本体2の先端逃げ
面9に開口する油穴10について、その位置およ
び大きさを限定した理由等を説示する図である。 すなわち、第5図は、油穴10の位置を材料強
度の関係から特定するため、横軸には油穴10の
ピツチ円直径D1および刃先直径Dの比率D1/D
をとり、縦軸には、曲げ変位およびねじり変位を
とつたものである。この場合、曲げ変位は、G曲
線で示され、ねじり変位は、H曲線で示される
が、このときの条件は、刃先直径D=φ10mmの工
具本体2を1/2のリード位置で支持して、曲げ荷
重Fγ=100Kgfおよびねじり荷重MZ=100Kgfを
別々に付与したものである。なお、Fγ=100Kgf
およびMZ=100Kgfは、現実の切削の場合に近似
するものとして大きめの値を採つたものである。
また、その他の工具仕様については、芯厚を
0.3D(=3mm)、溝巾比をA/B=0.85、油穴10
の直径をd=φ1.0mmとし、工具本体2の材料特性
については、ヤング率を54000Kgf/mm2、ボアソ
ン比を0.22とした。 この結果、特にねじり変位の関係からD1/D
=0.3〜0.6の範囲が好適することが判つた。 第6図は、油穴10の直径dを変化させて、切
削油の油量およびドリルの曲げ強度比を対比させ
た説明図である。そして、ドリルの曲げ強度比
は、油穴10が存在しないときを1としてその減
少割合を計算したもので、I曲線で示される。ま
たJ曲線は、油量の変化を示したものである。な
お、工具仕様については、刃先直径をD=φ10
mm、油穴10のピツチ巾直径をD1=0.5D(=φ5
mm)、芯厚さを0.3D(=3mm)、溝巾比をA/B=
0.85とし、切削油については、水溶性エマルジヨ
ン10倍希釈(圧力5Kg/cm2)とした。 この結果、油穴比(d/D)は、下限値につい
ては、油量の関係からd/D=0.05が必要で、上
限値については、ドリル強度の関係からd/D=
0.20が限界であつた。 第7図乃至第10図は、前述した第1次直線稜
4aの切刃長さl、半径方向のすくい角φ1、第
2次直線稜4bの半径方向のすくい角θ2、溝巾比
A/Bについて、その限定理由、効果等を説示し
たものである。 すなわち、第7図は、第1次直線稜4aの有効
性について、切刃長さlと切屑形状とを対比させ
たものである。 ツイストドリル1の工具形状は、刃先直径D=
φ10mmのもので、切刃長さlを変化させ、他の形
状については数値限定された範囲内のものを共通
として適用したものである。したがつて、第1次
直線稜4aおよび第2次直線稜4bの半径方向の
すくい角θ1、θ2については、φ1=−20゜、θ2=−
5゜、溝巾比A/Bについては、A/B=0.85、油
穴10のピツチ円直径D1=φ5mm、油穴10の直
径d=1.0mmと一定にした。また被削材について
は、SS41とし、切削条件については、切削速度
V=60m/min、80m/min、送りf=0.3m/
min、加工深さL/D=5として、水溶性切削油
を油穴10から内部給油するようにした。 この結果、第1次直線稜4aの切刃長さlは、
刃先直径Dに対し、l=(0.02〜0.06)Dの範囲
が細かく分断された切屑形状から良好であつた。
なお、比較品のl=0.015Dでは、一部細かく分
断された切屑が混在するが、大多数は長く伸びた
連続する切屑が発生し切屑づまりの傾向を示し、
加工深さL/D=6の切削試験では、チゼルエツ
ジ12の部分にチツピングを起し不具合であつ
た。また、別に切削試験を行なつた比較品のl=
0.07Dの場合は、切削速度60m/minで切屑づま
りを生じ刃先欠損から切削不能であつた。 第8図は、前述した切屑形状からの評価では抽
象的であるため、S45Cを被削材として、23m
(L/D=3)切削したときの切刃損傷を示した
ものである。 すなわち、本発明品は、第1次直線稜4aの切
刃長さlがl=0.03Dの場合であり、比較品は、
l=0.07Dの場合である。そして、このときの工
具形状については、刃先直径D=φ10mm、油穴1
0のピツチ円直径D1=φ5mm、油穴10の直径d
=φ1.0mm、半径方向のすくい角θ1=−20゜、θ2=−
5゜、捩れ角α=30゜、先端角β=140゜と共通した。
また、切削条件については、切削速度V=100
m/min、送りf=0.2mm/rev、加工深さL/D
=5とし、水溶性切削油を適用した。 この結果、本発明は、第8図で明示されている
ように、先端切刃稜4の逃げ面摩耗がVBA0.2mm
程度で正常摩耗を示し、穴あけ続行が可能であつ
た。また、L/D=6の切削も可能であつた。こ
れに対し、比較品は、チゼルエツジ12の部分に
欠けがみられ穴あけ不能となつた。なお、切屑形
状については、前述した第7図と同じような傾向
を示した。 さらに、第9図は、第1次直線稜4aにおける
半径方向のすくい角θ1の有効性を説示したもので
ある。 すなわち、前述した切刃長さlの有効値l=
(0.02〜0.06)Dに対し、第7図と同様な切屑形
状を示したすくい角θ1=−15゜〜−25゜が良好であ
つた。したがつて、第1次直線稜4aの有効範囲
は、総体的な関係で第9図の枠内で囲まれた範囲
であつた。そして、θ1=−15゜未満(枠の左側)
の場合は、図示のような長く伸びた切屑が生成さ
れ、切屑の分断効果がなかつた。また、θ1=−
25゜をこえる(枠の右側)場合は、切屑のかみ込
みがみられ、マージン6の異常摩耗、欠けなどが
発生する傾向を示し不具合であつた。 第2次直線稜4bの半径方向すくい角θ2につい
ては、第1表で示されるように+3゜〜−14゜の範
囲にわたつて比較し、θ2=0゜〜−10゜が好適範囲で
あることを確認した。なお、第1次直線稜4aに
ついては、前述した第7図および第9図に基づき
いずれも有効範囲のものを適用した。 さら、θ2=0゜〜−10゜のものについて、加工深さ
L/D=6の切削試験を行なつたがいずれも良好
で、25m切削時においてVBA0.2mmの正常摩耗を
示した。
【表】 第10図は、溝巾比A/Bにおける有効性を切
屑形状と加工深さL/Dとの対比で、切削速度の
変化に基づいて比較したものである。 すなわち、本発明は、溝巾比A/BがA/B=
0.8をこえ1.0以下の場合で、比較品は、A/B=
0.6〜0.75の場合である。そして、その他の工具
仕様、切削条件、被削材等は共通事項として適用
したものである。 この結果、L/D=2までは、本発明品および
比較品の切屑形状については、ほとんど差がみら
れなかつた。しかし、比較品は、L/D=3に近
づくと、長く伸びた切屑が発生し始め、L/D=
3以上で切屑づまりの傾向がみられ限界であるこ
とが判つた。そして、比較品について、切削速度
V=80、100m/minで、L/D=4の試験をし
た結果、切刃チツピング、欠損などから不具合で
あつた。 これに対し、本発明品は、L/D=1〜6の範
囲でほとんど同じ切屑形状を呈し、L/D=6の
深穴加工が可能であることが確認された。 第11図は、加工深さL/Dの適用性を線図で
示したものであり、工具仕様、被削材、切削条件
等については、第10図と共通したものである。 この結果、本発明品は、加工深さL/D=6の
加工が可能であつた。 これに対し、比較品では、溝部5のスペース不
足から切屑づまりがみられ、L/D=3〜4が限
界で切削を続行すると刃先欠損を生じ、加工深さ
L/D=5を得ることはできなかつた。また、同
一条件で、溝巾比A/Bが1.0をこえる場合につ
いて試験したが、工具本体2の剛性不足から刃先
欠損を生じ不具合であつた。 さらに、米国特許第4583888号明細書にみられ
る工具仕様で試験をしたが、L/D=3が限界で
あつた。この結果、本発明における先端切刃稜
4、溝巾比A/Bおよび油穴10の効果が確認さ
れた。 なお、本実施例では、工具本体2およびシヤン
ク3のすべてについて超硬合金からなるものにつ
いて適用したが、工具本体2の先端部分のみを超
硬合金とし、残りを高速度鋼として両者をろう付
けするようにしたものについても適用できること
は勿論である。そして、この場合には、前述した
実施例のものよりも刃先直径Dを大きめに設定で
きる。 (発明の効果) 本発明は、以上説明したように溝巾比を大きく
した超硬合金製のツイストドリルについて、先端
切刃稜4の形状および油穴10の構成を具体的に
特定したものであるから以下のような効果を有す
る。 第1に、切屑処理性の改善から、加工深さL/
Dの限界についてはL/D=4〜6に向上したこ
とである。これは、溝部5の容積の増加に加え
て、先端切刃稜4の形状改善によつて切屑が細か
く分断されたことおよび油穴10の存在による切
削油の内部供給によつて切屑排出性が向上したこ
とからである。したがつて、米国特許第4583888
号明細書みられる従来品の加工深さの限界がL/
D=3であつたのに対し大きな具体的効果であ
る。従来品の限界がL/D=3であつたのは、溝
巾比がA/B=0.4〜0.8のため溝部5のスペース
不足となつたことおよび切屑を細かく分断できる
切刃形状でなかつたことなどによる。 第2に、加工能率が向上し、安定した作業が行
なわれることである。これは、先端切刃稜4につ
いては、端面方向視で略V字状の凹凸形状を呈す
るように、第1次直線稜4a、第2次直線稜4
b、内側稜4cおよびチゼルエツジ12を形成し
たことから切削抵抗分力が互いに干渉し合つて切
削を安定させることおよび切削油の内部供給から
安定した切屑処理が有効となることからである。
そして、油穴10を有しない従来品の超硬ツイス
トドリルに対して25%アツプの切削寿命を示し、
加工能率を向上させた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明ツイストドリルの一実施例を
示す正面図、第2図は、拡大した底面図、第3図
は、第2図に対する一部側面図、第4図は、第1
図中の−線に沿つて得られる拡大断面図、第
5図は、油穴の位置を曲げ変位およびねじり変位
に対比させた説明図、第6図は、油穴の直径を切
削油の油量およびドリル曲げ強度比に対比させた
説明図、第7図は、第1次直線稜における切刃長
さの有効性について、切屑形状と対比させた説明
図、第8図は、切刃損傷を比較した説明図、第9
図は、同じく第1次直線稜における切刃長さおよ
び半径方向のすくい角の有効性を示した説明図、
第10図は、溝巾比における有効性について、切
屑形状と対比させた説明図、第11図は、同じく
溝巾比の有効性について加工深さL/Dと切削速
度Vとの関係を適用可能性から示した説明図であ
る。 2……工具本体、4……先端切刃稜、5……溝
部、6……マージン、7……外周切刃稜、8……
ランド部、10……油穴、12……チゼルエツ
ジ、4a……第1次直線稜、4b……第2次直線
稜、4c……内側稜。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 工具本体2の一端には、チゼルエツジ12を
    備えた一対の先端切刃稜4が形成されるととも
    に、その軸方向には、溝部5、マージン6を備え
    たランド部8および油穴10がそれぞれ捩れを伴
    つて形成されるようにした超硬合金製のツイスト
    ドリルにおいて、 前記先端切刃稜4は、端面方向視においてマー
    ジン6の存在する外周側では、第1次直線稜4a
    および第2次直線稜4bが折曲することにより略
    V字状の凸形状を呈し、またチゼルエツジ12側
    では、直線的なチゼルエツジ12およびこれに接
    続する直線的な内側稜4cによつて略V字状の凸
    形状を呈し、さらに前記第2次直線稜4bおよび
    内側稜4cを結ぶ部分では、丸味を伴つた凹形状
    を呈しているとともに、前記第1次直線稜4aお
    よび第2次直線稜4bにおける半径方向のすくい
    角θ1、θ2がそれぞれθ1=−15°〜−25゜、θ2=0゜
    〜−
    10゜の範囲内で設定され、しかも前記第1次直線
    稜4aの切刃長さlが刃先直径Dを基準にしてl
    =(0.02〜0.06)Dの範囲内で設定されており、 前記チゼルエツジ12は、シンニング11によ
    つて形成されるとともに、その稜線部分には、面
    取りが施され、その面取り量δがδ=0.05〜1mm
    の範囲内で設定されており、 前記ランド部8および溝部5は、両者間による
    溝巾比A/Bを外周切刃稜7が始まる付近の横断
    面でA/B=0.8〜1.0に設定されており、 前記油穴10は、先端逃げ面9側で一対開口す
    るとともに、刃先直径Dを基準としたときに、油
    穴10のピツチ円直径D1、油穴10の直径dが
    D1=(0.3〜0.6)D、d=(0.05〜0.20)Dの範囲
    内でそれぞれ設定されていることを特徴とするツ
    イストドリル。 2 前記工具本体2には、TiC、TiN、TiCN、
    Al2O3等からなるコーテイング層が1層または複
    層で形成されている特許請求の範囲第1項記載の
    ツイストドリル。
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