JP5310547B2 - 切削インサートによる切削方法及び切削インサート - Google Patents

切削インサートによる切削方法及び切削インサート Download PDF

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Description

本発明は、旋削加工において、被削材の溝入れや突っ切りを行う切削インサートによる切削方法、及びこのような切削方法に用いられる切削インサートに関する。本出願は、特願2007−111638号を基礎出願とし、その内容を取り込む。
この種の溝入れや突っ切りに使用される切削インサートとして、例えば下記特許文献1には、一方の側部切れ刃(横切刃)と主切れ刃(正面切刃)とのそれぞれの間にコーナ切れ刃を含み;各コーナ切れ刃が主切れ刃から延在する一次湾曲切れ刃を含み;且つ湾曲ワイパー切れ刃が一次湾曲切れ刃から側部切れ刃まで延在し;1次湾曲切れ刃が湾曲ワイパー切れ刃の曲率より小さな半径を有し;さらに側部エッジ(切れ刃)も湾曲ワイパー切れ刃の曲率半径より小さな曲率半径を有する;切削インサートが提案されている。この特許文献1には、上記ワイパー切れ刃の効果として、その後の仕上げ作業を省略できる改良表面仕上げを与えることができると記載されている。
また、下記特許文献2〜4にも切削インサートが開示されている。これらのうち、例えば特許文献4においては、すくい面と前逃げ面との交差稜線からなる前切刃(正面切刃)と、すくい面及び横逃げ面の交差稜線である横切刃と、これら前切刃及び横切刃の間に形成された円弧状のコーナ切刃とを有し;コーナ切刃と横切刃との間に直線状のワイパー切刃を、インサート本体の長手方向に平行に、あるいは横切刃よりも小さなテーパ角で横切刃側に向かうに従って後退するように形成したもの;が提案されている。
特表2002−516185号公報 特開平8−71806号公報 特開平10−58205号公報 特開2006−272509号公報
ところで、これら特許文献1〜4に記載の切削インサートでは、上記正面切刃と横切刃との間のコーナ刃が、正面切刃からワイパー刃も含めて横切刃に至るまで凸曲折しながら湾曲あるいは横切刃側に向けて後退するように形成されている。すなわち、インサート本体の長手方向に垂直にすくい面に対向する方向から見て、一対のコーナ刃のそれぞれにおいて各コーナ刃に接する接線が、正面切刃からこのコーナ刃に沿って上記一次湾曲切れ刃やコーナ切刃において上記長手方向に延びる向きに旋回した後、そのままの向きで旋回して横切刃に接するように形成されていて、横切刃の先端側への延長線の内側にワイパー刃を含めたコーナ刃が延びている。
しかしながら、そのような切削インサートでは、そのワイパー刃を含めたコーナ刃の横切刃に至る部分で、被削材に形成された加工面とのクリアランスが小さくなる。そのため、ただでさえ切削抵抗が大きくなる傾向がある上、ワイパー刃から上記長手方向に垂直にすくい面の内側に向けてこのコーナ刃に摩耗が進行すると、その摩耗量に対して長手方向に沿った摩耗長さが著しく大きくなる。その結果、切削抵抗の一層の増大を招いてインサート寿命を縮めてしまうおそれがある。また、切削抵抗の増大によりインサート本体が一対の横切刃のいずれかの側にずれ動いてしまうと、コーナ刃側で横切刃と加工面とのクリアランスも小さいために、この横切刃が加工面に食い込んでしまって加工精度や品位を損なうおそれもある。
一方、このような切削インサートによる溝入れ加工では、インサート本体を被削材に対して上記長手方向に1回送り出すことにより形成可能な溝の幅は、この長手方向に直交する方向におけるすくい面の最大幅となるため、このすくい面の最大幅よりも大きな幅の溝を形成しようとすると、長手方向に送り出したインサート本体を同じ長手方向に沿って一旦後退させてから、この長手方向に交差する方向にインサート本体をずらして再び長手方向に送り出すような切削方法を採らなければならない。ところが、そのような切削方法では、インサート本体を後退させる間は切削が行われずにインサート本体が移動するだけの時間となるため、加工効率が低下することが避けられない。
これは、例えば予め被削材に形成された幅の広い溝を仕上げ切削する場合も同様であり、すなわちこのような場合には、溝の一方の壁面に沿ってインサート本体を長手方向に送り出すことにより上記コーナ刃やワイパー刃によって該壁面を仕上げ切削し、次いで正面切刃が溝の底面に達した後はインサート本体を上記長手方向に交差する方向に送り出して該底面を仕上げ切削するが、この底面の仕上げ切削が溝の他方の壁面に達する手前で一旦インサート本体を後退させてから、この他方の壁面に沿ってインサート本体を送り出して該壁面を仕上げ切削し、正面切刃が再び溝の底面に達した後にインサート本体を上記とは逆の長手方向に交差する方向に送り出して該底面全体を仕上げ切削するような切削方法となる。このため、やはりインサート本体を一旦後退させる間は切削が行われず、加工効率を損なう結果となる。
しかも、このような切削方法では、溝の底面の仕上げ切削が、このインサート本体を後退させる工程を間にして、長手方向に交差する方向において互いに反対向きの2方向に向けてインサート本体を送り出す2回の工程により行われるため、これら2回の工程による加工面同士の繋ぎ目に段差やスジが生じ易く、加工面の仕上げ精度や品位を低下させることにもなる。
本発明は、このような背景の下になされたもので、加工効率を損なうことなく、加工精度や加工品位の高い加工面を形成することが可能な切削インサートによる切削方法の提供を目的とする。
また、本発明は、このような切削方法に用いられる切削インサートにおいて、コーナ刃の摩耗による切削抵抗の極端な増大を抑えてインサート寿命の延長を図ることができるとともに、横切刃やコーナ刃の横切刃に至る部分での加工面とのクリアランスを確保して加工精度や加工品位の向上をも図ることが可能な切削インサートの提供をもう一つの目的とする。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、以下の手段を採用した。
すなわち、本発明の切削インサートによる切削方法は、軸状をなすインサート本体の端部に、このインサート本体の長手方向に交差する方向に延びる正面切刃を備えたすくい面を有する切刃部が形成され;上記長手方向に垂直に上記すくい面に対向する方向から見て、上記正面切刃の両端部のうち少なくとも一方の端部に位置するコーナ刃が、このコーナ刃に接する接線が上記正面切刃からこのコーナ刃に沿って上記長手方向に延びる向きに旋回した後、この旋回する方向を変化させる変曲点を有する凸状に形成され;上記コーナ刃が最も凸となる部分に上記変曲点が位置している;切削インサートによる切削方法であって、被削材に対して上記長手方向に送り出された上記インサート本体を、上記長手方向に交差する方向に横送りして、凸状に突出した上記コーナ刃の突出量の範囲内で上記被削材の加工面に切り込ませ、しかる後に上記インサート本体を上記長手方向に後退させることによって、上記コーナ刃のうち上記変曲点に連なって上記正面切刃側とは反対側を向く刃部により、上記被削材の加工面を切削することを特徴とする。
また、本発明の切削インサートは、このような切削方法に用いられる切削インサートであって、軸状をなすインサート本体の端部に、このインサート本体の長手方向に延びる一対の横切刃と、これら横切刃の先端同士の間に上記長手方向に交差する方向に延びる正面切刃と、を備えた四角形状のすくい面を有する切刃部が形成され;上記長手方向に垂直に上記すくい面に対向する方向から見て、上記横切刃及び正面切刃が交差する一対のコーナ刃の少なくとも一方が、このコーナ刃に接する接線が上記正面切刃からこのコーナ刃に沿って上記長手方向に延びる向きに旋回した後、この旋回する方向を変化させる変曲点を有して上記横切刃に連なる凸状に形成され;上記コーナ刃が最も凸となる部分に上記変曲点が位置していることを特徴とする。
この切削インサートによれば、コーナ刃に接する接線が正面切刃からこのコーナ刃に沿って横切刃側に向けてインサート本体の長手方向に延びる向きに旋回した後に、上記変曲点においてこの旋回する方向を変化させて反対向きに旋回して横切刃に連なるように形成されている。そのため、コーナ刃の横切刃に至る部分に、すくい面の内側に向けて凹曲する部分が形成されることになる。
すなわち、上記長手方向に垂直にすくい面に対向する方向から見て、例えば横切刃が先端側に向けて直線状に延びている場合には、上記一対のコーナ刃の少なくとも一方が、この横切刃の先端側への延長線から突出する凸状に形成されることになる。よって、このような凸状に形成されたコーナ刃に対して横切刃を大きく後退させることができる。従って、コーナ刃により形成される加工面と横切刃とのクリアランスも大きく確保することができる。その結果、たとえインサート本体がいずれか一方の横切刃側にずれ動いたとしても、横切刃が被削材の加工面と干渉するのを避けることが可能となり、加工面の精度や品位が損なわれるのを防ぐことができる。
また、このような凸状にコーナ刃が形成されることにより、上記長手方向に垂直な方向のコーナ刃の摩耗量に対する、この長手方向の摩耗長さの増大も、コーナ刃が正面切刃から横切刃にかけてその接線を同じ向きに旋回させるようにして凸曲折しているだけの場合に比べて小さく抑えることができる。よって、摩耗の進行に伴って切削抵抗が著しく増大することも抑制できる。従って、上述のように横切刃やコーナ刃の横切刃に至る部分でのクリアランスが確保されることとも相俟って、切削抵抗の低減を図ることができる。その結果、長期に亙って安定した切削が可能な寿命の長い切削インサートを提供することが可能となる。
ここで、上記一対のコーナ刃の少なくとも一方が、そのコーナ刃に接する接線が正面切刃からこのコーナ刃に沿って上記長手方向に延びる向きに旋回した後に、このコーナ刃の横切刃に至る部分で上記変曲点を介してその旋回する向きを変えるように形成するに際しては、第一に、インサート本体の長手方向に垂直に上記すくい面に対向する方向から見て、上記一対のコーナ刃の少なくとも一方を、上記変曲点から上記横切刃側に向けて凹曲線状に形成することにより、この変曲点から横切刃にかけての部分の加工面とのクリアランスをより大きく確保するとともに、コーナ刃の摩耗量に対する摩耗長さの増大をより小さく抑えることができる。
なお、この場合には、上記変曲点で上記コーナ刃に接する接線上記変曲点で不連続に旋回する向きを変えるように、この変曲点の前後でコーナ刃が角度をもって交差して凸曲折させられていてもよい
さらに、上記長手方向に垂直に上記すくい面に対向する方向から見て、上記一対のコーナ刃の少なくとも一方に、上記接線が長手方向に延びる向きに旋回したところで、この長手方向に延びるワイパー刃を備えることにより、溝入れ加工によって被削材に形成された溝の壁面や突っ切り加工によって切断された被削材の切断面等の加工面を平滑に仕上げることができる。よって、一層の加工精度や品位の向上を図ることができる。なお、ワイパー刃は、上記特許文献1に記載の切削インサートの湾曲ワイパー切れ刃のように曲率半径の大きな凸状に湾曲したものでもよく、また特許文献2〜4に記載の切削インサートのようにインサート本体の長手方向に平行あるいは小さなテーパ角で横切刃側に向かうに従って後退する直線状のものでもよい。
また、上記長手方向に垂直に上記すくい面に対向する方向から見て、上記正面切刃が、上記長手方向に斜交する方向に延びていてもよい。このように正面切刃を斜めにすると、特に突っ切り加工を行う際に、被削材に残される芯を一方の切断面から他方の切断面に向けて先細りとすることができる。よって、被削材が切断されたときにこの他方の切断面に芯が残るのを防いで、その後の仕上げ加工の省略、簡略化を図ることができる。なお、この場合の切削インサートは、いわゆる勝手付きのインサートとなる。
なお、上記長手方向に垂直に上記すくい面に対向する方向から見て、上記正面切刃の上記長手方向の突端から上記変曲点までの上記長手方向の間隔は、上記すくい面の上記長手方向に直交する方向の最大幅に対して10〜60%の範囲とされているのが望ましい。上記間隔がこの範囲よりも小さいと、上述のように凸状に形成されるコーナ刃の長手方向の長さが短くなって、横切刃との加工面とのクリアランスを大きくしたときにコーナ刃に欠損が生じ易くなるおそれがあり、逆に上記間隔がこの範囲よりも大きいと、長手方向におけるコーナ刃の長さが長くなりすぎて、上述したコーナ刃の摩耗量に対する長手方向の摩耗長さの増大を確実に抑えることができなくなるおそれが生じる。
以上説明のように、本発明の切削インサートによれば、被削材の加工面とコーナ刃から横切刃にかけての部分とのクリアランスを確保するとともに、このコーナ刃の摩耗量に対する摩耗長さの増大を抑えることができる。よって、切削抵抗の増大を抑えてインサート寿命の延長を図りつつ、円滑かつ安定的な溝入れ、突っ切り加工を促すことが可能となる。また、クリアランスが確保されることにより、万一、インサート本体がずれ動いたりしても、加工面が傷つけられたりするのを防ぐことができ、加工面精度や品位の向上を図ることができる。
ところで、本発明の切削インサートでは、このように被削材の加工面とコーナ刃から横切刃にかけての部分とのクリアランスが確保されるため、インサート本体をその長手方向に送り出して溝入れや突っ切り加工を行うときには、上記横切刃が切削に関与することはない。この横切刃は、例えば上記長手方向において該横切刃が形成された範囲でインサート本体を被削材に切り込ませた後、インサート本体を長手方向に交差する方向に送り出して溝幅を拡げるような切削を行う場合に用いられる。
そこで、上述のように横切刃とされる部分が切削に関与することがない場合において、本発明の切削インサートは、軸状をなすインサート本体の端部に、このインサート本体の長手方向に交差する方向に延びる正面切刃を備えたすくい面を有する切刃部が形成され、;上記長手方向に垂直に上記すくい面に対向する方向から見て、上記正面切刃の両端部のうち少なくとも一方の端部に位置するコーナ刃が、このコーナ刃に接する接線が上記正面切刃からこのコーナ刃に沿って上記長手方向に延びる向きに旋回した後、この旋回する方向を変化させる変曲点を有する凸状に形成され;上記コーナ刃が最も凸となる部分に上記変曲点が位置しているものであってもよい。
このような切削インサートにおいて、上記横切刃に相当する部分は、単なるすくい面の辺稜部であってもよく、例えばこの辺稜部に面取りなどが施されて切刃として作用しないものであってもよい。ただし、横切刃を備えた本発明の切削インサートにおける上述したような限定は、このように横切刃に相当する部分がすくい面の辺稜部とされた切削インサート、すなわち、軸状をなすインサート本体の端部に、このインサート本体の長手方向に延びる一対の辺稜部と、これら辺稜部の先端同士の間に上記長手方向に交差する方向に延びる正面切刃と、を備えた四角形状のすくい面を有する切刃部が形成され;上記長手方向に垂直に上記すくい面に対向する方向から見て、上記辺稜部及び正面切刃が交差する一対のコーナ刃の少なくとも一方が、このコーナ刃に接する接線が上記正面切刃からこのコーナ刃に沿って上記長手方向に延びる向きに旋回した後、この旋回する方向を変化させる変曲点を有して上記辺稜部に連なる凸状に形成され;上記コーナ刃が最も凸となる部分に上記変曲点が位置している切削インサートにも適用することが可能である。
すなわち、このような切削インサートにおいて、
上記長手方向に垂直に上記すくい面に対向する方向から見て、上記辺稜部が先端側に向けて直線状に延びており;上記一対のコーナ刃の少なくとも一方が、前記横切刃の先端側への延長線から突出する凸状に形成されているものであってもよく、
上記長手方向に垂直に上記すくい面に対向する方向から見て、上記一対のコーナ刃の少なくとも一方が、上記変曲点から上記辺稜部側に向けて凹曲線状に形成されているものであってもよく
上記長手方向に垂直に上記すくい面に対向する方向から見て、上記一対のコーナ刃の少なくとも一方が、上記長手方向に延びるワイパー刃を有するものであってもよく、
上記長手方向に垂直に上記すくい面に対向する方向から見て、上記正面切刃が、上記長手方向に斜交する方向に延びているものであってもよく、
上記長手方向に垂直に上記すくい面に対向する方向から見て、上記正面切刃の上記長手方向の突端から上記変曲点までの上記長手方向の間隔が、上記すくい面の上記長手方向に直交する方向の最大幅に対して10〜60%の範囲とされているものであってもよい。
一方、このように構成された切削インサートにおいては、上述のようにインサート本体の長手方向に垂直にすくい面に対向する方向から見て、コーナ刃が変曲点を有する凸状に形成されて、このコーナ刃の上記辺稜部に至る部分、又は横切刃に至る部分に、すくい面の内側に向けて凹曲する部分が形成されるため、この部分においてコーナ刃には、上記変曲点に連なって正面切刃側とは反対側を向く刃部が形成されることになる。従って、本発明の切削インサートによれば、被削材に対してインサート本体を上記長手方向に送り出して、上記正面切刃やコーナ刃のうちこの正面切刃側の部分で被削材を切削した後、これと連続して、インサート本体を上記長手方向に後退させる際に、上記刃部を用いて被削材の切削を行うことができる。
そこで、本発明の切削方法は、軸状をなすインサート本体の端部に、このインサート本体の長手方向に交差する方向に延びる正面切刃を備えたすくい面を有する切刃部が形成され;上記長手方向に垂直に上記すくい面に対向する方向から見て、上記正面切刃の両端部のうち少なくとも一方の端部に位置するコーナ刃が、このコーナ刃に接する接線が上記正面切刃からこのコーナ刃に沿って上記長手方向に延びる向きに旋回した後、この旋回する方向を変化させる変曲点を有する凸状に形成され;上記コーナ刃が最も凸となる部分に上記変曲点が位置している;切削インサートによる切削方法であって、被削材に対して上記長手方向に送り出された上記インサート本体を、上記長手方向に交差する方向に横送りして、凸状に突出した上記コーナ刃の突出量の範囲内で上記被削材の加工面に切り込ませ、しかる後に上記インサート本体を上記この長手方向に後退させることによって、上記コーナ刃のうち上記変曲点に連なって上記正面切刃側とは反対側を向く刃部により、上記被削材の加工面を切削する。
例えば、インサート本体の長手方向に直交する方向において、凸状に突出したコーナ刃の突出量の範囲で、すくい面の最大幅よりも大きな幅の溝を形成しようとする場合には、被削材に対して上記長手方向に送り出されて正面切刃により被削材に溝を形成したインサート本体を、このコーナ刃が突出した側に上記突出量の範囲内で移動させ、しかる後にインサート本体を上記長手方向に後退させることにより、先に形成された溝の壁面(加工面)をこの後退の際にコーナ刃の上記刃部によって連続して切削することができる。
また、例えば予め被削材に形成された幅の広い溝を仕上げ切削する場合には、正面切刃の両端部に上記凸状のコーナ刃を有する本発明の切削インサートを用いて、まずこの溝の一方の壁面に沿ってインサート本体を長手方向に送り出すことにより、この一方の壁面側の上記コーナ刃やワイパー刃によって該壁面を仕上げ切削し、次いで正面切刃が溝の底面に達した後は、この底面に沿ってインサート本体を上記長手方向に交差する方向に横送りして正面切刃により該底面を仕上げ切削し、溝の他方の壁面にこの他方の壁面側のコーナ刃が達したところで、その突出量の範囲内でこのコーナ刃を他方の壁面に切り込ませ、そのままインサート本体を長手方向に後退させることにより、この他方の壁面(加工面)を連続して切削することができる。
従って、このような切削方法によれば、こうしてインサート本体を後退させる際にも連続して切削を行って、インサート本体が長手方向に往復する間のすべての工程で切削を行うことができるため、インサート本体が移動する間に切削が行われない工程が介在するのを極力避けることができ、これにより加工効率の向上を図ることが可能となる。また、特に上述のように予め被削材に形成された幅広の溝を仕上げ切削する場合には、溝の底面の切削工程が中断されることがなく、1回の横送りで切削することができるので、仕上げられた溝底面に段差やスジが形成されることもなく、加工面の精度や品位を向上させることも可能となる。
以上説明したように、本発明の切削インサートによる切削方法によれば、インサート本体が移動している間に切削が行われない工程が存在するのを極力防いで、効率的な加工を促すことができるとともに、特に被削材に形成された溝の仕上げ加工を行う場合にも加工面精度や加工品位の向上を図ることができる。
また、このような切削方法に用いられる本発明の切削インサートによれば、被削材の加工面とコーナ刃から横切刃あるいはインサート本体の長手方向に延びるすくい面の辺稜部にかけての部分とのクリアランスを確保するとともに、このコーナ刃の摩耗量に対する摩耗長さの増大を抑えることができ、これらにより切削抵抗の増大を抑えてインサート寿命の延長を図りつつ、円滑かつ安定的な溝入れ、突っ切り加工を促すことが可能となる。また、こうしてクリアランスが確保されることにより、万一インサート本体がずれ動いたりしても加工面が傷つけられたりするのを防ぐことができ、加工面精度や品位の向上を図ることができる。
図1は、本発明の切削インサートの第1の実施形態を示す斜視図である。 図2は、同切削インサートを、その長手方向に垂直にすくい面5に対向する方向から見た平面図である。 図3は、同切削インサートの側面図である。 図4は、同切削インサートの底面図である。 図5は、同切削インサートの正面図である。 図6は、同切削インサートの切刃部2の拡大平面図である。 図7は、同切削インサートを示す図であって、図6の右下側のコーナ部Cの拡大平面図である。 図8は、同切削インサートにより被削材Wに溝入れ、突っ切り加工を施すときの切刃部2の拡大平面図である。 図9は、同切削インサートの第1変形例を示す図であって、図6の右下側のコーナ部Cの拡大平面図に相当する図である。 図10は、第1の実施形態の切削インサートに対する第1の参考例を示す図であって、図6の右下側のコーナ部Cの拡大平面図に相当する図である。 図11は、第1の実施形態の切削インサートに対する第2の参考例を示す図であって、図6の右下側のコーナ部Cの拡大平面図に相当する図である。 図12は、本発明の切削インサートに対する第3の参考例を示す図であって、図6の右下側のコーナ部Cの拡大平面図に相当する図である。 図13は、同切削インサートの第1変形例を示す図であって、図6の右下側のコーナ部Cの拡大平面図に相当する図である。 図14は、同切削インサートの第2変形例を示す図であって、図6の右下側のコーナ部Cの拡大平面図に相当する図である。 図15は、同切削インサートの第3変形例を示す図であって、図6の右下側のコーナ部Cの拡大平面図に相当する図である。 図16は、本発明の切削インサートの第2の実施形態を示す図であって、その長手方向に垂直にすくい面5に対向する方向から見た平面図である。 図17は、同切削インサートの切刃部2の拡大平面図である。 図18は、同切削インサートにより被削材Wに溝入れ、突っ切り加工を施すときの切刃部2の拡大平面図である。 図19は、同切削インサートの変形例を示す平面図である。 図20は、同変形例の切刃部2の拡大平面図である。 図21は、同変形例により被削材Wに溝入れ、突っ切り加工を施すときの切刃部2の拡大平面図である。 図22は、本発明の切削インサートに対する第4の参考例を示す斜視図である。 図23は、同切削インサートをその長手方向に垂直にすくい面5に対向する方向から見た平面図である。 図24は、同切削インサートの側面図である。 図25は、同切削インサートの底面図である。 図26は、同切削インサートの正面図である。 図27は、同切削インサートの切刃部2の拡大平面図である。 図28は、同切削インサートを示す図であって、図27の右下側のコーナ部Cの拡大平面図である。 図29は、本発明の切削インサートに対する第5の参考例を示す図であって、図27の右下側のコーナ部Cの拡大平面図に相当する図である。 図30は、本発明の切削インサートに対する第6の参考例を示す図であって、その長手方向に垂直にすくい面5に対向する方向から見た平面図である。 図31は、同切削インサートの切刃部2の拡大平面図である。 図32Aは、第3の参考例の切削インサートの第4変形例の切刃部2の拡大平面図である。 図32Bは、第3の参考例の切削インサートの第5変形例の切刃部2の拡大平面図である。 図32Cは、第3の参考例の切削インサートの第6変形例の切刃部2の拡大平面図である。 図32Dは、第3の参考例の切削インサートの第7変形例の切刃部2の拡大平面図である。 図33Aは、第3の参考例の切削インサートの第8変形例の切刃部2の拡大平面図である。 図33Bは、第3の参考例の切削インサートの第9変形例の切刃部2の拡大平面図である。 図34Aは、第3の参考例の切削インサートの第10変形例の切刃部2の拡大平面図である。 図34Bは、第3の参考例の切削インサートの第11変形例の切刃部2の拡大平面図である。 図35Aは、第5の参考例の切削インサートの第1変形例の切刃部2の拡大平面図である。 図35Bは、第5の参考例の切削インサートの第2変形例の切刃部2の拡大平面図である。 図35Cは、第5の参考例の切削インサートの第3変形例の切刃部2の拡大平面図である。 図35Dは、第5の参考例の切削インサートの第4変形例の切刃部2の拡大平面図である。 図36Aは、第5の参考例の切削インサートの第5変形例の切刃部2の拡大平面図である。 図36Bは、第5の参考例の切削インサートの第6変形例の切刃部2の拡大平面図である。 図37Aは、本発明の切削インサートに対する第7の参考例の切刃部2の拡大平面図である。 図37Bは第7の参考例の変形例の切刃部2の拡大平面図である。 図38Aは、本発明の切削方法の第1の実施形態を説明する図である。 図38Bは、本発明の切削方法の第1の実施形態を説明する図である。 図38Cは、本発明の切削方法の第1の実施形態を説明する図である。 図38Dは、本発明の切削方法の第1の実施形態を説明する図である。 図38Eは、本発明の切削方法の第1の実施形態を説明する図である。 図38Fは、本発明の切削方法の第1の実施形態を説明する図である。 図39Aは、本発明の切削方法の第2の実施形態を説明する図である。 図39Bは、本発明の切削方法の第2の実施形態を説明する図である。 図39Cは、本発明の切削方法の第2の実施形態を説明する図である。 図39Dは、本発明の切削方法の第2の実施形態を説明する図である。 図39Eは、本発明の切削方法の第2の実施形態を説明する図である。 図39Fは、本発明の切削方法の第2の実施形態を説明する図である。
符号の説明
1 インサート本体
2 切刃部
3 横切刃
4 正面切刃
5 すくい面
6 コーナ刃
6A 凸曲線刃
6B ワイパー刃
6C 凹曲線刃
6D 繋ぎ刃
6E 直線状刃
6F チャンファ刃
L インサート本体1の軸線
O 変曲点
W 被削材
V 加工面
H 被削材Wの回転軸線
図1〜図8は、本発明の切削インサートの第1の実施形態を示す。本実施形態のインサート本体1は、超硬合金等の硬質材料により形成されて軸線Lに沿って延びる概略方形軸状(方形柱状)をなし;この軸線Lに直交してインサート本体1の長手方向(軸線L方向。図2〜図4における左右方向)の中央に位置する平面Mに関して略対称に形成され;この平面Mに直交してインサート本体1の幅方向(図2および図4における上下方向。図5においては左右方向)中央に位置し、軸線Lを含んでインサート本体1の厚さ方向(図3および図5における上下方向)に延びる平面Nに関しても対称な形状;とされている。
このインサート本体1の長手方向の端部(両端部)には、切刃部2が形成されている。切刃部2には、上記長手方向に延びる一対の横切刃3と、これらの横切刃3の先端同士の間に上記幅方向に延びる正面切刃4と、を辺稜部に備えたすくい面5が、上記厚さ方向を向くように形成されている。すくい面5は、上記長手方向に直交して厚さ方向にすくい面5に対向する方向から見た平面視において、図2及び図6に示すように、この長手方向に延びる概略長方形状を有している。これら横切刃3と正面切刃4とが交差する一対のコーナ部Cには、コーナ刃6がそれぞれ形成されている。
長手方向両端の切刃部2の間において、上記厚さ方向にすくい面5と同じ側を向くインサート本体1の上面部7は、図3に示すように、これら切刃部2のすくい面5よりも厚さ方向に一段突出している。さらに、上面部7と、この上面部7とは反対のインサート本体1の下面部8とには、その長手方向全長に亙って断面凹V字状をなす取付溝部7A,8Aが形成されている。これら取付溝部7A,8Aが、インサート着脱式旋削工具のホルダに形成されたインサート取付座の互いに対向して断面凸V字状をなす一対の顎部に当接して挟み込まれることにより、切削インサートはこのホルダに保持され、被削材の溝入れ加工や突っ切り加工に使用される。なお、上面部7の上記長手方向を向く端面7Bは、それぞれ切刃部2側に向かうにしたがって、下面部8側に向かって傾斜する傾斜面とされている。
切刃部2の上記長手方向を向く先端面と幅方向を向く両側面とは、それぞれ正面切刃4と一対の横切刃3の逃げ面9とされている。本実施形態の切削インサートは、これら逃げ面9が、上記コーナ部Cに連なる逃げ面9同士の交差稜線部も含めて、すくい面5から離間して上記下面部8側に向かうに従い漸次後退するように傾斜させられたポジティブタイプのインサートとされている。なお、切刃部2の逃げ面9以外のインサート本体1の端面および側面は、上記厚さ方向に平行に延びる平面状とされている。
上記すくい面5は、本実施形態では上記厚さ方向に垂直な平坦面とされており、従って一対の横切刃3、正面切刃4、およびコーナ刃6は、図3に示すように、この厚さ方向に垂直な一の平面上に延びるように形成されている。このうち、一対の横切刃3は、それぞれコーナ刃6から切刃部2の後端側に向かうに従って幅方向に後退して互いに接近するように、長手方向に対して僅かに傾斜して等しいバックテーパが与えられた直線状とされるとともに、正面切刃4も本実施形態では上記平面Nに直交する直線状とされている。従って、これら一対の横切刃3と正面切刃4とに関してみると、すくい面5は、より詳しくは上記平面視において正面切刃4を底辺(下底)とする等脚台形状を呈することになる。
一方、コーナ刃6は、本実施形態では各コーナ部Cにおいて正面切刃4から横切刃3に向けて順に、上記平面視において図6に示すように、直線状の上記正面切刃4に滑らかに接する略1/4凸円弧状の凸曲線刃6Aと;この凸曲線刃6Aに滑らかに接して上記長手方向に直線状に延びるワイパー刃6Bと;このワイパー刃6Bに角度をもって交差し、後端側(横切刃3側)に向かうに従い上記幅方向にすくい面5の内側に円弧状をなして凹曲しつつ後退して横切刃3に滑らかに接する凹曲線刃6Cと;からそれぞれ構成されている。
なお、凹曲線刃6Cがなす凹円弧の曲率半径は、上記凸曲線刃6Aがなす凸円弧の曲率半径よりも大きくされている。
このように構成されることにより、上記コーナ刃6は、このコーナ刃6に接する接線が上記正面切刃4からこのコーナ刃6に沿って上記長手方向に延びる向きに旋回した後に、この旋回する方向を変化させる変曲点Oを有して上記横切刃3に連なるように、凸状を呈することになる。すなわち、上記平面視において例えば図7に示すように、正面切刃4を下側にして右側のコーナ部Cを見た場合、このコーナ部Cのコーナ刃6に接する接線が、コーナ刃6の正面切刃4との接点Pにおいてこの正面切刃4に接した状態から、上記凸曲線刃6Aに沿ってワイパー刃6Bに向かうに従い、図7において左側(反時計回り方向)に旋回しつつ、この凸曲線刃6Aとワイパー刃6Bとの接点Qに至り、上記長手方向に延びる向きとなる。
さらに、ワイパー刃6B上では、コーナ刃6に接する接線が、旋回することなく、従って旋回する向きを変えることもなく、上述のように直線状をなすワイパー刃6Bに沿って上記長手方向(軸線L方向)に平行のまま、ワイパー刃6Bと角度をもって交差する上記凹曲線刃6Cとの交点Rに達する。なお、本実施形態では、ワイパー刃6Bにおいてコーナ刃6が上記幅方向の外側に最も突出した状態となる。すなわち、ワイパー刃6Bがコーナ刃6の幅方向の突端となる。
上記交点Rにおいて、コーナ刃6の接線は、こうしてワイパー刃6Bに沿って上記長手方向に延びた向きから、この交点Rにおける上記凹曲線刃6Cの接線へと一旦、さらに図7において左側に旋回すると同時に、この交点Rから凹曲線刃6Cと横切刃3との接点Sに向けては、凹曲線刃6Cに接する接線が図7において右側(時計回り方向)に旋回するように、その旋回する向きが変化することになる。従って、本実施形態では、コーナ刃6に接する接線が、この交点Rにおいてその旋回する向きを変えることになり、この交点Rが上記変曲点Oとなる。なお、こうして旋回する向きを変えた接線は、上記接点Sにおいて横切刃3に沿って上述のように長手方向に対して僅かに傾斜しつつ切刃部2の後端側に向かうに従い後退するように延びることになる。
このように構成された切削インサートにおいては、まず上記コーナ刃6の幅方向に最も凸となる部分に、インサート本体1の長手方向に延びるワイパー刃6Bが形成されているので、このような切削インサートを上述のようにホルダに保持してこの長手方向(軸線L方向)に送り出しつつ、被削材に溝入れ加工や突っ切り加工を施した場合には、図8に示すように被削材Wに形成される溝壁面や切断面である加工面Vを、この長手方向に沿って上記平面Nに平行になるように平滑に仕上げることができる。
さらに、上記構成の切削インサートでは、ワイパー刃6B後端の凹曲線刃6Cとの交点Rを変曲点Oとして、コーナ刃6に接する接線がその旋回の向きを変化させていることにより、変曲点O(交点R)から横切刃3に至る凹曲線刃6Cの部分で、幅方向に最も凸となる上記ワイパー刃6Bに対してすくい面5の内側に一旦凹んでから横切刃3に連なる凹曲した部分が、コーナ刃6に形成される。言い換えれば、本実施形態のように横切刃3が直線状に延びている場合には、この横切刃3の先端側への延長線に対してコーナ刃6が幅方向に突出するように凸状に形成されるので、図8に示したようにワイパー刃6Bにより形成された被削材Wの加工面Vに対して、この横切刃3のクリアランスを大きく確保することができる。
従って、このような切削インサートによれば、上述のようにインサート本体1を上記長手方向(軸線L方向)に送り出して溝入れや突っ切り加工を行う際に、横切刃3やこれに連なる逃げ面9が上記加工面Vに接触するのを確実に防ぐことができる。よって、加工時の切削抵抗の低減を図って円滑かつ安定した加工を促すことができる。また、横切刃3と加工面Vとの間に大きなクリアランスが確保されることにより、例えば過大な切削負荷が作用して万一インサート本体1が図8においていずれか一方の横切刃3側に傾くようにずれ動いても、横切刃3が加工面Vに干渉して傷を付けたりするような事態を避けることができる。よって、加工面Vの精度や品位が損なわれたりするのを防ぐこともできる。
さらに、上述のようにコーナ刃6が凸状に形成されることにより、コーナ刃6のワイパー刃6Bに上記長手方向に沿って生じた摩耗(逃げ面9の摩耗)が上記幅方向にすくい面5の内側に向けて進行しても、コーナ刃6が上記延長線から突出している範囲では横切刃3に摩耗が及ぶことがない。よって、この摩耗の上記長手方向における摩耗長さが直ちに著しく増大するのを防ぐことができる。すなわち、この範囲では上記幅方向への摩耗量に対する長手方向の摩耗長さの増大を小さく抑えることができ、摩耗長さの増大による切削抵抗の増大も抑制することができる。よって、上記構成の切削インサートによれば、上述のように元々低く抑えられた切削抵抗を長期に亙って維持することができ、従って円滑かつ安定的な溝入れ、突っ切り加工をも長期に亙って可能な寿命の長い切削インサートを提供することが可能となる。
特に本実施形態では、上記ワイパー刃6Bに対してすくい面5の内側に一旦凹んでから横切刃3に連なる凹曲部分が、このワイパー刃6Bとの交点Rを上記変曲点Oとしてこの変曲点Oから横切刃3側に向けて凹曲線(凹円弧)状に形成された凹曲線刃6Cとされている。例えば、この交点Rと横切刃3との接点Sを後述する第2の実施形態のように直線状に結んだ場合と比べても、上記凹曲部分の、すくい面5内側への凹みを大きくすることができる。すなわち、上記クリアランスを一層大きく確保することができる。また、ワイパー刃6Bの上記幅方向への摩耗量に対する長手方向の摩耗長さの増大も、より小さく抑えることができるので、上述のような効果をより一層確実に奏功することが可能となる。
なお、図7に示すように上記平面視における正面切刃4から上記変曲点Oまでの上記長手方向の間隔Aは、図6に示すすくい面5の上記長手方向に直交する方向の最大幅(本実施形態では、一対のコーナ刃6のワイパー刃6B同士の間隔)Bに対して10〜60%の範囲とされるのが望ましい。この間隔Aが上記範囲より小さいと凸状をなすコーナ刃6自体が上記長手方向に短くなって欠損を生じ易くなるおそれがあり、逆に上記間隔Aがこの範囲より大きいと、長手方向にコーナ刃6が長くなりすぎて、その摩耗量に対する長手方向の摩耗長さの増大を抑制することができなくなるおそれが生じる。
また、同図7に示すように上記平面視において、横切刃3が直線状である場合にその延長線Eからのコーナ刃6の上記幅方向への突出量(上記平面視において延長線Eと、この延長線Eに平行でコーナ刃6の外接する直線Fとの間隔)Gは、上記最大幅Bに対して3〜25%の範囲とされるのが望ましく、これよりも大きいとコーナ刃6が突出しすぎてやはり欠損を生じ易くなるおそれがある一方、これよりも小さいと横切刃3と加工面Vとのクリアランスを確保できなくなるおそれが生じる。
本実施形態では、ワイパー刃6Bが上記平面視において軸線Lに平行かつ、長手方向に沿った直線状に形成されている。すなわち、ワイパー刃6Bは、本実施形態の長手方向に垂直な正面切刃4に対しては、図7に示すように90°の交差角θで交差する方向に延びているが、例えば上記特許文献2と同じように切刃部2の後端側に向かうに従ってすくい面5の幅方向内側に向けて傾斜するように交差角θが設定されていてもよい。この場合には、傾斜したワイパー刃6Bと凸曲線刃6Aとの接点または交点が、コーナ刃6の幅方向の突端となる。ただし、この交差角θが小さくなりすぎると、ワイパー刃6Bとして上述のように加工面Vを平滑に仕上げることができなくなるおそれがある。よって、交差角θは、上記横切刃3に与えられるバックテーパよりも小さなバックテーパが与えられるように、例えば88°以上の範囲に設定されるのが望ましい。
また、このようにワイパー刃6Bを直線状に形成するのに代えて、図9に示す第1の実施形態の第1変形例のように、ワイパー刃6Bを上記平面視して、上記幅方向においてすくい面5の外側に凸となる曲率半径の大きな凸円弧等の凸曲線状に形成してもよい。なお、この第1変形例を初め、以降に説明する他の変形例および他の実施形態やその変形例について、上記第1の実施形態と共通する要素には同一の符号を配して説明を省略する。
上記第1変形例において、上記平面視してワイパー刃6Bがなす凸曲線は、コーナ刃6の上記凸曲線刃6Aがなす凸曲線(凸円弧)および凹曲線刃6Cがなす凹曲線(凹円弧)よりも大きな曲率半径とされ、凸曲線刃6Aに接点Qにおいて接するように形成され、この接点Qと上記変曲点Oとなる凹曲線刃6Cとの交点Rとを結ぶ直線(すなわち、凸曲線状のワイパー刃6Bの弦)が、上記交差角θの範囲となるように設定されている。従って、コーナ刃6に接する接線は、上記接点Qから交点Rにかけても図9において左旋回して変曲点Oとなるこの交点Rで旋回する向きを変えることになり、またこのワイパー刃6B上の1点で上記長手方向(軸線L方向)に平行となって、この1点がコーナ刃6の幅方向の突端となる。
さらに、上記第1の実施形態や第1変形例のように、コーナ刃6におけるワイパー刃6Bと凹曲線刃6Cとが交点Rにおいて角度をもって交差するように形成されていると、この交点Rの周辺においてコーナ刃6に欠けが生じ易くなるおそれがある。そこで図10及び図11に示す第1の実施形態の切削インサートに対する第1参考例、第2参考例では、交点Rの周辺部分をさらに凸円弧等の凸曲線状の繋ぎ刃6Dにより滑らかに繋ぐようにして、欠け易い鋭利な角部が残らないようにしている。
この場合、上記繋ぎ刃6Dは、ワイパー刃6Bと凹曲線刃6Cとのそれぞれに対して接点T,Uで接することになる。従って、このうち、凸曲線状の繋ぎ刃6Dと凹曲線状の凹曲線刃6Cとが接する接点Uが変曲点Oとなる。また、コーナ刃6に接する接線は、変曲点Oの前後で、図10及び図11において左旋回から右旋回へと横切刃3側に向けて旋回する向きを連続的に変えることになる。なお、図10は、ワイパー刃6Bが直線状とされた上記第1の実施形態の参考例であり、図11は、ワイパー刃6Bが凸曲線状とされた第1変形例の参考例である。
図12は、本発明の切削インサートに対する第3の参考例を示す。すなわち、上記第1の実施形態およびその変形例では、コーナ刃6のワイパー刃6Bと横切刃3との間に、上記平面視において凹曲線状をなす凹曲線刃6Cが形成されることにより、このコーナ刃6に接する接線の旋回する向きが、ワイパー刃6Bと凹曲線刃6Cとの交点R変曲点として変えられていたのに対し、第3の参考例では、コーナ刃6におけるワイパー刃6Bの後端から横切刃3に至る部分が、上記平面視において、横切刃3に与えられるバックテーパよりも大きな角度で、横切刃3側に向かうに従って上記幅方向にすくい面5の内側に向けて傾斜しつつ直線状に後退する直線状刃6Eとされ、この直線状刃6Eが横切刃3と交点Xで交差してすくい面5の内側に凹むように凹曲折させられており、この交点Xが上記変曲点Oとされている従って、この場合の正面切刃4から変曲点Oまでの長手方向の間隔Aは、図12に示すようにこの交点Xまでの距離となる。
具体的に、本第3の参考例の図12に示したコーナ部Cでは、コーナ刃6に接する接線がこのコーナ刃6に沿って正面切刃4側から横切刃3側に向かうに従い、接点P,Qを経てワイパー刃6B後端の上記直線状刃6Eとの交点Rに至るまでは、上記第1の実施形態と同様に、図12において左旋回している。しかしながら、上記第1の実施形態では交点R(変曲点O)において凹曲線刃6C上に移ったところでこの接線が一旦大きく左旋回した後は凹曲線刃6Cに沿って右旋回して旋回する向きが変わっていた。これに対し、本第3の参考例では、交点Rから直線状刃6Eと横切刃3との上記交点Xまでは、コーナ刃6に接する接線が、この直線状刃6Eに沿って旋回することなく延び、従って旋回の向きも変わらずに、交点Xにおいて横切刃3に沿うように右旋回したところで旋回の向きが変わることになって、この交点Xが変曲点Oとなる。
従って、本第3の参考例においても、変曲点Oとされた交点Xにおいてコーナ刃6が上記平面視においてすくい面5の幅方向内側に凹むように形成される。言い換えれば、横切刃3の先端側への延長線に対してコーナ刃6が幅方向に突出するように凸状に形成されることになるので、上記第1の実施形態と同様に、横切刃3と加工面Vとのクリアランスを確保することができるとともに、コーナ刃6における上記ワイパー刃6Bの上記幅方向への摩耗量に対する長手方向の摩耗長さも小さく抑えることができる。また、本第3の参考例では、上記交点R、X間が直線状刃6Eとされていて、この直線状刃6Eに連なる逃げ面9部分は平面状に形成すればよいので、凹曲線刃6Cに連なる逃げ面9部分を凹曲面状に形成しなければならない上記第1の実施形態に比べて、切刃部2の形成が比較的容易であるという利点も得られる。
なお、図13ないし図15は、上記第3の参考例の第1〜第3変形例を示す。図13に示す第1変形例は、図9に示した第1の実施形態の第1変形例と同様に、ワイパー刃6Bが上記平面視に曲率半径の大きな凸曲線状とされたものである。図14に示す第2変形例は、図10に示した上記第1の実施形態に対する第1の参考例と同様に、角度をもって交差するワイパー刃6Bと直線状刃6Eとの交点R周辺を、これらワイパー刃6Bと直線状刃6Eとに接点T,Uで接する凸曲線状の繋ぎ刃6Dで滑らかに繋いだものである。図15に示す第3変形例は、図11に示した上記第1の実施形態に対する第2の参考例と同様に、ワイパー刃6Bが凸曲線状とされるとともに交点R周辺が繋ぎ刃6Dで繋がれたものである。ただし、この第3の参考例の第2、第3変形例では、第1の実施形態に対する第1、第2の参考例のように上記接点Uでコーナ刃6の接する接線の旋回の向きが変わることはなく、変曲点Oは上記交点Xのままである。
次いで、図16ないし図18は本発明の第2の実施形態を示すものである。すなわち、上記第1の実施形態やその変形例では上記平面視において正面切刃4がインサート本体1の長手方向(軸線L方向)に直交する方向に延びているが、この第2の実施形態では、正面切刃4が同平面視においてインサート本体1の長手方向(軸線L方向)に対して斜交する方向に延びるように形成されている点が特徴的となっている。なお、この第2の実施形態では、上記正面切刃4以下の部分が上記第1の実施形態の構成を適用しているが、第1の実施形態の変形例の構成を適用することも勿論可能である。また、この場合の上記間隔Aは、図17に示すように傾斜した正面切刃4の上記長手方向の突端から変曲点Oまでの距離とすればよい。
第2の実施形態の切削インサートによれば、特に回転する被削材Wを切断する突っ切り加工に用いたときに、インサート本体1の軸線Lを被削材Wの回転軸線に垂直な平面上に位置させてこの軸線L方向に送り出すと、図18に示すように、切刃部2によって被削材Wに形成される溝の底面も、軸線Lに斜交して被削材Wの上記回転軸線に対しても斜めとなる。そのままインサート本体1を送り出してゆくと、正面切刃4が長手方向先端側に突き出した側(図18において右側)のコーナ部Cにおいて先に被削材Wが切断され、反対の正面切刃4が後退したコーナ部C側(図18において左側)には被削材Wの加工面Vから先細りの円錐状の芯が上記回転軸線に沿って残される。
しかるに、上記第1の実施形態及びその変形例のように正面切刃4が長手方向に垂直であると、上記溝の底面も長手方向に垂直すなわち被削材Wの回転軸線には平行となる。従って、被削材Wが切断される直前に、回転軸線に沿って径が一定の円柱状の芯が残されることになるが、このような芯は完全に削り取られる前にその中央部で折れて切断された被削材Wの両方の加工面Vに残されるおそれがある。そのような場合には、これら両方の加工面Vに仕上げ加工を施して残った芯を取り除かなければならないが、上記第2の実施形態では、芯が残るのは、上述のように正面切刃4が後退したコーナ部C側の加工面Vだけである。よって、仕上げ加工に要する時間や労力を半減することができる。
なお、第2の実施形態では、正面切刃4が後退したコーナ部C側の加工面Vに芯が残されて仕上げ加工が必要となるため、図19〜図21に示す第2の実施形態の変形例のように、正面切刃4が後退したコーナ部C側ではそのコーナ刃6にワイパー刃6Bは形成されていなくてもよい。また、第2の実施形態及びその変形例に係る切削インサートは、切刃部2に左右の方向性が与えられた、いわゆる勝手付きのインサートとなる。インサート本体1は、上記第1の実施形態及びその変形例のように上記平面M,Nに関して対称には形成されず、図16や図19に示すように、これらの平面M,Nの交差稜線Y回りに180°回転対称に形成される。
次に、図22〜図28は、本発明の切削インサートに対する第4の参考例を示す。本第4の参考例では、上記第2の実施形態の変形例における正面切刃4が後退した側のコーナ部Cと同様に、コーナ刃6にワイパー刃6Bが形成されていない言い換えれば、上記第2の実施形態の変形例における正面切刃4が後退した側のコーナ部Cは、この第4の参考例を適用したものである。ただし、この第4の参考例では、正面切刃4は第1の実施形態およびその変形例と同様に上記平面視にインサート本体1の長手方向(軸線L方向)に垂直に形成されて、切刃部2に左右の方向性がない、いわゆる勝手なしのインサートである。
すなわち、本第4の参考例では、図27〜図28に示すように、コーナ刃6が、上記平面視に正面切刃4に接点Pで接する凸円弧等の凸曲線刃6Aと、この凸曲線刃6Aに接点Zで接するとともに横切刃3とは接点Sで接する凹円弧等の凹曲線刃6Cとからのみで構成されている。従って、この第4の参考例では、凸曲線刃6Aは1/4円弧を越えた弧の長さで、コーナ刃6に接する接線が長手方向に平行となってこのコーナ刃6の上記幅方向の突端となる位置よりも後端側かつこの幅方向内側にまで回り込む。さらには、図28に鎖線で示すように、上記平面視に横切刃3に平行で凸曲線刃6Aに接する接線との接点の位置も越えて回り込んで、上記接点Zに達する。
そして、このコーナ刃6に接する接線は、正面切刃4との接点Pからこの接点Zまでは図28において左旋回する一方、接点Zから横切刃3との接点Sにかけては同図28において右旋回することになって、この接点Zが変曲点Oとなり、その前後で上記接線の旋回する向きが連続的に変化させられる。また、本第4の参考例でも、コーナ刃6は、横切刃3の先端側への延長線よりも上記幅方向に突出する凸状に形成される。
一方、本第4の参考例と同様に、コーナ刃6にワイパー刃6Bが形成されない場合においても、上記第3の参考例と同様に、コーナ刃6が変曲点Oの前後で角度をもって交差するようにして、この変曲点Oにおいて凹曲折させられている場合を、図29に本発明の切削インサートに対する第5の参考例として示す。すなわち、この第5の参考例では、コーナ刃6は、上記平面視に接点Pにおいて正面切刃4に接する凸曲線刃6Aのみによって構成されていて、この凸曲線刃6Aがそのままコーナ刃6の幅方向の突端や横切刃3と平行なコーナ刃6への接線との接点を越えて回り込み、そのまま交点Uにおいて横切刃3と角度をもって凹曲折するように交差させられている。
本第5の参考例においても、コーナ刃6に接する接線は、接点Pから交点Uにかけてが、図29において左旋回しつつ横切刃3側に向かい、この交点Uにおいてこの横切刃3に沿う向きへと右旋回させられることになるため、第3の参考例と同様にこの交点Uが変曲点Oとされる。なお、本第5の参考例では、凸曲線刃6Aが上記突端や横切刃3と平行なコーナ刃6への接線との接点を越えて回り込んだ位置から横切刃3に至る部分を、上記第3の参考例の直線状刃6Eと同様に上記平面視において直線状に繋いでもよい。
さらに、これら第4、第5の参考例のように、ワイパー刃6Bを形成しない場合においても、上記第2の実施形態のように正面切刃4は上記平面視にインサート本体1の長手方向(軸線L方向)に対して斜交するように形成されていて、上述した勝手付きの切削インサートとされている場合の本発明の切削インサートに対する第6の参考例を、図30および図31示す。
従って、第4〜第6の参考例においても、コーナ刃6が、上記平面視においてこのコーナ刃6に接する接線の旋回する向きが変わる変曲点Oを有していて、横切刃3の先端側への延長線よりも上記幅方向に突出する凸状に形成されている。よって、被削材Wの加工面Vと横切刃3とのクリアランスを大きく確保することができる。また、上記幅方向へのコーナ刃6の摩耗量に対する長手方向の摩耗長さは、その増大率が第1、第2の実施形態よりも大きくなる場合もあるが、ワイパー刃6Bを備えていないため、その長さ自体を短く抑えることができ、やはり切削抵抗の増大を抑えることができる。
次に、図32A〜図32Dは、それぞれ上述した第3の参考例の第4〜第7の変形例を示すものである。これらの変形例は、第3の参考例のコーナ刃6において、ワイパー刃6Bの長さを一定として、横切刃3側に向かうに従い上記幅方向にすくい面5の内側に向けて傾斜する直線状刃6Eが上記平面視において軸線Lに対してなす傾斜角αを変化させたものであり、図32Aに示す第4変形例はα=30°、図32Bに示す第5変形例はα=45°、図32Cに示す第6変形例はα=90°、図32Dに示す第7変形例はα=100°の場合を示している。
これらの変形例に示されるように、傾斜角αが小さくなると、コーナ刃6の凸曲線刃6Aから直線状刃6Eまでの上記長手方向に沿った長さが上記幅方向内側に向けて長くなり、コーナ刃6が摩耗するに従い長手方向の摩耗長さも増大することになる一方、逆に傾斜角αが大きくて、特に90°を大きく上回るとこの凸曲線刃6Aから直線状刃6Eまでの長手方向の長さが幅方向内側に向かうに従い短くなり、コーナ刃6周辺におけるインサート本体1の強度が損なわれて欠損を生じ易くなるおそれがある。
従って、このような場合の傾斜角αは30〜100°の範囲内とされるのが望ましい。
ちなみに、図33A及び図33Bは、直線状刃6Eが上記第3の参考例の第5変形例と等しい傾斜角α=45°で上記間隔Aを変化させた第3の参考例の第8、第9の変形例を示し、図34A及び図34Bは、直線状刃6Eが上記第3の参考例の第6変形例と等しい傾斜角α=90°で上記間隔Aを変化させた第3の参考例の第10、第11の変形例を示すものであり、特に第8、第10の変形例ではワイパー刃6Bの長さが0となるように間隔Aが設定されて、すなわち凸曲線刃6Aと直線状刃6Eとが交点Rにおいて直接接続されている。
このように、コーナ刃6が長手方向(軸線L方向)に対して傾斜した直線状刃6Eを備えている場合において、上記間隔Aが小さすぎると図33A及び図34Aの各図に示されるように、コーナ刃6自体が短くなるとともに、特に上記幅方向の突端となる部分が尖ってしまって欠けが生じ易くなる。その一方で、この間隔Aが大きすぎると、例えば図34Bに示すようにコーナ刃6の幅方向への摩耗量に対する長手方向の摩耗長さの増大が小さいような場合でも、コーナ刃6と被削材との絶対的な接触長さが長くなるため、やはり切削抵抗の増大を招く結果となる。このため、この間隔Aは上述のようにすくい面5の最大幅Bに対して10 〜60%の範囲内とされるのが望ましい。
また、図35A〜図35Dは、コーナ刃5にワイパー刃6Bが形成されずに凸曲線刃6Aがそのままコーナ刃6の幅方向の突端や横切刃3と平行なコーナ刃6への接線との接点を越えて回り込んだ第5の参考例の第1〜第4の変形例を示すものであり、これらの変形例ではコーナ刃6の上記幅方向の突端を境界として凸曲線刃6Aの半径が異なるものとされており、すなわち図35A〜図35Cに示す第1〜第3の変形例では上記突端よりも先端側が後端側よりも半径が大きく、図35Dに示す第4の変形例ではこれとは逆に上記突端よりも後端側が先端側より大きな半径とされている。
さらに、このうち図35A〜図35Cに示す第1〜第3の変形例では、こうして回り込んだ凸曲線刃6Aと横切刃3との間に、凸曲線刃6Aに接点Uで接するとともに横切刃3と変曲点Oにおいて角度をもって凹曲する直線状刃6Eが形成されており、その軸線Lに対する傾斜角αが第1の変形例では45°に、第2の変形例では60°に、第3の変形例では90°に設定されている。さらにまた、図36A及び図36Bに示す第3の参考例の第5、第6の変形例は、このうち第4、第2の変形例のさらなる変形例であって、凸曲線刃6Aの突端に軸線Lに平行なワイパー刃6Bが形成されたものであり、第3の参考例の第3の変形例における繋ぎ刃6Dの半径を小さくした変形例ともいうことができる。
また、図37Aに示すのは、図33Aに示した変形例のさらなる変形例ともいうべき本発明の切削インサートに対する第7の参考例であり、凸曲線刃6Aが図33Aに示した変形例よりも大きな半径を有する1/4円弧状とされるとともに、この凸曲線刃6Aに、傾斜角α=45°の直線状刃6Eが直接連続させられていて、ワイパー刃6Bは形成されていない。
なお、第1、第2の実施形態およびその変形例では、切刃部2の一対のコーナ部Cそれぞれに上述のような変曲点Oを有するコーナ刃6を形成しているが、かかるコーナ刃6はこのコーナ部Cに形成される一対のコーナ刃のいずれか一方だけでもよく、他方のコーナ刃は、例えば横切刃3と正面切刃4とに接する凸円弧等の凸曲線状刃で構成してもよい。また、図37Bに示す上記第7の参考例の変形例では、コーナ刃6の正面切刃4からこのコーナ刃6に接する接線が上記長手方向を向いて幅方向の突端に至る手前までの部分は、上記平面視において切刃部2の後端側に向かうに従い幅方向外側に向かうように軸線Lに斜交する方向に延びる直線状のチャンファ刃6Fとされている。
上記第1、第2の実施形態およびその変形例では、上記コーナ刃6が上述のような変曲点Oを、正面切刃4から横切刃3側に向けてこのコーナ刃6に接する接線が上記長手方向を向いた後(すなわち、コーナ刃6の上記幅方向の突端よりも切刃部2の後端側の範囲)に、1点のみ有するものとしたが、例えば上記クリアランスに影響を及ぼさないような位置でコーナ刃6に微小な凸部や段部が形成されるなどして、複数の変曲点が設けられるようにしてもよい。また、横切刃6は、上記平面視において上述のようにバックテーパが与えられた直線状のもの以外に、同平面視に軸線Lに平行に延びるものであっても、凹曲線状に形成されたものであってもよい。
さらに、本発明の切削インサートでは、上述のように被削材Wの加工面Vと横切刃3との間にクリアランスが確保されるため、インサート本体1をその長手方向に送り出して溝入れや突っ切り加工を行うときには、上記横切刃が切削に関与することはなく、従ってこの横切刃3の部分は切削作用を奏することのない単なるすくい面5の辺稜部とされていてもよい。すなわち、上記各実施形態およびその変形例の切削インサートは、軸状をなすインサート本体1の端部に、このインサート本体1の長手方向(軸線L方向)に交差する方向に延びる正面切刃4を備えたすくい面5を有する切刃部2が形成され、上記平面視に、正面切刃4の両端部のうち少なくとも一方の端部に位置するコーナ刃6が、このコーナ刃6に接する接線が正面切刃4からこのコーナ刃6に沿って上記長手方向に延びる向きに旋回した後、この旋回する方向を変化させる変曲点Oを有する凸状に形成され、コーナ刃6が最も凸となる部分に変曲点Oが位置しているだけのものであってもよい。
ところで、これら第1、第2の実施形態およびその変形例の切削インサートでは、こう
してコーナ刃6が上記平面視に変曲点Oを有する凸状に形成されることにより、この変曲
点Oに連なって正面切刃4とは反対側、すなわち切刃部2の後端側を向いて凹曲しつつ横
切刃3またはすくい面2の上記辺稜部に至る刃部がコーナ刃6に形成されることになる。
この刃部は第1、第2の実施形態やその変形例における凹曲線刃6Cである。
従って、このような本実施形態およびその変形例の切削インサートによれば、被削材Wに対してインサート本体1を上記長手方向に送り出して正面切刃4やコーナ刃6のうちこの正面切刃4側の部分で被削材を切削した後、これと連続して、インサート本体1を上記長手方向に後退させる際に、上記刃部を用いて被削材をさらに切削することができる。そこで、次にこのような本発明の切削方法の実施形態について説明する。
図38A〜図38Fは、このような本発明の切削方法の第1の実施形態を説明するものであって、本第1実施形態では図38A〜図38Cに矢線で示すように軸線H回りに回転する被削材Wの外周面にインサート本体1をその長手方向に送り出して正面切刃4およびコーナ刃6の正面切刃4側を向く部分によって溝入れ加工を行い、次いで図38Dに矢線で示すようにこうして形成された溝の一方の壁面(図38Dでは右側の加工面V)側にインサート本体1を例えば上記突出量Gの範囲内で移動させてコーナ刃6を食い込ませ、さらに図38E及び図38Fに矢線で示すようにそのままインサート本体1を長手方向に後退させて、正面切刃4とは反対側を向くコーナ刃6の上記刃部によりすくい面5の上記最大幅Bよりも幅広の溝を形成している。
しかるに、この点、上記特許文献1〜4に記載の切削インサートでは、コーナ刃が正面切刃から凸曲したまま変曲点を有することなく横切刃に接し、あるいは交差しているため、インサート本体を一方の溝壁面側にずらして後退させつつ切削を行おうとしても切削抵抗が大きく、これによりインサート本体が撓んでしまって溝幅を拡げることができず、一旦インサート本体を真っ直ぐ溝から引き出してずらし、再び長手方向に送り出して溝幅を拡げるという2往復の工程を採らざるを得ないが、本発明の切削インサートを用いた第1の実施形態の切削方法によれば、上述のような幅広の溝を1度のインサート本体1の往復で形成することができる。従って、本第1実施形態によれば、インサート本体1が移動する間に切削に関与しない工程が生じることがなく、加工効率の向上を図ることが可能となる。
また、図39A〜図39Fは、本発明の切削方法の第2の実施形態を示すものであって、被削材Wに予め形成された幅広の溝の内面を仕上げ加工する場合を説明するものである。すなわち、本第2の実施形態では、図39A及び図39Bに矢線で示すように軸線H回りに回転される被削材Wに形成された溝の一方の壁面(図39A〜図39Fの各図において右側の加工面V)に沿ってインサート本体1を長手方向に送り出すことにより、該一方の壁面側のコーナ刃6によってこの壁面を仕上げ切削する。次いで、溝の底面に達したなら正面切刃4をこの底面に切り込ませつつ、図39Cに矢線で示すようにインサート本体1を溝の他方の壁面(図39A〜図39Fの各図において左側の加工面V)側に移動させて、この他方の壁面側を向くコーナ刃6と正面切刃4によって該底面を仕上げ切削する。
そして、図39Dに示すようにこのコーナ刃6が他方の壁面に達したなら、コーナ刃6の正面切刃4とは反対側を向く上記刃部をこの他方の壁面に切り込ませつつ、図39Eに矢線で示すようにインサート本体1を長手方向に後退させて、図39Fに示すように溝から引き出すことにより、この溝の内面全体を1度のインサート本体1の移動だけで仕上げ切削することができる。
しかるに、この点についても、上記特許文献1〜4に記載の切削インサートでは、第1の実施形態の場合と同様にインサート本体を後退させながら他方の壁面の仕上げを行うことができないため、溝の底面の仕上げ切削の途中で一旦インサート本体を後退させ、次いで他方の壁面に沿ってインサート本体を送り出すことにより、溝の内面全体を仕上げ切削しなければならず、こうして途中でインサート本体を後退させる間は切削が行われない工程となるのが避けられないが、本第2の実施形態によればこのような工程が介在するのを防いで、効率的な仕上げ切削を図ることが可能となる。
しかも、こうして仕上げ切削が溝の底面の切削の途中で2回に分かれてしまうと、初めと後での溝底面の仕上げ加工面同士の継ぎ目に段差やスジが生じてしまい、加工面の精度や品位を損なうことになるが、本第2の実施形態では底面の仕上げ切削が1度のインサート本体1の移動で済むので、このような段差やスジが残されることもない。従って、本第2の実施形態によれば、このような仕上げ切削における加工精度や加工面品位の向上を図ることも可能となる。また、このような溝入れ加工を行う切削インサートとしては、すくい面が円形に形成された切削インサートも知られているが、そのようなインサートでは送りを大きくすると加工面にやはりスジが発生してしまうため、本第2の実施形態のように加工効率の向上と加工面精度や品位の向上とを両立させることはできない。
なお、これら第1、第2の実施形態の切削方法では、被削材Wに溝入れ加工を行う場合について説明したが、例えば被削材を切断する突っ切り加工などにおいても、インサート本体1を被削材の回転軸線に達するまで長手方向に送り出して被削材を切断し、次いでこの被削材の切断面側にインサート本体1をずらして該切断面側のコーナ刃6を切り込ませ、そのまま長手方向にインサート本体1を後退させることにより、この切断面の仕上げ切削を連続して行うようなことも可能である。
本発明によれば、加工効率を損なうことなく、加工精度や加工品位の高い加工面を形成することが可能な切削方法を提供することができる。このような切削方法に用いられる本発明の切削インサートによれば、コーナ刃の摩耗による切削抵抗の極端な増大を抑えてインサート寿命の延長を図ることができるとともに、横切刃やコーナ刃の横切刃に至る部分での加工面とのクリアランスを確保して加工精度や加工品位の向上をも図ることが可能な切削インサートを提供することができる。

Claims (8)

  1. 軸状をなすインサート本体の端部に、このインサート本体の長手方向に交差する方向に延びる正面切刃を備えたすくい面を有する切刃部が形成され;
    上記長手方向に垂直に上記すくい面に対向する方向から見て、上記正面切刃の両端部のうち少なくとも一方の端部に位置するコーナ刃が、このコーナ刃に接する接線が上記正面切刃からこのコーナ刃に沿って上記長手方向に延びる向きに旋回した後、この旋回する方向を変化させる変曲点を有する凸状に形成され
    上記コーナ刃が最も凸となる部分に上記変曲点が位置している;
    切削インサートによる切削方法であって、
    被削材に対して上記長手方向に送り出された上記インサート本体を、上記長手方向に交差する方向に横送りして、凸状に突出した上記コーナ刃の突出量の範囲内で上記被削材の加工面に切り込ませ、しかる後に上記インサート本体を上記長手方向に後退させることによって、上記コーナ刃のうち上記変曲点に連なって上記正面切刃側とは反対側を向く刃部により、上記被削材の加工面を切削する
    ことを特徴とする切削インサートによる切削方法。
  2. 請求項1に記載の切削方法に用いられる切削インサートであって、
    軸状をなすインサート本体の端部に、このインサート本体の長手方向に延びる一対の横切刃と、これら横切刃の先端同士の間に上記長手方向に交差する方向に延びる正面切刃と、を備えた四角形状のすくい面を有する切刃部が形成され;
    上記長手方向に垂直に上記すくい面に対向する方向から見て、上記横切刃及び正面切刃が交差する一対のコーナ刃の少なくとも一方が、このコーナ刃に接する接線が上記正面切刃からこのコーナ刃に沿って上記長手方向に延びる向きに旋回した後、この旋回する方向を変化させる変曲点を有して上記横切刃に連なる凸状に形成され
    上記コーナ刃が最も凸となる部分に上記変曲点が位置している;
    ことを特徴とする切削インサート。
  3. 請求項2に記載の切削インサートであって、
    上記長手方向に垂直に上記すくい面に対向する方向から見て、上記横切刃が先端側に向けて直線状に延びており;
    上記一対のコーナ刃の少なくとも一方が、前記横切刃の先端側への延長線から突出する凸状に形成されている。
  4. 請求項2に記載の切削インサートであって、
    上記長手方向に垂直に上記すくい面に対向する方向から見て、上記一対のコーナ刃の少なくとも一方が、上記変曲点から上記横切刃側に向けて凹曲線状に形成されている。
  5. 請求項2に記載の切削インサートであって、
    上記長手方向に垂直に上記すくい面に対向する方向から見て、上記一対のコーナ刃の少なくとも一方が、上記長手方向に延びるワイパー刃を有する。
  6. 請求項2に記載の切削インサートであって、
    上記長手方向に垂直に上記すくい面に対向する方向から見て、上記正面切刃が、上記長手方向に斜交する方向に延びている。
  7. 請求項2に記載の切削インサートであって、
    上記長手方向に垂直に上記すくい面に対向する方向から見て、上記正面切刃の上記長手方向の突端から上記変曲点までの上記長手方向の間隔が、上記すくい面の上記長手方向に直交する方向の最大幅に対して10〜60%の範囲とされている。
  8. 請求項1に記載の切削方法に用いられる切削インサートであって、
    軸状をなすインサート本体の端部に、このインサート本体の長手方向に交差する方向に延びる正面切刃を備えたすくい面を有する切刃部が形成され;
    上記長手方向に垂直に上記すくい面に対向する方向から見て、上記正面切刃の両端部のうち少なくとも一方の端部に位置するコーナ刃が、このコーナ刃に接する接線が上記正面切刃からこのコーナ刃に沿って上記長手方向に延びる向きに旋回した後、この旋回する方向を変化させる変曲点を有する凸状に形成され
    上記コーナ刃が最も凸となる部分に上記変曲点が位置している;
    ことを特徴とする切削インサート。
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