JP4645160B2 - エステル結合含有高分子の分解または溶解用の処理液、該処理液を用いた処理方法、複合材料の分離方法 - Google Patents

エステル結合含有高分子の分解または溶解用の処理液、該処理液を用いた処理方法、複合材料の分離方法 Download PDF

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Description

本発明はエステル結合含有高分子の分解または溶解用の処理液に関する。さらに詳しくは、エステル結合含有高分子を分解または溶解し、再利用を可能にする処理液に関する。また、本発明は該処理液を用いたエステル結合含有高分子の処理方法、及びエステル結合含有高分子を含む複合材料の分離方法に関する。
主なエステル結合含有高分子としては、不飽和ポリエステル樹脂とその硬化物、飽和ポリエステル樹脂、酸無水物硬化エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂とその硬化物などがある。
不飽和ポリエステル樹脂は、耐熱性、機械的性質、耐候性、耐薬品性、耐水性などに優れているため、小型船舶、自動車部品、鉄道車両部品、家具、浴槽、電化製品部品、貯水タンクなどの種々の分野で利用されている。また、不飽和ポリエステル樹脂硬化物はその用途により、樹脂単独で用いられるばかりでなく、充填材などを含有する複合材料として用いられている。かかる不飽和ポリエステル樹脂は熱硬化性樹脂であり、成形後は溶融せず、しかも汎用溶媒には不溶化するため、再利用が困難であり、埋め立て処理等により廃棄されていた。また、力学的性質等を向上させるために配合する各種の充填材を分離することが困難であり、これらの材料も再利用することができなかった。
しかし、廃棄物問題がますます深刻となっている現在において、熱硬化性樹脂の再利用化技術の開発は急務であり、種々検討されている。例えば、不飽和ポリエステル樹脂を水酸基の供給源となる化合物と加熱して、分解生成物を得る方法が特開平8−85736号公報に示されている。該方法では、樹脂の熱分解を、樹脂が約340〜900℃の温度範囲内、特に350℃〜450℃前後となるように加熱して行っており、高温での処理が必要である。また、高温で処理することにより複合材料中に含有されるガラス繊維などの充填材が劣化していしまい、再利用できないといった問題を有している。
また、不飽和ポリエステル樹脂を化学的に分解する方法としては、(1)不飽和ポリエステル中の不飽和基に対して特定モル比のスチレンを含有してなる不飽和ポリエステル樹脂を、塩基と親水性溶媒を含む分解溶液に浸漬して分解する方法(特開平8−113619号公報)、(2)特定量のポリカプロラクトンを含有してなる不飽和ポリエステル樹脂を、塩基と一価アルコールを含む分解溶液に浸漬して分解する方法(特開平8−134340号公報)、(3)不飽和ポリエステル樹脂をグリコールを用いて分解する方法(特開平8−225635号公報)、(4)不飽和ポリエステル樹脂をジカルボン酸またはジアミンを用いて分解する方法(特開平9−221565号公報)、(5)不飽和ポリエステルをジエタノールアミンを含む分解液に浸漬して分解する方法(特開平9−316311号公報)などがある。これらの方法は、腐食性の化学物質を使用するため安全上好ましくなかったり、腐食性の化学物質を使用しない場合には、分解速度が著しく遅いため、実用的ではないといった問題があった。
飽和ポリエステル樹脂は、強度、透明性、耐熱性、耐薬品性に優れることから、繊維、フィルム、ボトル等の様々な用途に利用されている。しかし、飽和ポリエステル樹脂の使用量の増大に伴い、大量に発生する使用済みの飽和ポリエステル樹脂、または製品製造工程で発生する品質不適格品の飽和ポリエステル樹脂はリサイクルの観点から大きな課題となっている。リサイクルに関しては、マテリアルリサイクル法並びにケミカルリサイクル法が知られている。マテリアルリサイクル法には、飽和ポリエステル樹脂を溶融させてバージン原料と混合して再利用する方法、回収品のみを用いて下級グレードの製品を造る方法などがあるが、飽和ポリエステル樹脂の最終的な廃棄を回避することは困難である。また、マテリアルリサイクル法による再生品は、その強度が低いため、前記のようにバージン材と併用するなどの対策が必要になる。さらに、マテリアルリサイクル法においては、飽和ポリエステル樹脂に他のプラスチックが混合すると、再生品の強度が著しく低下したり、着色したりする問題がある。そのため、溶融して再生する前に、飽和ポリエステルだけを厳密に分別する必要がある。ケミカルリサイクル法は廃棄された飽和ポリエステル製品をその原料に戻し、再合成する方法であり、本来の目的である資源の再利用を可能ならしめるものである。ケミカルリサイクル法としては、(1)飽和ポリエステルを強酸またはアルカリ水溶液と共に加熱処理して、テレフタル酸の如きジカルボン酸フタル酸またはその塩に変換して回収する加水分解法、(2)飽和ポリエステルをメタノールと共に加熱処理してジメチルテレフタレートの如きジカルボン酸ジメチルエステルに変換して回収するメタノール分解法、または、(3)飽和ポリエステルをエチレングリコールやプロピレングリコールなどのグリコールと共に加熱処理して解重合させ、飽和ポリエステルのプレポリマーを回収するグリコール分解法などが行われている。これらのケミカルリサイクルの例としては、水酸化ナトリウムを触媒とする特開平11−302208号公報記載の方法、グリコール分解した後メタノール分解する特開平11−322677号公報記載の方法、ポリエチレンテレフタレートを再生する特開2000−53802号公報及び特開2000−169623号公報記載の方法、チタン化合物または錫化合物を触媒とする特開2000−191766号公報記載の方法、ポリエチレンテレフタレート以外のプラスチックを分別する特開2000−198876号公報記載の方法、または酸化鉄を触媒とする特開2000−302707号公報記載の方法などが挙げられる。
しかしながら、これら現状の飽和ポリエステルのケミカルリサイクル法では、エステル交換反応を進行させるために高温の加熱を必要とし、エネルギー消費の点から好ましくないという問題点があった。また、低分子量のアルコールを用いてエステル交換反応を行う場合には、その飛散を防ぐことを目的にしばしば高圧下で反応が行われ、高価な高圧容器を必要とするといった問題点があった。
さらに、水酸化ナトリウム等のアルカリを用いる場合には、比較的低温で処理が可能であるが、生成物のカルボン酸塩からカルボン酸を回収する際に、不要な副生成物である酸と金属の塩が生成し、それが廃棄物となる可能性が高い。
酸無水物硬化エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂硬化物等のエポキシ樹脂とその硬化物は、電気特性、耐熱性、接着性に優れており、絶縁材料、接着剤、塗料などの種々の分野で利用されている。しかしながら、エポキシ樹脂は熱硬化して、不溶不融の硬化物となり、エポキシ樹脂硬化物並びにエポキシ樹脂硬化物が接着あるいは塗布されている製品の再利用が困難であった。
このような問題に対する解決策として、種々の開示が為されている。例えば、エポキシ樹脂硬化物を溶解させる方法としては、プリント配線板の加工工程中で利用するエポキシ樹脂硬化物の粗化やエッチングがある。これらの処理は、表面粗化処理、デスミア処理、エッチバック処理などと称され、特開昭54−144968号公報、特開昭62−104197号公報においては、濃硫酸やアルカリ性過マンガン酸溶液などを処理液として使用し、エポキシ樹脂硬化物を化学的に処理している。また、特開平5−218651号公報では、エポキシ樹脂にアルカリに可溶なアクリル樹脂を添加して、エッチングする方法も検討されている。
無機質充填材であるシリカ配合樹脂硬化物からシリカを分離して回収することを目的とする方法としては、特開平5−139715号公報並びに特開平6−87123号公報に示されるように、樹脂成形材料を800℃以上の温度で焼却してシリカを回収する方法がある。さらに、特開平7−330946号公報には、無機充填材を含有する熱硬化性樹脂組成物を樹脂成分の分解温度以上の温度で熱分解することにより無機充填材を回収する方法が示されている。
また、特開平8−85736号公報では、水酸基の供給源となる化合物と加熱して、エポキシ樹脂を熱分解する方法が示されている。
しかし、これらはどれもエポキシ樹脂硬化物の好ましい処理方法ではない。
エポキシ樹脂硬化物を化学的に処理する方法は、腐食性の化学物質を使用するため人体への有害性、装置の安全性を考慮した場合は好ましくない。すなわち、前述の濃硫酸、アルカリ性過マンガン酸溶液などを処理液として使用する方法は、特定化学物質に指定されている危険な薬品を用いるという問題があるばかりでなく、溶解速度が遅く効率性に劣るという問題もある。
しかしながら、腐食性の化学物質を使用しない場合には、処理速度が著しく遅くなるため、非効率で実用的ではない。
また、アクリル樹脂を添加する方法では、エポキシ樹脂の優れた耐熱性、電気特性等が、混合されたアクリル樹脂によって損なわれることが予想でき、好ましくない。
エポキシ樹脂硬化物を熱分解により処理する前述の特開平8−85736号公報記載の方法では、樹脂の熱分解を、樹脂が約340℃〜900℃の温度範囲内、特に350℃〜450℃前後となるように加熱して行っており、一般的には約370℃〜390℃で行うとされている。したがって、酸素を含む雰囲気下でエポキシ樹脂硬化物を熱分解すると、樹脂を構成する炭素原子並びに水素原子は酸化されてそのほとんどが二酸化炭素と水になり、樹脂の合成原料として再利用することは困難である。また、酸素を含まない雰囲気下でエポキシ樹脂硬化物を熱分解すると、樹脂を構成する炭素原子に結合した水素原子は脱離しやすく、主に炭素が生成し、これも樹脂原料として再利用することは難しい。また、高温での処理により、エポキシ樹脂硬化物中に配合されたガラス繊維等の充填材は劣化してしまい再利用できない。
また、熱硬化性樹脂を高温で熱分解することにより無機充填材を回収する方法は、樹脂を熱分解してガス化するため、エネルギーとしての再利用以外には、樹脂処理生成物を再利用することはできない。さらに、シリカやガラス繊維等の充填材は変質して再利用できなくなる可能性がある。
本発明者らは、特開平8−325436号公報、特開平8−325437号公報、特開平8−325438号公報、特開平9−316445号公報、特開平10−126052号公報に、常圧下、200℃以下の低い温度で、エポキシ樹脂硬化物をエッチング除去し、プリント配線板の回路を形成するためのエッチング液として、アルカリ金属化合物、アミド系溶媒、アルコール系溶媒からなるエッチング液を開示した。しかし、これらの発明はいずれもエポキシ樹脂硬化物の一部分をエッチング除去することにより、電気回路等を形成することを目的とするものであり、エポキシ樹脂硬化物の再利用を目的とするものではない。
特開平8−85736号公報 特開平8−113619号公報 特開平8−134340号公報 特開平8−225635号公報 特開平9−221565号公報 特開平9−316311号公報 特開平11−302208号公報 特開平11−322677号公報 特開2000−53802号公報 特開2000−169623号公報 特開2000−191766号公報 特開2000−198876号公報 特開2000−302707号公報 特開昭54-144968号公報 特開昭62-104197号公報 特開平5-218651号公報 特開平8-325436号公報 特開平8-325437号公報 特開平8-325438号公報 特開平9−316445号公報 特開平10−126052号公報 特開平5-139715号公報 特開平6-87123号公報 特開平7−330946号公報 特開平8−85736号公報
以上を鑑み、本発明は、通常熱分解に必要とされる温度以下で、効率的かつ安全にエステル結合含有高分子を分解または溶解できる処理液を提供し、この処理液を用いて処理することによりエステル結合含有高分子の再利用を容易にしようとするものである。
この課題を解決するために、本発明ではセシウムの塩及び/またはルビジウムの塩とアルコール系溶媒を含むエステル結合含有高分子の分解または溶解用の処理液でエステル結合含有高分子を分解または溶解することでこれを可能とした。
すなわち、本発明は、(1)セシウム及び/またはルビジウムの酢酸塩、炭酸塩及び重炭酸塩の1種以上と、アルコール系溶媒を含むエステル結合含有高分子の分解または溶解用の処理液に関する。
また、本発明は、(2)エステル結合含有高分子が不飽和ポリエステル樹脂若しくはその硬化物、飽和ポリエステル樹脂、または、エポキシ若しくはその硬化物であることを特徴とする前記(1)に記載の処理液に関する。
また、本発明は、(3)アルコール系溶媒が沸点150℃以上のアルコール系溶媒であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の処理液に関する。
また、本発明は、(4)アルコール系溶媒がメタノール、エタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテルであることを特徴とする前記(1)または(2)のいずれか一項に記載の処理液に関する。
また、本発明は、(5)エステル結合含有高分子を前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の処理液を用いて分解または溶解することを特徴とするエステル結合含有高分子の処理方法に関する。
また、本発明は、(6)分解または溶解を250℃以下で行うことを特徴とする前記(5)に記載のエステル結合含有高分子の処理方法に関する。
また、本発明は、(7)分解または溶解を大気圧下で行うことを特徴とする前記(5)または(6)に記載のエステル結合含有高分子の処理方法に関する。
また、本発明は、(8)エステル結合含有高分子が1平方センチメートル以上6平方メートル以下の表面積を有する破砕片であることを特徴とする前記(5)〜(7)のいずれか一項に記載のエステル結合含有高分子の処理方法に関する。
また、本発明は、(9)前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の処理液で処理して得たエステル結合含有高分子の分解生成物または溶解生成物を再利用することを特徴とする前記(5)〜(8)のいずれか一項に記載のエステル結合含有高分子の処理方法に関する。
また、本発明は、(10)充填材及びエステル結合含有高分子を含有する複合材料を、前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の処理液を用いて処理し、エステル結合含有高分子を分解または溶解することによって、複合材料を充填材とエステル結合含有高分子の分解生成物または溶解生成物とに分離することを特徴とする複合材料の分離方法に関する。
また、本発明は、(11)充填材が無機材料であることを特徴とする前記(10)に記載の複合材料の分離方法に関する。
また、本発明は、(12)充填材が繊維状無機材料であることを特徴とする前記(11)に記載の複合材料の分離方法に関する。
また、本発明は、(13)充填材がガラス繊維または炭素繊維であることを特徴とする前記(12)に記載の複合材料の分離方法に関する。
また、本発明は、(14)分解または溶解を250℃以下で行うことを特徴とする前記(10)〜(13)のいずれか一項に記載の複合材料の分離方法に関する。
また、本発明は、(15)分解または溶解を大気圧下で行うことを特徴とする前記(10)〜(14)のいずれか一項に記載の複合材料の分離方法に関する。
また、本発明は、(16)複合材料が1平方センチメートル以上6平方メートル以下の表面積を有する破砕片であることを特徴とする前記(10)〜(15)のいずれか一項に記載の複合材料の分離方法に関する。
また、本発明は、(17)前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の処理液で複合材料を処理して得たエステル結合含有高分子の分解生成物または溶解生成物を再利用することを特徴とする前記(10)〜(16)のいずれか一項に記載の複合材料の分離方法に関する。
本発明中、「処理」という用語は、エステル結合含有高分子を分解または溶解することを意味し、それは、エステル結合含有高分子のエステル結合の切断も含み、さらには、エステル結合含有高分子から再利用可能なモノマーもしくはオリゴマー等の中低位分子化合物を得ることを意味する。特に、本発明では処理液中ではエステル結合含有高分子が、その質量を減少させることも意味している。
本発明によれば、セシウム及び/またはルビジウムの酢酸塩、炭酸塩及び重炭酸塩の1種以上と、アルコール系溶媒とを含むエステル結合含有高分子の分解または溶解用の処理液を用いることにより、通常熱分解に必要とされる温度以下で効率的にエステル結合含有高分子を分解または溶解することが可能であり、腐食性が低減された処理液を用いるため、安全性も向上する。
本発明で対象となるエステル結合含有高分子は、エステル結合を有するポリマであれば特に限定されず、例えば不飽和ポリエステル樹脂またはその硬化物、飽和ポリエステル樹脂、酸無水物硬化エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂とその硬化物などがある。
不飽和ポリエステル樹脂またはその硬化物は、不飽和酸及び飽和酸、グリコールまたはそれらのエステル化物、不飽和モノマーを主な原料とするもので、酸とグリコール類から合成した不飽和基を含むポリマーをスチレンで架橋することにより得られる。一般的には、合成原料の酸としては、不飽和酸と飽和酸が混合して用いられる。
不飽和酸としては、無水マレイン酸、フマル酸、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸などがある。
飽和酸としては、無水フタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、無水クロレンド酸、テトラブロモフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、テトラクロロフタル酸無水物、テレフタル酸、コハク酸、グルタル酸、トリメリット酸無水物、シクロペンタジエン−無水マレイン酸付加物などがある。
グリコールまたはそれらのエステル化物としては、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジプロピレングリコール、ジブロモネオペンチルグリコール、トリプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ジアルコキシビスフェノールA、ジアルコキシテトラブロモビスフェノールA、トリメチルペンタンジオール、ジヒドロキシジシクロペンタジエンなどがある。なかでも、プロピレングリコール、エチレングリコールが好ましい。
不飽和モノマーとしては、スチレン、ビニルトルエン、メタクリル酸メチル、フタル酸ジアリル、α−メチルスチレン、シアヌル酸トリアリル、ジビニルベンゼンなどがある。なかでも、スチレンが好ましい。
また、反応性化合物として、プロピレンオキシド、エポキシ樹脂、イソシアネート類、ジシクロペンタジエンなどが用いられることもある。
さらに、以下に示すような充填材を混合して成形してもよい。充填材としては、金属及び金属の酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、窒化物、天然有機物、人工有機物などがある。例えば、ホウ素、アルミニウム、鉄、ケイ素、チタン、クロム、コバルト、ニッケル、亜鉛、パラジウム、銀、スズ、タングステン、白金、金、鉛、アルミナ、ジルコニア、チタニア、マグネシア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、マイカ、シリカ、粘土、ガラス、炭素、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、木材、プラスチック片、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂硬化物などがあり、これらの材料の各成分を融合したものでもよく、混合したものでもよい。これらのなかでも、無機材料が好ましく、炭素またはガラスが特に好ましい。また、充填材の形状としては、粉末、繊維、ビーズ、箔、フィルム、線、回路などがある。繊維はマット状にしたものでもよく、布のように織られたものでもよい。これらのなかでも、繊維または粉末が好ましい。繊維状無機材料または粉末状無機材料がより好ましく、繊維状無機無機材料、特に炭素繊維またはガラス繊維がさらに好ましい。これらの充填材が不飽和ポリエステル樹脂硬化物中に含まれている比率は任意であるが、一般的には5〜90wt%の範囲にある。
不飽和ポリエステル樹脂の硬化方法は、反応が進行すればどのような温度でもよいが、一般には室温から、250℃の範囲で硬化させることが多い。また硬化の際に加圧してもよく、大気圧下でも、減圧下でもよい。樹脂硬化物は必ずしも完全に硬化している必要性はなく、常温では流動しない程度に半硬化させたものでもよい。この例としては、不飽和ポリエステル樹脂を用いた成形材料がある。
飽和ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸またはジカルボン酸エステルとジオールを重合して得られるポリマである。
ジカルボン酸の例としては、テレフタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、ナフタレンジカルボン酸、無水クロレンド酸、テトラブロモフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、テトラクロロフタル酸無水物、コハク酸、グルタル酸、トリメリット酸無水物、シクロペンタジエン−無水マレイン酸付加物などがある。
ジカルボン酸エステルの例としては、上記のジカルボン酸のジメチルエステル、ジエチルエステル、ジプロピルエステル、ジブチルエステルなどがある。
ジオールの例としては、エチレングリコール、1,4ブタンジオール、1,4シクロヘキサンジメタノール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジプロピレングリコール、ジブロモネオペンチルグリコール、トリプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、トリメチルペンタンジオール、ジヒドロキシジシクロペンタジエン、ビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、ジアルコキシビスフェノールA、ジアルコキシテトラブロモビスフェノールA、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、多環二官能フェノールであるビスフェノールA、ビスフェノールF、ビフェノール、ジヒドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシジフェニルスルホンおよびこれらのハロゲン化物、アルキル基置換体、異性体などがある。なかでも、エチレングリコールが好ましい。
以上のジカルボン酸、ジカルボン酸エステル、グリコールはそれぞれ数種類を組み合わせて用いてもよい。また、必要に応じて触媒を用いることもできる。さらに、飽和ポリエステル樹脂には、前記の充填材が含まれていてもよい。充填材の含有量は任意であるが、一般的には飽和ポリエステル樹脂中に50〜90wt%の範囲である。
エポキシ樹脂またはその硬化物としては、酸無水物硬化エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂またはその硬化物等がある。
酸無水物硬化エポキシ樹脂に用いられるエポキシ樹脂としては、分子内にエポキシ基を有するものであればどのようなものでもよく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールのジグリシジリエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノール類のジグリシジルエーテル化物、アルコール類のジグリシジルエーテル化物、及びこれらのアルキル置換体、ハロゲン化物、水素添加物などがある。これらは併用してもよく、エポキシ樹脂以外の成分が不純物として含まれていてもよい。なかでも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。
酸無水物硬化エポキシ樹脂に用いられる硬化剤としての酸無水物は、エポキシ樹脂を硬化させるものであればどのようなものでもよい。酸無水物の例としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ドデシル無水コハク酸、無水クロレンディック酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビストリメリテート、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸二無水物、グリセロールトリストリメリテート、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物、無水トリメリット酸などがある。なかでも、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸が好ましい。これらの酸無水物系硬化剤は、単独、或いは、組み合わせて用いることもできる。
これら酸無水物の配合量は、エポキシ基の硬化反応を進行させることができれば、特に限定することなく使用できるが、好ましくは、エポキシ基1モルに対して、0.01〜5.0当量の範囲で使用する。
また、酸無水物硬化エポキシ樹脂には、必要に応じて硬化促進剤を配合してもよい。代表的な硬化促進剤として、第三級アミン、イミダゾール類、第四級アンモニウム塩、有機リン化合物等があるが、これに限定されるものではない。
グリシジルエステル型エポキシ樹脂としては、分子内にエポキシ基とエステル基を有するものであればどのようなものでもよく、テレフタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、ナフタレンジカルボン酸、無水クロレンド酸、テトラブロモフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、テトラクロロフタル酸無水物、コハク酸、グルタル酸、トリメリット酸無水物などのグリシジルエステル及びこれらのアルキル置換体、ハロゲン化物、水素添加物などがある。これらは併用してもよく、エポキシ樹脂以外の成分が含まれていてもよい。
グリシジルエステル型エポキシ樹脂硬化物に用いられる硬化剤としては、グリシジルエステル型エポキシ樹脂を硬化させるものであれば、限定することなく使用でき、例えば、多官能フェノール類、アミン類、イミダゾール化合物、酸無水物、有機リン化合物およびこれらのハロゲン化物などがある。
多官能フェノール類の例として、単環二官能フェノールであるヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、多環二官能フェノールであるビスフェノールA、ビスフェノールF、ナフタレンジオール類、ビフェノール類、及びこれらのハロゲン化物、アルキル基置換体などがある。更に、これらのフェノール類とアルデヒド類との重縮合物であるノボラック、レゾールがある。
アミン類の例としては、脂肪族あるいは芳香族の第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム塩及び脂肪族環状アミン類、グアニジン類、尿素誘導体等がある。
これらの化合物の一例としては、N,N−ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、テトラメチルグアニジン、トリエタノールアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4,4,0]−5−ノネン、ヘキサメチレンテトラミン、ピリジン、ピコリン、ピペリジン、ピロリジン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジフェニルアミン、N−メチルアニリン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリフェニルアミン、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムアイオダイド、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、ジシアンジアミド、トリルビグアニド、グアニル尿素、ジメチル尿素等がある。
イミダゾール化合物の例としては、イミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−ヘプタデシルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチルイミダゾリン、ベンズイミダゾール、1−シアノエチルイミダゾールなどがある。
酸無水物の例としては、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等がある。
有機リン化合物としては、有機基を有するリン化合物であれば特に限定せれずに使用でき、例えば、ヘキサメチルリン酸トリアミド、リン酸トリ(ジクロロプロピル)、リン酸トリ(クロロプロピル)、亜リン酸トリフェニル、リン酸トリメチル、フェニルホスホン酸、トリフェニルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、ジフェニルホスフィンなどがある。
これらの硬化剤は、単独、或いは、組み合わせて用いることもできる。
硬化剤の配合量は、エポキシ基の硬化反応を進行させることができれば、特に限定することなく使用できるが、好ましくは、エポキシ基1モルに対して、0.01〜5.0当量の範囲で使用する。
また、必要に応じて第三級アミン、イミダゾール類、第四級アンモニウム塩、有機リン化合物等に代表される前記の硬化促進剤を配合してもよい。
酸無水物硬化エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂硬化物等のエポキシ樹脂硬化物の硬化方法は、硬化反応が進行すればどのような温度でもよいが、一般には室温以上250℃以下の範囲で硬化させることが多い。また硬化の際の雰囲気は大気中でも、不活性気体中でもよく、加圧下、大気圧下、減圧下のいずれでもよい。
酸無水物硬化エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂硬化物等のエポキシ樹脂またはその硬化物には、粉末、繊維、ビーズ、箔、フィルム、線、回路などの充填材が接着あるいは含有されていてもよく、塗料の用途のように、機械、成型品等の表面に塗布されていてもよい。充填材は前記と同様のものを用いることが出来る。充填材の含有量は任意であるが、一般的にはエポキシ樹脂硬化物中に50〜90wt%の範囲である。
本発明ではエステル結合含有高分子を分解または溶解する処理液は、セシウム及び/またはルビジウムの炭酸塩、重炭酸塩及び酢酸塩の1種以上とアルコール系溶媒とを必須の成分として含有する。
セシウム及び/またはルビジウムの炭酸塩、重炭酸塩及び酢酸塩の1種以上は単独で使用しても、数種類を混合して使用してもよい。また、これらの化合物以外に、どのようなものを併用してもよく、不純物が含まれていてもかまわない。
アルコール系溶媒の例としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、iso−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、iso−ペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量200〜400)、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ベンジルアルコール、グリセリン、ジプロピレングリコールなどがある。これらのなかでも、メタノール、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコールが好ましい。エステル結合含有高分子として不飽和ポリエステル樹脂またはその硬化物を用いる場合は、エチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコールが好ましく、ベンジルアルコールがより好ましい。エステル結合含有高分子として飽和ポリエステル樹脂を用いる場合は、メタノール、エタノール、エチレングリコール、ベンジルアルコールが好ましく、メタノール、エチレングリコールがより好ましい。また、エステル結合含有高分子としてエポキシ樹脂硬化物を用いる場合は、エチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコールが好ましい。これらアルコール系溶媒は単独で使用しても、数種類を混合して使用してもよい。また、これらの溶媒以外に、どのようなものを併用してもよく、不純物が含まれていてもかまわない。
常圧または減圧の状態で処理する場合には、沸点が150℃以上のアルコール系溶媒であることが好ましい。
本発明で使用する処理液は、アルコール系溶媒1000gに対して、セシウム及び/またはルビジウムの炭酸塩、重炭酸塩及び酢酸塩の1種以上0.001〜10.00molを配合したものが好ましく、セシウム及び/またはルビジウムの炭酸塩、重炭酸塩及び酢酸塩の1種以上のすべてが処理液中に溶解している必要はない。0.001molより少ないと、エステル結合含有高分子の分解または溶解速度が遅く、実用上好ましくない。10.00molを超えると、溶解しないセシウム及び/またはルビジウムの炭酸塩、重炭酸塩又は酢酸塩が多く、処理液を調整することは困難である。セシウム及び/またはルビジウムの炭酸塩、重炭酸塩及び酢酸塩の1種以上の好ましい配合量としては、アルコール系溶媒1000gに対して0.02〜3.00molである。この範囲であれば処理液の調整も容易であり、実用上十分な分解または溶解速度が得られる。
処理液を調整する際の温度はどのような温度でもよいが、常圧で調整する場合には、作業効率や、操作性、液の取り扱い性などの観点から、使用するアルコール系溶媒の凝固点以上、沸点以下であることが好ましい。処理液を調整する際の雰囲気は、大気中でも、窒素、アルゴン、二酸化炭素等の不活性気体中でもよく、常圧下、減圧下、加圧下のいずれでもよい。
このようにして得られた処理液に界面活性剤等を添加して使用してもかまわない。
本発明では、エステル結合含有高分子または、充填材とエステル結合含有高分子を含有する複合材料を処理液で処理する際の、エステル結合含有高分子または複合材料の大きさは、特に制限されないが、処理効率、コスト等の点から1平方センチメートル以上、6平方メートル以下の表面積を有する破砕片にすることが好ましい。特に充填材を分離・回収する場合は、充填材を分離・回収する際の効率や、回収した充填材を再利用する際の取り扱い性などに合わせて、破砕片の大きさを適宜調整することが好ましい。例えば、ガラス繊維など、細かく粉砕することによって再利用が難しくなる充填材を回収する場合には、破砕片を5平方センチメートル以上1平方メートル以下の表面積を有する破砕片とすることが好ましい。表面積が1平方センチメートルよりも小さいと破砕の工程が長くなり、6平方メートルよりも大きいと処理時間が長くなり、いずれの場合にも処理効率が著しく低下する。表面積が6平方メートルを超える大きさの場合には、破砕等によりエステル結合含有高分子または複合材料の大きさを調整し、上記範囲内とすることが好ましい。破砕は、たとえば、衝撃式破砕機、せん断式破砕機、圧縮式破砕機(ロール式、コンベア式、スクリュー式)、スタンプミル、ボールミル、ロッドミルなどによって行うことができる。
処理する際に、エステル結合含有高分子以外のプラスチックであるポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリアセタール、シリコーン樹脂、ポリメタクリル酸メチル、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミドなどが混入してもよい。これらのポリマーは、本発明のセシウム及び/またはルビジウムの炭酸塩、重炭酸塩及び酢酸塩の1種以上とアルコール系溶媒とを含む処理液では分解または溶解しないため、処理後に容易に分離することが可能である。
また、アルミニウム、鉄、亜鉛、錫、ニッケル、クロム、シリコンなどの金属並びにこれらの合金、あるいはこれらの酸化物等が混入してもよい。さらに、ガラス、砂、アルミナ、磁器、陶器などの無機物等が混入してもよい。これらの金属、金属酸化物、無機物は、本発明のセシウム及び/またはルビジウムの炭酸塩、重炭酸塩及び酢酸塩の1種以上とアルコール系溶媒とを含む処理液では分解または溶解しないため、処理後に容易に分離することが可能である。
処理する際の処理液の温度は、その時に使用される処理液によって決定されるが、処理液の状態が液体であればよい。また、所望の処理速度の調整、処理のしやすさ等のために、処理液の凝固点以上、沸点以下の範囲で任意に決定される。処理後の回収材の品質低下を防ぐためには、250℃以下の温度で処理することが好ましく、220℃以下の温度で処理することがさらに好ましい。
処理方法としては、通常は処理液中にエステル結合含有高分子または複合材料を浸漬することによって行い、処理速度を高めるために、機械的撹拌、気体のバブリング、振動、超音波振動等の操作を与えることもできる。超音波振動を与える場合、超音波の周波数は、20kHz以上であればよく、好ましくは20kHz〜1MHzである。超音波振動を与える方法としては、超音波発振器を利用することが望まく、例えば、超音波振動を伝播するホーンの部分を、エステル結合含有高分子または複合材料を浸漬した処理液中に浸すことにより超音波振動を与えることができる。超音波振動を与える時間は、超音波の周波数や処理条件等により異なるため、処理対象物に応じて分解または溶解されるまでの時間が適宜選択される。また、エステル結合含有高分子または複合材料を処理液中に浸さず、スプレー等により処理液をエステル結合含有高分子または複合材料に噴霧することもでき、さらに高圧をかけることもできる。
処理液の使用時並びに保存時の雰囲気は、大気中でも、窒素、アルゴン、二酸化炭素等の不活性気体中でもよく、常圧下、減圧下、加圧下のいずれでもよい。安全性、作業の簡便性に優れる点で、常圧下にて処理液を使用・保存することが好ましい。
本発明によってエステル結合含有高分子または複合材料を分解また溶解した樹脂成分は、一般的な方法で分離し、再利用することができる。例えば、不純物を沈殿法などで分離し、溶媒を蒸留などで分離して得られた樹脂成分を樹脂原料として再利用することができる。また、金属やガラスなどの固形の充填材を分離・回収する場合は、樹脂成分を処理液で分解または溶解したのち、濾過やデカンテーション等により回収することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[不飽和ポリエステル樹脂の溶解実験]
実施例1〜5、比較例1〜4
不飽和ポリエステル樹脂は、樹脂原料として無水フタル酸3.5g、イソフタル酸3.9g、無水マレイン酸18.4g、プロピレングリコール8.0g、エチレングリコール6.6gを混合して、200℃で10時間反応させて得られた不飽和ポリエステルに、さらにスチレン60gを混合した組成物100gに対して、10mmに切断したガラス繊維(繊維径12μm)50gを混合し、たて100mm×よこ100mm×深さ3mmのテフロン(登録商標)製の型に入れ、120℃/0.5時間+170℃/1時間の条件で加熱硬化させた試料(ガラス繊維(充填剤)含有不飽和ポリエステル樹脂複合材料)を用いた。この試料を10mm×30mm×3mmに切断し、試験片とした。
処理液は、表1に示すアルコール系溶媒10gとセシウムまたはルビジウムの酢酸塩、炭酸塩若しくは重炭酸塩0.01molを秤量して試験管に投入し、一定温度で穏やかに撹拌して得た。処理に際しては、この処理液の入った試験管を、オイルバスを使用して190℃に加温した。
試験片の質量を測定した後、大気圧下、処理液中に試験片を浸漬し、3時間後に取り出して、水洗、乾燥後、再び質量を測定した。処理前後の質量変化量を、試験片中の樹脂分の質量(試験片の重さ×樹脂分率66.6%)で除し、不飽和ポリエステル樹脂の溶解率を算出し、表1に示した。
Figure 0004645160

実施例1〜5に示されるように、セシウムまたはルビジウムの、炭酸塩または重炭酸塩とアルコール系溶媒を含む処理液を使用した場合の溶解率は24.4%〜52.4%と著しく高かった。これに対し、比較例1〜3に示されるように、ナトリウムまたはカリウムの、炭酸塩または重炭酸塩とアルコール系溶媒を含む処理液を使用した場合の溶解率は2.8%以下、比較例4に示すようにセシウムの炭酸塩とN−メチルピロリドンを含む処理液を使用した場合の溶解率は1.2%であり、実施例より一桁低かった。
[飽和ポリエステル樹脂の溶解実験]
実施例6〜13、比較例5〜9
飽和ポリエステル樹脂として、市販されているポリエチレンテレフタレート(PET100%)の0.35mm厚の板を、10mm×30mmに切断して試験片とした。
処理液は、表2に示すアルコール系溶媒10gとセシウムまたはルビジウムの酢酸塩、炭酸塩若しくは重炭酸塩0.01molを秤量して試験管に投入し、一定温度で穏やかに撹拌して得た。処理に際しては、この処理液の入った試験管を、オイルバスを使用して60℃に加温した。
試験片の質量を測定した後、大気圧下、処理液中に試験片を浸漬し、3時間後に取り出して、水洗、乾燥後、再び質量を測定した。処理前後の質量変化量を処理前の試験片の質量で除し、飽和ポリエステル樹脂の溶解率を算出し、表2に示した。
Figure 0004645160
実施例12及び13に示されるように、セシウムまたはルビジウムの、炭酸塩または重炭酸塩とアルコール系溶媒を含む処理液を使用した場合の溶解率は12.2%〜32.9%と著しく高かった。これに対して、比較例5〜8に示されるように、ナトリウムまたはカリウムの、炭酸塩または重炭酸塩とアルコール系溶媒を含む処理液を使用した場合の溶解率は2.8%以下、比較例9に示すようにセシウムの炭酸塩とN−メチルピロリドンを含む処理液を使用した場合の溶解率は0.2%であり、実施例より一桁低かった。
[酸無水物硬化エポキシ樹脂の溶解実験]
実施例14〜20、比較例10〜14
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量180)100g、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸100g、2−メチルイミダゾール1gを混合した後、10mmに切断した炭素繊維(繊維径10μm)100gを加え、さらに混合した。これを、たて100mm×よこ100mm×深さ3mmのテフロン(登録商標)製の型に入れ、室温で1時間放置した後、100℃/1時間+125℃/1時間+150℃/1時間+175℃/1時間+200℃/1時間の条件で加熱して、炭素繊維(充填剤)含有酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料を得た。ここから30mm×10mm×3mmを切り出し、試験片とした。
処理液は、表3に示すアルコール系溶媒10gとセシウムまたはルビジウムの酢酸塩、炭酸塩若しくは重炭酸塩0.01molを秤量して試験管に投入し、一定温度で穏やかに撹拌して得た。処理に際しては、この処理液の入った試験管を、オイルバスを使用して190℃に加温した。
試験片の質量を測定した後、大気圧下、処理液中に試験片を浸漬し、3時間後に取り出して、水洗、乾燥後、再び質量を測定した。処理前後の質量変化量を、試験片の樹脂分の質量(試験片の重さ×樹脂分率67.7%)で除し、エポキシ樹脂硬化物の溶解率を算出し、表3に示した。
実施例21〜22
表3に示すアルコール系溶媒10gとセシウムまたはルビジウムの塩0.01molを用いて処理液を調整し、処理に際しての温度を150℃とすること以外は、実施例14〜20と同様に操作を行い、エポキシ樹脂硬化物の溶解率を算出し、表3に示した。
Figure 0004645160

実施例14〜22に示されるように、セシウムまたはルビジウムの、炭酸塩または重炭酸塩とアルコール系溶媒を含む処理液を使用した場合の溶解率は39.4%〜55.7%と著しく高かった。これに対し、比較例10〜13に示されるように、ナトリウムまたはカリウムの、炭酸塩または重炭酸塩とアルコール系溶媒を含む処理液を使用した場合の溶解率は9.5%以下、比較例14に示すようにセシウムの炭酸塩とN−メチルピロリドンを含む処理液を使用した場合の溶解率は1.8%であり、実施例より一桁低かった。

Claims (15)

  1. 酢酸セシウム、炭酸セシウム、重炭酸セシウム、酢酸ルビジウム及び炭酸ルビジウムの1種以上と、エチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル又はベンジルアルコールとを含むエステル結合含有高分子の分解または溶解用の処理液。
  2. エステル結合含有高分子が不飽和ポリエステル樹脂若しくはその硬化物、飽和ポリエステル樹脂、または、エポキシ樹脂若しくはその硬化物であることを特徴とする請求項1に記載の処理液。
  3. エステル結合含有高分子を請求項1または2に記載の処理液を用いて分解または溶解することを特徴とするエステル結合含有高分子の処理方法。
  4. 分解または溶解を250℃以下で行うことを特徴とする請求項に記載のエステル結合含有高分子の処理方法。
  5. 分解または溶解を大気圧下で行うことを特徴とする請求項3または4に記載のエステル結合含有高分子の処理方法。
  6. エステル結合含有高分子が1平方センチメートル以上6平方メートル以下の表面積を有する破砕片であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載のエステル結合含有高分子の処理方法。
  7. 請求項1または2に記載の処理液で処理して得たエステル結合含有高分子の分解生成物または溶解生成物を再利用することを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載のエステル結合含有高分子の処理方法。
  8. 充填材及びエステル結合含有高分子を含有する複合材料を、請求項1または2に記載の処理液を用いて処理し、エステル結合含有高分子を分解または溶解することによって、複合材料を充填材とエステル結合含有高分子の分解生成物または溶解生成物とに分離することを特徴とする複合材料の分離方法。
  9. 充填材が無機材料であることを特徴とする請求項に記載の複合材料の分離方法。
  10. 充填材が繊維状無機材料であることを特徴とする請求項に記載の複合材料の分離方法。
  11. 充填材がガラス繊維または炭素繊維であることを特徴とする請求項10に記載の複合材料の分離方法。
  12. 分解または溶解を250℃以下で行うことを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項に記載の複合材料の分離方法。
  13. 分解または溶解を大気圧下で行うことを特徴とする請求項8〜12のいずれか一項に記載の複合材料の分離方法。
  14. 複合材料が1平方センチメートル以上6平方メートル以下の表面積を有する破砕片であることを特徴とする請求項8〜13のいずれか一項に記載の複合材料の分離方法。
  15. 請求項1または2に記載の処理液で複合材料を処理して得たエステル結合含有高分子の分解生成物または溶解生成物を再利用することを特徴とする請求項8〜14のいずれか一項に記載の複合材料の分離方法。
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