JP2008255361A - 充填材の再利用方法 - Google Patents

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寿代 福澤
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Abstract

【課題】不飽和ポリエステル樹脂組成物を含む樹脂組成物を、分解あるいは溶解することにより回収した充填材を再び利用する樹脂組成物を提供する。
【解決手段】不飽和ポリエステル樹脂組成物中の樹脂成分をリン酸類と有機溶媒とを含む処理液を用いて化学的に溶解させることにより回収した充填材を少なくとも含む樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物から回収された充填材を少なくとも含む樹脂組成物に関する。さらに詳しくは本発明は、不飽和ポリエステル樹脂から所定の処理液を用いて回収された充填材を少なくとも含む樹脂組成物に関する。
樹脂組成物は、耐熱性、機械的性質、耐候性、耐薬品性、耐水性などに優れているため、種々の分野で利用されている。しかしながら樹脂組成物製品に多く用いられている不飽和ポリエステル樹脂は熱硬化性樹脂であり、成形後は溶融せず、しかも汎用溶媒には不溶化する。そのため、樹脂をはじめ、強化材や充填材の再利用が困難であった。前記課題を解決する手段として種々の方法が提案されている。例えば、充填材を含む樹脂組成物から充填材を回収する方法としては、特許文献1、特許文献2、特許文献3のように、廃材を400〜1300℃に加熱して樹脂を熱分解して回収する方法が示されている。ところが、これらの方法では、高温による急激な熱分解が生じるため、充填材の劣化の防止と樹脂分解物の残留防止が求められていた。次に、充填材の劣化を防ぐ方法として、220〜370℃で湿式酸化処理を行なうことにより充填材を回収する方法が特許文献4に開示されている。また、充填材を高純度で回収する方法としては、特許文献5に昇温工程を含む無機充填の回収方法が開示されている。ところが、これらの方法によれば、最終的に樹脂の分解温度以上まで昇温するために大きな供給エネルギーが必要とされることから生産性の向上が求められていた。また、生産性の優れた回収方法としては、特許文献6に、粉砕物を酸素雰囲気中で焼成してシリカ充填材を回収する方法が開示されている。ところが、この方法によれば、300℃以上の空気を供給する必要があった。このように従来の充填材の回収方法にあっては、220〜1300℃の高温で処理する必要があったため熱による充填材の劣化が懸念されていた。そのため、回収した充填材の用途が制限されていた。一方、充填材の回収を目的としているものではないが充填材の回収に関連する技術として以下のような技術が提案されている。熱硬化性樹脂である不飽和ポリエステル樹脂の化学的な分解方法としては、特許文献7に示されるように塩基と親水性溶媒を用いる方法、特許文献8に示されるように塩基と一価のアルコールを用いる方法、特許文献9に示されるようにグリコールを用いる方法、特許文献10に示されるようにジカルボン酸またはジアミンを用いる方法、特許文献11に示されるようにジエタノールアミンを用いる方法などがある。ところが、これらの方法にあっては腐食性の化学物質を使用することから安全性を維持するために細心の注意が必要であり、また、腐食性の化学物質を使用しない場合にあっては分解速度が著しく遅くなることから実用上改善の余地が多く残されていた。このように充填材や強化材を含む樹脂組成物のリサイクル技術は今だ確立されておらず、埋めたて処理や焼却を行なっている。充填材や強化材を含む樹脂組成物のリサイクル方法としては、強化材や充填材と樹脂をそれぞれ分離する技術が必要とされている。
特開昭52−84261号公報 特開平5−139715号公報 特開平6−87213号公報 特開平9−59422号公報 特開平7−330946号公報 特開平11−279325号公報 特開平8−113619号公報 特開平8−134340号公報 特開平8−225635号公報 特開平9−221565号公報 特開平9−316311号公報
以上より、充填材の劣化を最低限にするために回収温度が従来よりも低い充填材の回収処理方法が求められていた。
また、前記回収処理方法により得られた充填材の用途として、回収された充填材を含む樹脂組成物が求められていた。
即ち、本発明は以下の記載事項に関する。
<1> リン酸類と有機溶媒とを含む処理液を用いて樹脂組成物から回収した充填材を少なくとも含む樹脂組成物。
<2> リン酸類と有機溶媒とを含む処理液を用いて不飽和ポリエステル樹脂組成物中の樹脂成分を化学的に溶解させることにより回収した充填材を少なくとも含む樹脂組成物。
<3> 前記充填材は、リン酸類の塩を含む処理液を用いて回収されたものである前記<1>又は<2>に記載の樹脂組成物。
<4> 前記充填材は、大気圧下で回収されたものである前記<1>〜<3>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<5> 前記充填材は、200℃以下で化学的な溶解処理を行うことにより回収されたものである前記<1>〜<4>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<6> 前記充填材は、粒状である前記<1>〜<5>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<7> 前記充填材は、炭酸カルシウムである前記<1>〜<6>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<8> 前記充填材は、一価のアルコール類が含まれる処理液を用いて回収されたものである前記<1>〜<7>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<9> 前記充填材は、リン酸類の塩としてリン酸カリウムを含む処理液を用いて回収されたものである前記<1>〜<8>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<10> 前記充填材は、リン酸類の塩としてリン酸カリウム水和物を含む処理液を用いて回収されたものである前記<1>〜<9>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
本発明によれば、樹脂組成物から劣化することなく取り出し回収した充填材を含む樹脂組成物が得られる。
本発明の樹脂組成物は、樹脂組成物からリン酸類を必須成分とする処理液を用いて回収された充填材を少なくとも含んでいることを特徴としている。以下、本発明の樹脂組成物について詳細に説明する。
(充填材の回収源となる樹脂組成物)
本発明における充填材の回収源となる樹脂組成物としては、充填材を含み、かつ、後に説明するリン酸類を含む処理液により樹脂成分が分解あるいは溶解されるものであれば特に限定されることない。本発明で分解あるいは溶解の対象となる樹脂組成物として、例えば不飽和ポリエステル樹脂を含む樹脂組成物が挙げられる。
不飽和ポリエステル樹脂を含む樹脂組成物は、不飽和及び飽和の二塩基酸またはそれらの酸無水物、グリコールまたはそれらのエステル化物、不飽和モノマーを主な原料とする。
不飽和酸および酸無水物としては、無水マレイン酸、フマル酸、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸などがある。
飽和二塩基酸および酸無水物としては、無水フタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、無水クロレンド酸、テトラブロモフタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、テトラクロロフタル酸無水物、テレフタル酸、コハク酸、グルタル酸、トリメリット酸無水物、シクロペンタジエン−無水マレイン酸付加物などがある。
グリコールまたはそれらのエステル化物としては、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジプロピレングリコール、ジブロモネオペンチルグリコール、トリプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ジアルコキシビスフェノールA、ジアルコキシテトラブロモビスフェノールA、トリメチルペンタンジオール、ジヒドロキシジシクロペンタジエンなどがある。
不飽和モノマーとしては、スチレン、ビニルトルエン、メタクリル酸メチル、フタル酸ジアリル、α−メチルスチレン、シアヌル酸トリアリル、ジビニルベンゼンなどがある。
また、反応性化合物として、プロピレンオキシド、エポキシ樹脂、イソシアネート類、ジシクロペンタジエンなどが用いられることもある。
樹脂組成物に含まれる充填材としては、金属及び金属の酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、窒化物、天然有機物、人工有機物などがある。例えば、ホウ素、アルミニウム、鉄、ケイ素、チタン、クロム、コバルト、ニッケル、亜鉛、パラジウム、銀、スズ、タングステン、白金、金、鉛、アルミナ、ジルコニア、チタニア、マグネシア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、マイカ、シリカ、粘土、ガラス、炭素、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、木材、樹脂組成物片、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂硬化物などがあり、これらの材料の各成分を融合したものでもよく、混合したものでもよい。また、充填材の形状としては、粉末、繊維、ビーズ、箔、フィルム、線、回路などがある。これらの充填材が樹脂硬化物中に含まれている比率は任意であるが、一般的には5〜90wt%の範囲にある。
不飽和ポリエステル樹脂硬化物を含む樹脂組成物の硬化方法は、反応が進行すればどのような温度でもよいが、一般には室温から、250℃の範囲で硬化させることが多い。また硬化の際に加圧してもよく、大気圧下でも、減圧下でもよい。樹脂硬化物は必ずしも完全に硬化している必要性はなく、常温では流動しない程度に半硬化させたものでもよい。この例としては、不飽和ポリエステル樹脂を用いた成形材料がある。
(処理液)
本発明において充填材の回収源となる樹脂組成物を分解及び/または溶解する処理液は、リン酸類と溶媒とを構成成分とする。ここで、リン酸類の中には、リン酸の他にリン酸塩やそれらの水和物が含まれる。
リン酸類の例としては、リン酸、次リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、トリメタリン酸、テトラメタリン酸、ピロ亜リン酸などがある。また、本発明において使用するリン酸類の塩の例としては、前記のリン酸類の陰イオンと、陽イオンとの塩であり、陽イオンの例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、パラジウム、亜鉛、アルミニウム、ガリウム、錫、アンモニウムなどのイオンがある。これらの塩は、1個の金属と2個の水素を有する第一塩、2個の金属と1個の水素を有する第二塩、3個の金属を有する第三塩のいずれでもよく、酸性塩、アルカリ性塩、中性塩のいずれでもよい。これらの化合物は単独で使用しても、数種類を混合して使用してもよい。また、これらの化合物以外に、どのようなものを併用してもよく、不純物が含まれていてもかまわない。
溶媒としては、アミド系、アルコール系、ケトン系、エーテル系、エステル系、無機系などの溶媒がよく、これらは単独で使用しても、数種類を混合して使用してもよい。また、これらの溶媒以外に、どのようなものを併用してもよく、不純物が含まれていてもかまわない。
アミド系溶媒としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、カプロラクタム、カルバミド酸エステル等が使用できる。
アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、iso−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、iso−ペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量200〜400)、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、グリセリン、ジプロピレングリコールなどがある。
ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ホロン、イソホロン等がある。
エーテル系溶媒としては、例えば、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アニソール、フェネトール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセタール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等がある。
無機系溶媒としては、水、液体アンモニア、液体二酸化炭素などがある。これらの溶媒の中では、アルコール系溶媒はリン酸類の塩を溶解しやすく、好ましい。さらに、常圧または減圧の状態で処理する場合には、沸点が170℃以上であることが好ましい。
本発明で使用する処理液は、有機溶媒に対し、リン酸類の塩を0.001〜80wt%の任意の濃度で調製可能である。0.001wt%以下では樹脂硬化物の分解速度が遅く、80wt%では処理液を調製することは困難である。特に好ましい濃度としては、0.1〜20wt%である。またリン酸類の塩は、必ずしもすべてが溶解する必要はなく、すべては溶解していない飽和溶液においても、溶質は平衡状態にあり、リン酸類の塩が失活した場合にはそれを補い、特に有効である。
処理液を調製する際の温度はどのような温度でもよいが、常圧で使用する場合には、使用する溶媒の凝固点以上、沸点以下であることが好ましい。処理液を調製する際の雰囲気は、大気中でも、窒素、アルゴン、二酸化炭素等の不活性気体中でもよく、常圧下、減圧下、加圧下のいずれでもよい。
このようにして得られた処理液に界面活性剤等を添加して使用してもかまわない。
前記処理液としては、化学的に樹脂を溶解させる効果が高く、また充填材の劣化が少ないという観点から一価のアルコール類を含むものが好ましい。また、前記と同様の観点からリン酸カリウム又はリン酸カリウム水和物を含むものが好ましい。
(充填材の回収処理条件)
前記処理液を用いて樹脂組成物から充填材を回収処理する際の温度としては、処理速度を調整できるという観点から、処理液の溶媒の凝固点以上、沸点以下の任意の温度が好ましい。また、樹脂の熱分解や充填材の強度低下などによる回収材の品質低下を防ぐためには、200℃以下の温度で処理することが好ましい。
処理方法としては、通常は処理液中に樹脂組成物を浸漬することによって行われるが、その際に処理速度を高めたり、超音波により振動を与えたりすることもできる。また、液中に浸さず、スプレー等による噴霧もでき、さらに高圧をかけることもできる。
処理液の使用時並びに保存時の雰囲気は、大気中でも、窒素、アルゴン、二酸化炭素等の不活性気体中でもよく、大気圧下、減圧下、加圧下のいずれでもよい。安全性を重視する場合には、大気圧下である方が好ましい。
充填材の回収源としの樹脂組成物、例えば不飽和ポリエステル樹脂を含む樹脂組成物を、上記の処理液および処理条件において溶解あるいは分解させ、処理液から充填材を取り出すことで充填材が得られる。取り出した充填材は水またはその他の溶媒で洗浄しても良い。用途に応じて、洗浄液や水分を除去しても良い。樹脂のカスが繊維に付着しているような場合には、超音波洗浄をおこなってもよい。
また、回収した充填材に所望により従来公知の手法に従って表面処理を行ってもよい。
(樹脂組成物の作製)
回収した充填材を従来公知の手法に従って所望の樹脂中に混合し、硬化させることで樹脂組成物を作製することができる。例えばポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂およびシリコン樹脂などの熱硬化性樹脂に回収した充填材を混合し、用途に応じてハンドレイアップ、スプレーアップ、コールドプレス、マッチドダイ成形、連続成形法などにより成形を行なうことで樹脂組成物を作製することができる。
また、ポリカーボネート樹脂、ナイロン樹脂、ABS樹脂、PET樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの熱可塑性樹脂に回収した充填材を混合し、用途に応じて射出成形やプレス成形をおこなって樹脂組成物を得ることもできる。
樹脂組成物に混入する充填材としては混合等の作業性という観点から粒状の充填材を混入することが好ましい。また、コストの観点からは充填材として炭酸カルシウムを混入することが好ましい。
以上、本発明によれば回収された充填材を再利用した樹脂組成物が提供される。ここで、本発明の樹脂組成物に含まれる充填材は熱による劣化が最小限に抑えられているため、かかる充填材を含む本発明の樹脂組成物は未使用充填剤を含む樹脂組成物と同等の機械的・化学的特性を有する。そのため、本発明により得られる樹脂組成物は充填材の劣化による用途の制限を受けることがない。
また、本発明の1態様によれば、小型船舶、自動車部品、鉄道車両部品、家具、浴槽、電化製品部品、貯水タンクなどに用いられる不飽和ポリエステル樹脂を含む樹脂組成物から処理液によって樹脂成分を溶解/分解することにより回収された充填材を含む樹脂組成物が提供される。かかる樹脂組成物により、不飽和ポリエステル樹脂を含む樹脂組成物から回収された充填材の用途の拡大が図られる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明が以下の実施例に限定されるものでないことは言うまでもない。
(1)樹脂組成物の作製
以下の調製例1〜3に従って、樹脂組成物を作製した。
(調製例1)
不飽和ポリエステル樹脂硬化物は、原料として無水フタル酸、イソフタル酸、無水マレイン酸、プロピレングリコール、エチレングリコール、スチレンを混合して樹脂溶液とした。樹脂溶液中に、充填材として平均粒径3μmの炭酸カルシウムを50wt%になるように混合した。さらに、長さ2cmに切断したガラスロービングをガラス含有率25重量%となるように添加し、含浸させてシート状にした。そして温度140℃、圧力16MPaで3分間加熱硬化し、厚さ5mmの樹脂組成物を作製した。この樹脂組成物を後述の方法で特性評価を行なった。
(調製例2)
フェノール樹脂とヘキサメチレンテトラミン、ステアリン酸を混合して樹脂溶液とした。樹脂溶液中に、充填材として平均粒径3μmの炭酸カルシウムを50wt%になるように混合した。さらに、長さ2cmに切断したガラスロービングを、ガラス含有率25重量%となるように添加し、含浸させてシート状に成形した。そして温度140℃、圧力17MPaで10分間加熱硬化し、厚さ5mmの樹脂組成物を作製した。この樹脂組成物を後述の方法で特性評価を行なった。
(調製例3)
ABS樹脂に、充填材として平均粒径3μmの炭酸カルシウムを50wt%になるように混合した。さらに、長さ2cmに切断したガラスロービングを、ガラス含有率30重量%となるように添加して溶融混合し、スクリュー押し出し機で直径約5mmの粒状のペレットを作成した。このペレットを射出成形して厚さ5mmの樹脂組成物を作製した。この樹脂組成物を後述の方法で特性評価を行なった。
(調製例4)
不飽和ポリエステル樹脂組成物は、原料として無水フタル酸、イソフタル酸、無水マレイン酸、プロピレングリコール、エチレングリコール、スチレンを混合して樹脂溶液とした。樹脂溶液中に、充填材として平均粒径5μmのガラス微粉末を50wt%になるように混合した。さらに、長さ2cmに切断したガラスロービングをガラス含有率25重量%となるように添加し、含浸させてシート状にした。そして温度140℃、圧力16MPaで3分間加熱硬化し、厚さ7mmの樹脂組成物を作製した。この樹脂組成物を後述の方法で特性評価を行なった。
(調製例5)
フェノール樹脂とヘキサメチレンテトラミン、ステアリン酸を混合して樹脂溶液とした。樹脂溶液中に、充填材として平均粒径5μmのガラス微粉末を50wt%になるように混合した。さらに、長さ2cmに切断したガラスロービングを、ガラス含有率25重量%となるように添加し、含浸させてシート状に成形した。そして温度140℃、圧力17MPaで10分間加熱硬化し、厚さ5mmの樹脂組成物を作製した。この樹脂組成物を後述の方法で特性評価を行なった。
(調製例6)
ABS樹脂に、充填材として平均粒径5μmのガラス微粉末を50wt%になるように混合した。さらに、長さ2cmに切断したガラスロービングを、ガラス含有率30重量%となるように添加して溶融混合し、スクリュー押し出し機で直径約5mmの粒状のペレットを作成した。このペレットを射出成形して厚さ5mmの樹脂組成物を作製した。この樹脂組成物を後述の方法で特性評価を行なった。
(2)ガラス繊維の処理回収
以下の処理法1〜3に従って、前記調製例1により作製した前記樹脂組成物から充填材を回収した。
(処理法1)
リン酸三カリウムを、ベンジルアルコール1000gに対し、0.50モルを処理槽内に秤量し、室温で穏やかに撹拌して処理液を得た。そして、この処理液の入った処理槽を、オイルバスを使用して200℃に1時間かけて加温した後、樹脂組成物を25cm角に切断して処理液に浸漬し、200℃で4時間保持した。その後、前記処理液からガラス繊維を取り出して水洗し、その洗浄液中に沈殿した充填材を取り出し、乾燥させた。
(処理法2)
リン酸を、ジエチレングリコールモノメチルエーテル1000gに対し、0.50モルを処理槽内に秤量し、室温で穏やかに撹拌して処理液を得た。そして、この処理液の入った処理槽を、オイルバスを使用して190℃に1時間かけて加温した後、樹脂組成物を25cm角に切断して処理液に浸漬し、190℃で8時間保持した。その後、前記処理液中からガラス繊維を取り出して水洗し、洗浄液に沈殿した充填材を取り出し、乾燥させた。
(処理法3)
高温炉中で600℃まで加熱して充填材を回収した。
(3)実施例および比較例
実施例および比較例において、前記調製例及び処理法を用いてそれぞれ樹脂組成物を作製した。その後、各樹脂組成物について後述の方法(4)に従って特性評価を行った。
(実施例1)調製例1において作製した樹脂組成物から、処理法1を用いて回収した充填材を用いたことを除き、調製例1と同様にして樹脂組成物を作製した。
(実施例2)
調製例1において作製した樹脂組成物から、処理法1を用いて回収した充填材を用いたことを除き、調製例2と同様にして樹脂組成物を作製した。
(実施例3)
調製例1において作製した樹脂組成物から、処理法1を用いて回収した充填材を用いたことを除き、調製例3と同様にして樹脂組成物を作製した。
(実施例4)
調製例4において作製した樹脂組成物から、処理法2を用いて回収したガラス微粉末を用いたことを除き、調製例4と同様にして樹脂組成物を作製した。
(実施例5)
調製例4において作製した樹脂組成物から、処理法2を用いて回収したガラス微粉末を用いたことを除き、調製例5と同様にして樹脂組成物を作製した。
(実施例6)
調製例4において作製した樹脂組成物から、処理法2を用いて回収したガラス微粉末を用いたことを除き、調製例6と同様にして樹脂組成物を作製した。
(比較例1)
調製例1において作製した樹脂組成物から、処理法3を用いて回収したガラス微粉末を用いたことを除き、調製例1と同様にして樹脂組成物を作製した。
(比較例2)
調製例1において作製した樹脂組成物から、処理法3を用いて回収したガラス微粉末を用いたことを除き、調製例2と同様にして樹脂組成物を作製した。
(比較例3)
調製例1において作製した樹脂組成物から、処理法3を用いて回収したガラス微粉末を用いたことを除き、調製例3と同様にして樹脂組成物を作製した。
(比較例4)
調製例4において作製した樹脂組成物から、処理法3を用いて回収したガラス微粉末を用いたことを除き、調製例4と同様にして樹脂組成物を作製した。
(比較例5)
調製例4において作製した樹脂組成物から、処理法3を用いて回収したガラス微粉末を用いたことを除き、調製例5と同様にして樹脂組成物を作製した。
(比較例6)
調製例4において作製した樹脂組成物から、処理法3を用いて回収したガラス微粉末を用いたことを除き、調製例6と同様にして樹脂組成物を作製した。
(比較例7)
調製例1と同様にして、不飽和ポリエステルを含む樹脂組成物を作製した。
(比較例8)
調製例2と同様にして、フェノール樹脂を含む樹脂組成物を作製した。
(比較例9)
調製例3と同様にして、ABS樹脂を含む樹脂組成物を作製した。
(比較例10)
調製例4と同様にして、不飽和ポリエステル樹脂を含む樹脂組成物を作製した。
(比較例11)
調製例5と同様にして、フェノール樹脂を含む樹脂組成物を作製した。
(比較例12)
調製例6と同様にして、ABS樹脂を含む樹脂組成物を作製した。
(4)評価試験
前記調製例、実施例および比較例において作製した樹脂組成物の曲げ特性(曲げ強さおよび曲げ弾性率)の評価試験を行なった。曲げ特性試験は、JISK7017(2001)に準拠して測定した。
以下に調製例、実施例および比較例の条件、並びに曲げ特性をまとめて表1に示す。
Figure 2008255361
表に示したように、本発明の実施例1〜6は、未処理の充填材を用いた比較例7〜12とほぼ同じ強度を維持していた。一方、熱分解により回収した充填材を用いた比較例1〜6においては、比較例7〜12の1/2程度の強度となった。

Claims (10)

  1. リン酸類と有機溶媒とを含む処理液を用いて樹脂組成物から回収した充填材を少なくとも含む樹脂組成物。
  2. リン酸類と有機溶媒とを含む処理液を用いて不飽和ポリエステル樹脂組成物中の樹脂成分を化学的に溶解させることにより回収した充填材を少なくとも含む樹脂組成物。
  3. 前記充填材は、リン酸類の塩を含む処理液を用いて回収されたものである請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記充填材は、大気圧下で回収されたものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記充填材は、200℃以下で化学的な溶解処理を行うことにより回収されたものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記充填材は、粒状である請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 前記充填材は、炭酸カルシウムである請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 前記充填材は、一価のアルコール類が含まれる処理液を用いて回収されたものである請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  9. 前記充填材は、リン酸類の塩としてリン酸カリウムを含む処理液を用いて回収されたものである請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  10. 前記充填材は、リン酸類の塩としてリン酸カリウム水和物を含む処理液を用いて回収されたものである請求項1〜9のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
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