JP2010150297A - プラスチックの処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】産業プラスチックの樹脂成分を分解して含有されている金属又は繊維、充填剤等をリサイクル化すると共に、分解樹脂成分を再資源化を目的としたプラスチックの処理方法を提供する。
【解決手段】エステル結合を分子骨格中に含む熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂の成型物を、アンモニアまたはアンモニア水溶液を用いて、加温加圧下において分解することを特徴とするプラスチックの処理方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は高電圧電力機器をはじめ産業回転機器や電気部品の絶縁材料、積層基板やIC及びLED封止剤、更には航空船舶等で使用される繊維強化プラスチックなどに使用されている熱可塑性および熱硬化性樹脂を、分解溶解することにより内部金属や無機材料とを分離採取する処理方法、更には分解樹脂分の再資源化活用を目指して分離採取する方法に関するものである。
従来から電気電子部品や複合構造材料には、多量の樹脂が使用されている。電気電子部品において使用されている汎用性の熱可塑性樹脂としてはポリスチレンやアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート等が電気機器のスイッチやコネクタ、外装ハウジング等に使用されている。一方、熱硬化性樹脂としてはより高信頼性が求められる用途に用いられており、不飽和ポリエステル樹脂やフェノール樹脂、エポキシ樹脂が代表として挙げられる。その中でも特に絶縁性信頼性や低吸水性、耐熱性・機械的強度、金属との密着性、低い硬化収縮性等から、エポキシ樹脂が長年多用途にわたり選定され、IC封止材、積層プリント板、導電性ペースト、液晶表示素子シール接着剤等として欠かすことの出来ない材料となっている。
また複合構造材料分野においては、熱硬化性樹脂である不飽和ポリエステル樹脂とガラス繊維、または熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂、酸無水物からなる硬化組成樹脂とガラス繊維の組み合わせが代表として挙げられる。用途としては自動車、船舶、航空機の部品、そしてレジャー用品から産業タンクまで幅広い分野で使用されている。しかし近年、発電用大型構造部品や航空機用部品として、高エネルギー、効率化を目指す中で、軽量でより強靭なエポキシ樹脂と炭素繊維の複合材料が注目され使用され始めている。
この様な多岐に渡る使用が知られている樹脂材料ではあるが、普及する事の反面、増加するこれらプラスチックの廃棄物としての問題も大きく注目されるようになっている。つまり、これら部材が高耐熱性や高硬度、高強度、難燃性および耐薬品性などの様々な技術加工が施された部材となっていることから、廃棄処理を技術的な面からいっそう困難なものにしているという矛盾した問題が生じている為である。かつての処理としては、焼却処分が主流であったが、現在ではダイオキシン発生問題を主とする環境問題が大きく叫ばれ、高温焼却することでの回避も提案されている。
更に、これらプラスチックの廃棄問題に加えて、銅や金、希少性が叫ばれているレアメタル等の枯渇資源の回収再資源化の為の技術開発も近年活発化しているが、回収初期方法としては何れも焼却処分が前提とされている。
焼却処分のこれら技術としては、特許文献1や特許文献2に示されるように、熱硬化樹脂の硬化組成物から無機充填剤であるシリカを分離回収することを目的とした方法が述べられている。この方法は硬化物を破砕粉砕後に800℃以上の高温で焼却する方法であり、多くの燃焼エネルギーを必要とすることは当然ながら、近年の環境を意識した産業活動において、CO削減問題から全て燃やして解決するという方策はもはや社会での適合性を失いつつある。
その為、廃棄されるプラスチックの多くは再生処理や再使用には不適なものとして嫌厭され続け、今でも埋め立て処理されるのが実状である。但し、埋め立て処理は、用地確保の問題、土壌や地下水への汚染が懸念されるという問題もあり、決して好ましくはない。
この様な状況から、最近ではこれらプラスチックを化学的に分解反応させて、処理する方法が盛んに研究されている。例えば特許文献3には、熱硬化性樹脂を主体としたプラスチックを、アミノ化合物を分解剤として添加し、その沸点温度下で反応を進行させる方法が記載されている。また、更には特許文献4にあるような高温高圧下の超臨界状態、亜臨界状態の水を用いた分解処理方法、或いは特許文献5や特許文献6であるような、超臨界状態、亜臨界状態の水に対して溶解パラメータを高めるべく低級アルコールや単核フェノール類化合物を加えて、分解の促進処理を行う方法などが報告公開されている。
特開平5−139715号公報 特開平6−87123号公報 特開2001−81235号公報 特開平11−140224号公報 特開2001−55468号公報 特開2006−213873号公報
上記に示した特許文献3に記載の方法では、分解剤として最も推奨されるものがキシリレンジアミンに代表されるアミノ化合物であり、分解後のそれらから樹脂分解成分のみを分離する操作が必要とされる。またこれら分解成分のリサイクルとして、更に多量に使用したアミノ化合物と反応する分だけの新たなエポキシ等の樹脂成分を再投入して硬化せざるを得ないといった問題を含んでいる。
この様な問題から、最近では水の超臨界エネルギーを利用した様々な分解方法が提案されている。この発想において、臨界状態として用いる分解剤としては水より二酸化炭素の方が臨界点の温度・圧力が低く扱い易いことから注目されていた。しかしながら、臨界状態における水に比べたそのエネルギーの低さから、二酸化炭素は分解性においての効果が弱く、解離抽出作用程度の効果でしか活用出来なかった。したがって超臨界流体としては水を用いることが一般的とされてきた。
このような方法としては、特許文献4に記載の方法が挙げられ、水による加水分解として超臨界、亜臨界状態の高エネルギーにより化学結合を切断し、H及びOHを切断された部分に結合させる方法が示されている。分解剤が水であり、処理後の取り扱い安全性が非常に簡易であるが、水が臨界状態となる温度・圧力が374℃、22.1MPaと非常に高く、過大な処理エネルギーに加え、この処理条件に耐え得る特殊装置に掛かる投資費用は非常に高額となり、これに見合う分の収益性が伴わないという問題があり、処理方法の普及にはなかなか至っていない。
また、特許文献5や特許文献6においても水の超臨界、亜臨界状態を利用した処理方法であり先と同じ問題を持つが、分解性をより高める目的から低級アルコールやフェノール、モノアミン、アミノアルコール、およびアミノ化合物をこれに加えて処理する方法を提案している。しかし、これらの溶解パラメータを高める為に添加した成分が処理後に残留混入するかたちで、純粋な分解樹脂成分を採取して再資源化を考慮した場合には問題となる。
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたもので、産業プラスチックにおいて、低温で効率良く樹脂成分を分解し、内部の金属や繊維、充填剤等のリサイクル化を目的として、更には分解樹脂分の再資源化活用を目指して分離採取する方法を提供するものである。
上記問題を克服する為に、鋭意研究開発を実施した結果、本発明での分解方法であるアンモニア、若しくはその水溶液による処理の発明に至った。
即ち、本発明の要旨はエステル結合を分子骨格中に含む熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂よりなるプラスチック成型物を、アンモニアまたはアンモニア水溶液を用いて、加温加圧下において分解処理することを特徴とするプラスチックの処理方法である。アンモニアでの臨界・亜臨界状態からそこに至るまでの比較的温度や圧力の低い領域下で分解処理が可能であり、その分解剤自体は水への溶解脱離が容易で、更には資源として容易に入手可能な分解剤であることに着目をしたものである。
尚、水の臨界点とは温度圧力で374℃、22.1MPaであり、アンモニアの臨界点は132℃、11.3MPaであることから、水と比較して著しく低い事にも特徴がある。
また、本発明のもう一つの特徴としては、アンモニアが持つ分子内孤立電子対による求核剤としての働きが、亜臨界状態に至るまでの低温低圧領域においても十分に強まることから、樹脂の分解反応に対して大きく寄与することを狙ったものである。特にエステル結合を含む樹脂に対しての分解性では、非常に効果的なものとなる。
本発明の分解方法を用いることで、従来から嫌厭されてきた廃棄されるプラスチックの処理を、遙かに簡易的条件で効率よく分解することができ、これらと複合化された金属あるいは無機充填剤、繊維材料の取り出し回収も容易となる事から、産業廃棄物の減少、そしてそこからの資源再生化に大きく貢献できる。
本発明において、分解剤として用いるアンモニアは、分解を促進する上では高濃度状態で使用することが好ましい。但し、水溶液として用いた場合では、臨界状態までは至らないが、そこでのアンモニア分圧でも十分な分解効果が得られる為、純度100%に近い液化アンモニアを使用するか、水溶液を使用するかを特に限定するものではない。
アンモニアは優れた分解剤であり、本発明では純度100%に近い液化アンモニアを使用することが出来るが、アンモニアは劇物取扱法おいて劇物に指定され、沸点が−33℃と非常に低く室温で激しく沸騰して刺激臭を発生する。よってその場合は作業取扱い性からみて危険な為、特定濃度のアンモニア水が安全であり、より好ましい。また、アンモニア水を使用しての分解生成物が水溶性となる場合では、100℃以上の処理でアンモニアに加えた水との接触が増し、分解処理が早まる。その場合の水溶液濃度としては10%以上が好ましく、より好ましくは20%以上、更には30%以上であることがより好ましい。10%未満の濃度では加熱温度に対するアンモニア分圧が上がりにくく処理速度が遅くなる。仮にこの濃度の場合、アンモニア分圧を補う為に加熱温度を著しく上げることも可能であるが、高温まで上げる必要があり効率的ではない。10%以上の濃度であれば、200℃程で約1MPaの分圧が加わり分解が促進され始める。当然、アンモニア濃度を高めれば昇温に伴い分圧も上がり分解作用は一層高まる。
液化アンモニアを用いた臨界状態、若しくは亜臨界状態以下による処理温度および処理圧力としては、30℃〜132℃、1MPa〜11.3MPaの範囲、より好ましくは50℃〜132℃、2MPa〜11.3MPaの範囲、更に好ましくは65℃〜132℃、3MPa〜11.3MPaの範囲で調整することが望ましい。処理温度および処理圧力が前記範囲未満になると、分解処理速度が遅くなる。またこの範囲上限を超えた領域では超臨界状態となり、処理速度は著しく速まるが過剰な処理エネルギーとなり、より高価な特殊耐圧装置設備が必要となるので効率的でない。
アンモニア水溶液を用いた場合では、当然ながら水との分圧となり処理圧力はアンモニア単独の時よりも低下する。この場合は先に記述した水溶液濃度に比例して好ましい状態も変化する。好ましくは100℃〜200℃以下でアンモニア分圧が1MPa〜11.3MPaの領域範囲、より好ましくは100℃〜200℃以下でアンモニア分圧が3MPa〜11.3MPaの領域範囲、更に好ましくは100℃〜200℃以下でアンモニア分圧が5MPa〜11.3MPaの領域範囲で調整することが望ましい。使用する特定濃度のアンモニア水溶液において、処理分圧が前記の好ましい範囲未満となる温度での処理は分解を著しく遅らせる。またこの範囲の上限を超えた領域は過剰な処理エネルギーとなり、従来の処理方法よりも低温低圧での処理を可能とする本来の特徴効果が得られない。
本発明のプラスチックの分解処理は、前述したようなアンモニアやその水溶液における分解剤の蒸発部、凝縮部、吸収部を兼ね備えた循環式装置、あるいは耐圧釜単独にて行うバッチ式装置の何れの装置でも使用が可能である。
分解の対象となるプラスチックの樹脂材料としては、エステル結合を分子骨格中に含む熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂が特に好ましい。また本発明では分解し辛い難分解性樹脂に対して、前記エステル結合を分子骨格中に含む材料を意図的に混合したポリマーブレンド、ポリマーアロイとした材料でも対象となる。
エステル結合を分子骨格中に含む熱可塑性樹脂としては、エンジニアプラスチックとして広く家電製品や自動車部品等に広く使用されているポリブチレンテレフタレートをはじめ、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等の代表的なポリエステル樹脂、無機ガラスの代用として建築や乗物の窓材、照明器具のカバー等に利用されているポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂が挙げられるが、これ以外でもエステル結合を骨格内に含む熱可塑性樹脂で有れば、種類や組み合わせを限定するものではない。
エステル結合を分子骨格中に含む熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂の各種酸無水物による硬化物、アルキド樹脂、ジアリルフタレート等のアリル樹脂が挙げられるが、これ以外でもエステル結合を骨格内に含む熱硬化性樹脂で有れば、種類や組み合わせを限定するものではない。
これら分解対象となるプラスチック成型物は、特にその形態を限定するものではないが、分解処理耐圧容器内に投入する際は、その大きさは破砕や粉砕処理により表面積を高めた方が更にその処理速度は早まる。また、上記の破砕処理等がし難い大型肉厚形状の樹脂モールドコイル等でも、表面へのブラストやスクラッチ処理等により、アンモニアの浸透を早める処理を行うことも効果的である。また、これを前処理として樹脂成分を軟化させると物理的な簡易破壊ができる為、その後に分解処理を進行して分離を行うことも有効である。
分解対象となるプラスチックは、分解処理耐圧容器内の中空フィルター上に浮かせ、処理中に分解樹脂成分と微粒の充填剤等が沈降する方法が好ましい。容器内に静置した場合は、分解樹脂成分が処理後に於いても金属や繊維に多く付着して分離状態としては好ましくはない。
アンモニア水を用いた場合も分解対象となるプラスチックは、分解処理耐圧容器内の中空フィルター上に浮かせて処理する方法が好ましい。アンモニア水に浸漬しても分解処理は可能であるが、発生した非水溶性の液状分解樹脂成分が、充填剤や金属や繊維に付着して分離状態としては好ましくない。
この分解処理で得られる物質としては、アンモニアとの反応による末端アミド成分と、水素付加された末端アルコール成分であり、何れもエステル間ユニットの分子構造まで分解が進行することで、その構造に由来してアンモニア水を使用した場合は、その水溶液に完全溶解するもの、あるいは溶解せず液状油化され分離沈降するものが得られる。
これら得られた分解成分の処理としては、アンモニア水からは加熱処理によってアンモニアが簡易的に除去でき、更に水を回収することで水溶性分解成分のみを得ることが出来る。得られた分解物は末端官能基に応じて、熱硬化性樹脂の合成原料への再利用ができる。この際に除去されたアンモニアは、水に再度溶解され、リサイクルを行い有効活用が可能である。
アンモニア水に溶解せず分離沈降した分解成分においては、水溶液と分液処理後に減圧加熱処理等で脱水・脱アンモニア処理を行った後、その末端官能基に応じた熱硬化性樹脂の合成原料への再利用ができる。
この分解処理に於いて回収が可能な金属材料としては、鉄、アルミ、ステンレス等の汎用金属類が挙げられるが、アンモニアと反応し腐食されない金属であれば特にこれらに限定されるものではない。但し、銅はアンモニアと反応して腐食されるが、通常の電気機器類の用途で使用される銅線は、既にエナメル被覆による絶縁処理が施され、当処理を施された銅製部品に限って大きく腐食をうけるものではない。
以下に本発明の実施例で使用した様々な樹脂成型物での組成内容と、これらの分解試験条件、評価結果を表1と表2で詳しく記述する。また同じく表2に比較例の評価結果も記述する。尚ここでの「部」とは重量部を意味するものであり、本発明がこれら実施例や比較例に限定されるものではない。
表1の実施例1から5で実際に樹脂を硬化成型するにあたり、その配合に使用した各成分に関する具体的内容を以下に記す。
エポキシ樹脂E1:液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、東都化成(株)製、エポトートYD−128(エポキシ当量188g/eq、粘度13800mP・s)
エポキシ樹脂E2:固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂、東都化成(株)製、エポトートYD−014(エポキシ当量950g/eq、軟化点96℃、150℃溶融粘度6500mPa・s)
酸無水物硬化剤:メチル化テトラヒドロフタル酸、日立化成(株)製、HN−2200(酸無水基当量値166g/eq、25℃粘度60mPa・s)
硬化触媒:1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、四国化成工業(株)製、キュアゾール1B2MZ
充填剤F1:破砕溶融シリカ、平均流径25μm
充填剤F2:破砕溶融シリカ、平均粒径5μm
カップリング剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
実施例1
表1に記載の配合の下で、エポキシ樹脂E1に酸無水物硬化剤、硬化触媒を混合した後、金属型に注型を行い、110℃で4時間硬化を行った。その後、この硬化成型物を、幅30mm、長さ30mm、厚さ5mmの大きさに裁断加工を行い、実施例1のエポキシ樹脂組成物の試験片を得た。試験で用いた分解用装置は、最大耐圧20MPaまで絶え得る容積100mlの耐圧容器を用いて、そこに液化アンモニアを約20ml注ぎ、その液面上にこの試験片を設置したステンレス製フィルターを固定して液面上方に浮かし、直ちに密閉し加熱分解試験を開始した。温度圧力条件と分解結果に付き表1に記す。温度は容器加熱雰囲気の測定値とし、圧力は設定温度での計算値とした。また分解に要した時間については設定温度到達時間からとした。
実施例2
表1に記載の配合の下で、エポキシ樹脂E1にエポキシ樹脂E2を溶融し、それと酸無水物硬化剤、硬化触媒を混合した後、金属型に注型を行い、110℃で4時間硬化を行った。実施例1と同様の操作でこのエポキシ樹脂組成物の硬化物の加工を行い、実施例2の試験片を得た。その後、同耐圧容器に市販の30%アンモニア水を50ml注ぎ、実施例1と同様の操作で加熱分解試験を実施した。温度圧力条件と分解結果に付き表1に記す。
実施例3
表1に記載の配合の下で、エポキシ樹脂E1と酸無水物硬化剤に充填剤F1、F2、カップリング剤をそれぞれ添加し、ニーディングミキサーによる一液均一混合を50℃で行った。その後、硬化触媒を更に混合して金属型に注型を行い、110℃で4時間硬化を行った。その後は実施例2と同様の操作で実施例3のエポキシ樹脂組成物の試験片を得て、同操作で加熱分解試験を実施した。温度圧力条件と分解結果に付き表1に記す。
実施例4
表1に記載の配合の下で、実施例3と同様な配合を行った後、金型を直径50mmのステンレスカップとして樹脂を注ぎ込み、そこに厚み1.6mm、直径22mmの鉄クロメート平ワッシャー(トラスコ中山(株)製)を埋め込み硬化を行った。その後これを厚み2.5mmまで樹脂層側の研磨を行い、実施例4のエポキシ樹脂組成物の試験片を得た。その後は実施例2と同様の操作で、この金属埋め込み試験片の加熱分解試験を実施した。温度圧力条件と分解結果に付き表1に記す。
実施例5
表1に記載の配合の下で、実施例1と同様な樹脂分の配合を行った後、これをガラスクロス(日東紡(株)製、プリント配線基板用クロス:WEA 180K 105)に含浸させ、プリプレグを作製した後、これらを8枚重ねて120〜175℃の熱をかけながら真空プレスによる実施例5の積層試験片が得られた。その後、この積層板を、幅30mm、長さ30mm、厚さ1.6mmの大きさに裁断加工を行い、実施例5のエポキシ樹脂組成物の試験片を得た。その後は実施例1と同様の操作で加熱分解試験を実施した。温度圧力条件と分解結果に付き表1に記す。
Figure 2010150297
実施例6
市販のポリブチレンテレフタレート(以後PBTと略す)試験片を用いて、幅25mm、長さ30mm、厚さ2mmの大きさに加工した実施例6の試験片3枚を得た。その後は実施例1と同様の操作で加加熱解試験を実施した。温度内圧条件と分解結果に付き表2に記す。
実施例7
市販のポリエチレンテレフタレート(以後PETと略す)試験片を用いて、実施例6と同様の操作により実施例7の試験片を得た。その後は実施例2と同様の操作でより加熱分解試験を実施した。温度圧力条件と分解結果に付き表2に記す。
実施例8
市販の不飽和ポリエステル(以後UPと略す)試験片を用いて、実施例6と同様の操作により実施例8の試験片を得た。その後は実施例2と同様の操作で加熱分解試験を実施した。圧力条件と分解結果に付き表2に記す。
比較例1
実施例4と同じ試験片を用いて、分解用装置に蒸留水を約50ml注ぎ、その液面上にこの試験片を設置したステンレス製フィルターを固定して液面上方に浮かし、密閉して加熱分解試験を開始した。温度圧力条件と分解結果を表2に記す。水の亜臨界に近い著しく高温高圧領域で5時間処理を行ったが、完全分解まで至らずに鉄ワッシャーに少量の未分解樹脂が残留していた。
比較例2
表2記載の配合の下で、実施例4と同じ形状の試験片を作製した。この試験片を用いて、分解用装置に3%水酸化カリウム水溶液を約50ml注ぎ、その液中にこの試験片を投入後、密閉して加熱分解試験を開始した。温度圧力条件と分解結果を表2に記す。幾分の高温高圧条件で5時間処理を行ったところ、樹脂成分は完全に分解していたが、処理後の鉄ワッシャーに水溶液不溶解成分が付着しており、洗浄等の後処理が必要であった。
比較例3
比較例2と同じ形状の試験片を用いて、分解用装置にリン酸カリウムを3%溶解したDGMM(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)を約50ml注ぎ、比較例2と同様な操作を行った。温度圧力条件と分解結果を表2に記す。低めの温度で常圧分解処理を48時間実施して完全分解までに漸く至ったが、処理後の鉄ワッシャーに水溶液不溶解成分が付着しており、洗浄等の後処理が必要であった。
Figure 2010150297
アンモニア又はアンモニア水溶液を用いて熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂の成型物を処理するという簡単な方法によって従来嫌厭されていたプラスチックの再生もしくは再使用を可能としたので、産業上の利用可能性を有する。

Claims (4)

  1. エステル結合を分子骨格中に含む熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂よりなるプラスチック成型物を、アンモニアまたはアンモニア水溶液を用いて、加温加圧下において分解処理することを特徴とするプラスチックの処理方法。
  2. アンモニア水溶液を用いて前記プラスチック成型物を処理し、分解樹脂成分を水溶性物質と沈降性の難水溶性物質に分離して採取することを特徴とする請求項1記載のプラスチックの処理方法。
  3. 金属粉や無機充填材が配合されたプラスチック成型物を処理して金属粉、無機充填剤を沈降分離して回収することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のプラスチックの処理方法。
  4. 金属部品、繊維補強材を使用したプラスチック成型物を処理して金属部品、繊維補強材を分離して採取することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかの項に記載のプラスチックの処理方法。
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