JPH10314713A - 混合廃棄物の処理方法および処理装置 - Google Patents

混合廃棄物の処理方法および処理装置

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JPH10314713A
JPH10314713A JP25399797A JP25399797A JPH10314713A JP H10314713 A JPH10314713 A JP H10314713A JP 25399797 A JP25399797 A JP 25399797A JP 25399797 A JP25399797 A JP 25399797A JP H10314713 A JPH10314713 A JP H10314713A
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Koichi Tejima
光一 手島
Naohiko Oyasato
直彦 親里
Takeshi Gotanda
武志 五反田
Kazunari Harada
一成 原田
Hideo Kitamura
英夫 北村
Izuru Komatsu
出 小松
Kunihiko Sasaki
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Yuko Baba
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機ハロゲン化物発泡性樹脂を含む混合廃棄
物から、資源として有用な成分を分離回収する方法およ
び装置、あるいは混合廃棄物中の廃回路基板等を環境へ
の負荷をできるだけ抑えて処理し、有価物を高い効率で
回収する方法および装置を提供する。 【解決手段】 発泡ウレタン樹脂等を含む混合廃棄物を
熱媒体中で加熱し、発泡樹脂を軟化あるいは流動化させ
て内包されるフロン等を排出し、かつ各成分を熱媒体中
で比重差により分離し回収する。また、廃回路基板等の
樹脂を含有する物体を溶剤または溶剤の蒸気に浸し、物
体を構成する樹脂を膨潤軟化あるいは溶解させて有用成
分を分離回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機ハロゲン化物
含有発泡樹脂や回路基板等を含む混合廃棄物を処理し、
有用成分を分離し回収する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、特に都市部近郊において、廃棄物
の埋立て処分のための用地確保が困難になっていること
から、一般廃棄物または産業廃棄物の処理が緊急に対応
すべき課題となっている。そしてこのような背景から、
廃掃法(廃棄物の処理および清掃に関する法律)が改正
され、適困物(適当処理困難物)として、容量250l以上
の冷蔵庫、エアコン、テレビの家電3品目、および自動
車が指定されている。
【0003】これらのうちで冷蔵庫は、他の3品目と同
様に、多種類の金属やプラスチック(合成樹脂)から構
成される複合製品であるため、廃棄処理が困難であるば
かりでなく、オゾン層破壊物質であるハロゲン化炭化水
素(フロン)を発泡剤として含む発泡ウレタン樹脂が、
断熱材として多く使用されている。そして、フロンの回
収と無害化処理の方法は未だ確立されていないため、発
泡ウレタン樹脂を埋立て処理した場合に、経時的にフロ
ンが環境に放出されるおそれがあった。
【0004】従来からのフロンを含む発泡ウレタン樹脂
の処理方法としては、粉砕・すり潰し等により粉砕した
上で圧縮により減容化する方法や、薬品を加えて化学原
料として再生利用する方法などが試みられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらはいず
れも単一材料としての発泡ウレタン樹脂を処理する方法
であり、金属や他の樹脂を含む混合系での発泡樹脂の処
理技術は実用化されていなかった。
【0006】また、家電製品をはじめとする高機能化電
気電子機器のほとんど全てには、多数の回路基板が含ま
れているが、回路基板に金属、無機物、樹脂等多種類の
素材が用いられていることが、廃棄処理およびリサイク
ルを困難なものとしていた。すなわち、回路基板には、
銅箔を始めとする有価金属類とともに、ハンダや難燃剤
等として鉛のような有害物質も含まれており、有害物質
を拡散させずに回収すると同時に、有価物を分離して回
収するリサイクル技術の開発が求められている。廃回路
基板から有価物を回収する最も一般的な方法は、焙焼に
より基板樹脂等の有機物を除去し、溶鉱炉で金属を回収
する方法である。しかし、この方法は環境保全および付
加価値の高い有用成分の回収の観点からは問題があり、
例えば高温の炉からは廃棄物中に含まれる有害物質、例
えば低融点金属である鉛化合物の蒸散や不完全な燃焼に
よるダイオキシン等の発生が懸念されている。
【0007】また、環境に対する負荷の小さい処理方法
として、破砕および粉砕した廃回路基板を比重選別、静
電選別あるいは渦電流選別により分離する方法が提案さ
れているが、これらの方法では分離効率に限界があり、
有価物の回収率が低いという問題があった。
【0008】さらに、熱硬化性樹脂を溶剤により溶解す
る方法として、熱硬化樹脂塗膜を有する熱可塑性樹脂バ
ンパ−を加水分解するなどの公知の例がある。しかし、
これらの方法は、熱可塑性樹脂を溶融させながらエクス
トル−ダなどの加圧型の押出機で処理を行っている。こ
のため熱硬化樹脂が、塗膜のように薄く容易に変形し押
出される場合には適用可能であるが、熱硬化樹脂、特に
充填材を含有する高強度でかつ熱可塑性を持たない樹脂
や、金属、セラミックなどの混在した廃棄物を処理する
ためにはこのような押出機では処理が困難であった。ま
た複合プラスチックからの強化材の回収方法として提案
されているオ−トクレ−ブ等のバッチ型反応容器を用い
た装置もあるが、樹脂の種類によって溶解速度が異な
り、処理粉枠径によっても処理時間を設定しなおさなけ
ればならないため処理に無駄が多いという欠点があり、
溶解成分を除去分別しながらの連続的な処理が望まれて
いた。 一方、多くの樹脂製品においては、樹脂特性向
上のために充填材等の無機材料を添加している。特に強
度、耐電圧性および難燃性等の特性向上のためには、無
機充填材の充填率を少しでも上げることが望まれる。一
方で、高充填化は成形前の樹脂粘度を増加させるため、
充填率を上げすぎると流動性を失い成形が不可能にな
る。このため、如何に樹脂粘度を上げずに高充填化する
かに対して技術開発が行われてきた。ところで、微粉末
は粒子同士が凝集しやすいために、同じ充填率でも大さ
い粒子の粉末を混合した場合よりも粘度が高くなりやり
すく高充填が困難であった。又、均一に分散させること
が難しいため、ボイド等の欠陥による強度の低下、耐電
圧特性の低下等を招く。このため、微粉末を高充填する
ためには剪断力を伴う強力な混合を長時間行う必要があ
った。また、充填材と樹脂のぬれ性を高め、密着性をあ
げるため界面活性剤やカップリング剤の添加が不可欠で
あった。
【0009】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
で、有機ハロゲン化物発泡性樹脂を含む樹脂と金属との
混合廃棄物から、資源として有用な成分を分離回収する
方法および装置、および前記した廃回路基板等の樹脂を
含む混合廃棄物を環境への負荷をできるだけ抑えて処理
するとともに有価物を高い効率で回収する方法および処
理装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の混合廃棄物の処
理方法は、有機ハロゲン化物含有発泡樹脂を含む混合廃
棄物を液状の熱媒体中で加熱し、前記発泡樹脂を軟化あ
るいは流動化させて、該発泡樹脂に内包される前記有機
ハロゲン化物のガスを排出し、かつ前記混合廃棄物から
の各成分を前記熱媒体中で比重差により分離し回収する
ことを特徴とする。
【0011】本発明の混合廃棄物の処理装置は、有機ハ
ロゲン化物含有発泡樹脂を含む混合廃棄物を液状の熱媒
体中に封入する封入機と、前記封入機から供給される前
記熱媒体に浸された混合廃棄物を加熱する加熱反応槽
と、前記加熱反応槽内に熱媒体を供給しながら循環流を
形成する熱媒体供給循環機と、前記熱媒体の上層に浮遊
している樹脂成分を引き抜く引き抜き機と、前記加熱反
応槽の下部から固形物を排出させる固形物排出手段と、
前記加熱反応槽の下部から溶融液化した金属を排出させ
る溶融金属排出手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】本第2の発明の混合廃棄物の処理方法は、
樹脂を含む混合廃棄物を処理するに当たり、前記混合廃
棄物を溶剤または溶剤の蒸気に浸して、該混合廃棄物を
構成する樹脂を膨潤軟化あるいは溶解させ、前記混合廃
棄物から有用成分を分離回収することを特徴とする。
【0013】また、本発明に係る処理装置は、樹脂を含
む物体を、前記樹脂が膨潤軟化あるいは溶解するように
溶剤または溶剤の蒸気に浸す手段と、前記溶剤、溶剤の
蒸気または前記物体より該物体を構成する物質を回収す
る手段とを具備したことを特徴としている。
【0014】本第1の発明に使用する液状の加熱媒体と
しては、処理すべき樹脂や金属を含む混合廃棄物と反応
しない高沸点の液体であれば、種類は限定されないが、
特に状シリコーンオイルの使用が望ましい。また、加熱
温度は 300℃以下とし、特に250℃以下とすることが望
ましい。
【0015】本第1の発明の方法では、家電製品の断熱
材等に使用されている発泡ウレタン樹脂のような有機ハ
ロゲン化物含有発泡樹脂を含む、樹脂と金属との混合廃
棄物が、まず適当な大きさに粗破砕された後、シリコー
ンオイルのような液状の熱媒体中で所定の温度( 300℃
以下)に均一に加熱されることにより、発泡樹脂が軟化
あるいは流動化され、それとともに、発泡樹脂に内包さ
れる有機ハロゲン化物のガスが放出される。またこのと
き、加熱により混合廃棄物中の他の成分の溶融、変性等
がなされ、それらの各成分が、媒体との比重の差により
熱媒体中で分離され、それぞれ回収される。こうして分
離回収された各成分は、熱媒体の分解物等の混入が極め
て少ない純度の高いものであり、原料等として再利用が
可能である。 本第2の発明においては、廃回路基板等
の樹脂を含む混合廃棄物を溶剤または溶剤の蒸気に浸す
ことにより、混合廃棄物を構成する樹脂が膨潤軟化ある
いは溶解する。そして、バインダである樹脂が溶解除去
されあるいは樹脂の接着力が弱められることにより、積
層構造を有する混合廃棄物からの樹脂の分離・分解が容
易になり、その結果有用成分の分離回収を容易に行なう
ことができる。また、このような溶剤処理を、超音波照
射、高温および/または加圧条件下で行なうことで、樹
脂の膨潤軟化あるいは溶解を促進することが可能であ
る。
【0016】また、本発明に係る処理装置においては、
樹脂を含む物体を溶剤または溶剤の蒸気に浸すことによ
り、物体を構成する樹脂が膨潤軟化あるいは溶解する。
そして、バインダ等として用いられている樹脂が溶解除
去されあるいは樹脂の接着力が弱められることにより、
物体を構成する樹脂等の分離・分解が容易になり、その
結果、物体を構成する物質を有用成分として容易に分離
回収することができる。 樹脂を含む混合廃棄物を溶剤
に曝することにより再生する場合の処理温度は、用いる
溶剤によって設定されるが、高温で行うほど樹脂の溶解
速度は早くなることから、処理速度を上げるためには高
温で処理することが好ましい。このため液相で処理する
場合には溶剤の沸点付近で溶剤が還流する温度で処理す
ることが溶剤の溶解力を最も引出すことのできる処理温
度となる。一方、処理温度が高温過ぎた場合、回収物、
特に、有機成分の劣化が起きる。ポリマー成分の分解、
酸化、劣化、副反応により回収物の有用性を失わないた
めには、220℃以下の温度で処理を行うことが好まし
い。さらに好ましくは200℃以下の温度で処理を行う
ことが好ましい。この温度以下で処理した場合には、回
収物として再生された樹脂原料が酸化、熱劣化しないた
め黒化せず、また、化学結合の不規則な分解が抑制され
るため再生品の化学種が限定され、再生品の品質を低下
させる不要な混合物の生成がない。
【0017】本発明の処理方法および処理装置は、種々
の樹脂を含む混合廃棄物に応用が可能である。特に、無
機充填材あるいは無機構造体を含有する混合廃棄物に対
して有効である。樹脂は熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の
種類を問わず適用することが可能であるが、特に熱硬化
樹脂に対して効果が大きい。これらは例えば、酸無水物
硬化エボキシ樹脂、アミン硬化エポキシ樹脂、フェノ一
ル硬化エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタン
フォーム、ウレア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹
脂、アルキド樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂および架橋ポリエチレン樹脂等の合成樹脂を使用
した樹脂製品である。また、木質材にこれらの樹脂を含
浸した木質系複合材、木質材料を熱分解あるいは化学分
解により化学的修飾し液状化した後再び単独あるいは樹
脂モノマーを添加して硬化させた化学修飾木質系プラス
チック類等の天然物系材料を用いた樹脂製品にも有効で
ある。 本発明により回収することができる無機材質
は、充填材、構造体、顔料、粘度調整剤、触媒、磁性体
等として混合廃棄物に含有されている。これらの材質と
しては、例えば、ガラス、シリカ、アルミナ、マグネシ
ア、ベリリア、ジルコニア、二酸化チタン、チタン酸カ
リウム、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の酸
化物、窒化アルミニウム、窒化珪素等の窒化物、カーボ
ンブラック、グラファイト、炭化珪素等の炭化物、水酸
化アルミニウム等の水酸化物、マイカ、カオリン、クレ
ー、タルク、砂、砂利等の土質、鉄紛、ステンレス紛、
マグネタイト、フェロシリコン等の金属等が挙げられ、
形状的にはこれらの粉末状、粒状、短繊維状、繊維状、
ウィスカ状、フレーク状、板状またはカプセル物であ
る。また充填されている物質が木紛、紙紛等の木質材、
シリコン樹脂、フッ素樹脂等の耐溶剤性の高い樹脂、表
面改質した有機物含有マイクロカプセル等の有機系の材
料である場合でも、溶剤に対する溶解性が樹脂マトリク
スと十分に異なる場合には本発明を適用することが可能
である。
【0018】これらの樹脂材料を使用した製品として
は、磁気浮上鉄道用推進コイルあるいは浮上コイル等の
超電導コイル、真空遮断器、ガス絶緑開閉装置等のスイ
ッチギア、T型ブッシング、複合碍管、樹脂モールドモ
ーター、高圧回転機、車両用モーター、キャパシ夕、含
浸トランス、変流器、変圧器、プリント基板、半導体、
配電制御機器、電線等の製品に使われている絶縁樹脂、
封止樹脂およびカバー材等が挙げられる。
【0019】また、本発明を、樹脂を含む製品を製造す
るために用いられる製造装置あるいは器具類、例えば、
混合装置、搬送装置、成形装置、成形企型等に残留、付
着する樹脂廃棄物を洗浄、除去するとともに回収物を再
生する目的で適用させることも可能である。また、本発
明は、製品内に含まれる金属や無機物をなんら形状、組
成を変性させずに有機成分を溶解除去できるため、樹脂
により強固に封止された製品の分解、あるいはさらに分
析に応用することができる。また、溶解した樹脂成分
も、酸類による酸化分解のような複雑で複数の分解反応
が同時に進行することがなく、樹脂の化学結合のうち選
択的に分解切断する化学分解であるため、回収物の組
成、化学結合の状態は十分に元の樹脂の原料を反映して
おり、樹脂原料の有機成分の分析にも応用することが可
能である.回収物の分析は、形状、粒度、構成元素組
成、化学結合、分子量、融点および沸点等の種々の物性
を公知の手法により分析することができる。
【0020】ここで、使用する溶剤としては、基板を構
成する樹脂を膨潤軟化あるいは溶解する作用を有する溶
剤であれば、特に種類は限定されず、一種類のものを単
独であるいは複数種類混合して用いることができる。水
酸化ナトリウムや水酸化カリウムの水溶液のようなアル
カリ水溶液も用いることができるが、有機物である樹脂
に対する親和性が大きく浸透性が高いことから、 pka
(解離定数)の大きい有機溶剤の使用が好ましい。 pka
の値は-0.2以上であることが好ましく、特に 9以上であ
ることが好ましい。使用することができる溶剤の例を、
以下に示す。
【0021】すなわち、アクリル酸、アジピン酸、L-ア
スコルビン酸、アスパラギン、アスパラギン酸、アセチ
ルアセトン、N-アセチルアラニン、N-アセチルグリシ
ン、アセトアミド、アセトアルデヒド、アセトニトリ
ル、アセトフェノン、アセトン、アゼライン酸、アデニ
ン、アデノシン、 5'-アデノシン三リン酸、 5'-アデノ
シンリン酸、 2'-アデノシンリン酸、 3'-アデノシンリ
ン酸、p-アニス酸、m-アニス酸、o-アニス酸、アニソー
ル、アニリン、m-アニリンスルホン酸(メタニル酸)、
p-アニリンスルホン酸(スルファニル酸)、o-アミノ安
息香酸、p-アミノ安息香酸、m-アミノ安息香酸、2-アミ
ノエタノ一ル、2-アミノエタンチオール(システアミ
ン)、5-(2-アミノエチル)-1H-イミダソール(ヒスタ
ミン)、4-アミノピリジン、2-アミノピリジン、3-アミ
ノピリジン、o-アミノフェノ一ル、4-アミノ酪酸、n-ア
ミルフェニルエーテル、L-アラニル -L-アラニン、L-ア
ラニルグリシルグリシルグリシン、β- アラニルグリシ
ルグリシン、L-アラニルグリシルグリシン、β- アラニ
ルグリシン、L-アラニルグリシン、β- アラニル -L-ヒ
スチジン(L-カルノシン)、β- アラニン、アラニン、
β- アラニンアミド、アリルアミン、アリルアルコー
ル、アルギニン、イソキノリン、イソニコチンアミド、
イソニコチン酸、イソニコチン酸メチル、イソプロパノ
ール、イソプロピルフェニルエーテル、イソロイシン、
イソ吉草酸、イソ酢酸、イノシン、 5'-イノシンリン
酸、イミダゾール、ウラシル、エタノール、エタンチオ
ール、エチル -n-ブチルエーテル、エチルアミン、エチ
ルフェニルエーテル、エチレンジアミン、オイゲノー
ル、オキサロ酢酸、オクタン酸、オルニチン、カテコー
ル、カプリル酸、キサンチン、キサントシン、吉草酸、
キナルジン酸、8-キノリノール、キノリン、ギ酸、グア
ニジン、グアニン、グアノシン、クエン酸、グリオキシ
ル酸、グリコール酸、グリシル-DL-ヒスチジルグリシ
ン、グリシル -L-アラニン、グリシル -L-ヒスチジン、
グリシル -L-ロイシン、グリシル -β- アラニン、グリ
シルグリシル -L-アラニン、グリシルグリシル -L-ヒス
チジン、グリシルグリシル-L-ロイシン、グリシルグリ
シルグリシル -L-ヒスチジン、グリシルグリシルグリシ
ルグリシン、グリシルグリシルグリシン、グリシン、グ
リシンアミド、2-グリセリンリン酸、D-グルコース1-リ
ン酸、γ-L- グルタミル- システイニルグリシン (還
元型グルタチオン)、グルタミン、グルタミン酸、グル
タル酸、o-クレゾール、p-クレゾール、m-クレゾール、
クロトン酸、p-クロルアニリン、m-クロルアニリン、o-
クロルアニリン、2-クロルエタノール、m-クロルフェノ
ール、o-クロルフェノール、p-クロルフェノール、p-ク
ロロ安息香酸、m-クロロ安息香酸、o-クロロ安息香酸、
p-クロロアニリン、m-クロロアニリン、o-クロロアニリ
ン、p-クロロフェノール、m-クロロフェノール、o-クロ
ロフェノ一ル、3-クロロプロピオン酸、2-クロロプロピ
オン酸、クロロ酢酸、ケイ皮酸(cis-)、ケイ皮酸(tr
ans-)、コハク酸、酢酸、酢酸エチル、サリチルアルデ
ヒド、サリチル酸(o-ヒドロキシ安息香酸)、サルコシ
ン、ジ -n-ブチルエーテル、ジ -n-プロピルエーテル、
m-シアノ安息香酸、p-シアノ安息香酸、o-シアノフェノ
一ル、シアノ酢酸、ジイソプロピルエーテル、ジエタノ
一ルアミン、ジエチルアミン、ジエチルエーテル、5,5-
ジエチルバルビツル酸(バルビタール)、ジエチレント
リアミン、ジオキサン、シクロヘキサノン、シクロヘキ
サンカルボン酸、シクロヘキシルアミン、シクロヘキセ
ン、シクロヘプタノン、シクロペンタノン、ジクロル酢
酸、ジクロロ酢酸、シスチン、システイン、シチジン、
シトシン、シトルリン、3,4-ジヒドロキシフェニルアラ
ニン(DOPA)、ジベンゾイルメタン、N,N-ジメチルアセ
トアミド、ジメチルアミン、1,3-ジメチルイミダゾリジ
ノン、ジメチルエーテル、N,N-ジメチルエチレンジアミ
ン、N,N-ジメチルグリシン、β,β- ジメチルシステイ
ン(ぺニシラミン)、ジメチルスルホキシド、2,6-ジメ
チルピリジン、N,N-ジメチルホルムアミド、2,3-ジメル
カプトプロパノ一ル(BAL )、(R,R )- 酒石酸、d-酒
石酸、シュウ酸、セリン、第三ブタノ一ル、タウリン、
チオフェノ一ル、チロシン、1,4,7,11- テトラアザシク
ロテトラデカン、1,5,9,13- テトラアザシクロヘキサデ
カン、テトラヒドロフラン、テトラメチルエチレンジア
ミン、テノイルトリフルオロアセチルアセトン、トリエ
タノールアミン、トリエチルアミン、卜リエチレンテト
ラミン、トリクロルエタノール、トリクロロ酢酸、卜リ
ス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、トリプトファ
ン、卜リフルオロアセチルアセトン、トリフロロ酢酸、
卜リメチルアミン、トリメチル酢酸、p-トルイジン、m-
トルイジン、o-トルイジン、トレオニン、2-ナフチルア
ミン、1-ナフチルアミン、2-ナフトエ酸、1-ナフトエ
酸、2-ナフトール、1-ナフトール、ニコチンアミド、ニ
コチン酸、m-ニトロ安息香酸、p-ニトロ安息香酸、o-ニ
トロ安息香酸、m-ニトロアニリン、p-ニトロアニリン、
o-ニトロアニリン、ニトロエタン、1-ニトロソ -2-ナフ
トール、m-ニトロフェノ一ル、o-ニトロフェノ一ル、p-
ニトロフェノ一ル、ニトロベンゼン、ニトロメタン、ニ
トロ酢酸、乳酸、尿酸、ノルロイシン、バリン、バルビ
ツル酸、ピクリン酸、ピコリン酸、L-ヒスチジルグリシ
ン、ヒスチジン、m-ヒドロキシ安息香酸、p-ヒドロキシ
安息香酸、4-ヒドロキシプロリン、ビニル酢酸、4,4'-
ビピリジン、ピペラジン、ピペリジン、ヒポキサンチ
ン、ピメリン酸、ピラジン、ピラゾール、2,2'- ビピリ
ジン、ピリジン、2,6-ピリジンジカルボン酸、ピリドキ
サール、ピリドキシン、ピルビン酸、ピロール、ピロガ
ロール、ピロリジン、1,10- フェナントロリン、フェニ
ルアラニン、L-フェニルアラニングリシン、フェニル酢
酸、o-フェニレンジアミン、フェノール、p-フェノール
スルホン酸、フェノキシ酢酸、n-ブタノ一ル、ブチルア
ミン、n-ブチルフェニルエーテル、n-ブチルメルカプタ
ン、フマル酸、プリン、p-フルオロ安息香酸、m-フルオ
ロ安息香酸、o-フルオロ安息香酸、p-フルオロフェノー
ル、m-フルオロフェノ一ル、o-フルオロフェノ一ル、フ
ルオロ酢酸、1,3-プロパンジアミン、1,2-プロパンジア
ミン、プロピオンニトリル、プロピオン酸、プロピルア
ミン、p-ブロモ安息香酸、m-ブロモ安息香酸、o-ブロモ
安息香酸、o-ブロモフェノ一ル、ブロモ酢酸、L-ブロリ
ルグリシン、プロリン、ヘキサフルオロアセチルアセト
ン、1,6-ヘキサンジアミン、ヘキサン酸、ヘキシルアミ
ン、ヘプタン酸、ペンジルアミン、ベンズアルデヒド、
o-べンゼンジカルボン酸(フタル酸)、m-ベンゼンジカ
ルポン酸(イソフタル酸)、p-べンゼンジカルボン酸
(テレフタル酸)、ベンゾイミダゾール、ベンゾイルア
セトン、ベンゾニトリル、ホルムアミド、マレイン酸、
マロン酸、マロン酸ジエチル、マンデル酸、メタノー
ル、メチオニン、p-メチルアセトフェノン、メチルアミ
ン、メチルエチルケトン、4-メチルピリジン、2-メチル
ピリジン、3-メチルピリジン、N-メチル-2- ピロリド
ン、メチルフェニルエーテル、2-メルカプトエタノー
ル、メルカプト酢酸、モルホリン、p-ヨード安息香酸、
m-ヨード安息香酸、o-ヨード安息香酸、ヨード酢酸、酪
酸、リシン、リボフランビン、硫化メチル、リンゴ酸、
レソルシノール、レブリン酸、L-ロイシル -L-チロシ
ン、ロイシン、2-フランカルボン酸、安息香酸、安息香
酸エチル、安息香酸メチル等を使用することができる。
【0022】さらに、エチレングリコール、ポリエチレ
ングリロール、l,6−ヘキサンジオール、1,4一ブ
タンジオール等の多価アルコール類、エチレングリコー
ルモノメチルエ一テル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセ
テート、エチルアセト酢酸エチル、3−メトキシプロピ
オン酸メチル、3一エトキシプロピオン酸エチル等のオ
キシエーテル類、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラ
クトン、ε一カプロラクトン、δ−バレロラクトン、γ
一カプロラクトン、ボリカプロラクトン等のラクトン
類、β−プロピオラクタム、γ−ブチロラクタム、ε一
カプロラクタム、γ一カプロラクタム等のラクタム類、
ビスフェノール−A、ビスフェノ一ル−F、ビスフェノ
一ル−AC等のフェノールおよびビスフェノール類、テ
トラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の有機
アルカリ水溶液、ベンジルジメチルアミン、α−メチル
ベンジルジメチルアミン、ジシアンジアミド、ジメチル
アミノメチルフェノ一ル、トリジメチルアミノメチルフ
ェノ一ル、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7
−ウンデセン、およびそのアンモニウム塩類等のジアザ
ビシクロ化合物、2−メチルイミダゾール、2−エチル
−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾー
ル、2一ヘプタデシルイミダゾ−ル、2−フェニルイミ
ダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1
−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−エチルイミ
ダゾール、2−イソプロピルイミダゾ−ル、1−(2−
シアノエチル)−2−メチルイミダゾ−ル、1−(2−
シアノエチル)−2−エチル−4一メチルイミダゾー
ル、1−(2−シアノエチル)−2−ウンデシルイミダ
ゾ−ル、1−(2−シアノエチル)−2−イソプロピル
イミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2一フェニ
ルイミダゾール等のイミダゾール類を挙げることがで
き、これら溶剤の単独あるいは複数を混合して用いるこ
とができる。特に、アミン化合物は、pka値が大き
く、高塩基性であることから好ましく、第1アミンおよ
び第2アミンは回収樹脂をアミン系モノマーとして用い
る場合に好ましく、また、第3アミンは、樹脂を触媒的
に分解または溶解させるため、回収した樹脂に取り込ま
れる量が少ないことから、アミンを含まない回収物とし
てポリマー、オリゴマーまたはモノマーを得たい場合に
好適である。また、溶剤を複数混合する場合には、例え
ば、アミン類のような樹脂の分解を促進する溶剤と、水
素化分解、加水分解、あるいはアルコール分解等に必要
な水素、水またはアルコ−ル等を与える供給源となる溶
剤を組み合わせて用いることが好ましい。また、溶剤に
対する樹脂のぬれ性を高めることにより樹脂の溶解を効
果的に促進するため、浸透性、界面活性効果のある溶
剤、添加剤を同時に用いることも有効である。これら
は、例えば、オキシエーテル類、多価アルコ−ル類、有
機塩素系あるいは有機フッ素系ハロゲン含有溶剤等の溶
剤や、カチオン性、アニオン性、非イオン性および両性
の界面活性剤類等を挙げることができる。
【0023】このような溶剤による溶解においては、予
め廃回路基板のような樹脂を含む物体を、20cmから 0.5
μm の大きさに粉砕しておくことが好ましい。また、溶
解工程では槽内の液を加熱下に撹拌することが好まし
い。撹拌方法としては、羽根状の撹拌機を用いて撹拌す
る方法、槽内の液と同じ液を高圧で噴射して流動させ撹
拌する方法、槽内の樹脂廃棄物の破砕物同士をぶつけ合
わせて液を撹拌する方法、超音波を加えて撹拌する方法
などがあり、これらのいくつかを組み合わせることによ
り、より効果的に撹拌を行なうことができる。
【0024】また、混合廃棄物より回収された回収物
が、モノマー、オリゴマーまたはポリマーの混合物であ
る場合でも、混合物のままとして、あるいは分離精製し
て不要物を除去して再利用することができる。さらに、
溶剤への溶解度、吸着剤あるいは膜への吸着度、分配度
等の差異により、抽出、洗浄、蒸留、凝集、結晶化およ
びクロマトグラフィ等の操作により、成分ごとに分離、
精製して用いることができる。
【0025】また、このような溶剤による溶解を、それ
ぞれの溶剤の超臨界状態下で行うこともできる。臨界温
度および臨界圧力を超えた超臨界状態においては、これ
らの溶剤は液体なみの高い分子密度と、気体に匹敵する
大きな分子運動エネルギーをもっており、液体中の場合
と比ベて反応速度が大幅に増加するという利点を有して
いる。
【0026】処理済みの溶剤液には、基板等の混合廃棄
物を構成する樹脂が、モノマー、オリゴマー、ポリマー
として溶解あるいは沈殿物として含まれているので、こ
れらを分離回収することにより、有価物として再利用す
ることが可能となる。
【0027】特に、溶解された樹脂由来の成分には、架
橋剤(硬化剤)を添加して硬化させることができ、こう
して樹脂成形体としての再利用が可能である。架橋剤と
しては、ポリアミンや酸無水物、イソシアナート、過酸
化物、多官能性ビニル化合物、金属酸化物など、一般の
架橋剤のいずれをも用いることができる。例えば、ヘキ
サメチレンテトラミン、硫黄、過酸化ベンゾイル、メチ
ルエチルケトンペルオキシド、スチレン、ポリスルフィ
ド、ジエチルトリアミン、トリエチレンテトラミン、ジ
メチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノメチルフ
ェノール、トリ(ジメチルアミノメチル)フェノール、
ピリジン、アミノプロピルアミン、ベンジルジメチルア
ミン、ピペリジン、m-フェニレンジアミン、ジシアンジ
アミド、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無
水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルナジック酸、無水
ピロメリット酸、無水トリメック酸、無水クロレンディ
ック酸などがある。さらに、無水メチルテトラヒドロフ
タル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、エポキシ樹
脂、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、メラミン樹脂またはフ
ェノ−ル樹脂等を、硬化剤あるいは硬化触媒として混合
して硬化させることもできる。
【0028】また、こうして溶剤液から樹脂溶解成分お
よび/または沈殿成分を分離回収し除去することによ
り、溶剤としての機能が回復されるので、再使用が可能
となる。例えば、樹脂を含む物体を製造する製造装置に
は、樹脂の付着により製造を妨げる場合があるので、上
記再使用が可能となった溶剤を用いて該樹脂を溶解さ
せ、該製造装置に付着した樹脂を除去することができ
る。
【0029】さらに本発明においては、溶剤処理を行な
う前処理として、廃回路基板等の樹脂を含む物体からハ
ンダ、実装半導体部品、銅箔、ソルダーレジストなどを
分離し除去することにより、溶剤処理の効率化を図り、
また有害物質あるいは有価物の溶剤への混入拡散を防止
することが可能である。実装部品を除去する方法として
は、気相中あるいは液相中でハンダの融点以上の温度に
加熱し、この状態で振動、超音波、風力、真空吸引、毛
細管吸着等を加える方法、ハンダ接合部に融着させた治
具により引き剥がす方法、ハンダ固化状態での削り落と
し、切り落とし等の方法が挙げられ、これらを単独であ
るいは複数組合わせて行なう。ハンダ固化状態での処理
としては、ドライアイスあるいは液体窒素により低温に
冷却し金属としての脆性を高めた状態で、ハンダの削り
落とし、切り落とし等を行なうことも有効である。
【0030】また、ハンダを電気化学的に溶解し除去す
る方法もある。すなわち、回路基板等の樹脂を含む物体
に付着したハンダを、銅イオンを含有する電解液中で鉛
およびスズイオンとして溶解するとともに、基板に接続
された電極上に銅を析出回収する方法を採ることができ
る。このとき基板との電気的接続を確実に行なうため
に、ブラシ型電極あるいはシート型電極を用い、これを
物体の金属部に接触させることが望ましい。また、こう
して溶解し除去されたハンダを回収するには、ハンダ
(鉛およびスズイオン)を含有する電解液中で電気分解
を行ない、基板等の物体上の銅を溶解しハンダを析出回
収する方法を採ることができる。
【0031】さらに、ハンダおよび実装部品の除去のた
めに、気相あるいは液相の流体中でハンダの融点以上の
温度に加熱する方法では、金属(銅箔)表面に対するハ
ンダの濡れ性を悪くし接着力を低下させる働きを有する
成分を、流体に添加することにより、ハンダをより容易
に剥離除去することができるようになる。
【0032】ここで流体としては、ハンダとの間に相互
作用を生じることがなく、しかもハンダの融点以上の沸
点を有する液状物質が挙げられ、例えばグリセリン、エ
チレングリコール、n-オクタン等の高沸点の有機溶剤や
シリコーンオイル等が使用される。
【0033】金属(銅箔)表面でのハンダの濡れ性を低
下させる添加剤としては、アルキルスズ化合物(例:S
n(CH3 n )、アリ一ルスズ化合物(例:Sn(C
6 5 n )、アルケニルスズ化合物(例:Sn(CH
CH2 n )、シクロペンタジエニルスズ化合物(例:
Sn(C5 5 n )、アルキニルスズ化合物(例:S
n(CCH)n )等の有機金属化合物、側鎖に金属原子
が結合している高分子化合物(例:(一CH2 CH(C
6 4 SnH)一)n )、主鎖に金属原子が含まれてい
る高分子化合物(例:(−SnH(C2 5 )−O−)
n )等の有機金属高分子化合物、金属カルボニル化合物
(例:Sn(CO)n )、金属シアニド(例:Sn(C
N)n )、金属カーバイド(例:CaC、TiC、B4
C)、無機塩(例:硫酸アルミニウム、硫酸鉄、塩化
鉄)、金属石鹸、陰イオン性のアルキル硫酸ナトリウ
ム、陽イオン性のアルキルトリメチルアンモニウムクロ
ライド、両イオン性のアルキルジメチルアンモニウムベ
タイン、非イオン性のポリオキシエチレンアルキルエー
テル等の表面活性剤などを使用することができる。これ
らの添加剤は、 5〜 0.1wt%の濃度になるように、前記
液状物質に添加することが望ましい。
【0034】さらに、ハンダ溶融の加熱媒体である流体
として、空気、窒素等の不活性気体を用いた場合は、こ
れらの気体にO3 、H2 2 、過塩素酸等の酸化性ガス
を添加して、ハンダとハンダが付着している金属(銅
箔)との界面を薄く酸化させることにより、ハンダの濡
れ性を低下させることもできる。
【0035】さらに、溶剤処理を行なう前処理工程とし
ては、粉体の高速吹き付け、ブラシ、ブレード、サンダ
ー等の手段で基板表面を削り取ることにより、基板表面
を覆う部材を分離除去し、溶剤処理の効率化を図り、ま
た有害物質あるいは有価物の溶剤への混入拡散を防止す
ることが可能である。ここで、高速で吹き付ける粉体と
しては、アルミナ、シリカ等の無機粉末、樹脂粉末ある
いは金属粉末等が用いられる。このような前処理は、銅
箔上に付着して薄いハンダ層を除去するためにも有効で
あり、基板表面の削り取りにより、有害物質であるハン
ダ中の鉛を溶剤処理工程の前に除去することができるの
で、溶剤中への鉛の拡散を防ぐことができる。
【0036】粉体の高速吹き付けは、ハンダが固化した
状態で行なうことができるが、加熱しハンダを溶融させ
た状態で行なうことも可能である。ハンダが固化した状
態で削り取りを行なう場合、室温での処理も可能である
が、ドライアイスまたは液体窒素により低温に冷却して
行なう方がより有効である。一方、ハンダ溶融状態で粉
体吹き付けを行なった場合には、粉体による毛細管作用
と剥離作用とが同時に働き、ハンダの除去が効率的に行
われる。
【0037】またさらに本発明においては、溶剤処理済
みの回路基板等の物体からハンダ、実装半導体部品、銅
箔、樹脂、ガラス繊維等を分離して回収することが容易
であり、このような後処理により、有害物質の拡散を防
止するとともに、有価物を分離回収・再利用することが
可能である。後処理に用いることが可能な手段は、回収
対象物の形態、物性によって任意に選択することが可能
である。例えば、振い分け、風力選別、水力選別、比重
選別、磁気選別、磁性流体選別、静電選別、渦電流選
別、浮遊選別、光電選別、摩擦利用選別等の手段があ
り、これらを破砕、粉砕、脱水、乾燥、加熱等の適当な
処理を伴って用いることができる。さらに、溶剤処理後
のハンダ(鉛)を含む残渣については、真空で加熱する
ことにより、蒸気圧の高い鉛のみを低温で蒸発させて分
離回収することができ、有害物質を高い効率で分離回収
することが可能である。また、樹脂を含む物体を構成す
る物質を効率的に分離回収することができるので、該分
離回収された物質を分析することにより、物体の構成成
分を明らかにすることも可能である。このとき、分離回
収された物質の分析は、必要に応じて、例えば、ガスク
ロマトや質量分析等の分析方法を用いて実施することが
できる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0039】図1は、第1の発明の混合廃棄物の処理装
置の一実施例を概略的に示す図である。
【0040】実施例の処理装置は、混合廃棄物を熱媒体
1であるシリコーンオイル中に封入する封入機2と、こ
の封入機2から供給される混合廃棄物を、熱媒体1に浸
漬した状態で加熱する加熱反応槽3と、この加熱反応槽
3に熱媒体1を供給しながら槽3内に循環流を形成する
熱媒体供給循環機4と、この熱媒体1の上層に浮遊して
いる樹脂の溶融成分を引き抜き口5を通して引き抜く引
き抜き機6と、加熱溶融槽3の下部から固形物を排出さ
せる固形物排出弁7と、同じく加熱溶融槽3の下部から
溶融液化した金属を排出させる溶融金属排出弁8とを備
えている。
【0041】この処理装置による混合廃棄物の処理は、
以下に示すように行なわれる。
【0042】すなわち、まず冷蔵庫等の断熱材に使用さ
れている発泡ウレタン樹脂や被覆電線、ハンダが付着し
た回路基板等を含む混合廃棄物は、10cm角程度に粗破砕
され、常温の熱媒体1が貯溜された封入機2内に投入さ
れる。封入機2には、ピストン式の圧入機9および可動
式のスリット10がそれぞれ設けられており、圧入機9
による押し入れとスリット10の開閉により、混合廃棄
物を加熱反応槽3内に送り込むことができるようになっ
ている。
【0043】一方、加熱反応槽3内には、熱媒体1であ
るシリコーンオイルが予め所定の位置まで収容されてお
り、槽の外壁を取り囲んで配置されたヒーター11によ
り、熱媒体1は 300℃以下の所定の温度に均一に加熱さ
れている。この熱媒体1中に封入機2から混合廃棄物を
供給し、所定の温度を保つように制御すると、発泡ウレ
タン樹脂が軟化あるいは流動化し始め、この発泡樹脂に
含有された発泡剤等のガスが放出される。そして、軟化
あるいは流動化したウレタン樹脂成分12は、熱媒体1
であるシリコーンオイルの上層部に滞留する。
【0044】また、ハンダなどの融点の低い金属は溶融
し、かつこの溶融金属13は、熱媒体1よりも比重が大
きいため、加熱反応槽3の下部に沈降し堆積する。沈降
堆積した溶融金属13は、溶融金属排出弁8から排出さ
れる。発泡ウレタン樹脂が軟化あるいは流動化した状態
を保つ温度にコントロールしながら加熱し、加熱反応槽
3内に滞留させるが、このとき熱媒体1による加熱の効
果を高めるために、熱媒体供給循環機4を用いて熱媒体
1に強制的に緩やかな循環流を発生させる。
【0045】また、電線のような、比重の大きい樹脂−
金属(金属線または金属片)複合体は、加熱反応槽3内
で固形物14の状態を維持したまま、槽内下部に設けら
れた傾斜スクリーン15上を緩やかに下り、固形物排出
弁7から排出される。なおこのとき、熱媒体供給循環機
4により熱媒体1の循環流を加熱反応槽3の下部から送
り込むことで、スクリーン15への固形物14の固着を
防止することができる。こうして排出された固形物14
は、急速に冷却すると、樹脂被覆の表面が劣化して剥離
しやすくなるので、急冷した後劣化した樹脂被覆を剥
し、樹脂部分と金属部分とに分けて回収することができ
る。また、比重分離槽16で比重により分別回収するこ
とも可能である。
【0046】さらに回収された樹脂固形物は、例えば 5
mm以下に粉砕し、他の廃棄物ルートから回収された樹脂
や繊維質のダスト等と混合して炉内で燃焼させることが
できる。そして、この燃焼炉のエネルギー(燃焼熱)を
利用して熱媒体1を温めることで、エネルギーのより有
効な利用を図ることができる。
【0047】発泡樹脂から放出された発泡剤等のガス
は、加熱反応槽3上部のガス排出口からガス吸着槽17
に導かれ、ここで無害化処理される。ガスの主成分は、
発泡ウレタン樹脂から排出されたフロンと、電線の被覆
材である塩化ビニル樹脂から発生する塩化水素等であ
り、水洗で塩化水素を除去した後、フロン分解工程でフ
ロンが分解処理される。フロンの分解方法としては、触
媒分解法、燃焼法、プラズマ分解法、超臨界分解法など
種々の方法がある。
【0048】十分にガスの放出発生が行なわれた後、加
熱反応槽3内にさらに熱媒体1を供給し液面を上昇させ
ることにより、軟化あるいは流動化した樹脂12が、熱
媒体1上層部の中心にある引き抜き口5から引き抜かれ
る。こうして樹脂回収槽18に回収された樹脂には、熱
媒体1分解物の混入が極めて少ないため、成形用の樹脂
原料等として再利用することが可能である。
【0049】次に、本発明の混合廃棄物の処理装置およ
び処理方法の別の実施例について説明する。
【0050】図2に示す処理装置においては、加熱反応
槽3内に比重の異なる2種類の熱媒体1例えばシリコー
ンオイルが、上下2層をなすように収容されており、封
入機2には比重の小さい方の熱媒体1aが貯溜されてい
る。すなわち、加熱反応槽3内に、まず比重の大きい方
の熱媒体1bが下から40%の高さまで入れられ、その上
に比重がより小さい熱媒体1aが下から70%の高さまで
収容されており、加熱反応槽3の外壁に取り付けられた
ヒーター11により、比重の大きい熱媒体1bは 200℃
の温度に、比重の小さい熱媒体1aは 250℃の温度にそ
れぞれ加熱されている。
【0051】この処理装置による混合廃棄物の処理は、
以下に示すように行なわれる。
【0052】まず発泡ウレタン樹脂や被覆電線、ハンダ
が付着した回路基板等を含む混合廃棄物は、粗破砕され
た後、常温の熱媒体1aが貯溜された封入機2を経て、
加熱反応槽3内の小比重の熱媒体1a中に送り込まれ
る。そして、 250℃の温度に加熱制御されたこの熱媒体
1a中で、発泡ウレタン性樹脂が軟化あるいは流動化し
始め、発泡樹脂に含有された発泡剤等のガスが放出され
る。そして、軟化あるいは流動化したウレタン樹脂成分
12は、小比重の熱媒体1a上層部に滞留する。一方、
混合廃棄物に含まれるハンダなどの低融点金属は加熱溶
融し、かつ 200℃に加熱保持された大比重の熱媒体1b
よりもさらに比重が大きいため、加熱反応槽3の下部に
沈降し堆積する。この溶融金属13は、溶融金属排出弁
8から排出される。また、電線のような樹脂被覆金属線
や金属片などの固形物14と、金属を含まない熱可塑性
樹脂とでは、比重が異なるため、2種類の熱媒体1の比
重を適宜調整することで、樹脂と金属との分離能を高め
ることができる。すなわち、加熱反応槽3内の下部に貯
溜された比重の大きい熱媒体1bよりも比重が僅かに小
さい熱可塑性樹脂の溶融物19は、大比重の熱媒体1b
と上層のより小比重の熱媒体1aとの界面まで浮上する
ため、その界面の高さに設けられた側部引き抜き口20
から槽外へ引き抜き、分離回収することができる。ま
た、電線等の樹脂被覆金属線や金属片のような溶融しな
い固形物14は、槽内下部に設けられたスクリーン15
上を緩やかに下り、固形物排出弁7から排出される。
【0053】さらに、本発明の処理装置の別の実施例に
ついて説明する。
【0054】図3に示す処理装置では、加熱反応槽3の
内部に円筒管型のヒーター21が設けられ、また加熱反
応槽3内に収容された熱媒体1を均一に加熱し、混合廃
棄物に対する加熱効果を高めるために、撹拌機22が配
設され、撹拌羽根がヒーター21の外周面に沿って回転
するようになっている。さらに、熱媒体1の循環ルート
の一部が封入機2の外周に配置され、封入機2から加熱
反応槽3内に供給される混合廃棄物が、この循環予熱部
23により予熱されるようになっている。
【0055】また、図4に示す処理装置では、加熱反応
槽3の内部に円筒管型のヒーター21が設けられるとと
もに、封入機2の加熱反応槽3への接続口に回転式の破
砕機24が配置され、封入機2から送り出された混合廃
棄物が、この破砕機24により 3cm角程度に破砕されて
から加熱反応槽3内に供給されるようになっている。さ
らに、図5に示す処理装置では、加熱反応槽3が傾斜管
形状を呈しており、かつこの傾斜管型の反応槽3内に撹
拌機22が配設されている。
【0056】これらの図3乃至図5に示す処理装置によ
っても、前記した実施例と同様に、ハンダなどの付着金
属、樹脂被覆電線、発泡ウレタン樹脂等を含む混合廃棄
物を、加熱反応槽3内で液状の熱媒体1中に浸漬し、制
御された温度に加熱することにより、発泡樹脂等を液化
あるいは流動化するとともに発泡樹脂内に含まれている
発泡剤等のガスを放出させて回収し、また電線被覆材な
どの樹脂を劣化させて剥離除去し、さらにハンダなどの
低融点金属を熱媒体1中に溶解させることなく回収する
ことができる。また、こうして分離回収された樹脂や金
属は、再び使用することができ、さらに分離回収された
樹脂を燃焼させて熱媒体を温めることで、熱エネルギー
の点で資源の有効活用を図ることができる。
【0057】次に、第2の発明の実施の形態について説
明する。
【0058】図6は、本第2の発明により、樹脂混合廃
棄物、例えば、廃回路基板を溶剤処理する方法のフロー
を示す。
【0059】この方法は、図に示すように、前処理工程
と、前処理された樹脂混合廃棄物を溶剤に浸漬し、基板
を構成する樹脂を膨潤軟化あるいは溶解させる溶剤処理
工程と、溶剤処理後の樹脂混合廃棄物から有価物を回収
する分離回収工程と、さらに有価物の回収を行なう後処
理工程と、処理後の溶剤の成分等を分析する分析工程
と、この分析結果に応じて処理後の溶剤を再生する溶剤
再生工程とから成る。
【0060】樹脂混合廃棄物は、前処理工程で分離可能
な部品、部材が分離回収された後、溶剤処理工程におい
て、溶剤によって樹脂が膨潤軟化あるいは溶解される。
前処理を行なうことにより、溶剤処理を阻害する層や部
材が予め除去回収されるので、溶剤処理が容易であるう
えに、溶剤処理の際の不純物の混入を防止することがで
きる。溶剤処理工程を経た樹脂混合廃棄物は、バインダ
である樹脂が膨潤軟化あるいは溶解されて、部材ごとの
分解・分離が極めて容易な状態となっており、分離回収
工程において容易に有価物が分離回収され、さらに後処
理工程を経ることにより、有価物がより完全に分離回収
される。また分離回収工程においては、使用後の溶剤か
らも有価物が分離回収される。
【0061】分離回収工程から得られる回収品は、溶剤
による処理を経て分離回収されたものであるため、高効
率の分離あるいは選択的な分解がなされており、特に付
加価値の高い有価物である。回収される部材のうちで、
例えば基板に用いられている樹脂由来の回収成分として
は、溶融再成形が可能な樹脂、オリゴマー、モノマーが
挙げられ、そのまままたは適当な硬化剤等の成分を添加
するかあるいは他樹脂に混合し、溶融再成形して樹脂硬
化物として用いられる。また、分解生成物から有用成分
のみを抽出・精製し、キレート剤、沈殿剤、凝集剤、界
面活性剤等の有用試薬として再利用することも可能であ
る。さらに、基板に用いられているガラス繊維等の無機
成分は、焙焼等の処理を経ることなく、溶剤処理により
温和な条件で樹脂等の付着物が分離除去されているの
で、劣化が少ない。さらに、カーボン、タール等の付着
がないので、高付加価値の有価物として、例えば樹脂に
対する無機充填材として、複合材料中であるいは溶融再
成形して単独で再利用することができる。
【0062】こうして有価物が分離回収された後の溶剤
は、分析工程において、溶剤としての劣化状態が適宜把
握され、溶剤としての機能を保持しているか否かが調べ
られる。そしてこの分析結果に応じて、溶剤再生工程に
おいて、減少成分の補充や不要不純物の除去等が行なわ
れて、使用可能な機能を有する溶剤として再生され、溶
剤処理工程に送られて再使用される。
【0063】また、このようなフローにより溶剤処理を
行なうための装置の例の概略を、図7に示す。
【0064】この処理装置においては、溶剤処理を加速
する手段として加熱装置25および超音波発生装置26
をそれぞれ備えた溶剤処理槽27に、溶剤蒸留回収槽2
8が接続されている。これらの2つの槽と凝縮器29お
よび溶剤タンク30は、それぞれ配管により連結されて
循環路を形成しており、溶剤蒸留回収槽28での蒸留に
より溶剤のみが気化し、この溶剤蒸気が、凝縮器29で
再び凝縮されて溶剤タンク30に一時的に貯溜され、再
びポンプ31によって溶剤処理槽27に供給されて再使
用されるようになっている。
【0065】溶剤処理槽27に投入された樹脂混合廃棄
物32は、溶剤に不溶な成分のみを溶剤処理槽27内に
残し、溶出成分は、溶剤とともに溶剤蒸留回収槽28に
移動する。そして、溶剤による抽出溶解と溶剤の蒸留を
繰り返すことにより、溶出した成分が濃縮され、溶解成
分回収槽33に回収される。
【0066】溶剤蒸気の凝縮器29と溶剤タンク30と
の間には、溶剤中の成分を分析する装置34が配設され
ている。分析装置34としては、溶剤として機能の劣化
状態を検知することができる装置であれば、特に種類は
限定されない。例えば、ガスクロマトグラフィ、液体ク
ロマトグラフィ、ゲルパーミエイションクロマトグラフ
ィ、イオンクロマトグラフイ等のクロマトグラフィ分析
装置、赤外分光、可視・紫外分光、ラマン、原子吸光、
重量等のスペクトル分析装置、光散乱測定、電導度測
定、pH測定等の装置が挙げられ、これらの装置を単独
でまたは複数組合わせて用いることができる。これらの
分析装置34を、溶剤処理装置に隣接して設置し、サン
プリングしたものをその都度分析することもできる。
【0067】さらに、これらの分析装置34と溶剤タン
ク30との間には、濾過処理装置35が流路切替装置3
6を介して接続され、さらに添加剤タンク37が配設さ
れており、分析結果に応じて溶剤に必要な機能を再生付
与するようになっている。なお、溶剤再生装置として
は、濾過処理装置35の他に、吸着処理装置、イオン交
換樹脂塔のような不純物の除去および劣化・減少成分の
添加等を行なう装置が使用され、溶剤処理装置に隣接し
てあるいは処理装置中に組込まれて設置される。さら
に、図6にフロー図で示す実施例においては、例えば、
廃回路基板を処理する場合、前処理工程で、溶剤処理の
効率化、および有害物質または有価物の溶剤中への混入
拡散を防止する目的で、ハンダ、実装半導体部品、銅
箔、ソルダーレジスト等が分離除去される。図8は、加
熱によるハンダ溶融と掻き取り用スクレイパーブレード
を用いた実装半導体部品の除去装置を示す。図におい
て、符号38は供給ホッパー、39は廃回路基板、40
は実装半導体部品、41は搬送ローラー、42はヒータ
ー、43はスクレイパーブレード、44は基板回収箱、
45は実装部品回収箱をそれぞれ示している。 また、
図9は粉体吹き付けによるハンダの除去装置を示し、図
において、符号46はハンダ付着廃回路基板、47はサ
ンドブラスト処理槽、48は保持治具、49はアルミ
ナ、シリカ等の無機粉末、50は粉体噴射口、51は噴
射ポンプをそれぞれ示している。
【0068】さらに、後処理工程では、溶剤で処理され
樹脂の膨潤軟化または溶解により、分解あるいは分離が
容易な状態となった基板から、ハンダ、実装半導体部
品、銅箔、樹脂、ガラス繊維等の構成部材が分離回収さ
れる。衝撃剪断型破砕とサイクロンによる風力選別によ
り、銅とガラス成分とを分離する装置を、図10に示
す。図において、符号52はフィーダー、53はハンマ
ー、54は噴射ポンプ、55はサイクロン、56は軽量
回収成分(ガラス成分)、57は重量回収成分(銅)を
それぞれ示している。
【0069】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例について説明す
る。なお、以下に示す実施例は、本発明を具体化した例
を示したものであり、本発明は実施例に限定されるもの
ではない。
【0070】実施例1 冷蔵庫等の断熱材に使用されている発泡ウレタン樹脂と
被覆電線の屑、およびハンダが付着した板材(回路基
板)等を含む混合廃棄物を、10cm角程度に粗破砕して封
入機に投入し、図1に示す処理装置を用いて加熱処理を
行なった結果、一回のスリット10の移動による封入量
約50kg当たり、軟化あるいは流動化した樹脂13kgが、加
熱反応槽3の上部の引き抜き口18から引き抜き回収さ
れた。また、加熱反応槽3下部の固形物排出弁7から排
出された樹脂被覆固形物を急速に冷却すると、樹脂被覆
の表面が劣化して剥離しやすくなり、熱媒体1による加
熱処理を施さない場合と比較して、樹脂被覆の剥離除去
および金属線の分離回収が容易となることがわかった。
これらの固形物からは約34kgの金属が分離回収された
が、分離された金属は鉄、銅、アルミニウム等を多く含
んでおり、比重分離等の手段を用いて分別回収すること
が可能であった。さらに、溶融金属排出弁8からは、約
2kgの溶融状態のハンダが回収された。
【0071】実施例2 実施例1と同じ混合廃棄物を、図2に示す処理装置を用
いて加熱処理を行なった。その結果、一回のスリット1
0の移動による封入量約50kg当たり、軟化あるいは流動
化した樹脂13kgが、加熱反応槽3上部の引き抜き口18
から引き抜き回収された。また、比重の異なる2種類の
熱媒体1a、1bの界面の高さに設けられた側部引き抜
き口20からは、金属を含有しない熱可塑性樹脂(溶融
物)約 4kgが取り出された。さらに、加熱反応槽3下部
の固形物排出弁7から排出された固形物からは、約30kg
の金属が分離回収され、溶融金属排出弁8からは約 2kg
の溶融状態のハンダが回収された。
【0072】実施例3〜5 実施例1と同じ混合廃棄物を、図3乃至5に示す処理装
置を用いてそれぞれ加熱処理を行なった。その結果、一
回のスリット10の移動による封入量約50kg当たり、軟
化あるいは流動化した樹脂13kgが、加熱反応槽3上部の
引き抜き口18から引き抜き回収された。また、加熱反
応槽3下部の固形物排出弁7から取り出された固形物か
ら、約34kgの金属が分離回収された。分離された金属は
鉄、銅、アルミニウム等を多く含んでおり、比重分離等
の手段を用いて分別回収することが可能であった。さら
に、溶融金属排出弁8から、約 2kgの溶融状態のハンダ
が回収された。
【0073】(ハンダの分離除去)廃回路基板に対して
溶剤処理を行なう前処理として、回路基板上のハンダを
分離除去し、ハンダおよび金属(銅)をそれぞれ回収す
る実験を行なった。
【0074】実験例1〜16 まず、ハンダの分離および銅の回収装置の一例について
説明する。
【0075】この装置は、図11に示すように、回路基
板投入部58と、ハンダの分離除去槽59と、ハンダ除
去後の回路基板の破砕機60、および銅の回収部61と
から成り、投入部58のホッパ−62に投入された廃回
路基板63は、ベルトコンベアー64によりハンダの分
離除去槽59に運ばれ、この槽内で、共晶状態のPb−
Snハンダの融点( 183℃)以上の 190〜 350℃の温度
に設定加熱された分離液65中に浸漬される。分離液6
5は、グリセリン、エチレングリコール、n−オクタン
等の高沸点の有機溶剤に、金属(銅)に対するハンダの
濡れ性を低下させる添加剤を添加したものである。ま
た、このような分離液65中の廃回路基板63には、底
部に設置された超音波発生器66から発せられた超音波
が照射され、金属(銅)からのハンダの剥離が促進され
るようになっている。剥離したハンダはハンダダンク6
7に回収され、また分離液65の上澄み液は上澄みタン
ク68に溜めて回収される。さらに、ハンダが剥離除去
された回路基板69は、破砕器60により 200μm 程度
の粒径に微粉砕され、得られた粉末が銅回収部61に運
ばれ、まず気流遠心型比重分離装置70により、ガラス
繊維や熱硬化樹脂の粉末が分離された後、静電分離装置
71によりCuリッチ粉72と絶縁物リッチ粉73とに
分別され、Cuリッチ粉72から銅が回収されるように
なっている。
【0076】次に、このような構造の装置に、当社製の
ノート型パーソナルコンピュータから得た廃回路基板
(ハンダ鉛 4.2wt%、銅24wt%、ガラス繊維30wt%、エ
ポキシ樹脂15wt%、その他のモールド用樹脂26.8wt%)
を投入し、分離液として、グリセリンに表1に示す添加
剤を 1wt%の割合で添加した液を用い、これを 220℃に
加熱してハンダの分離および銅の回収を行なった。ハン
ダの分離除去槽59から排出される回路基板を取り出し
て鉛の含有率(濃度)を調べたところ、表1に示す結果
が得られた。
【0077】
【表1】 このように表1から、実験例1〜16の処理により、回
路基板に含まれる鉛がほぼ完全に(例えば実験例1で
は、処理後の鉛の含有濃度が 0.004%であり、除去率は
99.9%)除去されることがわかった。また実験例1にお
いて、銅の回収部で回収されるCuリッチ粉を定量して
銅の回収率を調べたところ、回路基板に含まれる銅の約
85wt%を回収することができた。
【0078】実験例17 まず、この実験例に用いる装置のハンダの分離除去槽に
ついて説明する。
【0079】この装置では、図12に示すように、ハン
ダの分離除去槽59が、振動発生器74が付設されたチ
ェーンコンベアー75と、キャリアガスである空気76
と酸化性ガスであるオゾン77との混合ガスの噴射口7
8、および余分のガスの排出口79とを備えており、2
つ開閉扉を設けたバッチ式入り口部80から搬入された
廃回路基板63が、チェーンコンベアー75に吊り下げ
られて移動してゆき、移動過程で、空気とオゾンとの混
合ガスの吹き付けおよび振動により、金属(銅)に対す
る濡れ性が低下したハンダが振り落とされ、落下したハ
ンダが、ハンダ回収槽81に回収されるようになってい
る。なお、このようなハンダの分離除去部を除いてその
他の部分は、図11に示す装置と同様に構成されてい
る。
【0080】次いで、この装置を用いて、実験例1〜1
6と同じ廃回路基板を、 230℃の温度に加熱処理した。
ハンダの分離除去槽59から排出される回路基板を取り
出して鉛の含有率(濃度)を調べたところ、200ppm(0.
02wt%)であり、鉛の除去率は99.5%であった。また、
銅の回収部で得られるCuリッチ粉を定量して銅の回収
率を調べたところ、回路基板に含まれる銅の約85wt%を
回収することができた。実験例18 回路基板上のハンダを電気化学的に分離除去し銅等を回
収する方法について説明する。
【0081】この方法では、まず前処理工程で、廃回路
基板からネジ止めコネクター類や実装された半導体部品
を分解分離した後、図13に示すように、ハンダ溶解銅
回収工程において、この廃回路基板82を、銅イオンを
含有する電解液83例えば硝酸銅水溶液中に浸漬し、ブ
ラシ型電極84を用いて電解を行ない、回路基板82に
付着したハンダを溶解するとともに、白金等の電極85
に銅イオンを析出させて回収する。次いで、中間処理工
程において、ハンダが分離除去された回路基板に対し
て、破砕、粉砕、研磨等の処理を行なう。この工程は、
例えば多層板において、銅が表面に十分に露出してしな
い場合などに有効である。
【0082】次いで、銅溶解ハンダ回収工程において、
図14に示すように、中間処理が施された回路基板82
を、ハンダ溶解液86例えば硝酸鉛および硝酸スズの水
溶液中に浸漬して電気分解を行ない、回路基板上の銅を
溶解するとともに、白金等の電極85に鉛およびスズイ
オンを析出させて回収する。なお、ハンダ溶解銅回収お
よび銅溶解ハンダ回収工程では、回路基板との良好な接
続のために、や導電性シートが使用される。最後に後処
理工程において、処理後の基板樹脂および/またはガラ
ス繊維を回収する。こうして回収された基板樹脂やガラ
ス繊維は、金属成分が高い効率で除去されており、極め
て付加価値が高い。
【0083】なお、ハンダ溶解銅回収工程において、電
気回路に発生する電力は、蓄電池に回収することがで
き、これを安定化電源を通して電圧を調整した後、銅溶
解ハンダ回収工程において、電気分解の補助電源として
利用することができる。
【0084】次に、この方法を用いて、廃回路基板の処
理を行なった。
【0085】すなわち、コネクター類や実装部品を分離
した廃回路基板に白金製ブラシ形状の電極を接触させ
て、 0.5モル/lの硝酸銅水溶液中に浸漬し、さらに同じ
電解液中に白金板電極を浸漬した。この時点での基板か
らのハンダの溶解は遅いが、白金板電極とブラシ状電極
とを電気的に接続すると、これらを正極、負極とする起
電力が生じ、白金板電極上に銅が析出し始めるとともに
ハンダの溶解が加速された。電気回路中に発生した起電
力は約0.47V であり、銅の析出はハンダが全て溶出する
まで続いた。白金板電極上に析出した銅を回収したとこ
ろ、純度99%以上の高純度銅が得られた。
【0086】次いで、銅が析出した白金板電極を新しい
白金板電極に取替え、電気回路中に安定化電源を設置し
た。安定化電源を接続し電圧を与えたところ、電気分解
により白金板電極上に鉛が析出し始めるとともに、ブラ
シ型電極に接触した廃回路基板上の銅が溶解し始めた。
さらに電気分解を継続すると、スズが白金板電極上に析
出した。白金板電極上に析出した鉛およびスズを回収し
て重量を測定したところ、廃基回路板上に付着していた
ハンダの99%以上が回収されたことがわかった。
【0087】実施例6 次に、前処理工程でハンダが分離除去された回路基板の
廃棄物に対して、図7に示す装置により、有機溶剤とし
てエチレンジアミンを用いて溶剤処理を行ない、樹脂溶
解液を得た。得られた溶解液から成分をテトラヒドロフ
ランを使用して抽出し、ゲルパーミエイションカラムに
より精製し、平均分子量 700の樹脂由来の成分を回収し
た。この回収成分を凝集剤として用い、サンプルとして
アジピン酸ナトリウムの 5wt%液を処理したところ、ア
ジピン酸ナトリウムは凝集沈殿して 0.5%以下の濃度に
することができ、凝集剤として有用であることが確認で
きた。また、溶剤処理後、樹脂溶解液から分離された基
板からは、高品質のガラス繊維等の無機成分を容易に分
離回収することができた。
【0088】実施例7〜24 表2に示す樹脂廃棄物(充填剤等の無機物を含有す
る。)を、同表に示す粒径に粉砕した後、エチレンジア
ミン(ED)、イミダゾール(I)、ピリジン(P)、
ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシ
ル(DMS)、N-メチル -2-ピロリドン(NMP)、1,
3-ジメチルイミダゾリジノン(1,3-DMI)、1,4-ジメ
チルイミダゾリジノン(1,4-DMI)、1,5-ジメチルイ
ミダゾリジノン(1,5-DMI)、1,6-ジメチルイミダゾ
リジノン(1,6-DMI)の各有機溶剤と混合し、樹脂分
を溶解した。溶解は、表2に示す温度に加熱し、回転羽
根で撹拌しながら行なった。次いで、樹脂溶解液から沈
殿法により残渣を分離除去した後、残渣が分離された樹
脂溶解液から蒸留により溶剤を分離し、樹脂由来の有機
成分を回収した。
【0089】こうして回収された有機成分に、表2に示
す架橋剤を加えて硬化させたところ、それぞれ成形体が
得られ、再利用することができた。また、樹脂溶解液か
ら分離された残渣は、表2に示す新たに成形された樹脂
に混合することができ、充填剤としての再利用が十分に
可能であった。
【0090】
【表2】 実施例25 前処理工程でハンダが除去され実装部品が取り外された
後の廃回路基板に対して、超臨界状態の水等を用いて回
路基板を構成する熱硬化性樹脂を溶解し、金属銅等を回
収した。
【0091】まず、樹脂溶解装置について説明する。
【0092】この装置は、図15に示すように、回路基
板の粉砕装置87と、基板砕成物と水とを混合したスラ
リーを昇圧して輪送する混合物輪送ポンプ88と、水を
昇圧して輪送・供給する水ポンプ89と、酸化剤を昇圧
して輪送・供給する酸化剤ポンプ90と、水と酸化剤と
の混合物を加熱昇温する熱交換器91と、この混合物と
スラリー状の被処理物とを収容して反応させるヒータ付
き反応管92および冷却器93と、背圧弁94とを備え
ている。なお、装置各部は、ステンレス鋼、チタン、ハ
ステロイ、インコネルのような、耐熱および耐圧性を有
し高い耐腐食性を有する材料により構成することが望ま
しい。
【0093】この装置において、基板投入口から供給さ
れた回路基板は、粉砕装置87により粉砕される。粉砕
装置としては、例えば粗砕機であるシュレッダーや咀砕
機や旋動破砕機、中間粉砕機であるカッターミルやロー
ル粉砕機やコーン粉砕機やハンマーミル、微粉砕機であ
るボールミルや振動ボールミルなどが挙げられる。基板
砕成物は、直ちに水と混合されてスラリー状の混合物と
なり、混合物輪送ポンプ88により昇圧、輪送される。
【0094】他方、水ポンプ89により昇圧され輪送さ
れた水に、酸化剤ポンプ90により昇圧され輪送された
空気、酸素または過酸化水素等の酸化剤が混合される。
そして、熱交換器91を経て昇温された後、混合体輪送
ポンプ88により輪送されたスラリー状の混合物と合流
し、次いでヒータ付き反応管92に入る。この反応管9
2内部の圧力は、ポンプと背圧弁94とにより制御され
るようになっている。ヒータ付き反応管92内で、水の
臨界点である374.2℃、22.1Mpa以上の温度
および圧力に加熱・加圧されることで、流体中の樹脂成
分が迅速に分解し溶解される。反応管を出た混合物は、
熱交換器91により冷却され、続いて冷却器93により
さらに冷却された後、背圧弁94を通過して減圧され、
出口で回収される。
【0095】このような装置を用いて、ハンダ溶融と表
面研磨により実装部品とハンダをそれぞれ除去した回路
基板を、該回路基板に含まれる樹脂の完全酸化に必要な
量の2倍の過酸化水素水を酸化剤として用いて溶解処理
した。粉砕装置87としては、旋動破砕機とロール粉砕
機と振動ボールミルとを組み合わせたものを用い、平均
粒径300μmまで微粉砕した。ヒータ付き反応管92
での処理温度および圧力は、入口部分において、380
℃、24Mpaとし、反応管中における滞留時間は30
分に調節した。処理後の混合物をろ過し、銅とガラス繊
維を回収した。ろ過後の溶液中の全有機炭素を測定した
ところ、濃度は15ppm以下であった。また、濾過前
の混合物中のダイオキシン類を分析したところ、検出限
界以下であった。
【0096】実施例26 図15に示す装置を用い、実施例25と同様に前処理を
行なった回路基板を溶解処理した。粉砕装置87として
は、旋動破砕機とロール破砕機とを組み合わせたものを
用い、ヒータ付き反応管92での処理温度および圧力
は、 300℃、 10Mpaとした。処理後の混合物から固形分
を分離し電気炉で乾燥させたところ、ガラス繊維は脆性
化していなかった。実施例24と同様にボールミルによ
りガラス繊維分を粉砕し、同じ篩で分別して篩上残留成
分の組成を分析したところ、銅純度は81%であった。
【0097】実施例27 ハンダ溶融と表面研磨により実装部品とハンダとをそれ
ぞれ除去した回路基板から、24.5mm四方を切り出したも
のを、内容積 122ccの圧力容器と電気炉から構成された
回分式の装置を用いて溶解処理した。被処理片と38.4cc
の水とを圧力容器に投入し、密閉して 380℃、24Mpa の
反応条件で 2時間処理した。処理後の基板片を観察した
ところ、各層はピンセットで容易に剥離することがで
き、銅箔とガラス繊維とを手で選別することができ、か
つガラス繊維は脆性化していた。
【0098】比較例 図15に示す装置を用い、実施例25と同様に前処理を
行なった回路基板を溶解処理した。粉砕装置87として
は、旋動破砕機とロール破砕機とを組み合わせたものを
用い、ヒータ付き反応管92での処理温度および圧力
は、 150℃、0.5Mpaとした。処理後の混合物から固形分
を分離し電気炉で乾燥させた後、実施例24と同様にボ
ールミルによりガラス繊維分を粉砕し、同じ篩で分別し
て篩上残留成分の組成を分析したところ、銅純度は44%
であった。
【0099】実施例28 前処理工程でハンダが除去され実装部品が取り外された
後の廃回路基板に対して、超臨界状態の水等を用いて回
路基板を構成する熱硬化性樹脂を溶解し、金属銅等を回
収した。
【0100】まず、樹脂溶解装置について説明する。
【0101】この装置は、図16に示すように、基板砕
成物と水とを混合した混合体を溜め置く供給槽95と、
開閉バルブA96と、高圧容器A97と、開閉バルブB
98と、水を昇圧して輪送・洪給する高圧ポンプA99
と、同じく水を昇圧して輪送・供給する高圧ポンプB1
00と、水を加熱昇温する熱交換器101と、水と混合
体とを収容して反応させるヒータ付き反応管102と、
冷却器103と、分離器104と、背圧弁105と、高
圧容器B106と、開閉バルブC107と、開閉バルブ
D108と、開閉バルブE109および水ボンプ110
を備えている。なお、装置各部は、ステンレス鋼、チタ
ン、ハステロイ、インコネルのような、耐熱、耐圧性を
有し高い耐腐嚢性を有する材料により構成することが望
ましい。この装置において、供給槽95に溜め置かれて
いる基板砕成物と水との混合体のうち、比重が水より大
である基板砕成物が、開閉バルブA96と開閉バルブB
98の開閉により、重力沈降によって高圧ポンプA99
の吐出側の配管に流れ込む。高圧容器A97中には常時
水が満たされている。開閉バルブA96が開の場合は開
閉バルブB98を閉とすることにより供給槽95内部を
特に加圧すること無しに基板砕成物を高圧容器A97に
沈降させ、その後開閉バルブA96を閉に、開閉バルブ
B98を開とすることによって、高圧容器A97は瞬時
に高圧ボンプA99吐出側と同じ高圧条件下におかれ、
基板破成物は沈降して吐出側の配管中に流れ込む。この
手順を繰り返し行うことによって、基板砕成物を問欠的
に高圧の場に注入できるのであるが、この方法によれ
ば、高圧ポンプで直接、基板砕成物を輪送する場合とは
異なり、ポンプの摩耗および閉塞が生じず、なおかつポ
ンプを通過させるために基板砕成物を微粉砕する必要も
なくなる。
【0102】他方、高圧ポンプB100により昇圧され
た水は、熱交換器101を経て昇温された後、別系統の
基板砕成物と水からなる流れと合流し、次いでヒータ付
き反応管102に入る。この反応管102内部の圧力
は、ポンプと背圧弁105とにより制御されるようにな
っている。ヒータ付き反応管102内で、水の臨界点で
ある374.2℃、22.1Mpa以上の温度および圧
力に加熱・加圧されることで、流体中の樹脂成分が迅速
に分解し溶解される。反応管を出た混合物は、熱交換器
101により冷却され、続いて冷却器103によりさら
に冷却される。
【0103】その後、被処理物は分離器104に入る。
そして、分離器104以降では、前述のバルブの開閉に
よる基板砕成物の高圧場への注入方法と同じ原理によっ
て、主に被処理物中の固形分が、開閉バルブC107、
高圧容器B106、開閉バルブD108を通じて系外に
排出される。その際、開閉バルブC107の開放操作時
には、水ポンプ110によってあらかじめ高圧容器B1
06内を水で満たしておくようにし、高温・高圧の流体
ではなく、圧縮性の殆どない低温・高圧の流体から抜き
出しを行うことによって、系における圧力の変動を最小
限に押さえることが可能になり、処理システム全体の作
動が確実になる。なお、抜き出し時において、開閉バル
ブC107の種類によっては、このバルブ取付部分の管
路に固形分が存在する時点でバルブの閉止操作を行う
と、バルブが正常に動作しない、あるいはバルブが故障
する可能性があるため、開閉バルブC107の直前の管
路、あるいは分離器104の直前の管路に、固形分の流
れを検知する装置、例えば超音波流量計を設置し、この
バルブ取付部分の管路に固形分が存在しない時点でバル
ブを閉止することが望ましい。前述したように、基板砕
成物は間欠的に注入されるので、管路中には固形分が存
在しない液体のみの部分が存在し、よってこの様な操作
が可能になる。この固形分検知装置は、他の三つの開閉
バルブ、すなわち開閉バルブA96、開閉バルブB9
8、開閉パルブD108の直前にも設置することが可能
である。
【0104】一方、液状の有機分を含む流れは、分離器
104の上方出口に設置されたフィルタを通った後、背
圧弁105を通過して減圧され出口で回収される。フィ
ルタの存在によって、背圧弁105を通過する流れには
固形分は含有されておらず、よってここでの閉塞や、背
圧弁の摩耗が生じる恐れはない。液状の有機分は、一部
分は開閉バルブC107を通って排出されうるが、開閉
バルブC107または開閉バルブD108のどちらかが
必ず閉止状態にあるので、大部分は背圧弁105の側の
配管中に輪送され、ここを通って系外に排出される。排
出された液状の有機分から有機分を回収する方法として
は、例えは膜分離や蒸留、あるいはこれらの組合せを用
いることも可能であるし、有機分を回収した後の水を再
び高圧ポンプA99あるいは高圧ポンプB100の吸込
側に還流することも可能である。このような装置を用い
て、ハンダ溶融と表面研磨により実装部品とハンダをそ
れぞれ除去した回路基板を溶解処理した。旋動破砕機と
カッターミルを組み合わせた粉砕装置を用いて回路基板
を粉砕し、粉砕物を篩分けして粒径1mm以上2mm以
下のものを被処理物とした。被処理物の重量組成比率
は、銅31%、ガラス繊維41%、エポキシ樹脂28%
である。ヒータ付き反応管102での処理温度および圧
力は、380℃、24Mpaとし、反応管中における滞
留時間は1時間に調節した。処理後の混合物をろ過し、
ろ紙上に残留した固体を乾燥させた後、それをプラスチ
ック容器に封入して、振とう器で毎分200回の速さで
上下に10分間振とうして、超臨界処理により脆性化し
ていたガラス繊維分を細かく粒状に粉末化した。内容物
を600μm径の篩で分別し、篩上に残留した固形物中
の銅純度を分桁したところ、銅純度は90%であった。
また、ろ過した水溶液中の有機分を分析したところ、有
価物である、フェノール、クレゾールおよびイソプロピ
ルフェノ一ルを主成分として確認した。さらに、これら
の回収物の被処理基板中の樹脂分に対する重量比率は、
それぞれ20.1%、4.3%および3.7%であっ
た。また、その他の水溶性有機分として、アセトンも確
認された。
【0105】実施例29 図16に示した処理装置により、ハンダ溶融により実装
部品のみを除去した回路基板を溶解処理した。旋動破砕
機とカッターミルとを組み合わせた粉砕装置を用いて回
路基板を粉砕し、粉砕物を篩分けして粒径1mm以上2
mm以下のものを被処理物とした。被処理物の重量組成
比率は、銅30%、ガラス繊維38%、エポキシ樹脂2
7%、ハンダ5%である。処理条件は実施例28と同じ
である。処理後の混合物をろ過し、ろ過した溶液中の鉛
イオン、錫イオン、銅イオンを分析したところ、検出限
界以下であった。
【0106】実施例30 図16の装置を用い、実施例28と同様に前処理、粉砕
・篩分け操作を行った回路基板を溶解処理した。ヒータ
付き反応管102での処理温度および圧力は、300
℃、10Mpaとし、反応管中における滞留時問は1時
間に調節した。処理後の混合物をろ過し、ろ紙上に残留
した固体を乾燥させた後、実施例28と同様に10分間
振とうした。内容物を同じ篩で分別し、篩上に残留した
固形物中の銅純度を分析したところ、銅純度は33%で
あった。また、ろ過した溶液中の有機分を分析したとこ
ろ、有価物であるフェノールを主成分として確認した。
被処理基板中の樹脂分に対するフェノールの重量比率は
9.2%であった。
【0107】比較例 図16の装置を用い、実施例28と同様に前処理、粉砕
・篩分け操作を行った回路基板を溶解処理した。ヒータ
付き反応管102での処理温度および圧力は、150
℃、0.5Mpaとし、反応管中における滞留時間は1
時間に調節した。処理後の混合物をろ過し、ろ紙上に残
留した固体を乾燥させた後、実施例28と同様に10分
間振とうした。内容物を同じ篩で分別し、篩上に残留し
た固形物中の銅純度を分析したところ、銅純度は31%
であった。なお、ろ過した溶液中の有機分を分析したと
ころ、有機分は検出されなかった。
【0108】実施例31 前処理工程で実装部品が取り外された廃回路基板に対し
て、超臨界状態の硝酸水溶液を用いて回路基板を構成す
る熱硬化性樹脂を溶解し、金属鉛等を回収した。 ま
ず、樹脂溶解装置について説明する。
【0109】この装置は、図17に示すように、基板砕
成物と水とを混合したスラリーを貯蔵する廃棄物タンク
111と、水タンク112と、酸素、空気または過酸化
水素等の酸化剤タンク113と、硝酸タンク114と、
高圧ポンプ115〜118と、熱交換器119と、ヒー
タ付き反応管120と、分離装置A121と、分離装置
B122と、冷却器123および背圧弁124を備えて
いる。なお、装置各部は、ステンレス鋼、チタン、ハス
テロイ、インロネルのような、耐熱、耐圧性を有し高い
耐腐食性を有する材料により構成することが望ましい。
【0110】それぞれのタンクからは高圧ポンプ115
〜118によって各流体が昇圧され輸迭された後に任意
の比率で混合され、銅とハンダは硝酸の働きでいったん
は溶解する。この混合物は、熱交換器119を経て昇温
された後、ヒータ付き反応管120に入る。この反応管
120内部の圧力は、ポンプと背圧弁124とにより制
御されるようになっている。ヒータ付き反応管120内
で、水の臨界点である374.2℃、22.1Mpa以
上の温度および圧力に加熱・加圧されることで、流体中
の樹脂成分が迅速に分解し溶解される。もちろん、タン
ク114からの硝酸は酸性酸化剤ではあるが、タンク1
13からの酸化剤投入によって、生じうる酸化力の不足
を補っている。同時に、溶解していた(錫はいったん硝
酸に侵された後に酸化錫として不溶化している可能性が
あるが)金属のうち、少なくとも鉛と錫は、超臨界状態
における水熱反応により酸化物微粒子となって析出す
る。
【0111】分離装置A121においては、粉砕された
ガラス繊維が補集されるが、ここには存在しうる金属酸
化物の粒径より粗く、ガラス繊維の粒径より細かいフィ
ルタを使用する。また、フィルタは2つ以上のものが並
列に配置されており、その内の1つを使用するのである
が、モニタリングによりフィルタの状態を検知して、流
路およびフィルタの切り替えを行うことにより、ガラス
繊維の補集による目詰まりを防止している。次に、分離
装置B122においては、分離装置A121よりも目の
細かいフィルターを用いて、析出した金属酸化物微粒子
が補集されるが、分離装置A121と同様の目詰まり防
止機構が装備されている。なお、金属酸化物の分離装置
は複数個を直列に並べて設置することも可能であり、そ
の場合は、水熱反応により酸化物が析出する温度や、金
属酸化物の高温・高圧水への溶解度が金属種によって異
なることを利用し、各分離装置における温度を制御する
ことによって金属酸化物を分別して回収することができ
る。
【0112】その後、混合物は熱交換器119により冷
却され、続いて冷却器123によりさらに冷却された
後、背圧弁124を通過して減圧され、出口で回収され
る。
【0113】このような装置を用いて、ハンダ溶融によ
り実装部品のみを除去した回路基板を溶解処理した。硝
酸として5N濃度の硝酸を、酸化剤として31%濃度の
過酸化水素水を用いた。ヒータ付き反応管120での処
理温度および圧力は、500℃、30Mpaとし、反応
管中における滞留時間は30分に調節した。その結果、
分離装置A121によるガラス繊維の回収率は96.2
%、分離装置B122による鉛および錫の回収率はとも
に99.9%以上であった。
【0114】実施例32 無機のフィラーが充填された樹脂廃棄物2.1gを、内
容積122ccの圧力容器と電気炉から構成された回分
式の装置を用いて溶解処理した。被処理物の組成は、酸
無水物硬化型エポキシ樹脂32%、無機フィラ−68%
である。被処理物と38.4ccの水とを圧力容器に投
入し、密閉して380℃、24Mpaの反応条件で1時
間処理した。処理後の観察では無機フィラーのみが認め
られた。また、回収した被処理物のうち、固形物中の有
機分の含有率は7.2%であった。さらに、溶液中の有
機分を分析したところ、有価物であるフェノ一ル、3−
フェノキシ−1,2−プロパンジオールを主成分として
確認した。被処理物中の樹脂分に対する重量比率は、そ
れぞれ、8.0%および11.7%であった。また、他
の液状の有機分として、アセトンも確認された。
【0115】実施例33 ベレット状のABS樹脂0.37gを、内容積117c
cの圧力容器および電気炉から構成された回分式の装置
を用いて溶解処理した。被処理物と、29.7ccの水
と、31%過酸化本素水7.2ccとを圧力容器に投入
し、密閉して380℃、24Mpaの反応条件で1時間
にわたり酸化処理した。処理後の状態を目視にて観察し
たところ、ペレットは存在しておらず、水中に溶解また
は懸濁した状態で存在していた。次に、処理後の気相中
に存在するシアン化水素の濃度を分析したところ、AB
S中のシアノ基が全てシアン化水素に転換した場合のシ
アン化水素発生量を100とすると存在量は0.015
未満であった。また、液相中の全シアン濃度を分析した
ところ、0.0025ppm未満であった。
【0116】実施例34 ペレット状のABS樹脂0.37gを、内容積117c
cの圧力容器および電気炉から構成された回分式の装置
を用いて処理した。被処理物と36.9ccとを圧力容
器に投入し、圧力容器内の雰囲気をアルゴンにて置換
後、密閉して380℃、24Mpaの反応条件で1時間
処理した。そして、処理後の状態を目視観察したとこ
ろ、ペレットは存在しておらず、水中に溶解または懸濁
した状態で存在していた。次に、処理後の気相中に存在
するシアン化水素の濃度を分析したところ、ABS中の
シアノ基が全てシアン化水素に転換した場合のシアン化
水素発生量を100とすると存在量は0.015未満で
あった。また、液相中の全シアン濃度を分析したとこ
ろ、0.0025ppm未満であった。さらに、液相中
の有機分を同定したところ、有価物であるアクリルアミ
ド、アクリル酸およびスチレン等が確認された。
【0117】実施例35 ハンダ溶融と表面研磨により実装部品とハンダをそれぞ
れ除去した回路基板から26.6mm四方を切り出した
ものを、内容積122ccの圧力容器と電気炉から構成
された回分式の装置を用いて溶解処理した。すなわち、
被処理片と33.2ccのメタノ一ルとを圧力容器に投
入し、密閉して242℃、8.2Mpaの反応条件で2
時間処理した。処理後の基板片を観察したところ、各層
はピンセットで容易に剥離することができ、銅箔とガラ
ス繊維とを手で選別することができた。
【0118】実施例36 ハンダ溶融と表面研磨により実装部品とハンダをそれぞ
れ除去した回路基板から、24.2mm四方を切り出し
たものを、内容積122ccの圧力容器と電気炉から構
成された回分式の装置を用いて溶解処理した。すなわ
ち、被処理片と33.7ccのエタノ一ルとを圧力容器
に投入し、密閉して246℃、6.5Mpaの反応条件
で2時間処理した。処理後の基板片を観察したところ、
各層はピンセットで容易に剥離することができ、銅箔と
ガラス繊維とを手で選別することができた。
【0119】実施例37 図18の装置を用い、実施例36と同様に前処理、粉砕
・篩分け操作を行った回路基板を溶解処理した。なお、
処理条件は、実施例36と同じであるが、高圧ポンプ1
29で供給する水に、基板中に含まれる樹脂の13.5
%にあたる重量比の水酸化ナトリウムを溶解して添加し
た。そして、処理後の混合物中のダイオキシン類を分析
したところ、検出限界以下であった。
【0120】実施例38 図18の装置を用い、実施例36と同様に前処理、粉砕
・篩分け操作を行った回路基板を溶解処理した。なお、
処理条件は、実施例36と同じであるが、高圧ポンプ1
29で供給する水に、基板中に含まれる樹脂の12.5
%にあたる重量比の水酸化カルシウムを溶解して添加し
た。そして、処理後の混合物中のダイオキシン類を分析
したところ、検出限界以下であった。
【0121】さらに、本発明に係る他の実施形態につい
て図面を用いて説明する。
【0122】図18は、本発明に係る処理装置を概賂的
に示した図である。
【0123】図18に示す処理装置は、熱硬化性樹脂製
品を取り込んで粉砕を行う粉砕機181と、処理液を所
定温度に加熱して粉砕機181から排出された粉砕物と
を接触させる溶解槽182と、溶解槽内の内容物を撹拌
するために撹拌機183と、溶解槽182内の内容物の
槽外への排出量を調整する弁184と、溶解槽182内
の内容物を弁184が開いているときに送りだすポンプ
185と、ポンプ185内で圧送された内容物を取り込
み遠心力により内容物内の粉体と液体とを分離する分離
器186と、分離器186から出た液体を圧送するため
のポンプ188と、ポンプ188によって圧送された液
体を取り込み遠心力により粉末と液体とを分離する分離
器187と、分離器187から排出された液体を薄く塗
り付け、加熱を行うベルトコンベヤ190と、ベルトコ
ンベヤ190に付着した付着物を削り落とす爪191
と、ベルトコンベヤ190と爪191とを取り囲むケー
ス189と、ケース189内の圧力を減圧する減圧装置
193と、減圧装置193とケース189とを結ぶ配管
に設けられ通過ガスを冷却し凝集物を回収する回収容器
192と、分離器186と187から出た粉体を取り込
み洗浄液と混合する洗浄槽194と、洗浄槽194内の
内容物の排出量を調整する弁195と、洗浄槽194内
の内容物を弁195が開いているときに内容物を圧送す
るためのポンプ196と、ポンプ196から圧送された
内容物を取り込み遠心力により粉末と液体とを分離する
分離器197と、分離器から出た粉末を洗浄槽194ま
たは次の行程に送るか切り替えることのできる切り替え
器198と、切り替え器198を通り洗浄槽194に粉
末すためのポンプ199と、切り替え器198を通った
粉末を塗り付け加熱を行うベルトコンベヤ202と、ベ
ルトコンベヤ202に付着した付着物を削り落とす爪2
03と、ベルトコンベヤ202と爪203を取り囲むケ
ース201と、ケース201内の圧力を減圧する減圧装
置205と、減圧装置205とケース201とを結ぶ配
管に設けられ通過ガスを冷却し凝集物を回収する回収容
器204と、回収容器192と204内の液体を溜める
タンク206と、タンク206内の液体を圧送するため
のポンプ207と、ポンプ207を通りタンク206か
ら排出された液体の輪送先を切り替える切り替え器20
8と、タンク206からポンプ207を通り送られてき
た液体を加熱する加熱器210と、分離器197で分離
された液体を溜めるタンク200と、タンク200内の
液体を加熱器210に送るポンプ209とを備えてい
る。
【0124】ここで、粉砕機181は、剪断力,圧縮力
および衝撃力などを用いて粉砕を行なうように構成され
ている。また、粉砕後、分離された金属を比重差、形状
差または電気特性差等を利用して取り除くとより好まし
い。溶解槽182は、加熱器210から液体、粉砕機1
81から粉砕物をそれぞれ取り入れて、それぞれを接触
混合する装置として使われる。溶解槽182の加熱温度
は、目的とする温度に一定に保たれるように制御される
ことがより好ましく、加熱方法は電気、バーナーおよび
高周波等が挙げられる。また、電熱面における温度を均
一化するために、加熱された高沸点流体を利用して内容
物に伝熱するとより好ましい。また、ケース189は、
減圧下でベルトコンベヤ190の上に塗られた液体を加
熱する効果を有しており、ガス化した液体はトラップ1
92により回収される。ベルトコンベヤ上に残ったもの
は、爪191で取り除かれケース189内に溜められ
る。なお、適当な時期に、分離器187とケース189
との間に設けられた弁211を閉じ、減圧装置193の
運転を止めてから、ケース189内のベルトコンベヤか
ら爪191で取り除かれた回収物は取り出される。
【0125】さらに、洗浄槽194は弁195を閉じた
状態で分離器197から送られてくる固形物と、タンク
206から送られてくる液体とを撹拌混合させる機能を
備えている。また、ケース201は、減圧下でベルトコ
ンベヤ202の上に塗られた液体を加熱する効果を有し
ており、ガス化した液体はトラップ204に回収され
る。なお、ベルトコンベヤ上に残ったものは、爪203
で取り除かれ、ケース201内に溜められる。そして、
適当な時期に、分離器197とケース201との間に設
けられた切り替え器198を閉じ,減圧装置205の運
転を止めてからケース201内のベルトコンベヤから爪
203で取り除かれた回収物は取り出される。なお、分
離器186、分離器187、洗浄槽194、分離器19
7およびタンク200は、それぞれ加熱や保温ができる
ように構成するとより好ましい。さらに、処理装置に配
設された各配管や装置類は、断熱材等で保温されている
ことが好ましいが、一部の配管や装置類を保温するよう
にしてもよい。
【0126】実施例39 図18に示した処理装置により、磁気浮上鉄道推進コイ
ルの絶縁材料に用いられている樹脂と同等の組成である
エポキシ樹脂廃棄物から、該樹脂由来の有機成分を分離
回収し再生樹脂原料とした。すなわち、エポキシ樹脂廃
棄物を平均粒径1mmまで粉砕してエチレンジアミンに
浸漬し、117℃、大気圧下で1時間攪拌することによ
り試料中の有機成分は溶解させることにより、充填材で
ある無機成分だけが不溶のまま懸濁した溶液が得られ
た。そして、遠心分離により溶液から無機成分を分離回
収して再生充填材とした。一方、上澄液は、蒸留により
溶剤のみを蒸発させ、樹脂由来の有機成分を分離回収し
て再生樹脂原料とした。
【0127】次に、再生充填材の含有成分および表面状
態について分析を行った。すなわち、再生充填材よりア
セトンを用いて室温で有機成分を抽出した。次に、ろ過
により不溶な充填材成分を除去して抽出液のアセトンを
蒸留することにより抽出物を濃縮して抽出成分を得た。
ここで、抽出成分について重量スペクトル、赤外吸収ス
ペクトルおよび核磁気共鳴スペクトルを測定したとこ
ろ、該抽出成分にはアミン類が含まれていることがわか
った。
【0128】次いで、再生充填材を用いて新たなエポキ
シ樹脂硬化物を調製した。はじめに、ビスフェノ一ルA
型のエポキシ樹脂(油化シェルエボキシ社製、商品名エ
ピコート828)100重量部に対して、メチルテトラ
ヒドロ無水フタル酸(日立化成社製、商品名HN−55
00)80重量部、再生シリカ充填材500重量部を8
0℃で2時間にわたり混合した。なお、混合において、
充填材と樹脂との密着性を高めるための界面活性剤ある
いはカップリング剤は使用しなかった。その後、ベンジ
ルジメチルアミン0.2重量部を加え、さらに15分間
減圧下で加熱混合してエポキシ樹脂組成物を製造した。
そして、混合後、成形前の状態の樹脂の粘度を測定した
ところ4.0Pa・sであった。また、成形後の硬化物
の曲げ強度を測定したところ、15kgf/mmであ
った。
【0129】さらに、硬化物を任意の位置で切断した断
面を研磨し、走査型電干顕微鏡を用いて樹脂硬化物中の
充填材の分散の様子を観察したところ、充填材に凝集し
たまま硬化した部分はなく、特に、粒径の小さい3μm
以下の充填材がきれいに分散されていることが確認され
た。また、未使用の充填材は、破砕状の不定形状の充填
材であるが、再生充填材には鋭利な角がなくなってい
た。これは、既に製造工程における剪断力が十分にかか
る状態での混合を複数回にわたり経てきたために、充填
材の粒子同士が擦れ合い鋭利な角が削れて丸みを帯びた
ものと考えられる。そして、充填材が球状に近くなるこ
とにより嵩高さが低下し、充填材混合樹脂の粘度を下げ
る効果があったと推測される。
【0130】実施例40〜実施例75 条件を変更した以外は実施例39と同様の工程にて処理
を行い、処理速度および回収された回収物を評価した結
果を表3〜表5に示す。また、実施例において回収され
た再生充填剤または再生原料樹脂を用いて得られた混合
樹脂および硬化物の特性を表6に示す。なお、表3〜表
6には、各条件とともに、実施例に対して比較を行った
結果も示している。
【0131】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】 ただし、溶剤の略号は次の通りである。
【0132】EDA:エチレンジアミン DBU:1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−
ウンデセン 2E4MZ−CN:1−(2−シアノエチル)−2−エ
チル−4−メチルイミダゾール TMAH:テトラメチルアンモニウムヒドロキシド DTG:ジオルソトリルフアニジン LA:ラウリルアミン DBA:ジベンジルアミン NMM:N−メチルモルホリン NA:β−ニトロアニリン DPA:ジフェニルアミン TCE:1,1,1−トリクロロエタン 処理速度の評価は次の基準で示した。
【0133】 ◎:5時間以内の処理ですべて溶解するもの ○:5時間以上の処理ですべて溶解するもの △:一部に残留する有機成分があるもの ×:ほとんど溶解しないもの 回収物の評価は次の基準で示した。
【0134】 ◎:回収した樹脂成分に熱分解および酸化が起きず組成
分析において副反応による分解物を含んでいないもの ○:回収した樹脂成分にわずかに褐色の着色がみられる
が、組成分析においては副反応による分解物が3%以下
の極微量で無視しうるもの △:回収した樹脂が褐色に変色し、分解不純物が3%以
上含まれているもの ×:回収した樹脂の有機成分の熱分解・酸化等がおき、
黒化したもの 表3〜表6から明らかなように、各実施例によれば、比
較例と比べて同等以上の特性を示すことが理解される。
【0135】実施例76 実施例39と同様にして、5〜20cmのサイズに切断
されたガス絶緑スイッチギア用スペーサの樹脂廃棄物を
処理した。なお、該廃製品切断品は、導体のアルミニウ
ムおよびネジ部品等の金属片が含まれている。また、処
理にあたっては、溶剤として、1,8−ジアザビシクロ
[5、4,0]−7−ウンデセンを用い、処理温度を1
40℃とした。さらに、処理槽において、溶解した樹脂
から順次溶解成分が回収されるため未溶解の部分の滞留
時間は自動的に適正化された。その結果、投入物の大き
さに関係なく樹脂は全て溶解し回収することができた。
また、含まれていた金属片については、処理槽において
付着していた樹脂成分が全て溶解除去されたことから処
理後容易に回収することができた。
【0136】比較例 実施例76と同じ処理物を1cm程度までさらに粉砕し
た後、同溶剤および同温度で押出機を用いて処理を試み
た。しかし、押出機は溶融していない樹脂や金属片によ
る抵抗が大きく、容易に目詰まりを起こして停止してし
まうことから、処理することは不可能であった。
【0137】実施例77 ろ過あるいは沈降分離工程を設けずに、直接蒸留により
溶剤を除去した以外は、実施例39と同様にして真空遮
断器用絶緑樹脂を処理した。このとき、回収物は、樹脂
由来の流動性を持った有機成分と無機充填材とが混合し
た状態で回収され、該回収物は常温で固体で、加熱によ
り流動化する熱可塑性を示した。また、該回収物を使用
して再び硬化させた再生樹脂は、既に十分に混合および
分散された充填材が含まれているため、新たに樹脂を調
製する際の混合が容易で、凝集などによる混合不良を起
こすことはなかった。
【0138】実施例78 樹脂の有機成分を全て溶解せずに、粉砕物の表層から一
部を溶解し、充填材と樹脂有機成分が混合硬化されたま
まの状態で再び再生品として回収した以外は、実施例3
9と同様にして破砕物の処理を行った。本実施例におい
ては、粉砕物の表層を溶剤で溶解処理していることか
ら、粉砕物は新しい樹脂との密着性に非常に優れてお
り、高強度の樹脂再生品を製造することができた。
【0139】実施例79 本実施例では、回収した樹脂有機成分を分離精製し、高
分子量の成分と低分子量の成分とに分離し、それぞれ単
独で再利用した例である。
【0140】実施例39と同様にして溶解処理、ろ過に
より無機充填材を分離して得られた有機成分について、
テトラヒドロフラン(THF)溶剤による抽出洗浄を行
った。THF不溶分をジメチルホルムアミド溶剤に溶解
しゲルパ−ミエイションクロマトグラフィにより分子量
を測定したところ、平均分子量約10万の高分子量の成
分であった。また、高分子量の回収物の赤外吸収スペク
トルからは、ビスフェノ−ルAの骨格を有する主鎖に水
酸基を有するポリエーテルポリオールが回収されたこと
がわかった。このとき、高分子量の回収物は、低分子量
の物質が除去されているため、無色、無臭で強度があ
り、このまま単独で再生熱可塑性樹脂、例えば、射出成
形等の成形体として、あるいは粒状、繊維状および膜状
に成形して使用することが可能であった。
【0141】一方、THF抽出成分は蒸留により溶剤が
除去され、回収された回収物は、重量スペクトルおよび
赤外吸収スペクトルの測定により主に分子量2000以
下のアミン化合物であることが判明した。なお、JIS
法(K 7237)に従って測定したアミン価は360
であった。次に、該回収物を硬化剤としてビスフェノ−
ルA型エポキシ樹脂と混合し70℃て加熱するとによ
り、アミン硬化型エポキシ硬化物を得ることができ、該
低分子量の回収物は、接着剤あるいは塗科等として使用
可能であることが確認された。
【0142】さらに、該低分子量の回収物を金属キレ一
卜剤として適用した。すなわち、銅を2wt%含有する
廃液に該低分子量の回収物を適量混合し、室温で1時間
攪拌したところ徐々に沈殿が生じたのでこれを静置し、
十分に沈降させた後に上澄液を分離した。そして、上澄
液の銅含有量を測定したところ、50ppm以下であっ
た。
【0143】比較例 磁気浮上鉄道推進コイルの絶縁材料に用いられている樹
脂と同等の組成であるエポキシ樹脂廃棄物を平均粒径1
mmまで粉砕した。さらに、該粉砕物を微粉砕し篩によ
り100μmの篩目を通過した粉末をそのまま再生充填
材として新たなエポキシ樹脂硬化物を調製した。すなわ
ち、ビスフェノ−ルA型のエポキシ樹脂(油化シェルエ
ポキシ社製、商品名エピコ−ト828)100重量部、
再生シリカからなる充填材500重量部を80℃で2時
間混合した。なお、混合において、充填材と樹脂との密
着性を高めるための界面活性剤あるいはカップリング剤
は使用しなかった。その後、ベンジルジメチルアミン
0.2重量部を加え、さらに15分間減圧下で加熱混合
してエポキシ樹脂組成物を製造した。そして、混合後成
形前の状態の樹脂の粘度を測定したところ、12Pa・
sと高粘度であった。これは、微粉枠時に粉末が凝集を
起こすことにより崇高さが増加し混合粘度が上がったと
推測される。さらに、該エポキシ樹脂組成物を成形し、
硬化物の曲げ強度を測定したところ、10kgf/mm
だった。この理由として、新たに添加した樹脂に対し
再生充填材の表面のぬれ性が十分でなく、充填材の表面
から破壊を起こしやすいからと考えられる。次に、該硬
化物を任意の位置で切断した断面を研磨し、走査型電子
顕微鏡を用いて樹脂硬化物中の充填材の分散の様子を観
察したところ充填材の分散性に偏りが見られた。特に、
粒径の小さな3μm以下の充填材は複数の粒子が連なっ
ており、分散性が悪いことが確認された。さらに、凝集
した微粉末の近接部位には、減圧下で脱気しきれなかっ
たボイドの残りが観察され、強度の低下につながったも
のと推測された。
【0144】比較例 本比較例は、充填材も未使用のバ−ジン材料を用いて樹
脂を製造した例である。すなわち、ビスフェノールA型
のエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名エピ
コート828)100重量部に対し、メチルテトラヒド
ロ無水フタル酸(日立化成社製、商品名HN−550
0)80重量部、バージンシリカ充填材500重量部を
80℃にて2時間にわたり混合した。なお、混合に際
し、充填材と樹脂との密着性を高めるための界面活性剤
あるいはカップリング剤は使用しなかった。その後、ベ
ンジルジメチルアミン0.2重量部を加え、さらに、1
5分間加熱混合してエポキシ樹脂組成物を製造した。な
お、混合後、成形前の状態の樹脂の粘度を測定したとこ
ろ、10Pa・sと高粘度であった。この理由として
は、微粉砕時に粉末が凝集を起こすことにより嵩高さが
増加し粘度が上がったものと推測される。また、成形
後、硬化物の曲げ強度を測定したところ、サンプルによ
りばらつきが存在するものの平均8kgf/mmであ
った。この理由としては、再生充填材の表面のぬれ性が
十分ではなく、該充填材の表面から破壊を起こしやすい
ことが考えられる。
【0145】実施例80 本実施例は、樹脂製品を製造する工程で用いられ、酸無
水物硬化型エポキシ樹脂組成物の混合に用いた混合器の
洗浄作業を実施した例である。
【0146】はじめに、エポキシ樹脂(油化シェルエポ
キシ社製、商品名エピコート828)、メチルテトラヒ
ドロ無水フタル酸(日立化成社製、商品名HN−550
0)、平均粒径10μmのシリカの粉末およびベンジル
ジメチルジアミンを、80℃において混合し、これを排
出する動作を繰り返し10回行った後の混合器を、エチ
レンジアミンを用いて洗浄した。なお、洗浄前の混合槽
の壁面には硬化した樹脂が層となって強固に付着し、さ
らに未硬化の樹脂がこれを覆っている状態であった。特
に、硬化して混合槽に付着した樹脂層は、厚い部分で約
3mmあった。はじめに、混合槽内をエチレンジアミン
で満たし、117℃で1時間攪拌洗浄した後、排出口か
ら洗浄後の溶剤を回収した。洗浄後、混合槽内に付着す
る未硬化の樹脂および硬化した樹脂はともに全く存在し
なかった。
【0147】次に、樹脂を含み回収された溶液から、沈
降分離によって、無機充填材であるシリカのみを分離回
収した。なお、該シリカは、エチレジアミンによりさら
に洗浄した後乾燥し回収充填材とした。また、充填材を
除いた上澄の溶液は、100℃以下の温度で減圧蒸留す
ることにより、溶剤であるエチレジアミンを回収すると
ともに蒸留残渣として樹脂を得た。このとき回収された
エチレジアミンには劣化はなく、再使用に際してなんら
問題なかった。
【0148】実施例81 実施例80と同様にして、不飽和ポリエステル樹脂の混
合に用いた混合器の混合槽を洗浄した。不飽和ポリエス
テルは、無水フタル酸、無水フマル酸およびプロピレン
グリコ−ルを混合した後、スチレンモノマーを混合して
架橋させた。本実施例においては、溶剤として、2−メ
チルイミダゾールを用いて混合器の混合槽の内壁面に付
着した硬化樹脂を洗浄することにより、付着硬化樹脂は
除去された。そして、このとき回収された2−メチルイ
ミダゾールには劣化はなく、再使用に際してなんら問題
なかった。
【0149】比較例 エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名エピコ
ート828)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(日立
化成社製、商品名HN−5500)、平均粒径10μm
のシリカの粉末およびベンジルジメチルアミンを80℃
において混合および排出し、これを繰り返して10回行
った後の混合器を、エチレンジアミンを用いて洗浄し
た。なお、洗浄前の混合槽の壁面には硬化した樹脂が層
となって強固に付着し、さらに未硬化の樹脂がこれを覆
っている状態であった。特に、硬化して混合槽の内壁に
付着した樹脂層は厚い部分で約3mmあった。はじめ
に、混合槽内を1,1,1−トリクロロエタンで満た
し、117℃で1時間攪拌洗浄した後、排出口から洗浄
後の溶剤を回収した。このとき、洗浄後の混合槽内に付
着していた未硬化の樹脂はほぼ除去されていたが、硬化
した樹脂は溶解せずに残留していた。また、硬化した樹
脂層の厚さは約3mmと全く変化なかった。
【0150】実施例82 本実施例は、樹脂製品の分析を実施した例である。
【0151】フェノール硬化型エポキシ樹脂により封止
され、製品通電検査により不良品とされた半導体チップ
を、溶剤としてイミダゾールを用いて160℃で2時間
溶解処理することにより、フェノール硬化型エポキシ樹
脂が除去され、半導体チッブの回路が露出した。そし
て、該チップを乾燥した後、走査型電子顕微鏡により回
路の配線を観察することにより、配線の短絡個所を発見
することができた。
【0152】実施例83 組成の不明な樹脂製品の一部を試料として用意し、溶剤
としてトリエチルアミン/エタノ−ルを4:6(重量
比)の割合で混合した溶液を用い、80℃にて10時間
にわたり攪拌して樹脂製品の樹脂を加熱溶解した。そし
て、蒸留により溶剤を除去後、乾燥して得られた固体に
ついて赤外分光スペクトルを測定した。一方、標準サン
プルとして、全く同じ温度、時間、圧力および溶剤の条
件の下で溶解処理することにより得られた、酸無水物硬
化型エポキシ樹脂、アミン硬化型エポキシ樹脂、フェノ
ール硬化型エポキシ樹脂および不飽和ポリエステル樹脂
のサンプルの赤外分光スペクトルを測定しておいた。そ
して、上記試料のスペクトルを標準サンプルのスペクト
ルと比較することにより、上記試料は、酸無水物硬化型
エポキシ樹脂の標準サンプルともっとも類似しているこ
とが確認された。さらに詳しく分析するため、上記試料
を溶解処理したサンプルをテトラヒドロフランに溶解
し、ゲルパーミエイションクロマトグラフィおよび重量
スペクトルを測定したところ、ジカルボン酸エステルと
してメチルテトラヒドロフタル酸モノメチルエステルが
主成分として含まれていることがわかった。さらに、標
準サンプルとして、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、
メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸
および無水メチルナジック酸を硬化剤として硬化させた
エポキシ樹脂のサンプルの赤外分光スペクトルを測定し
ておき、該データと比較することにより、硬化剤として
メチルテトラヒドロ無水フタル酸を用いていることが確
認された。また、上記試料を溶解処理したサンプルを、
ジメチルホルムアミドに溶解し、ゲルパーミエイション
クロマトグラフィにより分子量の分布を測定した。一
方、標準サンプルとしてエポキシ等量がそれぞれ19
0、250、300、470および950のビスフェノ
一ルA型のエポキシ樹脂をメチルテトラヒドロ無水フタ
ル酸を硬化剤として硬化させたサンプルを用意し、同様
の処理によって得られた溶解処理サンプルの分子量の分
布を同様にして測定したところ、原料であるビスフェノ
一ルA型のエポキシ樹脂のエポキシ等量が増加するにし
たがって、溶解処理サンプルの分子量分布も高分子量側
にシフトすることがわかった。そして、標準サンプルの
最大ピークの重量平均分子量とエポキシ等量との関係を
表す検量線および分子量の分布チャートから、上記試料
は、エポキシ等量約195およびエポキシ等量約330
のビスフェノ一ルA型のエポキシ樹脂の2種類を原料と
して使用していることが判明した。また、標準サンプル
の溶解処理により残渣粉末として残留した無機充填材に
ついて、比重分離により異なる組成の充填材を分離し、
それぞれX線光電子分光装置(XPS)による元素分
析、走査型電子顕微鏡観察および光散乱法による粒度分
布の測定をしたところ、充填材として平均粒径10μm
の球状のアルミナが40重量部、平均粒径20μmの破
砕状の溶融シリカが60重量部含まれていることが確認
された。
【0153】比較例 フェノール硬化型エポキシ樹脂により封止され、製品通
電検査により不良品とされた半導体チップを、塩酸を用
い100℃で2時間にわたり溶解処理することにより、
フェノール硬化型エポキシ樹脂が除去され、半導体チッ
プの回路が露出した。該チップを乾燥した後、走査型電
子顕微鏡により回路配線を観察したが、半導体のアルミ
配線が、封止樹脂を溶解する酸処理によって一部溶解損
傷を受けており、不良個所の特定が困難であった。
【0154】また、組成の不明な樹脂製品の一部を試料
として用意し、濃塩酸を用いて80℃で10時間にわた
り攪拌して加熱溶解した。次に、溶解したサンプルを乾
燥し、得られた回収物について赤外吸収スペクトル、ゲ
ルパーミエイションクロマトグラフィおよび重量スペク
トルを測定し、同様の処理により得られた標準サンプル
と比較したが、いずれも樹脂の分解が激しく、原料の特
徴を特定することは不可能であったことから、樹脂製品
を構成する樹脂の原料を特定することはできなかった。
また、残渣として残った無機充填材の粉末について、比
重分離、X線光電子分光装置(XPS)による元素分
析、走査型電子顕微鏡観察および光散乱法による粒度分
布の測定を試みたが、酸により無機の充填材は表面が溶
解しており、また、溶解した無機成分が充填材の表面に
再吸着することにより不純物が多く、シリカとアルミナ
成分との分離は困難で、充填材組成、粒度分布および形
状を正しく分析することができなかった。
【0155】以上から、上記処理方法により使用済み製
品を原料として製造された無機充填材は、混合されてい
た廃製品を原料とし、溶剤で樹脂の成分のみを完全溶解
しながら回収しているため、粉末としての凝集がなく分
散性に優れていることが確認された。また、こうして得
られた充填材は、溶剤、特に、有機アルカリ溶剤での処
理により充填剤の表面電荷の除去あるいは界面が改質さ
れることにより、固/液界面の表面自由エネルギーが減
少して有機物である樹脂成分に対するぬれ性が増加し、
新しく充填材混合樹脂を製造するにあたって、充填材の
粉末が凝集せずに分散性に優れ、混合が容易になる。さ
らに、高充填した場合でも粘度の増加を抑えられるた
め、成形のための作業性を保ったまま、従来と比べ充填
率を上げることが可能になる。また、樹脂成分に対する
ぬれ性が高く、充填材と樹脂との密着性が高いため、界
面活性剤やカップリング剤の添加がなくても、空気等の
泡の残留によるボイドがなく脱泡処理が容易になる。高
充填が可能であり、かつ樹脂と充填材との密着性が高く
分散性がよいことから、上記充填材を混合して硬化させ
た樹脂は、硬化物としての特性、例えば、強度、難燃性
および耐電圧等の特性が向上する。
【0156】実施例84 前処理工程で実装部品が取り外され、ハンダが除去され
た後の廃回路基板に対し、超臨界状態の水等を用いて回
路基板を構成する熱硬化性樹脂を溶解し、金属銅等を回
収した。
【0157】はじめに、処理装置について説明する。
【0158】この装置は、図19に示すように、基板砕
成物と水とを混合した混合体を溜め置く供給槽 125と、
開閉バルブA126 と、高圧容器A127 と、開閉バルブB
126 と、水を昇圧して輸送・供給する高圧ポンプ129
と、水と混合体とを収容して反応させる反応槽130 と、
冷却器131 と、背圧弁132 と、高温および高圧に耐えう
る開閉バルブC133 と、反応槽130 を加熱するヒータ13
4 と、高圧容器B135 と、開閉バルブD136 と、開閉バ
ルブE137 と、水ポンプ138 と、圧力調整バルブA139
および圧力調整バルブB140 を備えている。なお、装置
の各部分は、ステンレス鋼、チタン、ハステロイおよび
インコネル等の耐熱および耐圧性を有し、高い耐腐食性
を有する材料により構成されることが望ましい。
【0159】また、該処理装置において、供給槽125 に
溜め置かれている基板砕成物と水との混合体のうち、比
重が水より大である基板砕成物が、開閉バルブA126 と
開閉バルブB128 の開閉により、重力沈降によって反応
槽130 に流れ込む。さらに、高圧容器A127 の中には常
時水が満たされている。そして、開閉バルブA126 が開
の場合には、開閉バルブB128 を閉とすることによって
供給槽125 の内部を特に加圧することなく基板砕成物を
高圧容器A127 に沈降させ、その後、開閉バルブΑ126
を閉に、また開閉バルブB128 を開とすることによっ
て、水が満たされている高圧容器A127 は瞬時に高圧ポ
ンプ129 吐出側と同じ高圧条件下におかれ、基板際成物
は沈降して反応槽130 に流れ込む。この工程を繰り返し
行うことによって、基板砕成物を間欠的に高圧の場に注
入できるのであるが、該方法によれば、高圧ポンプで直
接、基板砕成物を輸送する場合とは異なり、ポンプの摩
耗および閉塞が生じず、なおかつポンプを通過させるた
めに基板砕成物を微粉砕する必要もなくなる。また、上
記注入操作の際、開閉バルブC133 は閉止しており、反
応槽130 内部の圧力は、連続的に稼動する高圧ポンプ12
9 と背圧弁132 とにより一定値に制御されるようになっ
ている。また、注入後は開閉バルブB128 および開閉バ
ルブC133 ともに閉止状態にあり、基板砕成物は反応槽
130 内で、水の臨界点である374.2 ℃、22.1Mpa以上
の温度および圧力に加熱および加圧されて、流体中の樹
脂成分が迅速に分解し溶解されるが、撹拌器等により溶
液の均一化を図ることによって溶解速度はより高まる。
分解した有機分を含む流れは反応槽130 出口に設置され
たフィルタを通った後、冷却器131 により冷却され、さ
らに背圧弁132 を通過して減圧されて出口で回収され
る。なお、フィルタの存在によって、背圧弁132 を通過
する流れには固形分は含有されておらず、よってここで
の閉塞や背圧弁の摩耗が生じる恐れはない。また、排出
された流れから有機分を回収する方法としては、例え
ば、膜分離、蒸留および冷却されたトラップ、あるいは
これらの組合せを用いることも可能であるし、有機分を
回収した後の水を再び高圧ポンプ129 の吸込側に還流す
ることも可能である。
【0160】一方、主に銅からなる固形分は反応槽130
の底に沈殿しているが、該固形分は、所定の時間経過し
た後に、前述のバルブの開閉による基板砕成物の高圧場
への注入方法と同じ原理によって、開閉バルブC133 、
高圧容器B135 、開閉バルブD136 を通じて系外に排出
される。その際、開閉バルブC133 の開放操作時には、
水ポンプ138 によってあらかじめ高圧容器B135 内を水
で満たしておくことによって、反応槽130 における圧力
の変動を最小限に押さえることが可能になり、処理装置
全体の作動が確実になる。また、圧力調整バルブA139
および圧力調整バルブB140 は、水ポンプ138 による注
水時と、開閉バルブD136 の開放操作の際に、高圧容器
B135 内の圧力を制御するのに用いられる。なお、これ
ら一連の操作を通じて高圧ポンプ129 は常に稼動し続け
ており、液体は背圧弁132 を連続的に通過する一方、固
形分は前述したように、鉛直方向に間欠的に注入および
排出される。また、前述の作動方式により、反応槽130
内の圧力変動は最小限に抑えられる。
【0161】上記処理装置を用いて、ハンダ溶融と表面
研磨により、実装部品およびハンダをそれぞれ除去した
回路基板を溶解処理した。旋動破砕機とカッターミルと
を組み合わせた粉砕装置を用いて回路基板を粉砕し、粉
砕物を篩分けして粒径2mm以上4mm以下のものを被処理
物とした。被処理物の重量組成比率は、銅34%、ガラス
繊維39%およびエポキシ樹脂27%である。また、反応槽
130 での処理温度および圧力は、380 ℃、24Mpaと
し、反応槽中における滞留時間は1時間に調節した。処
理後の混合物を濾過し、濾紙上に残留した固体を乾燥さ
せた後、乾燥物をプラスチック容器に封入し、振とう器
で毎分200 回の速さで上下に10分間振とうして、超臨界
処理により脆性化していたガラス繊維分を細かく粒状に
粉末化した。そして、上記封入物を600 μm径の篩で分
別し、篩上に残留した固形物中の銅純度を分析したとこ
ろ、銅純度は96%であった。また、濾過した溶液中の有
機分を分折したところ、有価物であるフェノール、クレ
ゾールおよびイソプロピルフェノールを主成分として確
認した。さらに、これら有機物の被処理基板中の樹脂分
に対する重量比率は、それぞれ17.1%、 5.8%および
5.2%であった。なお、その他の液状の有機分として、
アセトンも確認された。
【0162】
【発明の効果】以上の記載から明らかなように、本第1
の発明の方法および装置によれば、発泡ウレタン樹脂の
ような有機ハロゲン化物含有発泡樹脂を含む混合廃棄物
の処理において、シリコーンオイルのような液状の熱媒
体中で所定の温度に加熱することで、発泡樹脂を軟化あ
るいは流動化させると同時に含まれる有機ハロゲン化物
のガスを排出させることができ、軟化あるいは流動化し
た樹脂成分や基板等に付着したハンダ等の低融点金属を
分離回収することができる。
【0163】また、本第2の発明の方法および装置によ
れば、廃回路基板等の樹脂を含む物体を溶剤または溶剤
蒸気で処理して樹脂を溶解することにより、物体を構成
する樹脂や金属の有価物を高い効率で分離回収すること
ができる。また、処理の際の環境への負荷の増大を抑え
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本第1の発明の混合廃棄物の処理装置および処
理方法の一実施例を概略的に示す図。
【図2】本第1の発明に使用する混合廃棄物の処理装置
の別の実施例を概略的に示す図。
【図3】本第1の発明に使用する混合廃棄物の処理装置
の別の実施例を概略的に示す図。
【図4】本第1の発明に使用する混合廃棄物の処理装置
の別の実施例を概略的に示す図。
【図5】本第1の発明に使用する混合廃棄物の処理装置
の別の実施例を概略的に示す図。
【図6】本第2の発明により廃回路基板を溶剤処理する
方法の実施例を示すフロー図。
【図7】図6のフローにより溶剤処理を行なうための装
置の概略を示す図。
【図8】回路基板を溶剤処理する前処理として、実装部
品を除去する装置の一例を概略的に示す図。
【図9】回路基板を溶剤処理する前処理として、粉体吹
き付けによりハンダを除去する装置の一例を概略的に示
す図。
【図10】溶剤処理の後処理として、基板から、ハン
ダ、実装部品、銅箔、樹脂、ガラス繊維等を分離回収す
る装置の一例を概略的に示す図。
【図11】溶剤処理を行なう前処理として、回路基板上
のハンダを分離除去し銅を回収する装置の実施例を概略
的に示す図。
【図12】溶剤処理の前処理として、回路基板上のハン
ダを分離除去し銅を回収する装置の別の実施例を示す
図。
【図13】回路基板上のハンダを電気化学的に分離除去
する方法において、ハンダ溶解銅回収工程を示す図。
【図14】回路基板上のハンダを電気化学的に分離除去
する方法において、銅溶解ハンダ回収工程を示す図。
【図15】超臨界状態の水等を用いて回路基板を構成す
る樹脂を溶解する装置の実施例を示す図。
【図16】超臨界状態の水等を用いて物体を構成する樹
脂を溶解し、金属等を回収する装置の実施例を示す図。
【図17】超臨界状態の硝酸水溶液等を用いて物体を構
成する樹脂を溶解し、金属等を回収する装置の実施例を
示す図。
【図18】本発明に係る処理装置を概賂的に示した図。
【図19】本発明に係る処理装置を概賂的に示した図。
【符号の説明】
1……熱媒体 2……封入機 3………加熱反応槽 4……熱媒体供給循環機 6……引き抜き機 7…
……固形物排出弁 8……溶融金属排出弁 11……ヒーター 12……軟化あるいは流動化したウレタン樹脂成分
13……溶融金属 15……スクリーン 16……比重分離槽 17…
…ガス吸着槽 21……円筒管型ヒーター 22……撹拌機 23
……循環予熱部 24……回転式破砕機 27……溶剤処理槽 28………溶剤蒸留回収槽 29……凝縮器 30
……溶剤タンク 32、39、63……廃回路基板 34……分析装置 35……濾過処理装置 37……添加剤タンク 43……スクレイパーブレード 47……サンドブラ
スト処理槽 49……アルミナ、シリカ等の無機粉末 51、54
……噴射ポンプ 53……ハンマー 55……サイクロン 57……
重量回収成分(銅) 58……回路基板投入部 59……ハンダの分離除去
槽 60、95……破砕機 61……銅回収部 65…
…分離液 67………ハンダダンク 70……気流遠心型比重分
離装置 71……静電分離装置 72……Cuリッチ粉 77……空気とオゾンとの混
合ガス噴射口 81……ハンダ回収槽 83……銅イオンを含有する
電解液 84……ブラシ型電極 85……白金等の電極 87
……粉砕装置 88……混合物輸送ポンプ 91……熱交換器 92……ヒータ付き反応管 95……供給槽 9
6……開閉バルブA 97……高圧容器A 98……開閉バルブB 99
……高圧ポンプA 100……高圧ポンプB 101……熱交換器 1
02……反応管 103……冷却器 104……分離器 105……
背圧弁 106……高圧容器B 107……開閉バルブC 108……開閉バルブD 109……開閉バルブE
110……水ポンプ 111……廃棄物タンク 112……水タンク 1
13……酸化剤タンク 115〜118……高圧ポンプ 119……熱交換器 120……ヒータ付き反応管 121……分離装置A 122……分離装置B 123……冷却器 124
……背圧弁 125……供給槽 126……開閉バルブ 127
……高圧容器A 128……開閉バルブB 129……高圧ポンプ 130……反応槽 131……冷却器 132…
…背圧弁 133……開閉バルブC 134……ヒ−タ 135……高圧容器B 136……開閉バルブD 137……開閉バルブE 138……水ポンプ 139……圧力調整バルブA 140……圧力調整バ
ルブB 181……粉砕機 182……溶解槽 183……
撹拌機 184……弁184 185……ポンプ 185
分離器……186 187……分離器186 188……ポンプ 18
9……ケース 190……ベルトコンベヤ 191……爪 192
……回収容器 193……減圧装置193 194……洗浄槽 195……弁 196……ポンプ 197……分離
器197 198……切り替え器 199……ポンプ 200
……タンク 201……爪 202……ベルトコンベヤ 203……爪 204……回収容器 205……減
圧装置 206……タンク 207……ポンプ 208……切り替え器 209……ポンプ 210
……加熱器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 75:00 105:04 105:26 (72)発明者 親里 直彦 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 五反田 武志 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 原田 一成 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 北村 英夫 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 小松 出 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 佐々木 邦彦 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 馬場 優子 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 金澤 悟史 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機ハロゲン化物含有発泡樹脂を含む混
    合廃棄物を液状の熱媒体中で加熱し、前記発泡樹脂を軟
    化あるいは流動化させて、該発泡樹脂に内包される前記
    有機ハロゲン化物のガスを排出し、かつ前記混合廃棄物
    からの各成分を前記熱媒体中で比重差により分離し回収
    することを特徴とする混合廃棄物の処理方法。
  2. 【請求項2】 有機ハロゲン化物含有発泡樹脂を含む混
    合廃棄物を液状の熱媒体中に封入する封入機と、前記封
    入機から供給される前記熱媒体に浸された混合廃棄物を
    加熱する加熱反応槽と、前記加熱反応槽内に熱媒体を供
    給しながら循環流を形成する熱媒体供給循環機と、前記
    熱媒体の上層に浮遊している樹脂成分を引き抜く引き抜
    き機と、前記加熱反応槽の下部から固形物を排出させる
    固形物排出手段と、前記加熱反応槽の下部から溶融液化
    した金属を排出させる溶融金属排出手段とを備えたこと
    を特徴とする混合廃棄物の処理装置。
  3. 【請求項3】 樹脂を含む混合廃棄物を処理するに当た
    り、 前記混合廃棄物を溶剤または溶剤の蒸気に浸して、該混
    合廃棄物を構成する樹脂を膨潤軟化あるいは溶解させ、
    前記混合廃棄物から有用成分を分離回収することを特徴
    とする混合廃棄物の処理方法。
  4. 【請求項4】 前記混合廃棄物は、回路基板であること
    を特徴とする請求項3に記載の混合廃棄物の処理方法。
  5. 【請求項5】 樹脂を含む物体を、前記樹脂が膨潤軟化
    あるいは溶解するように溶剤または溶剤の蒸気に浸す手
    段と、 前記溶剤、溶剤の蒸気または前記物体より該物体を構成
    する物質を回収する手段とを具備したことを特徴とする
    処理装置。
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