JP3922625B2 - 熱硬化性樹脂の分解処理方法およびリサイクル方法 - Google Patents

熱硬化性樹脂の分解処理方法およびリサイクル方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱硬化性樹脂の分解処理方法およびリサイクル方法に関するものである。更に詳しくは、工場などから大量に廃棄されている産業廃棄物や、一般廃棄物中に大量に含まれていながら、これまでリサイクルが実現できていない熱硬化性樹脂を高速に大量に分解処理することができる熱硬化性樹脂の分解処理方法、及びその分解処理方法により得られる低分子量から中分子量の化合物を熱硬化性樹脂の原料として再利用する熱硬化性樹脂のリサイクル方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プラスチックの中でも熱硬化性樹脂は、優れた電気絶縁性・耐熱性・機械的強度を示すため、電気・電子部品、自動車部品等の材料として広く用いられている。しかし、熱硬化性樹脂は、一旦、硬化すると、熱により軟化・融解せず、溶剤にも溶解しないため、その硬化物をプラスチック原料として再生することは技術的に困難であった。
【0003】
近年、これらの課題を克服するための、超臨界流体を用いて熱硬化性樹脂を分解処理する方法が検討されている。例えば、超臨界水単独では難分解性な熱硬化性樹脂を分解処理およびリサイクルするために、超臨界又は亜臨界状態の、単核フェノール類化合物又は水/単核フェノール類化合物の溶液中で可溶化処理する方法が検討されている(特開2001−151933号公報)。この方法では、酸触媒やアルカリ触媒などを加えることなく、10分間程度の短い反応時間で熱硬化性樹脂が可溶化して、分子量200〜10,000のオリゴマー成分を回収できるとしている。
【0004】
上記の方法による熱硬化性樹脂のリサイクルにおいては、熱硬化性樹脂の分解効率の問題があり、分解効率を向上させるために、あらかじめ熱硬化性樹脂と反応溶媒を混合して高濃度スラリーとして分解処理する方法が考えられるが、加熱中や反応中にスラリー中の固体分の凝集や沈降が起こることで、分解効率が低下して重合物が生成したり、重合物が反応管の内壁に付着して、熱伝導効率を低下させるなどの問題が発生する。さらに、流通式装置で連続的に分解処理する場合には、スラリー中の固体分の凝集や沈降により、スラリー供給配管や反応管が閉塞して、分解処理を行うことができない場合が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、昇温過程および分解反応過程における高濃度スラリー中の固体分の凝集・沈降を抑制して、安定して高い分解率を達成できる、熱硬化性樹脂の分解処理方法及びリサイクル方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、スラリー安定性を向上させることが可能な分散剤を用いて、熱硬化性樹脂と反応溶媒からなるスラリーを形成し、超臨界又は亜臨界状態下で熱硬化性樹脂の分解処理を行うことにより分解効率を向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、
(1) 熱硬化性樹脂を、スラリー化して、単核フェノール類化合物又は水と単核フェノール類化合物との混合物を反応溶媒として、超臨界又は亜臨界状態において、200〜10,000の分子量を有するオリゴマーを主体とする低分子量から中分子量の化合物に分解する方法であって、熱硬化性樹脂が、該反応溶媒と、フェノール樹脂からなる分散剤とを混合してスラリー化されることを特徴とする熱硬化性樹脂の分解処理方法、
(2) フェノール樹脂からなる分散剤が、フェノール類とアルデヒド類とを縮重合反応させて合成される、分子量200〜100,000のノボラック型フェノール樹脂またはレゾール型フェノール樹脂であり、スラリー100重量部に対して0.05〜20重量部で添加される、前記第(1)項に記載の熱硬化性樹脂の分解処理方法、
(3) 単核フェノール類化合物が、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、及びアルキル置換フェノールの中から選ばれる、前記第(1)項又は第(2)項記載の熱硬化性樹脂の分解処理方法、
(4) 単核フェノール類化合物又は水と単核フェノール類化合物との混合物が、分解処理して生成した200〜10,000の分子量を有するオリゴマーを主体とする低分子量から中分子量の化合物から分離、精製して得られたものである、前記第(1)項〜第(3)項のいずれかに記載の熱硬化性樹脂の分解処理方法、
(5) 熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、及びユリア樹脂の中から選択された1種又は2種以上である、前記第(1)項〜第(4)項のいずれかに記載の熱硬化性樹脂の分解処理方法、
(6) 前記第(1)項〜第(5)項のいずれかに記載の分解処理方法により、熱硬化性樹脂を分解して得られた200〜10,000の分子量を有するオリゴマーを主体とする低分子量から中分子量の化合物を、熱硬化性樹脂の原料として再利用する熱硬化性樹脂のリサイクル方法、
を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の熱硬化性樹脂の分解処理方法は、分解処理される熱硬化性樹脂をスラリー化し、単核フェノール類化合物又は水と単核フェノール類化合物との混合物を反応溶媒として、超臨界又は亜臨界状態下で分解処理して、200〜10,000の分子量を有するオリゴマーを主体とする低分子量から中分子量の化合物に分解する方法であり、スラリー化においては、分解処理される熱硬化性樹脂と、該反応溶媒と、フェノール樹脂からなる分散剤とを混合してスラリー化されることを特徴とするものである。
【0009】
本発明において、スラリー化における分散剤に用いるフェノール樹脂としては、フェノール類とアルデヒド類とを縮重合反応させて合成されるノボラック型フェノール樹脂またはレゾール型フェノール樹脂が好適に挙げられる。フェノール類としては、フェノールの他、レゾルシン,カテコール等の2価フェノール、クレゾール,キシレノール等のアルキル置換フェノール、ビスフェノールA,ビスフェノールF,ビスフェノールS等の2核フェノールなどが挙げられ、いずれを用いたものでも良い。また、アルデヒド類としては、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、アセトアルデヒド等が挙げられ、いずれを用いたものでも良い。これらの内、コストの面で、フェノールとホルマリンから合成したノボラック型フェノール樹脂が好ましい。
【0010】
スラリー化における分散剤に用いるフェノール樹脂の分子量は、重量平均で200〜 100,000程度の範囲であるが、好ましくは200〜50,000であり、更に好ましくは400〜20,000の範囲である。上記範囲よりも低分子量の場合は、スラリー安定性に与える効果が得られなくなる恐れがある。また、上記範囲よりも高分子量の場合は、反応溶媒へのフェノール樹脂の溶解性が劣る恐れがあり、その場合、均一なスラリーを調整するために必要な混合時間が長くなる。
【0011】
また、スラリー化における分散剤に用いるフェノール樹脂の添加量は、スラリー100重量部に対して、好ましくは0.05〜20重量部の範囲であり、さらに好ましくは、0.1〜5重量部の範囲である。上記の添加量の範囲より少ないとスラリー安定性に与える効果が得られなくなる恐れがある。また、添加量が上記範囲よりも多いと、好ましい上限値の効果と比べ格段の効果が得られずにコスト高となり、さらに、スラリーの粘度が増加しすぎることで、その流動性が低下して、分解反応に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0012】
本発明においてスラリーの形成は、リボン型混合機、ボールミル、湿式粉砕攪拌機などの混合装置を用いて、熱硬化性樹脂、反応溶媒、分散剤を混合することで行う。混合前は、熱硬化性樹脂は固形、液状、ペースト状等、反応溶媒は液状であり、分散剤は、固形、半固形、液状、ワニス、いずれの状態でもよい。また、熱硬化性樹脂、反応溶媒、分散剤それぞれを混合する順番に特に限定はないが、通常は、あらかじめ分散剤を反応溶媒に溶解させた溶液を調整してから、熱硬化性樹脂を加えてスラリー化すると効率がよい。さらに、スラリー化する際に、40〜100℃程度で加熱しながら処理すると効率がよい。
【0013】
本発明において反応溶媒として用いる単核フェノール類化合物は、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、及びアルキル置換フェノールが好適に挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。これらの内、コスト面および分解反応に与える効果から、フェノールが好ましい。
【0014】
本発明において、反応溶媒として用いる、水と単核フェノール類化合物の混合溶媒の組成は、単核フェノール類化合物100重量部に対して水0〜500重量部の範囲が好ましく、更に好ましくは、単核フェノール類化合物100重量部に対して水5〜50重量部の範囲である。
【0015】
本発明において、分解処理される熱硬化性樹脂に対して用いる単核フェノール類化合物又は水と単核フェノール類化合物との混合物の使用割合は、熱硬化性樹脂100重量部に対して、50〜1000重量部の範囲が好ましく、更に好ましくは100〜400重量部の範囲である。
単核フェノール類化合物又は水と単核フェノール類化合物との混合物が上記の範囲よりも少なくなると、熱硬化性樹脂の分解反応を円滑に進行させるのが困難になる恐れがある。一方、上記の範囲よりも多くなると、好ましい上限値の効果と比べ格別の効果は得られず、その場合、溶媒を加熱するために要する熱量が増加するため、熱エネルギーの消費が多くなる。
【0016】
本発明の方法で分解される熱硬化性樹脂は、硬化した樹脂、未硬化もしくは半硬化の樹脂、樹脂を含有するワニスなどを含むものとする。また、単独の熱硬化性樹脂の他に、シリカ微粒子、ガラス繊維等の無機質系や、木粉等の有機質系の充填剤を含む成形材料もしくは成形品、ガラス布のような無機質系や、紙、布等の有機質系基材を用いた積層板、これに銅箔等の金属箔を張り合わせた金属張り積層板、さらには銅張り積層板などを加工して得られるプリント回路板のような熱硬化性樹脂製品も含むものとする。
また、熱硬化性樹脂の種類としては、特に限定されるものではないが、本発明は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂について、特に効果的に適応できる。
【0017】
本発明で熱硬化性樹脂から回収できる200〜10,000の分子量を有するオリゴマーを主体とする低分子量から中分子量の化合物は、通常、熱硬化性樹脂製品を製造する際に用いられるプレポリマーと同程度の分子量であるため、必要に応じて精製を行うことにより、熱硬化性樹脂製品の化学原料(プレポリマー)として再利用することができる。
【0018】
また、分解処理に供する熱硬化性樹脂の大きさには特に制限はなく、粉砕に要するコスト、分解速度、スラリーの安定性を考慮して、最適な大きさを選択すればよい。安定したスラリ―を調整するために、通常は粒子径500μm以下であり、好ましくは250μm以下、更に好ましくは100μm以下である。
【0019】
本発明において、分解条件としては、温度及び圧力を、通常、温度が200〜500℃、圧力が1〜60Mpaの範囲で、超臨界又は亜臨界の条件に調製すれば良いが、望ましくは、温度が300〜450℃、圧力が2〜40MPa範囲で温度および圧力を設定すれば良い。温度が上記の範囲よりも低くなると、熱硬化性樹脂の分解反応速度が小さいため、短時間での処理が困難になる。一方、上記の範囲よりも高くなると、熱分解などの副反応が併発して回収したオリゴマーの化学構造が変化するため、熱硬化性樹脂製品の化学原料としての再利用が困難になる。
また、反応時間は、1〜60分の範囲で調製できるが、通常は3〜30分程度で分解処理が終了する。
【0020】
本発明の熱硬化性樹脂の分解処理方法及びリサイクル方法は、酸、アルカリ触媒を用いることなく、超臨界あるいは亜臨界状態の単核フェノール類化合物又は水と単核フェノール類化合物との混合物からなる溶媒中で、熱硬化性樹脂を分解処理することで、分子量200〜10,000のオリゴマーを主体とする低〜中分子量化合物を回収することができる。さらに、上記方法で回収した200〜10,000の分子量を有するオリゴマーを主体とする低分子量から中分子量の化合物を、熱硬化性樹脂の原料として再利用することができる。これらの工程の例としては、図1のフローチャートのように示すことができる。
また、分散剤として添加したフェノール樹脂も分解するが、その生成物は200〜10,000の分子量を有するオリゴマーを主体とする低分子量から中分子量の化合物であるため、熱硬化性樹脂に由来する分解生成物と分離する必要がなく、そのまま熱硬化性樹脂の原料として再利用することができることが大きな利点である。
【0021】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は、これによって何ら限定されるものではない。
【0022】
[実施例1]フェノール樹脂成形材料の分解
熱硬化性樹脂として、フェノール樹脂成形材料(ノボラック型フェノール樹脂:44wt%、有機フィラー(木粉など):42wt%、無機フィラー(炭酸カルシウムなど):14wt%含有)を粉砕ふるいわけして、粒子径を250μm以下に調整したものを用いた。
上記フェノール樹脂成形材料58.3gと、フェノール85.6gと水21.3gの混合物からなる反応溶媒とを混合する際に、系内を60℃に加熱しながら、フェノールとホルムアルデヒドとを反応させて合成された、数平均分子量(以下、Mn)1000、重量平均分子量(以下、Mw)10,000のノボラック型フェノール樹脂(住友デュレズ(株)製 PR−50731)1.0gを添加してスラリー化した。
上記のスラリーを、オートクレーブ(内容積200cm3)に仕込んだのち、加熱して内温を400℃とすることで、反応器内圧を15MPaまで上昇させ高温高圧状態とした。400℃、15MPaで5分間保ったのち、冷却して常温常圧に戻した。反応終了後、分解生成物と反応溶媒の混合物から、常圧および減圧条件下で加熱することで、溶媒(フェノール、水)を除去して分解生成物64gを得た。この生成物をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させたのち、孔径1.0μmのフィルターでろ過して、ろ液をTHF可溶分とした。ろ過した後のフィルターに残った水不溶分は、フィルターに残ったTHF不溶残渣は、100℃で12時間乾燥させたのち秤量した。
その結果、THF不溶残渣のほとんどはフェノール樹脂成形材料中の無機フィラーであり、樹脂および有機フィラーは、ほぼ100%がTHF可溶分まで分解したことを確認した。このTHF可溶分の分子量を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略す)により分析したところ、Mn:750、Mw:2800のオリゴマーであることを確認した。
【0023】
[実施例2]フェノール樹脂成形材料の分解
実施例1において、分散剤として、フェノールとホルムアルデヒドとを反応させて合成されたMn:760、Mw:1,300のノボラック型フェノール樹脂(住友デュレズ(株)製 PR−51714)を用いた以外は、実施例1と同様な操作を行い、分解反応を行った。分解処理結果を表1にまとめて示す。
【0024】
【表1】
Figure 0003922625
【0025】
[実施例3]フェノール樹脂成形材料の分解
実施例1において、分散剤として、フェノールとホルムアルデヒドとを反応させて合成されたMn:240、Mw:440のレゾール型フェノール樹脂(住友デュレズ(株)製 PR−51501B)を用いた以外は、実施例1と同様な操作を行い、分解反応を行った。分解処理結果を表1にまとめて示す。
【0026】
[実施例4]フェノール樹脂成形材料の分解
実施例1において、分散剤として加えるノボラック型フェノール樹脂の量を0.3gとした以外は、実施例1と同様な操作を行い、分解反応を行った。分解処理結果を表1に示す。
【0027】
[比較例1]
実施例1において、分散剤を全く加えない以外は、実施例1と同様な操作を行い、分解反応を行った。分解処理結果を表1に示す。
【0028】
[比較例2]
実施例1において、分散剤として、アニオン性の界面活性剤である、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩(日本乳化剤(株)製 デスロールSH)を添加した以外は、実施例1と同様な
操作を行い、分解反応を行った。分解処理結果を表1に示す。
【0029】
表1に示した結果からわかるように、実施例1〜4に示した分解処理方法では、樹脂成分と有機フィラーの分解率は、ほぼ100%であり、反応容器内壁に重合物の付着はなかった。それに対して、比較例1,比較例2の分解処理方法では、樹脂成分と有機フィラーの分解率は80〜85%程度であり、反応容器内壁に黒色の重合物が付着していた。
比較例1,比較例2では、スラリーの安定性が不十分のために、加熱中および反応中にスラリー中の固体成分が沈降・凝集して、反応溶媒との接触が不十分となり、分解反応が十分に進行しなかったものである。それに対して、実施例1〜3では、分散剤としてスラリーに添加したフェノールノボラックの効果でスラリーの安定性が向上したために、効率的に分解反応が進行したものである。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、スラリー中の固体分の凝集・沈降を抑制して、高い分解率の達成と、重合物生成の抑制を実現することができる。また、上記方法で回収した分子量200〜10,000のオリゴマーを主体とする低〜中分子量化合物を含む分解生成物を、熱硬化性樹脂の原料として再利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の分解処理方法及びリサイクル方法の例を示すフローチャートである。

Claims (6)

  1. 熱硬化性樹脂を、スラリー化して、単核フェノール類化合物又は水と単核フェノール類化合物との混合物を反応溶媒として、超臨界又は亜臨界状態において、200〜10,000の分子量を有するオリゴマーを主体とする低分子量から中分子量の化合物に分解する方法であって、熱硬化性樹脂が、該反応溶媒と、フェノール樹脂からなる分散剤とを混合してスラリー化されることを特徴とする熱硬化性樹脂の分解処理方法。
  2. フェノール樹脂からなる分散剤が、フェノール類とアルデヒド類とを縮重合反応させて合成される、分子量200〜100,000のノボラック型フェノール樹脂またはレゾール型フェノール樹脂であり、スラリー100重量部に対して0.05〜20重量部で添加される、請求項1に記載の熱硬化性樹脂の分解処理方法。
  3. 単核フェノール類化合物が、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、及びアルキル置換フェノールの中から選ばれる、請求項1又は2記載の熱硬化性樹脂の分解処理方法。
  4. 単核フェノール類化合物又は水と単核フェノール類化合物との混合物が、分解処理して生成した200〜10,000の分子量を有するオリゴマーを主体とする低分子量から中分子量の化合物から分離、精製して得られたものである、請求項1〜3のいずれかに記載の熱硬化性樹脂の分解処理方法。
  5. 熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、及びユリア樹脂の中から選択された1種又は2種以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の熱硬化性樹脂の分解処理方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の分解処理方法により、熱硬化性樹脂を分解して得られた200〜10,000の分子量を有するオリゴマーを主体とする低分子量から中分子量の化合物を、熱硬化性樹脂の原料として再利用する熱硬化性樹脂のリサイクル方法。
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