JP2010168560A - 複合材料の分解方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】無機充填材および熱硬化性樹脂を含む複合材料を効率よく分解することができ、再利用が容易な状態で分解可能な複合材料の分解方法を提供する。
【解決手段】熱硬化性樹脂および無機充填材を含む複合材料を酸で処理することにより酸に溶解性を示す無機充填材を溶解除去し、続けてアルカリで処理することによりアルカリに溶解性を示す無機充填材を溶解除去し、その後、超臨界または亜臨界の状態で溶媒にて分解処理する。
【選択図】なし

Description

本発明は、複合材料の分解方法に関するものである。
従来、プラスチック廃棄物はそのほとんどが埋立処分あるいは焼却処分されており、資源として有効活用されていなかった。また、埋立処分では、埋立用地の確保が困難であることや埋立後の地盤が不安定化するといった問題点があり、一方、焼却処分では、炉の損傷、有機ガスや悪臭の発生、COの発生といった問題点があった。
そのため、平成7年に容器包装廃棄法が制定され、プラスチックの回収再利用が義務付けられるようになった。さらに、各種リサイクル法の施行にともない、プラスチックを含む製品の回収リサイクルの流れは加速する傾向にある。
これらの状況に合わせて、近年、プラスチック廃棄物を再資源化することが試みられており、その一つとして、超臨界水または亜臨界水を反応媒体としてプラスチックを分解・回収する方法が提案されている(特許文献1〜5参照)。
しかしながら、これらの方法ではプラスチックがランダムに分解されるために、一定品質の分解生成物を得ることが困難であった。
この問題点を解決する技術として、多価アルコールと多塩基酸からなるポリエステルを架橋剤で架橋した熱硬化性樹脂を、亜臨界水を用いて熱硬化性樹脂の熱分解温度未満で分解させることで、熱硬化性樹脂の原料として再利用できるモノマーと共に、スチレンフマル酸共重合体等の架橋剤と多塩基酸の共重合体を得る技術が提案されている(特許文献6参照)。
しかしながら、分解対象物としてのプラスチック廃棄物は、FRP(ガラス繊維強化プラスチック)に代表されるような複合材料であり、これには一般にガラス繊維、炭酸カルシウムや水酸化アルミニウム等の無機充填材を含有している。このような無機充填材を含んだ状態で複合材料を分解することは非効率的であることに加えて、分解後は熱硬化性樹脂の分解生成物と無機充填材の混合物となるため、再利用する上で問題となる。
特表昭56−501205号公報 特開昭57−4225号公報 特開平5−31000号公報 特開平6−279762号公報 特開平10−67991号公報 国際公開WO2005/092962号パンフレット
本発明は以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、無機充填材および熱硬化性樹脂を含む複合材料を効率よく分解することができ、再利用が容易な状態で分解可能な複合材料の分解方法を提供することを課題としている。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下のことを特徴としている。
第1に、熱硬化性樹脂および無機充填材を含む複合材料を酸で処理することにより酸に溶解性を示す無機充填材を溶解除去し、続けてアルカリで処理することによりアルカリに溶解性を示す無機充填材を溶解除去し、その後、超臨界または亜臨界の状態で溶媒にて分解処理する。
第2に、上記第1の発明において、複合材料に含まれる無機充填材が酸に溶解性を示す無機充填材とアルカリに溶解性を示す無機充填材であり、このうち酸に溶解性を示す無機充填材が、炭酸カルシウムおよび水酸化アルミニウムのうち少なくともいずれかの無機物である。
第3に、上記第1の発明において、複合材料に含まれる無機充填材が酸に溶解性を示す無機充填材とアルカリに溶解性を示す無機充填材であり、このうちアルカリに溶解性を示す無機充填材が、ガラス繊維およびシリカ粒子のうち少なくともいずれかの無機物である。
第4に、上記第1から第3のいずれかの発明において、複合材料を酸またはアルカリで処理する際に、補助エネルギーを与える。
第5に、上記第4の発明において、補助エネルギーが、超音波またはマイクロ波である。
第6に、上記第1から第5のいずれかの発明において、分解処理後の分解液をろ過もしくは比重差を利用して固液分離して分解液から固形分を除去する。
第7に、上記第1から第6のいずれかの発明において、超臨界または亜臨界の状態での分解処理に使用する溶媒が水である。
第8に、上記第1から第7のいずれかの発明において、複合材料の分解処理温度が、熱硬化性樹脂の熱分解温度未満である。
第9に、上記第1から第8のいずれかの発明において、複合材料の酸処理およびそれに続くアルカリ処理の一連の処理を複数回繰り返し行った後、超臨界または亜臨界の状態で分解処理する。
上記第1の発明によれば、無機充填材が除去されて熱硬化性樹脂の比率が高まった複合材料を分解処理するため、多量の熱硬化性樹脂の分解処理が可能になり、熱硬化性樹脂の分解処理量および分解処理効率が向上する。また分解処理前に複合材料から無機充填材が除去されているため、分解処理後の複合材料の分解液には無機充填材がほとんど含まれておらず、再利用が容易である。
上記第2の発明によれば、複合材料に含まれる炭酸カルシウムや水酸化アルミニウムを効率よく除去することができる。
上記第3の発明によれば、複合材料に含まれるガラス繊維やシリカ粒子を効率よく除去することができる。
上記第4および第5の発明によれば、無機充填材の除去効率をさらに向上させることができる。
上記第6の発明によれば、酸処理やアルカリ処理を施しても溶解せずに残存した無機充填材や顔料、未分解の熱硬化性樹脂を確実に除去することができ、熱硬化性樹脂の分解物の純度を高めることができる。
上記第7の発明によれば、超臨界または亜臨界の状態において水が持つ強力な加水分解能力を利用して熱硬化性樹脂の分解を促進させることができる。
上記第8の発明によれば、熱分解による熱硬化性樹脂のランダムな分解を抑制することができるため、熱硬化性樹脂の分解物の化学組成や分子量分布が安定して得られる。
上記第9の発明によれば、複合材料の酸処理およびアルカリ処理を複数回繰り返し行うことにより、複合材料に含まれる酸に溶解性を示す無機充填材およびアルカリに溶解性を示す無機充填材をより確実に溶解させることができ、それら無機充填材の全部または略全部を複合材料から除去することが可能となる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明において分解の対象物は、熱硬化性樹脂および無機充填材を含む複合材料であり、例えば、FRP(ガラス繊維強化プラスチック)が挙げられる。FRPは無機充填材として主に、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ガラス繊維を含有している。
熱硬化性樹脂の具体例としては、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
本発明が適用される熱硬化性樹脂は、主として加熱等により硬化(架橋)された樹脂であるが、本発明を適用したときに上記した効果を得ることができるものであれば、加熱等により硬化(架橋)が進行する未硬化の樹脂または部分的に硬化された樹脂であってもよい。
無機充填材の具体例としては、炭酸カルシウムや水酸化アルミニウム、ガラス繊維、シリカ粒子等が挙げられる。炭酸カルシウムや水酸化アルミニウムは酸に溶解性を示す無機物であり、本発明においては、複合材料を酸に接触させることで複合材料に含まれる炭酸カルシウムや水酸化アルミニウム等の酸溶解性の無機物を複合材料から溶解除去することができる。ガラス繊維やシリカ粒子はアルカリに溶解性を示す無機物であり、本発明においては、複合材料をアルカリに接触させることで複合材料に含まれるガラス繊維やシリカ粒子等のアルカリ溶解性の無機物を複合材料から溶解除去することができる。
また本発明の分解の対象物である複合材料には、酸化チタンやカーボンブラック等の顔料が含有されていてもよい。
本発明は、前記複合材料を溶媒で分解処理する前に、あらかじめ複合材料を酸で処理し、続けてアルカリで処理して複合材料に含まれる酸溶解性の無機充填材やアルカリ溶解性の無機充填材の一部または全部を溶解除去する。ここで、酸処理とアルカリ処理の順序は必須である。その理由としては、複合材料に含まれる無機充填材について、アルカリに溶解性を示す無機充填材のアルカリに対する溶解性が、一般的には、酸に溶解性を示す無機充填材の酸に対する溶解性よりも低いためである。例えば、複合材料としてFRPを用いた場合について説明する。FRPには上述したように無機充填材として主に、酸溶解性の無機物である炭酸カルシウムと水酸化アルミニウム、アルカリ溶解性の無機物であるガラス繊維を含有している。ガラス繊維の周辺には多量の炭酸カルシウムや水酸化アルミニウムが存在するため、酸処理が施されていない状態でアルカリ処理を施すと、炭酸カルシウムや水酸化アルミニウムが障害となってガラス繊維の溶解に時間がかかる。そこで、ガラス繊維に比べて比較的溶解性が高い炭酸カルシウムと水酸化アルミニウムをアルカリ処理前に酸処理を施して溶解除去しておくことによって、酸およびアルカリの処理時間を全体を通じて短縮している。特にガラス繊維はその大きさがmm単位であって炭酸カルシウムや水酸化アルミニウムと比較して形状が大きく溶解に時間を要するものであるが、ガラス繊維の周辺に炭酸カルシウムや水酸化アルミニウムが存在していると溶解時間がより顕著に増大する。このため本発明では、最初に酸処理を施して炭酸カルシウムと水酸化アルミニウムを溶解除去し、続けてアルカリ処理を施してガラス繊維を溶解除去することによって、無機充填材の溶解除去のための処理時間を短縮し、無機充填材の除去効率の向上を図っている。
本発明において用いられる酸の種類としては、特に限定されるものではないが、水溶性で安価な強酸が好適であり、具体的には塩酸、硫酸、硝酸等を例示することができる。
またアルカリの種類についても、特に限定されるものではないが、水溶性で安価な強アルカリが好適であり、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を例示することができる。
酸やアルカリの添加量は、複合材料に含まれる酸溶解性の無機充填材やアルカリ溶解性の無機充填材の量によって化学量論的に必要な量が設定される。酸溶解性の無機充填材を略完全に効率よく溶解させたいときには、酸の添加量が、酸で溶解する無機充填材を100%溶かすことのできる量の2倍以上の量に設定されることが好ましい。上限値は特に制限されないが、排水処理等を考慮すると例えば2.5倍程度とすることができる。アルカリの添加量についても、酸の添加量と同様、アルカリで溶解する無機充填材を100%溶かすことのできる量の2倍以上の量に設定されることが好ましく、その上限値を例えば2.5倍程度とすることができる。
酸やアルカリの処理方法は、例えば、酸水溶液またはアルカリ水溶液に複合材料を添加し、30〜100℃程度に加熱しながら攪拌することによって行われる。複合材料を酸やアルカリと効果的に接触させて複合材料中の無機充填材を効率よく溶解除去するために、あらかじめ複合材料を粒径1〜20mm程度、好ましくは最大粒径2mm以下の大きさに粉砕しておくことが好ましい。
本発明において複合材料を酸またはアルカリで処理する際には、無機充填材の溶解を促進させ、無機充填材の除去効率をさらに向上させるために、複合材料や酸、アルカリに補助エネルギーを与えることが好ましい。具体的な態様としては、上述したように、複合材料を添加した酸水溶液やアルカリ水溶液の加熱(30〜100℃)や攪拌が挙げられるが、好適には超音波やマイクロ波を照射することである。超音波発生装置として市販されているものには、主に低周波タイプ(24kHz前後)、標準タイプ(40kHz前後)、高周波タイプ(100kHz前後)があり、本発明では周波数20〜50kHzの超音波を照射することが好ましく、なかでも周波数20〜30kHz程度の低周波を照射することが好ましい。マイクロ波については、一般的には周波数が2.45GHz(2400〜2500MHz)や915MHz(902〜928MHz)のものを照射することが考慮される。本発明においては、特に、複合材料を添加した酸水溶液やアルカリ水溶液に超音波を照射しながら加熱したり、マイクロ波を照射しながら攪拌することで無機充填材の除去効率をさらに向上させることができる。
以上のように複合材料を酸およびアルカリで処理することにより複合材料から無機充填材が効果的に除去されるため、酸処理およびアルカリ処理した後の複合材料は、熱硬化性樹脂の比率が比較的に高くなっている。複合材料中の熱硬化性樹脂の比率をさらに高めるために、複合材料の酸処理およびそれに続くアルカリ処理の一連の処理を複数回、例えば、2〜4回程度繰り返し行って、複合材料に含まれる酸に溶解性を示す無機充填材およびアルカリに溶解性を示す無機充填材をより確実に溶解除去するようにしてもよい。引き続いて行われる分解処理は、複合材料中の熱硬化性樹脂を分解するものであるが、その分解処理の反応場としての容器は大きさが限られているため、分解処理量は容器に供される複合材料の体積量によって決定される。したがって、複合材料中の熱硬化性樹脂の比率が高いほどそれに比例して熱硬化性樹脂の分解処理量が増大し、分解処理効率も向上する。
本発明において複合材料の分解処理は、複合材料に水やアルコール等の溶媒を添加して超臨界または亜臨界の状態でなされる。例えば、複合材料に水を加え、温度および圧力を上昇させて水を臨界点(臨界温度374.4℃、臨界圧力22.1MPa)以下の亜臨界状態にすると、複合材料中の熱硬化性樹脂は、加水分解反応によりその熱硬化性樹脂の原料であるモノマーやオリゴマー等に分解される。この複合材料の分解処理では、分解を促進するためにアルカリを共存させた水を用いてもよい。ここで水の添加量は特に制限されるものではないが、例えば、熱硬化性樹脂100重量部に対して水の添加量を200〜500重量部の範囲にすることが好ましい。使用するアルカリの種類としては、水に可溶で比較的安価なものが望ましく、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等が挙げられる。アルカリの濃度は0.08N〜2Nが望ましい。
本発明において、複合材料の分解処理温度は、熱硬化性樹脂の熱分解温度未満であることが好ましい。具体的な分解処理温度は熱硬化性樹脂の種類によって異なるが、例えば、不飽和ポリエステル樹脂の場合は180〜270℃の範囲に設定される。分解反応時の温度が180℃未満であると、分解処理に多大な時間を要するため処理コストが高くなる場合があるので好ましくない。270℃を超えると、熱分解の影響が大きくなり、分解物を再利用することができない場合があるので好ましくない。分解時間は、分解温度等の条件によって異なるが、熱分解が生じない温度以下では1〜4時間程度が好ましいが、特に限定されるものではない。分解反応時における圧力は、分解温度等の条件によって異なるが、好ましくは2〜15MPaの範囲である。
分解処理後の分解液には、一部の無機充填材や顔料が上記酸処理やアルカリ処理によっても溶解せずに残存している場合がある。また未分解の熱硬化性樹脂が残存している場合もある。これらは固形分として分解液中に残存しているため、ろ過もしくは遠心分離等の比重差を利用する方法により固液分離して分解液から固形分を除去し、分解物を回収することができる。このように分解処理後の分解液を固液分離することによって無機充填材や顔料の除去率が向上するため、分解の対象物としての複合材料が無機充填材や顔料の種類、量が異なった複合材料の混合物であっても、分解物の品質が安定するという利点がある。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
不飽和ポリエステルと架橋剤のスチレンを等モル量配合した液状樹脂100重量部に無機充填材として炭酸カルシウム100重量部、水酸化アルミニウム100重量部、硬化剤2重量部、増粘剤として酸化マグネシウム1重量部を加えて攪拌し、コンパウンドを得た。
次にSMCシート化装置を使って、上記コンパウンドとガラス繊維100重量部でSMCシートを作製し、40℃で24時間熟成後、プレス成形して複合材料Aを得た。
さらに、この複合材料Aを2mmアンダー程度に粉砕した。
複合材料A4gに対して、1mol/lの塩酸70ml(HCl量で2.56g)を添加し、40℃に加熱しながら攪拌して炭酸カルシウムと水酸化アルミニウムを溶解した後、十分に洗浄しながら固液分離して残渣を得た。
次にこの残渣に1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液を35ml(NaOH量で1.4g)添加し、40℃に加熱しながら攪拌してガラス繊維を溶解した後、十分に洗浄しながら固液分離して乾燥し、残渣1.23gを得た。
次に残渣1.23gと0.8Nの水酸化ナトリウム水溶液16gを反応管に仕込み、230℃の恒温槽に浸漬し、亜臨界状態にして2時間浸漬したまま放置し、熱硬化性樹脂の分解処理を行った。
その後、反応管を恒温槽から取り出して冷却槽に浸漬し、反応管を急冷して室温まで戻した。分解処理後の反応管の内容物をろ過して、水溶液と固形分を分離して反応管からそれぞれ回収した。
処理条件、樹脂分解率等の結果を表1に示す。なお、樹脂分解率は下記式から求めた。
樹脂分解率=(分解前のFRP中に含まれる樹脂の重量−分解後の固形分残渣中に含まれる樹脂の重量)/分解前のFRP中に含まれる樹脂の重量×100
<実施例2>
熱硬化性アクリル樹脂100重量部、炭酸カルシウム100重量部、平均粒径10μmのシリカ粒子100重量部、硬化剤2重量部を加えて攪拌し、注型成形して複合材料Bを得た。
さらに、この複合材料Bを2mmアンダー程度に粉砕した。
複合材料B4gに対して、1mol/lの塩酸35ml(HCl量で1.28g)を添加し、40℃に加熱しながら攪拌して炭酸カルシウムを溶解した後、十分に洗浄しながら固液分離して残渣を得た。
次にこの残渣に1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液を45ml(NaOH量で1.8g)添加し、40℃に加熱しながら攪拌してシリカ粒子を溶解した後、十分に洗浄しながら固液分離して乾燥し、残渣1.61gを得た。
次に残渣1.61gと0.8Nの水酸化ナトリウム水溶液16gを反応管に仕込み、230℃の恒温槽に浸漬し、亜臨界状態にして2時間浸漬したまま放置し、熱硬化性樹脂の分解処理を行った。
その後、反応管を恒温槽から取り出して冷却槽に浸漬し、反応管を急冷して室温まで戻した。分解処理後の反応管の内容物をろ過して、水溶液と固形分を分離して反応管からそれぞれ回収した。
処理条件、樹脂分解率等の結果を表1に示す。
<実施例3>
不飽和ポリエステルと架橋剤のスチレンを等モル量配合した液状樹脂100重量部に無機充填材として炭酸カルシウム100重量部、水酸化アルミニウム100重量部、硬化剤2重量部、増粘剤として酸化マグネシウム1重量部を加えて攪拌し、コンパウンドを得た。
次にSMCシート化装置を使って、上記コンパウンドとガラス繊維100重量部でSMCシートを作製し、40℃で24時間熟成後、プレス成形して複合材料Cを得た。
さらに、この複合材料Cを2mmアンダー程度に粉砕した。
複合材料C4gに対して、1mol/lの塩酸70ml(HCl量で2.56g)を添加し、超音波(24kHz)を照射しながら炭酸カルシウムと水酸化アルミニウムを溶解した後、十分に洗浄しながら固液分離して残渣を得た。
次にこの残渣に1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液を35ml(NaOH量で1.4g)添加し、超音波(24kHz)を照射しながらガラス繊維を溶解した後、十分に洗浄しながら固液分離して乾燥し、残渣1.18gを得た。
次に残渣1.18gと0.8Nの水酸化ナトリウム水溶液16gを反応管に仕込み、230℃の恒温槽に浸漬し、亜臨界状態にして2時間浸漬したまま放置し、熱硬化性樹脂の分解処理を行った。
その後、反応管を恒温槽から取り出して冷却槽に浸漬し、反応管を急冷して室温まで戻した。分解処理後の反応管の内容物をろ過して、水溶液と固形分を分離して反応管からそれぞれ回収した。
処理条件、樹脂分解率等の結果を表1に示す。
<実施例4>
不飽和ポリエステルと架橋剤のスチレンを等モル量配合した液状樹脂100重量部に無機充填材として炭酸カルシウム100重量部、水酸化アルミニウム100重量部、硬化剤2重量部、増粘剤として酸化マグネシウム1重量部を加えて攪拌し、コンパウンドを得た。
次にSMCシート化装置を使って、上記コンパウンドとガラス繊維100重量部でSMCシートを作製し、40℃で24時間熟成後、プレス成形して複合材料Dを得た。
さらに、この複合材料Dを2mmアンダー程度に粉砕した。
複合材料D4gに対して、1mol/lの塩酸70ml(HCl量で2.56g)を添加し、マイクロ波(2.45GHz)を照射しながら炭酸カルシウムと水酸化アルミニウムを溶解した後、十分に洗浄しながら固液分離して残渣を得た。
次にこの残渣に1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液を35ml(NaOH量で1.4g)添加し、マイクロ波(2.45GHz)を照射しながらガラス繊維を溶解した後、十分に洗浄しながら固液分離して乾燥し、残渣1.06gを得た。
次に残渣1.06gと0.8Nの水酸化ナトリウム水溶液16gを反応管に仕込み、230℃の恒温槽に浸漬し、亜臨界状態にして2時間浸漬したまま放置し、熱硬化性樹脂の分解処理を行った。
その後、反応管を恒温槽から取り出して冷却槽に浸漬し、反応管を急冷して室温まで戻した。分解処理後の反応管の内容物をろ過して、水溶液と固形分を分離して反応管からそれぞれ回収した。
処理条件、樹脂分解率等の結果を表1に示す。
<実施例5>
不飽和ポリエステルと架橋剤のスチレンを等モル量配合した液状樹脂100重量部に無機充填材として炭酸カルシウム100重量部、水酸化アルミニウム100重量部、硬化剤2重量部、増粘剤として酸化マグネシウム1重量部、顔料として酸化チタン10重量部を加えて攪拌し、コンパウンドを得た。
次にSMCシート化装置を使って、上記コンパウンドとガラス繊維100重量部でSMCシートを作製し、40℃で24時間熟成後、プレス成形して複合材料Eを得た。
さらに、この複合材料Eを2mmアンダー程度に粉砕した。
複合材料E4gに対して、1mol/lの塩酸70ml(HCl量で2.56g)を添加し、マイクロ波を照射しながら炭酸カルシウムと水酸化アルミニウムを溶解した後、十分に洗浄しながら固液分離して残渣を得た。
次にこの残渣に1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液を35ml(NaOH量で1.4g)添加し、マイクロ波(2.45GHz)を照射しながらガラス繊維を溶解した後、十分に洗浄しながら固液分離して乾燥し、残渣1.20gを得た。
次に残渣1.20gと0.8Nの水酸化ナトリウム水溶液16gを反応管に仕込み、230℃の恒温槽に浸漬し、亜臨界状態にして2時間浸漬したまま放置し、熱硬化性樹脂の分解処理を行った。
その後、反応管を恒温槽から取り出して冷却槽に浸漬し、反応管を急冷して室温まで戻した。分解処理後の反応管の内容物を取り出し、遠心分離器で3000rpm10分間処理した後に水溶液と固形分を分離してそれぞれ回収した。この場合、酸化チタンは比重が大きいので、遠心分離で酸化チタンを沈降させて分離した。
処理条件、樹脂分解率等の結果を表1に示す。
<実施例6>
複合材料Aに対して、1mol/lの塩酸117ml(HCl量で4.27g)を添加し、その残渣に1mol/lの水酸化ナトリウム水溶液を66ml(NaOH量で2.64g)添加した以外は、実施例1と同様である。
処理条件、樹脂分解率等の結果を表1に示す。
<実施例7>
実施例1において、複合材料Aに対する酸処理およびアルカリ処理の一連の処理を3回繰り返し、その残渣について亜臨界水分解したところ、実施例1に比べて樹脂分解率が向上し、樹脂分解液中の無機含有率が低減していることが確認できた。
<比較例>
不飽和ポリエステルと架橋剤のスチレンを等モル量配合した液状樹脂100重量部に無機充填材として炭酸カルシウム100重量部、水酸化アルミニウム100重量部、硬化剤2重量部、増粘剤として酸化マグネシウム1重量部を加えて攪拌し、コンパウンドを得た。
次にSMCシート化装置を使って、上記コンパウンドとガラス繊維100重量部でSMCシートを作製し、40℃で24時間熟成後、プレス成形して複合材料Fを得た。
さらに、この複合材料Fを2mmアンダー程度に粉砕した。
複合材料F4gに対して、1mol/lの塩酸70ml(HCl量で2.56g)を添加し、40℃に加熱しながら攪拌して炭酸カルシウムと水酸化アルミニウムを溶解した後、十分に洗浄しながら固液分離して残渣2.22gを得た。
次に残渣2.22gと0.8Nの水酸化ナトリウム水溶液16gを反応管に仕込み、230℃の恒温槽に浸漬し、亜臨界状態にして2時間浸漬したまま放置し、熱硬化性樹脂の分解処理を行った。
その後、反応管を恒温槽から取り出して冷却槽に浸漬し、反応管を急冷して室温まで戻した。分解処理後の反応管の内容物をろ過して、水溶液と固形分を分離して反応管からそれぞれ回収した。
処理条件、樹脂分解率等の結果を表1に示す。
Figure 2010168560
表1の結果より、実施例1−7では、熱硬化性樹脂と無機充填材を含む複合材料を溶媒で分解処理する前に、酸およびアルカリで処理することにより、アルカリ処理を施していない比較例と比べて、熱硬化性樹脂の分解率を向上させることが確認できた。
また、実施例のなかでも、酸とアルカリで処理する際に超音波やマイクロ波を照射した実施例3−5は無機充填材の溶解率が向上し、その結果熱硬化性樹脂の分解率が向上することが確認できた。

Claims (9)

  1. 熱硬化性樹脂および無機充填材を含む複合材料を酸で処理することにより酸に溶解性を示す無機充填材を溶解除去し、続けてアルカリで処理することによりアルカリに溶解性を示す無機充填材を溶解除去し、その後、超臨界または亜臨界の状態で溶媒にて分解処理することを特徴とする複合材料の分解方法。
  2. 複合材料に含まれる無機充填材が酸に溶解性を示す無機充填材とアルカリに溶解性を示す無機充填材であり、このうち酸に溶解性を示す無機充填材は、炭酸カルシウムおよび水酸化アルミニウムのうち少なくともいずれかの無機物であることを特徴とする請求項1に記載の複合材料の分解方法。
  3. 複合材料に含まれる無機充填材が酸に溶解性を示す無機充填材とアルカリに溶解性を示す無機充填材であり、このうちアルカリに溶解性を示す無機充填材が、ガラス繊維およびシリカ粒子のうち少なくともいずれかの無機物であることを特徴とする請求項1に記載の複合材料の分解方法。
  4. 複合材料を酸またはアルカリで処理する際に、補助エネルギーを与えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の複合材料の分解方法。
  5. 補助エネルギーが、超音波またはマイクロ波であることを特徴とする請求項4に記載の複合材料の分解方法。
  6. 分解処理後の分解液をろ過もしくは比重差を利用して固液分離して分解液から固形分を除去することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の複合材料の分解方法。
  7. 超臨界または亜臨界の状態での分解処理に使用する溶媒が水であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の複合材料の分解方法。
  8. 複合材料の分解処理温度が、熱硬化性樹脂の熱分解温度未満であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の複合材料の分解方法。
  9. 複合材料の酸処理およびそれに続くアルカリ処理の一連の処理を複数回繰り返し行った後、超臨界または亜臨界の状態で分解処理することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の複合材料の分解方法。
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