図1乃至図13は、遊技機の1つであるパチンコ機を例とした発明を実施するための最良の形態である。図1は、遊技機枠1の前側からの外観を示す。図2は、遊技機枠1と横樋56と遊技盤150とを分解した前側からの外観を示す。図3は、可動枠3および横樋56を分解した裏側からの外観を示す。図4は、横樋56の前側からの外観を示す。図5のa図は、図4に示す横樋56をA−A線に沿い切断した断面であって、満タン検出機構70が満タン状態を検出していない形態を示す。図5のb図は、図4に示す横樋56をA−A線に沿い切断した断面であって、満タン検出機構70が満タン状態を検出している形態を示す。図6は、変更樋85の前側からの外観を示す。図7は、球皿構造体6と横樋56との配置関係の前側からの外観を示す。図8は、球皿構造体6とファール球取入口部47と横樋56と変更樋85との配置関係の平面を示す。図9は、図8に示すB−B線に沿い切断した断面に相当する断面を示す。図10は、図8に示すC−C線に沿い切断した断面に相当する断面を示す。図11は、図8に示すD−D線に沿い切断した断面に相当する断面を示す。図12のa図は、固定具67を分解した外観を示す。図12のb図は、固定具67を固定具取付部65に取り付けた断面を示す。図13のa図は、固定具67を横樋取付部51に挿入した断面を示す。図13のb図は、固定具67を横樋取付部51に取り付けた断面を示す。この明細書において、「前」、「後」、「裏」、「左」、「右」、「上」、「下」の方向は、図2の状態に遊技機枠1と横樋56および遊技盤150を置いて前側から見た場合に特定される方向である。「後」と「裏」とは同じ方向である。
図1を参照し、パチンコ機における遊技機枠1の概略について説明する。遊技機枠1は、固定枠2の前側に可動枠3を左側に位置するヒンジ4で前側の横方向に片開き可能にかつ着脱可能(交換可能)に取り付け、可動枠3の前側に、パネル枠5および球皿構造体6を左側に位置するヒンジ7で前側の横方向に片開き可能にかつ着脱可能(交換可能)に取り付けた構造である。固定枠2は、遊技店の島と呼ばれる図外の遊技機設置構造体に取り付けるための外枠と呼ばれ、前後方向に開放された縦長な長方形の空間を囲む額縁形状である。可動枠3は、前枠または中枠と呼ばれ、遊技主体としての遊技盤150を取り付けるものである。パネル枠5は、前後方向に貫通する窓8を囲む額縁形状である。パネル枠5の裏面には、光を透過する性質の有る無色なガラスまたは合成樹脂からなる前面パネル9が、窓8を塞ぐ格好で取り付けられる。球皿構造体6の前面には、球受皿部11と球発射操作機構12とを備える。
球受皿部11は、左右両側から中央に行くに従って徐々に前側に突出する平面視半月状の底壁13と、底壁13の前側における弧状の周縁から上方に突出した前壁14と、底壁13の左右方向に直線的に延びた後壁15とによって、遊技に使用する球を受ける上方に開放された収容部を構成する。球受皿部11の内部には、底壁13から上方に突出する中間壁16を備える。球受皿部11の後壁15には、左球取入口17が左端部に位置して設けられ、右球取入口18が右端部に位置して設けられる。球受皿部11の中間壁16と前壁14とそれらの間の底壁13とが、誘導路19を形成する。誘導路19は、左球取入口17から底壁に排出された球を、球受皿部11の左側から中央に向けて螺旋状に流れるように誘導する。球受皿部11の中間壁16と後壁15とそれらの間の底壁13とが、引込路20を形成する。引込路20は、誘導路19から排出された球や右球取入口18から底壁13に排出された球を、球受皿部11の後壁15に沿って左球取入口17の周囲における中間壁16および底壁13の下に流れ込むように誘導する。引込路20に誘導された球は、左球取入口17の真下に位置して球皿構造体6に設けられた球供給口21に到達する。
つまり、球受皿部11では、誘導路19が左球取入口17から排出された球を矢印X1で示す経路で引込路20へと誘導し、引込路20が誘導路19から排出された球と右球取入口18から排出された球とを矢印X2で示す経路で球供給口21へと誘導する。球受皿部11には、球受皿部11の球を球皿構造体6から下方に排出する球排出口22が、誘導路19と引込路20との交差する部分に設けられる。球排出口22は、蓋23で塞がれている。蓋23は、球皿構造体6の前面に設けられた球排出操作部24に図外のリンク機構で連結される。よって、人が球排出操作部24を押すと、蓋23が球排出口22を開くように移動し、球受皿部11の球が球排出口22を経由して球皿構造体6から下方に排出される。上記人による球排出操作部24への押す操作が解除されると、蓋23がリンク機構におけるばねのばね力で球排出口22を塞ぐように移動する。
図2を参照し、遊技機枠1の前側の内部構造について説明する。可動枠3には遊技盤150が前側から取り付けられ、可動枠3の裏面には球払出装置81が設けられ、可動枠3の前面には球皿構造体6が前側の横方向に片開き可能に設けられ、可動枠3と閉じられた球皿構造体6との間には、球を上方の遊技盤150の遊技領域153に向けて発射する球発射機構45と、球発射機構45から発射されて遊技領域153に到達することなく下方に戻ったファール球を取り込むファール球取入口部47と、ファール球取入口部47から可動枠3の裏側に排出されたファール球を遊技盤150より下部で左側から右側に誘導する横樋56とが配置され、球発射機構45およびファール球取入口部47が可動枠3の前面で左側に位置して取り付けられ、横樋56がファール球取入口部47より右側に連接され、横樋56には右球出口63が設けられ、球皿構造体6の前面には、遊技に使用する球を入れる球受皿部11と、球受皿部11の左側に位置する左球取入口17と、球受皿部11の右側に位置して横樋56の右球出口63から排出された球を球受皿部11に取り込むための右球取入口18と、球発射機構45に発射するための球を供給する球供給口21とが設けられ、球皿構造体6の裏面には球払出装置81から縦樋84を経由して払い出された球を球皿構造体6の左球取入口17に誘導する球受樋55が設けられる。
可動枠3は、前後方向に開放された縦長な長方形の空間を囲む額縁形状の光を遮断する性質の有る合成樹脂からなる可動枠本体26と、可動枠本体26から内部に延設された光を遮断する性質の有る合成樹脂からなる遊技主体収納構造体27とを備える。可動枠本体26の右側部には、施錠装置29とロック機構30;31;32が設けられる。可動枠3が、閉じられた場合、ロック機構30によって、固定枠2に、開閉不能に支持される。パネル枠5が、閉じられた場合、ロック機構31によって、可動枠本体26に、開閉不能に支持される。球皿構造体6が、閉じられた場合、ロック機構32によって、可動枠本体26に、開閉不能に支持される。可動枠3やパネル枠5および球皿構造体6が、閉じられ、ロック機構30乃至32で開閉不能に支持された状態において、遊技店の店員が、図外のキープレート(鍵)を遊技機枠1の前側から施錠装置29の鍵穴33に挿入し、当該キープレートを例えば右側に90度回転操作すると、固定枠2と可動枠3とのロック機構30による支持形態が解除される。この支持形態の解除後に、店員が、可動枠3を前側に引くことによって、可動枠3は、ヒンジ4を中心として前側に片開きされる。
上記施錠装置29の鍵穴33に挿入されたキープレートが、人によって例えば左側に90度回転操作されると、可動枠3とパネル枠5とのロック機構31による支持形態が解除される。この支持形態の解除後に、店員が、パネル枠5を前側に引くことによって、パネル枠5は、ヒンジ7を中心として前側に片開きされる。このように、パネル枠5が、前側に開かれた状態において、店員が、可動枠3の前面のロック解除操作体34を操作すると、可動枠3と球皿構造体6とのロック機構32による支持形態が解除される。この支持形態の解除後に、店員が、球皿構造体6を前側に引くことによって、球皿構造体6は、ヒンジ7を中心として前側に片開きされる。
遊技主体収納構造体27は、前側に開放された遊技主体収納室36、遊技主体収納室36の後壁に形成された前後方向に貫通する中央開口部37とを備える。遊技主体収納室36の左側部には、遊技盤150を裏側から前側に押圧する板ばねにより構成された遊技主体押圧部38と、遊技主体押圧部38で前側に押された遊技盤150を前側から受け止める遊技主体受部39とを備える。遊技主体収納室36の右側部には、遊技主体ロック部材40を備える。遊技主体ロック部材40は、遊技主体収納構造体27から前側に突出する台座の中心にロック操作部41を回転可能に備える。ロック操作部41は、台座から前側に突出した操作軸の端部に固定された横長な形態である。
遊技主体収納室36の下縁部は、遊技盤150の下部を搭載する左右方向に平坦な面としての遊技主体棚42を構成する。遊技主体棚42の裏面には、球機外排出樋43が取り付けられる。球機外排出樋43は、球案内体168から下方に排出された球を可動枠3から図外の遊技機設置構造体における球捕集機構に向けて排出する通路を遊技主体棚42の裏側に形成する。遊技主体棚42の前縁から下方に延設された前壁44の前面には、球発射機構45、発射レール46、ファール球取入口部47、横樋収納室48、シャッター49、シャッター解除機構50、横樋取付部51、横樋位置決め部52、逃部53を備える。
球発射機構45は、電力供給と遮断とを交互に受けることによって、球皿構造体6の球供給口21から発射レール46に供給された1個の球を遊技盤150の遊技領域153に向けて発射する。発射レール46は、球皿構造体6の球供給口21から供給された1個の球を受け取り、この受け取った球が球発射機構45で発射されると、この発射された球を、遊技盤150における球発射通路164の入口に誘導する。ファール球取入口部47は、遊技盤150の球発射通路164から落下する球を取り込み、取り込んだ球を前壁44の裏面に排出する。横樋収納室48は、横樋56を可動枠3の前側から装着するための部分であって、遊技主体棚42の真下に位置し、前壁44の前面から裏側に窪む、前側と左側とに開口した窪みである。
シャッター49は、横樋56が横樋収納室48に装着され、球皿構造体6が図2に示すように前側に開かれた場合、横樋56の球が横樋56の右端部における右球出口63から前側に落下するのを防止する部材であって、前壁44に図外のガイド機構で上下方向に移動可能に装着され、図外のばねで上方に跳ね上げて横樋56の右球出口63を閉じる。横樋56の構造については、図4および図5で詳述する。シャッター解除機構50は、開けられた球皿構造体6が可動枠3の方向に閉じられ、この球皿構造体6で押されることにより、シャッター49をばねのばね力に抗して下方に移動する。このシャッター解除機構50で下方に移動したシャッター49は、横樋56の右球出口63を開放する。横樋取付部51は、前壁44から前側に突出した筒状である。横樋位置決め部52は、前壁44から前側に突出した突起である。逃部53は、前壁44および横樋収納室48の下壁にわたり形成された前後方向および上下方向に貫通した貫通孔である。
球皿構造体6の裏面には、シャッター54および球受樋55が設けられる。シャッター54は、球皿構造体6が図2に示すように前側に開かれた場合、球受皿部11の球が球供給口21から裏側に落下するのを防止する部材であって、球皿構造体6の裏面に図外のガイド機構で上下方向に移動可能に装着され、図外のばねで上方に跳ね上げて球供給口21を閉じる。そして、開けられた球皿構造体6が可動枠3の方向に閉じられた場合、前壁44の側に設けられた図外の突起で下方に移動する。この下方に移動したシャッター54は、球供給口21を開放する。球受樋55は、可動枠3の裏側から排出される球を左球取入口17に誘導する部材であって、球皿構造体6が可動枠3の方向に閉じられた場合、横樋収納室48の左端部に挿入され、横樋収納室48に装着された横樋56の左端部における左球出口62に嵌合する。
遊技盤150は、方形な板状の前面における内ガイドレール151と外ガイドレール152とで囲まれた内側の遊技領域153に、チャッカ154、一般入賞部品155、始動入賞部品156、可変入賞部品157、センター飾り158、風車159、遊技釘160、球戻り防止弁161、球反発体162、アウト口163などの前部品を備える。内ガイドレール151の左側部と外ガイドレール152の左側部との間の隙間は、球発射機構45から発射された球を遊技領域153に案内する球発射通路164である。遊技盤150における内ガイドレール151および外ガイドレール152の外側の非遊技領域には、遊技盤150を可動枠3の遊技主体収納室36に固定するための取付部165が、遊技盤150の右側部の上下に位置して設けられる。取付部165は、遊技主体収納室36の遊技主体ロック部材40と係合するロック挿入孔166を備える。
非遊技領域の右側の下部には、証紙台167が、前後方向に開閉可能に設けられる。証紙台167が、遊技盤150との連結部である図外のヒンジを中心として前方に開かれることによって、下部の取付部165が、非遊技領域の前側から見える格好となる。そして、証紙台167が上記ヒンジを中心として後方に閉じられて証紙台受部169で受け止められると、取付部165が証紙台167で覆われて非遊技領域の前側から見えなくなる。閉じられた証紙台167の前面には、遊技盤150の検査に合格して販売の認可を受けたことを示すための図外の証紙が、貼り付けられる。遊技盤150の裏面には、集合樋と呼ばれる球案内体168が設けられる。球案内体168は、遊技盤150の遊技領域153から一般入賞部品155、始動入賞部品156、可変入賞部品157に取り込まれて遊技盤150の裏面に排出された球を下方の球機外排出樋43に排出するための部材である。
図3を参照し、可動枠3の裏側の構造について説明する。可動枠3の裏部、具体的には、遊技主体収納構造体27の裏面には、球払出装置81が設けられる。球払出装置81は、タンク構造体82、球払出機構83、縦樋84、変更樋85を備える。タンク構造体82および球払出機構83は、遊技主体収納構造体27における中央開口部37よりも上部の位置で左右に並べられ、遊技主体収納構造体27の裏面に取り付けられる。タンク構造体82は、遊技機設置構造体の球補給機構から供給された球を貯蔵する上方に開口した球貯蔵室86、球貯蔵室86に貯蔵された球を球払出機構83の球払出動作に伴い球貯蔵室86から球払出機構83の球入口に誘導する払出球通路部87を備える。球払出機構83は、球払出機構83における筐体の内部にスプロケットのような払出体88と払出球検出器89とを備え、上記筐体の外部に払出体88を回転駆動するステップモータのような図外のモータを払出駆動源として備え、タンク構造体82から球払出機構83に球が供給されている状態において、払出体88がモータで一方向に回転駆動されると、払出体88が球を1個ずつ分離しつつ賞球または貸球として払い出し、払出球検出器89が払出体88から払い出された球を電気的に検出して払出球検出信号を図外の制御装置に出力する。
縦樋84は、払出球検出器89を通過して球払出機構83から下部に排出された球を変更樋85に排出する通路90を内部に形成し、遊技主体収納構造体27における中央開口部37よりも左部の位置で中央開口部37の左縁に沿って縦に配置され、遊技主体収納構造体27の裏面に取り付けられる。変更樋85の構造については、図6で詳述する。変更樋85は、縦樋84の真下の位置で遊技主体収納構造体27の裏面に取り付けられる。変更樋85における払出球通路96の球出口99は、横樋収納室48の左端部で上壁91に形成された切欠部92に配置され、可動枠3に対し閉じられた球皿構造体6の球受樋55の真上に位置する。よって、球払出装置81から払い出された球は、変更樋85の払出球通路96を経由して図1に示す球皿構造体6の球受皿部11における左球取入口17に払い出される。変更樋85におけるファール球通路97の球出口101は、横樋収納室48の左端部に形成された開口部93と対向し、可動枠3に対し閉じられた球皿構造体6の球受樋55の左側に連接するように配置される。よって、ファール球取入口部47から払い出された球は、中継樋および横樋56を経由して図1に示す球皿構造体6の球受皿部11における右球取入口18に払い出される。横樋収納室48の後壁94には、位置決め部95が、後壁94を前後方向に貫通する孔を有する筒状で、後壁94から裏側に突出して設けられる。位置決め部95の孔には、横樋56の後壁59から裏側に突出した突起として形成された位置決め部69が嵌め込まれる。
図4を参照し、横樋56の構造について説明する。横樋56は、ファール球取入口部47から排出された球を可動枠3の裏側から排出される球として球皿構造体6の右球取入口18に誘導する通路を形成し、球受皿部11から横樋56まで球が満杯となったことを検出する機能を備える。横樋56では、左右方向に長い帯板状の底壁57の前縁と後縁および右縁から前壁58と後壁59および右壁60が上方に突出し、底壁57の左縁から左壁61が下方に突出し、後壁59と右壁60とが互いに連接され、前壁58の左端部が切除されて左球出口62を形成し、前壁の右端部が切除されて右球出口63を形成し、左球出口62の存在する底壁57および左壁61が前側から後側に窪むように切除されて球受樋収容部64を形成する。
横樋56の底壁57における上面は、横樋56が図2の横樋収納室48に嵌め込まれて可動枠3に取り付けられた場合、ファール球取入口部47から排出された球を矢印X3で示す経路を通るように左側から右側に流下させるとともに後壁59の方向に誘導するような、斜面になっている。右球出口63の存在する底壁57における上面は、横樋56が図2の横樋収納室48に嵌め込まれて可動枠3に取り付けられた場合、右球出口63の左右方向の幅にわたり、球を矢印X4で示す経路を通るように後側から前側に誘導するような、斜面になっている。底壁57の下面からは、固定具取付部65と位置決め部66とが下方に突出する。固定具取付部65には、固定具67が設けられる。位置決め部66には、位置決め孔68が前後方向に貫通する。底壁57には、満タン検出機構70が、左側から右側に流下させるとともに後壁59の方向に誘導するような斜面の部分において、矢印X3で示す経路から外れるように、前壁58の方向に寄った位置に設けられる。
図5を参照し、満タン検出機構70の構造について説明する。図5のa図において、満タン検出機構70は、作動板71とスイッチボックス72とを備える。作動板71は、底壁57に形成された方形な貫通孔73に挿入可能な大きさの方形板状である。作動板71が貫通孔73の内部に挿入され、作動板71の左端部と底壁57とが軸74で上下方向に回転可能に連結され、作動板71およびスイッチボックス72には、ばね75が掛け渡される。作動板71がばね75のばね力で軸74を中心として上方に跳ね上げられ、跳ね上げられた作動板71の右端部が底壁57の上面より上方に突出する。跳ね上げられた作動板71の右端部の下縁と底壁57の上面との間の隙間は、球Pが当該隙間から貫通孔73を経由して落下しないようにかつ当該隙間に挟まらないように、1個の球Pの直径よりも小さい。作動板71の下面には、突起76を備える。スイッチボックス72は、満タン検出器77のスイッチ釦78を上方に向け、満タン検出器77を内部に固定し、貫通孔73を塞ぐように、底壁57の下面に、底壁57の下側から止ねじ79で取り付けられる。止ねじ79の先端は、底壁57の上面に突出しない。
図5のb図に示すように、横樋56が図2の横樋収納室48に嵌め込まれて可動枠3に取り付けられ、球受皿部11から横樋56および満タン検出機構70まで球Pが満杯となり、当該球Pが作動板71の上に乗り、作動板71が上に乗った球の重さでばね75のばね力に抗して下方に回転し、突起76がスイッチ釦78を満タン検出器77のスイッチボディの方向に押す。これによって、満タン検出器77のスイッチボディの内部に設けられた可動接点がスイッチ釦78により固定接点と接触し、満タン検出器77がオン動作して電気的な満杯検出信号をスイッチボックス72の内部から外部に引き出された図外の配線で制御装置に出力し、満杯検出信号を受信した制御装置が球払出機構83のモータの駆動を停止し、球払出機構83による払出動作が停止する。
図6を参照し、変更樋85の構造について説明する。変更樋85は、払出球通路96とファール球通路97とを内部に備える。払出球通路96は、上部から右に曲がった後に下方に曲がる蛇行した通路であって、矢印X5;X6で示すように、縦樋84から下方に排出された球を横樋56の方向に向けて排出するように、球P1の流れる方向を縦方向から右方向に変更する。払出球通路96の球入口98は、変更樋85の上面に設けられる。払出球通路96の球出口99は、変更樋85における払出球通路96の上面を形成する下面に設けられ、横樋56の球受樋収納部64に配置された球受樋55の真上に位置する。よって、払出球通路96の球出口99から下方に向けて排出された球P1は、矢印X6で示す直線的な経路で球受樋55の上に落下する。ファール球通路97は、前側および右側に開口しかつ裏側と左側と上側および下側で閉じられた溝状の通路であって、矢印X7;X8で示すように、図2に示すファール球取入口部47から前壁44の裏面の側に排出された球P2を可動枠3の裏側から排出される球として横樋56に誘導する。ファール球通路97の球入口100は、変更樋85の前面に設けられる。ファール球通路97の球出口101は、変更樋85における払出球通路96の球出口99の形成された上面よりも下部で左側に位置して設けられる。
図2を参照し、横樋56の可動枠3への取り付け方について説明する。パネル枠5および球皿構造体6が開けられた状態において、横樋56の後壁59が可動枠3の方向に向けられ、横樋56のスイッチボックス72が下方に向けられ、横樋56が可動枠3の前側から横樋収納室48に挿入されるのに伴い、スイッチボックス72が逃部53に取り込まれ、シャッター49を前側から裏側に越え、位置決め孔68が位置決め部52に嵌め込まれ、位置決め部66が前壁44に接触する。このとき、図3に示す位置決め部69も位置決め部95に嵌め込まれる。そして、図2に戻り、人が横樋56の固定具67を前側から後側に押すことによって、固定具67が横樋取付部51に嵌め込まれて結合し、固定具取付部65が前壁44に接触する。これによって、横樋56が横樋収納室48に配置されて可動枠3に取り付けられる。その後、パネル枠5および球皿構造体6が閉じられて可動枠3に支持される。
図7乃至図10を参照し、横樋56が可動枠3に取り付けられ、パネル枠5および球皿構造体6が閉じられて可動枠3に支持された状態において、遊技機枠の裏側から前側に排出される球の流れ方について説明する。図7において、球皿構造体6が閉じられて可動枠3に支持されることによって、球皿構造体6の逃部53が横樋56の左球出口62に連接され、球皿構造体6の右球取入口18が横樋56の右球出口63と前後方向で対向する。図7には図示を省略したが、右球取入口18と右球出口63との間には、図2に示すシャッター49が昇降し得る隙間が形成され、下降したシャッター49の上面が右球出口63から右球取入口18に球を流すように右球取入口18と右球出口63との間に配置される。
図8および図9に示すように、ファール球取入口部47が変更樋85のファール球通路97に前後方向で連接される。したがって、ファール球取入口部47から排出された球は、矢印X7;X8の経路で横樋56に流出する。横樋56に流入した球は、矢印X3;X4の経路で横樋56の右球取入口18から球受皿部11に流出する。球受皿部11に流入した球は、矢印X2の経路で図1の球供給口21に到達する。
図8および図10に示すように、変更樋85の払出球通路96の球出口99が球皿構造体6の球受樋55の真上に配置される。したがって、図3の球払出機構83から縦樋84を経由して変更樋85に流入した球は、図8および図10に示す変更樋85の球出口99から矢印X9の経路で球皿構造体6の球受樋55に流出する。球受樋55に流入した球は、球皿構造体6の左球取入口17から矢印X1の経路で矢印X2の経路へ流出して図1の球供給口21に到達する。
要するに、図8において、球皿構造体6が閉じられることによって、球皿構造体6の球受樋55が変更樋85の球出口99の真下に配置されるので、図3の球払出機構83から縦樋84を経由して変更樋85に流入した球は、変更樋85の球出口99から矢印X9;X1;X2の経路を順に通過して球皿構造体6の球受樋55と左球取入口17を経由して図1の球供給口21に到達する。このため、球払出機構83から払い出された球は、横樋56で球皿構造体6の裏側を左側から右側に移動する時間が不要となり、球供給口21に短時間で到達することができるという利点がある。しかも、球皿構造体6の球受皿部11は、受け入れ球を、球受皿部11の全体に貯められ、球受皿部11より溢れた球を、右球取入口18を経由して横樋56にも貯められる。このため、可動枠3の裏側から前側の球皿構造体6に払い出される球の貯蔵量が多くなるという利点がある。
図2に戻り、遊技盤150の可動枠3への取り付け方について説明する。パネル枠5および球皿構造体6が開けられた状態において、遊技盤150の遊技領域153が前側に向けられ、遊技盤150の裏面が可動枠3の方向に向けられ、遊技盤150が遊技機枠1の前側から遊技主体収納室36に挿入され、遊技盤150の下部が遊技主体棚42の上に載せられ、遊技盤150の左側部が遊技主体押圧部38と遊技主体受部39との間に挿入されて前後方向から挟まれた後、遊技盤150の右側部が作業者によって後側に押され、遊技主体ロック部材40のロック操作部41が取付部165のロック挿入孔166に後側から挿入されて前側に突出した状態において、作業者がロック操作部41を例えば右方向に90度回転操作すると、ロック操作部41がロック挿入孔166の周りにおける取付部165と係合し、遊技盤150が可動枠3に取り付けられる。また、球受樋55が可動枠3に取り付けられた後、パネル枠5および球皿構造体6が閉じられて可動枠3に支持される。
図2および図11を参照し、遊技の形態について説明する。図2において、遊技盤150および球受樋55が可動枠3に取り付けられ、パネル枠5および球皿構造体6が閉じられて可動枠3に支持され後、遊技店の従業員が図11に示す電源装置170の電源スイッチを投入すると、電源装置170が供給された交流電源を直流電源に変換し、変換した直流電源を図11に示す発射払出制御装置171や図外の主制御装置あるいは図外の複合制御装置および図外の図柄制御装置などの制御装置に供給する。
そして、遊技者が図2の球皿構造体6の球受皿部11に球を入れて発射操作機構12を操作すると、発射払出制御装置171が球発射機構45を発射操作機構12から出力された操作量に応じた発射力で例えば1分間に1から100発未満までの所定数の間隔で駆動し、球発射機構45が球受皿部11から発射レール46に供給された球を1個ずつ遊技盤150の球発射通路164に向けて発射する。この球発射通路164に発射された球が、球発射通路164から球戻り防止弁161を押し開けて遊技領域153に到達した後に遊技領域153を流下する過程において、チャッカ154、一般入賞部品155、始動入賞部品156、可変入賞部品157などのいずれかの入賞部品に入賞し、それぞれの入賞に対応する賞球としての球が、図3の球払出機構83から球受皿部11に払い出される。
一般入賞部品155、始動入賞部品156、可変入賞部品157に入賞した球は、遊技盤150の裏側に排出される。この遊技盤150の裏側に排出された球は、図11に示す球案内体168で下方の球機外排出樋43に排出される。一般入賞部品155、始動入賞部品156、可変入賞部品157などの入賞部品に入賞しないで遊技領域153の最下部に流れた球は、アウト口163に取り込まれて遊技盤150の裏側に排出される。この遊技盤150の裏側に排出された球は、図11に示す矢印X10;X11の経路で球案内体168から下方の球機外排出樋43に排出される。
図11において、球受樋55が可動枠3に取り付けられた場合、球受樋55の前壁58が可動枠3における遊技主体棚42よりも前側に突出し、前壁58と遊技主体棚42との間に隙間172が左右方向に細長く延びた形状に形成される。隙間172の前後方向の寸法は1個の球の直径よりも大きい。よって、遊技盤150の遊技領域153に球が存在し、前面パネル9が矢印X12で示す前側に開けられた場合、パネル枠5の前側への開放に伴い遊技領域153から落下した球を、隙間172から球受樋55に取り込むことができる。具体的には、遊技店の店員が、パネル枠5が閉じられている状態において、遊技領域153に球が存在するか存在しないかを前面パネル9の前側から目で確認する。そして、遊技領域153に球が存在する場合、遊技店の店員がパネル枠5を前側に開ける際、前面パネル9を球受樋55の真上に到達する地点で止める。これによって、パネル枠5が開けられる際の衝撃により遊技領域153からこぼれ出た球は、前面パネル9で下方に誘導されて隙間172から球受樋55に取り込まれる。したがって、パネル枠5が開けられる場合、遊技領域153から球が店内に散乱する不都合は解決することができる。
図12のa図を参照し、固定具67の構造について説明する。固定具67は、係合具111と操作具112とを備える。係合具111および操作具112は、互いに別々に形成される。係合具111は、前後方向に貫通する中心孔113を有する円筒本体114の一端部に受部115を備え、円筒本体114の他端部に掛止部116を備える。受部115は円筒本体114の一端部より軸心方向の一方の外側に開口する皿状である。受部115と掛止部116との間における円筒本体114の外周面は、受部115の外径と掛止部116の外径との双方よりも細い、くびれ部117として形成される。掛止部116は、割溝118によって、周方向に独立した複数の片持ち梁のような弾性片として形成される。割溝118は、掛止部116の他端部とくびれ部117との間を、軸心方向と直径方向とに切り欠かれる。掛止部116を構成する各弾性片の中心孔113を囲む内面には、突起119が、軸心方向に向けて突出する。
操作具112は、棒本体120の一端部に鍔121とくびれ部122と摘み123とを備え、棒本体120の他端部に係合溝124を備える。棒本体120は、受部115の方向から中心孔113に挿入されるとともに、中心孔113に挿入された場合に突起119を中心孔113の径方向外側に押して掛止部116を押し広げる、太さである。鍔121は、棒本体120の外径よりも大きな外径であって、受部115における周壁で囲まれた内部に取り込まれる大きさである。くびれ部122は、鍔121から同軸状に突出し、鍔121と摘み123との双方よりも細い。摘み123は、摘み123から同軸状に突出し、くびれ部122と鍔121との双方よりも太い円盤形状である。
図12のb図を参照し、固定具67が図2の固定具取付部65に取り付けられた構造について説明する。固定具取付部65には取付孔126が形成される。そして、係合具111のくびれ部117が、固定具取付部65の前側から取付孔126に嵌め込まれることによって、受部115と掛止部116とが、取付孔126の周囲における固定具取付部65を挟む格好となり、係合具111が、固定具取付部65に取り付けられ、掛止部116が固定具取付部65の前面127より突出する。そして、操作具112の棒本体120が、係合具111の受部115の方向から中心孔113に挿入されることによって、係合溝124が、突起119に嵌め込まれた格好となり、操作具112が、係合具111に取り付けられる。これによって、固定具67が固定具取付部65に取り付けられる。
図13のa図を参照し、固定具取付部65に装着された固定具67が図2の横樋取付部51に取り付けられる構造について説明する。横樋取付部51には横樋取付部51の前面129に開口した筒状の取付孔130が形成される。そして、固定具取付部65に取り付けられた固定具67の固定具取付部65より裏側に突出した先端部としての係合具111における掛止部116が、横樋取付部51の前側から取付孔130の内部に挿入され、係合具111の周囲における固定具取付部65の裏面128が取付孔130の周囲における横樋取付部51の前面129に接触される。
次に、図13のb図に示すように、人が、操作具112の摘み123を矢印X13で示す後側に押すことによって、上記突起119と係合溝124との嵌まり合いが解除され、棒本体120が中心孔113の内部を奥に進入する。これに伴い、棒本体120の外周面が、突起119を中心孔113の径方向外側に押して、掛止部116を押し広げる。この中心孔113の径方向外側に押し広げられた掛止部116が、取付孔130を径方向外側に突っ張るように、取付孔130に接触する。これによって、固定具67が取付孔130に押し込まれた形態となり、固定具取付部65が、横樋取付部51に、固定具67で、取り付けられる。
このように固定具取付部65が、横樋取付部51に、固定具67で、取り付けられた状態において、人が、操作具112の摘み123を矢印X14で示す前側に引くことによって、棒本体120が中心孔113の奥から手前に後退する。これに伴い、上記棒本体120の外周面による突起119に対する中心孔113の径方向外側への押し力が弱くなり、掛止部116が自身の弾性によって径方向内側に復帰し、突起119が係合溝124に嵌まり込み、掛止部116が取付孔130から離れ、図13のa図の状態になる。これによって、固定具67と取付孔130との係合が解除された形態となり、人が固定具取付部65を支持して横樋取付部51から離れる方向に移動すると、固定具67の装着されたままの固定具取付部65が横樋取付部51から取り外される。
要するに、図2の横樋56を前後方向に操作することで可動枠3に固定するための固定具67が横樋56に設けられ、横樋56が可動枠3に可動枠3の前側から取り外すことができるので、横樋56の可動枠3への着脱を容易に行うことができるという利点がある。