JP4642366B2 - 半導体積層構造、トランジスタ素子、およびトランジスタ素子の製造方法 - Google Patents

半導体積層構造、トランジスタ素子、およびトランジスタ素子の製造方法 Download PDF

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本発明は、III族窒化物を用いたHEMT素子において、閾値電圧(ピンチオフ電圧)を制御する技術に関する。
GaNをはじめとするIII族窒化物半導体は、バンドギャップが大きく、破壊電界強度が高く、飽和電子速度が速く、かつ高融点であることから、GaAs系材料に代わる、高出力、高周波、耐環境用の半導体デバイス材料として期待されている。例えば、サファイアやSiC等の基板上にチャネル層としてGaNを形成し、さらにその上に、ゲート絶縁層あるいは電子供給層としてAlGaNやAlNを形成するヘテロ構造型のHEMT(High Electron Mobility Transistor)などが研究、開発されている。
このようなヘテロ構造を取る場合、AlGaNの格子定数(a軸)がGaNの格子定数(a軸)よりも短いことから、表面から基板へと電界が生ずるピエゾ効果(圧電効果)により、AlGaNとGaNの界面に2次元電子ガスを生成する。そのため、通常、閾値電圧(ピンチオフ電圧)は−2.5V〜−8V程度であり、ゲートバイアス電圧が0Vであってもピンチオフすることはないが、種々の手法によって0Vにおけるピンチオフの実現を図ることにより、いわゆるエンハンスメント型のHEMT素子を得る技術は既に公知である(例えば、非特許文献1および特許文献1ないし2参照。)。
Endo et al. "Non-Recessed-Gate Enhancement-Mode AlGaN/GaN HEMTs with HIGH RF Performance" Extended Abstracts of the 2003 International Conference on Solid State Devices and Materals,Tokyo,2003,pp.914-915 特開2000−223697号公報 特許3428962号公報
実用的なHEMT素子を提供するにあたっては、単にゲートバイアス電圧を0Vとしたときにピンチオフが実現できるのみならず、閾値電圧を自在に設定でき、かつ、その実現に制約が少ないことが、デバイス設計の自由度を高める点からは望ましい。換言すれば、所定の作製条件を定めることで、所望する閾値電圧を容易に実現できること、いわば、閾値電圧の制御性が高いことが好ましい。
非特許文献1には、上記のようなヘテロ構造においてAlGaN層の厚みを10nmとすることで、ゲートバイアス電圧を0Vとしたときにピンチオフが実現したHEMTが開示されているが、このような薄い膜厚を制御することは一般に困難であり、これによる閾値電圧の制御は難しいと考えられる。
特許文献1には、ゲート絶縁層をAlInGaNにて形成し、AlとInの混晶比を適宜に定めることにより、ピエゾ電界の向きを制御し、閾値電圧の制御を実現する技術が開示されている。しかしながら、混晶比によって電圧を制御することから、ある一定の閾値電圧値を実現する混晶比の範囲は、限定的にならざるを得ない。従って、ゲート絶縁層形成上およびデバイス設計上の要請により、ゲート絶縁層がとり得る混晶比の範囲が限定されるような場合に、必ずしも所望する閾値電圧が実現できるとは限らない。
特許文献2には、n型としての性質を示すチャネル層に対しp型ドーパントを添加することで、該チャネル層を高抵抗化し、ゲートバイアス電圧が0Vの時にピンチオフ状態が実現されるHEMT素子について開示がなされている。しかしながら、このような態様をとると、チャネル層に2次元電子ガスが流れる際、ドープされたp型ドーパントによる不純物散乱が顕著になって、十分な高移動度を実現することができないという問題がある。また、p型ドーパントとして代表的なMgをドープする場合、Mgは結晶中を拡散しやすいことから、チャネル層からAlGaNにて形成される電子供給層へと拡散することにより、AlGaNの結晶品質を劣化させるという問題もある。あるいは、Mgをドーパントとした成膜をMOCVD装置で行う場合、装置の反応管内に付着したMgがその後の成膜時にオートドープされてしまうという、いわゆるメモリー効果が生じる可能性が高い。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、所望する閾値電圧を容易に実現でき、閾値電圧の制御性が高い実用的なHEMT素子、およびこれを実現する半導体積層構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、所定の基材と、前記基材の上に形成され、GaおよびInのうち少なくとも1つを含む第1のIII族窒化物からなるi型層であるチャネル層と、前記チャネル層の上に形成され、第2のIII族窒化物からなる電子供給層と、を備える半導体積層構造であって、Al、GaおよびInのうち少なくとも1つを含む第3のIII族窒化物に所定のp型ドーパントがドープされてなるp型半導体層前記第2のIII族窒化物よりもAlの存在比率が大きい第4の窒化物からなり、前記p型半導体層の直上に形成されてなる第1のバリア層と、をさらに備え、前記チャネル層が互いに離間する第1のチャネル層と第2のチャネル層とからなり、前記p型半導体層および前記第1のバリア層は、前記第1のチャネル層と前記第2のチャネル層との間に介在してなる、ことを特徴とする。
また、請求項2の発明は、所定の基材と、前記基材の上に形成され、GaおよびInのうち少なくとも1つを含む第1のIII族窒化物からなるi型層であるチャネル層と、前記チャネル層の上に形成され、第2のIII族窒化物からなる電子供給層と、を備える半導体積層構造であって、Al、GaおよびInのうち少なくとも1つを含む第3のIII族窒化物に所定のp型ドーパントがドープされてなるp型半導体層前記第2のIII族窒化物よりもAlの存在比率が大きい第4の窒化物からなり、前記p型半導体層の直上に形成されてなる第1のバリア層と、をさらに備え、前記p型半導体層および前記第1のバリア層は、前記電子供給層と前記チャネル層との間に形成されてなる、ことを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の半導体積層構造であって、前記p型ドーパントがMgであることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の半導体積層構造であって、前記p型半導体層がGaNにて形成されてなることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の半導体積層構造であって、前記第2のIII族窒化物が、AlおよびGaのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項5に記載の半導体積層構造であって、n型ドーパントがドープされたドープ層が、前記電子供給層の一部に形成されてなることを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項1に記載の半導体積層構造であって、前記第2のIII族窒化物よりもAlの存在比率が大きい第5の窒化物からなる第2のバリア層が、前記第2のチャネル層の直上に形成されてなることを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項1ないし請求項のいずれかに記載の半導体積層構造の前記電子供給層の直上に、ソース電極、ドレイン電極、およびゲート電極を形成してなる。
また、請求項の発明は、請求項8に記載のトランジスタ素子であって、前記ソース電極および前記ドレイン電極のそれぞれの直下に、前記p型半導体層の下にまで至るコンタクト層が埋設されてなることを特徴とする。
また、請求項10の発明は、請求項またはに記載のトランジスタ素子であって、前記ゲート電極を、リセス構造にて形成したことを特徴とする。
また、請求項11の発明は、請求項8ないし請求項10のいずれかに記載のトランジスタ素子であって、前記ゲート電極がショットキー接合されてなることを特徴とする。
また、請求項12の発明は、所定の基材の上に、GaおよびInのうち少なくとも1つを含む第1のIII族窒化物からなるi型層であるチャネル層を形成するチャネル層形成工程と、前記チャネル層の上に、第2のIII族窒化物からなる電子供給層を形成する電子供給層形成工程と、前記電子供給層の上方に、ソース電極、ドレイン電極、およびゲート電極を形成する電極形成工程と、を備えるトランジスタ素子を製造する方法であって、前記チャネル層形成工程が、前記第1のIII族窒化物により第1のチャネル層を形成する工程と、前記第1のチャネル層の上に、Al、GaおよびInのうち少なくとも1つを含む第3のIII族窒化物に所定のp型ドーパントがドープされてなるp型半導体層を形成するp型半導体層形成工程と、前記p型半導体層の直上に、前記第2のIII族窒化物よりもAlの存在比率が大きい第4の窒化物からなるバリア層を形成する工程と、前記バリア層の直上に前記第1のIII族窒化物により第2のチャネル層を形成する工程と、を備えることを特徴とする。
また、請求項13の発明は、所定の基材の上に、GaおよびInのうち少なくとも1つを含む第1のIII族窒化物からなるi型層であるチャネル層を形成するチャネル層形成工程と、前記チャネル層の上方に、第2のIII族窒化物からなる電子供給層を形成する電子供給層形成工程と、前記電子供給層の上方に、ソース電極、ドレイン電極、およびゲート電極を形成する電極形成工程と、を備えるトランジスタ素子を製造する方法であって、前記チャネル層の上に、Al、GaおよびInのうち少なくとも1つを含む第3のIII族窒化物に所定のp型ドーパントがドープされてなるp型半導体層を形成するp型半導体層形成工程と、前記p型半導体層の直上に、前記第2のIII族窒化物よりもAlの存在比率が大きい第4の窒化物からなるバリア層を形成する工程と、をさらに備え、前記電子供給層が、前記バリア層の上に形成されることを特徴とする。
請求項1ないし請求項13の発明によれば、p型半導体層をi型層であるチャネル層側に設けることによって、チャネル層内における2次元電子ガス形成領域のエネルギーバンドを上昇させることが出来るので、定常状態における2次元電子ガスの濃度を減少させることが出来る。つまりは、トランジスタ素子動作時における閾値電圧を従来よりも高くすることができる。特に2次元電子ガス形成領域のエネルギーバンドが、フェルミ準位より高くなった場合には、閾値電圧が0Vとなるので、エンハンスメント型のHEMT素子を提供することができる。特に、バリア層の存在によって、電子供給層への不純物の拡散をより確実に抑制することができる。
特に、請求項1および請求項12の発明によれば、p型半導体層と電子供給層との間にi型層である第2のチャネル層が介在するので、p型半導体層に不純物が存在する場合であっても、p型半導体層から電子供給層への不純物の拡散が抑制される。これにより、チャネル層界面において、2次元電子ガス濃度が低下することがなく、電子供給層におけるコンタクト抵抗の上昇を防ぐことができる。
特に、請求項3の発明によれば、p型ドーパントとして広く用いられるMgを用いることにより、p型半導体層を容易に形成することができる。
特に、請求項の発明によれば、第2のバリア層の存在によって、電子供給層への不純物の拡散をより確実に抑制することができ、チャネル層表面における電子の移動度をより向上させる効果もある。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体積層構造10示す概要図であり、図2は、半導体積層構造10を用いて形成されたHEMT素子20の構成を示す概要図である。なお、図示の都合上、図1および図2における各層の厚みの比率は、実際の比率を反映したものではない。
半導体積層構造10は、基板(基材)1の上に、緩衝層2と、チャネル層9と、電子供給層11とを備える。また、チャネル層9には、その最上面よりもわずかに下方に、p型半導体層4が介在してなる。p型半導体層4よりも下側に位置するチャネル層9を特に第1チャネル層3、上側に位置するチャネル層9を特に第2チャネル層5と称することとする。また、電子供給層11は、第1電子供給層6と第2電子供給層7と第3電子供給層8とからなる。
基板1は、その上に形成するチャネル層9や電子供給層11の組成や構造、あるいは各層の形成手法に応じて適宜に選択される。例えば、SiC(炭化ケイ素)やサファイアなどの基板を用いる。あるいは、ZnO,LiAlO2,LiGaO2,MgAl24,(LaSr)(AlTa)O3,NdGaO3,MgOといった各種酸化物材料,Si,Geといった各種IV族単結晶、SiGeといった各種IV−IV族化合物,GaAs,AlN,GaN,AlGaNといった各種III―V族化合物およびZrB2といった各種ホウ化物から適宜選択して用いてもよい。基板1の厚みには特段の材質上の制限はないが、取り扱いの便宜上、数百μm〜数mmの厚みのものが好適である。
緩衝層2は、その上に形成されるチャネル層9の結晶品質を高める目的で、基板1の種類により必要に応じて設けられる。例えば、サファイア基板上に膜厚が数十nmのAlN、あるいはGaNを、他の層形成温度よりも低温で形成する場合や、あるいは高温で膜厚約1μmのAlNを形成する場合などがある。緩衝層2は、例えばMOCVD(MetalOrganic Chemical Vapor Deposition:有機金属化学気相成長法)法などの公知の成膜手法にて形成される。緩衝層2の有無、形成温度、膜厚は基板1の種類により好適なものが選択される。
チャネル層9は、i型InzGa1-zN(i−InGaN)(0≦z<1)にて形成される。図1においては、チャネル層9をGaNにて形成した場合、すなわち、z=0の場合を例示している。また、上述のように、チャネル層9には、その途中にp型半導体層4が介在してなる。p型半導体層4は、AlvInwGa1-v-wN(0≦v<1、0≦w<1、0≦v+w<1)なる組成のIII族窒化物に、例えばMgなどのp型ドーパントをドープしてなる層である。ただし、図1においては、v=w=0の場合を例示している。チャネル層9およびp型半導体層4も、MOCVD法などの公知の成膜手法にて形成される。
チャネル層9は、数μm程度の厚みに形成されてなる。一方、p型半導体層4の形成位置や厚み、さらにはドーパント濃度は、電子供給層11の組成や厚み、あるいは用いるドーパントの拡散のしやすさなどを考慮して、適宜に定められるが、例えば、チャネル層9の最上面から数nmから十数nm直下に、数十からせいぜい500nm程度以下の厚みに設けられてなる。従って、p型半導体層4よりも上方にある第2チャネル層5の厚みは、数nmから十数nm程度ということになる。
電子供給層11は、第1電子供給層6と第2電子供給層7と第3電子供給層8の3層にて形成され、基本的にはどれもAlxInyGa1-x-yN(0≦x<1、0≦y<1、0≦x+y<1)なる組成のIII族窒化物にて形成されてなる。ただし、図1においては、y=0の場合を例示している。また、第2電子供給層7にのみ、n型ドーパントとしてSiがドープされてなる。電子供給層11は、2次元電子ガスの濃度を確保する観点から、全体として20nmから30nm程度の厚みに形成されるのが好ましい。なお、n型ドーパントのドープは必須ではなく、ノンドープの一様な電子供給層11を形成する態様であってもよい。
このような層構成を有することにより、半導体積層構造10においては、第2チャネル層5を形成するInzGa1-zNと、第1電子供給層6を形成するAlxInyGa1-x-yNとによってヘテロ界面が形成されていることになる。
HEMT素子20は、係る半導体積層構造10にソース電極14sおよびドレイン電極14dをオーミック接合により形成し、ゲート電極14gをショットキー接合により形成されてなる。ソース電極14sおよびドレイン電極14dは、例えばTi/Al、Ti/Al/Ti/Au、Ti/Al/Ni/Auといった多層構造にて形成されるのが望ましい。ゲート電極14gとしては、例えばNi/Au、Pd/Au、Pt/Auといった多層構造にて形成されるのが望ましい。また、半導体積層構造10の最表層には、例えばSiO2あるいは窒化珪素などなる保護膜13が設けられてもよい。
このようなHEMT素子20の一例として、後述する実施例1および実施例2に示すように、p型半導体層4におけるホール濃度のみを違う値とし、他の各層の組成およびチャネル層9におけるp型半導体層4の配置位置や厚みを同じにしたHEMT素子20を作製した結果、前者の閾値電圧が−1V、後者の閾値電圧が0Vとなった。すなわち、ホール濃度に応じて値が異なり、かつ高い値の閾値電圧を実現することができた。
また、後述する実施例1および実施例3に示すように、p型半導体層4の膜厚(および第1チャネル層1の膜厚)のみを違う値とし、ホール濃度や他の各層の組成および厚みを同じにしたHEMT素子20を作製した結果、前者の閾値電圧が−1V、後者の閾値電圧が0Vとなった。すなわち、膜厚に応じて値が異なり、かつ高い値の閾値電圧を実現することができた。
これにより、p型半導体層のホール濃度や、膜厚を適宜に設定することによって、高い値の閾値電圧を有するHEMT素子を得ることができるようになる。また、これらのホール濃度や膜厚は、チャネル層や電子供給層の組成や構造と独立に制御できるので、その設定の自由度は高いといえ、閾値電圧の制御性が高い実用的なHEMT素子の提供を行うことができるようになる。
ここで、このように形成された半導体積層構造10およびHEMT素子20における、p型半導体層4の作用について説明する。
図3は、ゲートバイアス電圧が0Vの場合における、半導体積層構造10のヘテロ界面近傍のバンド図である。なお、図3においては、p型半導体層を構成するIII族窒化物がはGaNであるとした場合を例示している。また、図4は、比較のために示す、同様のヘテロ界面を有するがp型半導体層4を有さない半導体積層構造の、同じくゲートバイアス電圧が0Vの場合のバンド図である。図4に示すように、p型半導体層4を有さない場合には、上述したピエゾ効果によってヘテロ界面近傍において2次元電子ガスが発生する。一方、本実施の形態に係る半導体積層構造10の場合、図3(a)に示すように、p型半導体層4が存在することにより、第2チャネル層5を構成するGaNのバンドが持ち上げられる。これにより、2次元電子ガスの濃度が減少し、その結果として、閾値電圧を高くすることが出来る。そして、図3(a)の場合よりもp型半導体層4のホール濃度を高く、もしくはp型半導体層4の膜厚を厚くすることにより、もしくは第2チャネル層5の膜厚を薄くすることにより、図3(b)に示すように、第2チャネル層5を構成するGaNのバンドを、フェルミ準位EFにまで持ち上げることができる。これにより、図4のような定常状態における2次元電子ガスの発生が妨げられ、0Vにおけるピンチオフが実現されてなるものと考えられる。これは、p型半導体層4のホール濃度もしくは膜厚、あるいは第2チャネル層5の膜厚を調整パラメータとして、閾値電圧を所望する値に自由に設定できることを意味している。しかも、これらのパラメータは、互いに独立に調整することができることから、目標とする閾値電圧の実現に対する自由度が高いといえる。すなわち、本実施の形態に係るHEMT素子20においては、p型半導体層4をチャネル層9に介在させてなることにより、閾値電圧に対する高い制御性が実現されていることになる。
また、p型ドーパントしてMgを用いる場合、装置の反応管内に残留したMgがメモリー効果を生じさせることが問題となる。本実施の形態においては、上述のように、Mgがドープされる範囲がせいぜい500nm程度と限られているので、トータルのドープ量は特許文献2に係るHEMT素子のようにチャネル層全体にドープする場合に比べて、十分に小さくて済むことになり、係るメモリー効果は十分に抑制されることになる。
また、ドーパントとして用いられるMgはIII族窒化物中において拡散をしやすいことから、特許文献2に開示されているようにチャネル層全体にMgをドープすると、電子供給層側へとMgの拡散が起こり、AlGaN層の結晶品質を低下させることになる。一方、本実施の形態においては、ヘテロ界面から離れた位置にp型半導体層4を形成してなるので、このような電子供給層11へのMgの拡散は生じにくい。
さらには、チャネル層9(第2チャネル層5)のヘテロ界面近傍の、ゲートバイアス電圧印加時に2次元電子ガスが発生することになる領域におけるp型ドーパント濃度が小さいことから、当該領域における電子移動度の低下を生じさせることもない。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、所望する閾値電圧を容易に実現でき、閾値電圧の制御性が高い実用的なHEMT素子を提供することができる。
<第2の実施の形態>
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体積層構造110の構成を示す概要図である。半導体積層構造110は、第1の実施の形態に係る半導体積層構造10と同様の層状の構成を有していることから、図5において、半導体積層構造110を構成する層のうち、半導体積層構造10と対応する層がある層について、参照符号の下2桁を当該対応する層と同じにした100番台の符号を付すとともに、以下においてその説明を省略する。
本実施の形態に係る半導体積層構造110は、p型半導体層104の直上、換言すれば、p型半導体層104と第2チャネル層105との間に、第1バリア層121を備える点で、第1の実施の形態と相違する。
第1バリア層121は、AlyGa1-yN(0≦y≦1かつy>x)なるIII族窒化物にて形成されてなる層である。第1バリア層121は、例えばMgなどのp型ドーパントが、電子供給層111へと拡散することを、より確実に抑制する目的で設けられる。第1バリア層121は、0.5nm〜3nmの厚みに設けられるのが好ましい。
半導体積層構造110を用いて、図示しないHEMT素子を第1の実施の形態と同様に作製することにより、ゲートバイアス電圧が0Vのときにピンチオフ状態が実現されるHEMT素子を得ることができる。
<第3の実施の形態>
図6は、本発明の第3の実施の形態に係る半導体積層構造210の構成を示す概要図である。半導体積層構造210は、第1の実施の形態に係る半導体積層構造10と同様の層状の構成を有していることから、図6において、半導体積層構造210を構成する層のうち、半導体積層構造10と対応する層がある層について、参照符号の下2桁を当該対応する層と同じにした200番台の符号を付すとともに、以下においてその説明を省略する。
本実施の形態に係る半導体積層構造210は、チャネル層209(第2チャネル層205)の直上、換言すれば、チャネル層209(第2チャネル層205)と電子供給層211(第1電子供給層206)との間に、第2バリア層222を備える点で、第1の実施の形態と相違する。
第2バリア層222は、AlzGa1-zN(0≦z≦1かつz>x)なるIII族窒化物にて形成されてなる層である。第2バリア層222は、例えばMgなどのp型ドーパントが、電子供給層211へと拡散することを、より確実に抑制する効果がある。第2バリア層222は、0.5nm〜3nmの厚みに設けられるのが好ましい。
半導体積層構造210を用いて、図示しないHEMT素子を第1の実施の形態と同様に作製することにより、ゲートバイアス電圧が0Vのときにピンチオフ状態が実現されるHEMT素子を得ることができる。
<第4の実施の形態>
図7は、本発明の第4の実施の形態に係る半導体積層構造310の構成を示す概要図である。半導体積層構造310は、第1の実施の形態に係る半導体積層構造10と同様の層状の構成を有していることから、図7において、半導体積層構造310を構成する層のうち、半導体積層構造10と対応する層がある層について、参照符号の下2桁を当該対応する層と同じにした300番台の符号を付すとともに、以下においてその説明を省略する。
本実施の形態に係る半導体積層構造310は、さらに、第2の実施の形態に係る第1バリア層121と同様の効果を奏する第1バリア層321と、第3の実施の形態に係る第2バリア層222と同様の効果を奏する第2バリア層322とを、共に備える。すなわち、本実施の形態に係る半導体積層構造310は、第2および第3の実施の形態にて説明したそれぞれのバリア層の効果を、共に得ることができるものである。
半導体積層構造310を用いて、図示しないHEMT素子を第1の実施の形態と同様に作製することにより、ゲートバイアス電圧が0Vのときにピンチオフ状態が実現されるHEMT素子を得ることができる。
<第5の実施の形態>
図8は、本発明の第5の実施の形態に係る半導体積層構造410の構成を示す概要図である。半導体積層構造410は、第1の実施の形態に係る半導体積層構造10と同様の層状の構成を有していることから、図8において、半導体積層構造410を構成する層のうち、半導体積層構造10と対応する層がある層について、参照符号の下2桁を当該対応する層と同じにした400番台の符号を付すとともに、以下においてその説明を省略する。
本実施の形態に係る半導体積層構造410が、他の実施の形態に係る半導体積層構造と異なる点は、p型半導体層404がチャネル層409の途中に介在するのではなく、チャネル層409の直上に設けられてなる点である。また、半導体積層構造410には、第3の実施の形態に係る半導体積層構造210と同様に、第2バリア層422が電子供給層411の直下(第1電子供給層406の直下)に設けられてなる。
このような構造をとる半導体積層構造410においては、p型半導体層404とチャネル層409とを併せてチャネル層と捉えることができる。この場合も、ゲートバイアス電圧が0Vのときにピンチオフ状態が実現される。
(実施例1)
実施例1においては、第1の実施の形態に係る半導体積層構造10と、これを用いたHEMT素子20とを作製した。まず、半導体積層構造10の作製においては、基板1として2インチ径の厚さ330μmのC面サファイア単結晶を用い、これを所定のMOCVD装置の反応菅内に設置した。MOCVD装置は、反応ガスあるいはキャリアガスとして、少なくともH2、TMG(トリメチルガリウム)、TMA(トリメチルアルミニウム)、p型ドーパントとして用いるMgの供給源であるCP2Mg、n型ドーパントとして用いるSiの供給源であるシランガス、およびNH3が、反応管内に供給可能とされている。反応管内の圧力を大気圧とし、H2を平均流速1m/secで流しながら、基板1を1200℃まで昇温しサーマルクリーニングをした。
その後、いったん500℃に降温した後、TMGとNH3とを供給して、GaNの緩衝層2を30nmの厚さに形成したうえで、再び1180℃に昇温し、TMGとNH3とを供給して、第1チャネル層3として厚さ3μmのGaN層を形成した。
GaN層の形成後、1180℃に保ったまま、引き続きTMGとNH3とを供給しつつ、さらにCP2Mgを供給することにより、p型半導体層4として、MgがドープされたGaN層を厚さ100nmに形成した。ホール濃度が5×1016cm-3となるように、CP2Mgの供給量を調整した。
p型半導体層4の形成後、CP2Mgのみ供給を停止し、1180℃に保ったまま、引き続きTMGとNH3とを供給して、第2チャネル層5として厚さ10nmのGaN層を形成した。
さらにその後、1180℃に保ったまま、TMAとTMGとNH3とを供給して、電子供給層11としてAl0.25Ga0.75N層を形成した。まず第1電子供給層6として厚さ7nmのAl0.25Ga0.75N層を形成し、第1電子供給層6が形成された時点でシランガスをさらに供給して、Siがn型ドーパントとしてドープされた第2電子供給層7を15nmの厚みに形成し、その後、シランガスのみ供給を停止して、第3電子供給層8を3nmの厚みに形成した。この時のSiドープ濃度は4×1018cm-3であった。これにより、半導体積層構造10が得られた。
このようにして得られた半導体積層構造10を、N2雰囲気のもと、800℃で20分間アニールすることにより、p型ドーパントの活性化処理を行った。
引き続いて、SiO2保護膜13を形成した後、Ti/Al/Ni/Auからなるソース電極14sおよびドレイン電極14dをオーミック接合にて形成し、Ni/Auからなるゲート電極14gを、ショットキー接合にて形成し、HEMT素子20を得た。上記SiO2保護膜、ソース、ドレイン、ケート電極は公知のEB蒸着にて行った。
このように形成されたHEMT素子20について、閾値電圧を測定したところ、−1Vという結果が得られた。
(実施例2)
実施例1において、p型半導体層4におけるホール濃度を1×1018cm-3とする以外は、実施時1と同様にしてHEMT素子を作成した。この時の閾値電圧は0Vであった。
また、このHEMT素子について、ゲートバイアス電圧が5Vのときに、ソース・ドレイン間に5Vの電圧を印加すると、350(mA/mm)の電流が検出された。
(実施例3)
実施例1において、p型半導体層4の膜厚を350nmとする以外は、実施例1と同様にしてHEMT素子を作成した。この時の閾値電圧は0Vであった。
(実施例4)
実施例4においては、第2の実施の形態に係る半導体積層構造110と、これを用いた図示しないHEMT素子とを作製した。半導体積層構造110は、第1バリア層121をさらに形成する他は、実施例2と同様にMOCVD法によって作製した。第1バリア層121の形成は、p型半導体層104の形成後、温度を1180℃に保ったまま、TMA、TMG、およびNH3を供給し、厚さ1nmのAl0.8Ga0.2N層として形成した。第1バリア層121の形成の形成後は、引き続き、実施例2と同様に、第2チャネル層5を形成した。半導体積層構造110の作製後、これを用いた図示しないHEMT素子を、実施例1と同様に作製した。
このようにして得られたHEMT素子について、閾値電圧を測定したところ、0Vであった。
(実施例5)
実施例5においては、第3の実施の形態に係る半導体積層構造210と、これを用いた図示しないHEMT素子とを作製した。半導体積層構造210は、第2バリア層222をさらに形成する他は、実施例2と同様にMOCVD法によって作製した。第2バリア層222の形成は、第2チャネル層5の形成後、温度を1180℃に保ったまま、TMA、TMG、およびNH3を供給し、厚さ0.5nmのAlN層として形成した。第2バリア層222の形成の形成後は、引き続き、実施例2と同様に、第1電子供給層206を形成した。半導体積層構造210の作製後、これを用いた図示しないHEMT素子を、実施例1と同様に作製した。
このようにして得られたHEMT素子について、閾値電圧を測定したところ、0Vであった。
(実施例6)
実施例6においては、第4の実施の形態に係る半導体積層構造310と、これを用いた図示しないHEMT素子とを作製した。半導体積層構造310は、第1バリア層321を実施例4と同様に形成し、第2バリア層322を実施例5と同様に形成する他は、実施例2と同様にMOCVD法によって作製した。半導体積層構造310の作製後、これを用いた図示しないHEMT素子を、実施例1と同様に作製した。
このようにして得られたHEMT素子について、閾値電圧を測定したところ、0Vであった。
(実施例7)
実施例7においては、第5の実施の形態に係る半導体積層構造410と、これを用いた図示しないHEMT素子とを作製した。半導体積層構造410は、第2チャネル層の形成を省いた他は、実施例5と同様にMOCVD法によって作製した。すなわち、p型半導体層404までを実施例2と同様に作製した後、ただちに、第2バリア層422を形成した。半導体積層構造210の作製後、これを用いた図示しないHEMT素子を、実施例1と同様に作製した。
このようにして得られたHEMT素子について、閾値電圧を測定したところ、0Vであった。
<変形例>
上述の実施の形態においては、p型のドーパントとしてMgを用いているが、これに代わり、Znを用いてもよい。
p型半導体層の活性化処理が必要な場合は、p型半導体層の形成直後に行ってもよいし、HEMT素子作製途中で行ってもよい。
p型半導体層は、InGaNにp型ドーパントをドープしてなる層であってもよい。
また、HEMT素子の構造は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、種々の構造をとることが可能である。図9〜図12は、第1の実施の形態に係る半導体積層構造10を用いて作製される、上記とは異なる構造のHEMT素子の例について示す図である。もちろん、第2ないし第5の実施の形態に係る半導体積層構造を用いても、同様のHEMT素子を形成することは可能である。いずれの場合も、p型半導体層の形成位置や厚み、さらにはドーパント濃度を適宜に定めることにより、所望する閾値電圧を有するHEMT素子を得ることができる。
図9は、半導体積層構造10の一部を例えば反応性イオンエッチング(RIE)にてエッチングして、第1チャネル層3の一部分を露出させたうえでコンタクト層512sおよび512dを、SiをドープしたGaNによって設け、ソース電極514sおよびドレイン電極514dをオーミック接合により形成してなる、HEMT素子520を示す図である。ただし、コンタクト層512sおよび512dにおけるSiドープは必須ではない。
図10は、HEMT素子520において、さらに、RIEにて第1電子供給層6、もしくは第一の電子供給層7を露出させ、当該部分にゲート電極614gをショットキー接合により形成する、いわゆるゲートリセス構造を有するHEMT素子620を示す図である。
図11は、半導体積層構造10の一部に、第1電子供給層6が底面に達するテーパ状の溝を設け、該底面上にゲート電極714gを設けたHEMT素子720を示す図である。表層部分には、保護膜713が設けられている。
図12は、HEMT素子720において、HEMT素子520と同様に、それぞれコンタクト層512sおよび512dを形成した上にソース電極514sおよびドレイン電極514dを形成してなるHEMT素子820を示す図である。
第1の実施の形態に係る半導体積層構造10示す概要図である。 HEMT素子20の構成を示す概要図である。 ゲートバイアス電圧が0Vの場合における、半導体積層構造10のヘテロ界面近傍のバンド図である。 p型半導体層4を有さない半導体積層構造のゲートバイアス電圧が0Vの場合のバンド図である。 第2の実施の形態に係る半導体積層構造110示す概要図である。 第3の実施の形態に係る半導体積層構造210示す概要図である。 第4の実施の形態に係る半導体積層構造310示す概要図である。 第5の実施の形態に係る半導体積層構造410示す概要図である。 変形例に係るHEMT素子520示す概要図である。 変形例に係るHEMT素子620示す概要図である。 変形例に係るHEMT素子720示す概要図である。 変形例に係るHEMT素子820示す概要図である。
符号の説明
1、101、201、301、401 基板
2、102、202、302、402 緩衝層
4、104、204、304、404 p型半導体層
9、109、209、309、409 チャネル層
10、110、210、310、410 半導体積層構造
11、111、211、311、411 電子供給層
13、713 保護膜
14d、514d ドレイン電極
14g、614g、714g ゲート電極
14s、514s ソース電極
20、520、620、720、820 HEMT素子
121、321 第1バリア層
222、322、422 第2バリア層
12s、12d、512s、512d コンタクト層

Claims (13)

  1. 所定の基材と、
    前記基材の上に形成され、GaおよびInのうち少なくとも1つを含む第1のIII族窒化物からなるi型層であるチャネル層と、
    前記チャネル層の上に形成され、第2のIII族窒化物からなる電子供給層と、
    を備える半導体積層構造であって、
    Al、GaおよびInのうち少なくとも1つを含む第3のIII族窒化物に所定のp型ドーパントがドープされてなるp型半導体層
    前記第2のIII族窒化物よりもAlの存在比率が大きい第4の窒化物からなり、前記p型半導体層の直上に形成されてなる第1のバリア層と、
    をさらに備え、
    前記チャネル層が互いに離間する第1のチャネル層と第2のチャネル層とからなり、前記p型半導体層および前記第1のバリア層は、前記第1のチャネル層と前記第2のチャネル層との間に介在してなる
    ことを特徴とする半導体積層構造。
  2. 所定の基材と、
    前記基材の上に形成され、GaおよびInのうち少なくとも1つを含む第1のIII族窒化物からなるi型層であるチャネル層と、
    前記チャネル層の上に形成され、第2のIII族窒化物からなる電子供給層と、
    を備える半導体積層構造であって、
    Al、GaおよびInのうち少なくとも1つを含む第3のIII族窒化物に所定のp型ドーパントがドープされてなるp型半導体層
    前記第2のIII族窒化物よりもAlの存在比率が大きい第4の窒化物からなり、前記p型半導体層の直上に形成されてなる第1のバリア層と、
    をさらに備え、
    前記p型半導体層および前記第1のバリア層は、前記電子供給層と前記チャネル層との間に形成されてなる、
    ことを特徴とする半導体積層構造。
  3. 請求項1または請求項2に記載の半導体積層構造であって、
    前記p型ドーパントがMgであることを特徴とする半導体積層構造。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の半導体積層構造であって、
    前記p型半導体層がGaNにて形成されてなることを特徴とする半導体積層構造。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の半導体積層構造であって、
    前記第2のIII族窒化物が、AlおよびGaのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする半導体積層構造。
  6. 請求項5に記載の半導体積層構造であって、
    n型ドーパントがドープされたドープ層が、前記電子供給層の一部に形成されてなることを特徴とする半導体積層構造。
  7. 請求項1に記載の半導体積層構造であって、
    前記第2のIII族窒化物よりもAlの存在比率が大きい第5の窒化物からなる第2のバリア層が、
    前記第2のチャネル層の直上に形成されてなることを特徴とする半導体積層構造。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の半導体積層構造に、ソース電極、ドレイン電極、およびゲート電極を形成してなるトランジスタ素子
  9. 請求項8に記載のトランジスタ素子であって、
    前記ソース電極および前記ドレイン電極のそれぞれの直下に、前記p型半導体層の下にまで至るコンタクト層が埋設されてなることを特徴とするトランジスタ素子。
  10. 請求項8または請求項9に記載のトランジスタ素子であって、
    前記ゲート電極を、リセス構造にて形成したことを特徴とするトランジスタ素子。
  11. 請求項8ないし請求項10のいずれかに記載のトランジスタ素子であって、
    前記ゲート電極がショットキー接合されてなることを特徴とするトランジスタ素子。
  12. 所定の基材の上に、GaおよびInのうち少なくとも1つを含む第1のIII族窒化物からなるi型層であるチャネル層を形成するチャネル層形成工程と、
    前記チャネル層の上に、第2のIII族窒化物からなる電子供給層を形成する電子供給層形成工程と、
    前記電子供給層の上方に、ソース電極、ドレイン電極、およびゲート電極を形成する電極形成工程と、
    を備えるトランジスタ素子を製造する方法であって、
    前記チャネル層形成工程が、
    前記第1のIII族窒化物により第1のチャネル層を形成する工程と、
    前記第1のチャネル層の直上に、Al、GaおよびInのうち少なくとも1つを含む第3のIII族窒化物に所定のp型ドーパントがドープされてなるp型半導体層を形成するp型半導体層形成工程と、
    前記p型半導体層の直上に、前記第2のIII族窒化物よりもAlの存在比率が大きい第4の窒化物からなるバリア層を形成する工程と、
    前記バリア層の直上に前記第1のIII族窒化物により第2のチャネル層を形成する工程と、
    を備えることを特徴とするトランジスタ素子の製造方法。
  13. 所定の基材の上に、GaおよびInのうち少なくとも1つを含む第1のIII族窒化物からなるi型層であるチャネル層を形成するチャネル層形成工程と、
    前記チャネル層の上に、第2のIII族窒化物からなる電子供給層を形成する電子供給層形成工程と、
    前記電子供給層の上方に、ソース電極、ドレイン電極、およびゲート電極を形成する電極形成工程と、
    を備えるトランジスタ素子を製造する方法であって、
    前記チャネル層の上に、Al、GaおよびInのうち少なくとも1つを含む第3のIII族窒化物に所定のp型ドーパントがドープされてなるp型半導体層を形成するp型半導体層形成工程と、
    前記p型半導体層の直上に、前記第2のIII族窒化物よりもAlの存在比率が大きい第4の窒化物からなるバリア層を形成する工程と
    をさらに備え、
    前記電子供給層が、前記バリア層の上に形成されることを特徴とするトランジスタ素子の製造方法。
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