JP2012074544A - 半導体素子および半導体素子の作製方法 - Google Patents

半導体素子および半導体素子の作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ノーマリーオフ動作型の半導体素子を複雑な工程を経ることなく作製する方法を提供する。
【解決手段】半導体素子の作製方法が、下地基板の上に、少なくともGaを含む、Inx1Aly1Gaz1N(x1+y1+z1=1)なる組成の第1のIII族窒化物からなるチャネル層を形成する工程と、チャネル層の上に、少なくともAlを含む、Inx2Aly2Gaz2N(x2+y2+z2=1)なる組成の第2のIII族窒化物からなる障壁層を形成する工程と、障壁層の表面の、ソース電極およびドレイン電極の形成予定個所に対し、ソース電極およびドレイン電極を形成する工程と、障壁層の表面の、ゲート電極の形成予定個所に対し、アルゴンプラズマ処理または酸素プラズマ処理を施す工程と、プラズマ処理工程を経たゲート電極の形成予定個所にゲート電極を形成する工程と、を備えるようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、III族窒化物半導体により構成される多層構造エピタキシャル基板を用いた半導体素子、およびその作製方法に関する。
III族窒化物半導体は、高い絶縁破壊電界、高い飽和電子速度を有することから次世代の高周波/ハイパワーデバイス用半導体材料として注目されている。例えば、AlGaNからなる障壁層とGaNからなるチャネル層とを積層してなるHEMT(高電子移動度トランジスタ)素子は、窒化物材料特有の大きな分極効果(自発分極効果とピエゾ分極効果)により積層界面(ヘテロ界面)に高濃度の二次元電子ガス(2DEG)が生成するという特徴を活かしたものである(例えば、非特許文献1参照)。
HEMT素子用基板の下地基板として、例えばシリコンやSiCのような、III族窒化物とは異なる組成の単結晶(異種単結晶)を用いることがある。この場合、歪み超格子層や低温成長緩衝層などの緩衝層が、初期成長層として下地基板の上に形成されるのが一般的である。よって、下地基板の上に障壁層、チャネル層、および緩衝層をエピタキシャル形成してなるのが、異種単結晶からなる下地基板を用いたHEMT素子用基板の最も基本的な構成態様となる。これに加えて、障壁層とチャネル層の間に、二次元電子ガスの空間的な閉じ込めを促進する目的として、厚さ1nm前後のスペーサ層が設けられることもある。スペーサ層は、例えばAlNなどで構成される。さらには、HEMT素子用基板の最表面におけるエネルギー準位の制御や、電極とのコンタクト特性の改善を目的として、例えばn型GaN層や超格子層からなるキャップ層が、障壁層の上に形成される場合もある。
このようなHEMT素子あるいはその作製に用いる多層構造体であるHEMT素子用基板を実用化するには、電力密度の増大、高効率化などといった性能向上に関連する課題、ノーマリーオフ動作化など機能性向上に関連する課題、高信頼性や低価格化といった基本的な課題、など様々な課題を解決する必要がある。各々の課題につき、活発な取組みがなされている。
例えば、チャネル層をGaNにて形成し、障壁層をAlGaNにて形成するという、最も一般的な構成の窒化物HEMT素子の場合、HEMT素子用基板に内在する二次元電子ガスの濃度は、障壁層を形成するAlGaNのAlNモル分率の増加に伴い増加することが知られている(例えば、非特許文献2参照)。二次元電子ガス濃度を大幅に増やすことができれば、HEMT素子の可制御電流密度、すなわち取り扱える電力密度を大幅に向上させることが可能と考えられる。
また、チャネル層をGaNにて形成し、障壁層をInAlNにて形成したHEMT素子のように、ピエゾ分極効果への依存が小さくほぼ自発分極のみにより高い濃度で二次元電子ガスを生成できる歪の少ない構造を有するHEMT素子も注目されている(例えば、非特許文献3参照)。
ノーマリーオフ動作化についていえば、電子デバイス、特に電力制御を担うパワー半導体デバイスは一般に、フェールセーフの観点から、ノーマリーオフ動作、すなわち、外部から電気信号が入力されていない状態で導通阻止状態となる動作を行うことが望ましい。一方で、III族窒化物半導体からなるHEMT素子は、前述のようにヘテロ界面に生成する二次元電子ガスを利用するデバイスであるので、元来、ノーマリーオフ動作よりもむしろノーマリーオン動作においてこそ優れた導通特性、つまりは低いオン抵抗を示すものである。III族窒化物半導体からなるHEMT素子のノーマリーオフ動作を実現させる手法としては、以下のものが公知である。
例えば、チャネル層をGaNにて形成し、障壁層をAlGaNにて形成したショットキーゲート構造型の窒化物HEMT素子について、(1)AlGaN障壁層の厚さを薄くすることによりゲート閾値電圧(以下、単に閾値電圧ともいう)を正方向の値へシフトさせ、ひいてはノーマリーオフ動作化を達成する方法(例えば非特許文献4参照)や、(2)ゲート電極の直下のみにリセスエッチングを施す方法(例えば非特許文献5参照)などが公知である。
あるいは、(3)リセスゲート構造型のHEMT素子においてショットキー接合に代えて絶縁層を介したMIS(金属−絶縁体−半導体)構造を採用する態様(例えば非特許文献6および非特許文献7参照)や、(4)MIS型のゲート構造を用いた反転チャネル構造のHEMT素子を作製する態様なども公知である(例えば非特許文献8参照)。
また、(5)障壁層表面のゲート電極形成位置へのフッ素プラズマ処理と、ゲート電極形成後の500℃以下でのアニール処理とを施すことによってノーマリーオフ動作化を実現する態様(例えば、非特許文献9参照)や、(6)フッ素プラズマ処理とゲートリセス構造の形成とを組み合わせることによってノーマリーオフ動作化を実現する態様(例えば、非特許文献10参照)も公知である。このようなフッ素プラズマ処理によるノーマリーオフ動作化は、プラズマ処理によって電気陰性度が高いフッ素イオンを障壁層に存在させた結果、チャネル層内の二次元電子ガスが枯渇することで、実現されるものと考えられている。
さらには、(7)チャネル層を、全III族元素におけるAlのモル分率を0.3以下としたAlGaNにて形成するとともに、障壁層を所定の組成範囲内のInAlGaNにて形成することで、二次元電子ガス濃度が2×1013/cm2以上であり、ノーマリーオフ動作が可能なHEMT素子を実現する態様も公知である(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2009/119357号
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上述した、HEMT素子をノーマリーオフ動作化するための態様のうち、(1)〜(6)については、製造プロセスが煩雑であったり、十分に低いオン抵抗が得られない、という問題がある。
例えば、(1)の場合、障壁層の薄層化に伴い二次元電子ガス濃度が低下するため、窒化物HEMT素子の本来的な特長である低いオン抵抗を得ることができなくなる。これは、障壁層を薄くするに伴って障壁層の表面とチャネル部との距離が近づいた結果として、表面準位ポテンシャルが電荷生成に寄与するようになるためや、ピエゾ分極の効果が小さくなるためであると考えられる。
(2)の方法については、リセス加工のプロセスが追加されるため工程が煩雑化する。デバイス製造プロセスにおける再現性を確保する(一定品質のデバイスを安定的に製造できるようにする)ためには、リセス加工に高い精度が要求される。
(3)および(6)の態様については、リセス加工や絶縁膜形成のプロセスが追加されるため工程が煩雑化する。デバイス製造プロセスにおける再現性を確保する(一定品質のデバイスを安定的に製造できるようにする)ためには、リセス加工に高い精度が要求される。
(4)の態様については、MISゲート構造を形成する工程が必要となる。また、反転MISチャネル構造における電子の移動度は200cm2/Vs以下と低いため、ノーマリーオフ動作化が実現されたとしても、HEMT素子の性能自体は劣化してしまう。
(5)および(6)の態様については、フッ素を取り扱うために、排ガス処理のための特殊な除外装置が必要であり、設備コストが高くなるという問題がある。また、(5)および(6)の態様は、プラズマ処理と他の処理とを組み合わせることによって初めてノーマリーオフ動作化が実現されるのでプロセスが煩雑である、という点で共通する。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ノーマリーオフ動作型の半導体素子、および当該半導体素子を複雑な工程を経ることなく作製する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、半導体素子の作製方法であって、下地基板の上に、少なくともGaを含む、Inx1Aly1Gaz1N(x1+y1+z1=1)なる組成の第1のIII族窒化物からなるチャネル層をエピタキシャル形成するチャネル層形成工程と、前記チャネル層の上に、少なくともAlを含む、Inx2Aly2Gaz2N(x2+y2+z2=1)なる組成の第2のIII族窒化物からなる障壁層をエピタキシャル形成する障壁層形成工程と、前記障壁層の表面の、ソース電極およびドレイン電極の形成予定個所に対し、ソース電極およびドレイン電極を形成する第1電極形成工程と、前記障壁層の表面の、ゲート電極の形成予定個所に対し、アルゴンプラズマ処理または酸素プラズマ処理を施すプラズマ処理工程と、前記プラズマ処理工程を経た前記ゲート電極の形成予定個所にゲート電極を形成する第2電極形成工程と、を備えることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の半導体素子の作製方法であって、前記プラズマ処理における出力が1.5kW以上であり、真空度が400mtorr以下であり、処理時間が10分以上である、ことを特徴とする。
請求項3の発明は、半導体素子であって、下地基板と、前記下地基板の上に形成されてなり、少なくともGaを含む、Inx1Aly1Gaz1N(x1+y1+z1=1)なる組成の第1のIII族窒化物からなるチャネル層と、前記チャネル層の上に形成されてなり、少なくともAlを含む、Inx2Aly2Gaz2N(x2+y2+z2=1)なる組成の第2のIII族窒化物からなる障壁層と、前記障壁層の上に形成されてなる、ソース電極、ドレイン電極、およびゲート電極と、を備え、前記ゲート電極の直下の、前記障壁層表面から少なくとも前記障壁層と前記チャネル層との界面までの範囲に、アルゴン原子または酸素原子が導入されてなることにより、閾値電圧が正となっている、ことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3に記載の半導体素子であり、前記ゲート電極の直下の、前記障壁層表面から少なくとも前記障壁層と前記チャネル層との界面までの範囲に、アルゴン原子が導入されてなり、前記界面におけるアルゴン原子の濃度が6.0×1019atoms/cc以上である、ことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項3に記載の半導体素子であり、前記ゲート電極の直下の、前記障壁層表面から少なくとも前記障壁層と前記チャネル層との界面までの範囲に、酸素原子が導入されてなり、前記界面における酸素原子の濃度が1.0×1021atoms/cc以上である、ことを特徴とする。
請求項1ないし請求項5の発明によれば、フッ素プラズマ処理を行う態様よりも容易に、しかも当該態様によって得られるものよりも特性の優れたノーマリーオフ動作型のHEMT素子を、実現することができる。
本発明の実施の形態に係るHEMT素子10の構成を概略的に示す断面模式図である。 界面IにおけるAr原子あるいはO原子の濃度と、HEMT素子10の閾値電圧と評価した結果を示す図である。
<HEMT素子の構成>
図1は、本発明の実施の形態に係るHEMT素子10の構成を概略的に示す断面模式図である。HEMT素子10は、基板1と、バッファ層2と、チャネル層3と、障壁層5とが積層形成された構成を有する。バッファ層2と、チャネル層3と、障壁層5とはいずれも、MOCVD法(有機金属化学的気相成長法)を用いてエピタキシャル形成される(詳細は後述)のが好適な一例である。以降においては、基板1と、バッファ層2と、チャネル層3と、障壁層5とが積層形成された積層構造体を、エピタキシャル基板10Aとも称することとする。なお、図1における各層の厚みの比率は、実際のものを反映したものではない。
以降においては、各層の形成にMOCVD法を用いる場合を対象に説明を行うが、良好な結晶性を有するように各層を形成できる手法であれば、他のエピタキシャル成長手法、例えば、MBE、HVPE、LPEなど、種々の気相成長法や液相成長法の中から適宜選択した手法を用いてもよいし、異なる成長法を組み合わせて用いる態様であってもよい。
基板1は、その上に結晶性の良好な窒化物半導体層を形成できるものであれば、特段の制限なく用いることができる。単結晶6H−SiC基板を用いるのが好適な一例であるが、サファイア、Si、GaAs、スピネル、MgO、ZnO、フェライトなどからなる基板を用いる態様であってもよい。
また、バッファ層2は、その上に形成されるチャネル層3と障壁層5との結晶品質を良好なものとするべく、AlNにて数百nm程度の厚みに形成される層である。例えば、200nmの厚みに形成するのが好適な一例である。
チャネル層3は、Inx1Aly1Gaz1N(x1+y1+z1=1)なる組成のIII族窒化物にて、数μm程度の厚みに形成される層である。好ましくは、チャネル層3は、x1=0、0≦y1≦0.3なる組成範囲をみたすように形成される。0.3<y1≦1とした場合には、チャネル層3自身の結晶性の劣化が顕著となり、電気特性が良好なエピタキシャル基板10AさらにはHEMT素子10を得ることが困難となる。
一方、障壁層5は、Inx2Aly2Gaz2N(ただし、x2+y2+z2=1)なる組成のIII族窒化物にて、数十nm以下の厚みに形成される層である。好ましくは、障壁層5は、x2=0、0≦y2≦1なる組成範囲をみたすように形成される。
また、HEMT素子10においては、障壁層5の上にさらに、ソース電極6と、ドレイン電極7と、ゲート電極8とが設けられてなる。ソース電極6とドレイン電極7とは、それぞれに十数nm〜百数十nm程度の厚みを有するTi/Al/Ni/Auからなる多層金属電極である。ソース電極6およびドレイン電極7は、障壁層5との間にオーミック性接触を有してなる。一方、ゲート電極8は、それぞれに十数nm〜百数十nm程度の厚みを有するNi/Auからなる多層金属電極である。ゲート電極8は、障壁層5との間にショットキー性接触を有してなる。なお、ソース電極6およびドレイン電極7に用いる金属は、本発明における半導体エピタキシャル基板に対し良好なオーミック性接触が得られる限り、Ti/Al/Ni/Auからなる多層金属に限定されるものではない。また、ゲート電極8に用いられる金属についても、本発明における半導体エピタキシャル基板に対し良好なショットキー性接触が得られる限り、Ni/Auに限定されるものではない。
このような層構成を有するHEMT素子10においては(エピタキシャル基板10Aにおいては)、チャネル層3と障壁層5の界面がヘテロ接合界面となるので、自発分極効果とピエゾ分極効果により、当該界面に(より詳細には、チャネル層3の当該界面近傍に)二次元電子ガスが高濃度に存在する二次元電子ガス領域3eが形成される。なお、係る二次元電子ガスを生成させるために、当該界面は、平均粗さが0.1nm〜3nmの範囲にあり、これを形成するための障壁層5の表面の二乗平均粗さが0.1nm〜3nmの範囲にあるように形成される。なお、係る範囲を超えて平坦な界面が形成される態様であってもよいが、コスト面や製造歩留まりなどを考えると現実的ではない。また、好ましくは、平均粗さが0.1nm〜1nmの範囲にあり、二乗平均粗さが0.1nm〜1nmの範囲にあるように形成される。係る場合、ソース電極6およびドレイン電極7と障壁層5との間において、より良好なオーミック特性が得られるとともに、ゲート電極8と障壁層5との間において、より良好なショットキー特性が得られる。加えて、二次元電子ガスの閉じこめ効果がさらに高められ、より高濃度の二次元電子ガスが生成する。
また、本実施の形態に係るHEMT素子10においては、ゲート電極8の直下であって、障壁層5の表面から少なくともチャネル層3と障壁層5との界面Iにかけての範囲に、Ar(アルゴン)原子またはO(酸素)原子が意図的に導入されてなる。具体的には、界面Iにおいて、Ar原子の濃度が6.0×1019atoms/cc以上となるように、あるいは、O原子の濃度が1.0×1021atoms/cc以上となるように、Ar原子またはO原子が導入されてなる。係るAr原子あるいはO原子の導入は、エピタキシャル基板10Aの作製後、ゲート電極8の形成に先立って、障壁層5の表面のゲート電極8の形成予定箇所に対して、アルゴンプラズマ処理または酸素プラズマ処理を施すことによって実現される。
係るAr原子またはO原子の導入の手法および技術的意義については後述する。
なお、チャネル層3と障壁層5との間に、図示しないスペーサ層を備える態様であってもよい。係る場合、HEMT素子10においては、チャネル層3とスペーサ層の界面に(より詳細には、チャネル層3の当該界面近傍に)二次元電子ガスが高濃度に存在する二次元電子ガス領域3eが形成される。スペーサ層の形成は、HEMT素子10の移動度をより高める効果がある。
<HEMT素子の作製方法>
次に、上述のような構成を有するエピタキシャル基板10AさらにはHEMT素子10を作製する方法を説明する。
なお、以下においては、1つの基板1から、多数個のHEMT素子10を同時に作製する場合(多数個取りする場合)を対象に説明する。
エピタキシャル基板10Aの作製は、公知のMOCVD炉を用いて行うことができる。具体的には、In、Al、Gaについての有機金属(MO)原料ガス(TMI、TMA、TMG)と、アンモニアガスと、水素ガスと、窒素ガスとをリアクタ内に供給可能に構成されてなるMOCVD炉を用いる。
まず、例えば(0001)面方位の2インチ径の6H−SiC基板などを基板1として用意し、該基板1を、MOCVD炉のリアクタ内に設けられたサセプタの上に設置する。リアクタ内を真空ガス置換した後、リアクタ内圧力を5kPa〜50kPaの間の所定の値(例えば30kPa)に保ちつつ、水素/窒素混合フロー状態の雰囲気を形成した上で、サセプタ加熱によって基板を昇温する。
サセプタ温度が所定のバッファ層形成温度である950℃〜1250℃の間の所定温度T1(℃)に達すると、Al原料ガスとNH3ガスをリアクタ内に導入し、バッファ層2としてのAlN層を形成する。
AlN層が形成されると、サセプタ温度を所定のチャネル層形成温度である950℃〜1250℃の間の所定温度T2(℃)に保ち、チャネル層3の組成に応じた有機金属原料ガスとアンモニアガスをリアクタ内に導入し、チャネル層3としてのInx1Aly1Gaz1N層(ただし、x1=0、0≦y1≦0.3)を形成する。なお、チャネル層3形成時のリアクタ圧力には特に限定はなく、10kPaから大気圧(100kPa)の範囲から適宜選ぶことができる。
Inx1Aly1Gaz1N層が形成されると、次いで、サセプタ温度を所定の障壁層形成温度である950℃〜1250℃の間の所定温度T3(℃)に保ち、リアクタ内に窒素ガス雰囲気を形成する。続いて、アンモニアガスと、障壁層5の組成に応じた流量比の有機金属原料ガスとをリアクタ内に導入し、障壁層5としてのInx2Aly2Gaz2N層を所定の厚みに形成する。なお、障壁層5の好ましい成長レートの範囲は0.01〜0.1μm/hである。温度T1〜T3は、同じ温度としてもよく、またそれぞれ異なる温度としてもよい。
障壁層5が形成されると、エピタキシャル基板10Aが作製されたことになる。
エピタキシャル基板10Aが得られると、これを用いてHEMT素子10を作製する。
まず、フォトリソグラフィプロセスとRIE法を用いて個々の素子の境界となる部位を深さ100nm程度までエッチング除去する素子分離工程を行う。係る素子分離工程は、1つのエピタキシャル基板10Aから多数個のHEMT素子10を得るために必要な工程であって、本発明にとって本質的に必要な工程ではない。
素子分離工程を行った後、エピタキシャル基板10Aの上にSiO2膜を所定の厚み(例えば10nm)に形成し、続いてフォトリソグラフィプロセスによりソース電極6およびドレイン電極7の形成予定箇所のSiO2膜のみをエッチング除去してSiO2パターン層を形成する。
SiO2パターン層を形成した後、真空蒸着法とフォトリソグラフィプロセスとにより、Ti/Al/Ni/Auからなるソース電極6とドレイン電極7とをそれぞれの形成予定箇所に形成する。次いで、ソース電極6およびドレイン電極7のオーミック性を良好なものにするため、650℃〜1000℃の間の所定温度(例えば825℃)の窒素ガス雰囲気中において数十秒間(例えば30秒間)の熱処理を施す。
係る熱処理の後、フォトリソグラフィプロセスにより、SiO2パターン層から、ゲート電極8の形成予定箇所のSiO2膜を除去する。
次に、障壁層5の表面の、ゲート電極8の形成予定箇所に対して、アルゴンプラズマ処理もしくは酸素プラズマ処理を行う。プラズマ処理条件は、出力を1.0kW以上、真空度を400mtorr以下、処理時間を10分以上とする。係る場合、チャネル層3と障壁層5との界面Iにおいて、Ar原子の濃度は6.0×1019atoms/cc以上となり、O原子の濃度は1.0×1021atoms/cc以上となる。
係るプラズマ処理の後、真空蒸着法とフォトリソグラフィプロセスとにより、該形成予定箇所に、Ni/Auからなるゲート電極8を形成する。ゲート電極8は、ショットキー性金属パターンとして形成される。
フォトリソグラフィプロセスにより、残ったSiO2パターン層を除去することにより、HEMT素子10が得られる。
<Ar原子あるいはO原子導入の作用効果>
上述したように、本実施の形態に係るHEMT素子10は、ゲート電極8の形成に先立って、アルゴンプラズマ処理または酸素プラズマ処理を施すことにより、ゲート電極8の直下に対してAr原子またはO原子が導入されてなる。以下、その作用効果について説明する。
図2は、アルゴンプラズマ処理または酸素プラズマ処理の条件を違えることによって種々HEMT素子10を作製し、それぞれのチャネル層3と障壁層5との界面IにおけるAr原子あるいはO原子の濃度と、HEMT素子10の閾値電圧と評価した結果を示す図である。図2に示すように、Ar原子の濃度が6.0×1019atoms/cc以上である場合、あるいは、O原子の濃度が1.0×1021atoms/cc以上である場合に、HEMT素子10の閾値電圧の値が正となっている。すなわち、ノーマリーオフ動作が実現されたものとなっている。このことは、上述した処理条件にてアルゴンプラズマ処理または酸素プラズマ処理を行うことで、HEMT素子10のノーマリーオフ動作化が実現されることを意味している。なお、このノーマリーオフ動作が実現されたHEMT素子10については、ゲート電圧2V印加時のドレイン電流が約0.2A/mm以上となることが、確認されている。
プラズマ処理を行うことによってノーマリーオフ動作化を実現する態様は、非特許文献9および非特許文献10にも開示されている。しかしながら、これらの文献に開示の技術は、専用の除却設備が必要なフッ素ガスによるプラズマ処理を施すものである。そして、非特許文献9において採用されているフッ素プラズマ処理の条件は、出力が150W、処理時間が150秒であり、本実施の形態のアルゴンプラズマ処理または酸素プラズマ処理の条件とは著しく異なっている。非特許文献10においても、非特許文献9と同様のプロセスにてフッ素プラズマ処理が行われるに留まっている。かつ、両文献に開示されている技術ともに、フッ素プラズマ処理に付随する処理(加熱処理あるいはゲートリセス構造の形成)が必要である点で、取り扱いが安全なアルゴンプラズマ処理または酸素プラズマ処理のみを行うことによってノーマリーオフ動作化を実現する本実施の形態とは実質的に相違する。すなわち、本実施の形態に係るHEMT素子の製法は、プロセスの安全性および簡潔性の点で従来技術に比して顕著に有利な作用効果を奏するものということができる。
さらにいえば、本願と同様にゲートリセス構造を採用していない、非特許文献9に開示されたHEMT素子の、ゲート電圧2V印加時のドレイン電流は、約0.2A/mmに留まっている。このことは、本実施の形態において行う、アルゴンプラズマ処理または酸素プラズマ処理のみを行う手法の方が、非特許文献9に開示された手法よりも、特性の優れたノーマリーオフ動作型のHEMT素子を実現できることを意味している。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、ゲート電極の形成に先立ち、ゲート電極の形成予定箇所の直下にアルゴンプラズマ処理または酸素プラズマ処理を行うことによって、Ar原子またO原子を導入し、チャネル層と障壁層との界面IにおけるAr原子の濃度が6.0×1019atoms/cc以上、もしくはO原子の濃度が1.0×1021atoms/cc以上となるようにすることで、ノーマリーオフ動作可能なHEMT素子が実現される。しかも、本実施の形態によれば、フッ素プラズマ処理を行う態様よりも簡潔なプロセスにて、しかも当該態様によって得られるものよりも特性の優れたノーマリーオフ動作型のHEMT素子を、実現することができる。
(実施例1)
本実施例では、障壁層5の表面の、ゲート電極8の形成予定箇所に対するアルゴンプラズマ処理の条件が異なる計11種類のHEMT素子10を作製した。具体的には、アルゴンプラズマ処理の際の出力、真空度、および処理時間の組合せを種々に違えた10種類の試料と、アルゴンプラズマ処理を行わない1種類の試料とを作製した。
エピタキシャル基板10Aの作製にあたっては、まず、基板1として(0001)面方位の2インチ径6H−SiC基板を複数枚用意した。それぞれの基板1について、MOCVD炉リアクタ内に設置し、真空ガス置換した後、リアクタ内圧力を30kPaとし、水素/窒素混合フロー状態の雰囲気を形成した。次いで、サセプタ加熱によって基板を昇温した。
サセプタ温度がバッファ層形成温度T1(℃)である1050℃に達すると、Al原料ガスとアンモニアガスをリアクタ内に導入し、バッファ層2として厚さ200nmのAlN層を形成した。
続いて、サセプタ温度を、チャネル層形成温度T2(℃)である1100℃に保ち、有機金属原料ガスとアンモニアガスとを該目標組成に応じた流量比でリアクタ内に導入し、チャネル層3としてのGaN層を2μmの厚みに形成した。
チャネル層3が得られると、サセプタ温度を、障壁層形成温度T3(℃)である1150℃に保ち、リアクタ内に窒素雰囲気を形成した後、有機金属原料ガスとアンモニアガスとを該目標組成に応じた流量比でリアクタ内に導入し、障壁層5としてのAl0.2Ga0.8N層を25nmの厚みを有するように形成した。
障壁層5が形成された後、サセプタ温度を室温付近まで降温し、リアクタ内を大気圧に復帰させた後、リアクタを大気開放して、作製されたエピタキシャル基板10Aを取り出した。
次に、このエピタキシャル基板10Aを用いてHEMT素子10を作製した。なお、HEMT素子は、ゲート幅が1mm、ソース−ゲート間隔が0.5μm、ゲート−ドレイン間隔が7.5μm、ゲート長が1.5μmとなるように設計した。
まず、フォトリソグラフィプロセスとRIE法を用いて各素子の境界となる部位を深さ100nm程度までエッチング除去した。
次に、エピタキシャル基板10A上に厚さ10nmのSiO2膜を形成し、続いてフォトリソグラフィを用いてソース電極6、ドレイン電極7の形成予定箇所のSiO2膜をエッチング除去することで、SiO2パターン層を得た。
次いで、真空蒸着法とフォトリソグラフィプロセスとを用い、ソース電極6、ドレイン電極7の形成予定箇所にTi/Al/Ni/Au(それぞれの膜厚は25/2000/200/1000nm)からなる金属パターンを形成することで、ソース電極6およびドレイン電極7を形成した。次いで、ソース電極6およびドレイン電極7のオーミック性を良好なものにするために、825℃の窒素ガス雰囲気中にて30秒間の熱処理を施した。
その後、フォトリソグラフィプロセスを用いて、SiO2パターン層から、ゲート電極8の形成予定箇所のSiO2膜を除去した。
次に、1種類の試料を除き、障壁層5の表面のゲート電極8の形成予定箇所に対して、アルゴンプラズマ処理を行った。プラズマ処理に際しては、出力、真空度、および処理時間の組合せを試料ごとに違えた。出力は、0.5kW、1.0kW、1.5kW、1.75kW、2.0kWの5水準に違えた。真空度は、400mtorr、800mtorr、1200mtorrの3水準に違えた。処理時間は、1分、10分、20分、60分の4水準に違えた。
アルゴンプラズマ処理の終了後、さらに真空蒸着法とフォトリソグラフィとを用いて、ゲート電極8の形成予定箇所に、Ni/Au(それぞれの膜厚は20/100nm)からなるショットキー性金属パターンとしてゲート電極8を形成した。
以上のプロセスにより、HEMT素子10が得られた。
得られた複数のHEMT素子10について、SIMS(二次イオン質量分析法)により深さ方向の元素分析を行い、チャネル層3と障壁層5との界面IにおけるAr原子の濃度を調べた。また、半導体パラメーターアナライザーを用いて、閾値電圧と、ゲート電圧2V印加時のドレイン電流とを測定した。それぞれの試料についてのアルゴンプラズマ処理条件と、評価結果とを表1に示す。
Figure 2012074544
表1に示すように、チャネル層3と障壁層5との界面IにおけるAr原子の濃度が6.0×1019atoms/cc以上である試料については、閾値電圧が正の値となった。そして、その際のアルゴンプラズマ処理は、出力が1.5kW以上で、400mtorr以下で、かつ、処理時間が10分以上であった。係る結果は、このような条件にてアルゴンプラズマ処理を行うことで、ノーマリーオフ動作可能なHEMT素子10が実現されることを示している。なお、閾値電圧が正の場合のゲート電圧2V印加時のドレイン電流は、約0.2A/mm以上であり、閾値電圧が大きいほどドレイン電流が小さくなる傾向がみられた。
(実施例2)
本実施例では、アルゴンプラズマ処理に代えて、酸素プラズマ処理を行った他は、同様の条件にて、計11種類のHEMT素子10を作製した。なお、酸素プラズマ処理の際の出力、真空度、および処理時間の組合せも全て、実施例1と同様とした。
得られた複数のHEMT素子10について、SIMS(二次イオン質量分析法)により深さ方向の元素分析を行い、チャネル層3と障壁層5との界面IにおけるO原子の濃度を調べた。また、半導体パラメーターアナライザーを用いて、閾値電圧と、ゲート電圧2V印加時のドレイン電流とを測定した。それぞれの試料についての酸素プラズマ処理条件と、評価結果とを表2に示す。
Figure 2012074544
表2に示すように、チャネル層3と障壁層5との界面IにおけるO原子の濃度が1.0×1021atoms/cc以上である試料については、閾値電圧が正の値となった。そして、その際の酸素プラズマ処理は、出力が1.5kW以上で、400mtorr以下で、かつ、処理時間が10分以上であった。係る結果は、このような条件にて酸素プラズマ処理を行うことで、ノーマリーオフ動作可能なHEMT素子10が実現されることを示している。
また、実施例1および実施例2の結果により、アルゴンプラズマ処理および酸素プラズマ処理のいずれを行う場合でも、出力が1.5kW以上で、400mtorr以下で、かつ、処理時間が10分以上であるようにすることで、閾値電圧が正でノーマリーオフ動作可能なHEMT素子10が実現されることが確認された。なお、閾値電圧が正の場合のゲート電圧2V印加時のドレイン電流は、実施例1と同様に約0.2A/mm以上であり、やはり実施例1と同様に、閾値電圧が大きいほどドレイン電流が小さくなる傾向がみられた。
1 基板
2 バッファ層
3 チャネル層
5 障壁層
6 ソース電極
7 ドレイン電極
8 ゲート電極
I 界面
10 HEMT素子
10A エピタキシャル基板

Claims (5)

  1. 半導体素子の作製方法であって、
    下地基板の上に、少なくともGaを含む、Inx1Aly1Gaz1N(x1+y1+z1=1)なる組成の第1のIII族窒化物からなるチャネル層をエピタキシャル形成するチャネル層形成工程と、
    前記チャネル層の上に、少なくともAlを含む、Inx2Aly2Gaz2N(x2+y2+z2=1)なる組成の第2のIII族窒化物からなる障壁層をエピタキシャル形成する障壁層形成工程と、
    前記障壁層の表面の、ソース電極およびドレイン電極の形成予定個所に対し、ソース電極およびドレイン電極を形成する第1電極形成工程と、
    前記障壁層の表面の、ゲート電極の形成予定個所に対し、アルゴンプラズマ処理または酸素プラズマ処理を施すプラズマ処理工程と、
    前記プラズマ処理工程を経た前記ゲート電極の形成予定個所にゲート電極を形成する第2電極形成工程と、
    を備えることを特徴とする半導体素子の作製方法。
  2. 請求項1に記載の半導体素子の作製方法であって、
    前記プラズマ処理における出力が1.5kW以上であり、真空度が400mtorr以下であり、処理時間が10分以上である、
    ことを特徴とする半導体素子の作製方法。
  3. 半導体素子であって、
    下地基板と、
    前記下地基板の上に形成されてなり、少なくともGaを含む、Inx1Aly1Gaz1N(x1+y1+z1=1)なる組成の第1のIII族窒化物からなるチャネル層と、
    前記チャネル層の上に形成されてなり、少なくともAlを含む、Inx2Aly2Gaz2N(x2+y2+z2=1)なる組成の第2のIII族窒化物からなる障壁層と、
    前記障壁層の上に形成されてなる、ソース電極、ドレイン電極、およびゲート電極と、
    を備え、
    前記ゲート電極の直下の、前記障壁層表面から少なくとも前記障壁層と前記チャネル層との界面までの範囲に、アルゴン原子または酸素原子が導入されてなることにより、閾値電圧が正となっている、
    ことを特徴とする半導体素子。
  4. 請求項3に記載の半導体素子であり、
    前記ゲート電極の直下の、前記障壁層表面から少なくとも前記障壁層と前記チャネル層との界面までの範囲に、アルゴン原子が導入されてなり、
    前記界面におけるアルゴン原子の濃度が6.0×1019atoms/cc以上である、
    ことを特徴とする半導体素子。
  5. 請求項3に記載の半導体素子であり、
    前記ゲート電極の直下の、前記障壁層表面から少なくとも前記障壁層と前記チャネル層との界面までの範囲に、酸素原子が導入されてなり、
    前記界面における酸素原子の濃度が1.0×1021atoms/cc以上である、
    ことを特徴とする半導体素子。
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