JPH09172163A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JPH09172163A
JPH09172163A JP7328860A JP32886095A JPH09172163A JP H09172163 A JPH09172163 A JP H09172163A JP 7328860 A JP7328860 A JP 7328860A JP 32886095 A JP32886095 A JP 32886095A JP H09172163 A JPH09172163 A JP H09172163A
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JP
Japan
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layer
high electron
gate electrode
electron mobility
semiconductor device
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JP7328860A
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English (en)
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Masaaki Ishimaru
昌晃 石丸
U Shiyu
雨 朱
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 InAlAs/InGaAs系のしきい値電
圧の異なる高電子移動度トランジスタを同一基板上に形
成する半導体装置の製造方法において、しきい値制御が
容易で、簡易な製造方法を提供することにある。 【解決手段】 本発明にかかる半導体装置の製造方法
は、第1、2の高電子移動度トランジスタに共通の能動
層を半導体基板上に形成する工程と、前記第1、2の高
電子移動度トランジスタに共通のn型InAlAsから
なり、所定のドナー濃度を有するキャリア供給層を前記
能動層上に形成する工程と、少なくとも一方の高電子移
動度トランジスタのゲート電極形成領域に対応するキャ
リア供給層に酸素を導入する工程と、熱処理を行い、前
記ドナー濃度を制御する工程とを有することを特徴と
し、また、ゲート電極と酸素を導入するキャリア供給層
の領域とを自己整合的に製造することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置、特に
エンハンスメント型高電子移動度トランジスタ(以下、
高電子移動度トランジスタをHEMTと記す)とディプ
レッション型HEMTを同一半導体基板上に形成した半
導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高速で動作可能な半導体素子が要
求され、化合物半導体を用いた電界効果型トランジスタ
が期待されている。化合物半導体の集積回路の基本ゲー
トとしてはDCFL回路がよく用いられている。DCF
L回路は比較的構造が簡単で、高速動作が可能であり、
低消費電力であるからである。DCFL回路を形成する
為には、同一半導体基板上にディプレッション型HEM
Tとエンハンスメント型HEMTの2種類を作らなけれ
ばならない。
【0003】上述したようなしきい値電圧の異なるHE
MTを有する化合物半導体装置として、キャリア供給層
にInAlAsを用い、能動層にInGaAsを用いた
InAlAs/InGaAs系HEMTについて説明す
る。
【0004】InAlAs/InGaAs系HEMTの
しきい値電圧は次式で与えられる。
【0005】Vth=φ−ΔEc−qNd2 /2ε ただし、φはゲート部でのショットキー障壁高さ、ΔE
cはヘテロ結合の伝導体不連続量、qは単位電荷量、N
はInAlAs層のドナー濃度、dはInAlAs層の
厚さ、εはInAlAs層の誘電率を表している。
【0006】従来、InAlAs/InGaAs系HE
MTの場合には、キャリア供給層のInAlAs層と能
動層のInGaAs層との間に選択性を持ったエッチン
グ技術が確立していないため、InAlAs層の厚さd
をトランジスタ毎にかえることができない。また、通常
Si系やGaAs系半導体装置の製造方法では、イオン
注入、熱処理を行ってゲート電極のしきい値電圧を変え
ているが、InAlAs/InGaAs系HEMTでは
約800℃の熱処理を行う時、ドーピング元素や半導体
の構成元素の拡散が生じてしまうため、設計どうりのヘ
テロ構造ができずデバイス特性が劣化するのでドナー濃
度Nも、ヘテロ結合の伝導体不連続量ΔEcも、変える
ことが困難であった。そのため、同一半導体基板上に、
エンハンスメント型HEMTとディプレッション型HE
MTのように異なるしきい値電圧をもつ半導体装置を形
成することは難かしいという問題があった。
【0007】そこで、特開平5−47800号公報にお
いて、それぞれのゲート電極に用いる材料を異ならせて
ゲート部でのショットキー障壁高さφを変え、キャリア
供給層にゲート電極材料の一部を埋め込みキャリア供給
層の厚みdを実質的に変えることで解決を図っている。
【0008】図5に、特開平5−47800号公報で報
告されている半導体装置の断面図を示す。501はIn
P基板、502はエピタキシャル成長の格子整合を良く
し、ピンチオフ特性を向上させるという機能を有するバ
ッファ層としてInAlAs層、503は能動層として
InGaAs、504はキャリア供給層としてn型In
AlAs層、505はソース及びドレイン電極、506
はゲート電極、507aはPt層、507bはTi層、
507cはPt層、507dはAu層、507a’はP
tAs2層である。
【0009】上記特開平5−47800の方法では、充
分異なるしきい値電圧を持つHEMTを作るためには、
実質的にゲート電極に用いる一方の金属材料としてPt
を利用する必要がある。これはPtにより高いショット
キー障壁が形成されるだけではなく、基板にPtがPt
As2として埋め込まれ、実効的にはInAlAs層の
厚さdを減少させるためである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、同公報
の実施例に記載されているように、基板と接するPtの
厚みは7.6nmと非常に薄いことが必要であり、ま
た、Ptの厚みが2nm変化すればVthが約0.1V
変化してしまうためにPtの蒸着厚みを高精度に制御し
なければならない。しかし、Ptの蒸着厚みをそのよう
な精度で制御することは非常に困難であり、従ってVt
hを安定して制御できないという問題があった。
【0011】本発明の目的は、上記課題を解決するため
に、InAlAs/InGaAs系のしきい値電圧の異
なる高電子移動度トランジスタを同一基板上に形成する
半導体装置の製造方法において、しきい値制御が容易
で、簡易な製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載のしきい値電圧の異なる第1の高電
子移動度トランジスタと第2の高電子移動度トランジス
タを半導体基板上に形成する半導体装置の製造方法は、
前記第1、2の高電子移動度トランジスタに共通の能動
層を前記半導体基板上に形成する工程と、前記第1、2
の高電子移動度トランジスタに共通のn型InAlAs
からなり、所定のドナー濃度を有するキャリア供給層を
前記能動層上に形成する工程と、少なくとも一方の高電
子移動度トランジスタのゲート電極形成領域に対応する
前記キャリア供給層に酸素を導入する工程と、熱処理を
行い、前記ドナー濃度を制御する工程とを有することを
特徴とする。
【0013】また、請求項2に記載のしきい値電圧の異
なる第1の高電子移動度トランジスタと第2の高電子移
動度トランジスタを半導体基板上に形成する半導体装置
の製造方法は、前記第1、2の高電子移動度トランジス
タに共通の能動層を前記半導体基板上に形成する工程
と、前記第1、2の高電子移動度トランジスタに共通の
n型InAlAsからなり、所定のドナー濃度を有する
キャリア供給層を前記能動層上に形成する工程と、少な
くとも一方の高電子移動度トランジスタのゲート電極形
成領域に対応する開口部を有するマスク材を形成する工
程と、前記開口部を介して前記キャリア供給層に酸素を
導入する工程と、前記マスク材を残存させ、前記開口部
にゲート電極を形成する工程と、熱処理を行い、前記ド
ナー濃度を制御する工程とを有することを特徴とする。
【0014】また、請求項3に記載のしきい値電圧の異
なる第1の高電子移動度トランジスタと第2の高電子移
動度トランジスタを半導体基板上に形成する半導体装置
の製造方法は、前記第1、2の高電子移動度トランジス
タに共通の能動層を前記半導体基板上に形成する工程
と、前記第1、2の高電子移動度トランジスタに共通の
n型InAlAsからなり、所定のドナー濃度を有する
キャリア供給層を前記能動層上に形成する工程と、第1
の高電子移動度トランジスタのゲート電極形成領域に対
応する第1の開口部を有するマスク材を形成する工程
と、前記マスク材を介して前記キャリア供給層に酸素を
導入する工程と、前記マスク材に第2の高電子移動度ト
ランジスタのゲート電極形成領域に対応する第2の開口
部を設ける工程と、両方の開口部を介して前記キャリア
供給層に酸素を導入する工程と、熱処理を行い、前記ド
ナー濃度を制御する工程とを有することを特徴とする。
【0015】また、請求項4に記載の半導体装置の製造
方法において、酸素を導入する工程が、オゾンにさらす
ことを特徴とする。
【0016】また、請求項5に記載の半導体装置の製造
方法において、酸素を導入する工程が、酸素プラズマに
さらすことを特徴とする。
【0017】また、請求項6に記載の半導体装置の製造
方法において、前記熱処理の温度が、220℃から48
0℃であることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)図1に本発明に係るエンハンスメント
型HEMTのゲート電極形成領域に対応するキャリア供
給層に酸素を導入した半導体装置の製造工程の断面図を
示す。
【0019】まず、半絶縁性InP基板101上に、M
OCVD法にてバッファ層としてInAlAs層102
を300nm厚に成長させ、さらにその上に能動層とし
てInGaAs層103を30nm厚に成長させ、さら
にその上に能動層とキャリア供給層の分離のためのスペ
ーサ層としてInAlAs層104を2nm厚に成長さ
せ、さらにその上にキャリア供給層としてSiを9×1
1 8 個/cm3ドーピングしたn型InAlAs層1
05を3nmに成長させ、さらにその上にゲート耐圧を
向上させるためにアンドープのInAlAs層106を
17nmに成長させる。
【0020】次に、素子分離のために素子に不要な部分
は表面の成長層をエッチングし、InP基板101を露
出させる。
【0021】次に、フォトレジストでエンハンスメント
型HEMTのゲート電極形成領域に対応する開口部10
7をもったパターンのレジストマスク108を形成す
る。以上の工程終了後の断面図を図1(a)に示す。
【0022】次にオゾンアッシング装置にて、大気圧、
70℃の条件でオゾンに5分間接触させることで、ゲー
ト電極形成領域に対応する開口部107を介してInA
lAs層106及びn型InAlAs層105中に酸素
を導入する。以上の工程終了後の断面図を図1(b)に
示す。酸素を導入した領域には斜線を付す。
【0023】本実施例ではInAlAs層106及びn
型InAlAs層105への酸素導入の方法として、上
述のオゾンにさらす方法を用いたが、他には酸素プラズ
マにさらす方法が可能であり、バレル型酸素プラズマア
ッシング装置やリモートプラズマ型アッシング装置が利
用できる。
【0024】次に、レジストマスク108を溶解して除
去し、400℃で5分間の熱処理を行う。この処理によ
って酸素導入によるダメージ回復とともに、n型InA
lAs層105のドナー濃度が減少する。
【0025】熱処理を行う必要な温度は220℃〜48
0℃である。220℃未満では導入した酸素がドナー濃
度を減少させる効果が不十分であり、480℃以上では
拡散によるInAlAs/InGaAsのヘテロ接合の
境界面が劣化し、素子特性を劣化させる。より好ましく
は300℃〜450℃である。300℃未満では酸素導
入によるダメージの回復が遅く、処理時間が長くかか
り、450℃以上ではn型InAlAs層105中のS
iドナーの拡散が始まり素子劣化が生じる。
【0026】ダメージの回復を十分に行わないと、酸素
を導入した部分のショットキー耐圧の劣化が生じる。こ
のことからダメージの比較的大きいバレル型酸素プラズ
マアッシング装置を使った場合には、熱処理は330℃
以上が望ましい。
【0027】次に、ソース及びドレイン電極109を形
成するために、フォトレジストで両電極形成領域に開口
部をもったパターンを形成し、ソース及びドレイン電極
としてAuGe(100nm)/Ni(20nm)/A
u(100nm)を順次蒸着をする。
【0028】次に、フォトレジストを溶解してレジスト
上の金属を取り除き、360℃の熱処理をすることによ
ってオーミック接続を形成することで、ソース及びドレ
イン電極109を形成する。以上の工程終了後の断面図
を図1(c)に示す。
【0029】最後に、デップレッション型HEMTのゲ
ート電極とエンハンスメント型HEMTのゲート電極1
10を形成するためにフォトレジストで、ゲート電極形
成領域に開口部をもったパターンを形成し、ゲート電極
としてWNx(100nm)/Ti(50nm)/Pt
(50nm)/Au(300nm)を順次蒸着し、次に
フォトレジストを溶解してフォトレジスト上の金属を取
り除き、ゲート電極110を形成する。以上の工程終了
後の断面図を図1(d)に示す。
【0030】以上の工程を経て、しきい値電圧−0.6
0Vのデップレッション型HEMTとしきい値電圧0.
10Vのエンハンスメント型HEMTを同一半導体基板
上に有する半導体装置が得られた。
【0031】前述の従来例では、しきい値電圧の調整の
ためにPtの膜厚を高精度で制御することは困難であっ
たが、本発明でのしきい値電圧の調整は、オゾンあるい
は酸素プラズマにさらす時間によって容易にコントロー
ル可能である。処理時間を0〜15分とすることによっ
て、エンハンスメント型のしきい値電圧を−0.6〜
0.10Vに調整することができた。
【0032】また、前述の従来例のようにゲート電極に
用いる金属材料を変えて、しきい値電圧を変化させる場
合には、異なるゲート材料を蒸着するためゲート形成工
程が必ず2回必要であったが、本発明では実施例1のよ
うに1回のゲート形成工程でもかまわないので、工程が
簡略化できる。
【0033】また、本実施例では、ドナーを減少させる
工程が、ソース及びドレイン電極形成工程やゲート電極
形成工程に先立って行っているので、ソース及びドレイ
ン電極形成、ゲート電極形成工程は従来行われている各
種方法が可能である。そのため、ゲート電極材料は上記
のWNX /Ti/Pt/Au以外にも、例えばWSiX
/Au、Al、Ti/Pt/AuやMo/Ti/Pt/
AuやPt/Ti/Pt/Au等の材料でもかまわな
い。
【0034】(実施の形態2)本発明に係るエンハンス
メント型HEMTのゲート電極形成領域に対応する開口
部を有するレジストマスクが、酸素導入のためのマスク
とゲート電極を形成するためのマスクとの兼用であるこ
とを特徴とする半導体装置の製造工程の断面図を図2に
示す。
【0035】まず、半絶縁性InP基板201上に、M
BE法にてバッファ層としてInAlAs層202を3
00nm厚に成長させ、さらにその上に能動層としてI
nGaAs層203を50nm厚に成長させ、さらにそ
の上にキャリア供給層としてSiを1×101 8 個/c
3ドーピングしたn型InAlAs層204を31n
mに成長させる。
【0036】次に、素子分離のために素子に不要な部分
は表面の成長層をエッチングし、InP基板201を露
出させる。
【0037】次に、ソース及びドレイン電極205を形
成するためにフォトレジストで両電極形成領域に開口部
をもったパターンを形成し、AuGe(100nm)/
Ni(20nm)/Au(100nm)を順次蒸着した
後、フォトレジストを溶解してフォトレジスト上の金属
を取り除き、そして360℃の熱処理を行うことでオー
ミック接続を行い、ソース及びドレイン電極205を形
成する。以上の工程終了後の断面図を図2(a)に示
す。
【0038】次に、フォトレジストでデプレッション型
HEMTのゲート電極形成領域に開口部をもったパター
ンを形成し、Ti(50nm)/Pt(50nm)/A
u(300nm)を順次蒸着し、次にフォトレジストを
溶解してフォトレジスト上の金属を取り除き、デプレッ
ション型HEMTのゲート電極206を形成する。以上
の工程終了後の断面図を図2(b)に示す。
【0039】次に、フォトレジストでエンハンスメント
型HEMTのゲート電極形成領域に開口部207をもっ
たパターンを有したレジストマスク208を形成する。
次に、バレル型酸素プラズマアッシング装置を用い、酸
素0.5Torr、100℃、100Wの条件で、オゾ
ンを開口部208を介してn型InAlAs層204に
5分間接触させることで、n型InAlAs層204中
に酸素を導入する。以上の工程終了後の断面図を図2
(c)に示す。
【0040】次に、前工程にて形成したフォトレジスト
のマスクを除去することなく、そのまま利用してエンハ
ンスメント型HEMTのゲート電極形成領域の開口部2
07に、Ti(50nm)/Pt(50nm)/Au
(300nm)を順次蒸着する。
【0041】次にレジストマスク208を溶解してフォ
トレジスト上の金属を取り除き、エンハンスメント型H
EMTのゲート電極209を形成する。以上の工程終了
後の断面図を図2(d)に示す。
【0042】最後に、330℃の熱処理を行うことで、
エンハンスメント型HEMTのゲート電極形成領域に対
応するn型InAlAs層204中のドナー濃度を減少
させ、更にn型InAlAs層204のダメージも回復
させる。以上の工程終了後の断面図を図2(e)に示
す。
【0043】以上の工程を経て、しきい値電圧−0.5
9Vのデップレッション型HEMTとしきい値電圧0.
09Vのエンハンスメント型HEMTを同一半導体基板
上に有する半導体装置が得られた。
【0044】本実施例では、酸素導入を行うのに使用し
たレジストマスクを除去することなく、そのままゲート
電極を蒸着するためのレジストマスクに使用しているた
め、新たにパターンを形成する必要がなく、工程の簡略
化を可能としている。このことが可能となったのは、酸
素導入後の熱処理がゲート電極形成後でもかまわないか
らである。この方法により、酸素を導入してドナー濃度
を減少させた領域はゲート電極に対して、自己整合的に
形成される。そのためエンハンスメント型HEMTのソ
ース・ゲート間抵抗の増加が抑えられるので、特性の向
上が可能である。
【0045】(実施の形態3)本発明に係るエンハンス
メント型HEMTとディプレッション型HEMTの両方
のゲート電極形成領域に酸素を導入した半導体装置の製
造工程の断面図を図3に示す。
【0046】まず、半絶縁性InP基板301上にMB
E法にてバッファ層としてInAlAs層302を30
0nm厚に成長させ、さらにその上に能動層としてIn
GaAs層303を30nm厚に成長させ、さらにその
上にスペーサ層としてInAlAs層304を2nm厚
に成長させ、さらにその上にキャリア供給層としてSi
を8×101 8 個/cm3ドーピングしたn型InAl
As層305を20nmに成長させる。
【0047】次に、素子分離のために素子に不要な部分
は表面の成長層をエッチングし、InP基板301を露
出させる。
【0048】次に、ポジ型フォトレジストでエンハンス
メント型HEMTのゲート電極形成領域に開口部306
をもったパターンを有するレジストマスクを形成する。
【0049】次に、バレル型酸素プラズマアッシング装
置にて、酸素0.5Torr、100℃の条件で、オゾ
ンを開口部306を介してn型InAlAs層305に
10分間接触させることで、エンハンスメント型HEM
Tのゲート電極形成領域に対応するn型InAlAs層
305中に酸素を導入する。以上の工程終了後の断面図
を図3(a)に示す。
【0050】更にディプレッション型HEMTのゲート
電極形成領域に対応する開口部307を形成する。
【0051】次に、オゾンアッシング装置にて、大気
圧、70℃の条件で、オゾンを開口部306、307を
介してn型InAlAs層305に30分間接触させる
ことで、両開口部306、307を介してn型InAl
As層305中に酸素を導入する。以上の工程終了後の
断面図を図3(b)に示す。
【0052】次に、ゲート電極としてMo(100n
m)/Ti(50nm)/Pt(50nm)/Au(3
00nm)を順次蒸着した後、フォトレジストを溶解し
てフォトレジスト上の金属を取り除き、ゲート電極30
8を形成する。以上の工程終了後の断面図を図3(c)
に示す。
【0053】次に、ソース及びドレイン電極309を形
成するためにフォトレジストで両電極形成領域に開口部
をもったパターンを形成し、AuGe(100nm)/
Ni(20nm)/Au(100nm)を順次蒸着した
後、フォトレジストを溶解してフォトレジスト上の金属
を取り除く。以上の工程終了後の断面図を図3(d)に
示す。
【0054】最後に、360℃の熱処理をすることによ
ってオーミック接続を形成し、ソース及びドレイン電極
309を形成すると同時に、n型InAlAs層305
中のドナー濃度を減少させ、更に酸素を導入した部分の
n型InAlAs層305のダメージを回復させる。
【0055】以上の工程を経て、しきい値電圧−0.6
0Vのデップレッション型HEMTとしきい値電圧0.
10Vのエンハンスメント型HEMTを同一半導体基板
上に有する半導体装置が得られた。
【0056】前述の従来例や実施例1、2では、キャリ
ア供給層のドナー濃度は、ディプレション型HEMTの
ゲート電極のしきい値電圧を決定するので、ドナー濃度
はあまり大きくできなかった。しかし、本実施例3のよ
うにディプレッション型HEMTのゲート電極形成領域
に対応するキャリア供給層のドナー濃度も減少させる方
法によって、キャリア供給層のドナー濃度を大きくする
ことができ、かつアンドープの層を必要としないので、
ソース・ゲート間抵抗が充分低い素子を形成することが
可能となった。
【0057】また、表面のドナー濃度を高くすること
は、オーミック電極のコンタクト抵抗の低減にも効果が
あり、ソース・ゲート間抵抗をより小さくすることが可
能である。実施例3では、従来例、実施例2に比べて、
ソース・ゲート間抵抗は約1/5となった。
【0058】本実施例のようにオゾンアッシング装置を
使用している工程に、さらにバレル型酸素プラズマアッ
シング装置を用いた場合とバレル型酸素プラズマアッシ
ング装置のみを使用した場合とは、しきい値変化が同じ
になるように処理時間を調整した時でもバレル型酸素プ
ラズマアッシング装置のみの方がショットキー耐圧のリ
ーク電流が少し大きくなる。これは、オゾンによる方法
がプラズマによる方法より表面付近のドナーの濃度を選
択的に減少させているためと考えられ、逆に酸素プラズ
マによる方法の方が表面にドナーがまだ残っているので
トンネル電流としてリーク電流が見られている。本実施
例のように酸素導入の方法を選択することによって深さ
方向のドナー減少の分布をある程度制御することがで
き、ショットキー耐圧を向上させることができる。
【0059】また、実施例2でゲート蒸着工程が2度に
なっているに対して、本実施例ではゲート電極材料蒸着
工程は1回に簡略化している。
【0060】実施例2のエンハンスメント型HEMT、
実施例3のエンハンスメント型HEMT及びディプレッ
ション型HEMTのようにゲートに対して自己整合的に
ドナー濃度を減少させた領域をつくる方法は、ソース・
ゲート間抵抗の低減方法として限定されるものではな
く、単体のトランジスタにおいても利用可能である。
【0061】(実施の形態4)図4に本発明に係るキャ
リア供給層のn型InAlAs層の上に、製造過程にお
いて安定なInAlP層を用いた半導体装置の製造工程
の断面図を記す。
【0062】まず、半絶縁性InP基板上401に、M
OCVD法にてバッファ層としてInAlAs層402
を300nm厚に成長させ、さらにその上に能動層とし
てInGaAs層403を30nm厚に成長させ、さら
にその上にスペーサ層としてInAlAs層404を2
nm厚に成長させ、さらにその上にキャリア供給層とし
てSiを9×101 8 個/cm3ドーピングしたn型I
nAlAs層405を3nmに成長させ、さらにその上
にアンドープのInAlP層406を17nmに成長さ
せる。
【0063】次に、素子分離のために素子に不要な部分
は表面の成長層をエッチングし、InP基板401を露
出させる。
【0064】次に、フォトレジストでソース及びドレイ
ン電極形成領域に開口部をもったパターンを形成し、A
uGe(100nm)/Ni(20nm)/Au(10
0nm)を順次蒸着し、次にレジストを溶解してレジス
ト上の金属を取り除き、ソース及びドレイン電極407
を形成する。以上の工程終了後の断面図を図4(a)に
示す。
【0065】次に、フォトレジストでエンハンスメント
型HEMTのゲート電極形成領域に開口部408をもっ
たパターンを形成し、半導体プロセスで一般的に用いら
れているバレル型酸素プラズマアッシング装置を用い、
酸素0.5Torr、100℃、100Wの条件で、酸
素プラズマを開口部408を介してInAlP層に15
分間接触させることで、アンドープのInAlP層40
6のInAlP層を通してキャリア供給層のn型InA
lAs層405中に酸素を導入する。
【0066】次に、レジストを溶解して除去した後、3
60℃の熱処理を行うことでソース及びドレイン電極の
オーミック接続を形成すると同時に、キャリア供給層の
n型InAlAs層405中のドナー濃度を減少させ
る。
【0067】次にディプレッション型HEMTとエンハ
ンスメント型HEMTのゲート電極409をAl(30
0nm)を蒸着し、形成する。
【0068】以上の工程を経て、しきい値電圧−0.6
1Vのデップレッション型HEMTとしきい値電圧0.
11Vのエンハンスメント型HEMTを同一半導体基板
上に有する半導体装置が得られた。
【0069】本実施例のように表面がInAlAs以外
の材料である場合にも、キャリア供給層がn型InAl
As層である場合は、本発明が適用可能であることを示
しており、InAlAs以外の材料を表面に使用するこ
とは、InAlAsの材料が比較的不安定な物質である
ために、製造工程中に特性が変動してしまうことを防止
できる点で有利である。また、InAlP層の厚みは、
1nm〜50nmであれば酸素を導入できるが、HEM
Tとして利用することを鑑みると、1〜20nmである
ことが望ましい。また、酸素導入方法においても、本実
施例4のようにキャリア供給層のn型InAlAs層の
上にInAlP等の層を形成した場合には、バレル型酸
素プラズマアッシング装置のように酸素をより深い部分
にまで導入できる方法を選択することが望ましい。
【0070】また、本実施例の他に、実施例1、2、3
においてn型InAlAs層の表面に2〜4nmのIn
GaAs層を成長させることでもn型InAlAs層の
特性が工程中に変動することを防止することができる。
InGaAs層を成長させた場合でも、酸素の導入は可
能であり、ゲート部分の基板表面のInGaAs層を除
去したい場合にはゲート蒸着前にフッ酸で処理すれば除
去可能である。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、酸素をキャリア供給層
に導入し、熱処理を行うので、簡易なプロセスで、半導
体装置のしきい値電圧の制御が容易にできる。
【0072】また、本発明によれば、酸素をゲート電極
形成領域に導入するために用いたマスクを、そのままゲ
ート電極形成のマスクに用いてゲート電極形成を行い、
その後熱処理をするので、ゲート電極に対しドナー濃度
を減少させたInAlAsのキャリア供給層の領域を小
さくできるので、良好な特性を持つ半導体装置が得ら
れ、且つ製造工程を簡略化できる。
【0073】また、本発明によれば、しきい値電圧の異
なる半導体装置の両方のゲート電極形成領域のキャリア
供給層のドナー濃度を低く変えるので、当初のキャリア
供給層のドナー濃度を高くすることができるので、ソー
ス・ゲート間抵抗を低くすることができる。
【0074】また、酸素を導入する方法が、酸素プラズ
マやオゾンにさらすだけであり、必要な熱処理も220
℃から480℃と低温であるので、製造工程中に半導体
装置の特性を劣化させることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の半導体装置の製造工程の断面図であ
る。
【図2】実施例2の半導体装置の製造工程の断面図であ
る。
【図3】実施例3の半導体装置の製造工程の断面図であ
る。
【図4】実施例4の半導体装置の製造工程の断面図であ
る。
【図5】従来の半導体装置の断面図である
【符号の説明】
101,201,301,401,501 InP基板 102,202,302,402,502 バッファ層
としてInAlAs層 103,203,303,403,503 能動層とし
てInGaAs層 104,304,404 スペーサ層としてInAlA
s層 105,204,305,405,504 キャリア供
給層としてn型InAlAs層 106 アンドープのInAlAs層 107,207,306,408 エンハンスメント型
HEMTのゲート電極形成領域に対応する開口部 108,208 レジストマスク 109,205,309,407,505 ソース及び
ドレイン電極 110,308,409 ゲート電極 206,506 ディプレッション型HEMTのゲート
電極 209 エンハンスメント型HEMTのゲート電極 307 ディプレッション型HEMTのゲート電極形成
領域に対応する開口部 406 アンドープのInAlP層 507a Pt層 507b Ti層 507c Pt層 507d Au層 507a’PtAs2
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 29/872 27/095

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 しきい値電圧の異なる第1の高電子移動
    度トランジスタと第2の高電子移動度トランジスタを半
    導体基板上に形成する半導体装置の製造方法において、 前記第1、2の高電子移動度トランジスタに共通の能動
    層を前記半導体基板上に形成する工程と、 前記第1、2の高電子移動度トランジスタに共通のn型
    InAlAsからなり、所定のドナー濃度を有するキャ
    リア供給層を前記能動層上に形成する工程と、 少なくとも一方の高電子移動度トランジスタのゲート電
    極形成領域に対応する前記キャリア供給層に酸素を導入
    する工程と、 熱処理を行い、前記ドナー濃度を制御する工程とを有す
    ることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 しきい値電圧の異なる第1の高電子移動
    度トランジスタと第2の高電子移動度トランジスタを半
    導体基板上に形成する半導体装置の製造方法において、 前記第1、2の高電子移動度トランジスタに共通の能動
    層を前記半導体基板上に形成する工程と、 前記第1、2の高電子移動度トランジスタに共通のn型
    InAlAsからなり、所定のドナー濃度を有するキャ
    リア供給層を前記能動層上に形成する工程と、 少なくとも一方の高電子移動度トランジスタのゲート電
    極形成領域に対応する開口部を有するマスク材を形成す
    る工程と、 前記開口部を介して前記キャリア供給層に酸素を導入す
    る工程と、 前記マスク材を残存させ、前記開口部にゲート電極を形
    成する工程と、 熱処理を行い、前記ドナー濃度を制御する工程とを有す
    ることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 しきい値電圧の異なる第1の高電子移動
    度トランジスタと第2の高電子移動度トランジスタを半
    導体基板上に形成する半導体装置の製造方法において、 前記第1、2の高電子移動度トランジスタに共通の能動
    層を前記半導体基板上に形成する工程と、 前記第1、2の高電子移動度トランジスタに共通のn型
    InAlAsからなり、所定のドナー濃度を有するキャ
    リア供給層を前記能動層上に形成する工程と、 第1の高電子移動度トランジスタのゲート電極形成領域
    に対応する第1の開口部を有するマスク材を形成する工
    程と、 前記第1の開口部を介して前記キャリア供給層に酸素を
    導入する工程と、 前記マスク材に第2の高電子移動度トランジスタのゲー
    ト電極形成領域に対応する第2の開口部を設ける工程
    と、 両方の開口部を介して前記キャリア供給層に酸素を導入
    する工程と、 熱処理を行い、前記ドナー濃度を制御する工程とを有す
    ることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記酸素を導入する工程が、オゾンにさ
    らす工程であることを特徴とする請求項1〜3に記載の
    半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記酸素を導入する工程が、酸素プラズ
    マにさらす工程であることを特徴とする請求項1〜3に
    記載の半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記熱処理の温度が、220℃から48
    0℃であることを特徴とする請求項1〜5に記載の半導
    体装置の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012074544A (ja) * 2010-09-29 2012-04-12 Ngk Insulators Ltd 半導体素子および半導体素子の作製方法
US8878246B2 (en) 2010-06-14 2014-11-04 Samsung Electronics Co., Ltd. High electron mobility transistors and methods of fabricating the same
US9041063B2 (en) 2010-05-04 2015-05-26 Samsung Electroncs Co., Ltd. High electron mobility transistors and methods of manufacturing the same
JP2015135841A (ja) * 2014-01-16 2015-07-27 日本電信電話株式会社 酸化アルミニウム薄膜の形成方法

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