JP4642246B2 - プレーナー型ガルバノミラー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばレーザー光のスキャニングシステム等に利用するプレーナー型ガルバノミラーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プレーナー型ガルバノミラーは、レーザー光を偏向走査するレーザースキャナ等に利用されるもので、その原理は、磁界中に配置した可動コイルに電流を流すと電流と磁束に関連して電磁力が発生して電流に比例した回転力が生じ、この回転力と可動コイル保持部材のばね力とが平衡する角度まで可動コイルが回転し、この可動コイルを介して指針を振らせて電流の有無や大小を検出するというガルバノメータを利用したもので、可動コイルと一体に回転する軸(可動コイル保持部材)に、前記指針の代わりにミラー(反射鏡)を設けて構成されるものである。小型のプレーナー型ガルバノミラーとして、半導体基板を使用したものが提案されている。
【0003】
図1は従来技術によるプレーナー型ガルバノミラーを示す図で、(a)は上面図、(b)は正面断面図、(c)は側面断面図である。半導体である、シリコン基板1に一体形成された可動板2の上面の中央部にはミラー3が形成されており、周縁部には平面コイル4が形成されている。可動板2はシリコン基板1に中抜き状態で形成され、シリコン基板1より一体に形成されたトーションバー5、6により保持されている。シリコン基板1はベース基板7の上面に固定された台座8の上面に固定されている。上面図(a)においてシリコン基板1の上下には永久磁石9、10が配置され、ベース基板7の周縁部には、ヨーク11が載置されている。ヨーク11は中抜きにされ、角状に形成されたものを複数枚積み重ねることによって構成している。
【0004】
可動板2に形成された平面コイル4に通電すると、可動板2はトーションバー5、6を回転中心として回転する。この可動板2は上下に約20度回転可能である(トーションバーの形状により回転可能角度は変えられる)。ベース基板7上にはパターン7aが形成されており、該パターン7aとシリコン基板1に形成されたパターン1aとをワイヤー13により接続している。ワイヤー13は断線不良等を考慮し、予め複数本接続されている。パターン7aにはスルーホール7bが設けられており、スルーホール7bを介して外部との接続を行う構造である。スルーホール7bはベース基板7の下面に設けられた配線用パターン(不図示)を介してサイドスルーホール7cと接続されている。尚ヨーク11上にはカバー部材が設けられる。
【0005】
図2は従来技術によるプレーナー型ガルバノミラーの斜視図である。図3は図2のA−A断面図である。ヨーク11には、半導体基板1の保護を目的に樹脂等で形成された平板状のカバー部材12が設けられる。カバー部材12は接着剤でヨーク11上に固定され、プレーナー型ガルバノミラーが構成されている。12aは開口部であり図3中に示す矢印はレーザー光の動きを示すものである。外部より照射されるレーザー光は開口部12aを通過し、ミラー面で偏向され開口部12aを通過して矢印方向に進むものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来技術では、プレーナー型ガルバノミラー以外に光源となるレーザー光等が別途必要であり、光源とプレーナー型ガルバノミラーを位置合わせして固定しなければならない。
【0007】
そのため、光源の入手と、位置決め固定するための組立て、調整工数が必要となる。また、そのための装置が必要となる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
半導体基板に形成された平板状の可動板と;前記半導体基板に前記可動板と一体に形成され、前記可動板を前記半導体基板に対して半導体基板上下方向に揺動可能に軸支するトーションバーと;前記可動板に設けられ、通電により磁界を発生する平面コイルと;前記可動板に設けられたミラーと;前記半導体基板が搭載された台座基板と、前記半導体基板のトーションバーの軸方向と平行に配置されて前記可動板の平面コイルに磁界を作用させるための対をなす永久磁石及びヨークと、が上面に固定されるとともに、前記半導体基板に形成されたパターン部と電気的に接続されるパターン部が上面に設けられたベース基板と;開口部を有し、前記半導体基板、前記永久磁石及び前記ヨークを覆うように設けられたカバー部材と;前記ミラーに向かって光を照射する光源と;を備え、前記光源は、前記可動板よりも上方の位置に形成されて前記ベース基板の下面と所定角度をなす前記カバー部材の傾斜面に設けられ、前記ミラーは、前記可動板の非可動時に、前記光源からの入射光の反射光が前記ベース基板の下面と直交するように配置され、前記光源からの入射光の前記ミラーによる反射光が前記開口部を通過するように構成されているプレーナー型ガルバノミラーとする。
【0009】
前記光源はFPCに搭載され、該FPCが前記カバー部材の傾斜面に固定されているプレーナー型ガルバノミラーとする。
【0011】
前記所定角度は45度であり、前記光源からの入射光が前記ベース基板の下面と45度の角度をなして前記ミラーに入射するプレーナー型ガルバノミラーとする。
【0012】
【発明の実施の形態】
図4は本発明の実施形態を示すプレーナー型ガルバノミラーの断面図である。従来技術と同じ部分については同じ符号を用いている。14は開口部14aを有する箱状のカバー部材である。カバー部材14はベース基板7の側面部まで覆う形状であるが、サイドスルーホールが設けられた側面部は覆わない形状としてある。図示しないが、カバー部材14を基板外周面をすべて覆う形状にする場合は、外部との接続はBGAタイプにすることで対処できる。
【0013】
カバー部材14には、光源(例えばレーザー発光ダイオード)15を搭載したFPC(フレキシブ回路基板)16が位置決め固定されている。この位置関係は、光源15からのミラー3への照射部分がミラー3の回転中心になるように設定される。ミラー3が非可動状態では、光源15からの光は▲1▼方向に反射される。ミラー3が時計回りに15度回転すると、光は▲2▼方向に反射される。ミラー3が半時計回りに15度回転すると、光は▲3▼方向に反射される。ミラー3が左右に15度回転することにより、反射光は▲1▼方向を中心としてその左右に30度ずつの広がりを持つ回転でスキャンされることになる。ミラー3が非可動時に光が反射される方向▲1▼は、光源15の位置とミラー3の位置関係で決まるので、プレーナー型ガルバノミラーは、ミラー3が非可動時に光が反射される方向▲1▼がスキャンしたいものの中心になるように固定しなければならない。
【0014】
光源15は直接カバー部材14に固定せず、FPC16に搭載してからカバー部材14に位置決め固定するのが好ましく、組立ての作業性、組立て精度の確保が容易となる。
【0015】
図5は請求項3に関する発明の実施形態を示す断面図である。ミラー3は、可動板が非可動時に光源15からの入射光の反射光▲4▼がベース基板7の下面と直交するようにミラー3が配置されているプレーナー型ガルバノミラーである。
【0016】
この位置関係も、光源15からのミラー3への照射部分がミラー3の回転中心になるように設定される。ミラー3が非可動状態では、光源15からの光は▲4▼方向に反射される。ミラー3が時計回りに15度回転すると、光は▲5▼方向に反射される。ミラー3が半時計回りに15度回転すると、光は▲6▼方向に反射される。ミラー3が左右に15度回転することにより、反射光は▲4▼方向を中心としてその左右に30度ずつの広がりを持つ回転でスキャンされることになる。ミラー3が非可動時に光が反射される方向▲4▼は、光源15の位置とミラー3の位置関係で決まるので、プレーナー型ガルバノミラーは、ミラー3が非可動時に光が反射される方向▲4▼がベース基板7の下面と直交するように設定されている。図4、図5では光源15からミラー3への照射角はベース基板7下面の鉛直線(即ち▲4▼)に対して35度である。
【0017】
図6は請求項4に関する発明の実施形態を示す断面図である。ミラー3は、可動板が非可動時に光源15からの入射光の反射光▲7▼がベース基板7の下面と直交するようにミラー3が配置されているプレーナー型ガルバノミラーである。そして、光源15からミラー3への照射角はベース基板7下面の鉛直線(即ち▲7▼)に対して45度にしてある。ミラー3が時計回りに20度回転すると、光は▲8▼方向に反射される。ミラー3が半時計回りに20度回転すると、光は▲9▼方向に反射される。ミラー3が左右に20度回転することにより、反射光は▲4▼方向を中心としてその左右に40度ずつの広がりを持つ回転でスキャンされる例である。
【0018】
【発明の効果】
請求項1の発明によると、プレーナー型ガルバノミラーに光源を備えたので、プレーナー型ガルバノミラーをスキャナ等に搭載するだけで使用でき、ガルバノミラーと光源との位置合わせが不要となる。よって、大変使用しやすいプレーナー型ガルバノミラーとなる。
【0019】
請求項2の発明によると、光源をFPCに搭載してからカバー部材に固定するので、光源の搭載作業が容易になり、また、組立て精度も向上できる。
【0020】
請求項3の発明によると、プレーナー型ガルバノミラのベース基板に対して反射光の中心が鉛直線になるので、プレーナ型ガルバノミラーを搭載する位置決めが容易になる。
【0021】
請求項4の発明によると、光源をカバー部材またはFPCに搭載するだけで光源からの入射光が45度に設定できるので、光源をカバー部材またはFPCに搭載する作業が容易となる。すなわち、光源を搭載するカバー部材の面がベース基板の下面とのなす角を45度にすることにより自動的に入射角が45度になるので、組立て時の調整が不要となる。FPCを使用する場合でも条件は同じとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術によるプレーナー型ガルバノミラーを示す図で、(a)は上面図、(b)は正面断面図、(c)は側面断面図
【図2】従来技術によるプレーナー型ガルバノミラーの斜視図
【図3】図2のA−A断面図
【図4】本発明の実施形態を示すプレーナー型ガルバノミラーの断面図
【図5】本発明の実施形態を示す断面図
【図6】本発明の実施形態を示す断面図
【符号の説明】
1 シリコン基板
1a パターン
2 可動板
3 ミラー
4 平面コイル
5 トーションバー
6 トーションバー
7 ベース基板
7a パターン
7b スルーホール
7c サイドスルーホール
8 台座
9 永久磁石
10 永久磁石
11 ヨーク
12 カバー部材
12a 開口部
13 ワイヤー
14 カバー
14a 開口部
15 光源
16 FPC
Claims (3)
- 半導体基板に形成された平板状の可動板と、
前記半導体基板に前記可動板と一体に形成され、前記可動板を前記半導体基板に対して半導体基板上下方向に揺動可能に軸支するトーションバーと、
前記可動板に設けられ、通電により磁界を発生する平面コイルと、
前記可動板に設けられたミラーと、
前記半導体基板が搭載された台座基板と、前記半導体基板のトーションバーの軸方向と平行に配置されて前記可動板の平面コイルに磁界を作用させるための対をなす永久磁石及びヨークと、が上面に固定されるとともに、前記半導体基板に形成されたパターン部と電気的に接続されるパターン部が上面に設けられたベース基板と、
開口部を有し、前記半導体基板、前記永久磁石及び前記ヨークを覆うように設けられたカバー部材と、
前記ミラーに向かって光を照射する光源と、
を備え、
前記光源は、前記可動板よりも上方の位置に形成されて前記ベース基板の下面と所定角度をなす前記カバー部材の傾斜面に設けられ、
前記ミラーは、前記可動板の非可動時に、前記光源からの入射光の反射光が前記ベース基板の下面と直交するように配置され、
前記光源からの入射光の前記ミラーによる反射光が前記開口部を通過するように構成されていることを特徴とするプレーナー型ガルバノミラー。 - 前記光源はFPCに搭載され、該FPCが前記カバー部材の傾斜面に固定されていることを特徴とする請求項1記載のプレーナー型ガルバノミラー。
- 前記所定角度は45度であり、前記光源からの入射光が前記ベース基板の下面と45度の角度をなして前記ミラーに入射することを特徴とする請求項1または2記載のプレーナー型ガルバノミラー。
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