次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施形態を挙げて、図面を参照しながら、以下詳細に説明する。なお、本実施形態では、遊技機として、パチンコ球を遊技媒体として使用する一般的なパチンコ機を例にして説明する。
図1は、本実施形態における遊技機の構成を示す正面図である。図1に示すように、遊技機10において機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。また、中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視保護するためのガラス枠を備えた前枠14と上球皿15が共に横開き状態で開閉可能に組付け整合されている。さらに、前記中枠12の下部には下球皿16、打球発射装置17等が装着されている。
また、遊技盤13の盤面には、略円形状に湾曲形成したレールにより囲まれた遊技領域の前面において、その遊技領域に打ち出された遊技球(図示せず)を案内する多数の遊技釘が配設されており、前記遊技領域の縦央やや下部には、遊技球をスイッチ(図示せず)で検出し得る始動入賞装置22と、始動入賞装置22の直下方に配置された大型電動式の可変入賞装置23等が備えられている。
図柄表示装置21は、図柄を変動させて図柄組合せゲームを表示する液晶画面、具体的には、複数列(例えば3列)の図柄を各列毎に表示する液晶画面を有している。また、可変入賞装置23の下方には、アウト口24が設けられており、遊技領域を流下しアウト球として、遊技機の裏側へ排出される遊技球が通過するようになっている。
なお、本実施形態における図柄組合せゲームでは、図柄表示装置21の表示領域(前面側)に表示される、例えば3列の図柄が、同一図柄となる図柄組合せ態様で確定停止した状態が大当り状態とされる。なお、前記確定停止とは、前記表示領域において、各図柄が完全に停止した状態を示す。そしてこのとき、多数の遊技球を獲得できるチャンスが遊技者に付与される。また、前記表示領域に表示される図柄が3列で表示される場合、そのうち特定の2列の図柄が同一図柄となって表示された状態がリーチ状態とされる。また、例えば、全て異なる図柄となったりして、各図柄が同一図柄とならずに確定停止した状態がはずれ状態とされる。前記大当り状態が特別遊技状態に相当する。
そして、打球発射装置17の操作により遊技盤13の遊技領域に打ち出された遊技球を始動入賞装置22内に配設された前記スイッチが検出するか、若しくは、始動保留球数の記憶値が1〜4である場合、図柄表示装置21で前記図柄組合せゲームが行われるようになっている。
また、可変入賞装置23は、特別入賞具に設けられた扉状の開閉板が、後側の電磁ソレノイド(図示せず)に係る設定駆動条件に基づいて、通常の閉鎖状態から開放状態に変化し得るよう構成されて、前記図柄変動ゲームの結果、特別遊技が発生すると前記大当り状態として前記開閉板が開放して多数の遊技球を得る機会が付与されるようになっている。
図2及び図3は、本実施形態における遊技機の裏側の構成を示す背面図である。図2及び図3に示すように、遊技機10の裏側は、遊技機に配設される各種制御ユニットが、図示しない各種制御基板を透明樹脂製の保護ケース内にそれぞれ収容されてなり、保護ケースの外部から各種制御基板をそれぞれ視認し得るようになっている。
具体的には、メイン基板(図示せず)が透明樹脂製の保護ケース内に収容されてなるメイン基板ユニット32と、図柄表示装置21及び表示制御基板ユニット100(図4参照)が透明樹脂製の保護ケース3110(図4参照)内に収容されてなる表示ユニット311を保護するリアパック(上)31aと、ランプ制御基板(図示せず)を保護し、遊技機10の裏面側にサブ統括基板が設置されたリアパック(下)31bとが、遊技機10の裏面側に上下に列設されている。
なお、メイン基板ユニット32に収容される前記メイン基板は、遊技機で行う遊技内容を特定するものであって、遊技盤13(図1参照)等を交換して遊技機の遊技内容を変更する所謂機種変更時には交換を要する専用基板である。また、以下の説明において、上・下及び左・右とは、特に断りのない限り、図2及び図3に示すように遊技機10の裏側から見た状態において指称するものとする。
図4は、本実施形態の表示ユニットの構成を示す図であり、遊技機10の裏側から見た表示ユニット311の透過正面図である。図4に示すように、表示ユニット311は、透明樹脂製の保護ケース3110内に図柄表示装置21及び表示制御基板ユニット100並びにそれらの間の配線が収納されてなり、保護ケース3110は、収納対象となる図柄表示装置21及び表示制御基板ユニット100並びにそれらの間の配線を保護するための収納筐体として機能する。
ここで、本実施形態では制御対象を図柄表示装置21の画像表示に特定して説明しているため、表示制御基板ユニット100が本発明にいう「制御基板」に該当する。従って、本発明にいう「制御基板」は第1の基板40と第2の基板60から構成され、2枚の第2の基板60は、第1の基板40に対して立設・固定されている。また、第1の基板40の下面(第2の基板60が立設された面を上面とした場合)は、図柄表示装置21の背面(図柄が表示される面を正面とした場合)に対向するように、例えば金属製のシャーシなどの導電板50を介して設置されている。また、第1の基板40上には、サブ統括制御基板(図2参照)に接続するためのコネクタ3112が設置されている。
なお、表示ユニット311の外形を形成している保護ケース3110の形状は、従来のように方形状ではなく、当該表示ユニット311の周囲で引き回される配線などを収納するスペースとして、遊技機10の裏側に溝部3111(図4参照)が形成された形状となっている。
次に、このように設置された表示制御基板ユニット100の構成について説明する。図5は、本実施形態における表示制御基板ユニットの設置態様を示す斜視図である。なお、以下の本実施形態における表示制御基板ユニットの説明において、上・下及び左・右とは、第1の基板40に対して第2の基板60が立設された方向を「上」方向、その反対方向を「下」方向とし、第1の基板40上における第2の基板60とコネクタ3112との設置位置(図4参照)において、第2の基板60が設置された方向を「前」方向、コネクタ3112が設置された方向を「後」方向、前記「前」方向から見た状態において「左・右」方向と指称するものとする。
図5に示すように、図柄表示装置21の背面側に表示制御基板ユニット100を設置するための導電板50上には、当該導電板50を介して図柄表示装置21の背面に下面(下方の面)が対向するように第1の基板40が設置されている。なお、導電板50はアース接地されていることが望ましく、ここにいう「アース接地」とは、「大地接地」を意味し、接続対象を同電位とする前記「グランド端子」における「グランド」とは異なるものとする。
そして、第1の基板40の上面(上方の面)には、2枚の第2の基板60が所定の間隔で立設されている。そして、第1の基板40上に立設される第2の基板60(本実施形態では2枚)を保持すると共に、第2の基板60に乗ったノイズを第1の基板40に逃がす導電性部材80が第1の基板40に設置されている。
導電性部材80は、第2の基板60の各々の一方の側端部60aを挟持する複数の挟持部と、各挟持部を連結し、ネジSによって第1の基板40と共に導電板50に固定される第3の接続部とから構成される。すなわち、各導電部材80は、各第2の基板60の一方の側端部60aを挟持する導電部材80と、各第2の基板60の他方の側端部60aを挟持する導電部材80が第2の基板60の側方において対向する一対構成をなして第1の基板40に設置されている。
次に、表示制御基板ユニット100の構成について詳細に説明する。図6は、本実施形態における表示制御基板ユニットの構成を詳細に示す分解斜視図である。図6に示すように、表示制御基板ユニット100は、導電板50と、第1の基板40と、第2の基板60と、導電性部材80とから構成されるが、第1の基板40の上面(第2の基板60が立設される上方の面)には、第2の基板60との電気的導通(信号の授受)を実現するためのコネクタとして第1の接続部41が、立設される第2の基板60の数に応じて設置されている。
一方、第2の基板60の下端部には、第1の基板40との電気的導通(信号の授受)を実現するためのコネクタとして第2の接続部61が設置されている。ここで、第1の接続部41及び第2の接続部61の少なくとも何れかの形状は、第1の基板40に接続された第2の基板60が、第1の基板40の上面上における面方向の動き(図中、前後左右の動き)を制限する形状である。すなわち、第1の接続部41及び第2の接続部61の何れかの形状は、電気的導通部分(例えば端子)のみの嵌合によってそれらが接続される態様ではなく、それぞれの電気的導通部分の周囲に、第1の基板40と第2の基板60とを固着させるための嵌合構造が採用されている。
図7(a)は、本実施形態における第1の接続部及び第2の接続部の構造を示した斜視図であり、図7(b)は、第1の接続部の構造を上面から見た図である。例えば、図7(a)に示すように、第1の接続部41は、第1の基板40の上面に形成された本体部411と、その本体部411の左右両側に設置された2つの制限部412a,412bとから構成されている。そして、本体部411の外形は、上面視で台形形状となっており、本体部411の上方に開口するように形成された凹部4111内には、端子4112が設けられている。
一方、第2の基板60の下端部60bに設けられた第2の接続部61は、第2の基板60上に搭載されたROM(図示せず)から引き出され、下端部60b方向に突出した端子611とその周囲を第1の接続部41に嵌合するように形成された枠部612とから構成される。枠部612の内側の形状は、本体部411の外形と嵌合するように同様の台形形状に形成されている。
また、本体部411の左側には、コの字形状の制限部412aが設置されており、その設置態様は、制限部412aのコの字形状が本体部411の左側を囲むようになっている。そして、図7(b)に示すように、本体部411と制限部412aとにより形成される空間(ハッチングで表示)の形状と枠部612の左端部の外形形状とが合うように設計されている。
このように制限部412aが設置されたことにより、第2の基板60の左方向及び前後方向への動きをより確実に制限することができる。特に、制限部412aを設けた位置は、表示ユニット311(図4参照)を遊技機に設置した際に鉛直方向側となる位置であるため、第2の基板60の自重によって動いてしまう場合の制限になる。
さらに、図7(a)に示すように、本体部411の右側にも、コの字形状の制限部412bを、制限部412bのコの字形状が本体部411の右側を囲むように設置すると好適である。そして、制限部412aと同様に、本体部411と制限部412bとにより形成される空間の形状と枠部612の右端部の外形形状とが合うように設計されている。
このように、制限部412aに加えて制限部412bも設置することにより、表示ユニット311(図4参照)を遊技機から取り外して、第1の基板40を水平とした状態で扱う場合であっても、左右方向及び前後方向の何れの方向にも第2の基板60の動きをより確実に制限することができる。
すなわち、本実施形態で説明した第1の接続部41を構成する本体部411及び制限部412a,412bの形状や、第2の接続部61の構成を第1の接続部の外形に合わせた枠部612の形状は、「第1の接続部41及び第2の接続部61の少なくとも何れかの形状は、第1の基板41に接続された第2の基板60が第1の基板40の設置面上における面方向の動きを制限する形状」ということができる。また、変形例として、本体部411に形成された凹部4111の形状が、その凹部4111の周囲を本体部411の上面が囲むように形成されることで、凹部4111に挿入された端子611の左右の動きが制限されるようになっているだけでもよい。
なお、制限部412は、制限部412a及び制限部412bのように分割された形状ではなく、本体部411を囲繞するような形状でもよい。すなわち、互いに向き合ったコの字形状の制限部412aと制限部412bとを連結させることによって、本体部411を囲繞させた一体の制限部412を形成してもよい。
図7(a),(b)に示すような構造をなす第1の接続部41及び第2の接続部61を互いに嵌合させるによって、第2の基板60は第1の基板40の上面上に立設させることが可能である。本実施形態では、この設置態様に加えて、第1の基板40上に立設される第2の基板60(本実施形態では2枚)のを保持すると共に、第2の基板60に乗ったノイズを第1の基板40に逃がす導電性部材80を表示制御基板ユニット100の構成に加えた。
図6に示すように、第1の基板40上における第1の接続部41の外側(左右側)には1対のネジ孔42aが形成され、そのネジ孔42aに導通する第1の導通部43が各ネジ孔42aの開口部周縁に露出して形成されている。第1の接続部41のグランド端子(図示せず)は、ネジ孔42a又は第1の導通部43に導通している。すなわち、第1の接続部41の前記グランド端子は、第1の導通部43に直接的に導通しているか、又はネジ孔42a若しくはネジ42aに螺合するネジSを介して第1の導通部43に間接的に導通している。なお、ネジSは導電性を有するネジを使用する。
一方、第1の接続部41に対して第2の接続部61を対向させた第2の基板60,60の両側端部60a、60aの近傍には、第2の接続部61のグランド端子(図示せず)に導通する第2の導通部62が形成されている。第2の基板60,60の両側端部(少なくとも第2の導通部62を含む)を挟持した導電性部材80には、第3の接続部82にネジ孔821が形成されており、第2の基板60、60は、自身の第2の接続部61が、第1の基板40の第1の接続部41に接続されることによって第1の基板40に立設されるだけでなく、第2の基板60の側端部を挟持すると共に第1の基板40上に設置される導電性部材80によっても固定されることとなる。
さらに、導電性部材80のネジ孔821は、第1の基板40に形成されたネジ孔42aと共にネジSによって導電板50のネジ孔52に固定され、結果として、導電性部材80は、第1の導通部43に導通し、第1の基板40の裏側に形成された第3の導通部44と、導電板50とが相互に面接続して導通されることとなる。このネジ孔52は、導電板50に第1の基板40を載置するために形成された基板設置片51に設けられたネジ孔である。なお、第1の基板40には、ネジSが第3の接続部82のネジ孔821を貫挿せず、導電板50に対して第1の基板40を固定するためだけのネジ孔42bも形成されることがあるが、第1の導通部43がネジ孔42bに対して導通する構成を採用してもよい。
なお、第1の基板40の上面上における第2の基板60及び導電性部材80の設置スペースを小さくするために、第1の基板40上のネジ孔42aの形成位置(第1の基板40に対する第3の接続部82の当接面の設置位置)は、第2の基板60の両側端部60aより内方に設定されることが好ましい。従って、この第1の基板40上のネジ孔42aの形成位置に合わせて、導電性部材80の大きさなどを適宜変更してもよい。
ここで、導電性部材80の構造について説明する。図8は、本実施形態における導電性部材の構造を示す図であり、図8(a)は1対の導電性部材を対向させた斜視図、図8(b)は第2の基板の側端部に対して設置する際の上面図である。図8(a)に示すように、導電性部材80は、導電性を有する金属製で、第2の基板60の側端部60aを挟持する複数(本実施形態では2枚)の挟持部81,81と、各挟持部81,81を連結する第3の接続部82とから構成される。具体的には、平板形状をなす第3の接続部82の両端部にそれぞれ、第2の基板60を挟持する挟持部81が立設した形状をなし、第3の接続部82には第1の基板40上のネジ孔42a(図6参照)と共にネジSによって導電板50に固着されるためのネジ孔821が形成されている。
また、図8(b)に示すように、挟持部81は、第2の基板60の前面側に付勢する挟持片81aと第2の基板60の後面側に付勢する挟持片81bとが連結されてなり、挟持部81の形状は、第2の基板60に対向する側が開いた「コの字」形状をなし、挟持部81に第2の基板60を挟持させる際に挟持片81a,81bの間に第2の基板60が進入しやすいように開角度をつけた誘導部83が各挟持片81a,81bの先端部に形成されている。
ここで、通常の状態(挟持部81が第2の基板60を挟持していない状態)における挟持部81の幅(挟持片81aと挟持片81bとの距離)T2は、第2の基板60の厚さ(表裏面に形成された第2の導通部の厚さも含む)T1よりも小さく設計されており、挟持片81a,81bの間に第2の基板60が進入してきた際には、挟持部81の幅T2が第2の基板60の厚さ(表裏面に形成された第2の導通部の厚さも含む)T1に拡げられ、結果として挟持片81a及び挟持片81bがそれぞれ第2の基板60前面及び後面を付勢することとなる。
次に、このような構成をなす表示制御基板ユニット100の組み立て手順について図9(a)〜(c)を参照して説明する。図9(a)に示すように、まず、対向させた2枚の第2の基板60のそれぞれの側端部60aに対して、挟持部81が挟持し、かつ第2の導通部62に挟持部81が接触するように、導電部材80を設置する。
なお、このようにして導電性部材80が両側端部60aに設置されたとき、第2の接続部61,61の間隔(より詳細には、端子611、611の間隔(図7(a)参照))は、第1の基板40上に設けられた第1の接続部41,41の間隔(より詳細には、凹部4111,4111の間隔(図7(a)参照))とほぼ同じになるように第3の接続部82の幅(挟持部81,81間の距離)が設定されている。
次に、図9(b)に示すように、第1の接続部41が2つ形成された第1の基板40を、図柄表示装置21の背面側に表示制御基板ユニット100を設置するための導電板50上に仮設する。具体的には、導電板50に形成された基板設置片51に、ネジ孔52とネジ孔42aとが重なるように(ネジSが貫挿するように)、第1の基板40を載置する。
そして、導電性部材80によって両側端部60a,60a同士が連結固定された2つの第2の基板60,60を把持し、各第2の基板60の第2の接続部61と、第1の基板40上の各第1の接続部41とを対向させて、第1の接続部41に第2の接続部61をそれぞれ嵌合させることによって、2枚の第2の基板60は第1の基板40に立設され、第1の基板40と各第2の基板60との電気的接続状態がなされる。このとき、各導電性部材80の第3の接続部82に形成されたネジ孔821が第1の基板40上に形成されたネジ孔42aと共通の貫通孔を形成するように位置あわせをする。このとき、第1の基板40上に、第3の接続部82の位置あわせのための凹部822(図8(b)参照)に係合する突起部などが形成されていると好ましい。
さらに、図9(c)に示すように、第1の基板40を載置するための基板設置片51に形成されたネジ孔52と、第1の基板40に形成されたネジ孔42a及び導電性部材80の第3の接続部82に形成されたネジ孔821とをネジSによって導通・固定すると共に、第1の基板40を載置するための基板設置片51に形成されたネジ孔52と、第1の基板40に形成されたネジ孔42bとをネジSによって導通・固定する。
このようにして、第2の接続部61のグランド端子に導通し、第2の基板60の表裏面に露出して形成された第2の導通部62は、ネジSによって、導電性部材80の挟持片81及び第3の接続部82、第1の接続部41のグランド端子に導通する第1の導通部43及び第3の導通部44に相互に面接続されて導通することとなり、さらには基板設置片51を経て導電板50に導通することとなる。
以上、本発明に係る遊技機の一実施形態について説明したが、第1の基板40の上面に立設される第2の基板60は1枚でもよい。この場合では、上記実施形態に開示した導電性部材80の形状のように、2対の挟持片81,81が第2の基板60を挟むような形状ではなく、第3の接続部82の前端部又は後端部に1対の挟持片81,81が形成された形状となる。
また、本実施形態の第1の基板40及び第2の基板60は、図柄表示部21に設置される表示制御基板ユニット100の構成要素として説明したが、これに限定されず、複数枚の基板から構成される制御基板であって、一の基板に対して他の基板を立設させるように構成された制御基板であれば、何れの制御基板ユニットにも転用することができる。例えば、遊技機の制御基板を、異なる種類の遊技動作に共通の共通基板と、その遊技動作に固有の固有制御基板とから構成し、これらを支持する支持基板に対して前記共有基板と前記固有制御基板とを起立状に設置し、異なる遊技機の機種ごとに前記固有制御基板のみを変更するニーズが生じる制御基板ユニットに転用することが可能である。
(他の実施形態)
次に、本発明に係る遊技機の他の実施形態について図面を参照して以下に説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態と略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
図10は、本発明に係る遊技機の他の実施形態における表示制御基板ユニットの設置態様を示す斜視図である。なお、本実施形態における表示制御基板ユニットの説明においても、上・下及び左・右とは、第1の基板40に対して第2の基板60が立設された方向を「上」方向、その反対方向を「下」方向とし、第1の基板40上における第2の基板60とコネクタ3112との設置位置(図4参照)において、第2の基板60が設置された方向を「前」方向、コネクタ3112が設置された方向を「後」方向、前記「前」方向から見た状態において「左・右」方向と指称するものとする。
図10に示すように、図柄表示装置21の背面側に表示制御基板ユニット100を設置するための導電板50上には、上記実施形態と同様、当該導電板50を介して図柄表示装置21の背面に下面(下方の面)が対向するように第1の基板40が設置されており、第1の基板40の上面(上方の面)には、2枚の第2の基板60が所定の間隔で立設されている。
そして、本実施形態では、第1の基板40上に立設される第2の基板60(本実施形態では2枚)を保持すると共に、第2の基板60に乗ったノイズを第1の基板40に逃がす導電性部材80が第1の基板40に設置されているのに加え、2枚の第2の基板60を第1の基板40に対して確実に固定するための基板押さえ部材70が設置されている。
基板押さえ部材70は、各第2の基板60の上端部に対して付勢する上端押さえ部71と、この上端押さえ部71から第1の基板40の上面方向に延設され、第1の基板40の上面上に固定された支柱部72とから構成される。
次に、表示制御基板ユニット100の構成について説明する。図11は、本実施形態における表示制御基板ユニットの構成を示す分解斜視図である。図11に示すように、本実施形態の表示制御基板ユニット100は、導電板50上に設置された第1の基板40に対して、2枚の第2の基板60,60が、第1の基板40上に設けられた2つの第1の接続部41に各第2の基板60の下端部に設けられた第2の接続部61が嵌合することで立設され、各第2の基板60の側端部60aを挟持する2つの挟持部81と、それらを連結し、第1の基板40に形成されたネジ孔42aとネジSの螺合孔を同一にするネジ孔821が形成された第3の接続部82とから構成される導電性部材80によって、2枚の第2の基板60,60はさらに確実に第1の基板40に固定されると共に、導電性部材80の介在によって第2の基板60に乗ったノイズを第1の基板40、導電板50に逃がすことが可能となっている。本実施形態では、この設置態様に加えて、第2の基板60の上端部60cを第1の基板40の上面に向かって付勢する基板押さえ部材70を表示制御基板ユニット100の構成に加えた。
基板押さえ部材70は、第2の基板60の上端部60cに当接し、第1の基板40の上面に向かって付勢するための平板形状をなす上端押さえ部71と、この上端押さえ部71の端部(図では左右端部)から第2の基板60,60の間で第1の基板40の上面に向かって延設した形状をなす支柱部72とからなる。ここで、上端押さえ部71の下面(第1の基板40の上面に対向する面)には、当接する第2の基板60の上端部60cを確実に付勢するために挟持する挟持片73,73が1枚の第2の基板60の表裏面を挟むようにして設置されている。
また、支柱部72は、その下端にネジ孔74を設けた固定片721が上端押さえ部71と平行となるように延設されている。したがって、上端押さえ部71の両端の支柱部72は、それぞれ、前面視で略L字形状に形成されている。そして、固定片721にはネジ孔74が形成されている。このネジ孔74は、第1の基板40に形成されたネジ孔42a及び導電性部材80のネジ孔821とネジSの螺合孔を同一にしている。このように、固定片721によって第3の接続部82を面で押さえることができるので、第1の導通部43と第3の接続部82との確実な導通が図れる。
第1の基板40に第2の基板60,60を立設し、これら第2の基板60,60を上端部60c,60cにて上端押さえ部71が付勢する基板押さえ部材70を設置した際に、支柱部72に形成されたネジ孔74,74に適応する第1の基板40上にネジ孔42aが形成されている。
したがって、基板押さえ部材70を第1の基板40にネジ止めする際には、支柱部72に形成されたネジ孔74と第1の基板40上のネジ孔42とを導電性部材80のネジ孔821を挟む態様でネジSにより固定することで、第1の基板40に立設された第2の基板60の上端部60cに上端押さえ部71が当接し、第1の基板40の上面部に向かって付勢することになる。
なお、第1の基板40の上面上における第2の基板60及び基板押さえ部材70の設置スペースを小さくするために、第1の基板40上のネジ孔42の形成位置(第1の基板40に対する支柱部72の当設面の設置位置)は、第2の基板60の両側端部60aより内方に設定されることが好ましい。従って、この第1の基板40上のネジ孔42の形成位置に合わせて、支柱部72の形状や上端押さえ部71の大きさなどを適宜変更してもよい。
また、上端押さえ部71の左右端部からそれぞれ延設された支柱部72の両端部におけるネジ孔74、74の近傍には、第1の基板40に向けて突出する突起部75を形成してもよい。この突起部75の形成に伴い、当該突起部75の形状に合わせた凹部(図示せず)を、突起部75が第1の基板において当接する位置に形成することで、第1の基板40に対する基板押さえ部材70の位置決めを容易にすることができる。
また、第2の基板60の両側端部60aには、第1の基板40に対して第2の基板60の脱着作業をする際に、作業者が把持するための切り欠き部63が形成されている。このような切り欠き部63が形成されることで、作業者は切り欠き部63に指を引っかけた状態で第2の基板60を把持して当該基板の脱着作業を容易に行うことができ、第2の基板60に搭載されるROMをはじめとする電子部品が実装された面に触れて作業することなく、それによって引き起こされる遊技機の誤動作を未然に防ぐことができる。
ここで、基板押さえ部材70の構造について説明する。図12は、本実施形態における基板押さえ部材の構造を示す図であり、図12(a)は前面図、図12(b)は下面図である。図12(a)に示すように、基板押さえ部材70は、透明樹脂製で、平板形状の上端押さえ部71と、その両端部に角度(本実施形態では略90°)をつけて互いに対向するように接続された平板形状の支柱部72,72からなり、全体として略「コ」の字形状をなしている。なお、基板押さえ部材70を透明樹脂で作製しない場合でも、第2の基板60に実装された電子部品(ROM)を上方から視認可能な開口窓(図示せず)を上端押さえ部71に形成してもよい。
図12(b)に示すように、上端押さえ部71の下面(図12(a)においては支柱部72,72が接続された方向の面)には、第2の基板60の上端部60cを挟持する挟持片73が対をなして設置されている。なお、挟持片73の設置位置は、支柱部72よりも外方向、すなわち、挟持片73,73によって挟持される第2の基板60,60の間に支柱部72が位置するように設定されることが好ましい。
このように、第2の基板60,60間に支柱部72が位置するように挟持片73の位置を設定することにより、複数の第2の基板60が近接することがない。よって、複数の第2の基板60,60間には、それらに実装されたROM(図示せず)をはじめとする電子部品から発せられる熱を放出するための放熱スペースの確保を図ることができ、遊技機の誤動作を未然に防ぐことができる。
次に、このような構成をなす表示制御基板ユニット100の組み立て手順について図13(a)〜(c)を参照して説明する。図13(a)に示すように、まず、対向させた2枚の第2の基板60のそれぞれの側端部60aに対して、挟持部81が挟持し、かつ第2の導通部62に挟持部81が接触するように、導電部材80を設置する。
次に、図13(b)に示すように、第1の接続部41が2つ形成された第1の基板40を、図柄表示装置21の背面側に表示制御基板ユニット100を設置するための導電板50上に仮設する。具体的には、導電板50に形成された基板設置片51に、ネジ孔52とネジ孔42aとが重なるように(ネジSが貫挿するように)、第1の基板40を載置する。
そして、導電性部材80によって両側端部60a,60a同士が連結固定された2つの第2の基板60,60を把持し、各第2の基板60の第2の接続部61と、第1の基板40上の各第1の接続部41とを対向させて、第1の接続部41に第2の接続部61をそれぞれ嵌合させることによって、2枚の第2の基板60は第1の基板40に立設され、第1の基板40と各第2の基板60との電気的接続状態がなされる。このとき、各導電性部材80の第3の接続部82に形成されたネジ孔821が第1の基板40上に形成されたネジ孔42aと共通の貫通孔を形成するように位置あわせをする。このとき、第1の基板40上に、第3の接続部82の位置あわせのための凹部822(図8(b)参照)に係合する突起部などが形成されていると好ましく、前述した突起部75を共用できればさらに望ましい。
次に、第1の基板40と、導電性部材80を用いて第1の基板40上に立設された2枚の第2の基板60とを挟んで固定する基板押さえ部材70を設置するにあたって、基板押さえ部材70に形成された1対の挟持片73に第2の基板60の上端部60cの少なくとも一部が挟持されるように、かつ、支柱部72に形成されたネジ孔74(図6参照)と、ネジ孔821と、第1の基板40上のネジ孔42aとが合うように位置あわせをする。
このとき、基板押さえ部材70に突起部75が形成されていれば、突出部75と前記凹部(図示せず)と第3の接続部52に形成された凹部822(図8(b)参照)を嵌合させることで、支柱部72に形成されたネジ孔74と、第3の接続部82のネジ孔821と、第1の基板40上のネジ孔42aとの位置決めが容易となる。
さらに、図13(c)に示すように、第1の基板40を載置するための基板設置片51に形成されたネジ孔52と、第1の基板40に形成されたネジ孔42a及び導電性部材80の第3の接続部82に形成されたネジ孔821と、支柱部72に形成されたネジ孔74(図6参照)とをネジSによって導通・固定すると共に、第1の基板40を載置するための基板設置片51に形成されたネジ孔52と、第1の基板40に形成されたネジ孔42bとをネジSによって導通・固定する。
このようにして、第2の接続部61のグランド端子に導通し、第2の基板60の表裏面に露出して形成された第2の導通部62は、ネジSを介して、第1の接続部41のグランド端子に導通する第1の導通部43及び第3の導通部44や、導電板50に導通することとなると共に、第2の基板60を挟んで、第1の基板40と基板押さえ部材70とが固着される。
以上、本発明に係る遊技機の他の実施形態について説明したが、本実施形態の基板押さえ部材70の構造は、第2の基板60がその表裏面方向に複数設置され、それら第2の基板60に挟まれるように支柱部72を形成する構造に限定されず、例えば、上端押さえ部71から第2の基板60の設置方向に支柱部72を延設してもよい。すなわち、上記実施形態では上端押さえ部71の左右端部から延設された支柱部72を、上端押さえ部71の前後端部から延設する形態となる。
また、本実施形態の支柱部72の構造は、前後方向に複数設置された第2の基板60,60に挟まれるように形成されるが、上端押さえ部71の左右端部から延設される、いわゆるブリッジ様構造に限定されず、上端押さえ部71の下面の略中央部から第1の基板40の上面に対して延設される、いわゆる前面視「T」字型をなしてもよい。
また、第1の基板40の上面に立設される第2の基板60は1枚でもよい。この場合では、上記実施形態に開示した基板押さえ部材70の形状のように、2対の挟持片73,73が支柱部72を挟むような形状ではなく、上端押さえ部71の前端部又は後端部に1対の挟持片73,73が形成された形状となる。
また、本実施形態においても、第1の基板40及び第2の基板60は、図柄表示部21に設置される表示制御基板ユニット100の構成要素として説明したが、これに限定されず、複数枚の基板から構成される制御基板であって、一の基板に対して他の基板を立設させるように構成された制御基板であれば、何れの制御基板ユニットにも転用することができる。例えば、遊技機の制御基板を、異なる種類の遊技動作に共通の共通基板と、その遊技動作に固有の固有制御基板とから構成し、これらを支持する支持基板に対して前記共有基板と前記固有制御基板とを起立状に設置し、異なる遊技機の機種ごとに前記固有制御基板のみを変更するニーズが生じる制御基板ユニットに転用することが可能である。
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ) 前記第2の基板における前記第2の接続部の反対側の他方の端部である上端部を前記第1の基板に向けて付勢する上端押さえ部と、前記第1の基板に対して前記第2の基板を実装する方向と直交する方向の端部である側端部を露出させて前記上端押さえ部から前記第1の基板に向けて延設された支柱部とを備えた基板押さえ部材が前記第3の接続部を挟んで前記第1の基板に設置されることによって、前記上端押さえ部と前記第1の基板により前記第2の基板及び前記導通部材が挟持されることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
(ロ) 前記第2の基板がその表裏面方向に複数設置され、前記導電部材は、前記第2の基板の各々に対して挟持する挟持部が前記表裏面方向に第3の接続部によって連結されたことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
(ニ) 前記第2の基板がその表裏面方向に複数設置され、複数の前記第2の基板間に位置した前記支持部が、前記第3の接続部を挟んで前記第1の基板に設置されたことを特徴とする上記(イ)に記載の遊技機。
(ホ) 前記第1の基板に対する前記支柱部の設置位置が、前記第2の基板の両側端部より内方に設定され、前記第3の接続部を挟んで前記支持部が前記第1の基板に設置されたことを特徴とする上記(イ)に記載の遊技機。