JP4641221B2 - 発振回路および電子機器 - Google Patents

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本発明は、所望の発振周波数で信号を出力させる発振回路に関し、特に、例えばクロック発振回路などのように、プロセスばらつきへの依存が抑制された安定した発振周波数が必要とされる発振回路および、この発振回路がクロック信号発生部に用いられた電子機器に関する。
例えば、音声録音再生装置などでは、録音処理および再生処理のために、CR発振回路やセラミック振動子を用いたクロック発振回路が使用されている。このような発振回路では、発振回路を構成する抵抗やコンデンサ、トランジスタなどの素子のプロセスばらつきによって発振周波数にばらつきが生じる。
また、マイクロコンピュータなどの半導体集積回路においては、リングオシレータなどの発振回路が使用されている。このような発振回路では、電圧変化や周囲の温度変化によって発振周波数にばらつきが生じる。
従来、発振周波数のばらつきを調整するために、例えば特許文献1には、外部から加えられるクロック信号を基準として自動的に発振周波数をトリミングすることが可能なクロック発振回路が開示されている。
この特許文献1のクロック発振回路では、ある一定期間だけ基準パルスを入力させて、その期間に発振されたクロック数をカウントし、そのカウントされたカウント数に応じて、CR発振回路内に設けられた抵抗アレイの抵抗値Rをスイッチアレイで切り替えることにより、発振周波数を調整して設定することができる。
また、特許文献2には、外部発振子を必要とせずに発振周波数を補正可能な発振回路が開示されている。
この特許文献2の発振回路では、自らが発振した周波数を検知する周波数検知回路を備えている。この周波数検知回路で検知された周波数に応じて、遅延量が異なる複数の遅延素子の一つをリングオシレータの構成素子として選択することにより、発振周波数を自己補正することができる。
特開2000−341119号公報 特開2004−56561号公報
しかしながら、上記特許文献1の従来のクロック発振回路では、発振周波数を調整するために抵抗アレイとスイッチアレイを設ける必要がある。
また、上記特許文献2の従来の発振回路では、周波数検知回路を設ける必要がある。このため、回路規模の増大化および回路構成の複雑化を招き、および低消費電力化が要求される音声録音再生装置や半導体集積回路などの電子機器に用いるためには適していない。
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、回路規模の複雑化および増大化を招くことなく、プロセスばらつきや周囲温度に依存しない安定した発振周波数で信号を出力させることができる発振回路および、この発振回路がクロック信号発生部に用いられた電子機器を提供することを目的とする。
本発明の発振回路は、コンデンサ手段への充電電圧によりトランジスタ手段を駆動し、該トランジスタ手段からの駆動電圧を用いて所望の周波数で発振出力する発振部と、該コンデンサ手段に充電電流を供給可能とするバイアス回路とを有し、該発振部は該周波数が該トランジスタ手段のしきい値電圧に反比例する回路から構成され、該バイアス回路は、該充電電流が、該バイアス回路を構成する所定のトランジスタ手段のしきい値電圧に比例する回路から構成されており、該発振部は、該コンデンサ手段として二つのコンデンサが設けられ、該二つのコンデンサに対して該トランジスタ手段として各トランジスタがそれぞれ設けられ、該二つのコンデンサに充電される各充電電圧により該各トランジスタをそれぞれ駆動し、該各トランジスタからの各駆動電圧を用いて、ハイレベルとローレベルが相反するように所望の周波数の二つの発振信号をそれぞれ出力すると共に、該二つの発振信号を用いて該二つのコンデンサの充電電圧を交互にリセットするように構成し、該バイアス回路は、一方駆動端と基板電位の出力端が電源電圧の出力端に接続された一方導電型第21トランジスタと、一方駆動端と基板電位の出力端が接地電圧の出力端に接続された他方導電型第23トランジスタとが該電源電圧の出力端と該接地電圧の出力端との間に直列に接続され、一方駆動端と基板電位の出力端が該電源電圧の出力端に接続された一方導電型第22トランジスタと、一方駆動端と基板電位の出力端が該接地電圧の出力端に接続された他方導電型第24トランジスタと抵抗とが該電源電圧と該接地電圧との間に直列に接続され、該第21トランジスタの制御端と該第22トランジスタの制御端とが接続されて該充電電流が出力され、該第21トランジスタと該第23トランジスタの接続部に該第24トランジスタの制御端が接続され、該第24トランジスタと該抵抗の接続部に該第23トランジスタの制御端が接続されており、そのことにより上記目的が達成される。
さらに、好ましくは、本発明の発振回路における発振部は、一方駆動端と基板電位の出力端が電源電圧の出力端に接続され、制御端に前記バイアス回路から充電電流が供給される一方導電型第1トランジスタと、一方駆動端と基板電位の出力端が接地電圧の出力端に接続された他方導電型第3トランジスタとが該電源電圧の出力端と該接地電圧の出力端との間に直列に接続され、該第1トランジスタと該第3トランジスタの接続部と接地電圧の出力端との間に、該第3トランジスタと第1コンデンサとが並列に接続された第1コンデンサ部と、一方駆動端と基板電位の出力端が該電源電圧の出力端に接続され、制御端に該バイアス回路から充電電流が供給される一方導電型第2トランジスタと、一方駆動端と基板電位の出力端が該接地電圧の出力端に接続された他方導電型第4トランジスタとが該電源電圧の出力端と該接地電圧の出力端との間に直列に接続され、該第2トランジスタと該第4トランジスタの接続部と該接地電圧の出力端との間に、該第4トランジスタと第2コンデンサとが並列に接続された第2コンデンサ部とを有し、前記コンデンサ手段は、該第1コンデンサと該第2コンデンサにより構成されており、一方駆動端と基板電位の出力端が該電源電圧の出力端に接続され、制御端に該バイアス回路からの充電電流が供給される一方導電型第7トランジスタと、一方駆動端と基板電位の出力端が該接地電圧の出力端に接続され、制御端が該第1トランジスタと該第3トランジスタの接続部に接続された他方導電型第8トランジスタとが該電源電圧の出力端と該接地電圧の出力端との間に直列に接続され、一方駆動端と基板電位の出力端が該電源電圧の出力端に接続され、制御端に該バイアス回路からの充電電流が供給される一方導電型第9トランジスタと、一方駆動端と基板電位の出力端が該接地電圧の出力端に接続され、制御端が該第2トランジスタと該第4トランジスタの接続部に接続された他方導電型第10トランジスタとが該電源電圧の出力端と該接地電圧の出力端との間に直列に接続されて、前記トランジスタ手段が該第8トランジスタと該第10トランジスタにより構成されており、該第7トランジスタと該第8トランジスタの接続部が一方の入力端に接続され、該第9トランジスタと該第10トランジスタの接続部が他方の入力端に接続されて、二つの相反出力を出力可能とするラッチ部が設けられ、該二つの相反出力の一方が該第3トランジスタの制御端に接続され、該二つの相反出力の他方が該第4トランジスタの制御端に接続されている。
さらに、好ましくは、本発明の発振回路におけるラッチ部は、前記一方の入力端に接続されて前記二つの相反出力のうちの一方の出力信号を出力する第1NANDゲートと、前記他方の入力端に接続されて該二つの相反出力のうちの他方の出力信号を出力する第2NANDゲートとがフリップフロップ接続されて構成されている。
さらに、好ましくは、本発明の発振回路において、少なくとも前記第8トランジスタと前記第10トランジスタとが同じトランジスタサイズに設定されている。
さらに、好ましくは、本発明の発振回路において、イネーブル信号とその反転信号を生成するイネーブル制御回路をさらに有する。
さらに、好ましくは、本発明の発振回路において、前記イネーブル信号とその反転信号によって前記発振部の発振出力のオンとオフが制御され、該イネーブル信号とその反転信号によって発振出力をオフさせたときに、該発振部と前記バイアス回路部がスタンバイモードとされるように構成されている。
さらに、好ましくは、本発明の発振回路において、前記イネーブル信号とその反転信号によって、前記発振出力のオンとオフを制御すると共に、該発振出力をオフさせたときに前記発振部をスタンバイモードにするために、該発振部は、一方駆動端と基板電位の出力端が接地電圧の出力端に接続され、他方駆動端が前記第1トランジスタと前記第3トランジスタの接続部に接続され、制御端に該反転信号が供給される他方導電型第5トランジスタと、一方駆動端と基板電位の出力端が接地電圧の出力端に接続され、他方駆動端が前記第2トランジスタと前記第4トランジスタの接続部に接続され、制御端に該反転信号が供給される他方導電型第6トランジスタとを有し、一方駆動端と基板電位の出力端が電源電圧の出力端に接続され、他方駆動端が前記第7トランジスタと前記第8トランジスタの接続部に接続され、制御端に該イネーブル信号が供給される一方導電型第11トランジスタと、他方駆動端が前記第9トランジスタと前記第10トランジスタの接続部に接続され、制御端に該反転信号が供給される他方導電型第12トランジスタとを有する。
さらに、好ましくは、本発明の発振回路において、少なくとも前記第21トランジスタと前記第22トランジスタとが同じトランジスタサイズに設定されている。
さらに、好ましくは、本発明の発振回路において、前記イネーブル信号とその反転信号によって、前記発振出力のオンとオフを制御し、該発振出力をオフさせたときに前記バイアス回路をスタンバイモードにするために、前記バイアス回路は、一方駆動端と基板電位の出力端が電源電圧の出力端に接続され、他方駆動端が前記第21トランジスタと前記第22トランジスタの制御端接続部に接続され、制御端に該イネーブル信号が供給される一方導電型第25トランジスタと、基板電位の出力端が該電源電圧の出力端に接続され、一方駆動端が該第21トランジスタと該第22トランジスタの制御端接続部に接続され、他方駆動端が前記第22トランジスタと前記第24トランジスタの接続部に接続され、制御端に該反転信号が供給される一方導電型第26トランジスタと、一方駆動端と基板電位の出力端が接地電圧の出力端に接続され、他方駆動端が該第21トランジスタと前記第23トランジスタの接続部に接続され、制御端に該反転信号が供給される他方導電型第27トランジスタと、一方駆動端と基板電位の出力端が接地電圧の出力端に接続され、他方駆動端が該第22トランジスタと前記第24トランジスタの接続部に接続され、制御端に該反転信号が供給される他方導電型第28トランジスタとを有する。
さらに、好ましくは、本発明の発振回路において、前記バイアス回路をスタートアップさせて早期に立ち上げて定常状態とするためのスタートアップ回路をさらに有する。
さらに、好ましくは、本発明の発振回路におけるスタートアップ回路は、一方駆動端と基板電位の出力端が電源電圧の出力端に接続され、制御端に前記イネーブル信号が供給される一方導電型第31トランジスタと、制御端に該イネーブル信号の反転信号が供給される一方導電型第32トランジスタとが直列に接続され、一方駆動端と基板電位の出力端が該電源電圧の出力端に接続され、制御端が該第31トランジスタと該第32トランジスタの接続部に接続された一方導電型第33トランジスタの他方駆動端と該第32トランジスタの他方駆動端が接続され、他方駆動端と制御端が接続され、基板電位の出力端が接地電圧の出力端に接続された他方導電型第34トランジスタと、他方駆動端と制御端が接続され、一方駆動端と基板電位の出力端が接地電圧の出力端に接続された他方導電型第35トランジスタが、該第33トランジスタの他方駆動端と該第32トランジスタの他方駆動端接続部と接地電圧の出力端との間に直列に接続され、一方駆動端と基板電位の出力端が接地電圧の出力端に接続され、制御端に該反転信号が供給される他方導電型第36トランジスタの他方駆動端が該第33トランジスタの他方駆動端と該第32トランジスタの他方駆動端接続部に接続され、一方駆動端が電源電圧の出力端に接続され、基板電位の出力端が接地電圧の出力端に接続され、制御端が該第33トランジスタの他方駆動端と該第32トランジスタの他方駆動端接続部に接続された他方導電型第37トランジスタの他方駆動端が前記バイアス回路の前記第21トランジスタと前記第23トランジスタの接続部に接続されている。
さらに、好ましくは、本発明の発振回路における一方導電型のトランジスタはPチャンネル型のMOSトランジスタであり、前記他方導電型のトランジスタはNチャンネル型MOSトランジスタである。
本発明の電子機器は、本発明の上記発振回路がクロック信号発生部に用いられており、そのことにより上記目的が達成される。
上記構成により、以下に、本発明の作用について説明する。
本発明にあっては、発振周波数が構成素子であるトランジスタ手段のしきい値電圧(Vth)に反比例する回路からなる発振部と、充電電流(バイアス電流)が構成素子のしきい値電圧に比例する回路からなるバイアス回路とが組み合わせられている。
トランジスタのしきい値電圧はプロセスばらつきによって変動するため、従来のように周波数を調整するための抵抗アレイやスイッチアレイ、周波数検知回路などを設けなくても、そのしきい値電圧のプロセスばらつきに依存する発振周波数のばらつきを相殺して、ばらつきが少ない安定した発振周波数で信号を出力させることが可能となる。
なお、トランジスタのしきい値電圧は周囲温度によっても変動するが、本発明では、しきい値電圧への依存性を抑制することにより、温度依存性も抑制することが可能となる。
さらに、イネーブル信号によって発振出力のオンとオフを制御可能とし、発振出力をオフさせたときに発振部とバイアス回路をスタンバイモードとすることによって、発振回路の消費電流を抑制することが可能となる。
以上により、本発明によれば、発振周波数が構成素子のしきい値電圧Vthに反比例する発振部と、バイアス電流が構成素子のしきい値電圧に比例するバイアス回路によって発振回路を構成することにより、しきい値電圧のばらつきを相殺して、プロセスばらつきに依存しない、安定した発振周波数による発振出力信号を得ることができる。
また、しきい値電圧への依存性が少ない回路を構成することにより、温度依存性も抑制することができる。
さらに、イネーブル信号によって発振出力のオン、オフ制御ができて、オフ状態のときには発振部とバイアス回路をスタンバイモードとして、低消費電力化を図ることができる。
以下に、本発明の発振回路の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態に係る発振回路の要部構成例を示すブロック図である。
図1において、本実施形態の発振回路10は、二つのコンデンサを周期的に繰り返して充放電させて、所望の発振周波数で信号を発振させる発振部1と、この発振部1の二つのコンデンサに充電電流を与えるためのバイアス回路2と、このバイアス回路2をスタートアップさせて早期に立ち上げて定常状態とするためのスタートアップ回路3と、外部から入力されるイネーブル信号によって発振出力のオン・オフを制御するためにイネーブル信号とその反転信号を生成するイネーブル制御回路4とを有している。
本実施形態の発振回路10では、発振部1は、周波数が構成素子(トランジスタ;後述するNチャンネル型第8MOSトランジスタM8とNチャンネル型第10MOSトランジスタM10)のしきい値電圧に反比例する回路からなり、バイアス回路2は、バイアス電流(充電電流)が構成素子(トランジスタ;後述する)のしきい値電圧に比例する回路からなっている。
以下に、図1の各回路部分について、具体的な回路例を挙げて詳細に説明する。
図2は、図1の発振部1の構成例を示す回路図である。
図2において、発振部1は、周期的に繰り返して充放電される二つのコンデンサCxおよびCyが設けられた第1コンデンサ部および第2コンデンサ部と、出力信号CKOUTおよびCKOUTBを出力するRSラッチ部11とを有している。
第1コンデンサ部は、一方駆動端としてのソースと基板電位が電源電圧の出力端に接続され、制御端としてのゲートにバイアス回路2から充電電流PBIASが供給されるPチャンネル型第1MOSトランジスタM1と、ソースと基板電位が接地電圧の出力端に接続されたNチャンネル型第3MOSトランジスタM3とが電源電圧と接地電圧との各出力端間に直列に接続されている。第1MOSトランジスタM1と第3MOSトランジスタM3の接続部Xと接地電圧の出力端との間に、第3MOSトランジスタM3と第1コンデンサCxとが並列に接続されている。
第2コンデンサ部は、ソースと基板電位が電源電圧の出力端に接続され、ゲートにバイアス回路2から充電電流PBIASが供給されるPチャンネル型第2MOSトランジスタM2と、ソースと基板電位が接地電圧の出力端に接続されたNチャンネル型第4MOSトランジスタM4とが電源電圧と接地電圧との各出力端間に直列に接続されている。第2MOSトランジスタM2と第4MOSトランジスタM4の接続部Yと接地電圧の出力端との間に、第4MOSトランジスタM4と第2コンデンサCyとが並列に接続されている。
第1コンデンサ部の後段には、ソースと基板電位が電源電圧の出力端に接続され、ゲートにバイアス回路2から充電電流PBIASが供給されるPチャンネル型第7MOSトランジスタM7と、ソースと基板電位の出力端が接地電圧の出力端に接続され、ゲートが第1MOSトランジスタM1と第3MOSトランジスタM3の接続部Xに接続されたNチャンネル型第8MOSトランジスタM8とが電源電圧と接地電圧との各出力端間に直列に接続されている。
また、第2コンデンサ部の後段には、ソースと基板電位が電源電圧の出力端に接続され、ゲートにバイアス回路2から充電電流PBIASが供給されるPチャンネル型第9MOSトランジスタM9と、ソースと基板電位の出力端が接地電圧の出力端に接続され、ゲートが第2MOSトランジスタM2と第4MOSトランジスタM4の接続部Yに接続されたNチャンネル型第10MOSトランジスタM10とが電源電圧の出力端と接地電圧の出力端との間に直列に接続されている。
ここで、第8MOSトランジスタM8と第10MOSトランジスタM10とは、同じトランジスタサイズに設定されている。
一方、ラッチ部11は、出力信号CKOUTを出力する第1NANDゲート11aと、出力信号CKOUTBを出力する第2NANDゲート11bとがフリップフロップ接続されている。
第1NANDゲート11aの一方の入力部には、第7MOSトランジスタM7と第8MOSトランジスタM8の接続部が接続されている。また、第2NANDゲート11bの一方の入力部には、第9MOSトランジスタM9と第10MOSトランジスタM10の接続部が接続されている。第1NANDゲート11aの出力部は、第3MOSトランジスタM3のゲートに接続され、第2NANDゲート11bの出力部は、第4MOSトランジスタM4のゲートに接続されている。
さらに、発振部1には、ソースと基板電位が接地電圧に接続され、他方駆動端としてのドレインが第1MOSトランジスタM1と第3MOSトランジスタM3の接続部Xに接続され、ゲートにイネーブル信号の反転信号ENBが供給されるNチャンネル型第5MOSトランジスタM5と、ソースと基板電位が接地電圧に接続され、ドレインが第2MOSトランジスタM2と第4MOSトランジスタM4の接続部Yに接続され、ゲートにイネーブル信号の反転信号ENBが供給されるNチャンネル型第6MOSトランジスタM6とが設けられている。
さらに、発振部1には、ソースと基板電位が電源電圧に接続され、ドレインが第7MOSトランジスタM7と第8MOSトランジスタM8の接続部に接続され、ゲートにイネーブル信号ENが供給されるPチャンネル型第11MOSトランジスタM11と、ドレインが第9MOSトランジスタM9と第10MOSトランジスタM10の接続部に接続され、ゲートにイネーブル信号の反転信号ENBが供給されるNチャンネル型第12MOSトランジスタM12とが設けられている。
これらのトランジスタM5、M6、M11およびM12は、イネーブル制御回路4からのイネーブル信号によって導通状態(オン)と非導通状態(オフ)とが制御され、発振出力のオンとオフを制御するために用いられていると共に、イネーブル信号によって発振出力をオフさせたときに発振部1をスタンバイモードにするために用いられている。
次に、図1の各回路部分のうち、図1のバイアス回路2、スタートアップ回路3およびイネーブル制御回路4の各具体例について説明する。
図3は、図1に示すバイアス回路2、スタートアップ回路3およびイネーブル制御回路4の構成例を示す回路図である。
図3に示すように、バイアス回路2は、ソースと基板電位の出力端が電源電圧の出力端に接続されたPチャンネル型第21MOSトランジスタM21と、ソースと基板電位が接地電圧に接続されたNチャンネル型第23MOSトランジスタM23とが電源電圧の出力端と接地電圧の出力端との間に直列に接続されている。
また、ソースと基板電位の出力端が電源電圧の出力端に接続されたPチャンネル型第22MOSトランジスタM22と、ソースと基板電位の出力端が接地電圧の出力端に接続されたNチャンネル型第24MOSトランジスタM24と抵抗R(抵抗Rは、バイアス回路の外部に接続してもよい)とが電源電圧と接地電圧との各接続端間に直列に接続されている。
さらに、第21MOSトランジスタM21のゲートと第22MOSトランジスタM22のゲートとが接続され、第21MOSトランジスタM21と第23MOSトランジスタM23の接続部に第24MOSトランジスタM24のゲートが接続され、第24MOSトランジスタM24と抵抗Rの接続部に該第23MOSトランジスタM23のゲートが接続されている。
充電電流PBIASは、第21MOSトランジスタM21のゲートと第22MOSトランジスタM22のゲートの接続部から発振部1に供給される。
ここで、第21MOSトランジスタM21と第22MOSトランジスタM22は、同じトランジスタサイズ(例えばゲート幅などに起因する電流容量など)に設定されている。
さらに、バイアス回路2には、ソースと基板電位が電源電圧の出力端に接続され、ドレインが第21MOSトランジスタM21と第22MOSトランジスタM22のゲート接続部に接続され、ゲートにイネーブル信号ENが供給されるPチャンネル型第25MOSトランジスタM25と、基板電位の出力端が電源電圧の出力端に接続され、ソースが第21MOSトランジスタM21と第22MOSトランジスタM22のゲート接続部に接続され、ドレインが第22MOSトランジスタM22と第4MOSトランジスタM24の接続部に接続され、ゲートにイネーブル信号の反転信号ENBが供給されるPチャンネル型第26MOSトランジスタM26が設けられている。Pチャンネル型第26MOSトランジスタM26がオン時にカレントミラー回路が構成される。
さらに、バイアス回路2には、ソースと基板電位の出力端が接地電圧の出力端に接続され、ドレインが第21MOSトランジスタM21と第23MOSトランジスタM23の接続部に接続され、ゲートにイネーブル信号の反転信号ENBが供給されるNチャンネル型第27MOSトランジスタM27と、ソースと基板電位の出力端が接地電圧の出力端に接続され、ドレインが第22MOSトランジスタM22と第24MOSトランジスタM24の接続部に接続され、ゲートにイネーブル信号の反転信号ENBが供給されるNチャンネル型第28MOSトランジスタM28とが設けられている。
これらのトランジスタM25〜M28は、イネーブル制御回路4からのイネーブル信号によって導通状態(オン)と非導通状態(オフ)とが制御され、発振出力のオンとオフを制御するために用いられていると共に、イネーブル信号によって発振出力をオフさせたときにバイアス回路2をスタンバイモードにするために用いられている。
次に、図3に示すスタートアップ回路3は、ソースと基板電位の出力端が電源電圧の出力端に接続され、ゲートにイネーブル信号ENが供給されるPチャンネル型第31MOSトランジスタM31と、ゲートにイネーブル信号の反転信号ENBが供給されるPチャンネル型第32MOSトランジスタM32とが直列に接続されている。
また、ソースと基板電位の出力端が電源電圧の出力端に接続され、ゲートが第31MOSトランジスタM31と第32MOSトランジスタM32の接続部に接続されたPチャンネル型第33MOSトランジスタM33のドレインと第32MOSトランジスタM32のドレインとが接続されている。
さらに、ドレインとゲートが接続され、基板電位の出力端が接地電圧の出力端に接続されたNチャンネル型第34MOSトランジスタM34と、ドレインとゲートが接続され、ソースと基板電位が接地電圧に接続されたNチャンネル型第35MOSトランジスタM35とが、第33MOSトランジスタM33のドレインと第32MOSトランジスタM32のドレイン接続部と接地電圧の出力端との間に直列に接続されている。
さらに、ソースと基板電位の出力端が接地電圧の出力端に接続され、ゲートにイネーブル信号の反転信号ENBが供給されるNチャンネル型第36MOSトランジスタM36のドレインが該第33MOSトランジスタM33のドレインと第32MOSトランジスタM32のドレイン接続部に接続されている。さらに、ソースが電源電圧の出力端に接続され、基板電位が接地電圧の出力端に接続され、ゲートが第33MOSトランジスタM33のドレインと第32MOSトランジスタM32のドレイン接続部に接続されたNチャンネル型第37MOSトランジスタM37のドレインがバイアス回路2の第21MOSトランジスタM21と第23MOSトランジスタM23の接続部に接続されている。
このスタートアップ回路3は、イネーブル信号によって発振出力をオンさせるときにバイアス回路2を早期に立ち上げて定常状態にするために用いられている。
次に、図3に示すイネーブル制御回路4は、直列接続される二つのインバータ41および42を有し、入力される外部イネーブル信号ENABLEをインバータ41によって反転させた反転イネーブル信号ENBを出力すると共に、そのENBをさらに反転させたENABLE信号と同相のイネーブル信号ENを生成して発振部1、バイアス回路2およびスタートアップ回路3の各部に供給している。
上記構成により、以下に、その動作を説明する。
まず、イネーブル制御回路4において、発振出力をオフ状態とするときにはLレベルの外部イネーブル信号ENABLEが供給され、インバータ42からイネーブル信号ENがLレベル、インバータ41からイネーブル信号の反転信号ENBがHレベルとして出力される。
スタートアップ回路3において、イネーブル信号ENがLレベル、イネーブル信号の反転信号ENBがHレベルのときには、第31MOSトランジスタM31と第36MOSトランジスタ36がオン状態とされ、第32MOSトランジスタM32がオフ状態とされる。このとき、第33MOSトランジスタM33〜第35MOSトランジスタM35と第37MOSトランジスタM37はオフ状態とされて、スタートアップ回路3からバイアス回路2へは電流が流れない。
また、バイアス回路2において、イネーブル信号ENがLレベル、イネーブル信号の反転信号ENBがHレベルのときには、第25MOSトランジスタM25と第27MOSトランジスタM27と第28MOSトランジスタM28がオン状態とされ、第26MOSトランジスタM26がオフ状態とされる。このとき、第21MOSトランジスタM21〜第24MOSトランジスタM24はオフ状態とされ、カレントミラー回路の両側のパスには電流Ibが流れない。また、バイアス回路2の電源から第25MOSトランジスタM25を介して発振部1へバイアス電流PBIASが流れる。
さらに、図2の発振部1において、イネーブル信号ENがLレベル、イネーブル信号の反転信号ENBがHレベルのときには、第5MOSトランジスタM5と第6MOSトランジスタM6と第11MOSトランジスタM11と第12MOSトランジスタM12がオン状態とされる。また、バイアス回路2から発振部1にバイアス電流PBIASが流れているため、第1MOSトランジスタM1と第2MOSトランジスタM2と第7MOSトランジスタM7〜第10MOSトランジスタM10はオフ状態とされる。このとき、第1NANDゲート11aの出力はCKOUT=GNDレベル、第2NANDゲート11bの出力はCKOUTB=VDDレベルとされる。第3MOSトランジスタM3はオフ状態、第4MOSトランジスタM4はオン状態とされる。
次に、図3のイネーブル制御回路4において、発振出力をオンさせるときにはHレベルの外部イネーブル信号ENABLEが供給されて、インバータ42からイネーブル信号ENがHレベル、インバータ41からイネーブル信号の反転信号ENBがLレベルとして出力される。
スタートアップ回路3において、イネーブル信号ENがHレベル、イネーブル信号の反転信号ENBがLレベルになると、第31MOSトランジスタM31と第36MOSトランジスタ36がオフ状態とされ、第32MOSトランジスタM32がオン状態とされる。このとき、第33MOSトランジスタM33〜第35MOSトランジスタM35と第37MOSトランジスタM37はオン状態とされ、スタートアップ回路3の電源から第37MOSトランジスタM37を介してバイアス回路2へ電流が流れる。
また、バイアス回路2において、イネーブル信号ENがHレベル、イネーブル信号の反転信号ENBがLレベルになると、第25MOSトランジスタM25と第27MOSトランジスタM27と第28MOSトランジスタM28がオフ状態とされ、第26MOSトランジスタM26がオン状態とされる。このとき、第21MOSトランジスタM21〜第24MOSトランジスタM24はオン状態とされ、カレントミラー回路の両側のパスには電流Ibが流れる。また、バイアス回路2から発振部1へはバイアス電流PBIASが流れない。
さらに、発振部1において、イネーブル信号ENがHレベル、イネーブル信号の反転信号ENBがLレベルになると、第5MOSトランジスタM5と第6MOSトランジスタM6と第11MOSトランジスタM11と第12MOSトランジスタM12がオン状態とされる。また、バイアス回路2から発振部1にバイアス電流PBIASが流れないため、第1MOSトランジスタM1と第2MOSトランジスタM2と第7MOSトランジスタM7と第9MOSトランジスタM9はオン状態とされる。
ここで、外部イネーブル信号ENABLEがLレベルからHレベルに切り替わり、イネーブル信号ENがLレベルからHレベル、イネーブル信号の反転信号ENBがHレベルからLレベルに変化したときには、第1NANDゲート11aの出力はCKOUT=GNDレベル、第2NANDゲート11bの出力はCKOUTB=VDDレベルから始まり、第3MOSトランジスタM3はオフ状態、第4MOSトランジスタM4はオン状態である。
このとき、第4MOSトランジスタはオン状態であるため、第2コンデンサCyへの充電は行われない。また、第3MOSトランジスタM3はオフ状態であるため、第1コンデンサCxについては、電源から第1MOSトランジスタM1を介して定電流Ixで充電が行われる。ノードXの電圧が第8MOSトランジスタM8のしきい値電圧Vth(M8)まで上昇すると、第8MOSトランジスタM8がオン状態となり、第1NANDゲート11aの出力はCKOUT=VDDレベル、第2NANDゲート11bの出力はCKOUTB=GNDレベルとなる。第3MOSトランジスタM3はオン状態、第4MOSトランジスタM4はオフ状態となる。
このとき、第3MOSトランジスタM3はオン状態であるため、第1コンデンサCxへの充電は行われない。また、第4MOSトランジスタM4はオフ状態であるため、第2コンデンサCyについては、電源から第2MOSトランジスタM2を介して定電流Iyで充電が行われる。ノードYの電圧が第10MOSトランジスタM10のしきい値電圧Vth(M10)まで上昇すると、第10MOSトランジスタM10がオン状態となり、第1NANDゲート11aの出力はCKOUT=GNDレベル、第2NANDゲート11bの出力はCKOUTB=VDDレベルとなる。第3MOSトランジスタM3はオフ状態、第4MOSトランジスタM4はオン状態となる。
以上の繰り返しによって、発振部1からは、その繰り返し周期のクロック信号が発振される。
外部イネーブル信号ENABLEがHレベルからLレベルに切り替わり、イネーブル信号ENがHレベルからLレベル、イネーブル信号の反転信号ENBがLレベルからHレベルに変化したときには、図3のスタートアップ回路3およびバイアス回路2がスタンバイモードとなり、バイアス電流PBIASによって図2の発振部1のPチャンネル型MOSトランジスタ(第1MOSトランジスタM1と第2MOSトランジスタM2)がオフ状態とされて、発振部1が初期状態とされてスタンバイモードとなる。
次に、上記図2に示す発振部1において、発振周波数がトランジスタのしきい値電圧に比例する理由について説明する。
上記発振部1において、X側とY側のトランジスタサイズ(M8とM10)を同じ大きさに揃えることにより、
Ix=Iy=I
Cx=Cy=C
Vth(M8)=Vth(M10)=Vth(n)
とすることが可能となる。
ここで、容量Cへの充電時間tを算出すると、

が得られる。これは、発振周波数の半周期分であるため、1周期分を考慮して周波数で表すと、
となる。
したがって、(2)式より、発振部1において、発振周波数fは、しきい値Vth(n)と容量Cに反比例し、電流Iに比例する。
次に、上記図3に示すバイアス回路2において、バイアス電流がトランジスタのしきい値電圧に比例する理由について説明する。
上記バイアス回路2において、Vth(n)をNチャンネル型MOSトランジスタ(M23とM24)のしきい値電圧とし、発振部1のNチャンネル型MOSトランジスタ(M8とM10)と同様とする。
また、バイアス回路2において、第21MOSトランジスタM21と第22MOSトランジスタM22のトランジスタサイズを同じ大きさに揃えることにより、両側のパスの電流Ibが等しい電流値となる。
ここで、第23MOSトランジスタM23は、飽和領域で動作しているため、電流Ibは
によって表される。また、第23MOSトランジスタM23のゲート電位VgsM23は、
VgsM23= Ib×R (4)式
によって与えられる。上記(3)式と(4)式から、電流Iは、
によって求められる。ここで、KM23を十分大きくすることによって、右辺第1項をほぼゼロと近似して、
と表すことができる。
M23は、
と現される。
ここで、W:チャネル幅、Lチャネル長、εsi:シリコンの誘電率、tox:ゲート酸化膜の厚さ、μ:チャネル中のキャリアの移動度
トランジスターの能力は、通常εsi、tox、μは、プロセスで決まった定数であるため、チャネルWとチャネル長Lにより、調整される。
チャネル長Lは、プロセスで定まった値以上に小さくできないため、チャネル長Wを大きくすることで、KM23を大きくすることができる。KM23が十分大きい場合とは、Ibの電流が流せる十分大きなトランジスタである場合である。
したがって、バイアス回路2において、バイアス電流は、Vth(n)に比例し、抵抗Rに反比例する。
上記発振部1の発振周波数を示す(2)式に、上記バイアス回路2のバイアス電流を示す(6)式を代入すると、得られる発振周波数は、
となる。したがって、発振周波数fは容量Cと抵抗Rのみに依存し、しきい値電圧Vth(n)への発振周波数fの依存性を相殺することが可能となる。
以上のように、本実施形態の発振回路10によれば、発振周波数がトランジスタのしきい値電圧(Vth)に反比例する回路からなる発振部1と、バイアス電流がトランジスタのしきい値電圧に比例する回路からなるバイアス回路2とを組み合わせることによって、従来のように周波数を調整するための抵抗アレイやスイッチアレイ、周波数検知回路などを設けることなく、しきい値電圧のプロセスばらつきに依存する発振周波数fのばらつきを相殺して、ばらつきが少ない安定した発振周波数で信号を出力させることができる。また、しきい値電圧への依存性を抑制することにより、温度依存性も抑制することができる。さらに、イネーブル信号によって発振出力のオンとオフを制御可能とし、発振出力をオフさせたときに発振部1とバイアス回路2をスタンバイモードとすることによって、発振回路10の消費電流を抑制して低消費電力化を図ることができる。
なお、本発明の発振回路10を構成する発振部1とバイアス回路2は、上述した回路構成に限らず、発振部の発振周波数fが構成素子のしきい値電圧に反比例し、バイアス回路のバイアス電流が構成素子のしきい値電圧に比例する回路構成であれば、他の回路構成であってもよい。
また、上記実施形態では、一方導電型のトランジスタはPチャンネル型のMOSトランジスタで構成し、他方導電型のトランジスタはNチャンネル型MOSトランジスタで構成したが、これに限らず、一方導電型のトランジスタはNチャンネル型MOSトランジスタで構成し、他方導電型のトランジスタはPチャンネル型のMOSトランジスタで構成して もよい。
さらに、上記実施形態では、特に説明しなかったが、本実施形態の発振回路10は、低消費電力化が要求される音声録音再生装置や半導体集積回路などの電子機器のクロック信号発生部などの基準信号発生部に用いることができて、回路規模の複雑化および増大化を招くことなく、プロセスばらつきや周囲温度に依存しない安定した発振周波数で信号を出力させることができる本発明の効果を得ることができる。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本発明は、所望の発振周波数で信号を出力させる発振回路、例えばクロック発振回路などのように、プロセスばらつきへの依存が抑制された安定した発振周波数が必要とされる発振回路の分野において、発振周波数fが構成素子のしきい値電圧Vthに反比例する発振部と、バイアス電流が構成素子のしきい値電圧に比例するバイアス回路によって発振回路を構成することにより、しきい値電圧のばらつきを相殺して、プロセスばらつきに依存しない、安定した発振周波数による発振出力信号を得ることができる。また、しきい値電圧への依存性が少ない回路を構成することにより、温度依存性も抑制することができる。さらに、イネーブル信号によって発振出力のオン、オフ制御ができて、オフ状態のときには発振部とバイアス回路をスタンバイモードとして、低消費電力化を図ることができる。
本発明の実施形態に係る発振回路の要部構成例を示すブロック図である。 図1の発振回路における発振部の構成例を示す回路図である。 図1の発振回路におけるバイアス回路、スタートアップ回路およびイネーブル制御回路の各構成例を示す回路図である。
符号の説明
1 発振部
2 バイアス回路
3 スタートアップ回路
4 イネーブル制御回路
10 発振回路
11 RSラッチ部
11a、11b NANDゲート
41、42 インバータ
M1〜M12、M21〜M28、M31〜M37 MOSトランジスタ
R 抵抗
Cx、Cy コンデンサ

Claims (13)

  1. コンデンサ手段への充電電圧によりトランジスタ手段を駆動し、該トランジスタ手段からの駆動電圧を用いて所望の周波数で発振出力する発振部と、該コンデンサ手段に充電電流を供給可能とするバイアス回路とを有し、
    該発振部は該周波数が該トランジスタ手段のしきい値電圧に反比例する回路から構成され、該バイアス回路は、該充電電流が、該バイアス回路を構成する所定のトランジスタ手段のしきい値電圧に比例する回路から構成されており、
    該発振部は、該コンデンサ手段として二つのコンデンサが設けられ、該二つのコンデンサに対して該トランジスタ手段として各トランジスタがそれぞれ設けられ、該二つのコンデンサに充電される各充電電圧により該各トランジスタをそれぞれ駆動し、該各トランジスタからの各駆動電圧を用いて、ハイレベルとローレベルが相反するように所望の周波数の二つの発振信号をそれぞれ出力すると共に、該二つの発振信号を用いて該二つのコンデンサの充電電圧を交互にリセットするように構成し、
    該バイアス回路は、一方駆動端と基板電位の出力端が電源電圧の出力端に接続された一方導電型第21トランジスタと、一方駆動端と基板電位の出力端が接地電圧の出力端に接続された他方導電型第23トランジスタとが該電源電圧の出力端と該接地電圧の出力端との間に直列に接続され、一方駆動端と基板電位の出力端が該電源電圧の出力端に接続された一方導電型第22トランジスタと、一方駆動端と基板電位の出力端が該接地電圧の出力端に接続された他方導電型第24トランジスタと抵抗とが該電源電圧と該接地電圧との間に直列に接続され、該第21トランジスタの制御端と該第22トランジスタの制御端とが接続されて該充電電流が出力され、該第21トランジスタと該第23トランジスタの接続部に該第24トランジスタの制御端が接続され、該第24トランジスタと該抵抗の接続部に該第23トランジスタの制御端が接続されている発振回路。
  2. 前記発振部は、一方駆動端と基板電位の出力端が電源電圧の出力端に接続され、制御端に前記バイアス回路から充電電流が供給される一方導電型第1トランジスタと、一方駆動端と基板電位の出力端が接地電圧の出力端に接続された他方導電型第3トランジスタとが該電源電圧の出力端と該接地電圧の出力端との間に直列に接続され、該第1トランジスタと該第3トランジスタの接続部と接地電圧の出力端との間に、該第3トランジスタと第1コンデンサとが並列に接続された第1コンデンサ部と、
    一方駆動端と基板電位の出力端が該電源電圧の出力端に接続され、制御端に該バイアス回路から充電電流が供給される一方導電型第2トランジスタと、一方駆動端と基板電位の出力端が該接地電圧の出力端に接続された他方導電型第4トランジスタとが該電源電圧の出力端と該接地電圧の出力端との間に直列に接続され、該第2トランジスタと該第4トランジスタの接続部と該接地電圧の出力端との間に、該第4トランジスタと第2コンデンサとが並列に接続された第2コンデンサ部とを有し、前記コンデンサ手段は、該第1コンデンサと該第2コンデンサにより構成されており、
    一方駆動端と基板電位の出力端が該電源電圧の出力端に接続され、制御端に該バイアス回路からの充電電流が供給される一方導電型第7トランジスタと、一方駆動端と基板電位の出力端が該接地電圧の出力端に接続され、制御端が該第1トランジスタと該第3トランジスタの接続部に接続された他方導電型第8トランジスタとが該電源電圧の出力端と該接地電圧の出力端との間に直列に接続され、
    一方駆動端と基板電位の出力端が該電源電圧の出力端に接続され、制御端に該バイアス回路からの充電電流が供給される一方導電型第9トランジスタと、一方駆動端と基板電位の出力端が該接地電圧の出力端に接続され、制御端が該第2トランジスタと該第4トランジスタの接続部に接続された他方導電型第10トランジスタとが該電源電圧の出力端と該接地電圧の出力端との間に直列に接続されて、前記トランジスタ手段が該第8トランジスタと該第10トランジスタにより構成されており、
    該第7トランジスタと該第8トランジスタの接続部が一方の入力端に接続され、該第9トランジスタと該第10トランジスタの接続部が他方の入力端に接続されて、二つの相反出力を出力可能とするラッチ部が設けられ、
    該二つの相反出力の一方が該第3トランジスタの制御端に接続され、該二つの相反出力の他方が該第4トランジスタの制御端に接続されている請求項1に記載の発振回路。
  3. 前記ラッチ部は、前記一方の入力端に接続されて前記二つの相反出力のうちの一方の出力信号を出力する第1NANDゲートと、前記他方の入力端に接続されて該二つの相反出力のうちの他方の出力信号を出力する第2NANDゲートとがフリップフロップ接続されて構成されている請求項2に記載の発振回路。
  4. 少なくとも前記第8トランジスタと前記第10トランジスタとが同じトランジスタサイズに設定されている請求項2に記載の発振回路。
  5. イネーブル信号とその反転信号を生成するイネーブル制御回路をさらに有する請求項1または2に記載の発振回路。
  6. 前記イネーブル信号とその反転信号によって前記発振部の発振出力のオンとオフが制御され、該イネーブル信号とその反転信号によって発振出力をオフさせたときに、該発振部と前記バイアス回路部がスタンバイモードとされるように構成されている請求項5に記載の発振回路。
  7. 前記イネーブル信号とその反転信号によって、前記発振出力のオンとオフを制御すると共に、該発振出力をオフさせたときに前記発振部をスタンバイモードにするために、
    該発振部は、
    一方駆動端と基板電位の出力端が接地電圧の出力端に接続され、他方駆動端が前記第1トランジスタと前記第3トランジスタの接続部に接続され、制御端に該反転信号が供給される他方導電型第5トランジスタと、
    一方駆動端と基板電位の出力端が接地電圧の出力端に接続され、他方駆動端が前記第2トランジスタと前記第4トランジスタの接続部に接続され、制御端に該反転信号が供給される他方導電型第6トランジスタとを有し、
    一方駆動端と基板電位の出力端が電源電圧の出力端に接続され、他方駆動端が前記第7トランジスタと前記第8トランジスタの接続部に接続され、制御端に該イネーブル信号が供給される一方導電型第11トランジスタと、
    他方駆動端が前記第9トランジスタと前記第10トランジスタの接続部に接続され、制御端に該反転信号が供給される他方導電型第12トランジスタとを有する請求項5または6に記載の発振回路。
  8. 少なくとも前記第21トランジスタと前記第22トランジスタとが同じトランジスタサイズに設定されている請求項1に記載の発振回路。
  9. 前記イネーブル信号とその反転信号によって、前記発振出力のオンとオフを制御し、該発振出力をオフさせたときに前記バイアス回路をスタンバイモードにするために、
    前記バイアス回路は、
    一方駆動端と基板電位の出力端が電源電圧の出力端に接続され、他方駆動端が前記第21トランジスタと前記第22トランジスタの制御端接続部に接続され、制御端に該イネーブル信号が供給される一方導電型第25トランジスタと、
    基板電位の出力端が該電源電圧の出力端に接続され、一方駆動端が該第21トランジスタと該第22トランジスタの制御端接続部に接続され、他方駆動端が前記第22トランジスタと前記第24トランジスタの接続部に接続され、制御端に該反転信号が供給される一方導電型第26トランジスタと、
    一方駆動端と基板電位の出力端が接地電圧の出力端に接続され、他方駆動端が該第21トランジスタと前記第23トランジスタの接続部に接続され、制御端に該反転信号が供給される他方導電型第27トランジスタと、
    一方駆動端と基板電位の出力端が接地電圧の出力端に接続され、他方駆動端が該第22トランジスタと前記第24トランジスタの接続部に接続され、制御端に該反転信号が供給される他方導電型第28トランジスタとを有する請求項1または8に記載の発振回路。
  10. 前記バイアス回路をスタートアップさせて早期に立ち上げて定常状態とするためのスタートアップ回路をさらに有する請求項1、8および9のいずれかに記載の発振回路。
  11. 前記スタートアップ回路は、
    一方駆動端と基板電位の出力端が電源電圧の出力端に接続され、制御端に前記イネーブル信号が供給される一方導電型第31トランジスタと、制御端に該イネーブル信号の反転信号が供給される一方導電型第32トランジスタとが直列に接続され、
    一方駆動端と基板電位の出力端が該電源電圧の出力端に接続され、制御端が該第31トランジスタと該第32トランジスタの接続部に接続された一方導電型第33トランジスタの他方駆動端と該第32トランジスタの他方駆動端が接続され、
    他方駆動端と制御端が接続され、基板電位の出力端が接地電圧の出力端に接続された他方導電型第34トランジスタと、他方駆動端と制御端が接続され、一方駆動端と基板電位の出力端が接地電圧の出力端に接続された他方導電型第35トランジスタが、該第33トランジスタの他方駆動端と該第32トランジスタの他方駆動端接続部と接地電圧の出力端との間に直列に接続され、
    一方駆動端と基板電位の出力端が接地電圧の出力端に接続され、制御端に該反転信号が供給される他方導電型第36トランジスタの他方駆動端が該第33トランジスタの他方駆動端と該第32トランジスタの他方駆動端接続部に接続され、
    一方駆動端が電源電圧の出力端に接続され、基板電位の出力端が接地電圧の出力端に接続され、制御端が該第33トランジスタの他方駆動端と該第32トランジスタの他方駆動端接続部に接続された他方導電型第37トランジスタの他方駆動端が前記バイアス回路の前記第21トランジスタと前記第23トランジスタの接続部に接続されている請求項10に記載の発振回路。
  12. 前記一方導電型のトランジスタはPチャンネル型のMOSトランジスタであり、前記他方導電型のトランジスタはNチャンネル型MOSトランジスタである請求項2、7〜9および11のいずれかに記載の発振回路。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の発振回路がクロック信号発生部に用いられた電子機器。
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