JP4641119B2 - ハンドルロック機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気開閉器などのハンドルロック機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気開閉器などでは、機器本体から突出して開閉操作用ハンドルが設けられ、このハンドルを回動操作することによって、回路のオン、オフなどの切換えが行えるよう構成されている。このようなハンドル操作は所定の作業基準に基づいて厳格に行われるものであるから、不注意で誤ったハンドルの操作が簡単には行えないよう、いくつかのロック機構が考案されている。
【0003】
例えば、回路遮断器のハンドルロック機構としては、ハンドルに横方向の貫通孔を設け、この貫通孔に細長片よりなるキーを挿通して、そのキーの両端をハンドル突出窓の周縁に設けた凸壁のキー溝に嵌め込むようにして拘束することによってハンドルの位置をロックするものがあった。
【0004】
このようなハンドルロック機構では、キーが抜け落ちやすくロックが確実でないという不具合が認められた。また、重要な機器の場合は、特定の操作担当者以外の者がみだりに操作できないように施錠する必要があるが、このロック機構では施錠ができないなどの問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、電気開閉器などに設けられた開閉操作用ハンドルを所定のオン、オフ位置にロックでき、容易には外れないように配慮したハンドルロック機構であり、さらに施錠機能も備えたハンドルロック機構を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の問題は、機器本体から突出して設けられ、複数の所定位置に移動操作されるハンドルに使用されるロック機構であって、このハンドルの操作方向に直交させてロック部材を機器本体に装着し、そのハンドルの移動を拘束してロックするとともに、前記ロック部材に係合した抜け止め部材によりロック部材自体を抜け止め固定するようにしたハンドルロック機構において、前記ロック部材に、抜け止め突起を設けた抜け止め部材を前記ロック部材に向けて進退自在に取り付け、この抜け止め部材を前進させたときに、前記抜け止め突起が前記機器本体に設けた突起に係止して、このロック部材を抜け止め可能としたことを特徴とする本発明のハンドルロック機構によって、解決することができる。
【0008】
また、本発明は、前記抜け止め部材を設けたロック部材において、抜け止め部材を前進させロック部材を抜け止め状態としたときに、この抜け止め部材の動きを拘束する後退防止手段を付設可能とした形態の前記ハンドルロック機構に具体化できる。
【0009】
これらの形態は、さらに次のように具体化できる。すなわち、前記ロック部材の基端部の直角折り曲げ部をさらに折り返して略U字状折り曲げ部に形成し、この平行する部分に、前記抜け止め部材を前記ロック部材に向けて進退自在に取り付けるとともに、この抜け止め部材を前進させロック部材を抜け止め状態としたときに生じる抜け止め部材とU字状折り曲げ部との間の空間に、開閉金具部を備えた錠を取付けて前記後退防止手段を兼ねて施錠可能とした形態である。
また、以上記述した形態において、機器本体から突出して設けられた前記ハンドルの移動操作される所定位置を、中央の中立位置と、その中立位置を挟む第1と第2の操作位置にロック可能としたものに好ましく具体化できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のハンドルロック機構に係る実施形態について、図1〜6を参照しながら説明する。
本発明のハンドルロック機構は、後記するようにハンドルロック手段とロック解除防止手段とからなる。そこで、先ず、ハンドルロック手段の好ましい形態から説明する。
【0011】
そして、本発明のハンドルロック機構は、図1に例示する電気開閉器などの機器本体1から突出して設けられ、複数の所定位置に移動操作されるハンドル2に使用されるロック機構である。そしてこの場合、移動操作される所定位置としては、図2(B)に示す中央の中立位置(オフ・ポジション)と、その中立位置を挟んで図2(A)のように右側に倒された第1操作位置(I 側オン・ポジション)と、図2(C)のように左側に倒された第2操作位置(II側オン・ポジション)の3ポジションからなる場合について説明する。
【0012】
このハンドル2の両側の機器本体1に、ロック部材挿通孔31を設けた一対のロック部材挿通用突起3、3が形成されている。そして、中立位置にある場合の前記ハンドル2には、前記ロック部材挿通用突起3のロック部材挿通孔31に連通可能な位置にロック部材挿通孔21が設けられている。
かくして、この両方のロック部材挿通孔31、21を貫通させて、金属製細長ロッドからなるロック部材4を挿通することにより、前記ハンドル2はこのロック部材4によって第1操作位置または第2操作位置に移動する動きが拘束され、中立位置にロックされる。(図3、4参照)
【0013】
さらに本発明では、前記ハンドルを第1操作位置に移動操作したとき(図2A)に、前記一対のロック部材挿通用突起3に挿通されたロック部材4が前記ハンドル2の側面22の近傍に配置するように、ロック部材挿通孔31とハンドル2の位置関係が設定してある。かくして、前記ハンドル2が中立位置に移動するのをロック部材4が防止するように拘束して、ハンドル2を第1操作位置にロックすることができる。なお、第2操作位置に移動操作した場合も、この第1操作位置の場合と対称になるだけで全く同様である。
【0014】
以上の説明では、ロック部材挿通孔31を設けた一対のロック部材挿通用突起3、3を用いた事例に基づいたが、本発明におけるハンドルロック手段は、このような具体的な形態に限定されず、要は、複数の所定位置に移動操作されるハンドル2に使用されるロック機構であって、このハンドル2の操作方向に直交させてロック部材4を機器本体1に装着し、そのハンドル2の移動を拘束してロック可能としたものを意味する。
【0015】
次に、本発明において上述したハンドルロック手段と合わせて採用されるロック解除防止手段について、図3、4、5、6に基づいて説明する。
先ず、前記ロック部材4の基端部に直角折り曲げ部41を形成し、そこをさらに折り返して略U字状折り曲げ部42に形成し、その腕部分に相当する平行部分42a、42bに、構造用プラスチック材などからなる抜け止め部材5を前記ロック部材4に向けて進退自在に取り付けられていて、この抜け止め部材5には、前記ロック部材4に向けて抜け止め突起51が設けてある。
【0016】
そして、このロック部材4を図4に示すように、一対のロック部材挿通用突起3、3に挿通してハンドル2をロックした状態で、前記抜け止め部材5を前進させたときに、前記抜け止め突起51が、前記機器本体1に設けたロック部材挿通用突起3、3の間に挿入されるよう位置決めされ形成されている。
かくして、前記の抜け止め突起51をロック部材挿通用突起3、3の間に位置させれば、ロック部材4を抜こうとしても、前記抜け止め突起51が前記ロック部材挿通用突起3に係止して、ロック部材4を抜け止め状態に保持しロックが解除されるのを防止できる。また、ロックを解除するには、抜け止め部材5を後退させ、ロック部材4を抜き出せばよい。なお、本発明では、ロック部材4に抜け止め部材5を取り付けた状態にて、ハンドルロック機構を組み付け可能なので、ハンドルロック機構の取り付けが容易にできる。
【0017】
また、本発明では、この抜け止め部材5を前進させロック部材4を抜け止め状態としたときに、この抜け止め部材5の後退動作を拘束するために、次に説明する後退防止手段を付設して、抜け止め状態を確実に保持するようにできる。
それには、図6に示すように、抜け止め部材5を前進させロック部材4を抜け止め状態としたときに生じる抜け止め部材5とU字状折り曲げ部42との間の空間に、南京錠のような開閉金具部61を備えた錠6を取付けて施錠できるように構成すれば、抜け止め部材5を後退させることができないよう拘束するので、抜け止め状態を確実なものとすることができる。
【0018】
このような施錠を採用する場合、複数の前記錠6を取り付けられるようにするのがよい場合がある。例えば、このハンドルロック機構が対象とする機器が複数の管理者によって管理され、全員の同意によってロックが解除されるような管理機器である場合に、管理者の人数の錠を取り付けておき、各管理者が自己の錠を取り外すようにすれば、最終的に全員の同意のもとに開錠されたことになり、管理作業が容易になる利点が得られる。なお、以上は図示の開閉器を用いた事例により説明してあるが、これに限らず回路遮断器に用いてもよい。
【0019】
【発明の効果】
本発明のハンドルロック機構は、以上説明したように構成されているので、電気開閉器などに設けられた開閉操作用ハンドルに適用すれば、操作ハンドルを所定のオン、オフ位置にロックでき、抜け止め部材によりロックが容易には外れないよう設定できるのでより信頼性を高めることができる。さらにその抜け止め状態の解消防止を兼ねた複数の南京錠などが取り付けられ、安全管理上有効な施錠機能も備えたハンドルロック機構も提供できるという優れた効果がある。よって本発明は、従来の問題点を解消したハンドルロック機構として、工業的価値はきわめて大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象となる電気開閉器の斜視図。
【図2】電気開閉器の3ポジションを例示する側面略図A、B、C。
【図3】本発明の対象となる電気開閉器の要部斜視図とロック部材の斜視図。
【図4】中立位置でのロック状態を示す要部斜視図。
【図5】第1操作位置でのロック状態を示す要部斜視図。
【図6】南京錠で施錠した状態を示す本発明の要部斜視図。
【符号の説明】
1 機器本体、2 ハンドル、21 ロック部材挿通孔、22 側面、3 ロック部材挿通用突起、31 ロック部材挿通孔、4 ロック部材、41 直角折り曲げ部、42 U字状折り曲げ部、42a、42b平行部分、5 抜け止め部材、51 抜け止め突起、6 錠、61 開閉金具部。

Claims (4)

  1. 機器本体から突出して設けられ、複数の所定位置に移動操作されるハンドルに使用されるロック機構であって、このハンドルの操作方向に直交させてロック部材を機器本体に装着し、そのハンドルの移動を拘束してロックするとともに、前記ロック部材に係合した抜け止め部材によりロック部材自体を抜け止め固定するようにしたハンドルロック機構において、前記ロック部材に、抜け止め突起を設けた抜け止め部材を前記ロック部材に向けて進退自在に取り付け、この抜け止め部材を前進させたときに、前記抜け止め突起が前記機器本体に設けた突起に係止して、このロック部材を抜け止め可能としたことを特徴とするハンドルロック機構。
  2. 前記抜け止め部材を設けたロック部材において、抜け止め部材を前進させロック部材を抜け止め状態としたときに、この抜け止め部材の動きを拘束する後退防止手段を付設可能とした請求項1に記載のハンドルロック機構。
  3. 前記ロック部材の基端部の直角折り曲げ部をさらに折り返して略U字状折り曲げ部に形成し、この平行する部分に、前記抜け止め部材を前記ロック部材に向けて進退自在に取り付けるとともに、この抜け止め部材を前進させロック部材を抜け止め状態としたときに生じる抜け止め部材とU字状折り曲げ部との間の空間に、開閉金具部を備えた錠を取付けて前記後退防止手段を兼ねて施錠可能とした請求項1または2に記載のハンドルロック機構。
  4. 機器本体から突出して設けられた前記ハンドルの移動操作される所定位置を、中央の中立位置と、その中立位置を挟む第1と第2の操作位置にロック可能とした請求項1から3のいずれかに記載のハンドルロック機構。
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