JPH11167855A - 回路遮断器の外部操作ハンドル装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】南京錠を使用せずに、ハンドル装置自身に組み
込んだハンドルロック機構でハンドル摘みをＯＮ，ＯＦ
Ｆ位置に鎖錠できるようにする。 【解決手段】遮断器本体１に連結して外部からの手動操
作でＯＮ，ＯＦＦ，およびリセットする外部操作ハンド
ル装置２が、ボディ４に回転操作式のハンドル摘み５を
組み込んだ構成になるものにおいて、ハンドル摘みの内
部に組み込んだスライド駒９，該スライド駒に連結して
ハンドル摘みの下面側に引出したロック片１０，スライ
ド駒を“ロック”，“アンロック”位置に保持するノッ
チング機構１１，およびハンドル摘みのＯＮ，ＯＦＦ位
置に対応して、ボディの内周面側に前記ロック片と係合
し合うよう形成したロック溝１０とでハンドルロック機
構８を構成し、必要時にスライド駒のスライド操作でハ
ンドル装置をＯＮ，ＯＦＦ，ＯＮ／ＯＦＦ位置で鎖錠す
るようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、配電盤，制御盤
などに装備した配線用遮断器を盤外から手動でＯＮ，Ｏ
ＦＦ，およびリセット操作するための外部操作ハンドル
装置、詳しくはハンドル装置のハンドル摘みを必要時に
ＯＮ，ＯＦＦ位置に鎖錠してこの位置から回らないよう
にするロック機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】ＦＡ設備の制御盤分野では、各負荷ごと
にその給電回路に過電流，漏電が発生した際に遮断器を
トリップして負荷を保護する配線用遮断器が用いられて
おり、かつ盤外から遮断器をＯＮ，ＯＦＦ，およびリセ
ット操作できるようにするために、頭記した外部操作ハ
ンドル装置が一般に採用されている。

【０００３】また、かかる回路遮断器の外部操作ハンド
ル装置については、保安面，およびハンドルの操作ミス
を防ぐためにロック機能を持たせて、制御盤の保守点検
中はハンドルをＯＦＦの位置に鎖錠して盤内での不測な
感電事故を防ぎ、逆に負荷の運転中はハンドルをＯＮの
位置に鎖錠し、ハンドル操作のミスから誤って給電中断
を防止するようにしており、そのロック手段としてはハ
ンドル装置に南京錠を掛けてＯＮ，あるいはＯＦＦ位置
に施錠する方式が公知である。

【０００４】次に、南京錠でハンドルを施錠するように
した従来の外部操作ハンドル装置の構成を図５，図６で
説明する。各図において、１は配電盤，制御盤の内部に
取付けた配線用遮断器、２は配線用遮断器１の遮断器本
体に連結して盤パネル３の前面側に突き出した外部操作
ハンドル装置である。この外部操作ハンドル装置３は、
遮断器本体に結合したボディ（樹脂成形品）４の前面側
に回転操作式のハンドル摘み５を装備した構成になり、
このハンドル摘み５をボディ４の周壁（ハンドル摘み５
を取り囲んだ周枠）４ａに表示したＯＮ，ＯＦＦマーク
に合わせて手動で回すと、ハンドル摘み５に連繋した駆
動アーム６（ハンドル摘み５と駆動アーム６との間が回
転／直線運動変換機構を介して連結されている）が矢印
方向に移動し、配線用遮断器１のレバー式操作ハンドル
１ａをＯＮ，ＯＦＦ位置に切換えて遮断器を投入，断
路，およびリセットする。なお、ハンドル摘み５はＯＮ
とＯＦＦ位置の間で９０°回転するようになっている。

【０００５】また、かかるハンドル装置２に対して、必
要時にハンドル摘み５をＯＮ，あるいはＯＦＦの位置に
鎖錠する手段として、ボディ４の周壁４ａの周面にはハ
ンドル摘み５のＯＮ，ＯＦＦ位置に対応してロック穴４
ｂを開口し、このロック穴４ｂに図示のように南京錠７
の腕金７ａを通してハンドル摘みをＯＮからＯＦＦ位置
へ，あるいはＯＦＦからＯＮ位置へ回せないようにして
いる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のよう
に南京錠を用いてハンドルロックを行うようにした従来
の外部ハンドル装置では、その取扱性の面で次記のよう
な問題点がある。すなわち、 (1) 制御盤に多数台の配線用遮断器が装備されている場
合には、各遮断器の外部操作ハンドル装置ごとに１個ず
つ南京錠を掛けるために多数個の南京錠が必要であり、
その南京錠を解錠する鍵の管理が面倒である。

【０００７】(2) また、制御盤の保守点検時に盤内に持
ち込んだ南京錠を誤って盤内に置き忘れたりすると、通
電時に南京錠が充電部に触れて思わぬ短絡事故を引き起
こすおそれがある。この発明は上記の点に鑑みなされた
ものであり、その目的は南京錠を使用せずに、ハンドル
装置自身にハンドルロック機構を組み込み、ハンドル摘
みを選択的にＯＮ，ＯＦＦ位置に鎖錠できるようにした
回路遮断器の外部操作ハンドル装置を提供することにあ
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明によれば、遮断器本体の前面に結合したボ
ディに回転操作式のハンドル摘みを装備し、ボディの周
壁上に表示したＯＮ，ＯＦＦのマークに合わせてハンド
ル摘みを回すようにした外部操作ハンドル装置におい
て、前記ハンドル摘みに、手動操作でラジアル方向へ前
進，後退するスライド駒，および該スライド駒に連結し
てハンドル摘みの下面側に引出したロック片を組み込む
とともに、ハンドル摘みのＯＮ，ＯＦＦ位置と個々に対
応して、ボディの内周面側に前記ロック片と係合し合う
ロック溝を形成して構成するものとする（請求項１）。

【０００９】かかる構成で、ハンドル摘みをＯＮ／ＯＦ
Ｆ位置に回した上で、前記のスライド駒に指先を掛けて
“ロック”位置にスライド操作すると、ロック片がボデ
ィ側のロック溝の中に進入して両者間が係合する。これ
により、スライド駒を後退操作しない限りハンドル摘み
がその位置に鎖錠される。また、ハンドル摘みの鎖錠を
解除するには、スライド駒を“ロック”位置から“アン
ロック”位置にスライド操作する。これによりロック片
がロック溝から抜け出してハンドル摘みを自由に回すこ
とができるようになる。

【００１０】また、この発明によれば、前記構成におけ
るハンドルロック機構を、具体的に次記のような態様で
構成することができる。 (1) ＯＮ，ＯＦＦ位置に対応するロック溝の端面に打ち
抜き可能な盲蓋を設けておき、ユーザー側で盲板を打ち
抜くことでハンドル摘みの鎖錠位置をＯＮ位置，ＯＦＦ
位置，あるいはＯＮ／ＯＦＦ位置の３通りに自由に選択
できるようにする（請求項２）。

【００１１】(3) ハンドル摘みの内部に、スライド駒を
“ロック”，“アンロック”位置で係止保持するノッチ
ング機構を組み、スライド駒をスライド位置に拘束保持
させるようにする（請求項３）。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
１ないし図４に示す実施例に基づいて説明する。なお、
実施例の図中で図５，図６に対応する同一部材には同じ
符号が付してある。図１(a),(b) に示す外部ハンドル装
置２は基本的に従来構造と同じであるが、この実施例で
はハンドル装置の内部に次に記すような構造のハンドル
ロック機構８が組み込まれている。すなわち、ハンドル
ロック機構８は、ハンドル摘み５の周縁近い箇所には摘
み部材を上下方向に貫通した穴５ａの内部に組み込まれ
ており、その構造は、ハンドル摘み５の表面から多少内
方に引っ込んだ位置で、前記穴５ａの中をラジアル方向
（摘み５の長手方向）に前進，後退移動可能に案内支持
して配置したスライド駒９と、該スライド駒９から下方
に延在してハンドル駒５の下面側に引き出したロック片
１０と、該ロック片１０の先端に対向してボディ４の内
周面側に形成したロック溝（凹溝）４ｃと、スライド駒
９を“ロック”，“アンロック”位置に係止保持するノ
ッチング機構１１とからなり、その詳細構造を図２，図
３に示す。なお、スライド駒９をハンドル摘み５の表面
から引っ込んだ位置に組み込んでおくことにより、不用
意に手がスライド駒９に触れることがなくて安全であ
る。

【００１３】ここで、前記のロック溝４ｃは図３(a) で
表すように、ＯＮ，ＯＦＦマークと対応した位置にＯＮ
鎖錠用のロック溝４ｃ-1, およびＯＦＦ鎖錠用のロック
溝４ｃ-2が形成されており、かつ各ロック溝４ｃ-1, ４
ｃ-2の内周端面には狭小なタイバー１２ａでボディ４と
繋がった打ち抜き可能な盲蓋１２が設けてある。なお、
この盲蓋１２はボディ４をモールド成形する際に同時成
形するものとする。そして、ハンドル摘み５をＯＮ位置
で鎖錠するように設定する場合には、図４(a)のように
ロック溝４ｃ-1を塞いでいる盲蓋１２を打ち抜いて除去
する。また、ハンドル摘み５をＯＦＦ位置で鎖錠するよ
うに設定する場合には、図４(b) のようにロック溝４ｃ
-2を塞いでいる盲蓋１２を打ち抜いて除去する。さら
に、ハンドル摘み５をＯＮ, およびＯＦＦ位置の両方で
鎖錠するように設定する場合には、図４(c) のようにロ
ック溝４ｃ-1, および４ｃ-2の盲蓋１２を除去する。

【００１４】また、前記のノッチング機構１１は、スラ
イド駒９の下面に取り付けた板ばね１１ａと、該板ばね
１１ａに対向してスライド駒９の移動方向に敷設したス
トッパ板１１ｂからなり、板ばね１１ａは先端部がスト
ッパ板１１ｂに向けてＶ字形に突出しており、かつスト
ッパ板１１ｂの上縁にはスライド駒９の“ロック”，
“アンロック”位置に対応してＶ字形の凹溝が形成され
ている。

【００１５】次に、上記の構成になるハンドルロック機
構８の動作を図２(a),(b) で説明する。まず、図２(a)
のようにスライド駒９を“アンロック”位置に後退させ
ておくと、ロック片１０はロック溝４ａの内周側に後退
するので、ハンドル摘み５はＯＮとＯＦＦ位置との間で
自由に回すことができる。つまり、この状態ではハンド
ルロック機構８が非動作となり、かつノッチング機構１
１の板ばね１１ａの先端がストッパ板１１ｂのＶ溝に嵌
まり込み、スライド駒９が“アンロック”位置に拘束保
持される。

【００１６】一方、ハンドル摘み５をＯＮ，ＯＦＦの指
定位置で鎖錠する場合には、摘み５をロックすべき位置
に回した後、図２(b) で表すように、スライド駒９に指
先を掛けて“ロック”位置にスライド操作する。これに
より、ロック片１０がハンドル摘み５の周縁側に移動し
てロック溝４ｃに嵌まり込み、ハンドル摘み５がこの位
置から回らないように鎖錠される。同時にノッチング機
構１１の働きでスライド駒９が“ロック”位置に拘束保
持される。

【００１７】なお、図４(b),(c) のように、ロック溝４
ｃ-1, ４ｃ-2のいずれか一方の盲蓋１２を残したままに
してこのロック溝を塞いでおくと、仮にスライド駒９を
“ロック”位置に向けてスライド操作しても、ロック片
１０が盲蓋１２に阻害されてロック溝の中に入り込めな
いために、ハンドル摘み９はこの位置に鎖錠されない。
つまり、ユーザー側で盲蓋１２の打ち抜きを図４(a) 〜
(c) のように選択することで、ハンドル装置の鎖錠位置
を任意に設定して使い分けることができる。

【００１８】

【発明の効果】以上述べたように、この発明の構成によ
れば、従来方式のように南京錠を採用することなく、ハ
ンドル摘みの内部に組み込んだハンドルロック機構のス
ライド駒を“アンロック”から“ロック”位置へ移動操
作するだけで、外部操作ハンドル装置のハンドル摘みを
ＯＮ位置，ＯＦＦ位置，あるいはＯＮ／ＯＦＦ位置に鎖
錠することができる。

【００１９】また、ＯＮ，ＯＦＦ位置に対応するロック
溝の端面に打ち抜き可能な盲蓋を設けておくことで、ユ
ーザー側でハンドル装置の鎖錠位置を自由に選択するこ
とができ、さらにハンドル摘みの内部にスライド駒を
“ロック”，“アンロック”位置に保持するノッチング
機構を組み込むことにより、スライド駒の動作位置を安
定保持できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例による外部操作ハンドル装置
の全体構成を示す図であり、(a) は平面図、(b) は要部
断面の側面図

【図２】図１におけるハンドルロック機構の詳細構造，
動作の説明図であり、(a),(b)はそれぞれ“アンロッ
ク”，“ロック”状態を表す図

【図３】図１における外部操作ハンドル装置のボディに
形成したロック溝の構成図であり、(a) はロック溝の配
置を表すボディの平面図、(b) は盲蓋を配したロック溝
の斜視図

【図４】図３のロック溝でハンドルロック機構の鎖錠位
置を選択的に設定した状態を表す図であり、(a）は鎖錠
位置をＯＮ位置，(b) はＯＦＦ位置，(c) はＯＮ／ＯＦ
Ｆ位置に鎖設定した状態図

【図５】鎖錠手段として南京錠を採用した従来における
外部操作ハンドル装置の外観斜視図

【図６】図５の側面図

【符号の説明】

１ 配線用遮断器 １ａ 操作ハンドル ２ 外部操作ハンドル装置 ４ ボディ ４ａ 周壁 ４ｃ ロック溝 ５ ハンドル摘み ８ ハンドルロック機構 ９ スライド駒 １０ ロック片 １１ ノッチング機構 １２ 盲蓋

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】遮断器本体に連結して外部からの手動操作
   で遮断器をＯＮ，ＯＦＦ，およびリセットする回路遮断
   器の外部操作ハンドル装置であり、遮断器本体の前面に
   結合したボディに回転操作式のハンドル摘みを備え、ボ
   ディの周壁上に表示したＯＮ，ＯＦＦのマークに合わせ
   てハンドル摘みを回すようにしたものにおいて、前記ハ
   ンドル摘みに、手動操作でラジアル方向へ前進，後退す
   るスライド駒，および該スライド駒に連結してハンドル
   摘みの下面側に引出したロック片を組み込むとともに、
   ハンドル摘みのＯＮ，ＯＦＦ位置と個々に対応して、ボ
   ディの内周面側に前記ロック片と係合し合うロック溝を
   形成したことを特徴とする回路遮断器の外部操作ハンド
   ル装置。
2. 【請求項２】請求項１記載の外部操作ハンドル装置にお
   いて、ＯＮ，ＯＦＦ位置に対応するロック溝の端面に打
   ち抜き可能な盲蓋を設けたことを特徴とする回路遮断器
   の外部操作ハンドル装置。
3. 【請求項３】請求項１記載の外部操作ハンドル装置にお
   いて、ハンドル摘みの内部に、スライド駒を“ロッ
   ク”，“アンロック”位置に保持するノッチング機構を
   組み込んだことを特徴とする回路遮断器の外部操作ハン
   ドル装置。