JP4636580B2 - 電磁シールドパネルの取付方法 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、隣接する電磁シールドパネルを電気的に接続するための取付方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、外来電磁ノイズによる医療機器、情報機器の誤作動や、事業所用ＰＨＳ等の無線情報機器の利用拡大に伴う電波の干渉や輻輳の防止を目的として、建物に電磁シールド機能を付加したいというニーズが増加しつつある。
【０００３】
電磁シールド工事は、シールドしたい空間を金属などの導電性材料で隙間なく覆う工事であり、通常、建物の電磁シールド工事では、天井、床には既存の建築材料として敷設されるデッキプレートを利用し、壁面には内装下地の下に鋼板、導電性不織布、エキスパンドメタルなどの導電性材料を施工し、窓や扉には電磁シールド仕様のサッシュ、ガラス扉を用いて６面を覆っている。
【０００４】
壁などの電磁シールド工事では、部材同士の接続が比較的しやすいパネル化工法も採用されている。通常のパネル化工法の場合、パネル同士の電気的接続をとるために、仕上げ無しの金属パネルを施工し、その後、仕上げ工事を行っている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、仕上げ無しの金属パネルを施工し、その後、仕上げ工事を行うパネル化工法はコストが高くなるという問題を有している。そこで、低コスト化のために仕上げ材が塗布（もしくは付着）された金属製壁パネルを採用する方法が考えられるが、パネル同士の接続部およびパネル取付部において、電気的に絶縁された状態になり電磁シールド性能が低下してしまう。電磁シールド性能が２０ｄB程度以下の場合には、電気的接続をせずに高周波帯域ではある程度の性能が得られるが、２０ｄB程度以上の場合には、電気的接続を行う必要がある。また、錆止めのために金属パネルの裏面にも塗装を施している場合もあり、その場合の電気的接続も考慮する必要がある。
【０００６】
本発明は、上記従来の問題および課題を解決するものであって、工期の短縮および低コスト化を図ることができる電磁シールドパネルの取付方法を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の電磁シールドパネルの取付方法は、板状のパネル基材と、このパネル基材の表面および側面を覆う鋼板とから構成され、鋼板の表面には仕上げ材が塗装または貼着され、裏面には錆止め材が塗装または貼着された電磁シールドパネルの複数を金属製柱に取り付ける取付方法であって、前記鋼板の側面には外側に水平に延びる押さえ部が形成されており、該押さえ部の錆止め材を剥がし、隣接するパネルの押さえ部と金属製柱の間に導電性ガスケットを挿入し、次に、押さえ金物を押さえ部の表側にセットし、押さえ金物と金属製柱を取付ビスで固定することを特徴とする。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図１は、本発明の電磁シールドパネルの取付方法の１実施形態を示し、図１（Ａ）は正面図、図１（Ｂ）は図１（Ａ）のＢ−Ｂ線に沿う模式的断面図、図１（Ｃ）は図１（Ｂ）のＣ部の拡大断面図である。
【０００９】
電磁シールドパネル１Ａ、１Ｂは、板状のパネル基材２と、このパネル基材２の表面および側面を覆う鋼板３とから構成され、予め、鋼板３の表面には仕上げ材４が塗装または貼着され、鋼板３の裏面には錆止め材５が塗装または貼着されている。なお、パネル基材２としてこの条件を満たすメッキ鋼板を用いてもよい。
【００１０】
鋼板３は、パネル基材２を覆う側面部３ａと、側面部３ａの端部から外側に水平に延びる押さえ部３ｂと、押さえ部３ｂから更に外側に斜め方向に延びる傾斜部３ｃからなっている。
【００１１】
電磁シールドパネル１Ａ、１Ｂは、Ｃチャンネルからなる金属製柱６に取り付けられる。取り付け方法について説明すると、先ず、電磁シールドパネル１Ａ、１Ｂの鋼板３の押さえ部３ｂの裏面の錆止め材５を剥がし、２つのパネルの押さえ部３ｂと金属製柱６の間に導電性ガスケット７を挿入し、次に、断面コ字形状の押さえ金物８を押さえ部３ｂの表側にセットし、押さえ金物８と金属製柱６を取付ビス９で固定する。
【００１２】
なお、パネル基材２の厚さｎと鋼板３の表面から押さえ部分までの長さＮの関係は、ｎ＜Ｎでなければならない。
【００１３】
上記構成からなる本発明の取付方法においては、電磁シールドパネル１Ａの鋼板３の押さえ部３ｂ、導電性ガスケット７、金属製柱６、電磁シールドパネル１Ｂの鋼板３の押さえ部３ｂの順に電気的接続ができ、電磁シールド壁を構成することができる。
【００１４】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、仕上げ工事が不要となり、工期の短縮および低コスト化を図ることができる。また、通常の仕上げが可能であり、好みの仕上げ材を自由に選ぶことができる。さらに、パネルの製造コストも、パネルの製造過程に押さえ部の錆止め材を剥がすだけで電磁シールド化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の電磁シールドパネルの取付方法の１実施形態を示し、図１（Ａ）は正面図、図１（Ｂ）は図１（Ａ）のＢ−Ｂ線に沿う模式的断面図、図１（Ｃ）は図１（Ｂ）のＣ部の拡大断面図である。
【符号の説明】
１Ａ、１Ｂ…電磁シールドパネル
２…パネル基材
３…鋼板
４…仕上げ材
５…錆止め材
６…金属製柱
７…導電性ガスケット
８…押さえ金物
９…取付ビス

Claims (1)

1. 板状のパネル基材と、このパネル基材の表面および側面を覆う鋼板とから構成され、鋼板の表面には仕上げ材が塗装または貼着され、裏面には錆止め材が塗装または貼着された電磁シールドパネルの複数を金属製柱に取り付ける取付方法であって、前記鋼板の側面には外側に水平に延びる押さえ部が形成されており、該押さえ部の錆止め材を剥がし、隣接するパネルの押さえ部と金属製柱の間に導電性ガスケットを挿入し、次に、押さえ金物を押さえ部の表側にセットし、押さえ金物と金属製柱を取付ビスで固定することを特徴とする電磁シールドパネルの取付方法。

Images