JP4386554B2 - 電磁波シールド室の構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁波シールド室の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電磁波シールド室は、壁パネルや支柱等の構成部材を導電性の素材で製造することにより、それの構成部材を電磁波が貫通することを阻止し、かつ、部材間の隙間を遮蔽することにより、電磁波が部材間の隙間から侵入するのを阻止している。
【0003】
したがって、シールド性を高めるためには、部材と部材との接合箇所での隙間を可能な限り無くす必要がある。そこで、重なり合った部材をビスで固定するにおいて、ビス止めのピッチをできるだけ小さくすることにより、部材同士の密着性を高めていることが多い(例えば特開平5−235580号や実用新案登録第2584222号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ビス止めのピッチを過度に小さくすると、ビス打ちの作業に多大の手間がかかるばかりか、コストも嵩むことになる。
【0005】
本発明は、組立て作業の手間とコストをできるだけ抑制した状態で、電磁波シールド性を向上することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
ところで、電磁波の波長の約半分の距離で導体が隔たっていると、電磁波は共振によって再放射されてしまう性質がある。しかし、壁パネルを構成する導電性の部材をビス止めする場合、ビスの間隔を電磁波の波長の半分以下に狭めると、導体の隔たりが波長の半分より小さくなり、シールド性を高めることができることを発見した。
【0007】
本願の発明者たちは、この電磁波の性質に関する知見と実験とにより、本願発明を完成させるに至った。
【0008】
【0009】
すなわち、請求項1の発明では、壁パネルが金属板製の化粧板(表面板)を備えた構造になっており、前記化粧板の周囲に、笠木や巾木、或いは支柱のような枠材に重なる折り返し部を形成している電磁波シールド室において、前記壁パネルにおける化粧板の周縁部の裏側に、当該化粧板の折り返し部と枠材の表面とに重なる未塗装金属板製の導電補助板を、前記折り返し部の略全長にわたって延びるように配置し、この導通補助板と前記折り返し部とを、シールド性を向上させたい電磁波群のうち最も周波数の高い電磁波の波長の半分以下のピッチで互いに導通する状態に固定している。
【0010】
請求項の発明では、請求項のより好適な形態として、前記導通補助板と枠材とに導電性テープを跨がった状態で貼っている。
【0011】
空中を飛び交う電磁波は、通信用の電波や、電気機器やエンジン等から発生するノイズなど、発生源及び周波数ともに多岐にわたっている。例えば、CB無線では27MHz帯であり、ハム無線では144MHz帯又は400MHz帯が使用されており、携帯電話では800MHz帯と1500MHz帯が使用されており、PHSでは1900MHz帯が使用されており、更に、構内無線LAN(ローカルエリアネットワーク)では2450MHz帯の電波が使用されている。
【0012】
このような電磁波の状態を考慮すると、OA機器や医療機器などの一般的な電子機器は、主として25MHz〜3GHz程度の周波数帯の電磁波に影響を受けることが多い。そこで、請求項では、主として25MHz〜3GHz程度の周波数帯の電磁波をシールドすることを目的として、ビス等によって部材を固定するピッチを約50mmかそれ以下に設定している。
【0013】
また、多くの電子機器は、25MHz〜3GHz程度の周波数帯のうちでも特に600MHzより低い周波数帯の電磁波によって誤作動しやすい。そこで、請求項では、経済性も考慮して、主として25〜600MHz程度の低い周波数帯の電磁波のシールド性向上を目的として、ビス等によって部材を固定するピッチを約200〜250mmかそれ以下に設定している。
【0014】
【発明の作用・効果】
部材同士をビスで固定したりスポット溶接したりする場合、部材同士が全長にわたって完全に密着していなくても、ビス等による固定箇所では、部材同士は互いに導通している。
【0015】
他方、電磁波は回析現象によって隙間を通り抜ける性質があるが、導電性の部材が波長の半分以下のピッチでビス止め等されていると、ビス止め等の場所はある程度の面積があることにより、前記したように、導電性の部材の導通部間の隔たりが波長の半分の距離より小さくなるため(ビス止めの場合、ピッチよりもビスの直径分だけ導通部間の隔たりが小さくなる)、電磁波のシールド性を高めることができる。
【0016】
このため、いずれの請求項の発明においても、部材同士を過度に短いピッチでビス止め等しなくても、電磁波のシールド性能を向上することが可能となる。
【0017】
また、本願発明では、導電補助板の存在とビス等による固定ピッチの工夫とが相俟って、壁パネルの周囲からの電磁波の侵入・漏れを効果的に抑制することができる。更に、請求項のように構成すると、導電補助板と枠材とが導電性テープ導通できるため、電磁波のシールド性をより一層向上させることができる。
【0018】
ところで、電磁波の漏れ(侵入)の程度は、周波数や強さ、或いは壁等の構造によって様々に異なる。従って、求められるシールド性能の程度や経済性などの様々の事情を考慮して、ビス等による部材の固定ピッチを設定すれば良い。
【0019】
例えば、電子機器への影響が特に大きい周波数帯の電磁波や、特に漏れやすい周波数帯の電磁波などを集中的にシールドできれば全体のシールド性能は向上できるのであり、したがって、電子機器等が影響を受けやすい周波数帯の電磁波を集中的にシールドするために、ビス等の固定ピッチを設定すれば良い。
【0020】
また、一つの電磁波シールド室において、電磁波の漏れ易さの違いや入射する電磁波の強さの違い、或いは組み立て作業の容易性等の各種の事情を勘案して、ビス等による部材の固定ピッチを場所によって異ならせてもよいのである。
【0021】
本願発明は、ビス等の固定ピッチを工夫することによって、ある周波数帯(或いは特定の周波数)の電磁波に対するシールド効果を高めるものであり、電磁波シールド室自体は、より広範な周波数帯の電磁波をシールドできることは言うまでもない。
【0022】
【発明の実施形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
(1).第1実施形態(図1〜図14)
図1〜図14では第1実施形態を示しており、このうち図1では、電磁波シールド室における壁の一部を大雑把に表示している。
【0024】
この図1に示すように、電磁波シールド室の壁は、天井に配置した笠木1、床に配置した巾木2、笠木1と巾木2との間で水平方向に所定間隔で配置した支柱3、隣あった支柱3の間のエリアごとに配置した多数枚の壁パネル4,5,6,7やドア8、ガラス窓9等から成っている。本実施形態では、笠木1と巾木2と支柱3とが、請求項に記載した枠材(骨組)に該当する。
【0025】
なお、笠木1は天レール又は天枠体と言い換えても良く、巾木2は地レール又は地枠体と言い換えても良い。
【0026】
壁パネルは用途又はデザインの要請から高さの異なる複数種類が使用されており、便宜上、笠木1と巾木2との間の全長にわたって延びるものを第1壁パネル4、ドア8と同じ高さのものを第2壁パネル5、第2壁パネル5の上方に配置したものを第3壁パネル6、ガラス窓9の下方に配置したものを第4壁パネル7と称する。
【0027】
以下、各構成部材について説明する。
【0028】
(1)-1.支柱、笠木、巾木、壁パネル
先ず、図2〜図4に基づいて、支柱3と笠木1及び巾木2について説明する。図2は図1のII−II視平断面図、図3は支柱3の支持状態を示す分離斜視図、図4は支柱3を笠木1に固定する構造を示す分離斜視図である。
【0029】
図2に示すように、支柱3は、鋼板のような金属板を素材として全体として平面視四角形に形成されており、両長手側縁は巻き締め状にかしめ付けられている(かしめ箇所を符号3aで示す)。また、支柱3の表裏両側には、左右一対ずつのはみ出し部3bを有する平面視略T形の突出部3cが形成されている。
【0030】
一般に支柱3の外面は樹脂系等の塗料で塗装されているが、塗装せずに金属面(亜鉛メッキ等の金属メッキのメッキ層を含む。この点は他の部材も同じである。)を露出させておくことも可能である。
【0031】
図2で第1壁パネル4を代表して示すように、各壁パネル4,5,6,7は、石膏ボード等から成る芯材10と、その表面に張った金属板製の化粧板11とからなっており、化粧板11の左右両側部を芯材10よりも左右外側に突出させて、これに、支柱3のはみ出し部3bに弾性に抗して嵌合する鉤状係合部11aを上下に長く延びるように形成している。なお、壁パネルの構成要素として必ずしも芯材10は必要なく、壁パネルが化粧板11のみで構成されていても良い。
【0032】
巾木2は鋼板等の金属板で断面コ字状に形成されており、図3に示すように、巾木2の内部にはアジャスターボルト12付きの脚13が配置されており、この脚13で支柱3を高さ調節自在に支持している。脚13は支柱3に内側から嵌まっており、その左右両側面には、支柱3の左右内側面に当たる位置決め片14と、支柱3の下端が載る支持爪15とが形成されている。なお、巾木2の表裏外側面は塗装されているが、内面と下面とは塗装していない。
【0033】
支柱3の下部には、当該支柱3を左右から抱き込むような平面視コ字状のパネル受け16がねじ17で固定されており(図3では一方のパネル受け16しか描いていない)、このパネル受け16に、前後一対のずつの鉤形支持片18と規制片19とを形成している。
【0034】
他方、第1壁パネル4、第2壁パネル5、第4壁パネル7では、鉤状係合部11aの下端部を切欠いており、その切欠き部20の上端において、鉤状係止部11aをパネル受け16の鉤形支持片18で支持している。また、パネル受け16の規制片19が壁パネル4,5,7の化粧板11の内面に当たっている。このため、壁パネル4,5,7はパネル受け16によって前後左右ずれ不能に支持されている。
【0035】
図4に示すように、支柱3の上端部には、上金具22が前後左右ずれ不能に嵌まっている。上金具22の上部は笠木1に嵌まり込んでおり、上端に設けた水平片23をねじ(図示せず)で笠木1に締結している。
【0036】
また、支柱3の上端部には、前後一対の押さえ金具24が外側から重なっている(図では一方の押さえ金具24しか描いていない)。押さえ金具24の重なりを許容するため、当該押さえ金具24には下向きの切欠き25が形成されており、支柱3の前後突出部3cには上向きの切欠き26が形成されている。
【0037】
また、押さえ金具24には、支柱3の左右外面に重なる抱持片24aを折曲げ形成しており、この抱持片24aに内向き突設した爪27を、支柱3の側板に形成した係合穴28に嵌め込んでいる。係合穴28を上下2段に形成している。
【0038】
そして、押さえ金具24には、左右一対ずつの係止爪29,30を下向きに突設している一方、第1壁パネル4及び第3壁パネル6における化粧板11の上折り返し部11bには、係止爪29,30が嵌まる係合穴31と切欠き32とを形成している。このため、第1壁パネル4及び第3壁パネル6は、その上部においても前後左右にずれ不能に保持されている。
【0039】
図2に一点鎖線で示すように、壁パネル4,5,6,7の裏面と支柱3とに跨がって導電性テープ33を貼っても良い。
【0040】
(1)-2.笠木と壁パネルとの関係
図5のうち (A)は図1の VA-VA視断面図であり、この図に示すように、笠木1は天井枠34にビス35で固定されている。天井枠34と笠木1との間には2列の導電性ガスケット36を介在させている。なお、ビス35は、絶縁処理されていないタッピングねじ又はドリルねじが好ましい(この点は、他のビスも同じである)。
【0041】
笠木1は、その外側面は塗装しているが、内面と上面とは塗装していない。符号37で示すのは天井パネルである。隣合った支柱3の間には、補強用の横桟38を適当な上下間隔で配置している。
【0042】
各壁パネル4,5,6,7とも、化粧板11の上下両端は、折り返し部11b,11cを形成することによって断面コ字状になっている。そして、電磁波シールド室の内側に位置する第1壁パネル4及び第3壁パネル6においては、図5(B)の拡大図に明示するように、上部の折り返し部11bの内面と芯材10の裏面とに重なるように導電補助板39を配置し、この導電補助板39と折り返し部11bとを、上方からねじ込んだビス40で締結している。
【0043】
導電補助板39は鋼板のような金属板からなっており、その表裏両面とも塗装せずに金属面を露出させている。
【0044】
導電補助板39は笠木1の外面にも部分的に重なっている。そして、笠木1の内面と導電補助板39とに跨がった状態で、導電性テープ33を貼っている。導電性テープ33は、壁パネル4,6のほぼ全長にわたって延びている。なお、導電性テープ33は、アルミ箔や銅箔のような金属箔に導電性接着剤(又は粘着剤)を塗布したものが好ましい。
【0045】
図6は図5のVI−VI視断面図であり、この図に示すように、笠木1は、ほぼ等しいピッチP1でビス35で締結されている。この場合、従来は笠木1の取付け強度のみを考慮して500〜1000mmのピッチでビス止めしていたが、本実施形態では、電磁波のシールド性も考慮して、ビス止めのピッチP1を従来よりも遥かに小さい200mm前後に設定している。
【0046】
図7は図5(B)の VII-VII視断面図であり、化粧板11の上折り返し部11bと導電補助板39とはほぼ等しいピッチP2でビス40で締結されている。この場合のビス40のピッチP2も200mm前後に設定している(従って、壁パネル4,6の巾が900mmであると、ビス40の本数は4〜5本になる)。
【0047】
電磁波シールド室の外側に位置した第1壁パネル4及び第3壁パネル6には導電補助板39を締結していないが、すべての壁パネルに導電補助板39を締結しても良い。但し、導電性テープ33は、電磁波シールド室の内側又は外側のいずれか一方の壁パネルにしか貼ることはできない。
【0048】
(1)-3.巾木と壁パネルとの関係
巾木2と壁パネル4,5,7との関係は図8〜図10に示している。図8は図1のVIII−VIII視断面図、図9は図8のIX−IX視断面図、図10は図8の X-X視断面図である。
【0049】
これらの図に示すように、巾木2は2列の導電性ガスケット36を介して床にビス41で締結されており、巾木2を固定するビス41のピッチP3は、笠木1の締結ピッチと同様に200ミリ前後に設定している。
【0050】
なお、床は導電性シートや金属板を貼って導電構造になっているが、この点は省略している。また、電磁波シールド室の床には床板42を敷設している。
【0051】
電磁波シールド室の内側に位置した第1壁パネル4、第2壁パネル5、第3壁パネル6における化粧板11の下折り返し部11cには、上折り返し部11bの場合と同様に、導電補助板39をビス43で締結し、導電補助板39と巾木の内面とに導電性テープ33を跨がった状態で貼っている。
【0052】
そして、導電補助板39を締結したビス43のピッチP4は、上端部の場合と同様に200mm前後に設定している。
【0053】
(1)-4.第2壁パネルと第3壁パネルとの関係
次に、第2壁パネルと第3壁パネルとの関係を図11及び図12に基づいて説明する。図11は図1のXI−XI視断面図、図12は図11のXII-XII 視図である。
【0054】
これらの図に示すように、第2壁パネル5の上折り返し部11dに第3壁パネル6の下折り返し部11eを嵌合することにより、第3壁パネル6を前後ずれ不能に保持しており、更に、電磁波シールド室の内側に位置した両壁パネル5,6の折り返し部11d,11eをビス44で締結している。
【0055】
この場合、ビス44で締結するピッチP5は250〜300mmに設定している(従って、壁パネル5,6の巾が900mmの場合は、ビス44の本数は3〜4本になる)。また、両壁パネル5,6における折り返し部11e,11dの塗膜を剥がして、金属面を互いに密着させておくのが好ましい。
【0056】
なお、図示していないが、第2壁パネル5の上部は図示しない金具によって支柱3に連結されている。
【0057】
(1)-5.ドア部の構造
次に、ドア部の構造を図13に基づいて説明する。図13は図1のXIII−XIII視断面図であり、ドア8は、芯材46の表裏に金属製化粧板47を張った構造になっている。
【0058】
表裏化粧板47は、芯材46の全周にわたって延びる断面コ字状の内部補強枠48と外部補強枠49とで内外から挟まれており、両補強枠48,49は多数本のビス50で締結されている。この場合、内部補強板48に、外部補強枠49に密着する凸部48aを形成している。
【0059】
内部補強枠48は、その全体が塗装されずに金属面が露出している一方、外部補強枠49は外面のみが塗装されていて、内面は金属面が露出している。内部補強枠48と外部補強枠49とをビス50で締結するピッチP6は、できるだけ短い寸法(例えば50〜200mm)としている。
【0060】
出入り口の周囲は、上ドア枠51と下ドア枠(靴ずり)52、左右の縦ドア枠(図示せず)とで構成されており、各ドア枠51,52には、ドア8の裏面に当たる導電性ガスケット53を設けている。言うまでもないが、ドア8は一方の縦ドア枠にヒンジ54(図1参照)で取付けられており、補強枠48,49及び化粧板47は、ヒンジ54を介して支柱3等に導通している。
【0061】
上ドア枠51には、第3壁パネル6の下折り返し部11eが嵌まる折り返し部51aを形成しており、電磁波シールド室の内側に位置した第3壁パネル6の下折り返し部51aと上ドア枠51とをビス55で締結している。この場合のビス55の締結ピッチは図11及び図12の場合と同じである。
【0062】
(1)-6.ガラス窓9の構造
ガラス窓9の構造は図14(図1のXIV−XIV視断面図)に示している。すなわち、電磁波シールド層56を挟んで一対の板ガラス57が重なっており、この板ガラス57の対を、導電性ガスケット58及び導電性テープ59を介して固定窓枠60と押さえ窓枠61で挟み固定している。
【0063】
両枠60,61ともアルミ等の金属の押し出し加工品であり、縦長の固定窓枠60には、支柱3のはみ出し部3bに被嵌する嵌合部60aが形成されており、支柱3のうちはみ出し部3bの内側に形成された溝には導電性ガスケット62を嵌め入れている。
【0064】
また、押さえ窓枠61は断面コ字状に形成されており、その先端縁に鉤部61aを形成する一方、固定窓枠60には、押さえ窓枠61の鉤部61aが嵌合する溝部60bを形成している。押さえ窓枠61は、前後間隔が狭まるように撓み変形させることにより、固定窓枠60に嵌め込むことができる。
【0065】
縦長の固定窓枠60はビスで支柱3に固定されており、横長の固定窓枠60ははビスで縦長の固定窓枠60に固定されている。なお、各窓枠60,61は塗装せずに金属面を露出させている。
【0066】
(1)-7.電磁波シールドの作用
電磁波は垂直偏波と水平偏波との混合波であり、水平方向に延びる隙間には主として垂直偏波が侵入し、垂直方向(鉛直方向)に延びる隙間には主として水平偏波が侵入する。
【0067】
従って、笠木1と天井枠34との接合箇所や壁パネル4,5,6,7と笠木1及び巾木2との接合箇所、上下壁パネル5,6の接合箇所、或いはドア8の上端部や下端部でのシールド性には垂直偏波が影響する。他方、壁パネル4,5,67と支柱3との接合箇所やドア8の左右端部でのシールド性には、水平偏波が影響する。
【0068】
また、空中には様々の周波数の電磁波が飛び交っているが、OA機器等の電子機器を誤作動させるのは、主とし25MHz〜3GHzの電磁波であり、特に、100〜600MHzの低い周波数帯の電磁波の影響が大きい。従って、一般の電磁波シールド室としては、100〜600MHzの領域の電磁波を効果的にシールドするのが好ましい。
【0069】
そして、100MHzでは波長は約3000mm、200MHzでは波長は約1500mm、300MHzでは波長は約1000mm、400MHzでは波長は約750mm、500MHzでは波長は約600mm、600MHzでは波長は約500mmになる。
【0070】
そこで、電磁波の波長を考慮して、笠木1及び巾木2をビス止めするピッチP1,P3や、導電補助板39と折り返し部11b,11cとをビス止めするピッチP2,P4を、電子機器が特に影響を受けやすい周波数帯の最高周波数である600MHzの波長500mmの半分程度よりも小さい200〜250mmに設定している。
【0071】
空中を飛び交う電磁波の周波数は様々であるから、理論的には、ビス止めピッチP1,・・はできるだけ小さい寸法に設定するのが好ましいが、一般の電子機器の場合、主として600MHzよりも低い周波数帯の電磁波の影響を受けることが多いため、ピッチが200mm程度でも十分なシールド効果を得ることができる。もちろん、電磁波群を広い周波数帯で網羅的にシールドしたい場合や、より高い周波数のシールド性も高めたい場合は、例えばピッチP1,P2・・・・を50mmかそれ以下に設定したら良い。
【0072】
なお、部材同士はビスを介して導通しているため、仮にビス止めのピッチP1,・・・を250mmとした場合、部材同士の導通部の間隔は250mmからビスの直径の寸法を減じた寸法になる。従って、波長が500mmの電磁波であっても再放射は生じず、効率的にシールドされる(もちろん、波長が500mmよりも小さい電磁波もシールドされる)。
【0073】
本願発明者たちは、第1壁パネル4と巾木2との箇所について、第1壁パネル4を巾木2に重ねただけの場合と、ビス止めピッチP4を140mmとして導電補助板39を締結した場合とについてシールド性の実験を行った。その結果、垂直偏波のシールド率が、100MHzの場合で約87dBから約94dBに、200MHzの場合で約63dBから83dBに、400MHzの場合で約73dBから約83dBに向上することが確認された。
【0074】
なお、第2パネル5と第3パネル6との接合箇所では、回析現象が生じにくいため、及び折り返部11d,11eの塗膜が剥がされているためと解されるが電磁波の漏洩は少なく、このため、ビス止めピッチP5が300mm程度でも高いシールド性を確保できた。
【0075】
導電補助板39と笠木1及び巾木2とに跨がって導電性テープ33を貼ると、電磁波の漏洩を一層抑制することができる。また、導電補助板39は表裏とも金属面が露出しているため、化粧板11と導電性テープ33とに対する導通性が確実となって、シールド性を一層向上することができる。なお、導電補助板39は接着材等によって芯材10に接着しておくのが好ましい。
【0076】
壁パネル4,5,6,7への導電補助板39の固定作業は自動機を使用する等して工場で行うことができるため、現場で動力ドライバーを使用して手作業によってビス打ちする場合に比べて、作業者への負担は著しく少ない。従って、経済性を考慮しても、導電補助板39のビス止めピッチP4を例えば50mm程度に設定することは十分に可能である(この点は、ドア8のビス止めピッチP6についても同じである)。
【0077】
なお、ビス止めすることに代えて、スポット溶接によって固定したり、リベットで固定したり、導電性接着剤で固定したりすることも可能である。また、笠木1と巾木2には下穴を空けておくのが好ましい。
【0078】
(1)-8.実施形態の利点及び変形例
ドア8を本実施形態の構造にすると、内部補強枠48と外部補強枠49との金属面同士が密着しているため、電磁波の漏洩を防止又は著しく抑制してシールド効果を向上できる利点がある。
【0079】
また、図14に示すように、ガラス窓9において、押さえ窓枠61を固定窓枠60に嵌め込む構造にすると、両枠60,61の密着性が高まって高いシールド性を確保することができ、しかも、取付け作業の手間も軽減できる。
【0080】
図8に一点差線で示すように、電磁波シールド室の外側に配置した壁パネル4,5,7の下折り返し部11cをビス64で巾木2に締結したり、図11に一点鎖線で示すように、電磁波シールド室の外側に位置した壁パネル5,6の折り返し部11d,11eをビス64で締結しても良い。また、図示していないが、電磁波シールド室の外側に配置した壁パネル4,6の上折り返し部11bを笠木1にビスで固定しても良い。
【0081】
(2).第2実施形態(図15)
図15に示す第2実施形態では、表裏の壁パネルPの下折り返し部11cに導電補助板39を配置し、電磁波シールド室の内側又は外側に位置した一方の壁パネルPの導電補助板39と下折り返し部11cとを、水平状に延びるビス65で巾木2に締結している。
【0082】
ビス65は巾木2の内側からねじ込んでおり、ビス65の頭は導電性テープ33で覆われている。また、巾木2における一方の側板には、ビス65とドライバビットが通過する窓穴66を空けている。窓穴66は、締結作業の後に導電性テープ67で塞いでいる。
【0083】
本実施形態では、他方の壁パネルPの下折り返し部11cもビス68で巾木2に固定している。言うまでもないが、他方の壁パネルPは、巾木2の窓穴66からずれた部位でビス止めしている。なお、導電補助板39は化粧板11にスポット溶接で固定している(溶接箇所を符号69で示している)。
【0084】
本実施形態では、巾木2と壁パネルPとの密着性を一層向上できる。
【0085】
(3).第3実施形態(図16)
図16に示す第3実施形態では、支柱3と壁パネルPとを第1実施形態と同様の構造として、各壁パネルPにおける化粧板11の両側縁に導電補助板39をスポット溶接で固定し、電磁波シールド室の内外いずれか一方に位置した壁パネルPの導電補助板39と支柱3とに跨がって導電性テープ33を貼っている。一点鎖線で示すように、他方の壁パネルPも支柱3にビス68で固定しても良い。
【0086】
(4).第4実施形態(図17)
図17に示す第4実施形態では、壁パネルPを支柱3に固定する手段として、壁パネルPにおける化粧板11の左右両側縁に平面視U字状の嵌合部11fを形成し、隣合った壁パネルpの嵌合部11fを目地部材70を介してビス71で支柱3に固定している。
【0087】
そして、壁パネルPにおける化粧板11の左右側部に導電補助板39をスポット溶接によって固定し、電磁波シールド室の内外いずれか一方の壁パネルPの導電補助板39と支柱3とに跨がって導電性テープ33を貼っている。
【0088】
(5).その他
本発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば、壁は単層構造としても良いし、壁や天井等にフェライトタイル等の他のシールド層を設けることも可能である。
【0089】
笠木や巾木、支柱の形状も様々に具体化できるし、支柱をなくして壁パネル同士を固定することも可能である。また、ビス等による固定ピッチを電磁波の波長との関係で設定することは、天井パネルの固定構造等にも適用することができる。なお、壁パネルに導電補助板を設けることは、ビス止め等のピッチに関する発明とは関係なく、それ自体が独立した発明として成立し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る電磁波シールド室の部分斜視図である。
【図2】図1のII−II視平断面図である。
【図3】支柱と巾木と壁パネルとの関係を示す分離斜視図である。
【図4】支柱と笠木と壁パネルとの関係を示す分離斜視図である。
【図5】(A)は図1の VA-VA視断面図、 (B)は (A)の部分拡大図である。
【図6】図5(A)のVI−VI視断面図である。
【図7】図5(B)の VII-VII視断面図である。
【図8】図1のVIII−VIII視断面図である。
【図9】図8のIX−IX視断面図である。
【図10】図8の X-X視断面図である。
【図11】図1のXI−XI視断面図である。
【図12】図11のXII-XII 視断面図である。
【図13】図1のXIII−XIII視断面図である。
【図14】図14は図1の XIV-XIV視断面図である。
【図15】第2実施形態を示す側断面図である。
【図16】第3実施形態を示す平断面図である。
【図17】第4実施形態を示す平断面図である。
【符号の簡単な説明】
1 笠木
2 巾木
3 支柱
4,5,6,7,P 壁パネル
10 芯材
11 化粧板
11b,11c,11d,11e 折り返し部
33 導電性テープ
35,36,40,41,50,55 ビス
39 導電補助板

Claims (4)

  1. 壁パネルが金属板製の化粧板を備えた構造になっており、前記化粧板の周囲に、笠木や巾木、或いは支柱のような枠材に重なる折り返し部を形成している電磁波シールド室において、
    前記壁パネルにおける化粧板の周縁部の裏側に、当該化粧板の折り返し部と枠材の表面とに重なる未塗装金属板製の導電補助板を、前記折り返し部の略全長にわたって延びるように配置し、この導通補助板と前記折り返し部とを、シールド性を向上させたい電磁波群のうち最も周波数の高い電磁波の波長の半分以下のピッチで互いに導通する状態に固定している、
    電磁波シールド室の構造。
  2. 前記導通補助板と枠材とに導電性テープを跨がった状態で貼っている、
    請求項に記載した電磁波シールド室の構造。
  3. 主として25MHz〜3GHz程度の周波数帯の電磁波のシールドを目的としており、このため、前記導通補助板と折り返し部との固定ピッチを約50mmかそれ以下に設定している、
    請求項1又は2に記載した電磁波シールド室の構造。
  4. 25〜600MHz程度の低い周波数帯の電磁波のシールド性向上を目的としており、このため、前記導通補助板と折り返し部との固定ピッチを約200〜250mmかそれ以下に設定している、
    請求項1又は2に記載した電磁波シールド室の構造。
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