JP4635361B2 - 障子戸 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステル系フィラメントからなるポリエステル系布帛を障子紙として使用した、遮光性が障子戸として適切であり、通気性に優れ、破裂強度の高い障子戸に関する。
【0002】
【従来の技術】
障子戸には、一般的に障子紙が使用されている。障子紙は遮光性に優れ、その透光模様が好まれている。
【0003】
障子紙の破裂強度を向上させる方法としては、特開平11−247093号公報に、和紙、洋紙、布、不織布等の紙素材をポリマーコートする方法が提案されている。
【0004】
また、特開平7−279545号公報、特開平9−209659号公報には、障子紙を容易に張り替えできる障子戸が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、障子紙には、通気性が悪く、破れやすく、汚れ、変色を起こしやすいという問題があった。また、紙素材にポリマーコートする方法では、破裂強度は向上するものの、通気性が極端に低下するという問題があった。
【0006】
また、特開平7−279545号公報、特開平9−209659号公報の方法は、張り替えが容易とは言え、障子紙の張り替えが煩雑な作業であることに変わりはない。
【0007】
本発明の目的は、前記のような従来技術の問題点を解消し、遮光性が適切であり、通気性に優れ、破裂強度の高いポリエステル系布帛を障子紙として使用した障子戸を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のポリエステル系布帛を使った障子戸は、以下の構成を有する。
すなわち、
(1)単糸繊度が15〜50dtexのポリエステル系モノフィラメントおよび白色度が85〜98%であるポリエステル系マルチフィラメントからなる通気性が0.2〜3.0m/sで、かつ遮光率が40〜70%であるポリエステル系布帛を障子紙として使用した障子戸。
(2)ポリエステル系モノフィラメントが艶消し剤を0.2〜6.0重量%含有するものであり、ポリエステル系マルチフィラメントが艶消し剤を2.0〜10重量%含有するものであることを特徴とする(1)記載の障子戸。
(3)ポリエステル系布帛が破裂強さが200〜2000kPaのものであることを特徴とする(1)〜(2)のいずれかに記載の障子戸。
である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の障子戸に使用するポリエステル系布帛を形成するポリエステル系モノフィラメントの単糸繊度は、15〜50dtexである。好ましくは、20〜36dtexである。単糸繊度が15dtex未満であると、糸の曲げ剛性が低く、通気性を良好にする立体的な布帛ができにくい。また、単糸繊度が50dtexを超えると、得られる布帛の遮光率が低下したり通気性が高くなりすぎたりする問題がある。
【0010】
本発明の障子戸に使用するポリエステル系布帛を形成するポリエステル系マルチフィラメントの白色度は、85〜98%である。好ましくは90〜98%である。白色度が85%未満であると、白色度が不足するため障子が汚れて見え、また、98%を超えると、白色度が高すぎ、汚れの付着が目立ちやすくなる。
【0011】
本発明の障子戸に使用するポリエステル系布帛を形成するポリエステル系マルチフィラメントの単糸繊度は特に限定されないが、好ましくは、20〜90dtexであり、より好ましくは30〜60dtexである。単糸繊度が20dtex未満であると得られる布帛の遮光率が低くなりすぎることがあり、90dtexを超えると得られる布帛の遮光率が高くなりすぎることがある。
【0012】
本発明の障子戸に使用するポリエステル系布帛を形成するポリエステル系モノフィラメントとポリエステル系マルチフィラメントの構成比は特に限定されないが、好ましくは、ポリエステル系モノフィラメント20〜70重量%、ポリエステル系マルチフィラメント80〜30重量%であり、より好ましくは、ポリエステル系モノフィラメント25〜50重量%、ポリエステル系マルチフィラメント75〜50重量%である。ポリエステル系モノフィラメントの構成比が20重量%未満では得られる布帛の遮光率が高くなりすぎることがあり、70重量%を越えると得られる布帛の遮光率が低くなりすぎることがある。
【0013】
本発明の障子戸に使用するポリエステル系布帛の通気性は、0.2〜3.0m/sである。好ましくは、0.4〜1.5m/sである。通気性が0.2m/s未満では、通気性が不足し、本発明の狙いとする通気性の良い障子戸が得られない。また、3.0m/sを超えると、ポリエステル布帛が立体的に見え、美観を損ねることがある。
【0014】
本発明の障子戸に使用するポリエステル系布帛の遮光率は、40〜70%である。好ましくは、50〜60%である。遮光率が40%未満であると、障子戸の採光が強くなり、部屋がまぶしくなりすぎる問題がある。また、遮光率が70%を超えると、障子戸の採光機能が低くなり、部屋が暗くなりすぎる問題がある。
【0015】
次に、艶消し剤を含有するポリエステル系布帛を使用した障子戸について記載する。本発明の障子戸に使用するポリエステル系布帛を形成するポリエステル系モノフィラメントに含有される艶消し剤は、好ましくは0.2〜6.0重量%であり、より好ましくは0.5〜3.0重量%である。艶消し剤が0.2重量%未満ではポリエステル系モノフィラメント自体の遮光性が低いため、障子戸としての遮光性が不足し部屋がまぶしくなりすぎたり、障子戸としての視野遮蔽機能が不満足なものとなる場合がある。また、6.0重量%を超えると、モノフィラメント自体の遮光性が高すぎ、所望の採光性を有する布帛を形成しにくくなる場合がある。
【0016】
本発明の障子戸に使用するポリエステル系布帛を形成するポリエステル系マルチフィラメントに含有する艶消し剤は、好ましくは2.0〜10重量%であり、より好ましくは2.2〜6重量%である。艶消し剤が2.0重量%未満であるとポリエステル系マルチフィラメント自体の遮光性が低いため、障子戸としての遮光性が不足し、また、10重量%を超えると、マルチフィラメント自体の遮光性が高く、所望の採光性を有する布帛を形成しにくくなる場合がある。
【0017】
艶消し材としては限定されないが、例えば二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム等の無機化合物やパラ安息香酸、ベンゾイミダゾール等の有機化合物などを用いることができる。繊維の着色および繊維の物性低下を防止する点から無機化合物が好ましく用いられ、遮光性のバランスから二酸化チタンがより好ましく用いられる。
【0018】
ポリエステル系モノフィラメントとポリエステル系マルチフィラメントで、同一の艶消し材を使用してもよいし、異なる艶消し材を使用してもかまわない。
また、数種の艶消し材を併用してもかまわない。
【0019】
次に、本発明に使用するポリエステル系布帛の破裂強さについて記載する。本発明の障子戸に使用するポリエステル系布帛の破裂強さは、好ましくは200〜2000kPaであり、より好ましくは300kPa〜1000kPaである。破裂強さが200kPa未満であると破れ易くなり本発明の狙いとする破裂強度の高い障子戸が得られにくい場合があり、また、2000kPaを超えると布帛として厚さが厚くなりすぎ美観を損ねる場合がある。
【0020】
本発明の障子戸に使用するポリエステル系布帛の組織は、特に限定されるものではなく、織組織としてはたとえば平織り、綾織り、もじり織りおよび絡み織りなど、編組織としては、たとえば横編み、経編みなどいずれでもよく、経編みでは、たとえばトリコット編み、ミラニーズ編み、ラッシェル編みなどを用いることができる。
【0021】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。
【0022】
なお、実施例および比較例における測定値は、次の方法で測定した。
【0023】
通気性は、JIS L 1018:1999「ニット生地試験方法」に記載の「通気量」を測定した。
【0024】
遮光率は、JIS L 1055-1987「カーテンの遮光性試験方法」に記載の「遮光率」を測定した。
【0025】
破裂強さは、JIS L 1055-1987「カーテンの遮光性試験方法」に記載の「破裂強さ」を測定した。
【0026】
ポリエステル系マルチフィラメントの白色度は、次のようにして測定した。
まず、ポリエステル系マルチフィラメントを引き揃え、該フィラメントの繊度を175dtex狙い、かつ150〜200dtexの範囲に入るようにした。ついで、引き揃えたマルチフィラメントを、24ゲージ天竺丸編機を用いて布帛を製造し、JIS L 1916:2000「繊維製品の白色度測定法」により白色度を測定した。
【0027】
(実施例1)
艶消し剤として二酸化チタンを0.35重量%含有する16dtexのポリエステルモノフィラメントを経糸として、また、艶消し剤として二酸化チタンを3.0重量%含有する44dtex 12本のポリエステルマルチフィラメントを緯糸として平織り組織の布帛を作製し、該布帛を障子紙として用い障子戸を作製した。評価結果を、まとめて表1に示した。
【0028】
実施例1で得られた障子戸は、遮光性が障子戸として適切なものであり、通気性に優れ、破裂強度も高かった。
【0029】
(実施例2〜5)
表1に示す条件で、単糸繊度等を変えたほかは、実施例1と同様の条件で、障子戸を作製した。実施例2〜5で得られた障子戸は、遮光性が障子戸として適切なものであり、通気性に優れ、破裂強度も高かった。
【0030】
(比較例1〜3、5)
表1に示す条件で、単糸繊度等を変えたほかは、実施例1と同様の方法で、障子戸を作製した。ポリエステル系マルチフィラメントの白色度が85%未満では(比較例1、2、5)、布帛の遮光率が低すぎ、遮光性が障子戸として不適切なものであった。また、ポリエステル系モノフィラメントの繊度が50dtexを超えるものは(比較例3)布帛の遮光率が低すぎ、遮光性が障子戸として不適切なものであるばかりでなく、通気性も高すぎた。
【0031】
(比較例4、6)
紙製障子紙を用いた障子戸(比較例4)では破裂強度が低く、ポリマーコート障子紙を用いた障子戸(比較例6)では破裂強さはやや向上したものの、通気性が紙製障子紙を用いた以上に低下した。
【0032】
【表1】
Figure 0004635361
【0033】
【発明の効果】
本発明により、遮光性が障子戸として適切であり、通気性に優れ、破裂強度の高い障子戸を提供できる。

Claims (3)

  1. 単糸繊度が15〜50dtexのポリエステル系モノフィラメントおよび白色度が85〜98%であるポリエステル系マルチフィラメントからなる通気性が0.2〜3.0m/s、かつ遮光率が40〜70%であるポリエステル系布帛を障子紙として使用した障子戸。
  2. ポリエステル系モノフィラメントが艶消し剤を0.2〜6.0重量%含有するものであり、ポリエステル系マルチフィラメントが艶消し剤を2.0〜10重量%含有するものであることを特徴とする請求項1記載の障子戸。
  3. ポリエステル系布帛が破裂強さが200〜2000kPaのものであることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の障子戸。
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