JP4635358B2 - 部分反射率変調パターン形成体の製造方法 - Google Patents

部分反射率変調パターン形成体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性樹脂組成物の硬化部と未硬化部の耐熱軟化性の差を利用した新規な反射率変調画像の形成方法に関するものであり、有価証券、クレジットカード等の偽造防止に利用することができる。また、本発明による反射率変調画像形成法は上述のような製品を製造するに当たって、小ロット単位の製品に於いても、より効率的に製造でき、しかも新たなデサインの開発を可能とするパターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、有価証券類等の印刷物への偽造防止性付与方法としては、すかしによる絵柄または文字、複雑な彫刻模様等が一般的であるが、このような偽造防止手段は熟練した技能と時間が必要である上、手間と時間を費やして作られたパターンが使用できる対象となる製品は一つに限られる。そのため目的や製品が異なる度に同じ工程を繰り返す為、手間と時間が多量に必要とされる。
【0003】
また、クレジットカード、抽選券等の大量発行に伴い、種々の偽造防止手段が考案されている。例えば、レリーフホログラム、オパールエンボス柄、赤外線の反射及び吸収、放電破壊記録、磁気記録等の技術はクレジットカードを中心に利用されている。特にレリーフホログラムに代表されるような複雑で微細なパターンを作製するには、高度な撮影技術と設備が必要である為、偽造複製が困難となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、上述のごとく従来の偽造防止技術で必要とされる熟練した技能や多量の時間、高価な設備と高度な撮影技術等に頼らなくとも完全に近い偽造防止方法を実現することである。さらに、小ロット製品を生産する場合に於いては、より安価な製造方法を実現することを目的とするものである。
【0005】
求項に係る発明においては、以下の工程を有することを特徴とする部分反射率変調パターン形成体の製造方法を提供するものである。
(a)支持体上に屈折率の異なる感光性樹脂組成物を積層する工程。
(b)前記感光性樹脂組成物積層体の表面に部分露光を施すことにより、前記感光性樹脂組成物積層体に光硬化潜像パターンを形成する工程。
(c)前記光硬化潜像パターンが形成された感光性樹脂組成物積層体を所定の温度で加熱処理して、潜像を反射光強度の変調パターンとして可視化する工程。
(d)反射光強度の変調パターンが形成された前記感光性樹脂組成物積層体に所定の露光量で全面露光を施すことにより、可視化された反射光強度の変調パターンを定着する工程。
請求項に係る発明においては、屈折率の異なる感光性樹脂組成物を少なくとも2種以上積層してなることを特徴とする請求項記載の部分反射率変調パターン形成体の製造方法を提供するものである。
請求項に係る発明においては、屈折率の異なる感光性樹脂組成物の屈折率差は互いに0.02以上であることを特徴とする請求項1または2記載の部分反射率変調パターン形成体の製造方法を提供するものである。
請求項に係る発明においては、感光性樹脂組成物積層体の各々の感光性樹脂組成物膜厚は光学膜厚nd(屈折率n×形状膜厚dの積)として、検出中心感度波長λの1/4もしくは1/4と1/2の組み合わせからなることを特徴とする請求項1または2または3記載の部分反射率変調パターン形成体の製造方法を提供するものである。
【0006】
ここで、屈折率の異なる感光性樹脂組成物は、パターン形成後のパターン形成部では少なくとも2種以上積層してなることを特徴とする感光性樹脂組成物積層体であり、この屈折率の異なる感光性樹脂組成物の屈折率差は好ましくは互いに0.02以上である。
【0007】
さらに、感光性樹脂組成物積層体の各々の感光性樹脂組成物膜厚は光学膜厚nd(屈折率n×形状膜厚dの積)として、検出中心感度波長λの1/4もしくは1/4と1/2の組み合わせからなる積層体とすることにより、同一面内において、好適な部分的に反射率が変調されたパターンとする事ができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、まず本発明の構成材料について説明し、次に製造工程を図面を用いて詳細に説明する。
【0009】
図1に特に限定されるものではないが、光学薄膜として低反射機能が付与できる膜の層構成を示した。まず、図2に示す様に、形成体上に2層膜を形成する。この膜1、2は室温では固体状態の感光性樹脂組成物層であり、光硬化性樹脂もしくはオリゴマー、モノマー等を少なくとも一成分とし、さらに光重合開始剤を添加した熱可塑性樹脂組成物から成る。1は相対的に低屈折率領域、2には高屈折率領域の性能を付与する。3は支持体であり、プレート、シート若しくはフィルム等であるが、これらに限らず3次元形状でも良い。
【0010】
本発明に述べる光硬化性で且つ室温では固体状態の熱可塑性樹脂組成物層1としては、一般的な熱可塑性樹脂と少なくとも2官能以上で良好な架橋反応を行うアクリレート若しくはメタクリレートとの混合物に光重合開始剤を少量添加したものが使用できる。具体的には、熱可塑性樹脂としてアクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート樹脂、塩ビ−酢ビ共重合樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂等が使用できる。また、アクリレート若しくはメタクリレート単独でも室温では固体状態を呈する熱可塑性樹脂であれば使用することができる。例えば、種々のウレタンアクリレート及びメタクリレートオリゴマー、分子内にイソシアヌレート環構造を有する種々のアクリレート及びメタクリレート、分子内にビスフェノールA、ビスフェノールS等の構造を有するエポキシアクリレート及びメタクリレート、ポリブタジエンウレタンメタクリレート、ポリスチリルエチルメタクリレート等が挙げられ、さらに水性UV硬化型樹脂も使用することができる。
【0011】
この感光性樹脂組成物に対し、相対的に低屈折率の性能を付与するには、分子構造内にフッ素原子を含有するポリマーやオリゴマー、モノマー類、MgF2、SiO2等の低屈折率無機微粒子を配合することが効果的である。また、高屈折率の性能を付与するには、分子構造内にフッ素原子以外のハロゲン原子を含有するポリマーやオリゴマー、モノマー類、TiO2、ZnO、SnO2等の高屈折率無機微粒子を屈折率調整用として配合することが好ましい。
【0012】
また光重合開始剤としては使用する光の波長に吸収を有する化合物であれば任意に使用でき、特に限定するものではない。例えば、ベンゾイン、ベンジルケタール、アセトフェノン等の誘導体に代表される自己開裂型の化合物及びベンゾフェノン、芳香族ケトン、ミヒラーズケトン等の分子構造を有する種々の水素引き抜き型の光重合開始剤を配合することが好ましく、さらに必要に応じて種々の増感剤との併用も可能である。
【0013】
次に製造工程について説明する。
【0014】
図2に於いて、支持体3上に低屈折率の感光性樹脂組成物層2を設け、さらにその表面に感光性樹脂組成物層1設ける方法として、ロールコート、バーコート等、公知の塗布方法によって作製することができる。一方、部分的に上記感光性樹脂組成物層を形成する場合には、グラビアコーティング等の一般的な印刷技術を応用する方法、あるいは転写技術を利用することもできる。
【0015】
次に図3に示すごとく、感光性樹脂組成物層1上にフォトマスク4を密着させ、露光5することにより、感光性樹脂組成物層1、2の層内に部分的に硬化した潜像領域6を形成する。
【0016】
次いで図4に示すように、感光性樹脂組成物層1、2に熱7を加えることによって、軟化、溶融させ、感光性樹脂組成物層1、2の境界面を消失させることで光の干渉効果を変化させ、露光部6と未露光部8の間に反射率のコントラストに基ずくパターンを可視化する。
【0017】
さらに、図5には、露光部6と未露光部8に前面露光9を加えることによって、感光性樹脂組成物層全体を硬化させることで、可視化したパターンを定着する工程を示したものである。
【0018】
(作用)
以上のように、本発明においては、光学薄膜として2層構成の感光性樹脂組成物薄膜を代表例とし、図1の構成で低、高屈折率層の光学膜厚nd(屈折率n×形状膜厚dの積)をそれぞれλ/4とすれば、低反射機能を有する膜となる。そこで、図4に示すように、感光性樹脂組成物層1、2の境界面を消失させると1層構成のλ/2膜に変化させることができ、反射強調膜として機能させることができる。従って、露光部6は低反射領域、未露光部8は反射強調領域としてパターンを形成することができる。
【0019】
【実施例】
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。
<実施例1>
以下に実施例および比較例を挙げて本発明について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、部は特に断りのない限り重量基準である。
【0020】
高屈折率感光性樹脂組成物
下記組成の光硬化性オリゴマーを含有する熱可塑性樹脂組成物を高屈折率感光性樹脂組成物とした。各成分の屈折率の加成性から見積もることができる屈折率を約1.76とした。
飽和共重合ポリエステル樹脂(ユニチカ社製、エリーテルUE−3201)−1部
アクリル樹脂(三菱レイヨン社製、ダイヤナールBR−77)−3部
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート−2.5部
酸化チタンゾル(平均粒子径約40nm)−3.5部
光重合開始剤(チバガイギー社製、イルガキュアー651)−1重量部
【0021】
低屈折率感光性樹脂組成物
下記組成の光硬化性オリゴマーを含有する熱可塑性樹脂組成物を低屈折率感光性樹脂組成物とした。各成分の屈折率の加成性から見積もることができる屈折率を約1.49とした。
アクリル樹脂(三菱レイヨン社製、ダイヤナールBR−77)−4部
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート−2.5部
コロイダルシリカ(平均粒子径約30nm)−3.5部
光重合開始剤(チバガイギー社製、イルガキュアー651)−1重量部
【0022】
低反射薄膜層の形成
上記、高屈折率感光性樹脂組成物を酢酸エチルにて、固形分が4wt%となるように希釈した後、厚み120μmのポリエステルフィルム上にバーコーターによって塗布し、80℃,1minの熱乾燥を施すことで成膜した。さらに、低屈折率感光性樹脂組成物をその下地である高屈折率感光性樹脂組成物の薄膜層を溶解しないように、エタノールを溶媒として使用し、前記、高屈折率感光性樹脂組成物の塗布・乾燥条件と同一条件にて積層、成膜した。光学膜厚(nd=屈折率n×形状膜厚d(nm))が高、低それぞれnd=550/4nmとなるように低反射薄膜層を形成した。波長500nmでの反射率は約0.8%であった。
【0023】
部分反射率変調パターンの製造
上記の方法で得られた高/低屈折率感光性樹脂組成物から成る低反射薄膜層の表面に、フォトマスクを密着させた後、高圧水銀ランプ(出力:120W/cm)による紫外線を積算露光量として、500mJ/cm2照射することによって、低反射薄膜層内に部分的な硬化領域を形成させた。次に、これを100℃,5minの条件にて加熱することにより、未露光部の高/低屈折率感光性樹脂組成物間の境界面を消失させた。その結果、未露光部の波長500nmでの反射率は約4.1%であり、硬化部と未硬化部のコントラストは鮮明に可視化した。次に、高/低屈折率感光性樹脂組成物薄膜層全体に、上記と同一条件の紫外線の全面露光を施すことによって、可視化した部分反射率変調パターンを定着した。
【0024】
【実施例2】
実施例1で作製した高/低屈折率感光性樹脂組成物から成る低反射薄膜層の表面に、実施例1で使用したフォトマスクの代わりに、人物の顔が撮影された白黒ポジ画像の透過フィルム原稿を密着させ、実施例1と同一の方法、条件にて部分反射率変調画像を作製した。反射率コントラストが鮮明で、明るい人物画像を得た。
【0025】
【発明の効果】
上述の実施例の説明からも明らかなように、本発明は多層光学薄膜層間の界面を保持する部分と消失させる部分を光硬化と熱軟化変形を組み合わせることで、部分的に反射率が変調されたパターンを製造することを特徴とする。従って、感光性樹脂へのパターン露光による潜像形成、及びその熱現像による潜像の可視化、さらに可視化された像の光定着を利用する原理的に単純で簡便な乾式プロセスであるため、熟練した技能や多量の時間、高価な設備と高度な撮影技術等に頼らなくとも完全に近い偽造防止方法を実現することができる。さらに、小ロット製品を生産する場合に於いては、より安価な製造方法となる。また部分反射率変調パターンを得るための画像は露光プロセスで決定するため、異なる絵柄の多重露光等の方法を用いて、新規な意匠性を有する部分反射率変調パターンの開発が容易になる。そのため、さらに高度な偽造防止効果を付与する手段として有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】部分反射率変調パターン形成体の概念断面図。
【図2】部分反射率変調パターン形成体の製造方法中、屈折率の異なる感光性樹脂組成物積層状態の概念断面図。
【図3】部分反射率変調パターン形成体の製造方法中、感光性樹脂組成物積層体に光硬化潜像パターンを形成する工程の説明図。
【図4】部分反射率変調パターン形成体の製造方法中、光硬化潜像パターンが形成された感光性樹脂組成物積層体を加熱処理することで、潜像を反射光強度の変調パターンとして可視化する工程の説明図。
【図5】部分反射率変調パターン形成体の製造方法中、感光性樹脂組成物積層体に全面露
【符号の説明】
1 低屈折率感光性樹脂組成物層
2 高屈折率感光性樹脂組成物層
3 支持体
4 フォトマスク
5 光
6 感光性樹脂組成物積層体層の硬化潜像
7 熱
8 高反射率領域に変化した未露光部
9 全面露光のための光
10 光硬化定着後の低反射率領域
11 光硬化定着後の高反射率領域

Claims (4)

  1. 以下の工程を有することを特徴とする部分反射率変調パターン形成体の製造方法。
    (a)支持体上に屈折率の異なる感光性樹脂組成物を積層する工程。
    (b)前記感光性樹脂組成物積層体の表面に部分露光を施すことにより、前記感光性樹脂組成物積層体に光硬化潜像パターンを形成する工程。
    (c)前記光硬化潜像パターンが形成された感光性樹脂組成物積層体を所定の温度で加熱処理して、潜像を反射光強度の変調パターンとして可視化する工程。
    (d)反射光強度の変調パターンが形成された前記感光性樹脂組成物積層体に所定の露光量で全面露光を施すことにより、可視化された反射光強度の変調パターンを定着する工程。
  2. 屈折率の異なる感光性樹脂組成物を少なくとも2種以上積層してなることを特徴とする請求項1記載の部分反射率変調パターン形成体の製造方法。
  3. 屈折率の異なる感光性樹脂組成物の屈折率差は互いに0.02以上であることを特徴とする請求項1または2記載の部分反射率変調パターン形成体の製造方法。
  4. 感光性樹脂組成物積層体の各々の感光性樹脂組成物膜厚は光学膜厚nd(屈折率n×形状膜厚dの積)として、検出中心感度波長λの1/4もしくは1/4と1/2の組み合わせからなることを特徴とする請求項1または2または3記載の部分反射率変調パターン形成体の製造方法。
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