JP4634278B2 - 吸音壁 - Google Patents

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本発明は、吸音壁に関するものであり、特に、トンネル内や地下駐車場のように発生音が反響して共鳴するような箇所で、発生音の音圧を低下させて低減させるための吸音壁に関するものである。
従来、交通騒音対策として、道路や鉄道の沿線には防音壁が設置されているが、防音壁の素材としては、グラスウールやロックウールあるいは焼成発泡ガラスなどの一般吸音材が使用されている。例えば、鉄道軌道の両側地盤に、鉄道車両の車窓からの視界を妨げない高さ以下の立壁部を設け、この立壁部の前記軌道に向く面にグラスウールなどの一般吸音材を充填した吸音パネルを取り付け、この吸音パネルで車輪の転動音やモータ音などの騒音を吸音して、防音壁の外へ出る騒音を軽減する鉄道用防音壁が知られている(特許文献1参照)。
また、それぞれ内面に多数の微孔を有するセラミックス皮膜を形成した2枚のアルミニウム板間に、多数の穿孔を有するアルミニウム基板を接着介装した複層吸音材が知られている(特許文献2参照)。
また、金属製枠体内に正面の音源側より複数の吸音材がその厚さの1.5〜5倍の空気層を介在させた状態で配列し固定された吸音パネルにおいて、上記の吸音材が粒子径0.5mm〜2mmに分布されるものの割合が全体の70重量%以上である無機質粒子群を、接着剤を介して連続空隙を有する板状体に加圧成形されたものであって、道路騒音などに要求される周波数400Hz〜4000Hzの加重平均斜入射吸音率0.70以上である複合吸音パネルが知られている(特許文献3)。
特開2004−132062号公報 特開平5−307392号公報 特開平10−331286号公報
特許文献1記載の発明は、グラスウールやロックウールなどの一般吸音材を充填した吸音パネルを使用している。グラスウールやロックウールは軽量で施工しやすく、コストも安価であるという利点を有しているが、振動や風圧などによって折損や粉塵化しやすく、車両の接触に対してきわめて脆弱である。また、雨水をはじめ水分を吸収すると吸音性が低下するという不具合がある。
特許文献2記載の発明は、セラミックス皮膜を形成したアルミニウム板を使用しており、セラミックスはグラスウールなどの軽量吸音材のように雨水による吸音性低下は少ないが、かなりのコスト高になるという不具合がある、また、吸音性能が特定の周波数範囲に限定される。
特許文献3記載の発明は、金属製枠体内に空気層を隔てて複数の吸音材を配置し、道路騒音を効率よく低減することができるが、比較的機械的強度が小さいため、車両の振動や接触で吸音壁が破壊されるおそれがある。
そこで、交通騒音を広い範囲の周波数帯で低減できるとともに、車両の振動や接触などで破壊されない機械的強度の高い吸音壁を安価に提供するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、ポーラスコンクリートにて形成したパネル状の第1の吸音板の上部に、グラスウールやロックウールあるいは焼成発泡ガラスからなる一般吸音材にて形成したパネル状の第2の吸音板を設けた吸音壁において、
上記第2の吸音板をグラスウールやロックウールあるいは焼成発泡ガラスの密度24kg/m 3 〜64kg/m 3 である一般吸音材にて形成し、
更に、上記第1の吸音板および第2の吸音板は、単数もしくは上下方向に複数の吸音板を連結して形成されたことを特徴とする吸音壁を提供する。
この構成によれば、車両などの接触が生じやすい吸音壁の下部に、ポーラスコンクリートにて形成した第1の吸音板を設けてあり、該ポーラスコンクリートは高い吸音率を有するとともに機械的強度が高いので、車両の接触など外力による吸音壁の破壊を防止する。また、走行車両の車輪の転動音やタイヤから発生する路面との摩擦音が、地面近くの低い位置に設けられたポーラスコンクリートからなる第1の吸音板にて吸音され、吸音壁の外部へ漏洩する騒音が低減される。そして、第1の吸音板の上部に、第1の吸音材とは異なる周波数帯の吸音特性を有する一般吸音材にて形成した第2の吸音板を設けてあり、第1および第2の吸音板を組み合わせることにより、広い範囲の周波数帯で交通騒音を低減できる。
この構成によれば、第2の吸音板をグラスウールやロックウールなどの密度24 kg/m3〜64 kg/m3である一般吸音材にて形成した場合に、車両の走行騒音の主成分となる周波数帯域で良好な吸音特性を得ることができる。
この構成によれば、第1の吸音板および第2の吸音板を、単数もしくは複数連結して吸音壁を形成するため、吸音壁を任意の高さに施工でき、かつ施工性も容易となる。また、吸音壁を上下方向に湾曲して施工する場合、複数枚の吸音板を組み合わせることにより、吸音壁を任意の曲率に湾曲させることができる。
請求項記載の発明は、上記第1の吸音板と第2の吸音板が、車両の走行騒音が反射する領域に立設されたことを特徴とする請求項1記載の吸音壁を提供する。
一般的に駐車場や工場、倉庫など、車両の走行騒音が反射する箇所では、反射により発生音が共鳴あるいは増幅されて音圧が上昇し、増幅された騒音が施設周辺に伝播することが懸念されているが、この構成によれば、第1の吸音板と第2の吸音板を組み合わせることにより、車両走行騒音の主要帯域を効果的に低減できる。
請求項記載の発明は、上記第1の吸音板と第2の吸音板が、トンネルの坑口付近の両側壁に設けられたことを特徴とする請求項1記載の吸音壁を提供する。
この構成によれば、トンネル内のように車両の走行騒音が両側壁に反射して共鳴するような箇所では、トンネル内で増幅された騒音が坑口付近の両側壁に設けた吸音壁により吸音されて、トンネルの外部に漏洩する騒音が減少する。
本発明の吸音壁は、上述したように、ポーラスコンクリートにて形成したパネル状の第1の吸音板の上部に、グラスウールやロックウールあるいは焼成発泡ガラスからなる一般吸音材にて形成したパネル状の第2の吸音板を設けてあるので、第1の吸音材が吸音できる周波数帯域と第2の吸音材が吸音できる周波数帯域の双方を合わせた、広い範囲の周波数帯域で交通騒音を低減することができる。また、ポーラスコンクリートは機械的強度が高いので、車両の接触など外力による吸音壁の破壊を防止できる。そして、ポーラスコンクリートからなる第1の吸音板を地面近くの低い位置に設けたことにより、走行車両の車輪の転動音やタイヤから発生する路面との摩擦音が第1の吸音板にて吸音され、吸音壁の外部へ漏洩する騒音が低減される。
例えば、トンネル内は通行車両の走行音が側壁に反響して増幅されるが、トンネルの坑口付近の両側壁に吸音壁を設けることにより、坑口付近の騒音が吸音されてトンネルの外部へ騒音が漏洩するのを低減でき、周囲の環境保護に寄与できる。
以下、本発明に係る吸音壁について、好適な実施例をあげて説明する。交通騒音を広い範囲の周波数帯で低減できるとともに、車両の振動や接触などで破壊されない機械的強度の高い吸音壁を安価に提供するという目的を達成するために、ポーラスコンクリートにて形成したパネル状の第1の吸音板の上部に、グラスウールやロックウールあるいは焼成発泡ガラスなどの一般吸音材にて形成したパネル状の第2の吸音板を設けたことにより実現した。
図1および図2はトンネル10の坑口付近に設置された吸音壁20を示し、該吸音壁20はトンネルの床部11から両側壁12に沿って設けられている。該吸音壁20は、ポーラスコンクリートにて形成したパネル状の第1の吸音板21と、この第1の吸音板21の上部に設けられ、かつ、グラスウールやロックウールあるいは焼成発泡ガラスなどの一般吸音材にて形成したパネル状の第2の吸音板22から構成される。
前記吸音壁20は、車両などの接触が生じやすい吸音壁の下部に、ポーラスコンクリートにて形成した第1の吸音板を設けてあり、該ポーラスコンクリートは高い吸音率を有するとともに機械的強度が高いので、車両の接触など外力による吸音壁の破壊を防止する。また、走行車両の車輪の転動音やタイヤから発生する路面との摩擦音が、地面近くの低い位置に設けられたポーラスコンクリートからなる第1の吸音板にて吸音され、吸音壁の外部へ漏洩する騒音が低減される。そして、第1の吸音板の上部に、第1の吸音材とは異なる周波数帯の吸音特性を有する一般吸音材にて形成した第2の吸音板を設けてあり、第1および第2の吸音板を組み合わせることにより、広い範囲の周波数帯で交通騒音を低減できる。
前記一般吸音材のうち、グラスウール(厚さ50mm)の残響室法吸音率のデータを表1に示す。なお、以下に述べる各吸音板21,22の形状寸法などの数値は本実施例における一例であり、本発明の吸音壁がこれらの数値に限定されるものではない。
Figure 0004634278
表1によれば、グラスウールの密度が24 kg/m3〜64 kg/m3である場合に、車両の走行騒音の主成分となる500Hz〜2KHzの周波数帯域で良好な吸音特性を示しており、特に、500H帯域で卓越した吸音率を得ている。また、グラスウールの密度が24 kg/m3〜48 kg/m3である場合に吸音率が大きい。後述するように、ポーラスコンクリートにて形成された第1の吸音板21は1KHz付近の吸音率が卓越しており、前述のグラスウールなどから形成された第2の吸音板22は500H帯域で卓越した吸音率を得ているので、第1および第2の吸音板21,22を組み合わせることにより、きわめて広い周波数帯の騒音を吸音することができる。
前記第1の吸音板21および第2の吸音板22は、それぞれ単数で施工することもできるが、トンネル10の上下方向に複数の吸音板を連結して形成してもよい。図示した施工例では、各吸音板の高さH1,H2をそれぞれ約500mmとし、第1の吸音板21および第2の吸音板22の双方ともに4枚ずつ積み重ねて連結して、吸音壁20の全高が約2000mmに形成されている。
また、坑口の近傍においてトンネル10の軸方向には、延長約50mに亘って吸音壁20を設置する。前記第1の吸音板21および第2の吸音板22の幅Wは約2000mmに形成してあるので、トンネル10の軸方向に各吸音板をそれぞれ25列連結して配置する。各吸音板21,22の幅方向(トンネルの軸方向)の隙間S0は約20mmとする。
次に、前記第1の吸音板21の詳細について説明する。なお、説明の都合上、単に吸音板21と称する場合もある。前述したように、第1の吸音板21はポーラスコンクリートにて形成された長方形のパネルであり、図3に示すように、高さH1が約500mm、幅Wが約2000mm、厚さTが約50mmとなっている。該吸音板21の内部には、約100mm間隔で格子状に組まれたエポキシ樹脂塗装鉄筋23(本実施例では6mmφ、以下カッコ内は本実施例での寸法)が配筋されている。
また、該吸音板21の上下端からそれぞれ寸法A1(約100mm)、かつ左右端からそれぞれ寸法A2(約500mm)の位置に取付用孔24(約25mmφ)を開穿し、該取付用孔24に座ぐり部25(約50〜60mmφ、深さ約15mm)を形成する。なお、符号26は、脱型用インサート(M16)である。
図4〜図6はトンネル10の坑口付近に設置された第1の吸音板21を示し、各吸音板21は、トンネル10の上下方向に隙間S1(約10mm)を空けて4枚ずつ配置され、トンネル10の軸方向には隙間S0(約20mm)を空けて配置されている。前記取付用孔24から後打ちアンカ27(M12)を挿入し、該後打ちアンカ27をトンネルの両側壁12へ打ち込んで、ボルト28を緊締する。後打ちアンカ27の雌螺子部とボルト28の雄螺子部との間には緩み止め接着剤29を充填しておく。
そして、前記取付用孔24の裏面には、第1の吸音板21とトンネルの両側壁12との隙間に帯状の緩衝材30を介装する。緩衝材30としては、例えば厚さ約5mm、幅約100mm、長さ約500mmのCRゴムなどを使用する。
図7は第1の吸音板21の他の固定方法を示し、各吸音板21の上下方向とトンネル10の軸方向の配置は図4〜図5に示したものと同様であるが、トンネルの側壁12にはC型鋼40を介して固定する。予め、トンネル両側壁12の所定高さに、C型鋼40をトンネル10の軸方向へ後打ちアンカ41にて取り付けておく。そして、前記吸音板21の取付用孔24にボルト42を挿通し、前記C型鋼40内に設けた止め金具43へボルト42を緊締することにより、第1の吸音板21がトンネルの側壁12に固定される。このように、第1の吸音板と側壁12との間に僅かな空隙を設けることにより、吸音効果がより一層高められる。
図8は第1の吸音板21の配置についての変形例を示し、同図(a)は高さ約1000mmのパネルを2枚積み重ねて連結してある。また、同図(b)は高さ1500mmのパネルと高さ500mmのパネルを組み合わせて使用している。図示は省略するが、このほかに第1の吸音板21を3分割したパネルで構成することもできる。また第2の吸音板22についても、同様に2分割あるいは3分割など種々の形状で施工することが可能である。一般的に各吸音板21,22の分割数が多い方が、トンネルの両側壁12の湾曲形状に接近させることができ、トンネル10内を広く使用することができる。また、この場合も第1の吸音板21および第2の吸音板22とトンネルの両側壁12との間に僅かな空隙を設けることにより、吸音効果がより一層高められる。
なお、第2の吸音板22については、特許文献1記載のグラスウールやロックウールあるいは焼成発泡ガラスなどの軽量吸音材、あるいは、特許文献2記載のセラミックス系吸音材、あるいは、特許文献3記載の複合吸音パネルなどの一般吸音材を使用するため、詳細な説明は省略する。
実験例1
次に、本発明の吸音壁20について、実際のトンネルにおける実測データを記述する。1.トンネル概要
設置場所:廃棄物処理場の通行路として設けられたトンネル
形式 :プレキャストコンクリートトンネル
全長 :上り線トンネル L=258.7m
下り線トンネル L=224.1m
2.予測条件
(1)音源
音源データは表2に示す実測データを用いた。
Figure 0004634278
これはトンネル内に実験車両を走行させて測定したもので、500Hz〜2KHzの周波数帯の騒音レベルが大きい。
(2)吸音率データ
吸音壁の残響室法吸音率は表3に示す数値を用いた。
Figure 0004634278
後述の(4)トンネル内吸音仕様にて説明するように、実施例1に記載したポーラスコンクリートからなる第1の吸音板と、特許文献3記載の複合吸音パネルからなる第2の吸音板の吸音率データを比較すると、第1の吸音板は1KHz付近での吸音率が卓越しており、表2に記載された1KHzでの騒音(79dB)が96%吸音される。これに対して、第2の吸音板は250Hz〜500Hz付近の吸音率が卓越している。したがって、第1の吸音板と第2の吸音板を組み合わせれば、広い周波数帯の範囲で騒音を低減できることが予測される。
(3)音源位置
音源は坑口よりトンネル内に5m入った位置を設定した。
(4)トンネル内吸音仕様
トンネル内吸音仕様は、トンネル両側壁に実施例1に記載した吸音壁、すなわち、下部に高さ2mのポーラスコンクリートからなる第1の吸音板を配置し、その上部に特許文献3記載の複合吸音パネルからなる高さ2mの第2の吸音板を配置する。配置状態は実施例1に記載したとおりである。
(5)予測位置 坑口から20m外へ出た敷地境界位置で予測計算を行う。
(6)目標値
予測位置の敷地境界で騒音レベル55dBAを目標とする。
※以上の条件をもとに下記に示す各仕様について予測計算を行った。
(a)吸音板を設置しない状態
(b)吸音板設置範囲A:トンネル内の両側壁に(4)吸音仕様にて記載した吸音壁を延長50m設置
3.予測計算式
(1)トンネル内音圧レベルの算出
i=LW+10・log10(Q/4πr2+4/R)…(1式)
ただし Li :トンネル内音圧レベル(dB)
W :音源のパワーレベル(dB)
Q :音源の指向係数
r :音源からの距離(m)
R :室定数(1−α/Sα)
αは平均吸音率、Sは面積
(2)トンネル坑口における放射パワーの算出
P0=Li+10・log10×S…(2式)
ただし LP0 :坑口の放射パワーレベル(dB)
i :坑口の音圧レベル(dB)
S :坑口面積(m2
(3)距離減衰
Lr=LP+10・log10(Q/4πr2)…(3式)
ただし Lr :坑口からr(m)離れた地点の音圧レベル(dB)
P :坑口のパワーレベル(dB)
(=LP0+10・log10×S)
r :坑口から受音点までの距離(m)
Q :音源の指向係数
4.予測計算結果
騒音予測計算結果を以下に示す。
(a)吸音板を設置しない状態
Figure 0004634278
吸音板を設置しない場合は、坑口から外へ20m出た地点での予測結果が、各周波数で51〜58dBAであった。
(b)吸音板設置範囲A:トンネル内の両側壁に(4)吸音仕様にて記載した吸音壁を延長50m設置
Figure 0004634278
トンネル内の両側壁に吸音板を設置した場合は、坑口から外へ20m出た地点での各周波数で50dBA以下となり、特に車両走行騒音の主要帯域である250Hz〜2kHzの帯域で吸音特性が良好であることが分かり、特に、1KHz前後の騒音レベルが効果的に吸収されている。
この結果を表6に示す。
Figure 0004634278
※予測計算の結果、トンネル内の両側壁の下部に高さ2mのポーラスコンクリートからなる第1の吸音板と、その上部に特許文献3記載の複合吸音パネルからなる高さ2mの一般吸音材からなる高さ4mの複合吸音壁を設置することにより、坑口の外20m地点において、目標の騒音レベル55dBAを満足することを確認した。
5.パッカー車騒音の周波数特性について
騒音データについては表7および図9に示す実測データがある。
Figure 0004634278
これによると、車両走行時の発生騒音については、(i)エンジン音および排気音、(ii)タイヤと路面から発生する音で構成されている。実測データはトンネル内(吸音なし)の状態でのデータであるため、屋外測定データ(文献データ)に比べて、トンネル内の反射音の影響により大きな数値となっている。また、500Hz〜2kHzの帯域での騒音が大きく、特に、卓越する周波数帯は1KHz前後の帯域であり、500Hz以下および2KHz以上の周波数帯では実測データおよび文献データともに騒音が低下していることがわかる。
6.トンネル曲線による騒音レベルの影響
勾配による騒音レベルの変化については、下記の文献に記載されているデータがある。(参考文献)日本建設機械化協会編「建設機械の騒音振動対策ハンドブック(第2版)」このデータを表8および図10に示す。
Figure 0004634278
道路勾配により発生騒音の上昇がみられる。本件については、上り線トンネルの道路勾配が8%程度となるため、車両発生騒音レベルが5dB程度上昇するものと考えられる。
トンネル内の車両発生音の伝搬については、(i)直接伝搬する音、(ii)トンネル側壁などに反射を繰り返して伝搬する音で構成される。坑口近傍の直接車両が見通せる位置では、直接音と反射音が伝搬する。これに対して、曲線で車両が見通せない箇所では反射音で構成され、側壁を吸音していない場合は、反射音がほとんど減衰しないため、反射音が音圧上昇を発生して伝搬する。
このため、トンネル外部への騒音伝搬を低減するには、坑内から延長50mの吸音処理が必要と考えられ、本発明はトンネルの坑口付近の両側壁に吸音壁を設けることにより、坑口付近の騒音が吸音されてトンネルの外部へ騒音が漏洩するのを低減でき、周囲の環境保護に寄与できるものと考えられる。
また、例えば駐車場や工場、倉庫など、車両の走行騒音が反射する箇所に、本発明の吸音壁を施工すれば効果的に走行騒音を吸音できる。この場合も、ポーラスコンクリートにて形成した第1の吸音板は高い吸音率を有するので、きわめて効率よく吸音できる。また、ポーラスコンクリートは機械的強度が高いので、車両の接触など外力による吸音壁の破壊を防止できる。
そして、ポーラスコンクリートからなる第1の吸音板の上部に、第1の吸音材とは異なる周波数帯の吸音特性を有するグラスウールやロックウールあるいは焼成発泡ガラスなどの一般吸音材にて形成した第2の吸音板を設けることにより、第1および第2の吸音板が組み合わせられて、広い範囲の周波数帯で交通騒音を低減できる。
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
本発明に係る吸音壁をトンネル坑口に設置した一例を示す説明図。 図1に示すの吸音壁の説明図。 図1に示す吸音壁の第1の吸音板の単体を示す説明図。 図1に示す吸音壁の第1の吸音板の組み立て状態を示す説明図。 図1に示す吸音壁の第1の吸音板の組み立て状態を示す説明図。 図4のa部詳細図。 第1の吸音板の他の取付方法を示す説明図。 第1の吸音板の配置についての変形例を示す説明図。 騒音の実測データを示すグラフ。 勾配による騒音の変化を示すグラフ。
符号の説明
10 トンネル
12 両側壁
20 吸音壁
21 第1の吸音板
22 第2の吸音板

Claims (3)

  1. ポーラスコンクリートにて形成したパネル状の第1の吸音板の上部に、グラスウールやロックウールあるいは焼成発泡ガラスからなる一般吸音材にて形成したパネル状の第2の吸音板を設けた吸音壁において、
    上記第2の吸音板をグラスウールやロックウールあるいは焼成発泡ガラスの密度24kg/m 3 〜64kg/m 3 である一般吸音材にて形成し、
    更に、上記第1の吸音板および第2の吸音板は、単数もしくは上下方向に複数の吸音板を連結して形成されたことを特徴とする吸音壁。
  2. 上記第1の吸音板と第2の吸音板が、車両の走行騒音が反射する領域に立設されたことを特徴とする請求項1記載の吸音壁。
  3. 上記第1の吸音板と第2の吸音板が、トンネル内の坑口付近の両側壁に設けられたことを特徴とする請求項1記載の吸音壁。
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