JP4671931B2 - 吸音パネル取付構造、吸音パネル取付方法及び防音体 - Google Patents
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Description
この吸音パネル取付構造では、固定部材が吸音パネルの縁部を着脱可能に挟持し、この固定部材が取付部材によって支持体に取付けられることで、吸音パネルが固定部材及び取付部材を介して支持体に取付けられる。
また、従来のように現場での作業が煩瑣でなく、現場調査も必要としないため、現場での簡単な作業で吸音パネルを支持体の所定の位置に確実に取付けられる。
さらに、第1の固定部材及び第2の固定部材を上述した形状としたことで、取付部材を用いて第1の固定部材の第1の取付片及び第2の固定部材の第2の取付片を支持体に取付ける作業と、これらの第1の挟持片及び第2の挟持片で吸音パネルの縁部を挟持する作業とが連動して行われるため、吸音パネルを支持体に取付ける作業の作業工数が低減される。
第1の固定部材の第1の取付片と第2の固定部材の第2の取付片とが取付部材によって一体的に支持体に取付けられるため、これらの固定部材を支持体に別々に取付けるよりも、取付作業の作業工数を低減することができる。
固定部材は、支持体に固定される螺合部と、この螺合部に螺合する螺合部材とによって支持体に取付けられる。
支持体と吸音パネルとの間の距離が確保されることで支持体と吸音パネルとの間に空間が形成され、この空間によって音波の減衰効果が得られる。このとき、支持体と吸音パネルとの間の距離が10mm未満であれば、十分な音波の減衰効果が得られず、支持体と吸音パネルとの間の距離が100mmを超えると、支持体の見かけの厚さが厚くなりすぎるため、例えば支持体が軌道に沿って軌道の側方に配置される防音壁の場合には、点検等で軌道内を通行する際に障害となる。従って、支持体と吸音パネルとの間の距離が10〜100mmを満たすことが好ましい。
一般的に、新幹線等の列車の軌道及び、高速道路の軌道に沿って配置されて、軌道側からの音波(騒音)を遮音する防音壁は、概ねコンクリート製であり、その内部に張力補強用として複数本の鉄筋が配設されている。このため、本発明の吸音パネル取付構造を適用して吸音パネルを防音壁に取付ければ、内部に配設された鉄筋に影響されずに吸音パネルを防音壁の所定の位置に確実に取り付けることができる。
例えば、音波を発生する音源の周囲に吸音パネルが音源側となるように防音体を配置することで、吸音パネルの吸音効果と、吸音パネルと支持体との間に形成された空間による音波の減衰効果とによって音波を低減させることができるため、音波が防音体の外側に漏れ出すのを抑制できる。
この吸音パネル取付方法では、まず、固定部材と取付部材とが、支持体の内部及び外面の少なくとも一方に設けられた障害物と干渉しない位置となるように、固定部材と取付部材との支持体への取付位置を調整する。
次に、固定部材で吸音パネルの縁部を挟持すると共に、取付部材によって固定部材が支持体に取付けられる。これにより、吸音パネルが支持体に取付けられる。
このため、吸音パネルの挟持位置を調整することで、障害物を回避しつつ、吸音パネルを支持体の所定の位置に確実に取付けることができる。また、従来のように、現場での作業が煩瑣でなく、現場調査も必要としないため、現場での簡単な作業で吸音パネルを支持体の所定の位置に確実に取付けることができる。
(構成)次に、本発明の吸音パネル取付構造を適用して防音壁に複数の吸音パネルを取付けて形成される本発明の防音体の第1の実施手形態について図1乃至図4にしたがって説明する。
なお、吸音パネル取付構造10は、第1固定部材12と、第2固定部材14と、取付部材16とから構成され、防音体48は、吸音パネル取付構造10と、防音壁26と、吸音パネル30と、から構成されている。これらの詳しい説明は以下で述べる。
防音壁26は、プレート状に所定の寸法で成形されたPC(プレキャストコンクリート)板を軌道長手方向に所定の間隔で配置された支柱(例えば、H型鋼等)に取付けることで形成されている。この防音壁26を形成するPC板の内側には、張力補強用として複数の鉄筋28が所定の間隔で配設されている。
図2に示されるように、防音壁26の軌道側の壁面26Aには、略長方形のプレート状に形成された吸音パネル30が後述する吸音パネル取付構造10によって取付けられている。この吸音パネル30は、肉厚が一定(本実施形態では、40mm)のプレート状に成形された吸音材32と、この吸音材32の周縁部を挟み込んで保持する金属製の枠部材34と、枠部材34の対向する縁部に橋渡すように取り付けられて吸音材32を挟み込んで保持する保持部材36とから構成されている。なお、保持部材36は、吸音パネル30の軌道側の面及び防音壁側の面の両面に設けられて、吸音材32を挟み込んで保持している。また、吸音材32は、それぞれポリエステル系短繊維を撥水処理した繊維成型体で形成され、吸音材32の表面は撥水処理された硬質な織物によって保護されている。
図2に示されるように、吸音パネル取付構造10は、吸音パネル30の縁部を挟み込んで保持する第1固定部材12及び第2固定部材14と、この第1固定部材12及び第2固定部材14を防音壁26に取付ける取付部材16とから構成されている。
また、本実施形態の緩み止めナット16Cは2個で1組のナットであり、この緩み止めナット16Cは、振動等による螺合の緩みを大幅に抑制できる効果を有している。
なお、本実施形態の第1固定部材12及び第2固定部材14は、鋼板を折り曲げて形成されるが、この構成に限定される必要は無く、鋳型によって形成しても良く、樹脂を成型しても良いものとする。
このため、防音壁26の壁面26Aと、吸音パネル30の壁面30Aとの間の距離が10〜100mmを満たすことが好ましい。
次に上記のように構成された吸音パネル30を防音壁26へ吸音パネル取付構造10を適用して取付ける吸音パネル取付方法について図4にしたがって説明する。
この吸音パネル取付構造10では、第1固定部材12及び第2固定部材14が吸音パネル30の縁部を着脱可能に挟み込んで保持し、この第1固定部材12及び第2固定部材14が取付部材16によって防音壁26に取付けられ、吸音パネル30が第1固定部材12、第2固定部材14及び取付部材16を介して防音壁26に取付けられる。
さらに、取付部材16を用いて第1固定部材12の第1取付片12A及び第2固定部材14の第2取付片14Aを防音壁26に取付ける作業と、第1挟持片12B及び第2挟持片14Bで吸音パネル30の縁部を挟み込んで保持する作業とが連動して行われるため、吸音パネル30を防音壁26に取付ける作業の作業工数が低減される。
またさらに、防音壁26と吸音パネル30との間の距離が確保されることで防音壁26と吸音パネル30との間に空気層A1が形成され、この空気層A1によって音波の減衰効果が得られる。このとき、防音壁26と吸音パネル30との間の距離が10mm未満であれば、十分な音波の減衰効果が得られず、防音壁26と吸音パネル30との間の距離が100mmを超えると、防音壁26の見かけの厚さが厚くなりすぎるため、点検等で軌道内を通行する際に障害となる。従って、防音壁26と吸音パネル30との間の距離が10〜100mmを満たすことが好ましい。
さらにまた、従来の吸音パネル取付構造では、ボルト及びナットを用いて吸音パネルに固定部材を締結固定していたため、ボルト及びナットの締結が緩んで固定部材と吸音パネルとの締結が解除されて吸音パネルが脱落する虞があったが、本実施形態の吸音パネル取付構造10では、吸音パネルの縁部を第1固定部材12と第2固定部材14とが挟み込んで保持するため、吸音パネル30の脱落が防止される。
第1の実施形態では、防音壁26が軌道の側方に軌道長手方向に沿って配置されるPC板と支柱とからなる構成としたが、この構成に限定される必要は無く、防音壁26は前述したPC板及び支柱に加えて、PC板の鉛直方向上側の端部から軌道幅方向内側に張り出す天板を有していても良く、この場合には、吸音パネル取付構造を適用して吸音パネル30を天板に取付けることがより好ましい。
また、第1の実施形態では、防音壁26が鉄道の軌道に沿って配置される構成としたが、この構成に限定される必要は無く、防音壁26は車道の軌道に沿って配置されても良く、建物内に配置される構成であっても良いものとする。
さらに、第1の実施形態では、アンカーホール18に注入した接着剤20によってアンカーボルト16Aを防音壁26に固定しているが、この構成に限定される必要は無く、アンカーボルト16Aが防音壁26に固定されれば、どのような固定方法を用いても良く、例えば、打ち込み式のアンカー等を用いても良いものとする。
12 第1固定部材(第1の固定部材)
12A 第1取付片(第1の取付片)
12B 第1挟持片(第1の挟持片)
12C 第1接続片(第1の接続片)
14 第2固定部材(第2の固定部材)
14A 第2取付片(第1の取付片)
14B 第2挟持片(第1の挟持片)
14C 第2接続片(第2の接続片)
16 取付部材
16A アンカーボルト(取付部材)
16C 緩み止めナット(取付部材)
26 防音壁
28 鉄筋(障害物)
30 吸音パネル
44 軌道
48 防音体
Claims (7)
- 吸音パネルを支持体に取付けるための吸音パネル取付構造であって、
前記吸音パネルの縁部を着脱可能に挟持し、前記吸音パネルと前記支持体との間に空間を形成する固定部材と、
前記固定部材を前記支持体に取付ける取付部材と、を備え、
前記固定部材は、
前記吸音パネルの支持体側の側面の縁部側と前記支持体との間に配置される第1の挟持片と、前記取付部材によって前記支持体に取付けられる第1の取付片と、前記第1の挟持片と前記第1の取付片とを接続する第1の接続片とを備える第1の固定部材と、
前記吸音パネルの反支持体側の側面の縁部側に配置されて、前記吸音パネルの縁部を前記第1の挟持片と共に着脱可能に挟持する第2の挟持片と、前記取付部材によって前記支持体に取付けられる第2の取付片と、前記第2の挟持片と前記第2の取付片とを接続する第2の接続片とを備える第2の固定部材と、
を有することを特徴とする吸音パネル取付構造。 - 前記第1の固定部材の第1の取付片に前記第2の固定部材の第2の取付片が重ねられ、前記取付部材が前記第1の取付片及び前記第2の取付片を一体的に前記支持体に取付けることを特徴とする請求項1に記載の吸音パネル取付構造。
- 前記取付部材は、前記支持体に固定される螺合部と、前記螺合部に螺合可能な螺合部材とを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の吸音パネル取付構造。
- 前記支持体と前記吸音パネルとの間の距離が10〜100mmを満たすことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の吸音パネル取付構造。
- 前記支持体は、軌道に沿って延在するように配設された防音壁であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の吸音パネル取付構造。
- 請求項1〜5の何れか1項に記載の吸音パネル取付構造によって吸音パネルが支持体に取付けられることを特徴とする防音体。
- 吸音パネルを支持体に取付けるための吸音パネル取付方法であって、
請求項1〜5の何れか1項に記載の吸音パネル取付構造を適用し、前記固定部材と前記取付部材とが、前記支持体の内部及び外面の少なくとも一方に設けられた障害物と干渉しない位置となるように、前記固定部材と前記取付部材との前記支持体への取付位置を調整した後で、
前記取付部材によって前記固定部材を前記支持体に取付けることを特徴とする吸音パネル取付方法。
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