JP2023180377A - 防音壁の施工方法及び防音壁 - Google Patents

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Abstract

【課題】施工する際の部材を人力施工可能な重量とし、かつ、部材を支柱の上方まで持ち上げずに支柱に設置可能で、さらに、部材寸法が小さいため狭い作業スペースでも施工性が良好な防音壁の施工方法及び防音壁を提供する。【解決手段】支柱2間に設置されて上下方向に延びる後面部材50と、後面部材50から騒音源側に向け突出する前面部材51と、を備える防音壁1を支柱2に設置する施工方法において、後面部材50を支柱2に取り付けて設置する後面部材設置工程と、前面部材51を後面部材50に取り付けて設置する前面部材設置工程と、を実行する。【選択図】図1

Description

本発明は、防音壁の施工方法及び防音壁に関するものであり、詳しくは、頂部の形状で騒音を多重回析と干渉で減音する分岐型の頂部を有する防音壁の施工方法及び分岐型防音壁に関する。
高速道路などの道路沿いや鉄道などの軌道沿いに、騒音源からの騒音伝播の抑制を目的とした防音壁が設置されている。このような防音壁においては、高さを上げることなく騒音を低減できることが求められており、近年、防音壁の頂部を改良して、騒音源からの直接音や回折音、反射音を低減させる分岐型の頂部を有する分岐型防音壁が提案されている。
例えば、特許文献1には、支柱間に取り付けられて上下方向に延びる遮音パネルと、前記遮音パネルから騒音源側に斜め上方に延びる分岐パネルとを備え、前記分岐パネルの下面側に着脱可能な吸音部材が取り付けられている防音壁の頂部構造が開示されている(特許文献1の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0030]~[0054]、図面の図2,図5~図7等参照)。
特許文献1に記載の防音壁の頂部構造は、遮音パネルと分岐パネルによって、二重回折と干渉による減音効果が期待できることから、壁高さを上げることなく騒音低減効果に優れ、かつ、メンテナンス性が良好で隣地境界を越境するおそれがないなどの利点を有している。
しかし、道路や鉄道の高架橋において、高架橋の上や下にクレーンなどの重機を置くスペースが無い場合や、鉄道運行時など重機が使えない場合、人力で施工することが求められる。例えば、鉄道で通常用いられる支柱間隔3m用のパネルの場合、着脱可能な吸音部材を除いても、人力により取り扱い可能な重量を超えるため、人力施工が困難となり、問題が生じていた。また、積雪地域などへの適用を考慮すると、雪荷重への対応も求められることから、遮音パネルと分岐パネルそれぞれの補強が必要となる。このため、遮音パネルと分岐パネルとを強固につなぐ部材も必要になり、さらに重量増となる。
また、騒音規制の関係で、防音壁の高さを2m以上とする場合が多く、この場合、支柱の高さも2mを超えてしまう。特許文献1の防音壁の頂部構造は、H形鋼支柱のフランジ内に落とし込む方法で施工するため、一旦、防音壁の頂部を支柱の上方まで持ち上げる必要がある。しかし、前述のように、人力では重量的に施工が困難な防音壁の頂部を、高さ2mを超える支柱の上方に人力で持ち上げるのは不可能であるという問題もあった。
それに加え、特許文献1の防音壁の頂部構造は、遮音パネルと分岐パネルとが一体化されており、通常の直壁パネルよりも厚み方向の寸法が大きい。このため、鉄道向けとして設置する場合、軌道と高欄との間の限られた施工スペース内で防音壁の頂部を搬入することが困難となっていた。つまり、遮音パネルと分岐パネルが一体化されたパネルを人力で所定位置に横移動させ、さらに支柱先端部に縦移動させて持ち上げる際、寸法の大きいパネルでは、高欄の軌道側にある電線や配管等の付帯構造物に接触したり、仮設線路防護柵に当たったりするなど、施工性が悪く、問題となっていた。
特開2021-161610号公報
そこで、本発明は、前述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、施工する際の部材を人力施工可能な重量とし、かつ、部材を支柱の上方まで持ち上げずに支柱に設置可能で、さらに、部材寸法が小さいため狭い作業スペースでも施工性が良好な防音壁の施工方法及び防音壁を提供するものである。
第1発明に係る防音壁の施工方法は、支柱間に設置されて上下方向に延びる後面部材と、前記後面部材から騒音源側に向け突出する前面部材と、を備える防音壁を支柱に設置する施工方法であって、前記後面部材を前記支柱に取り付けて設置する後面部材設置工程と、前記前面部材を前記後面部材に取り付けて設置する前面部材設置工程と、を有することを特徴とする。
第2発明に係る防音壁の施工方法は、支柱間に設置されて上下方向に延びる後面部材と、前記後面部材側から騒音源側に向け突出する前面部材とを備える防音壁を支柱に設置する施工方法であって、前記後面部材を前記支柱に取り付けて設置する後面部材設置工程と、前記後面部材と前記前面部材とを繋ぐ中間部材を前記後面部材に取り付けて設置する中間部材設置工程と、前記前面部材を前記中間部材に取り付けて設置する前面部材設置工程と、を有することを特徴とする。
第3発明に係る防音壁の施工方法は、第1発明又は第2発明において、前記後面部材設置工程では、前記後面部材を前記支柱に前止めで固定することを特徴とする。
第4発明に係る防音壁の施工方法は、第1発明又は第2発明において、前記後面部材設置工程を行う前に、前記後面部材を受け止めて支持する受け部材を前記支柱に固定して設置する受け部材設置工程を行うことを特徴とする。
第5発明に係る防音壁の施工方法は、第1発明又は第2発明において、前記前面部材には、吸音材が取り付けられていることを特徴とする。
第6発明に係る防音壁の施工方法は、第5発明において、前記前面部材には、騒音源側に突出する突起部が設けられ、前記突起部には、前記吸音材が取り付けられていることを特徴とする。
第7発明に係る防音壁の施工方法は、第6発明において、前記突起部は、断面L字状のL字部材が組合わせられて形成されていることを特徴とする。
第8発明に係る防音壁の施工方法は、第1発明又は第2発明において、前記後面部材には、吸音材が取り付けられていることを特徴とする。
第9発明に係る防音壁は、請求項1又は2に記載の防音壁の施工方法により前記支柱に設置されたことを特徴とする。
第1発明~第9発明によれば、防音壁の分岐型の頂部構造を、後面部材と前面部材に、又は後面部材、前面部材、中間部材に分割することで各部材の重量を低減することができ、人力施工が可能となる。また、各部材の厚さや防音壁の厚さ方向の寸法も小さくすることができ、限られた狭小なスペースでの施工も容易となる。
特に、第3発明によれば、後面部材を支柱に前止めすることが可能となるため、従来技術のように防音壁の頂部構造をH形鋼支柱の上方に持ち上げて支柱フランジ内に落とし込む必要がなく、人力施工する際、作業性・安全性が向上する。
特に、第4発明によれば、前記後面部材を受け止めて支持する受け部材を予め支柱に設置することで、後面部材設置工程の際、後面部材を高架橋の外に落下させる危険が減り、安全性が向上する。また、支柱と受け部材とからなる部位に後面部材を設置できることから、後面部材を受け部材に当接させながら支柱に固定できるなど、構造の安定性や防音性が向上する。
特に、第5発明によれば、騒音源側となる前面部材に吸音部材を取り付けることで、騒音を効果的に低減することができる。
特に、第6発明によれば、前面部材に吸音性を有する突起部を付与することで、回析及び干渉させるポイントを増やすとともに、吸音材で吸音することができ、騒音の低減効果を高くすることができる。
特に、第7発明によれば、突起部を2つのL字部材に分割することで、前面部材の重量を低減して前記作用効果奏することができ、人力施工の面で有利となる。
特に、第8発明によれば、頂部を越えて回り込んで近隣地域に伝播する騒音を後面部材に設置した吸音部材で減音させることが可能となる。
特に、第9発明によれば、前記作用効果を防音壁として発揮することができ、狭小なスペースでも人力施工可能な防音壁を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る防音壁を示す斜視図である。 図2は、同上の防音壁の構成を示す分解斜視図である。 図3は、同上の防音壁を騒音源側から見た状態で示す正面図である。 図4は、同上の防音壁を示す図3の右側面図である。 図5は、同上の防音壁を示す図3の平面図である。 図6は、本発明の実施形態に係る防音壁の施工方法の支柱設置工程を斜視図で示す工程説明図である。 図7は、同上の防音壁の施工方法の遮音パネル設置工程と、受け部材設置工程を斜視図で示す工程説明図である。 図8は、同上の防音壁の施工方法の受け部材設置工程を平面図で示す工程説明図であり、(a)がくさびナットを溶接した場合、(b)がゆるみ止めクリップKナットを取り付けた場合である。 図9は、同上の防音壁の施工方法の受け部材設置工程を省略する場合の支柱を示す平面図であり、(a)がくさびナットを溶接した場合、(b)がゆるみ止めクリップKナットを取り付けた場合である。 図10は、同上の防音壁の施工方法の吸音パネル設置工程を斜視図で示す工程説明図である。 図11は、同上の防音壁の施工方法の上段の吸音パネル設置工程を斜視図で示す工程説明図である。 図12は、同上の防音壁の施工方法の後面部材設置工程を斜視図で示す工程説明図である。 図13は、同上の防音壁の施工方法の中間部材設置工程を斜視図で示す工程説明図である。 図14は、同上の防音壁の施工方法の前面部材設置工程を斜視図で示す工程説明図である。
以下、本発明の実施形態に係る防音壁の施工方法及び防音壁について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[防音壁]
先ず、図1~図5を用いて、本発明の実施形態に係る防音壁1について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る防音壁1を示す斜視図であり、図2は、防音壁1の構成を示す分解斜視図である。また、図3は、防音壁1を騒音源側から見た状態で示す正面図である。そして、図4は、防音壁1を示す図3の右側面図であり、図5は、防音壁1を示す図3の平面図である。
本発明の実施形態に係る防音壁1は、道路や鉄道、室外機や工場等の施設周辺などの騒音源となる領域に沿って並設される防音壁であり、騒音源からの直接音と回折音や反射音を干渉させて騒音を減音する分岐型の頂部構造を備えた防音壁である。
図1,図2に示すように、本実施形態に係る防音壁1は、コンクリート構造物などの構造体に所定間隔(例えば、2m又は3m又は4m)を置いて立設されたH形鋼からなる複数の支柱2,2と、これらの支柱2,2間に挿置された複数段の遮音パネル3と、この遮音パネル3の上方の支柱2,2間に挿置された複数段の吸音パネル4と、防音壁1の上段に設けられる後述の分岐型の頂部構造5など、から構成されている。
<支柱>
支柱2は、主に溶融亜鉛めっきなどの防錆処理が施された所定のフランジ間隔(例えば、100mm~175mm程度)のH形鋼からなり、下端にベースプレート20が溶接され、橋梁の地覆部や基礎コンクリートなどのコンクリート構造物上に立設されている。また、H形鋼とベースプレート20と接合部には、複数の補強リブが形成されて補強されている。勿論、本発明に係る支柱は、その間に後述の遮音パネル3及び吸音パネル4を挿置することができ、防音壁として想定される風圧等に耐えられるものであれば、角形パイプや溝形鋼、I形鋼など他の鋼材やその他の素材からなる支柱でも代替可能である。
<遮音パネル>
遮音パネル3は、コンクリート系のプレキャスト板であり、重量則で振動を抑えて防音壁1を透過する騒音を低減する機能を有するパネルである。
<吸音パネル>
吸音パネル4は、金属板からなる矩形箱状の金属筺体を備え、その金属筺体の正面側(騒音源側)に吸音材が挿置され、その背面側(騒音源と離れた反対側)に空気層が形成された一般的な吸音パネルである。
(金属筺体)
この金属筺体は、高耐候性めっき鋼板やアルミニウム板などの金属板からなる。また、金属筺体の正面板は、図1,図2,図4に示すように、多数の貫通孔が穿設されたアルミニウム板からなるパンチングメタル形式の吸音パネルとなっており、多数の貫通孔から騒音の直接音を透過し、その直接音を吸音材で吸音する仕組みとなっている。勿論、本発明に係る金属筺体は、パンチングメタル形式ものに限られず、ルーバー形状の開口が形成されたルーバー形式のものであっても構わない。
(吸音材)
吸音材は、グラスウールやポリエステル繊維などの繊維材や発泡樹脂などの多孔質材からなり、騒音を吸音材で乱反射して減衰させて減音する機能を有している。勿論、本発明に係る吸音材は、騒音を乱反射して減衰させて吸音でき、防音壁に挿置可能な所定の撥水性や難燃性がある素材であれば特に限定されるものではない。
勿論、本発明に係る吸音パネルは、吸音材を挿置した多孔質型吸音タイプのものに限られない。例えば、本発明に係る吸音パネルは、板振動や膜振動をし、音のエネルギの一部を内部摩擦によって消費して吸音する板(膜)振動型吸音タイプ、空洞に孔があいた共鳴器を備え、共鳴周波数の近くで孔の部分の空気が激しく振動し、周辺との摩擦熱として消費して吸音する共鳴器型吸音タイプ、など、他の既知の吸音パネルとすることができる。
<頂部構造>
図1~図5に示すように、本発明の実施形態に係る防音壁1の頂部構造5は、鉛直断面において、上下方向に延びる後面部材50と、この後面部材50から騒音源側に向け突出して斜め上方に延びる前面部材51と、これらの後面部材50と前面部材51とを繋ぐ直角三角形状の複数枚の中間部材52と、を備えている。
後面部材50は、高耐候性めっき鋼板やアルミニウム板などの金属板からなる正面視矩形状のパネル材であり、重量則で振動を抑えて透過する騒音を低減する機能を有している。
なお、後面部材50の正面及び背面のいずれか一方又は両方には、後述の前面部材51と同様に、吸音パネル(図示せず)が取り付けられていることが好ましい。前面部材51や後面部材50の頂部を越えて回り込んで近隣地域に伝播する騒音を後面部材50に設置した吸音部材で減音させることができるからである。回り込む騒音を低減するため、後面部材50に設置する吸音パネルは、防音壁1の背面側に貫通孔が穿設されている。但し、防音壁1の正面側に貫通孔が穿設されていても構わない。前面部材51の頂部を越えて回り込んで伝播する騒音を低減できるからである。
また、図2に示すように、この後面部材50は、支柱2との間に断面コの字状の後面部材50を受け止めて支持する受け部材53が介装され、後述のようにボルトで支柱2の騒音源側となるフランジである前フランジに前止め固定されている(図7、図12参照)。なお、図2に示すように、受け部材53の長さは、遮音パネル3の上端から後面部材50の上端まで達する長さとなっており、吸音パネル4もこの受け部材53が支柱2との間に介装されることで支柱2の前フランジに前止め固定されている。
また、前面部材51も、後面部材50と同様に矩形状のパネル材であり、金属板からなる正面視矩形状のパネル材であり、重量則で振動を抑えて透過する騒音を低減する機能を有している。本実施形態に係る前面部材51は、図4等に示すように、後面部材50との間に直角三角形状の複数枚の中間部材52が介装されることで、後面部材50に対して所定の角度で交差するように後面部材50から騒音源側に向け斜め上方に突設されている。
そして、前面部材51には、上下一対の断面L字状のL字部材である吸音パネル54,54が取り付けられており、これらの吸音パネル54,54で前面部材51の下面から騒音源側に突出して再分岐する突起部55が形成されている。
この吸音パネル54は、断面L字状となっている点を除き、前述の吸音パネル4と同様に、高耐候性めっき鋼板やアルミニウム板などの金属板からなる金属筐体に前述の吸音材が挿置されている。
このように、突起部55を2つのL字部材である一対の吸音パネル54,54に分割することで、前面部材51や吸音パネル54単体の重量を低減することができ、人力施工が容易となっている。また、前面部材51からさらに分岐する突起部55を設けることで、回析及び干渉させるポイントを増やすことができるとともに、騒音が最初に到達する部分に吸音材を設けて吸音することができ、騒音の低減効果を向上させることができる。
[防音壁の施工方法]
次に、図6~図14を用いて、本発明の実施形態に係る防護壁の施工方法について説明する。前述の本発明の実施形態に係る防音壁1を施工する場合を例示して説明する。
(支柱設置工程)
図6は、本実施形態に係る防護壁の施工方法の支柱設置工程を示す工程説明図である。図6に示すように、本実施形態に係る防護壁の施工方法では、先ず、前述のベースプレート20が溶接された支柱2を基礎等のコンクリート構造物上にアンカー等を利用してボルト接合して設置する支柱設置工程を行う。
また、本工程では、遮音パネル3、吸音パネル4、及び後面部材50を固定するための多数のボルト孔を支柱2の前フランジに削孔するか、又は、予め前フランジに多数のボルト孔が削孔された支柱2を設置する。勿論、本工程は、既設の支柱を使用する場合は、省略できることはいうまでもない。
(遮音パネル設置工程)
図7は、本実施形態に係る防音壁の施工方法の遮音パネル設置工程と、受け部材設置工程を斜視図で示す工程説明図である。次に、図7に示すように、本実施形態に係る防護壁の施工方法では、前述の遮音パネル3を支柱2,2間に設置する遮音パネル設置工程を行う。
具体的には、支柱2,2間に遮音パネル3を挿入し、支柱2の前フランジにボルト固定する。勿論、ボルト固定に限られず、リベット接合や板バネ等を挿入して固定するなど何らかの手段で機械的に支柱2に固定できれば構わない。
また、図7に示すように、図示形態では、2段分の遮音パネル3を設置する。但し、遮音パネル3の段数は、防音壁1の状況や目的に応じて適宜定めれば良く、遮音パネル3を1段も設置せずに、吸音パネル4を設置しても構わない。なお、本工程では、後述のように特に前止めを行わなくてよい。作業員の腰より低い高さとなり、遮音パネル3が境界側へ外に倒れた場合でも、あまり高さがなく、落下させる危険が少ないからである。
(受け部材設置工程)
そして、次に、図7,図8に示すように、本実施形態に係る防護壁の施工方法では、後面部材50を受け止めて支持する受け部材53を支柱2に固定して設置する受け部材設置工程を行う。図8は、本実施形態に係る防音壁の施工方法の受け部材設置工程を平面図で示す工程説明図であり、(a)がくさびナットを溶接した場合、(b)がゆるみ止めクリップKナットを取り付けた場合である。
図8(a)に示すように、この受け部材53は、薄鋼板からなる一辺の幅が広い断面コの字状の部材であり、防音壁1の後面(背面)側(騒音源側と反対側)となる支柱2の後フランジに当接する側に幅広の辺がくるように設置されている。後工程で支柱2の前フランジと後フランジ間に吸音パネル4等の各パネルを挿し込む際に、誤って支柱2の後フランジの背面に差し込んで各パネルが橋梁や境界から落下してしまうことを防ぐことができるからである。
また、図8(a)に示すように、この受け部材53には、くさびナットWNが溶接されている。このくさびナットWNが溶接されている位置は、図7等に示した支柱2のボルト孔に相当する位置であり、防音壁1の前面(正面)側(騒音源側)から簡単にボルトで各パネルの前止めが可能となっている。ここで、前止めとは、支柱2の前フランジの正面側からのボルト止め作業で支柱2への各部材(この場合では、受け部材53)の止め付けることを指している。勿論、前述のように、前止めもボルト接合に限られず、支柱2の前フランジの正面側から何らかの手段で機械的に支柱2に固定できれば構わない。
そして、予め受け部材53にくさびナットWN溶接するのではなく、図8(b)に示すように、受け部材53にゆるみ止めクリップKナットKNをクリップ止めしても構わない。溶接する手間が省けるからである。
なお、図9(a)に示すように、支柱2の後フランジの幅を前フランジの幅より左右に広くすることで、本受け部材設置工程を省略することも可能である。その場合は、くさびナットWNが溶接されたプレートを現場で溶接するか、又は支柱2に予め溶接しておく。
また、図9(b)に示すように、支柱2にくさびナットWNを溶接する代わりに、支柱2にゆるみ止めクリップKナットKNをクリップ止めしても構わない。
(吸音パネル設置工程)
図10は、本実施形態に係る防音壁の施工方法の吸音パネル設置工程を斜視図で示す工程説明図であり、図11は、本実施形態に係る防音壁の施工方法の上段の吸音パネル設置工程を斜視図で示す工程説明図である。次に、図10に示すように、本実施形態に係る防音壁の施工方法では、支柱2のフランジ間に吸音パネル4を挿し込んで支柱2の前フランジにボルト固定して設置する吸音パネル設置工程を行う。
このとき、本吸音パネル設置工程では、遮音パネル設置工程と相違して、受け部材設置工程により支柱2のフランジ間に事前に受け部材53が設置され、支柱2のボルト孔に相当する位置にくさびナットWNやゆるみ止めクリップKナットKNが設置されている。このため、吸音パネル4を防音壁1の前面側から簡単にボルトで前止めが可能となっており、作業員の腰より高い位置となる吸音パネル4を誤って境界外や高架橋の外に落下させるおそれを低減することができる。また、吸音パネル4の前止め固定は、吸音パネル4を支柱2の騒音源側となる前フランジにボルト固定して隙間なく設置することができるため、従来のように、支柱とパネル間に隙間が生じ得る、支柱のフランジ間に吸音パネルを落とし込んで板バネ等で固定する場合と比較して、隙間を通過する音漏れを確実に防止でき、音漏れの観点からもメリットがある。
そして、本吸音パネル設置工程を複数回繰り返し、吸音パネル4を複数段設置する。図11に示すように、図示形態では、4段設置する。
(後面部材設置工程)
図12は、本実施形態に係る防音壁の施工方法の後面部材設置工程を斜視図で示す工程説明図である。次に、図12に示すように、本実施形態に係る防音壁の施工方法では、頂部構造5の後面部材50を支柱2に取り付けて設置する後面部材設置工程を行う。
本工程でも、受け部材設置工程により支柱2のフランジ間に事前に受け部材53が設置され、支柱2のボルト孔に相当する位置にくさびナットWNやゆるみ止めクリップKナットKNが設置されている。このため、後面部材50を防音壁1の前面側から簡単にボルトで前止めが可能となっており、作業員の頭の近い位置となる後面部材50を誤って境界外や高架橋の外に落下させるおそれを低減することができる。また、後面部材50の高さも低く抑えられており、作業員の頭上近くに設置するパネルの重量を低減して、パネルの搬入作業を容易にするだけでなく、重量物を持ち上げる重労働の負担を低減している。
その上、後面部材50を支柱に前止めすることが可能となるため、従来技術のように一体となり重量物である頂部構造(5)をH形鋼からなる支柱2の上方に持ち上げて支柱フランジ内に落とし込む必要がなく、人力施工する際、作業性・安全性が向上する。また、後面部材50の前止め固定は、後面部材50を支柱2の騒音源側となる前フランジにボルト固定して隙間なく設置することができるため、隙間を通過する音漏れを確実に防止でき、音漏れの観点からもメリットがある。
(中間部材設置工程)
図13は、本実施形態に係る防音壁の施工方法の中間部材設置工程を斜視図で示す工程説明図である。次に、図13に示すように、本実施形態に係る防音壁の施工方法では、後面部材50と前面部材51とを繋ぐ中間部材52を後面部材50に取り付けて設置する中間部材設置工程を行う。
具体的には、前記後面部材設置工程で設置した後面部材50にボルト接合して複数枚の直角三角形状の中間部材52を取り付ける。図13に示すように、本実施形態に係る防音壁の施工方法では、6枚の中間部材52を取り付けて設置する。
なお、本工程は、中間部材52を後面部材50と一体化したり、中間部材52を前面部材51と一体化したり、することにより、省略することができる。一体化して本工程を省略することにより、施工時間を短縮することができる。しかし、重量が増加する分、人力施工の面では不利となる。但し、その場合でも、後面部材50、前面部材51及び中間部材52の全てが一体化された従来の頂部構造よりは軽量化を達成することができる。
(前面部材設置工程)
図14は、本実施形態に係る防音壁の施工方法の前面部材設置工程を斜視図で示す工程説明図である。次に、図14に示すように、本実施形態に係る防音壁の施工方法では、前面部材51を中間部材52に取り付けて設置する前面部材設置工程を行う。
本実施形態に係る防音壁の施工方法では、前面部材51と断面L字状の吸音パネル54とが一体となったものを中間部材52にボルト接合して取り付けて設置する。勿論、金属板からなる前面部材51に直接吸音材を取り付けてもよい。但し、前面部材51と吸音パネル54とが一体となったものを中間部材52に取り付けた方が、現地での施工時間が短縮されるため好ましい。
また、断面L字状に2分割された吸音パネル54、54から突起部55を形成するので、前面部材51から再分岐する突起部55を設置することが短時間で容易にできるとともに、部材重量を低減して人力施工が可能となる。
その上、前面部材51に吸音性を有する突起部55を付与することで、回析及び干渉させるポイントを増やすとともに、騒音源側となる前面部材51に吸音部材を設けることで、騒音を効果的に低減することができる。
本工程が終了すると、本実施形態に係る防音壁の施工方法が完了し、図1に示したように、本発明の実施形態に係る防音壁1が完成する。
以上説明した本実施形態に係る防音壁の施工方法によれば、後面部材、前面部材、中間部材に分割することで各部材の重量を低減することができ、人力施工が可能となる。また、各部材の厚さや防音壁の厚さ方向の寸法も小さくすることができ、鉄道高架橋のような限られた狭小なスペースでの施工も容易となる。
また、本実施形態に係る防音壁の施工方法によれば、受け部材53を予め支柱に設置することで、後面部材設置工程などの頂部構造付近のパネル材を取り付ける際、後面部材50等の各部材を高架橋の外に落下させる危険が減り、安全性が向上する。また、支柱2と受け部材53とからなる部位に後面部材50を設置できることから、後面部材50を受け部材53に当接させながら支柱2に固定できるなど、構造の安定性や防音性が向上する。
その上、本実施形態に係る防音壁の施工方法によれば、突起部55を2つのL字部材からなる吸音パネル54に分割することで、前面部材51の重量を低減して前記作用効果を奏することができ、人力施工の面で有利となる。
また、本実施形態に係る防音壁1によれば、前記作用効果を防音壁として発揮することができ、狭小なスペースでも人力施工可能な防音壁を提供することができる。
以上、本発明の実施形態に係る防音壁1及びその施工方法について詳細に説明したが、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎない。よって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
特に、防音壁として本発明に係る頂部構造の下方に、遮音パネル3と吸音パネル4を設置するものを例示したが、本発明に係る防音壁は、これらの遮音パネル3と吸音パネル4のいずれか一方のみを設置したものであっても構わない。防音壁全体として所望の防音効果を達成できればよいからである。
1:防音壁
2:支柱
20:ベースプレート
3:遮音パネル
4:吸音パネル
5:頂部構造
50:後面部材
51:前面部材
52:中間部材
53:受け部材
54:(断面L字状の)吸音パネル
55:突起部
WN:くさびナット
KN:ゆるみ止めクリップKナット

Claims (9)

  1. 支柱間に設置されて上下方向に延びる後面部材と、前記後面部材から騒音源側に向け突出する前面部材と、を備える防音壁を支柱に設置する施工方法であって、
    前記後面部材を前記支柱に取り付けて設置する後面部材設置工程と、前記前面部材を前記後面部材に取り付けて設置する前面部材設置工程と、を有すること
    を特徴とする防音壁の施工方法。
  2. 支柱間に設置されて上下方向に延びる後面部材と、前記後面部材側から騒音源側に向け突出する前面部材とを備える防音壁を支柱に設置する施工方法であって、
    前記後面部材を前記支柱に取り付けて設置する後面部材設置工程と、前記後面部材と前記前面部材とを繋ぐ中間部材を前記後面部材に取り付けて設置する中間部材設置工程と、前記前面部材を前記中間部材に取り付けて設置する前面部材設置工程と、を有すること
    を特徴とする防音壁の施工方法。
  3. 前記後面部材設置工程では、前記後面部材を前記支柱に前止めで固定すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の防音壁の施工方法。
  4. 前記後面部材設置工程を行う前に、前記後面部材を受け止めて支持する受け部材を前記支柱に固定して設置する受け部材設置工程を行うこと
    を特徴とする請求項1又は2に記載の防音壁の施工方法。
  5. 前記前面部材には、吸音材が取り付けられていること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の防音壁の施工方法。
  6. 前記前面部材には、騒音源側に突出する突起部が設けられ、前記突起部には、前記吸音材が取り付けられていること
    を特徴とする請求項5に記載の防音壁の施工方法。
  7. 前記突起部は、断面L字状のL字部材が組合わせられて形成されていること
    を特徴とする請求項6に記載の防音壁の施工方法。
  8. 前記後面部材には、吸音材が取り付けられていること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の防音壁の施工方法。
  9. 請求項1又は2に記載の防音壁の施工方法により前記支柱に設置されたことを特徴とする防音壁。
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