JP4633914B2 - 温度センサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、サーミスタを用いた温度センサに関し、特に回転体の表面に接触させてその温度を計測するために好適な、表面温度検出用の温度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、複写機等においては、光学的手段によって、用紙の表面に文字や画像の静電潜像を形成したのち、トナーを付着させることによって現像を行い、現像が終了した用紙を、高温の定着用ヒートローラによって加熱してトナーを溶着させることによって、文字や画像を定着する方法が用いられている。
この際、定着作用を正しく行わせるためには、定着用ヒートローラの表面温度が、トナーの性質によって定まる一定温度に、常時保たれるように、制御されていなければならないが、そのためには、定着用ヒートローラの回転中において、その表面温度を正確に測定できるようにすることが必要である。
さらに、コピー作業の高速化を可能にするために、定着用ヒートローラの回転速度が高くなる傾向にあり、従って、このような目的に使用される温度センサは、定着用ヒートローラの回転中、常時、高温の定着用ヒートローラの表面に安定,確実に接触して、その表面温度を測定できるとともに、温度変化に対する応答性を向上させることが求められている。
【0003】
図10は、従来、回転体の表面温度測定用として用いられている、温度センサの一構成例を示したものであって、(a)はその上面図を示し、(b)は側面図を示している。
この従来例は、ステンレス又は燐青銅等の弾力性を有する金属の薄板からなる板バネ100を、樹脂成形体101の一端に対して、その一方の端部を埋め込んで固定するとともに、その他方の端部の一方の面に耐熱性の軟質樹脂発泡材からなるクッション材片102を接着し、クッション材片102の上面に金属箔103を介して、サーミスタ素子104を取り付けた構造を有している。樹脂成形体101の他端には、2個の端子板105,106がそれぞれ独立して埋め込まれていて、サーミスタ素子の2本のリード線107,108は、樹脂成形体101の上面に設けられた溝109,110を経て、それぞれ端子板105,106に接続されている。
この際、板バネ100の上面には、予め絶縁シート111がはり付けられていて、リード線107,108は、絶縁シート111によって、板バネ100との間の絶縁を保たれている。また、板バネ100の先端部には、クッション材片102とサーミスタ素子104とを含めて、耐熱性シートを、下側から上側に折り返して巻き付けることによって、保護フィルム部112を形成して、サーミスタ素子104を絶縁するとともに、機械的に保護するようになっている。さらに、端子板105,106には、外部リード線113,114が、被覆を除去する等の処理を行った、それぞれの先端部を、×印で示すようにスポット溶接等の方法で固着して接続されているとともに、端子板と外部リード線の先端部には、絶縁チューブ115,116を被せて電気的絶縁と機械的保護を行うようになっている。
【0004】
図10に示された温度センサは、取り付け穴117を利用して、図示されない複写機の筐体の一部に固定されるが、この際、サーミスタ素子104が、保護フィルム部112を介して、定着ヒートローラ(不図示)の表面に接触することによって、定着ヒートローラの表面温度に応じてサーミスタ素子104の抵抗値が変化するので、図示されない測定回路によって、この抵抗値の変化を検出することによって、定着ヒートローラの表面温度を測定することができる。
この際、クッション材片102は、サーミスタ素子の部分を定着ヒートローラの表面に接触させたときの機械的追従性を保たせるとともに、複写機の筐体等に対する、温度センサの取付位置のずれに基づく特性変化を緩和する作用を行っている。金属箔103は、定着ヒートローラの表面からサーミスタ素子104に対する集熱作用を行って、熱応答性を改善する。また、保護フィルム部112は、定着ヒートローラの回転に基づくサーミスタ素子104の磨耗を防止するとともに、定着ヒートローラとの間の高電圧に対して、絶縁性と耐圧性とを付与する作用を行っている。
【0005】
図11は、従来の温度センサの他の例を示したものであって、(a)はその上面図を示し、(b)は側面図を示している。
この従来例は、2個の温度センサを、バネ性を有する金属板からなる共通の基台部400上に取り付けたものであって、耐熱樹脂成形体200,300の一端に突出して設けられた支持台201,301の上面に、耐熱性の軟質樹脂発泡材からなるクッション材片202,302を接着し、クッション材片202,302の上面に金属箔203,303を介して、サーミスタ素子204,304を取り付けた構造を有している。耐熱樹脂成形体200,300の直交方向の端部には、それぞれ2個の端子板205,206と305,306がそれぞれ独立して埋め込まれていて、サーミスタ素子の2本のリード線207,208と307,308は、耐熱樹脂成形体200,300の上面に設けられた溝209,210と309,310を経て、それぞれ端子板205,206と305,306に接続されている。
【0006】
この際、支持台201,301に対して、クッション材片202,302とサーミスタ素子204,304とを包囲するように、耐熱性シートを取り付けることによって、保護フィルム部211,311を形成して、サーミスタ素子204,304を電気的に絶縁するとともに、機械的に保護するようになっている。さらに、端子板205,206と305,306には、外部リード線212,213と312,313が、被覆を除去する等の処理を行ったそれぞれの先端部を、スポット溶接等の手法で固着して接続されているとともに、端子板と外部リード線の先端部には、絶縁チューブ214,215と314,315を被せて電気的絶縁と機械的保護を行うようになっている。
また、耐熱樹脂成形体200,300の端子板側には、端子板205,206及び305,306と絶縁して、基台部400の2本の脚部401,402が埋め込まれていることによって、2個の温度センサは、基台部400と一体化されている。基台部400には、取付穴403,404が設けられている。
【0007】
図11に示された温度センサは、取付穴403,404を利用して、図示されない複写機の筐体等の一部に固定されるが、この際、サーミスタ素子204,304が、保護フィルム部211,311を介して、定着ヒートローラ(不図示)の表面に接触することによって、定着ヒートローラの表面温度に応じてサーミスタ素子204,304の抵抗値が変化するので、図示されない測定回路によって、それぞれの抵抗値の変化を検出することによって、定着ヒートローラの表面温度をそれぞれ、独立に測定することができる。
この際、クッション材片202,302及び基台部400は、その弾力性に基づいて、サーミスタ素子の部分を定着ヒートローラの表面に接触させたときの、機械的追従性を保たせるとともに、複写機の筐体等に対する、温度センサの取付位置のずれに基づく特性変化を緩和する作用を行っている。金属箔203,303は、定着ヒートローラの表面からサーミスタ素子204,304に対する集熱作用を行って、熱応答性を改善する。また、保護フィルム部211,311は、定着ヒートローラの回転に基づくサーミスタ素子204,304の磨耗を防止するとともに、定着ヒートローラとの間の高電圧に対して、電気的に絶縁性と耐圧性とを付与する作用を行っている。
【0008】
図11に示された従来例の温度センサでは、2個のサーミスタ素子を用いて、定着ヒートローラの表面温度をそれぞれ独立に測定することによって、例えば、一方の温度センサは、定着ヒートローラの表面温度を常時、一定温度に保つための温度制御用として使用し、他方の温度センサは、定着ヒートローラの表面温度が所定温度以上に上昇した際に、加熱用電源を遮断して異常状態の発生を防止する等の、安全対策のために使用される。
【0009】
図12は、温度センサにおける、リード線接続部の構造の他の例を示したものであって、(a)はその上面図を示し、(b)はX−X側断面図を示している。
この従来例は、例えば図10に示された温度センサの場合の、樹脂成形体101の端子板側に、それぞれの端子板を包囲するような端子収容部500を突出させて、一体に成形して設けたものである。端子収容部500は、上面が開放された樋状をなし、その内部に端子板501が収容されているとともに、端部には、被覆部を含む外部リード線503を通すための開口部502が設けられている。
外部リード線を接続する際には、外部リード線503の先端部分を開口部502に通して、その先端の被覆を除去する等の処理を行った部分を端子板501に載せて、例えばハンダ付け部504を設けるか、又は抵抗溶接等の手法によって固着して接続する。その後、端子収容部500の樋状部内に、接着剤505を注入することによって、リード線503の先端部を、端子収容部500内に固定する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図10又は図11に示された従来の温度センサでは、保護フィルム部と定着ヒートローラとの密着性が悪いとともに、保護フィルム部を形成する耐熱性シートの表面形状に凹凸が生じて、平滑でなくなることがあるため、その影響によって、熱応答性が低下したり不安定になったり、あるいは相手側に傷をつけたりすることがあるという問題があった。このような現象は、特に、温度センサにおける耐電圧の安全規格上の要求から、保護フィルム部を形成する耐熱性シートを2枚重ねにした場合であって、耐熱性シートの巻き方向を、定着ヒートローラの回転方向と平行な方向にした場合に顕著に現れやすい。
これは、同一長さの耐熱性シートを2枚重ねにしていたために、外側のシートと内側のシートとの周長の違いによって、巻き付けた状態で、内側のシートが外側のシートによって緊縮されるために、保護フィルム部全体が丸みを帯びて、形状の柔軟性が失われるとともに、表面形状の影響によって、内側のシートに皺がよって弛みができやすいためである。
また、従来の温度センサでは、端子板と外部リード線の接続部で、外部リード線の芯線を端子板にスポット溶接する際の、溶接の作業性が低いとともに、溶接部の強度を一定に保つことが難しいという問題があった。
これは、外部リード線の芯線を直接、スポット溶接するため、芯線がバラバラになって、溶接作業がやりにくいとともに、芯線を構成する素線の全部を溶接することが困難なためである。
【0011】
また、従来の温度センサでは、外部リード線との接続部を小型化するとともに、この部分に十分な強度を持たせることが困難であるという問題があった。
これは、接続部の強度を保つために、端子板の幅や厚さを小さくするのには限度があることと、接続部の絶縁と補強のために、絶縁チューブを使用しているので、形状が大型化することを避けられないためである。なお、端子板の部分に端子収容部を設けて樹脂注入を行う方法では、注入する樹脂の耐熱性の点から、高温部での使用が困難なため、機器の小型化の妨げになる恐れがある。
さらに、従来の温度センサでは、外部リード線の引き回しが難しいという問題があった。
これは、従来の温度センサでは、サーミスタ素子ごとに外部リード線を引き出すようになっていたことと、外部リード線の引き出し方向が、機器の構造と必ずしも適合していなかったためである。
【0012】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであって、回転体の表面温度計測時における、回転体表面との密着性がよいために、熱応答性の低下や不安定性がなく、さらに、外部リード線の接続が確実であるとともに、配線の引き回しが容易な温度センサを提供することを目的としている。
【0013】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、温度センサに係り、支持台の上面にクッション材片を取り付けて、該クッション材片の頂部に熱伝導体薄膜を介してサーミスタ素子を固定してなるセンサ部に対して、長さの異なる2枚の耐熱性シートを一端を重ねて接着して該重ねた端部を前記支持台の下面に固定したのち、短い方の前記耐熱性シートが内側になるようにして前記クッション材片とサーミスタ素子とを覆うように巻き付けて、巻き終わり部の端部を前記支持台の下面に固定して、前記耐熱性シートの巻き始めの部分に設けられた第1のミシン目が、前記支持台の下面の一方の隅角部に一致するとともに、前記耐熱性シートの巻き終わりの部分に設けられた第2のミシン目が、前記支持台の下面の他方の隅角部に一致するようにし、さらに、前記内側の耐熱性シートが、前記サーミスタ素子及び前記熱伝導体薄膜の部分を覆うとともに、その巻き終わりの端部が、前記第2のミシン目に達しないようにその長さを定められた保護フィルム部を設け、該保護フィルム部の巻回方向が、表面温度を計測しようとする回転体の回転軸と垂直になるように該回転体に対して保持されることを特徴としている。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の温度センサに係り、前記サーミスタ素子の上部に別の熱伝導体薄膜を設け、該熱伝導体薄膜を含んで前記保護フィルム部を形成したことを特徴としている。
【0014】
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の温度センサに係り、前記支持台と該支持台に連接する取付部との内部に内部導体を埋設し、前記支持台に前記内部導体を露出させてセンサ端子部を形成して、該センサ端子部に前記サーミスタ素子のリード線を接続し、前記支持台の端部及び取付部の端部にリード溝部を設けて、該リード溝部内に端子金具によって端末処理を施した外部リード線を収容するとともに、該リード溝部内に前記内部導体を露出させてリード端子部を形成して、該リード端子部に前記端子金具の部分を溶着することによって前記外部リード線の接続を行うことを特徴としている。 また、請求項4記載の発明は、請求項3記載の温度センサに係り、前記取付部とその両端に設けられた前記支持台とが連接して基台部を形成し、それぞれの支持台上に前記センサ部が形成されているとともに、両センサ部に対する外部リード線が、前記基台部の一方の端部において、該基台部と同一方向に引き出されるように構成されていることを特徴としている。
また、請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一記載の温度センサに係り、前記クッション材片の、前記サーミスタ素子の下部に設けられた熱伝導体薄膜の下部に空洞部を形成したことを特徴としている。
また、請求項6記載の発明は、請求項5記載の温度センサに係り、前記空洞部が、密閉された構造を有することを特徴としている。
【0015】
【作用】
この発明の構成では、クッション材片の頂部に金属箔を介してサーミスタ素子を取り付けた温度センサにおいて、保護フィルム部を、2枚の耐熱性シートを重ねて巻き付けて構成して、支持台の下面の両隅角部に一致するようにそれぞれミシン目を設けるとともに、内側の耐熱性シートを短くして、その端部が、巻き終わり側のミシン目に達しないようにし、この保護フィルム部の巻回方向が、表面温度を計測しようとする回転体の回転軸と垂直に保持されるようにしたので、保護フィルム部と、定着ヒートローラ等の表面温度測定対象回転体の表面との密着性がよくなるとともに、保護フィルム部の表面形状の影響で、熱応答性が低下したり不安定になったりするのを防止でき、また、保護フィルム部の幅が狭くなるので、温度センサを小型化できる。
また、この発明の別の構成では、支持台と取付部の内部に内部導体を埋設し、支持台又は取付部の端部にリード溝部を設けて、端子金具によって端末処理を施した外部リード線を収容するとともに、リード溝部内に内部導体を露出させて形成したリード端子部に、端子金具の部分を溶着することによって外部リード線の接続を行うようにしたので、外部リード線との接続が容易になるとともに、外部リード線を、高温時においても確実に保持できるようになり、接続部の断線等の恐れがなくなる。
また、この発明の別の構成では、2つのセンサ部の外部リード線が、基台部の一方の端部において、基台部と同一方向に引き出されるように構成されているので、外部リード線の配線の引き回しが容易になる。
さらに、この発明の別の構成では、クッション材片の、サーミスタ素子を固定する熱伝導体薄膜の下部の部分に空洞部を形成したので、サーミスタ素子からの熱放散が減少して、温度センサの測温精度が向上するとともに、サーミスタ素子に対するクッション材片の熱容量の影響が小さくなって、温度センサの応答速度が改善される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。説明は、実施例を用いて具体的に行う。
図1は、この発明の一実施例である温度センサの全体の構成を示す図、図2は、本実施例における計測部の構成を示す図、図3は、本実施例における基台部材の構成を示す図、図4は、本実施例における第1のセンサ部の構成を示す図、図5は、本実施例における第2のセンサ部の構成を示す図、図6は、第1のセンサ部の他の構成例を示す図、図7は、第2のセンサ部の他の構成例を示す図、図8は、本実施例における保護フィルム部の構成を示す図、図9は、本実施例におけるリード線接続部の構成を示す図である。
この例の温度センサは、図1に示すように、基台部1と、第1のセンサ部2と、第2のセンサ部3と、外部リード線部4と、コネクタ部5とから概略構成されている。
基台部1は、第1のセンサ部2と第2のセンサ部3とを含む、温度センサの全体の基台となるものであって、例えば耐熱性樹脂成形品等からなり、この部分によって、例えば複写機の筐体部(不図示)等に取り付けられたとき、第1のセンサ部2と、第2のセンサ部3とを、空間的に一定位置に支持する。第1のセンサ部2と、第2のセンサ部3とは、それぞれ、サーミスタ素子部を含むその計測部が、例えば複写機のトナー定着用ヒートローラ(不図示)の表面に接触して、その表面温度を計測する。外部リード線部4は、耐熱性絶縁電線からなり、第1のセンサ部2と第2のセンサ部3の、それぞれの出力信号をコネクタ部5に接続する。コネクタ部5は、外部リード線部4の各リード線を、図示されない複写機等の入力部に接続する。
【0017】
次に、図2を参照して、この例の温度センサにおける、計測部の詳細な構成を説明する。図2中、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は下面図をそれぞれ示している。
基台部1は、中央の取付部11と、取付部11の左右に設けられた第1の支持台12と第2の支持台13とからなっている。取付部11は、取付穴14,15を有し、この部分を用いて、複写機の筐体等に取り付けられるようになっている。第1の支持台12,第2の支持台13は、それぞれ第1のセンサ部2,第2のセンサ部3の支持部となる部分である。
第1のセンサ部2において、第1の支持台12の上面には、クッション材片16が接着されているとともに、クッション材片16の頂部には、2枚の熱伝導体薄膜に挟まれた状態で、サーミスタ素子17が取り付けられている。サーミスタ素子17の2本のリード線18,19は、第1の支持台12の下面に設けられたセンサ端子部20,21に接続されている。
第2のセンサ部3において、第2の支持台13の上面には、クッション材片22が接着されているとともに、クッション材片22の頂部には、熱伝導体薄膜を介してサーミスタ素子23が取り付けられている。サーミスタ素子23の2本のリード線24,25は、第2の支持台13の下面に設けられたセンサ端子部26,27に接続されている。
クッション材片16,22は、例えば、軟質の耐熱性発泡樹脂材料からなっているが、他の材料でもよい。
【0018】
また、取付部11には、リード端子部28,29A,29Bが設けられているとともに、第2の支持台13には、リード端子部30が設けられている。リード端子部28は、取付部11の上下両面に露出した内部導体の一端からなり、その上面側の露出部に外部リード線31が接続される。リード端子部29A,29Bは、取付部11の上下両面に露出した内部導体からなっている。リード端子部29Aは、取付部11の下面側の露出部であって、これに外部リード線32が接続される。リード端子29Bは取付部11の上面側の露出部であって、これに外部リード線33が接続される。さらに、リード端子部30は、第2の支持台13の上下両面に露出した内部導体の一端からなり、その下面側の露出部に外部リード線34が接続される。外部リード線31,32,33,34は、外部リード線部4を形成する。
さらに、クッション材片16,サーミスタ素子17を覆って、保護フィルム部35が設けられているとともに、クッション材片22,サーミスタ素子23を覆って、保護フィルム部36が設けられている。
保護フィルム部35,36は、例えば、ポリイミドフィルム等の耐熱性を有し絶縁耐圧性が高い柔軟なフィルム材から形成されている。
この例の温度センサは、基台部1が定着用ヒートロヒーラの回転軸と平行になるとともに、センサ部2,3のサーミスタ素子17,23の部分がヒートロヒーラの表面に接触するように、取付部11に設けられている取付穴14,15によって、複写機の筐体に対して取り付けて使用する。この状態では、センサ部2,3の保護フィルム部35,36は、その巻き方向が、ヒートローラの回転軸に対して垂直になるように保持されている。
【0019】
次に、図3を参照して、この例の温度センサにおける、基台部の詳細な構成を説明する。図3中、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は下面図をそれぞれ示している。
基台部1の内部には、薄い金属板からなる内部導体37,38,39が埋め込まれている。内部導体37は、その一端が第1の支持台12の上下両面に露出して、センサ端子部20となり、その他端が取付部11の上下両面に露出して、リード端子部28となっている。内部導体38は、その一端が第1の支持台12の上下両面に露出して、センサ端子部21となり、その他端が取付部11の上下両面に露出してリード端子部29Aとなるとともに、リード端子部29Bとなり、さらに延長して第2の支持台13の上下両面に露出してセンサ端子部26となっている。内部導体39は、その一端が第2の支持台13の上下両面に露出してセンサ端子部27になり、その他端が第2の支持台13の端部の上下両面に露出してリード端子部30となっている。
また、第1の支持台12の下面には、溝部40,41が設けられていて、それぞれサーミスタ素子17のリード線18,19を収容し、第2の支持台13の下面には、溝部42,43が設けられていて、それぞれサーミスタ素子23のリード線24,25を収容するようになっている。
なお、内部導体の上下両面の露出部は、内部導体と外部リード線の先端部とを上下両面から挟んで、抵抗溶接を行う際に必要となるものである。
【0020】
次に、図4を参照して、この例の温度センサにおける、第1のセンサ部2の詳細な構成を説明する。図4中、(a)は正面図を示し、(b)はそのA−A断面図を示している。
第1のセンサ部2は、第1の支持台12の上面に、例えば軟質の耐熱性発泡樹脂材料からなるクッション材片16を固定し、その頂部に例えば円板状の下部熱伝導体薄膜51を設けて、その上にサーミスタ素子17を配置するとともに、さらにその上に例えば円板状の上部熱伝導体薄膜52を被せた構成を有している。サーミスタ素子17のリード線18,19は、それぞれ第1の支持台12の下面に設けられたセンサ端子部20,21に接続される。さらに、これらの全体を覆って、保護フィルム部35が設けられている。
【0021】
次に、図5を参照して、この例の温度センサにおける、第2のセンサ部3の詳細な構成を説明する。図5中、(a)は正面図を示し、(b)はそのB−B断面図を示している。
第2のセンサ部3は、第2の支持台13の上面に、例えば軟質の耐熱性発泡樹脂材料からなるクッション材片22を固定し、その頂部に例えば円板状の熱伝導体薄膜54を設けて、その上にサーミスタ素子23を配置した構成を有している。サーミスタ素子23のリード線24,25は、それぞれ第2の支持台13の下面に設けられたセンサ端子部26,27に接続される。さらに、これらの全体を覆って、保護フィルム部36が設けられている。
【0022】
これらの例において、熱伝導体薄膜51,52,54としては、例えば、アルミニウム(Al)等の金属箔や、ポリイミドフィルム,シリコンフィルム等の熱伝導性のよい、薄い柔軟性のあるフィルム状の材料を用いることができる。
【0023】
次に、図6を参照して、この例の温度センサにおける、第1のセンサ部2の別の構成例を説明する。図6中、(a)は正面図を示し、(b)はそのA−A断面図を示している。
第1のセンサ部2は、第1の支持台12の上面に、例えば軟質の耐熱性発泡樹脂材料からなるクッション材片16Aを固定し、その頂部に例えば円板状の下部熱伝導体薄膜51を設けて、その上にサーミスタ素子17を配置するとともに、さらにその上に例えば円板状の上部熱伝導体薄膜52を被せた構成を有している。サーミスタ素子17のリード線18,19は、それぞれ第1の支持台12の下面に設けられたセンサ端子部20,21に接続される。さらに、これらの全体を覆って、保護フィルム部35が設けられている。以上の構成は、図4(a)に示されたセンサ部と同様であるが、図6の例では、クッション材片16Aが、下部熱伝導体薄膜51の下部に、薄膜51よりやや小さい径を有する、例えば円筒状の空洞部53を有する点が異なっている。空洞部53は、下部熱伝導体薄膜51及び支持台12の上面とともに、密閉された空間を形成している。
【0024】
図6の例では、下部熱伝導体薄膜51の下部が密閉された空間になっているので、図4の場合の構成と比べて、この部分からの熱放散が少なくなって、温度センサの測温精度が向上するとともに、サーミスタ素子17に対するクッション材片16Aの熱容量の影響が減少するので、温度センサの応答速度が改善される。
【0025】
次に、図7を参照して、この例の温度センサにおける、第2のセンサ部3の別の構成例を説明する。図7中、(a)は正面図を示し、(b)はそのB−B断面図を示している。
第2のセンサ部3は、第2の支持台13の上面に、例えば軟質の耐熱性発泡樹脂材料からなるクッション材片22Aを固定し、その頂部に例えば円板状の熱伝導体薄膜54を設けて、その上にサーミスタ素子23を配置した構成を有している。サーミスタ素子23のリード線24,25は、それぞれ第2の支持台13の下面に設けられたセンサ端子部26,27に接続される。さらに、これらの全体を覆って、保護フィルム部36が設けられている。以上の構成は、図5(a)に示されたセンサ部と同様であるが、図7の例では、クッション材片22Aが、熱伝導体薄膜54の下部に、薄膜54よりやや小さい径を有する、例えば円筒状の空洞部55を有する点が異なっている。空洞部55は、熱伝導体薄膜54及び支持台13の上面とともに、密閉された空間を形成している。
【0026】
図7の例では、熱伝導体薄膜54の下部が密閉された空間になっているので、図5の場合の構成と比べて、この部分からの熱放散が少なくなって、温度センサの測温精度が向上するとともに、サーミスタ素子23に対するクッション材片22Aの熱容量の影響が減少するので、温度センサの応答速度が改善される。
【0027】
次に、図8を参照して、この例の温度センサにおける、保護フィルム部35,36の詳細な構成を説明する。図8中、(a)は、保護フィルム部を構成する耐熱性シートの巻付け前における、平面に展開した形状を示す斜視図、(b)は、耐熱性シートを各センサ部に装着して、保護フィルム部35,36を形成した状態の形状を示す斜視図である。
保護フィルム部は、センサ部に装着する以前は、図8(a)に示すように、例えばポリイミドフィルム等のような耐熱性樹脂フィルムで形成された、2枚の耐熱性シート61,62からなっており、一方の耐熱性シート61の長さL1に比べて、他方の耐熱性シート62の長さL2は、多少短くなるように定められている。そして、一方の耐熱性シート61は、その下側の両端に、耐熱性の粘着剤63,64を塗布され、他方の耐熱性シート62は、その下側の一端に同様の粘着剤65を塗布されている。さらに、耐熱性シート61,62の、粘着剤63,65を施された一端から所定距離の位置に、破線状の切れ目(ミシン目)66,67を設けられているとともに、耐熱性シート61の、粘着剤64を施された他端から所定距離の位置にミシン目68を設けられている。
【0028】
保護フィルム部35,36を形成する際には、耐熱性シート61,62の一端を揃えて重ね合わせて、粘着剤63で接合した状態で、支持台12,13の下面における長手方向の一方の端部に、粘着剤65によって接着したのち、支持台上に取り付けられたクッション材片等の全体を含めて緩く巻き付け、1周巻いて余った部分を支持台の下面の、既に巻き付けられた耐熱性シートの上に重ねて、耐熱性シート61の端部を粘着剤64によって接着して固定することによって、図6(b)に示すような形状に成形する。
この際、ミシン目66,67は、支持台(不図示)の下面における長手方向の一方の隅角部の位置に合致し、ミシン目68は、支持台の下面における長手方向の他方の隅角部の位置に合致するように、それぞれの位置を予め定められている。また、内側になる耐熱性シート62は、巻き付けられた状態で、その短くされた端部69が、クッション材片とサーミスタ素子及び熱伝導体薄膜の部分を十分に覆うとともに、ミシン目68の位置に達しないように、その長さL2を設定されている。
【0029】
次に、図9を参照して、この例の温度センサにおける、外部リード線の接続部の詳細な構成を説明する。図9中、(a)はリード線の端末処理を示し、(b)はリード線端子部とリード線との接続状態を示している。
外部リード線31,32,33,34は、その端末部に端子金具71を装着されている。端子金具71は、同一金具上に、2対の爪部72,73を有している。爪部72は大型であって、リード線の被覆部を包囲して締めつけて固定するために用いられる。爪部73は小型であって、リード線の芯線部を包囲して締めつけて固定するために用いられる。各外部リード線31,32,33,34は、予め、それぞれの端末に端子金具71を装着することによって、図9(a)に示すような形状に成形されている。
【0030】
図9(b)においては、外部リード線34と、リード端子部30との接続状態を例示しているが、他の外部リード線31とリード端子部28、外部リード線32とリード端子部29A、外部リード線33とリード端子部29Bの接続状態も同様である。
リード端子部30は、支持台13の下面において、内部導体39の一端が、支持台13に設けられた穴74から外部に露出するように設けられている。また、支持台13のリード線接続部には、外部リード線34の端末処理された端部を収容するに足る幅を有するリード溝部75が設けられている。リード溝部75の一端は開放されている。
外部リード線34とリード線端子部30とを接続する際には、外部リード線34の端部をリード溝部75に挿入し、この状態で、外部リード線34の端末における端子金具71の部分を、リード端子部30に対して、例えばスポット溶接を行って溶接部78を形成することによって、電気的接続と機械的固定とを行う。
【0031】
次に、図1乃至図9を参照して、この例の温度センサの動作を説明する。
この例の温度センサは、基台部1の取付部11に設けられた取付穴14,15を利用して、例えば複写機等の筐体の一部に設けられた支持部(不図示)に固定して装着されることによって、第1のセンサ部2と、第2のセンサ部3の、それぞれのサーミスタ素子17,23が、保護フィルム部35,36を介して、温度被計測体である、例えば複写機のトナー定着用ヒートローラ(不図示)の表面に接触して、その表面温度を、ローラの回転,非回転にかかわらず計測できる状態となる。このとき、センサ部2,3の保護フィルム部35,36は、その巻き方向が、ヒートローラの回転軸に対して垂直になるように保持されている。
サーミスタ素子17,23はそれぞれ、リード線18,19及び24,25を介して、センサ端子部20,21及び26,27に接続され、さらに内部導体37,38,39を経て、リード端子部28,29A,29B,30に接続され、さらにこれから、外部リード線31,32及び33,34に接続されることによって、コネクタ部5を介して、図示されないそれぞれの計測回路に接続されるようになっている。
サーミスタ素子17,23は、定着ヒートローラの表面温度に応じて、それぞれ、その内部抵抗の変化を示す出力を発生し、計測回路は、この出力に応じて、ローラの表面温度に対応する電気信号を発生するので、図示されないそれぞれの制御回路は、サーミスタ素子17の出力に応じて、ローラの加熱状態を変化させることによって、ローラの表面温度を一定に保つ温度制御を行うとともに、サーミスタ素子23の出力に応じて、ローラの表面温度が一定値以上になったとき、ローラの加熱を停止させる等の異常制御を行う。
【0032】
この例の温度センサにおいては、図4〜図7に示すように、センサ部2,3において、サーミスタ素子17,23は、それぞれ下部熱伝導体薄膜51と、熱伝導体薄膜54によって保持された状態で、それぞれクッション材片16,22の頂部に支持されている。
下部熱伝導体薄膜51,熱伝導体薄膜54は、定着ヒートローラの表面の熱をサーミスタ素子17,23に伝達することによって、サーミスタ素子17,23の温度を、迅速にローラ表面温度に追従させる。また、サーミスタ素子17,23のリード線18,19及び24,25は、ともに、熱伝導性の小さいクッション材片16,22及び支持台12,13上に設けられているので、この部分からの熱伝導も少ない。
また、サーミスタ素子17では、さらに上部熱伝導体薄膜52を設けて、下部熱伝導体薄膜51と上部熱伝導体薄膜52とによって、両面からカバーすることによって、温度変化に対する感受性をより向上させている。
これらの結果、センサ部2,3の温度測定時定数は、従来の温度センサと比較して著しく向上し、定着ヒートローラの温度制御を精密に行うことが可能なようになった。
【0033】
さらに、図6,図7の構成では、サーミスタ素子17,23の下部に空洞部53,55を設けたので、サーミスタ素子直下のクッション材を介する熱伝導が減少するとともに、クッション材に基づく熱容量が小さくなり、より熱応答性が向上した。
これによって、従来の構造の場合の温度測定時定数τは、0.5秒〜0.7秒であったのに対し、この例では、温度測定時定数τは、0.2秒〜0.4秒であって、著しく改善されている。
【0034】
また、図6,図7の例では、下部熱伝導体薄膜51,熱伝導体薄膜54をクッション部材側に湾曲させて、湾曲部内にサーミスタ素子17,23を収容するとともに、この湾曲部をクッション材片16A,22Aに設けられた空洞部53,55内に押し込むようにセンサ部を形成することができるので、センサ部2,3の頂部の凹凸を少なくして、保護フィルム部35,36の、定着ヒートローラとの接触部を平滑化することができる。そのため、保護フィルム部の磨耗が減少するとともに、ローラの表面を傷つける恐れが少なくなる。
【0035】
またこの例では、図4〜図7に示すように、センサ部2,3において、支持台12,13、クッション材片16,22、サーミスタ素子17,23を含めて、保護フィルム部35,36によって包囲することによって、ローラの回転に伴う磨耗の防止と、定着ヒートローラとサーミスタ素子との間に印加される高電圧に対する絶縁耐圧性能の向上を図っている。このため、図8に示すように、保護フィルム部を構成する耐熱性シート61,62として耐磨耗性のポリイミドフィルム等を用い、2枚重ねにして耐電圧性を持たせるとともに、その幅Wを十分広くして、沿面放電の発生を防止するようにしている。
また、耐熱性シート61,62には、ミシン目66,67,68を設けることによって、センサ部に取り付けて保護フィルム部35,36を形成した際に、支持台12,13の下面の両隅角部の位置で折れ曲がることによって、保護フィルム部35,36の形状が丸みを帯びることが少なくなり、耐熱性シートとサーミスタ素子の部分との密着性が改善されているとともに、定着ヒートローラの熱によって、粘着剤63,64,65が劣化しても、耐熱性シートの弾性によって耐熱性シートが剥がれる恐れが少なくなる。
さらにこの際、ミシン目66,67及び68を設けて、保護フィルム部35,36が支持台12,13の下面の両隅角部の位置で折れ曲がるようにしたので、保護フィルム部35,36が茄子型に細長い形状に丸みを帯びるようになり、基台部1と直交する方向の幅が小さくなるので、保護フィルム部を含むセンサ部の形状を小型化することができる。
【0036】
また、内側になる耐熱性シート62の長さL2は、外側の耐熱性シート61の長さL1よりも短くなっているので、巻き終わりの端部69は、ミシン目68の位置には達しないとともに、端部69には粘着剤が施されていないので、端部69は保護フィルム部35,36を形成した状態で、外側の耐熱性シート61に対してフリーの状態になる。そのため、耐熱性シートを2枚重ねにして巻き付けた際に、内側の耐熱性シートが外側の耐熱性シートによって緊縮されるために、保護フィルム部が丸みを帯びて柔軟性が失われたり、あるいは緊縮に伴って内側の耐熱性シートに皺がよったりすることを防止でき、従って、耐熱性シートを介する、サーミスタ素子の定着ヒートローラに対する密着性が良好になって、温度センサの熱応答性の低下や、不安定状態の発生が防止できる。
【0037】
また、この例では、図9に示すように、リード線31,32,33,34には、予め端子金具71を用いて端末処理を行い、リード端子部18,29A,29B,30に対して、端子金具の部分でスポット溶接して接続を行うようにしている。
従来、リード線と端子部との接続時には、リード線に対して端子金具による端末処理を行うことなく、被覆の除去等の処理を行った芯線の部分を直接、端子板にスポット溶接又はハンダ付けするようにしていたが、この際、芯線を構成する素線がバラバラになりやすいため、作業性が悪いだけでなく、芯線全体を確実に接続することが難しく、そのため、接続不良を生じやすいとともに、接続部の強度を均一に保つことが困難であった。また、温度センサを機器に取り付ける際にリード線が屈曲された際の屈曲応力が、溶接又はハンダ付けされた芯線の部分に加わるため、接続部で断線が生じやすかった。
この例では、リード線を端子金具71を用いて、被覆部と芯線の部分とを別々に保持する端末処理を行ってから、端子金具の部分で溶接するため、強力な溶接作業を行って確実に接続することができるとともに、リード線に屈曲力が加わった場合も、屈曲応力は、端子金具で保持されている部分より外側の、溶接又はハンダ付けされていないリード線の部分にかかるため、屈曲に基づく断線を生じにくくなる。
【0038】
さらに、この例では、図9に示すように、外部リード線を基台部1の長手方向に設けられたリード溝部75内に収容してリード端子部と接続するようにしている。
従来は、センサ部と外部リード線との接続は、樹脂成形体に設けられた金属端子板に、リード線を溶接又はハンダ付けするとともに、端子部と外部リード線の端部とを含めて絶縁チューブを被せることによって、絶縁と機械的保持とを行うようにしていたが、そのため端子板の強度を大きくする必要があるとともに、絶縁チューブを含む接続部の外形が大きくなっていた。
この例では、外部リード線とリード端子部との接続部分を収容するリード溝部75があるため、外部リード線の保持が確実になるとともに、外部リード線に対する屈曲力がリード線接続部に伝達されることが防止される。そのため、リード端子部を構成する内部導体は、薄いものでよい。さらに、接続部に絶縁チューブを用いないでも、充電部分の接触防止を行うことができるので、温度センサ全体を小型化できるとともに、絶縁チューブに基づく耐熱性の低下を防止できる。また、リード溝部内で外部リード線とリード端子部との接続を行うので、スポット溶接時の位置決め保持が容易になり、作業性の向上と、接続部の品質向上を図ることができる。
【0039】
さらに、リード線接続部を収容するリード溝部は、すべて基台部1の長手方向に、基台部の一方の端部側にまとめて設けられているので、複数本の外部リード線を一括して、揃えてコネクタ部5に接続するのが容易になる。
従来、複数のセンサ部を有する温度センサでは、リード線の向きが例えば、基台部の長手方向と直角方向になっていたので、リード線の引回し部分が長くなってスペースを多く必要とし、機器の小型化の妨げになっていたが、この例の場合は、上述のような構造をとったため、配線の取りまわしが容易になるとともに、配線のためのスペースを縮小することができ、従来の単一のサーミスタ素子を持つ温度センサの場合と大きく変わらない作業工数で温度センサを取り付けることが可能になり、コストダウンに寄与することができる。
【0040】
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られたものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。例えば、実施例では、クッション材片16,22として、軟質の耐熱発泡性樹脂材料を用いたが、これに限るものでなく、例えば、ガラス等からなる短繊維を抄紙工程によって石綿薄板状に集成した、無機質繊維抄成体(例えば商品名セラミックペーパー)を用いてもよく、これによって、耐熱性をより向上することができる。また、保護フィルム部35,36は、必ずしも、支持台12,13を一周する必要はなく、2枚重ねにした耐熱性シートの一端を、例えば支持台の下面の一端に固定し、耐熱性シートの他端を支持台の下面の他端に固定してもよい。この場合の固定方法としては、他の部材で耐熱性シートの端部を挟んで固定したり、又は、耐熱性シートの端部を折り曲げてスリット部に挟み込むようにしてもよい。また、空洞部53,55の形状は円筒形に限らず、例えば四角筒状乃至多角筒状、又は不整形筒状等の、任意の形状であってもよい。この空洞部は、密閉された構造を有することが最も望ましいが、必ずしもこれに限るものではなく、例えば下端が開放又は半密閉の構造である場合でも、少なくとも、サーミスタ素子を支持する下部熱伝導体薄膜51又は熱伝導体薄膜54がクッション材片に接触しないことによる、熱容量減少の効果を得ることができ、温度センサの応答速度を向上させることが可能となる。下部熱伝導体薄膜51,上部熱伝導体薄膜52,熱伝導体薄膜54は、円板状に限らず、四角形板状乃至多角形板状、又は不整形板状であってもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、センサ部に対して、保護フィルム部を設けて、その巻き方向が、表面温度を計測しようとする回転体の回転軸と垂直になるように、回転体に対して保持し、センサ部の保護フィルム部に対して支持台の下面の両隅角部にミシン目を設けるとともに、内側の耐熱性シートを短くして端部をフリーにしたので、保護フィルム部が丸みを帯びて柔軟性を失ったり、表面形状の影響で、回転体に対する密着性が低下したりするために、熱応答性が低下したり、不安定になったりすることが少なくなり、また、保護フィルム部の幅が狭くなるので、温度センサを小型化できる。
また、端子金具によって端末処理を施した外部リード線を、リード溝部に収容するとともに、リード溝部内で内部導体のリード端子部に端子金具の部分を溶着して外部リード線の接続を行うようにしたので、外部リード線を確実に保持できるとともに、外部リード線との接続が容易になり、接続部の断線等の恐れがなくなる。
さらに、2つのセンサ部に対する外部リード線を、基台部の一方の端部において、基台部と同一方向に引き出されるようにしたので、外部リード線の配線の引き回しが容易になる。
また、クッション材片の、サーミスタ素子を搭載する熱伝導体薄膜の下部に空洞部を設けるようにすれば、サーミスタ素子に対する、クッション材片に基づく熱伝導と熱容量の影響が減少するので、温度センサの精度と応答速度を向上することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例である温度センサの全体の構成を示す図である。
【図2】本実施例における計測部の構成を示す図である。
【図3】本実施例における基台部材の構成を示す図である。
【図4】本実施例における第1のセンサ部の構成を示す図である。
【図5】本実施例における第2のセンサ部の構成を示す図である。
【図6】第1のセンサ部の他の構成例を示す図である。
【図7】第2のセンサ部の他の構成例を示す図である。
【図8】本実施例における保護フィルム部の構成を示す図である。
【図9】本実施例におけるリード線接続部の構成を示す図である。
【図10】従来の温度センサの一構成例を示す図である。
【図11】従来の温度センサの他の構成例を示す図である。
【図12】従来のリード線接続部の別の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 基台部
2 第1のセンサ部
3 第2のセンサ部
4 外部リード線部
5 コネクタ部
12,13 支持台
16,22 クッション材片
17,23 サーミスタ素子
18,19,24,25 リード線
20,21,26,27 センサ端子部
28,29A,29B,30 リード端子部
31,32,33,34 外部リード線
35,36 保護フィルム部
37,38,39 内部導体
51 下部熱伝導体薄膜
52 上部熱伝導体薄膜
53,55 空洞部
54 熱伝導体薄膜
66,67,68 ミシン目

Claims (6)

  1. 支持台の上面にクッション材片を取り付けて、該クッション材片の頂部に熱伝導体薄膜を介してサーミスタ素子を固定してなるセンサ部に対して、長さの異なる2枚の耐熱性シートを一端を重ねて接着して該重ねた端部を前記支持台の下面に固定したのち、短い方の前記耐熱性シートが内側になるようにして前記クッション材片とサーミスタ素子とを覆うように巻き付けて、巻き終わり部の端部を前記支持台の下面に固定して、前記耐熱性シートの巻き始めの部分に設けられた第1のミシン目が、前記支持台の下面の一方の隅角部に一致するとともに、前記耐熱性シートの巻き終わりの部分に設けられた第2のミシン目が、前記支持台の下面の他方の隅角部に一致するようにし、さらに、前記内側の耐熱性シートが、前記サーミスタ素子及び前記熱伝導体薄膜の部分を覆うとともに、その巻き終わりの端部が、前記第2のミシン目に達しないようにその長さを定められた保護フィルム部を設け、該保護フィルム部の巻回方向が、表面温度を計測しようとする回転体の回転軸と垂直になるように該回転体に対して保持されることを特徴とする温度センサ。
  2. 前記サーミスタ素子の上部に別の熱伝導体薄膜を設け、該熱伝導体薄膜を含んで前記保護フィルム部を形成したことを特徴とする請求項1記載の温度センサ。
  3. 前記支持台と該支持台に連接する取付部との内部に内部導体を埋設し、前記支持台に前記内部導体を露出させてセンサ端子部を形成して、該センサ端子部に前記サーミスタ素子のリード線を接続し、前記支持台の端部及び取付部の端部にリード溝部を設けて、該リード溝部内に端子金具によって端末処理を施した外部リード線を収容するとともに、該リード溝部内に前記内部導体を露出させてリード端子部を形成して、該リード端子部に前記端子金具の部分を溶着することによって前記外部リード線の接続を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の温度センサ。
  4. 前記取付部とその両端に設けられた前記支持台とが連接して基台部を形成し、それぞれの支持台上に前記センサ部が形成されているとともに、両センサ部に対する外部リード線が、前記基台部の一方の端部において、該基台部と同一方向に引き出されるように構成されていることを特徴とする請求項3記載の温度センサ。
  5. 前記クッション材片の、前記サーミスタ素子の下部に設けられた熱伝導体薄膜の下部に空洞部を形成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一記載の温度センサ。
  6. 前記空洞部が、密閉された構造を有することを特徴とする請求項5記載の温度センサ。
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