JP4632591B2 - スタッカ付き印刷装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスタッカ付き印刷装置に係り、特に検出手段により印字用紙を検出して分別するスタッカ付き印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の印刷装置における用紙回収(スタック)技術は特開2000ー211793号公報などで知られるように、印刷装置側面に用紙回収装置(以下:スタッカ)を併設し、印刷装置から排出された印字用紙をスタッカ内に導入してスタッカトレイ上に集積するのが一般的である。
【0003】
また、特開平7ー252017号公報や特開平8ー169610号公報等により、複数のスタッカを垂直方向に間隔をもって配設された分配機構を有したものも知られている。
【0004】
更に、印字情報(例:バーコード)検出手段として検出装置(例:レーザースキャナ)を設けることで、印字された印字情報の不良を判断する機構を設けたものもある。この場合は印刷装置の印字用紙排出口上方に固定した検出装置により排出された印字用紙の印字情報を検出し、印字不良と判断した場合には即座に印刷工程を停止するか、又は印字不良の印字用紙を長めに切断して長さの違いで選別する等の技術があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これら従来技術において、まずスタッカトレイ上に集積する方法では印字用紙が一箇所に蓄積されるため、異なる印字情報を印字した場合には再分類する手間が生じていた。
【0006】
また垂直方向に配設された前記スタッカにおいては分配方法としては優れているものの、事務所等でコピー機等の大型の印刷装置に取り付けられるのが主流で、その大きさ故にプリンタやラベルプリンタなどの印刷装置に装着するには不向きであった。
【0007】
更に、印字不良を検出した際にその都度印刷工程を停止するのでは、動作制御が煩雑となるばかりか生産性低下を招く。また、用紙を長めに切断するのでは用紙の無駄となる。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みて成されたもので、印字情報により印字用紙の仕分けが可能なスタッカにより、印字を停止することなく分別可能なスタッカ付き印刷装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、前記目的を達成するために、印字用紙に印字を施す印字手段と、印字後の印字情報を読み取る検出手段と、排出された印字用紙を回収するスタッカとを有するスタッカ付き印刷装置において、第一のスタッカおよび第二のスタッカを備えるスタッカと、前記第一のスタッカまたは前記第二のスタッカの上面開口を開閉可能とする開閉蓋と、前記検出手段の読取結果に応じて前記開閉蓋を開閉させる駆動モータと、前記開閉蓋を閉動作によって傾斜させた状態で前記第一のスタッカまたは前記第二のスタッカの上面開口を塞ぎ、前記開閉蓋の上面を前記印字用紙が滑って、上面開口が塞がれていない前記第一のスタッカまたは前記第二のスタッカに向けて前記印字用紙が案内されることを特徴とするスタッカ付き印刷装置を提供する。請求項1に記載の発明によれば、印字を停止することなく印字情報毎や印字不良による分類が可能である。
【0010】
請求項に記載の発明は、前記検出手段は、印字情報の印字不良を判断し、
前記第一のスタッカは良品スタッカで、前記第二のスタッカは不良品スタッカであって、前記検出手段によって印字不良が検出された際に前記良品スタッカの上面開口を塞ぎ、前記開閉蓋によって前記不良品スタッカに向けて前記印字用紙を案内することを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、前記印刷装置には、前記検出手段にて予め設定された回数連続して不良が検出されたときにエラーメッセージを発する警報手段が設けられていることを特徴とする。請求項の記載の発明によれば、複数回に渡る印刷不良が発生した場合に警報を発することにより、印刷装置の不具合を早期発見できる。
また、請求項4に記載の発明は、前記収納部は、前記第一のスタッカと前記第二のスタッカに仕切る仕切り板を備え、前記仕切り板の上端に設けられた軸を介して前記開閉蓋が開閉可能に構成されていることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係るスタッカ付き印刷装置の好ましい実施形態について詳説する。図1乃至図3は本実施形態であるスタッカ付き印刷装置の構成を、印刷装置としてラベルプリンタを用いた例で示した。
【0012】
図1に本発明の実施形態に係るスタッカ付き印刷装置の概略構成を示した。ラベルプリンタ1は机2の上面に設置され、ラベルプリンタ1の正面に設けられた印字ラベル排出口3を机2の縁に向けられている。更にスタッカ4が机2の正面に当接して設けられ、スタッカ4の背面板7上部から机2方向に垂直に突出した保持部材9により机2の上面に掛架されている。更に背面板7下部に設けられた脚10で机2正面に当接している。
【0013】
このスタッカ4は主として底面板5と、底面板5の各辺から垂直に立ち上がった正面板6、背面板7、側面板8,8とから構成され、更に正面板6上部には、操作部6aが底面板5と平行に設けられている。この操作部6aは、スタッカ4やラベルプリンタ1の機器不具合等の情報を警告ランプなどで表示する。また、スタッカ4の背面板7上端からは案内板12が傾斜状態で設けられ、ラベルプリンタ1の正面に設けられた印字ラベル排出口3内に遊挿されている。この案内板12の傾斜角度は、後述するレーザースキャナ16による印字ラベル15の印字情報読み取りを容易せしめる角度に傾斜されている。
【0014】
次にスタッカ4の内部構成を説明する。図2は図1における後述するばね27近傍の拡大図、図3は図1の縦断面図を示す。図2において、スタッカ4内部は仕切り板20によりその収納部ごとに仕切られ、良品ラベルスタッカ21と不良品ラベルスタッカ22とを構成している。
【0015】
仕切り板20上部には開閉蓋24が設けられ、スタッカ4の良品ラベルスタッカ21上面開口を仕切り板20上端部に設けられた軸23を介して開閉可能に設けられている。尚、開閉蓋24の先端部には良品ラベルスタッカ21上部を閉じた際(25位置)、スタッカ4の背面7と確実に当接するための曲げ部24aが施され、この曲げ部24aが背面板7に当接することで開閉蓋24の図2における時計方向(矢印C方向)の回転を規制している。
【0016】
開閉蓋24両側端部にばね掛けピン26,26が突出して設けられ、同じく開閉蓋24両側に設けられたばね27,27の一方の端部がこのばね掛けピン26に当接し、開閉蓋24を常に矢印C方向に付勢している。尚、このばね27は軸23を介して他方の端部を仕切り板20上部に当接している。更に、このばね掛けピン26には引っ張りばね35,35の一方の端部も係止され、前述した開閉蓋24を常に図2における半時計方向(矢印D方向)に付勢している。この引っ張りばね35の他方の端部は、後述する駆動モータ30の回転板31に設けられたばね掛けピン32に係止されている。
【0017】
スタッカ4内側の側面板8上部には開閉蓋24の回転を垂直位置で停止させるストッパ28が設けられている。開閉蓋24が、このストッパ28に当接することで図2における開閉蓋24の矢印D方向の回転を垂直位置で規制する。
【0018】
次にスタッカ4内の駆動モータ30周辺機器についてその構成を説明する。図3において駆動モータ30は、スタッカ4内側で正面板6上部側面に取り付けられている。この駆動モータ30の両側面には円形の回転板31,31がそれぞれ平行に設けられ、図示しない駆動モータ30内の軸を介して回転板31,31同士を同期して回転可能としている。回転板31の円形に形成された表面にはばね掛けピン32が突出して設けられている。このばね掛けピン32は回転板31の回転中心を避け、回転板31の縁に設けられている。更にこのばね掛けピン32には、前述した引っ張りばね35の他方が係止されている。なお、駆動モータ30に相対して設けられた双方のばね掛けピン32,32同士は、その位置を同期して回転する様に設けられている。
【0019】
次にレーザースキャナ16及び制御基盤40等の構成を説明する。ラベルプリンタ1の正面上部にはレーザースキャナ16が突出して設けられ、このレーザースキャナ16から案内板12に向けて印字ラベル15の印字情報検出用の光線16aを照射する。更にレーザースキャナ16は駆動モータ近傍に設けられた制御基盤40に図示しない配線を介して読み取った印字情報を送信している。この制御基盤40においてはレーザースキャナ16からの情報を基に、図示されない配線を介して駆動モータ30の回転を制御する他、操作者により操作部6aから操作されたコマンドの処理を行っている。また、この制御基盤40からはラベルプリンタ1内に設けられたラベルプリンタ1を制御する制御基盤にも情報を送信している。
【0020】
前記の如く構成されたスタッカ付き印刷装置の動作を、図3を用いて説明する。
【0021】
開閉蓋24はばね27により矢印C方向に常にばね力Aが作用している。更にこの開閉蓋24には、引っ張りばね35により矢印D方向に引っ張り力Bが作用している。つまりばね力Aと引っ張り力Bは互いに相反する方向に作用している。ここで、ばね力Aと比較して引っ張り力Bが勝ると、開閉蓋24が基端部の軸23を支点として矢印D方向に回転する(開動作)。また、ばね力Aが引張り力Bより勝ると、開閉蓋24が軸23を支点として矢印C方向に回転する(閉動作)。
【0022】
一方、駆動モータ30両脇に設けられた回転板31が回転すると、開閉蓋24両側に設けられたばね掛けピン26と回転板31に設けられたばね掛けピン32の相対距離が変化する。これによりばね掛けピン26とばね掛けピン32双方に係止されている引っ張りばね35の引っ張り力Bが変化する。
【0023】
例えば図3において、回転板31のばね掛けピン32がE位置の場合、引っ張り力Bがばね力Aに勝ることで開閉蓋24が矢印D方向に引き寄せられて回転して開動作した後、ストッパ28により垂直を維持して停止する。これに対し回転板31のばね掛けピン32がF位置における場合では、引っ張り力Bがばね力Aに劣ることで、開閉蓋24はばね力Aに従って矢印C方向に押しやられ、閉動作した後、背面板7に曲げ部24aが当接して停止する。
【0024】
上記を基に印字ラベル15の経路を説明する。ラベルプリンタ1の印字ラベル排出口3から排出された印字ラベル15は案内板12上でレーザースキャナ16により印字情報判読の検出が行われる。レーザースキャナ16は印字情報を検出し、図示されない配線を介して駆動モータ30近傍に設けられた制御基盤40に印字情報又は印字情報の判読可否を送信する。ここでレーザースキャナ16による印字ラベル15の判読が可能であれば、レーザースキャナ16から読み取り信号が制御基盤40に伝達され、制御基盤40は駆動モータ30の回転板31に設けられたばね掛けピン32のE位置への回転指示を指令する。ばね掛けピン32がE位置まで回転することでばね掛けピン26とばね掛けピン32の相対距離が増加する。これにより開閉蓋24に作用する引っ張りばね35の引っ張り力Bがばね力Aに勝り、開閉蓋24をストッパ28まで開動作させることで良品ラベルスタッカ21への経路が確保される。従って良品の印字ラベル15は案内板12上を滑りつつ良品ラベルスタッカ21へ案内される。(経路G)
次にレーザースキャナ16により印字情報判読の検出が行われた際、印字ラベル15が判読不能であった場合、不良印字ラベル15aとして以下の動作を行う。
【0025】
まず、レーザースキャナ16から読み取り不良の信号が図示しない配線を介して制御基盤40に伝達される。制御基盤40は駆動モータ30の回転板31に設けられたばね掛けピン32のF位置への回転指示を指令する。回転板31がF位置まで回転すると、ばね掛けピン26とばね掛けピン32の相対距離が減少する。これにより引っ張りばね35が緩むことで開閉蓋24に作用するばね力Aが引っ張り力Bに勝り、開閉蓋24を矢印C方向に閉動作させ、背面板7に曲げ部24aが当接することで良品ラベルスタッカ21は開閉蓋24により確実にふさがれる。良品ラベルスタッカ21を開閉蓋24で塞ぐと、開閉蓋24上面は傾斜して停止する。これにより、不良印字ラベル15aの不良品ラベルスタッカ22への経路が確保され、不良印字ラベル15aはこの開閉蓋24上面を滑り不良品ラベルスタッカ22へ案内されることとなる(経路H)。
【0026】
尚、前記不良印字ラベル15aが発生した場合においては、制御基盤40内でその発生回数を記録し、予め設定された回数に達すると制御基盤40により操作部6a上に設けられたメンテナンスを要する旨の警告ランプを点灯させる。記録された回数が10回に達するか、又は連続して3回発生した場合においては、操作部6a上に設けられたメンテナンスを要する旨の警告ランプが点滅すると共に、制御基盤40内に設けられたスピーカより警告音を鳴らし、制御基盤40から図示しない配線を介してスタッカ4とラベルプリンタ1の諸機能を停止させる。
【0027】
以上、本実施の形態によれば、スタッカ4上部に設けた開閉蓋24の開閉により印字ラベル15の仕分けを行うことで、印字不良が発生しても印字を停止することなく分別可能となる。また、印字不良の発生状況を検知できるので、印刷装置に不具合が生じた場合も早期発見が可能である。
【0028】
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、例えばラベルプリンタ1正面にスタッカ4を配置したが、側面から印字用紙が排出される印刷装置の場合でも、本スタッカを側面に配置することで対応できる。また案内板12の基端部と背面板7上部との取り付けを傾斜自在なヒンジとすることで案内板12を回動自在とすれば、印字ラベル排出口3の高さが異なる印刷装置にも対応できる。更に前記実施例においては不良印字ラベル15aの発生回数と連続発生回数を規定したが、操作部6a上でこれら設定を操作者により変更可能としても良い。
【0029】
また、例えば図4に示すように開閉蓋43を、案内板12と印字ラベル排出口3との隙間に設け、開閉蓋43に沿ったガイド43aにより開閉蓋43を案内板12と平行に滑動自在とし、背面板7上部に設けた長穴48からスタッカ4内に進退可能に設ける。更に背面板7と机2の隙間に上下に可動するシリンダ47を有したアクチュエータ44と、図示しないアクチュエータ制御機構とを配する。また更に背面板7上部中央には滑車45を設ける。次にワイヤ46の一方の端部を開閉蓋43のスタッカ側先端中央に固着させ、このワイヤ46を開閉蓋43裏側を通して背面板7上部に設けた滑車45に介し、滑車45から垂直下方に背面板7と机2の隙間を下降させ、ワイヤ46の他方をシリンダ47上部で固着させる。以上の構成を基に、アクチュエータ44内のシリンダ47を上下に可動させワイヤ46を操作することで、開閉蓋43が長穴48から重力落下により滑動自在にせり出し可能となる。これにより長穴48からせり出した開閉蓋43が、良品ラベルスタッカ21上部を開閉することでラベルプリンタ1から排出される印字ラベル15の分別が可能となる。
【0030】
また、前記例において、更にスタッカ4内に複数の仕切り板を垂直方向に間隔をもって配置すると共に、開閉蓋43のせり出し位置をこれら各仕切り板に併せて制御することで、複数の印字情報毎の分別も可能なスタッカを提供できる。
【0031】
これらの実施例によると、スタッカ内部に開閉蓋43の制御に関係した機器を配置する必要が無く、従って大容量のスタックが可能となる。また、前記アクチュエータ44の代わりにワイヤ46を巻取り可能とする巻き胴式モータを背面板7と机2の隙間、又はスタッカ4の下部に配置し、この巻き胴式モータの回転でワイヤ46を巻取り、又は緩めることで案内板43の開閉を制御しても良い。
【0032】
【発明の効果】
以上 詳説したように本発明によるスタッカ付き印刷装置によれば
印字情報により印字用紙の仕分けを行うスタッカにより煩雑な作業は要せず、また印字を停止することなく分類可能で、また印刷装置の不具合も発見可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる一実施例を示す図でスタッカ付き印刷装置構成を示す斜視図
【図2】本発明にかかる一実施例を示す図でスタッカ付き印刷装置を示す詳細図
【図3】本発明にかかる一実施例を示す図でスタッカ付き印刷装置を示す側面図
【図4】本発明にかかる別実施例のスタッカ付き印刷装置を示す側面図
【符号の説明】
1…ラベルプリンタ(印刷装置)、2…机、4…スタッカ、15…印字ラベル(印字用紙)、15a…不良印字ラベル、16…レーザースキャナ、20…仕切り板、21…良品ラベルスタッカ、22…不良品ラベルスタッカ、24,43…開閉蓋、30…駆動モータ、40…制御基盤

Claims (4)

  1. 印字用紙に印字を施す印字手段と、
    印字後の印字情報を読み取る検出手段と、
    排出された印字用紙を回収するスタッカとを有するスタッカ付き印刷装置において、
    第一のスタッカおよび第二のスタッカを備えるスタッカと、
    前記第一のスタッカまたは前記第二のスタッカの上面開口を開閉可能とする開閉蓋と、
    前記検出手段の読取結果に応じて前記開閉蓋を開閉させる駆動モータと、
    前記開閉蓋を閉動作によって傾斜させた状態で前記第一のスタッカまたは前記第二のスタッカの上面開口を塞ぎ、前記開閉蓋の上面を前記印字用紙が滑って、上面開口が塞がれていない前記第一のスタッカまたは前記第二のスタッカに向けて前記印字用紙が案内されることを特徴とするスタッカ付き印刷装置。
  2. 前記検出手段は、印字情報の印字不良を判断し、
    前記第一のスタッカは良品スタッカで、前記第二のスタッカは不良品スタッカであって、前記検出手段によって印字不良が検出された際に前記良品スタッカの上面開口を塞ぎ、前記開閉蓋によって前記不良品スタッカに向けて前記印字用紙を案内することを特徴とする請求項1記載のスタッカ付き印刷装置。
  3. 前記検出手段にて予め設定された回数連続して印字不良が検出されたときにエラーメッセージを発する警報手段が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のスタッカ付き印刷装置。
  4. 前記収納部は、前記第一のスタッカと前記第二のスタッカに仕切る仕切り板を備え、
    前記仕切り板の上端に設けられた軸を介して前記開閉蓋が開閉可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のスタッカ付き印刷装置。
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