JP3907288B2 - ロール紙を使用するプリンタ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はロール紙を使用するプリンタ装置、例えばPOS用プリンタ、ファクシミリ等のロール紙を使用するプリンタ装置においてロール紙の限界残量を検出する機構に関する。本発明はまたこの種のロール紙を使用するプリンタ装置において、ロール紙を切断するカッター機構でジャム等でカッター刃が戻らなくなった際のカッター刃の退避機構に関する。
【0002】
例えばPOS用のプリンタ装置においては、ロール紙を使用してレシート、またはジャーナル用紙を発行するが、オペレータは用紙の残量を常に把握しておく必要がある。これは顧客がレジで精算中に用紙がゼロとなると、印字が中断されたため再度印刷をしなおすことになり、また顧客を待たせて用紙交換作業をすることとなり顧客のサービス低下を招くことになる。従ってオペレータは用紙がゼロとなる前にロール紙の限界残量が検出されたことを知り、印刷が途中で中断することのないようにする必要があり、また顧客がいない間などにロール紙を交換する必要がある。
【0003】
従ってロール紙限界残量検出機構においては、ロール紙残量がゼロとなる前の所定の残量を有した状態で検出を行う必要がある。
また、ロール紙のジャム等によりロール紙を切断するカッター刃が戻らなくなった際に、簡単な機構でカッター刃を元の位置へ戻しジャムを取り除く必要がある。
【0004】
【従来の技術】
従来のロール紙限界残量検出方法としてはロール紙の重量を検出するものが提案されている。これは、ロール紙が使用されていくにつれ重量が減っていき、所定の用紙残量相当になった時にレバーとスイッチにより検出するものである。
図1にこの方式によるロール紙限界残量検出機構を示す。図1において、10はロール紙、11はばね作用をするレバー、12はスイッチであり、レバー11上に載っているロール紙10の残量が減少し、所定の残量(重量)にまで達するとレバー11がばね作用で上昇しスイッチ12をOFFとすることによりロール紙限界残量を検出している。
【0005】
しかしこの方式で問題となるのは、ロール紙の巻芯には、製造メーカー、製造国により多種のものが流通しており、巻芯の材質が紙製、プラスチック製、巻芯の厚みの厚いもの、薄いものなどさまざまであり、したがって巻芯の重量がさまざまであるため、全ての巻芯に対応して一定の残量を精度良く検出することは困難であった。このため、使用するロール紙巻芯の材質、形状を制限することとなり、使用者においては安価なロール紙や入手性の良いロール紙を選択するといったことが阻害される結果となっていた。また、指定された仕様以外のロール紙を使用した場合は検出不能や検出残量精度不良といった問題が発生していた。
【0006】
また、他のロール紙限界残量検出方法としてロール紙の内径を検出する方式が提案されている。この方式はロール紙が使用するにつれロール紙の外径が減少していくのに伴い、ロール紙の内径穴が移動して所定の用紙残量相当になった時に、レバーとセンサーにより検出するものである。
図2(a)、(b)にこの方式によるロール紙限界残量検出機構を示す。図2(a)、(b)において、10はロール紙、11はレバー、13はロール紙の巻芯の内径穴、14はセンサーであり、ロール紙10の外径が減少するのにともなってレバー11が移動し、所定の残量にまで達した時にレバー11の位置をセンサー14により検出する。
【0007】
しかしこの方式も同様に、例えば図3(a)、(b)に示すように、巻芯の厚みが厚いもの(ロール紙10a、内径穴13a)や薄いもの(ロール紙10b、内径穴13b)があった場合には検出残量が変動することとなり、重量検出方式と同様に使用するロール紙形状の制限や、指定された仕様以外のロール紙を使用した場合の検出不能や検出残量精度不良が発生していた。
【0008】
そこで上記問題点を回避するロール紙限界残量検出方法としてロール紙の外径を検出する方式が提案されている。この方式はロール紙が使用するにつれロール紙の外径が減少し、所定の用紙残量相当になった時に、レバーとセンサーにより検出するものである。この方式によれば、巻芯の材質、巻芯の厚みには左右されずロール紙限界残量を検出することができる。したがって外径検出のロール紙限界残量検出方法によれば、ユーザーは安価なロール紙や入手性の良いロール紙を選択するといったことが可能となる。
【0009】
しかしながら、外径検出による方法は、検出時にロール紙がばらけた場合には、その外径が大きくなることから検出不能となり、検出時の用紙残量がゼロまたは、ゼロに近い値となる場合が発生していた。このような状態になると顧客がレジスターで精算中に印刷が途中で中断することになり、再度印刷しなおす必要になることや、顧客を待たせて用紙を交換するなど顧客のサービスの低下を招いていた。
【0010】
また、従来のカッター刃退避機構については、カッター刃を駆動するギヤを回転させるためのギヤ又は回転部を別に設けて、ジャム等が生じた時はカッター刃駆動ギヤを反転させてカッター刃を退避させていた。従って、カッター刃を駆動するギヤを回転させるギヤ又は回転部を別に設ける為、ギヤ又は回転部を覆う部品が必要になり、価格の上昇となる。また、カッター刃を退避させるのに時間が掛かるといった問題を生じていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、ロール紙の限界残量検出方法において、重量検出の問題点は次のとおりである。
ロール紙の巻芯には、製造メーカー、製造国により多種のものが流通しており、巻芯の材質が紙製、プラスチック製、プラスチック製のうち中空のもの、中空でないもの、巻芯厚みの厚いもの、薄いものなどさまざまであり、したがって巻芯の重量がさまざまであるため、全ての巻芯に対応して一定の残量を精度良く検出することは、困難であったため、使用するロール紙巻芯の材質、形状を制限されていた。このため使用者は安価なロール紙や入手性の良いロール紙を選択するといったことが阻害されていた。また、指定された仕様以外のロール紙を使用者が使用した場合は検出不能や検出残量精度不良といった問題が発生していた。
【0012】
また、ロール紙の限界残量検出方法において、外径検出の問題点は次のとおりである。
ロール紙仕様を制限しないロール紙限界残量検出手段として、外径検出方式が提案されており、この方式の場合は巻芯の材質、厚み等を問わず使用者は安価なロール紙や入手性の良いロール紙を選択できるものとなった。しかし、外径検出の場合にはロール紙がばらけた場合には、その外径が大きくなることから検出不能となり、検出時の用紙残量が0(ゼロ)となる場合が発生していた。
【0013】
そこで、本発明では、このような問題を解決するため、外径検出の手段を用いるだけでなく、重量検出の手段も補助的に併用して使用することにより、ロール紙の限界残量の検出を精度の高いものとすることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を達成するために、本発明のロール紙を使用するプリンタ装置によれば、ロール紙を転動可能に載置するロール紙載置部と、該ロール紙載置部に載置されているロール紙を外径側から繰り出す用紙供給手段と、該用紙供給手段によりロール紙が繰り出されるにしたがって減少してゆく該ロール紙の外径を検出する外径検出手段と、ロール紙の繰り出しにしたがって減少してゆく該ロール紙の重量を検出する重量検出手段と、前記外径検出手段と前記重量検出手段のいずれかが重量又は外径が所定値以下になったことを検出した時、ロール紙が限界残量に達したことを検出するロール紙限界残量検出手段と、を具備し、
前記ロール紙載置部は、縦壁と、該縦壁に向かって下方に傾斜する底壁とを有し、該底壁上に載置されたロール紙は常時前記縦壁に接触するように維持されると共に、ロール紙の外径が減少するにしたがって該ロール紙は前記底壁上を斜め下方に移動するようにされ、
前記外径検出手段は、上側に凹部ないし切り欠きを有するレバーと、該レバーを上方へ付勢するスプリングと、前記レバーが上方へ変位したことを検出するセンサとを具備し、ロール紙の外径が前記レバーの凹部ないし切り欠きに嵌入する程度に小さくなると、該レバーが前記スプリングの力により上方へ変位するように構成され、
更に、前記レバーは、前記凹部ないし切り欠きに隣接した上面部を有し、ロール紙が前記凹部ないし切り欠きに嵌入する迄の径の大きい状態では、ロール紙の下部が該レバーの上面部に接触しており、ロール紙の重量が所定値以下になると、ロール紙がばらけてその外径が前記レバーの凹部ないし切り欠きに嵌入しない場合でも、前記スプリングの力により該レバーを上方へ変位されるように構成され、該レバーの支点をはさんで一方の側に前記スプリングが配置され、他方の側に該支点から近い側に前記縦壁が、遠い側に前記ロール紙がそれぞれ配置されていることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、ロール紙の外径が所定値以下になった時、又はロール紙の重量が所定重量以下になった時に、ロール紙が限界残量に達したものと認識するので、例えばロール紙がばらけたような場合において、ロール紙の外径が所定値以下に減少しない場合であっても限界残量に到達したものとして検出することができ、ロール紙を新たなものと交換することができる。
【0018】
このような構成によると、ロール紙の外径の検出と、重量の検出とを同一のレバーでもって行うことができ、ロール紙が限界残量に達したことを検出するロール紙限界残量検出手段を構造を簡素化することができる。
このような構成の検出方法によれば、ロール紙にばらけが発生して外径による検出が不能となっても、重量による検出が可能となるので、ロール紙限界残量がゼロとなることが回避できる。ただしロール紙のばらけが発生して重量検出となった場合の検出残量は、巻芯仕様によりばらつきのある精度の劣るものとなる。用紙残量は例えば約2mという仕様に設定した場合、各種ロール紙に対応する重量検出で検出した場合、巻芯の仕様によっては+1m、−1mとなる場合が発生する。
【0019】
しかしながら、従来の外径検出のみの場合のロール紙限界残量は、ばらけの発生しないロール紙の検出残量は約2m、ばらけの発生したロール紙の検出残量は0mとなっていたが、本構成の外径検出と重量検出を併用した方式のロール紙限界残量は、ばらけの発生しないロール紙の検出残量は約2m、ばらけの発生したロール紙の検出残量は約1m〜3mとなる。ばらけの発生した検出残量精度は悪いものの、残量が0mとなるような検出不能な状態は回避することができる。
【0020】
また、本発明の他の側面によると、プリンタ本体と、ロール紙搬送部と、用紙印字部と、用紙切断部と、少なくとも該用紙印字部及び用紙切断部を覆う開閉可能なカバーと、カバーを開放するための開放レバーとを具備する、ロール紙を使用するプリンタ装置において、開放レバーと前記用紙切断部の可動刃とを機械的に連動させ、該開放レバーのカバー開放動作により可動刃を強制的に固定刃から退避させるように構成したことを特徴とするロール紙を使用するプリンタ装置が提供される。これによると、開放レバーのカバー開放動作により可動刃が固定刃から強制的に退避されるので、カバーを開いた時に用紙のジャム等を容易に取り除くことができる。
【0021】
また、この場合において、前記カバーにプラテンを回転可能に取付け、前記印字部のサーマルヘッドをヘッドフレームに取付け、前記開放レバーと該ヘッドフレームを記載的に連動させて、該開放レバーのカバー開放動作により該ヘッドフレームのサーマルヘッドをプラテンから離すように構成したことを特徴とする。これによると、開放レバーのカバー開放動作によりサーマルヘッドがプラテンから強制的に離なされるので、用紙ジャム等を起こしても、容易にカバーを開くことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図4〜図7は本発明の第1実施形態を示し、図4はロール紙の外径が所定値まで小さくなったことを検出する状態を示し、図5はロール紙がばらけた状態となり検出不能となった場合を示し、図6はロール紙がばらけた場合でも重量の減少により残量限界が検出可能となった場合を示し、図7は本発明の第1実施形態を斜視図で示す。
【0023】
このプリンタ装置において、ロール紙10を転動可能に載置するロール紙載置部20は、縦壁21と、この縦壁21に向かって下方に傾斜する底壁22とを有し、底壁22上に載置されたロール紙10は常時縦壁21に接触するように維持される。ロール紙載置部20に載置されているロール紙は、図示しない用紙供給手段により、外径側から繰り出されて行き、徐々に外径が減少して行く。この実施形態では、縦壁21と傾斜した底壁22とは略V字形のロール紙載置部20を形成している。
【0024】
ロール紙10は繰り出されて行くにしたがって、ロール紙載置部20において転動しながら外径が徐々に減少してゆく。この場合において、ロール紙10は外径が減少して行くにしたがっては底壁22上を斜め下方に移動する。なお、図4〜6において、外径の大きな状態のロール紙を想像線で示し、外径が小さくなったロール紙を実線で示している。
【0025】
レバー23は支点23aを中心として回転可能になっていると共に、スプリング26により所定の力で上方に付勢されている。このレバー23は、ロール紙載置部20の下部付近の位置において、凹部ないし切り欠き24を有する。また、このレバー23は、凹部ないし切り欠き24に隣接する上面部25を有する。
また、スプリング26により上方へ付勢されているレバー23が、後述のように上方へ変位したことを検出するために、光センサ27が設けられている。
【0026】
ロール紙10が残り少なくなり(例えば2mなど)外径が所定以下に小さくなると、ロール紙10自体がレバー23の凹部ないし切り欠き24に嵌入する程度となる。この時、図4に示すように、レバー23はスプリング26の力により上方へ回転され、光センサ27が遮蔽されることにより、ロール紙10の残量が限界に達したことを検出する。
【0027】
ロール紙10の外径が十分大きい場合、又はロール10がばらけて外径は大きいが残量が限界に近くなった場合は、特にロール10がばらけた場合は、図5に示すように、実際の残量は少ない(例えば2mなど)にもかかわらず、外径が所定値以下には到達していないので、外径のみによるロール紙10の残量の限界を検出することは不可能となる。
【0028】
しかしながら、図6に示すように、ロール紙10の残量が更に少なくなり(例えば1mなど)、ロール紙10自体の重量が所定値以下に減少すると、ロール紙10の下部がレバー23の上面部25に接触していてロール紙10の重量により下方へ押圧されていたレバー23が、スプリング26の力により上方へ変位する。これにより、光センサ27が遮蔽されることにより、ロール紙10の残量が限界に達したことを検出する。
【0029】
スプリング26の荷重は、各種のロール紙10の巻芯の材質、厚み等を考慮して最も巻芯重量の重いものがロール紙残量が所定の量(例えば1m)の時に、スプリング26の荷重によりレバー23が回転するように設定する。
スプリング26の荷重をこのように設定しておけば、上記のようにロール紙10がばらけた場合でも、ロール紙10が残量限界(例えば1m)に達したことを検出することができる。このようにスプリング26の荷重を最も重い巻芯の場合に設定すると、上述のように、ばらけた場合の残量限界が外径による検出の場合の残量限界(例えば2m)よりも小さくなる。
【0030】
逆に、スプリング26の荷重を、ロール紙10の最も軽い巻芯の場合に設定すると、ロール紙10がばらけた場合の検出残量は、もっと重い巻き芯を使用した検出した時の残量に比べ多くなる(例えば3mなど)。
また、この時ロール紙10の残量を2m以下にはならないように設定したい場合は、スプリング26の荷重を、ロール紙10の最も重い巻芯が用紙残量2mになった時にレバー23が回転するように設定すれば良い。この時最も軽い巻芯を使用してロール紙10がばらけた場合の検出残量は例えば約4m等となる。
【0031】
図7は上述の第1実施形態を斜視図で示すものである。ロール紙10を転動可能に載置するロール紙載置部20は、前述のように略V字形(縦壁21と底壁22)であって、ロール紙10は常時、底壁22及び縦壁21に接触しておい、ロール紙10の外径が減少するにしたがってロール紙10の巻芯の中心は徐々に下降して行く。なお、図7において、23はレバー、24はレバーの凹部ないし切り欠き、25はレバーの上面部、26はスプリング、27は光センサである。構成及び作用は上述のとおりである。
【0032】
図8は本発明の第2実施形態を示すもので、上述の第1実施形態と相違する点は、レバー23の支点23a及びスプリング26の位置を逆の側に配置したことである。図8では、光センサ27はレバー23の中央部に設けられているが、レバー23の先端側、即ち支点23aと反対側に設けても良いことは勿論である。この第2実施形態においても、第1実施形態の場合と同様の作用をし、ロール紙10の限界残量をロール紙10の外径及び重量の両方で検出することができるようになっている。
【0033】
図9〜図14は本発明のロール紙を有するプリンタ装置の第3の実施形態を示すもので、図9はプリンタ全体でカバーを閉じた状態を示し、図10はカバーを開いた状態を示し、図11は図10に示したヘッドフレームの詳細を示し、図12は同ヘッドフレームを斜視図で示し、図13はカッター部を上から見た図でカッターが正常な退避動作をしている場合、図14はカッター部を上から見た図でカッターが退避できない場合を示す。これらの図において、10はロール紙、32はプラテンローラ、33はサーマルヘッド、34はカッターの可動刃、35はカッターレバー、36はカッターの固定刃、37は用紙排出部、38は上カバー、39は開放レバー、40はカッターフレームである。
【0034】
図9及び図10において、ロール紙10は、プラテンローラ32とサーマルヘッド33との間の押圧部により搬送される。サーマルヘッド33により印字された用紙10は、カッター部の可動刃34がカッターレバー35により固定刃36の側へ駆動されることにより、可動刃34と固定刃36との間に挟み込まれて切断される。
【0035】
この用紙の切断動作中にオペレータの誤操作等により、用紙排出部37をふさいだりした場合、用紙10の排出ができず、用紙ジャムとなる。この用紙ジャムによりカッター部の可動刃34が固定刃36に噛み込み、可動刃34が固定刃36から戻らなくなることがある。このようになると、可動刃34が戻らないため、上カバー38を開らいて用紙ジャムを取り除こうとしても、従来は、上カバー38が開かず対処方法がなくなる。
【0036】
その為、本発明の第3実施形態では、上カバー38の開閉を行う開放レバー39のカバー開放方向への動作に連動させて、サーマルヘッド33がプラテンローラ32から離れるように構成とすると共に、可動刃34を固定刃36から退避させる構成とする。
即ち、図10〜図13に示すように、サーマルヘッド33を搭載しているヘッドフレーム50を支点50aを中心に所定範囲で回動可能に構成し、かつ、スプリング41にて図10の反時計方向に付勢する。ヘッドフレーム50の回転可能な範囲は図示しないストッパにて規制される。ヘッドフレーム50の先端部には上カバー38を引っかけるための引っかけ部50bを設ける。
【0037】
一方、プラテンロール32を回転可能に支持する上カバー38はその一端部の支点38aを中心に回転可能で、上カバー38を閉じた時は、支点38aとは反対側の縁部38bがヘッドフレーム50の引っかけ部50bに引っ掛かって上カバー38は閉状態にロックされる。この時、上カバー38に回転可能に支持されているプラテンローラ32がヘッドフレーム50に固定支持されているサーマルヘッド33に対して押圧される位置に位置決めされる。
【0038】
上カバー38の開閉を行う開放レバー39は、ヘッドフレーム50に連動しており、開放レバー39を図の矢印A方向に移動させると、ヘッドフレーム50はスプリング41に抗して時計方向に移動して上カバー38は引っ掛け部39bから解放されて開く。この時上カバー38は図示しないスプリングにより支点38aを中心として開放位置に移動し、この開位置に維持される。上カバー38を閉じる時は、上カバー38をそのまま閉じる方向へ押圧すると、ヘッドフレーム50の引っ掛け部39bが上カバー38の縁部38bに引っ掛って上カバー38はロックされる。
【0039】
図13及び図14はカッター部と開放レバー39との位置関係を示すもので、図13はカッターが正常な退避動作をしている状態、図14はカッターが退避できない状態を示す。可動刃34の右側の刃の一部に出っ張り部34aを設け、一方の開放レバー39には、可動刃34の出っ張り部34aに引っかける突起部39aを設ける。
【0040】
図13のように、可動刃24が戻っている場合は、可動刃34の出っ張り部34aが開放レバー39の引っかけ用突起部39aから離れていて、開放レバー39の動作は可動刃24に影響を与えないが、図14のように可動刃34が固定刃36に噛み込んで戻らない場合は、可動刃34の出っ張り部34aが開放レバー39の引っかける突起部39aに近接している。この状態で、開放レバー39を上カバー38を開ける方向(矢印A方向)に移動させると、開放レバー39の引っかけ用突起部39aが可動刃34の出っ張り部34aに係合して可動刃34を強制的に固定刃36から退避させる。
【0041】
なお、可動刃34の固定刃36の側への切断動作はモータ又はソレノイド51(図9)によりカッターレバー35を介して行われる。
また、上記の第3実施形態では、カッターの固定刃34に出っ張り部34aを設けたが、カッター可動刃34を搭載するカッターフレーム40に同様の出っ張り部を設け、この出っ張り部を開放レバー39の突起部39aに引っかけて可動刃34を強制的に固定刃36から退避させるように構成してもよい。
【0042】
以上、添付図面を参照して本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の精神ないし範囲内において種々の形態、変形、修正等が可能であることに留意すべきである。
【0043】
【発明の効果】
以上に説明したような、本発明によれば、ロール紙がばらけた場合でも、所定の残量にて検出をすることができる。具体的には、従来の外径検出の場合のロール紙限界残量は、ばらけの発生しないロール紙の検出残量は約2m、ばらかの発生したロール紙の検出残量は0mとなっていたが、本考案の構成にした場合のロール紙限界残量は、ばらけの発生しないロール紙の検出残量は約2m、ばらけの発生したロール紙の検出残量は約1m〜3m(2m〜4m)となる。ばらけの発生した時の検出残量精度は悪いものの、残量が0mとなるような検出不能な状態は回避することができる。
【0044】
従って、顧客がレジで精算中に印刷が途中で中断して再度印刷しなおす必要や、顧客を待たせて用紙を交換するなど顧客のサービスの低下を防止することがきる。
また、本発明によれば、カッターの可動刃が固定刃に噛み込んだ場合における可動刃の退避機構として新たな部品を追加することなく、通常の上カバーの開閉動作と同じ動作で可動刃を固定刃から容易に退避させることができ、操作を簡単化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】重量検出方式によるロール紙の限界残量検出方法を示す。
【図2】ロール紙の内径穴検出によるロール紙の限界残量検出方法を示す。
【図3】ロール紙の厚みの厚い巻芯及び厚みの薄い巻芯をそれぞれ示す。
【図4】本発明の第1の実施形態における外径検出によるロール紙の限界残量検出の方法を示す。
【図5】同第1実施形態においてロール紙がばらけた場合を示す。
【図6】第1の実施形態においてロール紙がばらけた場合に重量検出によりロール紙の限界残量を検出する方法を示す。
【図7】本発明の第1実施形態のロール紙限界残量検出機構を斜視図で示す。
【図8】本発明の第2の実施形態のロール紙限界残量検出の方法を示す。
【図9】本発明の第3実施形態を具備するプリンタの全体構成を示す。
【図10】図9のプリンタの上カバーを開いた状態を示す。
【図11】図10に示したプリンタのヘッドフレームの詳細を示す。
【図12】同ヘッドフレームを斜視図で示す。
【図13】カッター部を上から見た図で正常な退避動作をしている場合を示す。
【図14】カッター部を上から見た図でカッターが退避できない場合を示す。
【符号の説明】
10…ロール紙
20…ロール紙載置部
21…縦壁
22…底壁
23…レバー
24…凹部ないし切り欠き
25…上面部
26…スプリング
27…光センサ
32…プラテンローラ
33…サーマルヘッド
34…カッターの可動刃
35…カッターレバー
36…カッターの固定刃
37…用紙排出部
38…上カバー
39…開放レバー
40…カッターフレーム
50…ヘッドフレーム
Claims (1)
- ロール紙を転動可能に載置するロール紙載置部と、該ロール紙載置部に載置されているロール紙を外径側から繰り出す用紙供給手段と、該用紙供給手段によりロール紙が繰り出されるにしたがって減少してゆく該ロール紙の外径を検出する外径検出手段と、ロール紙の繰り出しにしたがって減少してゆく該ロール紙の重量を検出する重量検出手段と、前記外径検出手段と前記重量検出手段のいずれかが重量又は外径が所定値以下になったことを検出した時、ロール紙が限界残量に達したことを検出するロール紙限界残量検出手段と、を具備し、
前記ロール紙載置部は、縦壁と、該縦壁に向かって下方に傾斜する底壁とを有し、該底壁上に載置されたロール紙は常時前記縦壁に接触するように維持されると共に、ロール紙の外径が減少するにしたがって該ロール紙は前記底壁上を斜め下方に移動するようにされ、
前記外径検出手段は、上側に凹部ないし切り欠きを有するレバーと、該レバーを上方へ付勢するスプリングと、前記レバーが上方へ変位したことを検出するセンサとを具備し、ロール紙の外径が前記レバーの凹部ないし切り欠きに嵌入する程度に小さくなると、該レバーが前記スプリングの力により上方へ変位するように構成され、
前記レバーは、前記凹部ないし切り欠きに隣接した上面部を有し、ロール紙が前記凹部ないし切り欠きに嵌入する迄の径の大きい状態では、ロール紙の下部が該レバーの上面部に接触しており、ロール紙の重量が所定値以下になると、ロール紙の外径が前記レバーの凹部ないし切り欠きに嵌入しない場合でも、前記スプリングの力により該レバーを上方へ変位されるように構成され、該レバーの支点をはさんで一方の側に前記スプリングが配置され、他方の側に該支点から近い側に前記縦壁が、遠い側に前記ロール紙がそれぞれ配置されている、ことを特徴とするロール紙を使用するプリンタ装置。
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