JP4632306B2 - 車両用シート - Google Patents
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このとき、頭部にも後突の慣性は作用し、頭部は重いために、頭部が後方移動すると、一旦前方移動したヘッドレストが後側に戻って、十分な頭部の支持力を得られないという課題がある。
本願は、着座者の後方移動を感知してヘッドレストを前方移動させる構成でありながら、ヘッドレストによる頭部の支持を確実にしたものである。
本発明は、ヘッドレスト6をリンク機構Lを介して背凭フレーム3に前後移動可能に取付け、前記背凭フレーム3には後突時の着座者の腰部付近の後方移動を感知する後突感知体25を設け、後突感知体25とヘッドレスト6のリンク機構Lとは、後突感知体25の後方移動によりヘッドレスト6を前方移動させて着座者の頭部を支持するように連結し、前記背凭フレーム3には、後突時に前方移動したヘッドレスト6を保持する係合片51を有する保持機構50を設け、該係合片51は、背凭フレーム3の上部に設けたブラケット58に取付軸59により回動自在に取付けて、その係合屈曲部53が、後突時に発生する慣性力が前記係合片51自体の質量に作用して前記ヘッドレスト6を取付けたヘッドレスト取付杆10に係合するように構成すると共に、前記係合片51の前側の背凭シート2のクッション材4は、少なくとも、該クッション材4の裏面87が後突時の係合片51の前板52に当接するように構成した車両用シートとしたものである。
本発明は、前記係合片51は、後突前は前記ヘッドレスト取付杆10の前面に当接し、後突後は前記ヘッドレスト取付杆10の下面に係合するように構成し、前記クッション材4の裏面87は常時係合片51の前板52に当接するように構成した車両用シートとしたものである。
本発明は、前記リンク機構Lのうち、少なくとも、前記ヘッドレスト取付杆10を前記背凭フレーム3に取付ける上側リンク15と、後突感知体25の後方移動を上側リンク15に伝達する伝動部材20は、前記背凭フレーム3の左右側部フレーム17により前記クッション材4との接触を防止するように配置構成した車両用シートとしたものである。
本発明は、前記ブラケット58の所定位置には、係合片51が当接する緩衝部材83を設けた車両用シートとしたものである。
本発明は、前記ブラケット58の取付軸59の前方位置にはカバー66を設けた車両用シートとしたものである。
請求項2の発明では、少なくとも、該クッション材4の裏面87が後突時の係合片51の前板52に当接するように構成しているので、慣性で係合位置まで回動した係合片51が反力で前側に戻るのを、クッション材4により押え、ヘッドレスト取付杆10との係合を一層確実にさせることができる。
請求項3の発明では、係合片51の前板52にクッション材4を当接させ、後突前は係合片51のガタ付きおよび異音の発生を防止し、後突時には係合片51の反力による戻り回動をクッション材4により押え、ヘッドレスト取付杆10との係合を一層確実にさせることができる。
請求項4の発明では、リンク機構Lとクッション材4の干渉を最小限に抑制し、ヘッドレストの前方移動を確実にする。
請求項5の発明では、クッション材4と共に緩衝部材83により係合片51の反力を減少させて、係合片51の係合を確実にできる。
請求項6の発明では、係合片51の回動端にはクッション材4を当接させてガタ付きおよび異音の発生を防止し、係合片51の回動機構部分はカバー66によりクッション材4との接触を防止して保持機構50のロックを確実にできる。
背凭シート2の上部にはヘッドレスト6を設ける。ヘッドレスト6の構成は任意であり、少なくとも着座者の頭部を支持する頭部支持部7と、前記背凭シート2に装着するためピラー8とを設けて構成している。
ヘッドレスト6のピラー8は左右方向のヘッドレスト取付杆10に設けたピラー支持部材11に高さ調節自在に取付ける。ピラー8とピラー支持部材11の構成は公知であり、図示は省略するが、ピラー支持部材11に設けた係合部材を所望高さに位置させたピラー8に形成した係合凹部に選択的に係合させて保持すればよい。
この場合、上側リンク杆15は、回動軸16より上側を上リンクアーム部22に形成し、回動軸16より下側を下リンクアーム部23に形成し、上リンクアーム部22と下リンクアーム部23は逆「く」の字形状に形成し、下リンクアーム部23よりも上リンクアーム部22を長く形成する。また、上側リンク杆15は、下リンクアーム部23が回動軸16を基準に下方に至るに従い前側に位置するように、傾斜させて取付ける。
この場合、後突感知体25が後方移動すると、下側リンク26は伝動部材20を下方に牽引し、伝動部材20は上側リンク杆15の下部を下方回動させ、上側リンク杆15の上部は前方回動してヘッドレスト6を前方移動させる。
したがって、上側リンク杆15は、前記後突感知体25に移動量を増幅させてヘッドレスト6を前方移動させ、ヘッドレスト6の移動量を十分に確保でき、着座者の頭部の支持を確実にする。
しかして、背凭シート2の背凭フレーム3には、板状支持材30を設ける。板状支持材30は着座者の上体(腰部を含む上半身)を支持するものである。板状支持材30は着座者の上体を「面」で支持して、着座姿勢を安定させ、ヘッドレスト6による頭部の支持を良好にさせる。
前記板状支持材30は、略四角形の一枚板状のプレート体31により形成し、プレート体31は、ポリプロピレン等の合成樹脂により、着座者を支持しうる所定の強度を有しつつ、着座者からの後方荷重(体重の場合も含む)を受けたときある程度弾性変形しながら荷重支持するように構成すると、所謂「当たり」と呼ばれる背当たり時の感触を柔軟にできて、好適である。
この場合、前記ワイヤスプリング32は、所定の弾性を有しており、プレート体31に荷重が掛かったときに、プレート体31全体が面形状を保持したまま後方移動しうるように構成する。
しかして、前記プレート体31の上縁は、中央部が低い円弧形状の上側円弧部33に形成し、上側円弧部33は平均的着座者の第九胸椎付近Cより上方に位置させる。
この場合、ワイヤスプリング32のうち上側ワイヤスプリング32Aは、第九胸椎付近Cよりやや下方に位置させ、第九胸椎付近Cより斜め後側下方に掛かる荷重を支持するようにすると、一層、着座者の上体を有効に支持できて、好適である。
しかして、前記上側円弧部33を有するプレート体31の上側部分34の上側側縁35は、略直線状に形成して、上側部分34が略同一の左右幅を有するように形成する。これにより、上側部分34は着座者の上体を面状態で支持できる。
この場合、プレート体31のプレート中間部分36の後方に、後突感知体25を位置させる。
即ち、背凭フレーム3に板状支持材30を設けたことで、板状支持材30の上端から下端の何れかの部分の後方に後突感知体25を設ければ後突を感知できるようになる点、板状支持材30のプレート中間部分36は後方移動量が大きく後突のとき後突感知体25を大きく移動させて確実に後突を感知できる点、また、後突感知体25を上方に設けてしまうと、板状支持材30の上方部分を所定量後方移動させることになって、着座者の上体の支持が不足してしまう点等の理由から、プレート中間部分36の後方に後突感知体25を位置させる。
しかして、プレート中間部分36の下方のプレート体31の下側部分40は、左右両側に夫々側方に突き出る腸骨支持部41を形成し、腸骨支持部41より下側は下方に至るに従い幅狭の円弧形状の下側円弧部42に形成し、左右の下側円弧部42の合流部に下側に突き出る仙骨支持部43を形成する。
即ち、骨盤の上部を形成する腸骨R部分近傍を腸骨支持部41により支持することで着座者の腰部を確実にホールドするようにしている。
同様に、着座者の仙骨S部分近傍を仙骨支持部43により支持することで着座者の腰部を確実にホールドする。
しかして、ワイヤスプリング32のうち下側ワイヤスプリング32Bは、前記腸骨支持部41よりも上側であって中間円弧部37の最幅狭部分より下方に位置させると、着座者の腰部を有効に支持できて、好適である。
また、骨盤・仙骨近傍に下側ワイヤスプリング32Bを設けているので、後突のときには板状支持材30の下側部分が「面」となって一体的に後方移動し、これにより後突感知体25を確実に後方移動させて、後突の感知を確実にする作用も期待している。
また、ワイヤスプリング32の左右中間部は、屈曲部44の所定部分を係止具45等の任意の構成により板状支持材30に固定する。
即ち、バネ18は上リンクアーム部22を下方回動させるように付勢し、バネ19は下側リンク26を下方回動させるように付勢する。
そして、ヘッドレスト6と背凭フレーム3との間には、後突時に頭部を支持するために前方移動したヘッドレスト6を、その位置に保持する保持機構50を設ける。
前記係合片51は、前板52の上部を後側に屈曲させて屈曲係合部53に形成し、前板52の左右側縁には側板54を一体状に設け、左右の側板54にウエイト部55を設ける。ウエイト部55は、回動中心より離れた部分の係合片51を重くして、後突のときの係合片51の回動の慣性力を大きくし、作動を確実にするものである。実施例のウエイト部55は、左右の側板54の後縁には側方に突出するように設け、所謂プレス加工を容易にして、コスト低くしているが、側板54に重なるように前方に向けて折り曲げる等、形状および構造は任意である。
側板54の下部は前記前板52より下方に突出させ、取付脚部57に形成する。取付脚部57は、ブラケット58に取付軸59により回動自在に取付ける。取付脚部57には、前記取付軸59を挿通する挿通孔60を形成し、該挿通孔60の周囲にはブラケット58に向けて突き出る環状当接部61を形成し、環状当接部61をブラケット58に当接させる。
そして、係合片51とブラケット58とカバー66とを位置決め突起64により正確に取付けたステー62は、ボルト等の止着具82により背凭フレーム17の上部フレーム63に固定する(図8、図10)。
しかして、ヘッドレスト取付杆10は断面丸形状に、係合片51の屈曲係合部53も略同径の曲率の円弧形状に夫々形成すると、係合片51の戻り回動を防止して、ヘッドレスト取付杆10と係合片51とのロックを確実にでき、好適である。
しかして、係合片51は、後突時にはヘッドレスト取付杆10の下面に係合し、ヘッドレスト6の着座者の頭部支持状態を保持する(図14)が、後突以外では復帰するように構成する。
即ち、加速を伴わずにヘッドレスト取付杆10が静的に上動した場合、ヘッドレスト取付杆10の下面に係合片51の屈曲係合部53が係合させないようにする。
つまり、加速を伴わずにヘッドレスト取付杆10が静的に上動した場合、ヘッドレスト取付杆10の下面に係合片51の屈曲係合部53が係合すると、保持機構50はロック状態となって、ヘッドレスト6が戻るのを規制してしまうので、通常時の加速を伴なわない静的に上動したヘッドレスト取付杆10を、そのまま下降(元の位置への復帰)させるために、屈曲係合部53がヘッドレスト取付杆10の下面より退避した復帰位置に、復帰用バネ67で付勢するのである。
しかして、前記取付軸59には係合片51の当接面56がヘッドレスト取付杆10に弾接するように付勢する弾接用バネ68を設ける。弾接用バネ68は、復帰用バネ67より強い弾力により係合片51を後方回動するように付勢し、係合片51の当接面56をヘッドレスト取付杆10に常時当接させて異音の発生を防止する(図11)。
係合片51は、係合片51自体の質量に作用する慣性力により回動して屈曲係合部53がヘッドレスト取付杆10に係合するから、本来、保持機構50は弾接用バネ68なくても成立するが、弾接用バネ68を設けることにより、係合片51の当接面56をヘッドレスト取付杆10の下面以外に常時当接させて異音の発生を防止する。
係合片51の前板52の下縁には後側に屈曲させてバネ係止板部70に形成し、バネ係止板部70には復帰用バネ67の上端が常時係合する復帰バネ係合溝71を形成する。また、バネ係止板部70には前後方向の長孔形状のバネ係合孔72を形成し、該バネ係合孔72に弾接用バネ68の上端が所定長さ突出するように挿入して(図8、図11)、バネ係合孔72の内周面に弾接用バネ68を係合させる。
また、復帰用バネ67の下端は、任意の固定部係止すればよいが、実施例では、復帰用バネ67の下端は弾接用バネ68の下端に係合させて、簡素な構成としている。
したがって、バネストッパ75は、後突時の慣性(加速を伴う荷重)以外の作用によりヘッドレスト取付杆10が上動したとき、係合片51の屈曲係合部53がヘッドレスト取付杆10の下面に係合するのを防止するものである。
係合片51は、後突時、係合片51自体の質量に作用する慣性で係合位置に向けて回動するから、所定位置以降での弾接用バネ68の弾力は不要となり、一方、加速を伴わずに静的に上動したヘッドレスト取付杆10の下降(元の位置への復帰)を許容するために、復帰用バネ67により復帰可能位置(図12仮想線)に向けて付勢し、この復帰用バネ67の作用を疎外させないために、バネストッパ75を設けて、弾接用バネ68の弾力を所定位置で非作用状態にしている。
したがって、係合片51が弾接用バネ68の弾力により後方回動しても、復帰可能位置まで回動すると、弾接用バネ68がバネストッパ75により不作用状態になり、弾接用バネ68に代わって復帰用バネ67の弾力により係合片51は前側に戻され、弾接用バネ68と復帰用バネ67の双方の弾力により復帰可能位置に保持される(図12仮想線)。
しかして、係合片51の屈曲係合部53の左右中央位置には透孔76を形成し(図8)、透孔76にバネ計り等の測定具(図示省略)を取付けて復帰用バネ67および弾接用バネ68の弾力を測定し、正常に作動するか試験する。
また、係合片51の側板54には透孔77を設け、係合片51の重心位置の測定を行う(図7)。また、ステー62の所定位置には、係合片51が当接したときの反動を吸収する緩衝部材83を設ける(図10、図11)。緩衝部材83は、フェルト、ウレタンスラブ、ゴム材等の弾性部材により形成し、後突時の慣性により後方回動した係合片51がステー62に当接したときの衝撃で前方に戻るのを防止する。
この場合、左右側部フレーム40は、その一部または全部を縦長で前後方向の板部材により断面「コ」字形状に形成して、左右側部フレーム40の内側に前記上側リンク15および下側リンク31並びに伝動部材20を配置すると、左右側部フレーム40がカバーとなってリンク機構15、31とクッション材4との接触(干渉)を防止し、作動を確実にする。
一方、係合片51の前側のクッション材4は、クッション材4の裏面87が係合片51の前板52に当接するように構成する(図15)。
クッション材4の裏面87を係合片51の前板52に当接させることで、後突により後方移動する着座者の背によってクッション材4が、慣性で係合位置まで回動した係合片51の反力による前側への戻りを押え、ヘッドレスト取付杆10との係合を確実にさせる(図16)。
この場合、少なくとも、後突時に、クッション材4の裏面87が係合片51の前板57に当接すればよいが、後突前にも係合片51の前板52にクッション材4を当接させると、後突前の係合片51のガタ付きおよび異音の発生を防止でき、好適である。
背凭シート2の背凭フレーム3には板状支持材30を設け、板状支持材30は略四角形の一枚板状に形成したプレート体31をワイヤスプリング32を介して背凭フレーム3に前後移動自在に取付けて構成しているから、板状支持材30は、保持したまま前後移動して着座者を支持する。
また、板状支持材30のプレート体31は略四角形の一枚板状に形成しているから、プレート体31の所定部分にのみ掛かる荷重も、プレート体31全体が後方に移動することで上下左右に荷重を分散させ、確実に支持する。
即ち、例えば、上下にプレート体31を分割して形成すると、上下のプレート体31の間の部分に荷重が掛かったとき、上下のプレート体31は夫々回転して荷重を確実に支持できないことがあるが、本願は、略四角形の一枚板状のプレート体31により板状支持材30を形成しているので、上下中間に掛かる荷重も板状支持材30全体により確実に受け止めて支持する。
したがって、ヘッドレスト6は上側リンク杆15により前方回動して頭部を支持し、むち打ち症防止効果を奏する。
しかも、プレート体31は、背凭フレーム3に前後移動可能に取付けられているから、プレート体31と後突感知体25の移動方向は同じとなって、後突による慣性力により後側に押されたプレート体31は、そのまま、後突感知体25を確実に後方移動させて、衝撃による慣性を感知する。
したがって、板状支持材30による着座者の支持と、後突感知体25による後突の感知の確実性とを両立させることができ、合理的構成となる。
したがって、むち打ち症防止効果を、一層、確実に奏する。
保持機構50は、係合片51は取付軸59により回動自在に設けて構成しているから、リンク機構Lによりヘッドレスト取付杆10が前方移動すると、係合片51がヘッドレスト取付杆10の下面に係合する。
一方、後突感知体25およびリンク機構Lの作用によりヘッドレスト取付杆10が斜め上方に移動するから、後方回動した係合片51の屈曲係合部53は後突前の元々あったヘッドレスト取付杆10の位置の下方の係合位置に位置する。
そして、一旦上動して係合片51の屈曲係合部53を通過させたヘッドレスト取付杆10の下面は頭部により押されて下がることにより係合片51の屈曲係合部53に係合し、そのまま、係合片51はヘッドレスト6の着座者の頭部支持状態を保持する(図14)。
この場合、ヘッドレスト取付杆10は断面丸形状に、係合片51の屈曲係合部53も略同径の曲率の円弧形状に夫々形成しているから、ヘッドレスト取付杆10の下面に係合片51の屈曲係合部53が係合すると、係合片51の戻り回動を防止して、ヘッドレスト取付杆10と係合片51とのロックを確実にする。
しかして、背凭シート2は、背凭フレーム17にクッション材4を設け、クッション材4の外周を表皮86により被覆しており、係合片51の前側のクッション材4は、クッション材4の裏面87が係合片51の前板52に当接するように構成しているから、自らに作用する慣性で係合位置まで回動した係合片51が反力で元の前側に戻るのを、クッション材4により押え、ヘッドレスト取付杆10との係合を一層確実にさせる(図16)。
また、クッション材4の裏面87を係合片51の前板52に当接させているから、後突前の係合片51のガタ付きおよび異音の発生を防止でき、好適である。なお、クッション材4が係合片51を後側に押すが、係合片51は元々自らの質量に作用する慣性で回動しており、この反力を消すための押圧力は僅かであること、また、ヘッドレスト取付杆10およびピラー6の支持部材11は、後突感知体25を押す荷重により前方移動することから、後突時のヘッドレスト取付杆10およびピラー6の支持部材11の前方移動に対する前記クッション材4が係合片51を押すことの影響はない。
また、理解を容易にするために図15および図16ではヘッドレスト取付杆10および支持部材11を鎖線により図示しているが、これにより、構成は限定されない。
しかし、ヘッドレスト取付杆10の下面に係合片51の屈曲係合部53が係合する前であれば、上動したヘッドレスト取付杆10(ヘッドレスト6)は元の位置に復帰する。
即ち、取付軸59には復帰用バネ67を設け、復帰用バネ67は、係合片51の屈曲係合部53が復帰可能位置に起立するように付勢しているから、加速を伴わずにヘッドレスト取付杆10が静的に上動した場合、復帰用バネ67は屈曲係合部53がヘッドレスト取付杆10の下面から離脱(退避)する方向に回動するように付勢し、静的に上動したヘッドレスト取付杆10(ヘッドレスト6)は元の位置に復帰させることができる。
しかして、前記取付軸59には係合片51の当接面56がヘッドレスト取付杆10に弾接するように付勢する弾接用バネ68を設けているから、係合片51の当接面56はヘッドレスト取付杆10に常時当接して異音の発生を防止する。
また、取付軸59に設けた復帰用バネ67は常時係合片51を元の位置に戻すように作用しており、弾接用バネ68の弾力がバネストッパ75により係合片51に不作用状態になると、係合片51は復帰用バネ67の弾力により戻されて、弾接用バネ68と復帰用バネ67の双方の弾力により復帰可能位置に保持される(図12仮想線)。
また、係合片51の当接面56はヘッドレスト取付杆10の正面に当接しているが、弾接用バネ68の弾力の作用方向とヘッドレスト取付杆10の前方移動方向とは交差方向となるため、弾接用バネ68の弾力はヘッドレスト取付杆10の前方移動に影響しない。
しかして、弾接用バネ68の下端は、ブラケット58に設けた溝形状の固定側バネ係止部69に係合させ、弾接用バネ68の上端は係合片51のバネ係止板部70のバネ係合孔72に移動自在に挿入係合させているから、弾接用バネ68の上端はバネ係合孔72の内周面に係合して、係合片51を後方回動するように付勢するが、係合片51が後方回動(後突時を含む)するときには弾接用バネ68はバネ係合孔72内を相対移動して、係合片51の後方回動に干渉しない。
この場合、バネ係止板部70は、前板52の下縁を後側に屈曲させて板状に形成しているから、弾接用バネ68の上端の突出方向に対して交差方向となるので、弾接用バネ68とバネ係合孔72との係合が確実に行われ、合理的な構成となる。
また、バネ係止板部70は、プレス加工によりに形成できるから、構成が簡素となり、安価に製造できる。
また、弾接用バネ68はバネ係合孔72の後側内周縁と係合して作用し、バネストッパ75に弾接用バネ68が当接すると、回動片51の回動に干渉しないようにバネ係合孔72を前後に長く形成しているから、弾接用バネ68の上端をバネ係合孔72内に挿入するのが容易に行える。
しかして、係合片51は、係合片51自体の質量に作用する慣性力により回動して屈曲係合部53に係合するようにしているが、係合片51の左右の側板54の後縁には側方に突出するウエイト部55を設けているから、クッション材4により係合片51の前板52に当接するようにしても、取付軸59から離れた部分を重くでき、また、ブラケット58やステー62クッション材4とも干渉しない部分にウエイト部55を設けられるので、ウエイト部55の大きさの制約も少なく、設計の自由度が向上する。
また、係合片51は、環状当接部61をブラケット58に接触させて取付けられるから、係合片51とブラケット58との間の隙間を小さくでき、異音の発生を防止する。
なお、係合片51の取付脚部57とブラケット58との位置関係は、内外の何れでもよく、ブラケット58に面する取付脚部57にブラケット58に向けて突出するように環状当接部61を設ければよい。
しかして、ステー62の所定位置には緩衝部材83を設けているから、係合片51が後突時の慣性により後方回動してステー62に当接しても、その衝撃を緩衝部材83が吸収しするので、クッション材4による係合片51の押付と相俟って、反動による係合片51の戻りを防止して、ヘッドレスト取付杆10と確実に係合して、ロックする。
Claims (6)
- ヘッドレスト6をリンク機構Lを介して背凭フレーム3に前後移動可能に取付け、前記背凭フレーム3には後突時の着座者の腰部付近の後方移動を感知する後突感知体25を設け、後突感知体25とヘッドレスト6のリンク機構Lとは、後突感知体25の後方移動によりヘッドレスト6を前方移動させて着座者の頭部を支持するように連結し、前記背凭フレーム3には、後突時に前方移動したヘッドレスト6を保持する係合片51を有する保持機構50を設け、該係合片51は、背凭フレーム3の上部に設けたブラケット58に取付軸59により回動自在に取付けて、その係合屈曲部53が、後突時に発生する慣性力が前記係合片51自体の質量に作用して前記ヘッドレスト6を取付けたヘッドレスト取付杆10に係合するように構成すると共に、前記係合片51の前側の背凭シート2のクッション材4は、該クッション材4の裏面87が係合片51の前板52に当接するように構成した車両用シート。
- ヘッドレスト6をリンク機構Lを介して背凭フレーム3に前後移動可能に取付け、前記背凭フレーム3には後突時の着座者の腰部付近の後方移動を感知する後突感知体25を設け、後突感知体25とヘッドレスト6のリンク機構Lとは、後突感知体25の後方移動によりヘッドレスト6を前方移動させて着座者の頭部を支持するように連結し、前記背凭フレーム3には、後突時に前方移動したヘッドレスト6を保持する係合片51を有する保持機構50を設け、該係合片51は、背凭フレーム3の上部に設けたブラケット58に取付軸59により回動自在に取付けて、その係合屈曲部53が、後突時に発生する慣性力が前記係合片51自体の質量に作用して前記ヘッドレスト6を取付けたヘッドレスト取付杆10に係合するように構成すると共に、前記係合片51の前側の背凭シート2のクッション材4は、少なくとも、該クッション材4の裏面87が後突時の係合片51の前板52に当接するように構成した車両用シート。
- 請求項1または請求項2において、前記係合片51は、後突前は前記ヘッドレスト取付杆10の前面に当接し、後突後は前記ヘッドレスト取付杆10の下面に係合するように構成し、前記クッション材4の裏面87は常時係合片51の前板52に当接するように構成した車両用シート。
- 請求項1または請求項2または請求項3において、前記リンク機構Lのうち、少なくとも、前記ヘッドレスト取付杆10を前記背凭フレーム3に取付ける上側リンク15と、後突感知体25の後方移動を上側リンク15に伝達する伝動部材20は、前記背凭フレーム3の左右側部フレーム17により前記クッション材4との接触を防止するように配置構成した車両用シート。
- 請求項1または請求項2または請求項3または請求項4において、前記ブラケット58の所定位置には、係合片51が当接する緩衝部材83を設けた車両用シート。
- 請求項5において、前記ブラケット58の取付軸59の前方位置にはカバー66を設けた車両用シート。
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