JP2006273235A - 車両用シート - Google Patents
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Abstract
【構成】 背凭フレーム16には、復帰用バネ67により付勢された係合片51を設ける。係合片51は、後突に生じる慣性によりバネ67の弾力に抗して変位してヘッドレスト取付杆10に係合してヘッドレスト3を前方移動位置に保持する。係合片51は弾接用バネ68の付勢により、通常時は、ヘッドレスト取付杆10の前面に当接する。弾接用バネ68は、バネストッパ75に当接すると付勢を停止させる。弾接用バネ68の一端をブラケット58の固定側バネ係止部69に係合させる。弾接用バネ68の他端は自由端に形成して前記係合片51の前板52の下縁に設けた板状のバネ係止板部70の長孔形状のバネ係合孔72内に挿入させて所定長さ突出するようにした車両用シート。
【選択図】 図11
Description
このとき、頭部にも後突の慣性は作用し、頭部は重いために、頭部が後方移動すると、一旦前方移動したヘッドレストが後側に戻って、十分な頭部の支持力を得られないという課題がある。
本願は、着座者の後方移動を感知してヘッドレストを前方移動させる構成でありながら、ヘッドレストによる頭部の支持を確実にしたものである。
本発明は、前記係合片51のバネ係止板部70には復帰用バネ67の一端が係合する復帰バネ係合溝71を設け、復帰用バネ67の他端は屈曲させて弾接用バネ68の下端に係合させて係止した車両用シートとしたものである。
本発明は、前記ブラケット58の所定位置には、係合片51が当接する緩衝部材83を設けた車両用シートとしたものである。
本発明は、前記係合片51の屈曲係合部53の左右中央位置には復帰用バネ67および弾接用バネ68の弾力を測定する測定具を装着しうる透孔76を形成した車両用シートとしたものである。
本発明は、前記係合片51の側板54には、係合片51の重心位置の測定を行う透孔77を設けた車両用シートとしたものである。
請求項2の発明では、復帰用バネ67の係止構成を簡素にできる。
請求項3の発明では、係合片51の慣性による後方回動を停止させるときの反発力を緩衝部材により吸収でき、係合片51とヘッドレスト取付杆10との係合を確実にできる。
請求項4の発明では、係合片51の慣性による後方回動を簡単に確認できる。
請求項5の発明では、係合片51の取付精度を簡単に確認できる。
ヘッドレスト3のピラー6はヘッドレスト取付杆10に設けた支持部材11に高さ調節自在に取付ける。ピラー6と支持部材11の構成は公知であり、図示は省略するが、ピラー6に形成した係合凹部に支持部材11に設けた係合部材を係合させて保持すればよい。
ヘッドレスト取付杆10の左右両側は、ヘッドレスト3を前後に移動させる上側リンク15を介して背凭フレーム16に取付ける。
上側リンク15は、上側リンク15の一部を構成する上下に長い第一リンク杆17の上部を前記ヘッドレスト取付杆10の左右両端に夫々に固定し、第一リンク杆17の上下中間部はアーム18の先端に軸19より取付ける。アーム18の基部は背凭フレーム16の左右両側の上部に設けたブラケット20に軸21により回動自在に夫々取付ける。
以上のように、前記上側リンク15は、第一リンク杆17とアーム18と第二リンク杆23により構成している。
前記第二リンク杆23の他端には伝動部材(ロッド)27の上部を軸28により連結する。
前記第一リンク杆17の下部には、一端を背凭フレーム16側に係止したバネ29の他端を係止し、ヘッドレスト3が常時後側に位置するように上側リンク15を付勢する。
しかして、背凭フレーム16には、後方から衝突された着座者の後方移動により後方移動する前後移動体30を設ける。前後移動体30は、その両側を前記背凭フレーム16に設けた下側リンク31の一端に連結し、下側リンク31の他端には前記伝動部材27の下部を連結し、着座者の後方移動により前後移動体30が後方移動すると、このエネルギーが下側リンク31と伝動部材27を介して上側リンク15に伝達され、上側リンク15はこれによりヘッドレスト3を前方移動させ、着座者の頭部を支持する。
したがって、上側リンク15は、前記前後移動体30に移動量を増幅させてヘッドレスト3を前方移動させ、ヘッドレスト3の移動量を十分に確保でき、着座者の頭部の支持を確実にする。
また、前記下側リンク31のベルクランク32は、その上下中間部を左右側部フレーム40に設けた下部ブラケット35に軸36により軸着し、ベルクランク32の上端は伝動部材27の下部に軸37により軸着し、ベルクランク32の下端には前後移動体30の左右側を夫々軸38により取付ける。
前後移動体30の左右側には、夫々一端を背凭フレーム16側に係止したバネ39の他端を係止し、前後移動体30が常時前側に位置するように付勢する。
したがって、左右の左右側部フレーム40の間には、着座者の背と略平行な面状の前記前後移動体30が位置するだけであり、着座者に着座時の違和感あるいは不快感を与えない。
この場合、左右側部フレーム40は、その一部または全部を縦長で前後方向の板部材により形成し、前記上側リンク15および下側リンク31並びに伝動部材27を内側に配置すると、左右側部フレーム40がカバーとなってリンク機構15、31とクッション材(図示省略)との接触(干渉)を防止し、作動を確実にする。
しかして、ヘッドレスト3と背凭フレーム16との間には、後突時に頭部を支持するために前方移動したヘッドレスト3を、その位置に保持する保持機構50を設ける。
前記係合片51は、前板52の上部を後側に屈曲させて屈曲係合部53に形成し、前板52の左右側縁には側板54を一体状に設け、左右の側板54にウエイト部55を設ける。ウエイト部55は、回動中心より離れた部分の係合片51を重くして、後突のときの係合片51の回動の慣性力を大きくし、作動を確実にするものである。実施例のウエイト部55は、左右の側板54の後縁には側方に突出するように設け、所謂プレス加工を容易にして、コスト低くしているが、側板54に重なるように前方に向けて折り曲げる等、形状および構造は任意である。
前記係合片51には前記ヘッドレスト取付杆10の前面に当接する当接面56を設ける。当接面56は、側板54の後縁または前記ウエイト部55の何れか一方あるいは両方が、前記ヘッドレスト取付杆10の前面に当接するようにすればよい。
しかして、ブラケット58は取付軸59によりカバー66を取付ける。係合片51とブラケット58とカバー66は、取付軸59により一体状に組立てられる(図10)。カバー66の左右腕部66Aはステー62に固定する。ステー62の左右両側には一対の位置決め用の位置決め突起64を設け、該位置決め突起64には前記カバー66の腕部66Aに設けた係合溝65を係合させる。ステー62には一対の取付孔80を形成し、一方の取付孔80Aは正円に、他方の取付孔80Bは左右方向に長い長孔に夫々形成する。背凭フレーム16の上部フレーム63には一対の正円の挿通孔81を形成する。
そして、係合片51とブラケット58とカバー66とを位置決め突起64により正確に取付けたステー62は、ボルト等の止着具82により背凭フレーム16の上部フレーム63に固定する(図10)。
しかして、係合片51は、後突時、後突感知体25およびリンク機構Lの作用でヘッドレスト取付杆10を移動(上動)させる慣性力と同様な後突時の慣性力が係合片51自体の質量に作用して、ヘッドレスト取付杆10が元にあった位置に向けて後方回動する。
そして、一旦、上動したヘッドレスト取付杆10は、後突時の慣性による頭部の後方移動の荷重を受けて元の位置に戻ろうとするが、係合片51の屈曲係合部53がヘッドレスト取付杆10の下面に係合し、そのまま、ヘッドレスト3の着座者の頭部支持状態を保持する(図16)。
ブラケット58に軸装した取付軸59には復帰用バネ67を設ける。復帰用バネ67は屈曲係合部53がヘッドレスト取付杆10に係合しない復帰位置(図14の仮想線)に位置するように、係合片51を付勢する。
つまり、加速を伴なわずに上動したヘッドレスト取付杆10は、屈曲係合部53に係合せずに、係合片51の当接面56に当接して下降し、係合片51は元の初期位置に復帰するようにする(図14から図13)。
この場合、屈曲係合部53は前下がり傾斜に、当接面56は後下がり傾斜に夫々形成し、屈曲係合部53と当接面56の境界を死点Mとし(図14仮想線)、この死点M位置がヘッドレスト取付杆10の下方を後側に越えると、所謂死点越えとなって、係合片51とヘッドレスト取付杆10とは互いにロックし(図16)、死点を越えない場合は、復帰可能位置となってヘッドレスト取付杆10の元の位置へ復帰を許容する(図14)。
しかして、前記取付軸59には係合片51の当接面56がヘッドレスト取付杆10に弾接するように付勢する弾接用バネ68を設ける。弾接用バネ68は、復帰用バネ67より強い弾力により係合片51を後方回動するように付勢し、係合片51の当接面56をヘッドレスト取付杆10に常時当接させて異音の発生を防止する(図13)。
係合片51は、係合片51自体の質量に作用する慣性力により回動して屈曲係合部53に係合するため、本来、保持機構50は弾接用バネ68なくても成立するが、弾接用バネ68を設けることにより、係合片51の当接面56をヘッドレスト取付杆10に常時当接させて異音の発生を防止する。
弾接用バネ68は下端をブラケット58に設けた溝形状の固定側バネ係止部69に係合させ、弾接用バネ68の上端は係合片51に係止する。
また、復帰用バネ67の下端は、任意の固定部係止すればよいが、実施例では、復帰用バネ67の下端は弾接用バネ68の下端に係合させて、簡素な構成としている。
しかして、ブラケット58には、弾接用バネ68の上端が当接するバネストッパ75を設ける。バネストッパ75は、係合片51の当接面56がヘッドレスト取付杆10に弾接するように付勢している弾接用バネ68の弾接作用を所定位置で非作用状態にするものであり、後突時の慣性(加速を伴う荷重)以外の作用によりヘッドレスト取付杆10が上動したとき、係合片51の屈曲係合部53がヘッドレスト取付杆10の下面に係合するのを防止するものである。
そのため、バネストッパ75は、係合片51の屈曲係合部53がヘッドレスト取付杆10の下面に当接係合する位置よりも手前で、弾接用バネ68の上端が当接するようにして、弾力を非作用状態にする。
つまり、係合片51の回動時の死点位置と、弾接用バネ68がバネストッパ75に当接する位置とを略一致させて(図15)、通常はバネストッパ75により弾接用バネ68が係合片51の死点を越える回動に作用するのを防止して、ヘッドレスト取付杆10と係合片51とのロックを回避して復帰可能にしている。
しかして、係合片51の屈曲係合部53の左右中央位置には透孔76を形成し(図10)、透孔76にバネ計り等の測定具(図示省略)を取付けて復帰用バネ67および弾接用バネ68の弾力を測定し、正常に作動するか試験する。
また、係合片51の側板54には透孔77を設け、係合片51の重心位置の測定を行う(図9)。
ヘッドレスト3のピラー6を支持する支持部材11をヘッドレスト取付杆10に固定し、ヘッドレスト取付杆10の左右両側は夫々第一リンク杆17の上部に固定する。
各第一リンク杆17は上下中間部をアーム18の先端に軸19より取付け、アーム18の基部は背凭フレーム16のブラケット20に軸21により回動自在に取付け、第一リンク杆17の下部は、第二リンク杆23の一端に軸24により軸し、第二リンク杆23はブラケット20に軸25により回動自在に取付ける。
この場合、アーム18と第二リンク杆23をブラケット20に取付け、このアーム18と第二リンク杆23に、ヘッドレスト取付杆10に取付けた第一リンク杆17を取付けると、所謂ユニットに構成でき、組立てのみならず保管等の汎用性を向上させられる。
しかして、後方から衝撃を受けて慣性で着座者が後方へ移動すると、前後移動体30が後方移動し、前後移動体30の後方移動により下側リンク31が回動して伝動部材27を下方に牽引し、伝動部材27は第二リンク杆23の軸28を下方回動させ、第二リンク杆23は軸24を上方回動させて第一リンク杆17の下部を押し上げるように作用し、第一リンク杆17は軸19が押し上げられるときアーム18により軸21中心に円移動し、ヘッドレスト3は軸21中心に前方移動する。
したがって、ヘッドレスト3は上側リンク15により前方回動して頭部を支持し、むち打ち症防止効果を奏する。
しかして、下側リンク31は所謂ベルクランク32により形成し、該ベルクランク32および前記上側リンク15の各部材は板状に形成し、夫々、前記背凭フレーム16の左右側部フレーム40に取付けて配置しているから、左右の左右側部フレーム40の間には前記前後移動体30が位置するだけであり、着座者に着座時の違和感あるいは不快感を与えない。
しかして、前記上側リンク杆15および下側リンク26は、バネ18およびバネ19によりヘッドレスト6が常時後方移動するように、付勢されている。
本願では、ヘッドレスト6と背凭フレーム3との間には、後突時に頭部を支持するために前方移動したヘッドレスト6を、その位置に保持する保持機構50を設けているから、後突時の前方移動したヘッドレスト6は保持機構50によりそのまま保持され、確実に頭部を支持する。
したがって、むち打ち症防止効果を、一層、確実に奏する。
しかして、保持機構50は、係合片51は取付軸59により回動自在に設けられているから、リンク機構Lによりヘッドレスト取付杆10が前方移動すると、係合片51がヘッドレスト取付杆10の下面に係合する。
一方、後突感知体25およびリンク機構Lの作用によりヘッドレスト取付杆10が斜め上方に移動するから、慣性および弾接用バネ68の弾力によりヘッドレスト取付杆10の前面に当接していた係合片51は回動を開始して、屈曲係合部53は後突前の元々あったヘッドレスト取付杆10の位置の下面に向かって回動し、その結果、図15の係合位置に係合片51の屈曲係合部53が位置する。
また、このとき、着座者の背部が後突感知体25を押すのと同時に、頭部も後方移動し、後方移動する頭部は、ヘッドレスト6を後方移動させるので、一旦上動して係合片51の屈曲係合部53を通過させたヘッドレスト取付杆10の下面は頭部により押されて下がることにより係合片51の屈曲係合部53に係合し、そのまま、係合片51はヘッドレスト6の着座者の頭部支持状態を保持する(図16)。
したがって、取付軸59により回動自在に係合片51を設けるだけで、移動したヘッドレスト取付杆10に係合片51が係合するように構成でき、保持機構50を簡素に構成することができる。
この場合、屈曲係合部53は前下がり傾斜に、当接面56は後下がり傾斜に夫々形成し、屈曲係合部53と当接面56の境界を死点としているから(図14)、屈曲係合部53が係合すると、所謂死点越えとなって、係合片51とヘッドレスト取付杆10とは互いにロックする。
そして、ヘッドレスト取付杆10は断面丸形状に、係合片51の屈曲係合部53も略同径の曲率の円弧形状に夫々形成しているから、ヘッドレスト取付杆10の下面に係合片51の屈曲係合部53が係合すると、係合片51の戻り回動を防止して、ヘッドレスト取付杆10と係合片51とのロックを確実にする。
しかし、ヘッドレスト取付杆10の下面に係合片51の屈曲係合部53が係合する前であれば、上動したヘッドレスト取付杆10(ヘッドレスト6)は元の位置に復帰する。
即ち、取付軸59には復帰用バネ67を設け、復帰用バネ67は、係合片51の屈曲係合部53が、ヘッドレスト取付杆10の下面に係合する係合位置と、係合しない退避位置の間の復帰可能位置に起立するように付勢しているから、加速を伴わずにヘッドレスト取付杆10が静的に上動した場合、復帰用バネ67は屈曲係合部53がヘッドレスト取付杆10の下面から離脱(退避)する方向に回動するように付勢し、静的に上動したヘッドレスト取付杆10(ヘッドレスト6)は元の位置に復帰させることができる。
したがって、後突感知体25に静的な荷重(加速されていない力)か掛かって後方移動し、リンク機構L(上側リンク杆15、伝動部材20、下側リンク26)がこの動き代を伝達してヘッドレスト取付杆10を上動させることがあっても、係合片51がヘッドレスト取付杆10の下面に係合するのを防止するから、ヘッドレスト取付杆10を元の位置に戻して、ヘッドレスト6を使用状態に復帰させることができる(図13)。
しかして、前記取付軸59には係合片51の当接面56がヘッドレスト取付杆10に弾接するように付勢する弾接用バネ68を設けているから、係合片51の当接面56はヘッドレスト取付杆10に常時当接して異音の発生を防止する。
また、取付軸59に設けた復帰用バネ67は常時係合片51を元の位置に戻すように作用しており、弾接用バネ68の弾力がバネストッパ75により係合片51に不作用状態になると、係合片51は復帰用バネ67の弾力により戻されて、弾接用バネ68と復帰用バネ67の双方の弾力により復帰可能位置に保持される(図14仮想線)。
この点、弾接用バネ68は復帰用バネ67より強い弾力に設定されているから、弾接用バネ68が復帰用バネ67のストッパとして作用し、バネストッパ75は間接的に復帰用バネ67のストッパとしても作用することになる。
そして、静的に後方回動した係合片51が復帰のために前方回動するときにも、弾接用バネ68はバネ係合孔72内を相対移動するが、弾接用バネ68の上端がバネ係合孔72から所定長さ突出するように挿入しているので、弾接用バネ68の上端は、バネ係合孔72の内周面に係合して係合片51を付勢するときと、バネストッパ75により付勢しないときの何れかの位置の切替が、バネ係止板部70から外れるのを防止しながら確実に行え、付勢作用と外れ防止とを兼用する合理的な構成となる。
この場合、バネ係止板部70は、前板52の下縁を後側に屈曲させて板状に形成しているから、弾接用バネ68の上端の突出方向に対して交差方向となるので、弾接用バネ68とバネ係合孔72との係合が確実に行われ、合理的な構成となる。
また、バネ係止板部70は、プレス加工によりに形成できるから、構成が簡素となり、安価に製造できる。
また、弾接用バネ68はバネ係合孔72の後側内周縁と係合して作用し、バネストッパ75に弾接用バネ68が当接すると、回動片51の回動に干渉しないようにバネ係合孔72を前後に長く形成しているから、弾接用バネ68の上端をバネ係合孔72内に挿入するのが容易に行える。
したがって、後突感知体25が静的な荷重(加速されていない力)により後方移動した場合は、係合片51を初期状態に復帰させ、ヘッドレスト6も元に位置に戻すことができ、ヘッドレスト6の使用不可能状態を回避する。
また、屈曲係合部53と当接面56の境界の死点位置と、弾接用バネ68がバネストッパ75に当接する位置とを一致させているから、係合片51は通常死点位置より回動せず、復帰可能となる。
また、係合片51の当接面56はヘッドレスト取付杆10の正面に当接しているが、弾接用バネ68の弾力の作用方向とヘッドレスト取付杆10の前方移動方向とは交差方向となるため、弾接用バネ68の弾力はヘッドレスト取付杆10の前方移動に影響しない。
しかして、係合片51は、係合片51自体の質量に作用する慣性力により回動して屈曲係合部53に係合するようにしているが、係合片51の左右の側板54の後縁には側方に突出するウエイト部ウエイト部55を設けているから、係合片51の後方回動を確実にする。係合片51は、取付軸59から離れた部分を重くでき、また、ブラケット58やステー62とも干渉しない部分にウエイト部ウエイト部55を設けられるので、ウエイト部ウエイト部55の大きさの制約も少なく、設計の自由度が向上する。
また、係合片51は、環状当接部61をブラケット58に接触させて取付けられるから、係合片51とブラケット58との間の隙間を小さくでき、異音の発生を防止する。
なお、係合片51の取付脚部57とブラケット58との位置関係は、内外の何れでもよく、ブラケット58に面する取付脚部57にブラケット58に向けて突出するように環状当接部61を設ければよい。
しかして、係合片51はブラケット58に取付け、ブラケット58には取付軸59によりカバー66を取付け、係合片51とブラケット58とカバー66は、取付軸59により一体状に組立てる。
次に、ステー62には一対の取付孔80が形成され、一方の取付孔80Aは正円に、他方の取付孔80Bは左右方向に長い長孔に夫々形成しているから、背凭フレーム3の上部フレーム63には形成した挿通孔81に、ステー62の正円の取付孔80を合致させて固定するので、上部フレーム63に対して係合片51を正確に取付けられる。
即ち、位置決め突起64を係合溝65に係合させることにより、ステー62に対する係合片51の取付精度が確保され、このステー62の正円の取付孔80Aが上部フレーム63の正円の挿通孔81に合致させることで、上下および左右の取付位置の精度が向上する。
したがって、直接、ブラケット58を上部フレーム63に取付けるのに比し、位置決め突起64と係合溝65によりステー62に正確に取付けられた係合片51は、ステー62の一方の正円の取付孔80Aを上部フレーム63の正円の挿通孔81に合致させることで上下左右の取付精度を確保し、しかも、ステー62の他方の左右方向に長い取付孔80Bは必ず上部フレーム63の他方の正円の挿通孔81に合致するので、製作上の誤差を吸収して止着具82により固定が可能となる。
しかして、ステー62の所定位置には緩衝部材83を設けているから、係合片51が後突時の慣性により後方回動してステー62に当接しても、その衝撃を緩衝部材83が吸収しするので、係合片51の反動で戻るのが防止され、ヘッドレスト取付杆10と確実に係合して、ロックする。
係合片51は、その取付脚部57の後縁が緩衝部材83に当接する。
Claims (5)
- ヘッドレスト3をリンク機構Lを介して背凭フレーム3に前後移動可能に取付け、前記背凭フレーム16には後突時の着座者の腰部付近の後方移動を感知する後突感知体25を設け、後突感知体25とヘッドレスト3のリンク機構Lとは、後突感知体25の後方移動によりヘッドレスト3を前方移動させて着座者の頭部を支持するように連結し、前記背凭フレーム16には、後突時に前方移動したヘッドレスト3を保持する係合片51を有する保持機構50を設け、該係合片51は、背凭フレーム16の上部に設けたブラケット58に取付軸59により回動自在に取付けて、その係合屈曲部53が、後突時に発生する慣性力が前記係合片51自体の質量に作用して前記ヘッドレスト3を取付けたヘッドレスト取付杆10に係合するように構成し、前記係合片51は、復帰用バネ67により前記ヘッドレスト取付杆10に係合しない位置に位置するように常時付勢して後突以外の原因によって前記ヘッドレスト取付杆10に係合しないようにすると共に、弾接用バネ68により通常時前記ヘッドレスト取付杆10の前面に係合片51が当接するように付勢するように構成し、弾接用バネ68は、前記ブラケット58のバネストッパ75に当接すると該弾接用バネ68の付勢を停止させるように、前記弾接用バネ68の一端をブラケット58に設けた溝形状の固定側バネ係止部69に係合させ、弾接用バネ68の他端は自由端に形成して前記係合片51の前板52の下縁に設けた板状のバネ係止板部70の長孔形状のバネ係合孔72内に挿入させて所定長さ突出するようにした車両用シート。
- 請求項1において、前記係合片51のバネ係止板部70には復帰用バネ67の一端が係合する復帰バネ係合溝71を設け、復帰用バネ67の他端は屈曲させて弾接用バネ68の下端に係合させて係止した車両用シート。
- 請求項1または請求項2において、前記ブラケット58の所定位置には、係合片51が当接する緩衝部材83を設けた車両用シート。
- 請求項1または請求項2または請求項3において、前記係合片51の屈曲係合部53の左右中央位置には復帰用バネ67および弾接用バネ68の弾力を測定する測定具を装着しうる透孔76を形成した車両用シート。
- 請求項4において、前記係合片51の側板54には、係合片51の重心位置の測定を行う透孔77を設けた車両用シート。
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