JP4630964B2 - 感圧導電性エラストマー - Google Patents

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本発明は、無加圧・無変形状態では高い電気抵抗値を示し、圧縮変形時の荷重の増加に従って電気抵抗値が減少して導電性を示す感圧導電性エラストマーに関するものである。
従来の感圧導電性エラストマーとしては、非導電性エラストマー中に、球状の導電性カーボンブラック粒子又は導電性カーボンブラックの造粒物と、シリコーンゴム粒子と、γ−アルミナ(Al2O3)粒子とを配合したものが知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
特公平6−054603号公報 特公平7−007607号公報
しかしながら、球状の導電性カーボンブラック粒子を配合したものでは、見かけ上の硬度が高く、圧縮変形時の電気抵抗値変化が小さいので、感圧導電性センサとしての感度が悪いという問題点がある。
一方、導電性カーボンブラックの造粒物を配合したものでは、圧縮変形時の電気抵抗値変化は大きいものの、造粒物が破損し易いので、耐久性や安定性に欠けるという問題点がある。
更に、これらの感圧導電性エラストマーでは、引き裂き強度が低いと共に、繰り返しの圧縮変形に対する電気抵抗値変化の再現性(ヒステリシス)や繰り返しの圧縮変形に対する耐久性が良くないという問題点がある。
本発明は、以上のような事情や問題点に鑑みてなされたものであり、機械的強度が高く、繰り返しの圧縮変形に対する電気抵抗値変化の再現性及び繰り返しの圧縮変形に対する耐久性が良好な感圧導電性エラストマーを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1の発明は、非導電性エラストマー中に、0.5〜20wt%の配合割合で粒径が5〜500nmである導電性フィラーを分散させると共に、0.1〜50wt%の配合割合で粒径が5〜500nmであるセラミック粒子を含有させ、前記セラミック粒子が、無機物質と反応・結合する官能基と、有機物質と反応・結合又は相互作用する官能基とを有するシランカップリング剤又はシリル剤で表面処理した非導電性セラミック粒子である。
請求項2の発明においては、前記導電性フィラーが炭素粒子である。
請求項の発明においては、前記導電性フィラーの体積抵抗率が106Ω/cm以下である。
請求項1の発明によれば、機械的強度が高く、繰り返しの圧縮変形に対する電気抵抗値変化の再現性及び繰り返しの圧縮変形に対する耐久性が良好である。また、本発明によれば、非導電性エラストマー中に導電性フィラーをより均一に分散させることができると共に、複合体の機械的強度をより高くできる。また、本発明によれば、セラミック粒子の少量の添加で複合体の電気抵抗値を適度な値にできると共に、引張強度、硬度、及び耐久性をいずれも向上させることができる。更に、本発明によれば、非導電性セラミック粒子を向き物質と反応・結合する官能基と、有機物質と反応・結合又は相互作用する官能基とを有するシランカップリング剤又はシリル剤で表面処理しているので、非導電性セラミック粒子とマトリックスとしての非導電性エラストマーとの間の結合性・親和性が高くなる。そのため、前記表面処理した非導電性セラミック粒子を配合すれば、複合体中における亀裂生成を阻害できると共に、仮に亀裂が生成したとしても分子スケール又はナノメータースケールで亀裂の伝播・拡大を抑制できるので、荷重を印加及び除加した場合や、これを多数回繰り返した場合、また熱的な変化を受けた場合における複合体の機械的強度や耐久性を飛躍的に向上させることができる。更に、非導電性セラミック粒子とマトリックスとしての硬化後の非導電性エラストマーとの間の高い結合性・親和性のために、エラストマー本来の柔軟性を損なうことなく強度を向上させることができる。
請求項2の発明によれば、機械的強度がより高く、繰り返しの圧縮変形に対する電気抵抗値変化の再現性及び繰り返しの圧縮変形に対する耐久性がより良好である。
請求項の発明によれば、複合体の電気抵抗値がより低くなるので、複合体の電気抵抗値変化の範囲をより広くすることができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係る感圧導電性エラストマーは、非導電性エラストマー中に粒径がナノメーターサイズの導電性フィラーを分散させたものである。
ここでいうナノメーターサイズとは、1000nm(1μm)未満のサイズをいう。後述のミクロンサイズとは、1μm以上でかつ1000μm(1mm)未満のサイズをいう。
非導電性エラストマーとしては、1液型又は2液型の常温硬化シリコーンゴム等が挙げられる。1液型の常温硬化シリコーンゴムとしては、空気中の湿気で加水分解を起こして硬化(架橋)が進行する縮合型(オキシム型やアルコール型等)のもの等が挙げられる。2液型の常温硬化シリコーンゴムとしては、錫(Sn)化合物等の有機金属脂肪酸塩によって常温硬化する縮合型のもの等が挙げられる。
導電性フィラーとしては、炭素粒子、カーボンナノチューブ、金属粒子、非導電性又は半導性のフィラーの表面を導電性物質でコーティングしたもの等が挙げられる。金属粒子としては、銅(Cu)粒子、ステンレス粒子、鉄(Fe)粒子、ニッケル(Ni)粒子、アルミニウム(Al)粒子、銀(Ag)粒子、金(Au)粒子、白金(Pt)粒子等が挙げられる。導電性物質としては、カーボン、金属、導電性セラミック等が挙げられる。導電性物質で表面がコーティングされるフィラーとしては、セラミックフィラー、ガラスフィラー、ポリマーフィラー等が挙げられる。フィラーの表面を導電性物質でコーティングする方法としては、CVD(chemical vapor deposition、化学的蒸着)、PVD(physical vapor deposition、物理的蒸着)、焼き付け、メッキ、析出、塗布等が挙げられる。セラミックフィラーとしては、マイカ(雲母。弾力に富む六角板状のアルミニウムけい酸塩鉱物。)、アルミナ(Al23)、シリカ(SiO2)、サファイヤ、炭化ケイ素(SiC)等が挙げられる。ポリマーフィラーとしては、ポリスチレン、ポリエチレン、エポキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
導電性フィラーの粒径としては、5〜500nm、好ましくは10〜100nm、より好ましくは20〜50nmが好適である。これに対し、導電性フィラーの粒径が5nm未満であれば導電性フィラーの均一分散が困難になると共に、複合体(感圧導電性エラストマー)の電気抵抗値変化が小さくなる一方、500nmを超えれば複合体の繰り返しの圧縮変形に対する電気抵抗値変化の再現性や繰り返しの圧縮変形に対する耐久性が悪くなるので、いずれの場合も望ましくない。
導電性フィラーの配合割合としては、0.5〜20wt%、好ましくは0.7〜10wt%、より好ましくは1〜3wt%が好適である。これに対し、導電性フィラーの配合割合が0.5wt%未満であれば複合体の電気抵抗値が高くなる一方、20wt%を超えれば複合体の伸びや弾性が低下すると共に、無加圧時の複合体の絶縁性が保たれないので、いずれの場合も望ましくない。
なお、導電性フィラーの体積抵抗率が106Ω/cm以下、好ましくは10Ω/cm以下、より好ましくは10-1Ω/cm以下であれば、複合体の電気抵抗値がより低くなるので、複合体の電気抵抗値変化の範囲をより広くできるという利点がある。また、非導電性エラストマーには、必要に応じて、シリコーンゴム粒子や中空状のマイクロスフェアー粉末(熱膨張性カプセル)等の添加材を配合してもよい。
上記のように構成された感圧導電性エラストマーによれば、機械的強度が高く、繰り返しの圧縮変形に対する電気抵抗値変化の再現性及び繰り返しの圧縮変形に対する耐久性が良好であるという利点がある。特に、導電性フィラーが炭素粒子であれば、より効果的である。
ここで、既述の導電性フィラーと共に、粒径がナノメーターサイズのセラミック粒子も配合しておけば、非導電性エラストマー中に導電性フィラーをより均一に分散させることができると共に、複合体の機械的強度をより高くできるという利点がある。このようなセラミック粒子としては、等軸状セラミック粒子、板状セラミック結晶、針状セラミック結晶、セラミック単結晶粒子、セラミック多結晶粒子、造粒セラミック粉体、セラミック顆粒、後述する層状無機化合物粒子等が挙げられる。また、セラミック粒子は、後述する非導電性セラミック粒子であってもよい。
セラミック粒子の粒径も、5〜500nm、好ましくは10〜100nm、より好ましくは20〜50nmが好適である。これに対し、セラミック粒子の粒径が5nm未満であればセラミック粒子の均一分散が困難になると共に、複合体の電気抵抗値変化が小さくなる一方、500nmを超えれば複合体の繰り返しの圧縮変形に対する電気抵抗値変化の再現性や繰り返しの圧縮変形に対する耐久性が悪くなるので、いずれの場合も望ましくない。
セラミック粒子の配合割合としては、0.1〜50wt%、好ましくは0.5〜30wt%、より好ましくは1〜25wt%が好適である。これに対し、セラミック粒子の配合割合が0.1wt%未満であれば複合体の電気抵抗値が荷重印加に対して急激に低くなると共に、複合体の強度を高くすることができないために繰り返しの圧縮変形に対する電気抵抗値変化の再現性や繰り返しの圧縮変形に対する耐久性が悪くなる一方、50wt%を超えれば複合体の伸びや弾性が低下するので、いずれの場合も望ましくない。
また、セラミック粒子が極めて大きい表面積を有する層状無機化合物粒子であれば、少量の添加で複合体の電気抵抗値を適度な値にできると共に、引張強度や耐久性を向上させることができるという利点がある。このような層状無機化合物粒子としては、粘土鉱物等が挙げられる。粘土鉱物としては、モンモリロナイト、スメクタイト、ハイドロタルサイト、バイデライト、ノントロナイト、ヘクトライト、サボナイト、ソーコナイト、スチブンサイト、ベントナイト、雲母鉱物、チタン酸化合物等が挙げられる。
更に、層状無機化合物粒子に有機化合物をインターカレートしておけば、層状無機化合物粒子とマトリックス(母材)としての硬化後の非導電性エラストマーとの親和性が高くなる。そのため、有機化合物をインターカレートした層状無機化合物粒子を配合すれば、複合体中における亀裂生成を阻害できると共に、仮に亀裂が生成したとしても分子スケール又はナノメータースケールで亀裂の伝播・拡大を抑制できるので、荷重を印加及び除加した場合や熱的な変化を受けた場合における複合体の機械的強度や耐久性を飛躍的に向上させることができるという利点がある。ここでいう分子スケールとは、1nm未満のスケールをいう。ナノメータースケールとは、1000nm(1μm)未満のスケールをいう。
インターカレートに用いる有機化合物としては、炭素数6以上のアルキル基を有しかつ末端にイオン化可能な極性基(アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アルデヒド基等)を有するアミン、アルコール、カルボン酸、アルデヒド等が挙げられる。層状無機化合物粒子に有機化合物をインターカレートする方法としては、層状無機化合物粒子の懸濁液に有機化合物を添加、溶解させて所定時間撹拌する方法等が挙げられる。この場合、混合液に超音波を照射しながら撹拌すれば、より効率良くインターカレートできるという利点がある。
特に、有機化合物及び硬化(架橋)前の非導電性エラストマーをインターカレートした層状無機化合物粒子を配合すれば、より効果的である。有機化合物及び硬化前の非導電性エラストマーをインターカレートする方法としては、上記のようにして有機化合物をあらかじめインターカレートしておいた層状無機化合物粒子を硬化前の非導電性エラストマーの溶液に添加し、この混合液を所定時間撹拌する方法等が挙げられる。この場合、混合液に超音波を照射しながら撹拌すれば、上記と同様、より効率良くインターカレートできるという利点がある。
一方、セラミック粒子が非導電性セラミック粒子であれば、少量の添加で複合体の電気抵抗値を適度な値にできると共に、引張強度、硬度、及び耐久性をいずれも向上させることができるという利点がある。非導電性セラミック粒子は、結晶質粒子、非晶質粒子、及びガラス質粒子のうちのいずれでもよい。このような非導電性セラミック粒子としては、二酸化ケイ素(シリカ)、マグネシア、カルシア、アルミナ、ジルコニア、チタニア、イットリア、ハフニア、酸化亜鉛、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、モナザイト、コーディエライト、ガーネット、パイロクロア、シリカガラス、アルミノシリケートガラス、ホウケイ酸ガラス等が挙げられる。
更に、非導電性セラミック粒子を有機化合物で表面処理(表面修飾)しておけば、非導電性セラミック粒子とマトリックス(母材)としての非導電性エラストマーとの間の結合性・親和性が高くなる。これは、有機化合物による表面処理によって、有機化合物の末端が非導電性セラミック粒子の表面に化学的に付加すると共に、有機化合物の他の有機官能基とマトリックスとしての硬化後の非導電性エラストマー分子との間に化学的もしくは物理的な親和が生じるからであると考えられる。そのため、有機化合物で表面処理した非導電性セラミック粒子を導電性フィラーと共に配合すれば、複合体中における亀裂生成を阻害できると共に、仮に亀裂が生成したとしても分子スケール又はナノメータースケールで亀裂の伝播・拡大を抑制できるので、荷重を印加及び除加した場合や、これを多数回繰り返した場合、また熱的な変化を受けた場合における複合体の機械的強度や耐久性を飛躍的に向上させることができるという利点がある。更に、上記のような非導電性セラミック粒子とマトリックスとしての硬化後の非導電性エラストマーとの間の高い結合性・親和性のために、エラストマー本来の柔軟性を損なうことなく強度を向上させることができるという利点がある。
非導電性セラミック粒子の表面処理に用いる有機化合物としては、無機物質と反応・結合する官能基〔X〕、及び、有機物質と反応・結合又は相互作用をする官能基〔Y〕をいずれも有するシランカップリング剤やシリル化剤等が挙げられる。
シランカップリング剤の一般式は、
Y−R−Si−X3
(但し、式中のRは不特定の原子団、Siはケイ素をそれぞれ表す。)
で示される。
官能基〔X〕としては、水あるいは湿気と反応してシラノールを生成する官能基であるアルコキシ基、アセトキシ基、塩素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。官能基〔Y〕としては、ビニル基、アリル基、メタクリル基、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、アルキル基等が挙げられる。
有機化合物による表面処理の方法としては、非導電性セラミック粒子と有機化合物との混合・攪拌を溶媒中で行う湿式処理、混合・攪拌を無溶媒系で行う乾式処理の他、乾式処理後に更に湿式処理を行う方法等が挙げられる。湿式処理としては、あらかじめシランカップリング剤等の有機化合物又はその原料を溶解した有機溶媒あるいは水に非導電性セラミック粒子を添加・攪拌して化学反応させることにより、非導電性セラミック粒子の表面に有機化合物を結合させる方法等が挙げられる。また、湿式処理においては、濃度0.01〜2.0重量%、好ましくは0.1〜1.0重量%となるようにシランカップリング剤等の有機化合物を溶媒に溶解した溶液としておき、この溶液100重量部に対して非導電性セラミック粒子を0.5〜5.0重量部、好ましくは1.0〜2.5重量部添加して表面処理することが好適である。一方、乾式処理におけるシランカップリング剤等の有機化合物の配合量は、非導電性セラミック粒子100重量部に対して0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部が好適である。
次に、本発明の実施例について説明する。
非導電性エラストマーとしては、1液型の常温硬化シリコーンゴム(信越化学工業株式会社製、商品名:KE−445)を用いた。粒径がナノメーターサイズの導電性フィラーとしては、球状の炭素粒子(三菱化学株式会社製、商品名:ケッチンブラックEC600JD、粒径:20〜40nm、平均粒径:34nm)を用いた。非導電性エラストマーには、導電性フィラーの他、シリコーンゴム粒子〔A〕(東レダウコウニング株式会社製、商品名:E80、粒径:20〜140μm、平均粒径:70μm、不定形)及びシリコーンゴム粒子〔B〕(東レダウコウニング株式会社製、商品名:トスパール、粒径:2〜3μm、平均粒径:2μm、球形)も配合した。
感圧導電性エラストマーの作製に際しては、まず、硬化前の非導電性エラストマーを表1の配合量でヘキサン溶媒に溶かして非導電性エラストマー溶液とし、これに導電性フィラー、シリコーンゴム粒子〔A〕、及びシリコーンゴム粒子〔B〕を表1の割合で配合し、混合機で十分に混合した。
Figure 0004630964
次いで、エバポレーションにより混合物からヘキサン溶媒を留去し、十分に脱泡した。脱泡後の混合物をカレンダー成形機により圧延し、その圧延物を室温で24時間放置して硬化させ、厚さ1mmの感圧導電性エラストマーシートを作製した。
得られた感圧導電性エラストマーシートから5mm×5mm角(面積:25mm2)の角形シートを切り取り、繰り返し(1〜10回)の圧縮変形に対する電気抵抗値変化の再現性(F−R特性)を調べた。その結果を図1に示す。電気抵抗値の測定に際しては、1対の電極を上面に有する電極基板上に角形シートを載置し、更にその上をゴムカバーで覆うことにより、角形シートの上面全体に負荷(荷重)が加わるようにした。圧縮サイクルは、0.25Hz(負荷:3000gf、印加時間:1秒、除加時間:3秒)とした。
角形シートについては、上記と同様にして、繰り返し(10万回、20万回、100万回、200万回)の圧縮変形に対する耐久性(F−R特性)も調べた。その結果を図2に示す。但し、圧縮サイクルは、5Hz(負荷:1000gf、印加時間:0.1秒、除加時間:0.1秒)とした。
得られた感圧導電性エラストマーシートについては、機械的特性(引張強度、伸び率、硬度)も調べた。その結果を表2に示す。
Figure 0004630964
非導電性エラストマー及び導電性フィラーは、実施例1と同じものを用いた。非導電性エラストマーには、導電性フィラー、実施例1と同じシリコーンゴム粒子〔A〕及びシリコーンゴム粒子〔B〕の他、粒径がナノメーターサイズのセラミック粒子も配合した。このセラミック粒子としては、モンモリロナイト粉末(クニミネ工業株式会社製、商品名:クニピアF、平均2次粒子径:5μm)にヘキサデシルアミンをインターカレートしたものを用いた。
感圧導電性エラストマーの作製に際しては、まず、硬化前の非導電性エラストマーを表3の配合量でヘキサン溶媒に溶かして非導電性エラストマー溶液とし、これに導電性フィラー、シリコーンゴム粒子〔A〕、シリコーンゴム粒子〔B〕、及びセラミック粒子を表3の割合で配合し、混合機で十分に混合した。
Figure 0004630964
次いで、混合物に超音波(振動数:22.9kHz)を2時間照射して硬化前の非導電性エラストマーをセラミック粒子にインターカレートしながらエバポレーションによりヘキサン溶媒を留去し、十分に脱泡した。脱泡後の混合物をカレンダー成形機により圧延し、その圧延物を室温で24時間放置して硬化させ、厚さ1mmの感圧導電性エラストマーシートを作製した。
得られた感圧導電性エラストマーシートを用い、実施例1と同様にして、繰り返し(1〜10回)の圧縮変形に対する電気抵抗値変化の再現性、繰り返し(10万回、20万回、100万回、200万回)の圧縮変形に対する耐久性、及び機械的特性(引張強度、伸び率、硬度)を調べた。その結果を図3、図4、及び表2に示す。
非導電性エラストマー及び導電性フィラーは、実施例1と同じものを用いた。非導電性エラストマーには、導電性フィラーの他、粒径がナノメーターサイズの非導電性セラミック粒子も配合した。この非導電性セラミック粒子としては、シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製、商品名:AELOSIL50、平均1次粒径:30nm)をシランカップリング剤としてのビニルトリメトキシシラン(東京化成工業株式会社製、商品名:V0042)で表面処理したものを用いた。この表面処理においては、まず、シリカ粒子5gに対して4.5mmol相当量のシランカップリング剤をあらかじめトルエンに溶解し、これにシリカ粒子5gを添加して4時間攪拌した。次いで、攪拌後の混合液からシリカ粒子をろ別し、60℃で24時間乾燥することにより、シランカップリング剤で表面処理した非導電性セラミック粒子を調製した。
感圧導電性エラストマーの作製に際しては、まず、硬化前の非導電性エラストマーを表4の配合量でヘキサン溶媒に溶かして非導電性エラストマー溶液とし、これに導電性フィラー、及びシランカップリング剤で表面処理した非導電性セラミック粒子を表4の割合で配合し、混合機で十分に混合した。
Figure 0004630964
次いで、エバポレーションにより混合物からヘキサン溶媒を留去し、その混合物をステンレス(SUS)基板上に成膜した後、室温で24時間放置して硬化させ、厚さ125μmの感圧導電性エラストマーシートを作製した。
得られた感圧導電性エラストマーシートを用い、実施例1と同様にして、繰り返し(1〜10回)の圧縮変形に対する電気抵抗値変化の再現性、及び機械的特性(引張強度、伸び率、硬度)を調べた。その結果を図5及び表2に示す。但し、圧縮サイクルは、5Hz(負荷:500gf、印加時間:0.1秒、除加時間:0.1秒)とした。
〔比較例〕
非導電性エラストマーは、実施例1と同じものを用いた。但し、導電性フィラーとしては、粒径がミクロンサイズのカーボンブラック粒子(日本カーボン株式会社製、商品名:ICB0510、粒径:1〜10μm、平均粒径:5μm)を用いた。非導電性エラストマーには、導電性フィラー、実施例1と同じシリコーンゴム粒子〔A〕及びシリコーンゴム粒子〔B〕の他、中空状のマイクロスフェアー粉末(日本フィライト株式会社製、商品名:エキスパンセル、粒径:10〜17μm、平均粒径:13μm)も配合した。
感圧導電性エラストマーの作製に際しては、まず、硬化前の非導電性エラストマーを表5の配合量でヘキサン溶媒に溶かして非導電性エラストマー溶液とし、これに導電性フィラー、シリコーンゴム粒子〔A〕、シリコーンゴム粒子〔B〕、及びマイクロスフェアー粉末を表5の割合で配合し、混合機で十分に混合した。
Figure 0004630964
次いで、エバポレーションにより混合物からヘキサン溶媒を留去し、十分に脱泡した。脱泡後の混合物をカレンダー成形機により圧延し、その圧延物を室温で24時間放置して硬化させ、厚さ1mmの感圧導電性エラストマーシートを作製した。
得られた感圧導電性エラストマーシートを用い、実施例1と同様にして、繰り返し(1〜10回)の圧縮変形に対する電気抵抗値変化の再現性、繰り返し(4万回、10万回、14万回、20万回)の圧縮変形に対する耐久性、及び機械的特性(引張強度、伸び率、硬度)を調べた。その結果を図6、図7、及び表2に示す。
図1〜図4、図6、及び図7から明らかなように、比較例では圧縮変形の回数による電気抵抗値変化特性のばらつきが大きいのに対し、実施例1及び実施例2ではそのばらつきが小さく、繰り返しの圧縮変形に対する電気抵抗値変化の再現性や繰り返しの圧縮変形に対する耐久性が良好であることが分かる。また、表2から明らかなように、実施例1及び実施例2の引張強度や伸び率は比較例よりも向上していることが分かる。更に、図5から明らかなように、実施例3では、繰り返しの圧縮変形に対する電気抵抗値変化の再現性が極めて向上している。また、表2から明らかなように、実施例3では、著しく高い強度及び大きな伸び率を有している。
以上のように、本発明の感圧導電性エラストマーは、無加圧・無変形状態では高い電気抵抗値を示し、圧縮変形時の荷重の増加に従って電気抵抗値が減少して導電性を示す感圧導電性センサとして有用であり、特に、機械的強度を高くすると共に、繰り返しの圧縮変形に対する電気抵抗値変化の再現性及び繰り返しの圧縮変形に対する耐久性を良好とするのに適している。
実施例1における繰り返しの圧縮変形に対する電気抵抗値変化の再現性を表すグラフ。 実施例1における繰り返しの圧縮変形に対する耐久性を表すグラフ。 実施例2における繰り返しの圧縮変形に対する電気抵抗値変化の再現性を表すグラフ。 実施例2における繰り返しの圧縮変形に対する耐久性を表すグラフ。 実施例3における繰り返しの圧縮変形に対する電気抵抗値変化の再現性を表すグラフ。 比較例における繰り返しの圧縮変形に対する電気抵抗値変化の再現性を表すグラフ。 比較例における繰り返しの圧縮変形に対する耐久性を表すグラフ。

Claims (3)

  1. 非導電性エラストマー中に、0.5〜20wt%の配合割合で粒径が5〜500nmである導電性フィラーを分散させると共に、0.1〜50wt%の配合割合で粒径が5〜500nmであるセラミック粒子を含有させ、
    前記セラミック粒子が、無機物質と反応・結合する官能基と、有機物質と反応・結合又は相互作用する官能基とを有するシランカップリング剤又はシリル剤で表面処理した非導電性セラミック粒子であることを特徴とする感圧導電性エラストマー。
  2. 前記導電性フィラーは炭素粒子である請求項1記載の感圧導電性エラストマー。
  3. 前記導電性フィラーの体積抵抗率は10 6 Ω/cm以下である請求項1又は2記載の感圧導電性エラストマー。
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