JP4655252B2 - 変形導電性エラストマーの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、無加圧、無伸張等の無変形状態においては高い電気抵抗値を示すと共に、圧縮、伸長、ねじり、曲げ等の変形時においては電気抵抗値が良好に低下するように構成された変形導電性エラストマー及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の変形導電性エラストマーとしては、例えば、特公平7−7607号公報に開示されているように、非導電性エラストマー中に、粒子径が10乃至300μmのエラストマー粒子と、粒子径が1乃至40μmの導電性粒子と、粒子径が10乃至150μmの中空状弾性マイクロスフェアーとを分散させたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の変形導電性エラストマーにおいては、導電性粒子等の分散性が余り良くないため、繰り返しの圧力変化に対する電気抵抗値の変化特性が不安定であり、信頼性が高くないという問題点がある。
【0004】
また、マトリックスである非導電性エラストマーと導電性粒子の濡れ性(接着力)も余り良くないため、圧力変化に対する電気抵抗値の変化特性に所望の直線性が得られないと共に、伸び率や引張強度等の機械的特性も良くないという問題点がある。
【0005】
この発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、信頼性、直線性、機械的特性に優れた変形導電性エラストマー及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
また、請求項1の変形導電性エラストマーの製造方法は、非導電性エラストマー中に、粒子径が10乃至300μmのエラストマー粒子と、粒子径が1乃至40μmの導電性粒子とをほぼ均一に分散させた変形導電性エラストマーの製造方法であって、分散媒に、少なくとも未架橋の前記非導電性エラストマーと、前記エラストマー粒子と、前記導電性粒子とを添加し、超音波を照射して前記分散媒を振動させる振動工程とその後に前記分散媒を留去して乾燥させる乾燥工程とによって、前記非導電性エラストマー中に前記エラストマー粒子と前記導電性粒子とを混合分散させ、前記未架橋の非導電性エラストマーを架橋させるものである。
【0013】
請求項2の変形導電性エラストマーの製造方法においては、前記分散媒が、前記未架橋の非導電性エラストマーが溶解する溶媒である。
【0014】
請求項3の変形導電性エラストマーの製造方法においては、前記未架橋の非導電性エラストマーが液状ゴム又は未架橋ゴムワニスである。
【0015】
請求項4の変形導電性エラストマーの製造方法は、非導電性エラストマー中に、粒子径が10乃至300μmのエラストマー粒子と、粒子径が1乃至40μmの導電性粒子とをほぼ均一に分散させた変形導電性エラストマーの製造方法であって、分散媒に、少なくとも前記非導電性エラストマーと、前記エラストマー粒子と、前記導電性粒子とを添加し、超音波を照射して前記分散媒を振動させる振動工程とその後に前記分散媒を留去して乾燥させる乾燥工程とによって、前記非導電性エラストマー中に前記エラストマー粒子と前記導電性粒子とを混合分散させるものである。
【0016】
請求項5の変形導電性エラストマーの製造方法においては、前記分散媒が、前記非導電性エラストマーが溶解する溶媒である。
【0017】
請求項6の変形導電性エラストマーの製造方法においては、前記非導電性エラストマーが熱可塑性エラストマーワニスである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態について説明する。
この実施形態に係る変形導電性エラストマーは、非導電性エラストマー中に、粒子径が10〜300μmのエラストマー粒子と、粒子径が1〜40μmの導電性粒子とをほぼ均一に分散させたものである。
【0019】
前記非導電性エラストマーは、常温でゴム弾性を示す非導電性の高分子物質であり、架橋ゴムや熱可塑性エラストマーが挙げられる。
【0020】
前記架橋ゴムとしては、例えば、天然ゴムや、あるいはシリコーンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム等の合成ゴムが挙げられる。
【0021】
前記熱可塑性エラストマーとしては、例えば、オレフィン系、ウレタン系、塩化ビニル系、ポリエステル系等の各種の熱可塑性のエラストマーが挙げられる。
【0022】
ここで、マトリックスとなる非導電性エラストマーがシリコーンゴムである場合には、変形導電性エラストマーが耐熱性、耐老化性、耐トラッキング性、耐寒性、耐油性等に優れるという利点がある。シリコーンゴムとしては、1液常温架橋シリコーンゴムが好適である。この1液常温架橋シリコーンゴムとしては、空気中の湿気により加水分解されて架橋が進行する縮合型のものが例示され、オキシム型、アルコール型、アセトン型、酢酸型等を使用することができる。これらのうち、アセトン型や酢酸型は架橋速度、腐蝕性、臭気等の点で特性が劣るので、オキシム型やアルコール型を使用するのが好ましい。
【0023】
また、上記のような液状シリコーンゴムを使用する場合、液状シリコーンゴムに、ポリシロキサンをトルエンやキシレン等の有機溶剤で希釈したシリコーンワニスと、平均分子量が15万から50万の直鎖状ポリシロキサンからなる未架橋シリコーンゴムとを混合するか、又は、充填剤や可塑剤等を添加混合した前記シリコーンワニス及び未架橋シリコーンゴムを主成分とするシリコーン粘着剤を混合すれば、液状シリコーンゴム単体の場合と比較して、マトリックスと導電性粒子の濡れ性(接着力)や変形導電性エラストマーの引裂強度等を改善できるという利点がある。
【0024】
前記エラストマー粒子は、上記のような架橋ゴム又は熱可塑性エラストマーからなるエラストマーの粒子であり、このエラストマー粒子をマトリックスとなる非導電性エラストマー中に混合分散させれば、海−島構造が構築(ポリマーアロイ化)される。これにより、導電性粒子の配合に起因して高くなる硬さが低下すると共に、伸び量の最大限界やゴム弾性が増加するので、変形導電性エラストマーが脆くなるのを防止することができる。また、圧縮変形の他、伸長、ねじり、曲げ等の変形に対しても充分な強度を有し、これらの全ての変形に対して電気抵抗値が良好に変化する。更に、エラストマー粒子は、ほぼ均一に分散しているので、電気抵抗値の変化における直線性や機械的特性により優れるという利点がある。
【0025】
このようなエラストマー粒子としては、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリルゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)等の合成ゴムや、あるいはポリスチレンとブタジエンゴムの共重合体、ポリエチレンとエチレンプロピレンゴムの共重合体、ポリウレタンとポリエステルの共重合体等の熱可塑性エラストマー等の粒子が挙げられ、低温粉砕機や摩耗式製粉機等で粉砕等して製造された無定形又は球状の粒子状物を使用することができる。
【0026】
前記非導電性エラストマーがシリコーンゴムである場合には、濡れ性等の点からエラストマー粒子もシリコーンゴム粉末であることが好ましいが、他のエラストマー粒子を使用する場合には、シランカップリング剤等で適切な表面処理をしておくこともできる。
【0027】
なお、このエラストマー粒子の粒子径としては、10〜300μmの範囲とする必要があり、特に伸長変形の面からは50〜100μmの範囲が好ましい。粒子径が10μm未満の場合には、粉砕が困難であると共に、補強の効果が余り期待できないので、好ましくない。粒子径が300μmを超える場合には、導電性粒子の分散性が低下して変形導電性エラストマーの信頼性も低下するので、好ましくない。
【0028】
エラストマー粒子の全組成物中に占める配合割合としては、特に限定されるものではなく、導電性粒子やセラミックス粒子の粒子径や配合割合等に応じて、変形導電性エラストマーが脆くなったり、柔らかくなり過ぎたりしない範囲で添加すればよい。
【0029】
前記導電性粒子としては、例えば、ニッケル、銅、金、銀、ステンレス、アルミニウム、鉄、クロム、又はこれらの適当な組合せの合金等からなる金属粒子や、あるいは黒鉛、炭素粒子等が挙げられる。なお、この導電性粒子は、非導電性エラストマー中にほぼ均一に分散しているので、変形導電性エラストマーの電気抵抗値の変化における信頼性がより高いという利点がある。
【0030】
ここで、導電性粒子が球状炭素粒子である場合には、変形導電性エラストマーが圧縮、伸長、ねじり、曲げ等のあらゆる変形に対して3次元方向に一様な特性の変化を示すという利点がある。
【0031】
前記球状炭素粒子としては、例えば、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の微小球を空気中で300℃まで加熱した後、不活性ガス中で1000℃まで加熱焼成したメソカーボンマイクロビーズや、あるいはフェノール樹脂やフラン樹脂等の微小球を真空中、800〜1000℃で加熱処理したガラス状微小球状炭素粒子(真球に近い独立粒子)等が挙げられる。
【0032】
なお、導電性粒子の粒子径としては、1〜40μmの範囲とする必要がある。
粒子径が1μm未満の場合には、粒子の製造が困難であると共に、電気抵抗値の変化が小さくなるので、好ましくない。粒子径が40μmを超える場合には、電気抵抗値の変化が大きくなり過ぎるので、好ましくない。
【0033】
導電性粒子の全組成物中に占める配合割合としては、20〜55vol%の範囲が好ましい。20vol%未満の場合には電気抵抗値が高くなり、55vol%を超える場合には常導電状態となり易いので、いずれも好ましくない。
【0034】
導電性粒子と非導電性エラストマーの濡れ性を向上させる手段としては、導電性粒子の適切な表面処理が挙げられる。導電性粒子が球状炭素粒子である場合の表面処理としては、例えば、球状炭素粒子の表面に粒子径が0.05〜0.2μmの絶縁性粒子を30〜70%の表面積分率で付着させること等が挙げられる。この絶縁性粒子としては、例えば、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化ケイ素等の超微粒子が挙げられる。このようにして導電性粒子の表面に適度な表面積分率で絶縁性粒子を付着させれば、導電性粒子と非導電性エラストマーの濡れ性が向上すると共に、導電性粒子が相互に接触した際に導通状態となる度合が適度に緩和されるので、変形導電性エラストマーの変形に対する電気抵抗値の変化が緩やかとなって直線性も改善されるという利点がある。
【0035】
ここで、非導電性エラストマー中に、粒子径が1000nm以下のセラミックス粒子をもほぼ均一に分散させておけば、変形導電性エラストマーの電気抵抗値の変化における直線性がより良好となると共に、マトリックスと導電性粒子の濡れ性が向上することにより伸び率や引張強度等の機械的特性もより改善できるという利点がある。なお、このセラミックス粒子や導電性粒子は、ある程度凝集していてもよく、この場合には凝集体がほぼ均一に分散していればよい。
【0036】
前記セラミックス粒子としては、例えば、Al2O2、SiO2、MgO、ZrO2等の各種の酸化物系セラミックス粒子や、あるいはSiC、TiC、WC、TiB4、AlN、Si3N4、サイアロン等の各種の非酸化物系セラミックス粒子が挙げられる。
【0037】
なお、セラミックス粒子の粒子径としては、1000nm以下である必要があり、1000nmを超える場合には変形導電性エラストマーの電気抵抗値の変化における直線性や機械的特性が改善されないので、好ましくない。また、セラミックス粒子の全組成物中に占める配合割合としては、10vol%以下、好ましくは5vol%以下、より好ましくは3vol%以下が望ましい。10vol%を超える場合には逆に機械的特性が低下するので、好ましくない。
【0038】
次に、上記のように構成される変形導電性エラストマーの製造方法について説明する。
前記非導電性エラストマーが架橋ゴムからなる場合には、分散媒に、少なくとも未架橋の非導電性エラストマーと、エラストマー粒子と、導電性粒子とを添加し、所定時間振動、混合させた後、溶媒を留去して乾燥させ、未架橋の非導電性エラストマーを架橋させる。分散媒には、必要に応じてセラミックス粒子を添加してもよい。
【0039】
前記分散媒としては、各種の液体状媒体を使用でき、この分散媒に未架橋の非導電性エラストマー等を添加して振動を数分間〜数時間続ければよい。この場合、エラストマー粒子の一部が溶解してもよい。
【0040】
前記振動としては、例えば超音波照射等が挙げられるが、これに限定されるものではなく、分散媒に適宜の周波数の振動を付与できるものであればよい。
【0041】
このように、分散媒に対する振動や乾燥工程でエラストマー粒子や導電性粒子等が混合分散するので、これらをより均一に分散させることができるという利点がある。
【0042】
ここで、分散媒が、未架橋の非導電性エラストマーが溶解する例えばヘキサン、トルエン、キシレン等の溶媒である場合には、未架橋の非導電性エラストマーの溶媒への溶解により、エラストマー粒子や導電性粒子等を更に均一に分散させることができるという利点がある。また、この場合、未架橋の非導電性エラストマーが液状ゴム又は未架橋ゴムワニスである場合には、溶媒に溶解し易いか又は溶媒で希釈するだけでよいので、変形導電性エラストマーをより効率良く製造できるという利点がある。
【0043】
前記非導電性エラストマーが熱可塑性エラストマーである場合には、分散媒に、少なくとも非導電性エラストマーと、エラストマー粒子と、導電性粒子とを添加し、振動、混合させた後、乾燥させる。この場合も、分散媒には、必要に応じてセラミックス粒子を添加してもよい。
【0044】
また、上記と同様、振動は、分散媒に非導電性エラストマー等を添加した後、数分間〜数時間行えばよい。この場合も、エラストマー粒子の一部が溶解してもよい。なお、熱可塑性エラストマーであるので、乾燥後の架橋工程は不要である。
【0045】
加えて、分散媒が、非導電性エラストマーが溶解する溶媒である場合には、非導電性エラストマーの溶媒への溶解によりエラストマー粒子や導電性粒子等を更に均一に分散させることができるという利点がある。また、この場合、非導電性エラストマーが熱可塑性エラストマーワニスである場合には、溶媒で希釈するだけでよいので、変形導電性エラストマーをより効率良く製造できるという利点がある。
【0046】
【実施例】
次に、実施例に基づいて更に詳細に説明するが、この発明は係る実施例に限定されるものではない。
【0047】
〔実施例1(溶液・超音波法)〕
マトリックスとなる非導電性エラストマーとしては、1液常温架橋タイプの液状シリコーンゴム(商品名「KE−441」、信越化学工業社製)を用いた。エラストマー粒子としては、架橋剤(商品名「RC−4」、東レ・ダウコーニング社製)0.5部配合の未架橋シリコーンゴム(商品名「SH861U」、東レ・ダウコーニング社製)を160℃で20分間熱プレスした架橋シリコーンゴムを、粉砕機で粒子径50〜200μmに粉砕してなるシリコーンゴム粉末を用いた。導電性粒子としては、粒子径1〜20μmで平均粒子径5μmの球状炭素粒子(商品名「カーボンマイクロビーズICB−0510」、日本カーボン社製)を用いた。セラミックス粒子としては、粒子径20〜50nmで平均粒子径30nmのγ−Al2O3粉末(商品名「アサヒ・アルミナ」、旭化成工業社製)を用いた。分散媒としては、市販のn−ヘキサン(和光純薬工業社製、特級)を用いた。振動手段としては、超音波発信装置〔180W、商品名「IKASONICU200S」、Janke & kunkel GmbH & co.KG(Germany)社製〕を用いた。
【0048】
具体的には、1Lのビーカーに溶媒400mLを入れ、これに液状シリコーンゴム、シリコーンゴム粉末(36vol%)、球状炭素粒子(35.0vol%)、γ−Al2O3粉末(1.0vol%)を添加した。次いで、このビーカーを超音波発信装置のバスにつけた状態で約30分間超音波を照射して振動させた。その後、エバポレータで溶媒を留去して十分に脱泡し、ポリエチレン製のモールド(200mm×100mm×2mm)に混合物を移してシート状に成形した。その状態のまま冷蔵庫に入れ、5℃で72時間放置した後、10℃で72時間放置して架橋させた。
【0049】
このようにして得られた変形導電性エラストマーの繰り返しの圧縮変形に対する電気抵抗(K・Ω・cm)の変化を測定した。なお、この測定は、特公平7−7607号公報に記載の方法に準じて行った。その結果を図1に示す(図1中の番号は圧縮回数)。
【0050】
また、走査型電子顕微鏡(SEM)写真を観察し、単位面積当たり(10×10μm2)の粒子数と最近接粒子間距離(μm)を測定することにより、球状炭素粒子の分散性を調べた。その結果を図2に示す。図3には、シリコーンゴムマトリックスと球状炭素粒子の界面に濡れが観察された走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。更に、別々に作製した2つの変形導電性エラストマー(試料1及び試料2)についての引張試験(JIS K 6301)の結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
〔実施例2(溶液・超音波法)〕
セラミックス粒子として、粒子径20〜50nmで平均粒子径30nmのβ−SiC粉末(商品名「T1」、住友大阪セメント社製)を用いた他は、実施例1と同様にして変形導電性エラストマーを作製した。得られた変形導電性エラストマーの繰り返しの圧縮変形に対する電気抵抗の変化を実施例1と同様にして測定した。その結果を図4に示す(図4中の番号は圧縮回数)。
【0053】
〔比較例1(単純混合法)〕
セラミックス粒子を添加しない他は実施例1と同じ配合割合としたが、実施例1とは異なる方法で変形導電性エラストマーを作製した。即ち、シリコーンゴム粉末と球状炭素粒子とをあらかじめ混合しておき、これに液状シリコーンゴムを加えて混合機(商品名「SC−VS20W」、松下電器産業社製)で5分間混練し、十分に脱泡した。その後の操作は実施例1と同様である。
【0054】
得られた変形導電性エラストマーの繰り返しの圧縮変形に対する電気抵抗の変化と、最近接粒子間距離に対する単位面積当たりの粒子数を実施例1と同様にして測定した。その結果を図5(図5中の番号は圧縮回数)及び図2に示す。また、実施例1と同様にして行った引張試験の結果を表1に示す。
【0055】
〔比較例2(溶液法)〕
超音波を照射しないで単に攪拌した他は、実施例1と同様にして変形導電性エラストマーを作製した。最近接粒子間距離に対する単位面積当たりの粒子数を実施例1と同様にして測定した。その結果を図2に示す。
【0062】
また、請求項1及び請求項4の変形導電性エラストマーの製造方法の発明によれば、超音波を照射することにより分散媒を振動させる振動工程とその後に分散媒を留去して乾燥させる乾燥工程とによって、エラストマー粒子や導電性粒子等が混合分散するので、これらをより均一に分散させることができるという利点がある。
【0063】
また、請求項2及び請求項5の発明によれば、分散媒が、未架橋の非導電性エラストマー又は非導電性エラストマーが溶解する溶媒であるので、未架橋の非導電性エラストマー又は非導電性エラストマーの溶媒への溶解によりエラストマー粒子や導電性粒子等を更に均一に分散させることができるという利点がある。
【0064】
請求項3の発明によれば、未架橋の非導電性エラストマーが液状ゴム又は未架橋ゴムワニスであり、溶媒に溶解し易いか又は溶媒で希釈するだけでよいので、変形導電性エラストマーをより効率良く製造できるという利点がある。
【0065】
請求項6の発明によれば、非導電性エラストマーが熱可塑性エラストマーワニスであり、溶媒で希釈するだけでよいので、請求項3の効果と同様、変形導電性エラストマーをより効率良く製造できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の繰り返しの圧縮変形に対する電気抵抗変化特性を示すグラフ。
【図2】実施例1、比較例1、及び比較例2の最近接粒子間距離に対する単位面積当たりの粒子数を示すグラフ。
【図3】実施例1の球状炭素粒子付近を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真。
【図4】実施例2の繰り返しの圧縮変形に対する電気抵抗変化特性を示すグラフ。
【図5】比較例1の繰り返しの圧縮変形に対する電気抵抗変化特性を示すグラフ。
Claims (6)
- 非導電性エラストマー中に、粒子径が10乃至300μmのエラストマー粒子と、粒子径が1乃至40μmの導電性粒子とをほぼ均一に分散させた変形導電性エラストマーの製造方法であって、分散媒に、少なくとも未架橋の前記非導電性エラストマーと、前記エラストマー粒子と、前記導電性粒子とを添加し、超音波を照射して前記分散媒を振動させる振動工程とその後に前記分散媒を留去して乾燥させる乾燥工程とによって、前記非導電性エラストマー中に前記エラストマー粒子と前記導電性粒子とを混合分散させ、前記未架橋の非導電性エラストマーを架橋させることを特徴とする変形導電性エラストマーの製造方法。
- 前記分散媒が、前記未架橋の非導電性エラストマーが溶解する溶媒であることを特徴とする請求項1記載の変形導電性エラストマーの製造方法。
- 前記未架橋の非導電性エラストマーが液状ゴム又は未架橋ゴムワニスであることを特徴とする請求項2記載の変形導電性エラストマーの製造方法。
- 非導電性エラストマー中に、粒子径が10乃至300μmのエラストマー粒子と、粒子径が1乃至40μmの導電性粒子とをほぼ均一に分散させた変形導電性エラストマーの製造方法であって、分散媒に、少なくとも前記非導電性エラストマーと、前記エラストマー粒子と、前記導電性粒子とを添加し、超音波を照射して前記分散媒を振動させる振動工程とその後に前記分散媒を留去して乾燥させる乾燥工程とによって、前記非導電性エラストマー中に前記エラストマー粒子と前記導電性粒子とを混合分散させることを特徴とする変形導電性エラストマーの製造方法。
- 前記分散媒が、前記非導電性エラストマーが溶解する溶媒であることを特徴とする請求項4記載の変形導電性エラストマーの製造方法。
- 前記非導電性エラストマーが熱可塑性エラストマーワニスであることを特徴とする請求項5記載の変形導電性エラストマーの製造方法。
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