JP4628288B2 - 脚柱の構造 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄筋コンクリート製の脚柱の構造に関するものである。
従来、このような分野の技術として、下記特許文献1に記載の橋脚が知られている。この文献では、橋脚の外側面に鋼板を固定することで、橋脚の耐震強度を向上することが提案されている。
特開平9−209580号公報
しかしながら、この橋脚は、外側面の鋼板によって地震時の変形が抑制されるので、例えば地震時等に、橋脚が降伏するほどの大きな荷重を受けた場合、降伏後には地震のエネルギーを吸収することができず、崩壊してしまうおそれがある。この種の脚柱においては、安全のため、崩壊を免れる構造が要求される。
そこで、本発明は、崩壊しにくい脚柱の構造を提供することを目的とする。
本発明に係る脚柱の構造は、脚柱本体の軸方向に延在する鉄筋の一部が途中定着された段落し部を有する鉄筋コンクリート製の脚柱の構造において、脚柱本体が荷重を受けて最大耐力を保持している状態のときに、段落し部で途中定着された途中定着鉄筋とコンクリートとの付着が失われるように、途中定着鉄筋とコンクリートとの付着強度が調整されていることを特徴とする。
この脚柱の構造によれば、地震時において、脚柱本体が降伏するようなエネルギーを受ける場合、まず、橋脚本体が最大耐力を保持した状態になるまで橋脚本体の変形が進行し、地震のエネルギーが吸収される。そして、橋脚本体が最大耐力を保持している状態のときに、途中定着鉄筋とコンクリートとの付着が失われる。この付着が失われると、途中定着鉄筋が機能しなくなり、橋脚本体の鉄筋数が減少した状態となるので、脚柱本体が負担する力が低下する。従って、上記付着が失われた後は、その前よりも負担する荷重が小さい状態で橋脚本体が変形しながら地震のエネルギーが吸収される。この場合、橋脚本体の鉄筋数が少ない状態であり負担する荷重が小さいことから、橋脚本体は、耐荷性状が安定した状態で高い変形性能を示すことになる。従って、橋脚本体におけるコンクリートの損傷が抑えられ、橋脚本体が吸収可能なエネルギーが大きくなるので、橋脚本体の崩壊が発生しにくい。
また、本発明に係る脚柱の構造は、途中定着鉄筋に対応する位置において脚柱本体の外側面に圧縮力を付与する押圧手段を備え、途中定着鉄筋とコンクリートとの付着強度は、押圧手段による外側面への圧縮力を調整することにより調整されていることが好ましい。このような押圧手段が、橋脚本体の外側面を押圧すると、橋脚本体の途中定着鉄筋の周囲のコンクリートが途中定着鉄筋に押し当てられるので、途中定着鉄筋とコンクリートとの付着強度を強化することができる。従って、この押圧手段による圧縮力の強弱を調整することで、途中定着鉄筋とコンクリートとの付着強度を調整することができる。その結果、脚柱本体が荷重を受けて最大耐力を保持している状態のときに、途中定着鉄筋とコンクリートとの付着が失われるような付着強度に、正確に調整することができる。
ここで、上記作用を効果的に奏する押圧手段の具体的な構成としては、途中定着鉄筋に対応する位置において脚柱本体の外側面に固定され、途中定着鉄筋の配列方向に延在する押圧部材を備える構成が挙げられる。
また、この場合、押圧部材は、脚柱本体の途中定着鉄筋の位置よりも深い位置まで挿入されたアンカー部材によって固定されていることが好ましい。このような構成によれば、アンカー部材に引っ張り応力を作用させ、この引っ張り応力を調整することで押圧部材による圧縮力を調整することができる。
また、押圧部材は、互いに対向する外側面に対として設けられており、押圧部材同士は、脚柱本体を貫通する貫通部材によって連結されていることが好ましい。このような構成によれば、互いに対向する外側面の押圧部材それぞれに対して連結部材の引っ張り応力を作用させ、この引っ張り応力を調整することで、押圧部材による圧縮力を容易に調整することができる。
また、押圧手段は、押圧部材を外側面に押し当てるように付勢する付勢手段を更に備えることが好ましい。このような付勢手段の付勢力を調整することで、押圧部材による圧縮力を容易に調整することができる。
また、押圧部材は、延在方向における中央が脚柱本体側に向かうように湾曲した状態から外側面に押し当てられて当該外側面に密着していることが好ましい。このような構成によれば、押圧部材自体の弾性力によって、押圧部材の中央においても効果的に圧縮力が付与され、外側面に対して均等な圧縮力を付与することが出来る。また、押圧部材の形状や物理的性質を調整することで、圧縮力を容易に調整することができる。
本発明によれば、崩壊しにくい脚柱の構造を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る脚柱の構造の好適な実施形態について詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1及び図2に示すように、橋梁100は、複数の鉄筋コンクリート製の橋脚(脚柱)1と、それらの橋脚1に支持され水平方向に延在する橋桁3とを備えている。この橋脚1は、地盤5に固定されたフーチング7とフーチング7から鉛直上方向に延びる橋脚本体(脚柱本体)9とを備えている。更に、橋脚1は、橋脚本体9の上方に設けられ橋桁3を支持する支持部11を備えている。
このような橋脚本体9は、橋桁3からの荷重を考慮し、橋桁3の延在方向に直交する方向の幅が、橋桁3の延在方向の幅よりも広く形成されている。すなわち、橋脚本体9は、長方形の水平断面をもつ形状をなしており、鉛直平面をなす2対の外側面9a,9bを有している。そして、一対の外側面9aは、上記水平断面の長方形の長辺に対応しており、長方形の短辺に対応する一対の外側面9bに比較して広い水平幅を有している。
図3〜図5に示すように、橋脚本体9においては、鉛直方向(脚柱本体の軸方向)に延びる鉄筋15が、水平方向に多数配列されてコンクリート部13に埋め込まれて存在している。そして、この橋脚本体9の途中の高さの位置には、段落し部17が設けられており、上記鉄筋15のうち約半数の鉄筋(途中定着鉄筋)15aは、段落し部17において上端部が途中定着され、残りの約半数の鉄筋15bは、更に上方に向かって支持部11まで延びている。この鉄筋15には、コンクリート部13との確実な付着を図るため、等間隔に節部15cが設けられている。
このような段落し部17において、地震時の橋桁3からの荷重によって橋脚本体9が撓む際には、段落し部17で途中定着された鉄筋15aが、下向きの力F1で引っ張られる。そして、段落し部17では、下向きに張られた鉄筋15aの節部15cが、周囲のコンクリートを押し広げようとする力を生じさせ、これよって橋脚本体9のかぶりコンクリート13aを外側に押す力F2が生じる。また、図6に示すように、鉄筋15aが橋脚本体9の撓みに追従出来ずに、途中定着部15d付近において、この鉄筋15aが橋脚本体9から外側にはらみ出そうとする力F3も生じる。
そして、地震時においては、上記のような力F2,F3が働くことによって、鉄筋15aの周囲のコンクリートに鉛直方向のひび割れが発生し、段落し部17におけるコンクリート部13と鉄筋15aとの付着が失われる。また、このとき、かぶりコンクリート13aが橋脚本体9から剥離する場合もある。なお、このように段落し部17におけるコンクリート部13と鉄筋15aとの付着が失われる現象を、以下の説明においては、単に「付着の喪失」と称する場合もある。
そして、この橋脚1においては、地震時において上記のような付着の喪失が発生するタイミングを所望のタイミングに調整するため、コンクリート部13と鉄筋15aとの付着強度(以下、単に「付着強度」とも称する。)が調整されている。すなわち、ここでは、地震時において、橋脚本体9が降伏した後、橋脚本体9が最大耐力を保持している間に付着の喪失が発生するように、付着強度が調整されている。この付着強度は、途中定着鉄筋15aが、下向きの力F1で引っ張られた場合における付着の喪失の発生の容易性を意味しており、付着強度が強いほど付着の喪失が発生し難く、付着強度が弱いほど付着の喪失が発生し易い。
ここで、橋脚本体9における途中定着部15dよりも下方において、外側面9a,9bに対して圧縮力を付与すると、この圧縮力によって鉄筋15a周囲のコンクリートが鉄筋15aに対して押し当てられる。そして、この押し当て力が上記の力F2,F3に対抗するので、鉄筋15aの付着の喪失が発生し難くなる。すなわち、この場合、鉄筋15aの付着強度が強化される。このように、途中定着部15dよりも下方における外側面9a,9bに対する圧縮力は、鉄筋15aの付着強度に関連することになるので、上記付着強度の調整は、上記圧縮力の強弱を調整することで達成することができる。
また、橋脚1における橋脚本体9の断面形状によれば、橋脚本体9は、橋桁3の延在方向への撓みが大きいので、特に、外側面9aにおいて上記付着の喪失の現象が発生し易い。従って、付着の喪失の発生タイミングを調整する上では、外側面9a付近の鉄筋15aの付着強度を調整することが、特に効果的である。
以下、このような付着強度の調整を可能にするための橋脚1の具体的な構成について説明する。図2〜図4及び図7に示すように、橋脚本体9の両側の外側面9a,9aには、段落し部17における鉄筋15aの途中定着部15dに対応する位置に沿って、水平に延在する押圧板(押圧部材)21がそれぞれ取り付けられている。この押圧板21は、外側面9aの水平幅と同じ長さをもつ断面コ字型の鋼材であり、平面をなす押圧面21aを有している。また、補強板21の鉛直方向の幅は、鉄筋15aの直径の5〜25倍の寸法に設定されており、押圧板21の上端は、鉄筋15a上端の途中定着部dと同じ高さに位置している。この押圧板21は、押圧面21aがゴム板23を介して外側面9aに密着するように、3箇所のアンカー部材25及びナット29によって外側面9aに取り付けられている。
このアンカー部材25は、かぶりコンクリート13aを貫通して鉄筋15aよりも深い位置まで挿入されており、モルタル26によってコンクリート部13に固定されている。そして、ナット29の締め付けにより、アンカー部材25には引っ張り応力が生じており、その結果、押圧板21の押圧面21aが外側面9aに対して押し当てられ圧縮力F4を付与している。このアンカー部材25としては、ネジ溝が形成されたPC綱棒やネジ鉄筋を採用することができる。
なお、この押圧板21は断面コ字型に形成されているので、ナット29の締め付けによる押圧板21自体の撓みは極めて少なく、押圧板21は外側面9aに対して均等な圧縮力F4を付与することができる。また、ナット29と押圧板21の間には、支圧板27が挟まれているので、ナット29の締め付け力が押圧板21に効率よく伝達され、更に、押圧面21aと外側面9aとの間にはゴム板23が挟まれているので、外側面9aには均等な圧縮力F4が付与される。そして、ナット29の締め付け力の強弱を調整することにより、圧縮力F4の強弱を調整することができ、その結果、外側面9a付近の鉄筋15aの付着強度を調整することができる。
そして、圧縮力F4と、付着の喪失が発生するタイミングとの相関関係を予め実験により求めておくことで、付着の喪失を所望のタイミングで発生させるような調整が可能になる。その結果、上述のように、橋脚本体9が降伏した後、橋脚本体9が最大耐力を保持している間に鉄筋15aの付着の喪失が発生するように、付着強度を調整することが可能になる。
また、地震時において、付着の喪失が、橋脚本体9の降伏の前に発生しないようにするためには、鉄筋15aの付着強度を大きく強化する必要があるが、上記押圧板21により圧縮力F4を付与する上記の構成によれば、このような条件も満足することができる。また、付着強度がある程度強化されていることから、小規模の地震時においては、鉄筋15aの付着が容易に失われることがなく、小規模の地震時に対する耐震強度が向上する。そして、上記構成によれば、橋脚本体9の周囲に新たに鉄筋を巻き付けるような付着強度の強化に比較して、鉄筋量やコンクリート量を節約することができる。
続いて、外側面9aに対する圧縮力が上述のように調整された橋脚1の挙動について、図8を参照しながら説明する。初期段階では、橋脚本体9の途中定着鉄筋15a,鉄筋15bは、双方ともコンクリート部13に付着しており、有効に機能している。この状態の橋脚本体9は、上端にかかるP1の水平力を負担することができる。ここで、橋脚1が地震時のエネルギーを受けると、橋脚本体9の上端が変位δ1まで変形したところで弾性領域を越えて降伏する(図8中の状態A1)。この橋脚本体9では、上述のように途中定着鉄筋15aの付着強度が強化されていることから、このような降伏後の状態においても、途中定着鉄筋15aの付着の喪失は発生しておらず、途中定着鉄筋15aは橋脚本体9の強度に貢献している。そして、橋脚本体9の上端にかかる水平力がP1に達すると(状態A2)、橋脚本体9は、それ以上の水平力を負担することなく、最大耐力P1を保持した状態で変形を続けることで、地震のエネルギーを吸収し続ける。
ここで、橋脚1においては、前述したように、橋脚本体9が最大耐力P1を保持しているときに、鉄筋15aの付着の喪失が発生するように、押圧板21による圧縮力F4の大きさが調整されている。従って、ここでは、橋脚本体9が最大耐力P1を保持したまま、変位δ3まで橋脚本体9の変形が進行した段階で(状態A3)、鉄筋15aの周囲のコンクリートに鉛直方向のひび割れが発生する。このとき、更に、かぶりコンクリート13aが橋脚本体9から剥離する場合もある。このことで、途中定着鉄筋15aの付着が喪失し、鉄筋15bのみが橋脚本体9の強度に貢献することになるので、橋脚本体9が負担可能な水平力は、P2にまで低下する(状態B4)。
その後は、ほぼP2の水平力を負担しながら橋脚本体9の変形が進行していく(状態B5)。この状態B5においては、橋脚本体9は強度に貢献する鉄筋数が少ない状態となっており、かつ、橋脚本体9の強度に貢献する鉄筋15bは既に降伏していることから、コンクリート部13の損傷は軽微であり、橋脚本体9は高い変形性能を示す。従って、橋脚本体9は、状態B5において、大きく変形しながらも地震のエネルギーを吸収し続けることができ、橋脚本体9は崩壊しにくい。
一方、比較のため、図8及び図9を参照しながら、崩壊するまで途中定着鉄筋15aの付着が失われないようにした橋脚101の挙動を考える。この場合、橋脚101が地震のエネルギーを受けると、橋脚本体109は、橋脚本体9と同様に、状態A1〜A3を経て変形する。そして、図8中の一点鎖線で示すように、状態A3以降においても橋脚本体109が最大耐力P1を保持し続け、橋脚本体109の最下部109aが最大の曲げモーメントを受け続ける。そして、橋脚本体109の変形が、変位δ4まで進行したときに耐力が低下し始め(図中の状態A4)、その後終局状態(状態A5)に達した後は、橋脚本体109の耐力が急激に低下して最下部109aが崩壊する(状態A6)。このような橋脚101の場合、崩壊までに吸収した地震エネルギーの総量は、図8で明らかな通り、橋脚1よりも小さくなる。換言すれば、上述した橋脚1は、この橋脚101よりも吸収可能なエネルギーが大きく、崩壊しにくいことが判る。
以上のように、橋脚1では、状態A2〜A4までの間の何れかのタイミングで(すなわち、橋脚本体9が最大耐力P1を保持しながら変形しているときに)、意図的に鉄筋15aの付着を失わせることによって、橋脚本体9に負担させる水平力を低下させ、その後の橋脚本体9が高い変形性能を示すようになる。従って、鉄筋15aの付着の喪失後の橋脚本体9は、大きい変形によって地震のエネルギーを吸収することができ、崩壊が発生しにくい。
また、この場合、橋脚1が吸収可能な地震のエネルギーの総量を出来るだけ増加させるべく、鉄筋15aの付着の喪失が発生するタイミングを、出来るだけ終局状態(図中の状態A4)に近づけるように、圧縮力F4の強弱を調整することが好ましい。そして、上記の橋脚1の構成によれば、ナット29の締め付け力の調整によって圧縮力F4の調整が可能であるので、鉄筋15aの付着の喪失が発生するタイミングを、上記の終局状態の近くに、容易に調整することができる。
なお、上記橋脚1においては、ナット29の締め付け力によって押圧板21が外側面9aに圧縮力を付与していたが、ナット29は押圧板21を固定出来る程度に締めるだけでもよい。このようにしても、橋脚本体9の撓みが発生した際には、押圧板21が上記の力F2,F3に対抗して圧縮力F4を発生させるので、鉄筋15aの付着強度が強化される。
(第2実施形態)
図10を参照し、本発明の第2実施形態に係る橋脚51について説明する。この橋脚51の段落し部53においては、上記橋脚1におけるアンカー部材25に代えて、外側面9aから他方の外側面9aまで橋脚本体を貫通する3本の貫通鋼材(貫通部材)55を備えている。この貫通鋼材55としては、ネジ溝が形成されたPC綱棒やネジ鉄筋を採用することができる。3本の貫通鋼材55は、橋脚本体9を貫通する3つの貫通孔にそれぞれ挿通されており、各貫通鋼材55の両端には、ナット29が装着されている。
橋脚本体9の両側に取り付けられた一対の押圧板21は、この各貫通鋼材55とナット29とによって、それぞれ対向する外側面9a,9aに3箇所で固定されている。そして、両端のナット29の締め付けにより、貫通鋼材55には引っ張り応力が生じており、その結果、両側の押圧板21はそれぞれ外側面9aに対して圧縮力を付与している。以上のように、このような構成の橋脚51によっても、外側面9aに対して圧縮力を付与することができる。そして、ナット29の締め付け力の強弱を調整することにより、この圧縮力の強弱を調整することができるので、上述した橋脚1と同様の作用効果を奏することができる。なお、この橋脚51において、橋脚1と同一又は同等な構成については、図面に同一符号を付し、その説明は省略する。
(第3実施形態)
図11〜図13を参照し、本発明の第3実施形態に係る橋脚61について説明する。この橋脚61の段落し部63においては、両側の外側面9aの押圧板21に沿って更に外側に、押圧板21と同等の構成を有する第2押圧板65がそれぞれ設けられている。2つの第2押圧板65は、外側面9aの水平幅よりもわずかに長く形成されており、第2押圧板65の互いの両端同士が、外側面9bに沿って延びる連結鋼材67及びナット68によって連結されている。この連結鋼材67としては、ネジ溝が形成されたPC綱棒やネジ鉄筋を採用することができる。
この押圧板21と第2押圧板65との間には、等間隔に配列された3本のコイルバネ(付勢手段)69が伸縮自在に挟まれて取り付けられ、ナット68の締め付けによって、各コイルバネ69が圧縮されている。その結果、両側の押圧板21はコイルバネ69からの圧縮力により段落し部63を挟み込み、それぞれ外側面9aに対して圧縮力を付与している。以上のように、このような構成の橋脚61によっても、外側面9aに対して圧縮力を付与することができる。そして、コイルバネ69のバネ定数を適宜調整することにより、この圧縮力の強弱を調整することができるので、上述した橋脚1と同様の作用効果を奏することができる。また、このような構成によれば、橋脚本体9にアンカー部材用の孔を形成する工程が不要になるので、作業性が向上する。なお、外側面9aに対する圧縮力の強弱は、ナット68の締め付け力の強弱によって調整してもよい。
また、ナット68の締め付け力は第2押圧板の両端に加えられることから、第2押圧板65は、中央が外側面9aから離れるようにわずかに湾曲する。ところが、第2押圧板65からの圧縮力は、複数のコイルバネ69のバネ定数を変化させることで、押圧板21の各部に等間隔に等しい圧縮力が伝達されるので、押圧板21は、外側面9aに対して均等な圧縮力を付与することが可能となり、圧縮力の調整をより正確に行うことができる。なお、第2押圧板65は、押圧板21と同様に断面コ字型に形成されているので、ナット68の締め付けによる第2押圧板65自体の撓みは極めて少なく、押圧板21に対して均等な圧縮力を付与することができる。なお、この橋脚61において、橋脚1と同一又は同等な構成については、図面に同一符号を付し、その説明は省略する。
(第4実施形態)
図14を参照し、本発明の第4実施形態に係る橋脚71について説明する。この橋脚71の段落し部73においては、橋脚1における押圧板21に代えて、両側の外側面9aに押圧板75がそれぞれ取り付けられている。各押圧板75は、断面コ字型をなし、延在方向における中央が外側面9aに向かうように湾曲した鋼材である。これらの各押圧板75は、湾曲した状態から外側面9aに押し当てられることで、外側面9aに沿うように直線状に弾性変形し、各押圧板75の押圧面75aがゴム板23を介して外側面9aに密着する。そして、このように弾性変形した状態で、両側の押圧板75の互いの両端部同士が、外側面9bに沿って延びる連結鋼材77及びナット78によって連結される。この連結鋼材77としては、ネジ溝が形成されたPC綱棒やネジ鉄筋を採用することができる。
このように、予め外側面9a側に凸になるように湾曲された両側の押圧板75が、直線状に弾性変形するように外側面9aに押し当てられており、互いに連結されている。このことで、2つの押圧板75が橋脚本体9の段落し部73を挟み込み、それぞれ外側面9aに対して圧縮力を付与している。以上のように、このような構成の橋脚71によっても、外側面9aに対して圧縮力を付与することができる。そして、押圧板75の剛性や湾曲形状を適宜調整することにより、この圧縮力の強弱を調整することができるので、上述した橋脚1と同様の作用効果を奏することができる。なお、外側面9aに対する圧縮力の強弱は、ナット78の締め付け力の強弱によって調整してもよい。
また、ナット78の締め付け力は押圧板75の両端に加えられることから、押圧板75は、中央が外側面9aから離れるように湾曲する力を受ける。この湾曲により、押圧板75中央において、外側面9aへの圧縮力が十分でなくなることも考えられるが、この橋脚71の構成によれば、弾性変形による押圧板75の残留応力によって、押圧板75の中央部においても外側面9aへの圧縮力が十分に発生している。従って、押圧板75の長さ方向における外側面9aへの圧縮力が均一化され、圧縮力の調整をより正確に行うことができる。なお、この橋脚71において、橋脚1と同一又は同等な構成については、図面に同一符号を付し、その説明は省略する。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の橋脚1,51,61,71の構造は、特に、既存の橋脚の耐震補強構造に好適に適用できるが、新設の橋脚の構造に適用してもよい。
また、上述の橋脚1,51,61,71では、押圧板21,75を段落し部17,53,63,73の高さに設けているが、鉄筋15aが存在する位置に対応させて、段落し部よりも下方に押圧板21,75を設けてもよい。例えば、橋脚51を例として説明すれば、図15に示すように、押圧板21の上下位置を適宜調整することで、意図的に段落し部53の鉄筋15aの付着の喪失を発生させ、段落し部53で地震のエネルギーを吸収させることができる。従って、地震のエネルギーの吸収位置として、一般的に地中や水中に存在する最下部9aではなく、地上や水上の位置を選択することにより、地震後の補修作業を容易にすることができる。
また、上述の第1〜第4実施形態における各橋脚1,51,61,71の各構成は、適宜組み合わせて採用してもよい。
本発明に係る脚柱の構造が用いられる橋梁を示す図である。 本発明に係る脚柱の構造の第1実施形態を示す斜視図である。 図2の橋脚におけるIII−III線に沿った断面図である。 図2及び図3の橋脚におけるIV−IV線に沿った断面図である。 鉄筋の途中定着部付近を拡大した鉛直断面図である。 図2の橋脚が撓んだ状態を示す断面図である。 図4におけるVII−VII線に沿った断面図である。 図2の橋脚本体の地震時における変位と荷重とを示す図である。 比較例の橋脚の地震時における挙動を示す図である。 本発明に係る脚柱の構造の第2実施形態を示す断面図である。 本発明に係る脚柱の構造の第3実施形態を示す断面図である。 図11におけるXII−XII線に沿った断面図である。 図11におけるXIII−XIII線に沿った端面図である。 本発明に係る脚柱の構造の第4実施形態を示す断面図である。 橋脚の地震時における破損の状態を示す図である。
符号の説明
1,51,61,71…橋脚(脚柱)、9a,9a…外側面、9…橋脚本体(脚柱本体)、13…コンクリート部、15a…途中定着鉄筋、15d…途中定着部、17,53,63,73…段落し部、21,75…押圧板(押圧手段、押圧部材)、25…アンカー部材、55…貫通鋼材(貫通部材)、69…コイルバネ(付勢手段)。

Claims (7)

  1. 脚柱本体の軸方向に延在する鉄筋の一部が途中定着された段落し部を有する鉄筋コンクリート製の脚柱の構造において、
    前記脚柱本体が荷重を受けて最大耐力を保持しているときに、前記段落し部で途中定着された途中定着鉄筋とコンクリートとの付着が失われるように、前記途中定着鉄筋と前記コンクリートとの付着強度が調整されていることを特徴とする脚柱の構造。
  2. 前記途中定着鉄筋に対応する位置において前記脚柱本体の外側面に圧縮力を付与する押圧手段を備え、
    前記途中定着鉄筋と前記コンクリートとの付着強度は、前記押圧手段による前記外側面への圧縮力を調整することにより調整されていることを特徴とする請求項1に記載の脚柱の構造。
  3. 前記押圧手段は、
    前記途中定着鉄筋に対応する位置において前記脚柱本体の前記外側面に固定され、前記途中定着鉄筋の配列方向に延在する押圧部材を備えることを特徴とする請求項2に記載の脚柱の構造。
  4. 前記押圧部材は、前記脚柱本体の前記途中定着鉄筋の位置よりも深い位置まで挿入されたアンカー部材によって固定されていることを特徴とする請求項3に記載の脚柱の構造。
  5. 前記押圧部材は、互いに対向する前記外側面に対として設けられており、前記押圧部材同士は、前記脚柱本体を貫通する貫通部材によって連結されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の脚柱の構造。
  6. 前記押圧手段は、
    前記押圧部材を前記外側面に押し当てるように付勢する付勢手段を更に備えたことを特徴とする請求項3〜5の何れか1項に記載の脚柱の構造。
  7. 前記押圧部材は、延在方向における中央が前記脚柱本体側に向かうように湾曲した状態から前記外側面に押し当てられて当該外側面に密着していることを特徴とする請求項3〜6の何れか1項に記載の脚柱の構造。

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