JP4628001B2 - 光量調整装置 - Google Patents
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そして、このシャッタ装置又は絞り装置においては、ステップモータが回転すると、歯車あるいは駆動レバー等を介して、円板が所望の角度だけ回転させられて、露光用の開口部を開閉又は所定の口径に絞るようになっていた(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
したがって、携帯電話機等に搭載されるカメラユニットに対して、従来のシャッタ装置又は絞り装置を適用するのは困難であり、それ故に、小型で薄型の光量調整装置(シャッタ装置又は絞り装置)が望まれていた。
この構成によれば、コイルに通電されると、ヨークの磁極片にN極及びS極が生じ、この磁極片と円板の一部をなすマグネットとの間に磁気的吸引及び反発を生じて、円板は所定の角度を回転する。したがって、円板の開口が露光用の開口部に臨む位置にある全開状態から、円板が回転すると、開口部が閉鎖されてシャッタ動作が行われる。
このように、開口をもつターレット型の円板にマグネットを設け(例えば、着磁処理により一体成形し又は別個に形成した永久磁石を円板に後付けし)、ヨークとの間で生じる磁気的吸引力及び反発力を回転駆動力として円板に直接及ぼすようにしたことで、構造が簡略化され、小型化、薄型化された光量調整装置(シャッタ装置)が提供される。
また、ヨークの磁極片が円板の外周面に対向するように形成されているため、円板の回転中心線方向において、装置を薄型化することができる。
この構成によれば、コイルに通電されると、ヨークの磁極片にN極及びS極が生じ、この磁極片と円板の一部をなすマグネットとの間に磁気的吸引及び反発を生じて、円板が所定角度回転すると、円板の開口が露光用の開口部に臨む全開状態から、円板の絞り開口が露光用の開口部に臨む位置に移動して、露光用の開口部が所定の面積に絞られる絞り動作が行われる。
このように、全開用の開口及び絞り開口をもつターレット型の円板にマグネットを設け(例えば、着磁処理により一体成形し又は別個に形成した永久磁石を円板に後付けし)、ヨークとの間で生じる磁気的吸引力及び反発力を回転駆動力として円板に直接及ぼすようにしたことで、構造が簡略化され、小型化、薄型化された光量調整装置(絞り装置)が提供される。
この構成によれば、円板の中心を支軸で回動自在に支持するため、摺動界面の面積を小さくすることができ、それ故に円板の回転に伴う摩擦力等を極力抑制することができる。
この構成によれば、円板の外周面及び主面をガイド部で支持することにより、円板を小径化してその中心に支軸を配置するスペースが確保できないような場合にも、円板を回動自在に支持することができる。すなわち、ターレット型の円板を小径化でき、それ故に装置を小型化できる。
この構成によれば、ヨークの磁極片は、回転中心線方向において円板の主面と対向するため磁気的作用を及ぼし合う対向面積を十分確保することができ、円板そのものを薄肉化できる。それ故に、円板の慣性モーメントを小さくすることができ、円板の起動応答性を高めることができる。
この構成によれば、基板に形成された長孔の両端縁部により円板のピンが規制されることで、円板の回動範囲が規制され、例えば開口が露光用の開口部に臨む全開位置と、開口部が閉鎖される閉鎖位置又は絞り開口が露光用の開口部に臨む絞り位置とにおいて、円板を確実に位置決めすることができる。
この構成によれば、肉抜きされた開口の部分をピンで補うことにより、円板の回転不釣合い量をできるだけ小さくすることができ、円板を円滑に回転させることができる。
図1ないし図6は、本発明に係る光量調整装置の一実施形態を示すものであり、図1は装置の外観正面図、図2及び図4は装置の内部を示す平面図、図3及び図5は装置の断面図、図6は装置の一部を示す断面図である。
尚、ヨーク40、コイル60等により、円板30を回転駆動する駆動機構が構成されている。
カバー20は、図1ないし図3、図6に示すように、例えば樹脂材料を用いてベース10と略同一の輪郭をなす矩形形状に形成され、ベース10の開口部11と同一径の円形をなす露光用の開口部21、円板30を回動自在に支持する軸受孔22、後述する円板30のピン33aを挿入して円板30が往復動する角度範囲を規定する円弧状の長孔23等を備えている。
尚、ベース10とカバー20とは、ベース10に対して円板30、ボビン50の周りに巻回されたコイル60を保持したヨーク40が収容された後に、ネジ等により一体的に締結される。
円板30は、支軸31、開口部11,21よりも大きい径をなす円形の開口32、厚肉の外縁部33、外縁部33上でかつ径方向において開口32と並ぶ位置に突出して形成されたピン33a等を備えている。
そして、支軸31がベース10の軸受孔12及びカバー20の軸受孔22に挿入されて、円板30はベース10及びカバー20に対して回動自在に支持されている。このように、円板30はその回転中心Lが支軸31で回動自在に支持されるため、摺動界面の面積を小さくすることができ、それ故に円板30の回転に伴う摩擦力等を極力抑制することができる。
ピン33aは、長孔23に挿入されて、長孔23の一端縁部23aに当接することで、円板30を時計回りの回転端に位置決めし、長孔23の他端縁部23bに当接することで、円板30を反時計回りの回転端に位置決めするものである。
また、ピン33aは、図1、図2、図4に示すように、円板30の径方向において、開口32と一直線上に並ぶ位置に形成されている。これにより、肉抜きされた開口32の部分をピン33aで補うことにより、円板30の回転不釣合い量をできるだけ小さくすることができ、円板30を円滑に回転させることができる。
第1磁極片41及び第2磁極片42は、所定の間隙をおいて円板30の外周面30aと対向するように円弧状に形成されている。連結部43には、長手方向に二分割されたボビン50が一体的に成形され、その後、ボビン50の周りにはコイル60が巻回されている。
そして、ヨーク40は、ボビン50にコイル60が巻回された状態で、ベース10の位置決め部14に嵌め込まれて固定されるようになっている。
先ず、コイル60への通電が断たれた非通電の状態において、図1ないし図3に示すように、ピン33aは長孔23の一端縁部23aに当接して、円板30は時計回りの回転端に停止し、円板30の開口32が露光用の開口部11,21に臨む全開状態にある。
このとき、円板30のN極は第1磁極片41と磁気的に吸引し合い、又、円板30のS極は第2磁極片42と磁気的に吸引し合って、円板30は、さらに磁気的安定位置へと向かおうとする力により付勢されているので時計回りの回転端に位置決め保持されている。
円板30´は、支軸31、開口部11,21よりも大きい径をなす円形の開口32、回転中心線Lと垂直な主面30b´上において開口32と径方向に一直線上に並ぶ位置に突出して形成されたピン33a´等を備えている。
ピン33a´は、長孔23´に挿入されて、長孔23´の一端縁部23a´に当接することで、円板30´を時計回りの回転端に位置決めし、長孔23´の他端縁部23b´に当接することで、円板30´を反時計回りの回転端に位置決めするものである。
また、ピン33a´は、図8及び図10に示すように、円板30´の径方向において、開口32と一直線上に並ぶ位置に形成されているため、前述同様に、肉抜きされた開口32の部分をピン33a´で補うことにより、円板30´の回転不釣合い量をできるだけ小さくすることができ、円板30´を円滑に回転させることができる。
第1磁極片41´及び第2磁極片42´は、所定の間隙をおいて円板30´の主面30b´の外縁領域と対向するように円弧状に形成されている。
そして、コイル60に対して、一方向に通電されると、第1磁極片41´にN極(又はS極)が生じ、第2磁極片42´にS極(又はN極)が生じ、他方向に通電されると、第1磁極片41´にS極(又はN極)が生じ、第2磁極片42´にN極(又はS極)が生じるようになっている。
先ず、コイル60への通電が断たれた非通電の状態において、図7ないし図9に示すように、ピン33a´は長孔23´の一端縁部23a´に当接して、円板30´は時計回りの回転端に停止し、円板30´の開口32が露光用の開口部11,21に臨む全開状態にある。このとき、円板30´のN極は第1磁極片41´と磁気的に吸引し合い、又、円板30´のS極は第2磁極片42´と磁気的に吸引し合って、円板30´は時計回りの回転端に位置決めされている。
この閉じ動作の際に、円板30´の慣性モーメントが小さくなった分だけ応答性が良くなり、露光用の開口部11,21を閉鎖するシャッタ動作が高速で行われる(高速シャッタが可能になる)。そして、コイル60への通電が断たれると、円板30´のS極は第1磁極片41´と磁気的に吸引し合い、又、円板30´のN極は第2磁極片42´と磁気的に吸引し合って、円板30´は反時計回りの回転端に位置決めされる。
カバー20´´は、図13及び図15に示すように、軸受孔22を除いて前述同様に形成された,露光用の開口部21、円弧状の長孔23等の他に、円板30´´の外縁部33の上面(主面)30d´´を支持するガイド部24´´備えている。
そして、ベース10´´とカバー20´´とは、円板30´´、ボビン50の周りに巻回されたコイル60を保持したヨーク40が収容された後に、ネジ等により一体的に締結される。
そして、円板30´´は、収容室13に挿入されて、外周面30a´´及び下面(主面)30c´´が、外周面30a´´と同心的に形成されたガイド部15´´により支持され、カバー20´´がベース10´´に接合されて、上面(主面)30d´´が、長孔23の領域を除いて外周面30a´´と同心的に形成されたガイド部24´´に支持(当接)されることで、ベース10´´及びカバー20´´に対して回動自在に支持される。
尚、この装置の動作については、前述の図1ないし図7に示す装置と同一であるため、説明を省略する。
そして、円板30´´は、支軸31が軸受孔12,22に挿入され、ベース10´´及びカバー20´´に対して回動自在に支持されている。
先ず、コイル60への通電が断たれた非通電の状態において、図16及び図18(a)に示すように、ピン33aは長孔23の一端縁部23aに当接して、円板30´´´は時計回りの回転端に停止して、開口32が露光用の開口部11,21に臨む全開状態にある。このとき、円板30´´´のN極は第1磁極片41と磁気的に吸引し合い、又、円板30´´´のS極は第2磁極片42と磁気的に吸引し合って、円板30´´´は時計回りの回転端に位置決めされている。
上記実施形態においては、円板30,30´,30´´,30´´´に対して、着磁処理によりマグネットを形成したが、別個に形成されたマグネットを円板に後付けしてもよい。
11 露光用の開口部
12 軸受孔
13 収容室
15´´ ガイド部
20,20´,20´´ カバー(基板)
21 露光用の開口部
22 軸受孔
23,23´ 円弧状の長孔
23a,23a´ 一端縁部
23b,23b´ 他端縁部
24´´ ガイド部
30,30´,30´´,30´´´ 円板
30a,30a´´ 外周面
30b´ 主面
30c´´ 下面(主面)
30d´´ 上面(主面)
31 支軸
32 開口
33 外縁部
33a,33a´ ピン
34´´´ 絞り開口
40,40´ ヨーク
41,41´ 第1磁極片
42,42´ 第2磁極片
43 連結部
50 ボビン
60 コイル
L 円板の回転中心線(回転中心)
Claims (7)
- 露光用の開口部を画定する基板と、
前記基板に対して回動自在に支持され前記開口部を全開し得るべくその回動中心から径方向に離れて形成された開口,及び周方向において二つの極性に着磁されたマグネットを有する円板と、
略U字状に形成されその自由端側において前記マグネットと磁気的作用を及ぼすべく前記円板の外周面に対向する二つの磁極片をもつヨーク,及び前記ヨークの二つの磁極片が連結される側に巻回された励磁用のコイルを含み,前記円板を回転駆動する駆動機構と、
を有する、ことを特徴とする光量調整装置。 - 前記円板は、所定角度回転した位置において、前記露光用の開口部を絞る絞り開口を含む、
ことを特徴とする請求項1記載の光量調整装置。 - 前記円板は、その回転中心に位置する支軸により、回動自在に支持されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光量調整装置。 - 前記円板は、その外周面及びその回転中心線と垂直な主面において、前記基板に形成されたガイド部により、回動自在に支持されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光量調整装置。 - 前記ヨークの磁極片は、前記円板の回転中心線と垂直な主面に対向するように形成されている、
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれかに記載の光量調整装置。 - 前記基板は、前記円板が往復動する角度範囲に対応する円弧状の長孔を有し、
前記円板は、前記長孔に挿入されるピンを有する、
ことを特徴とする請求項1ないし5いずれかに記載の光量調整装置。 - 前記ピンは、前記円板の径方向において、前記開口と略並ぶ領域に形成されている、
ことを特徴とする請求項6記載の光量調整装置。
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