JP2005283723A - カメラ用シャッタ装置 - Google Patents

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敏明 武井
Haruki Oe
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Abstract

【課題】カメラ用シャッタ装置において、シャッタの高速化を図る。
【解決手段】露光用の開口部11,21を画定する基板10,20、基板に対して回動自在に支持され開口部11,21を全開し得る開口32をもつ遮光板(円板)30、遮光板を駆動する駆動機構を備え、遮光板30が開口部11,21を全開した初期位置から閉鎖位置に向かって遮光動作を行う際に、遮光板30の開口32は、初期位置から所定の移動範囲に亘って、開口部11,21を全開した状態を維持するように円弧状の長孔に形成されている。これにより、遮光板30は、移動を開始してから所定の速度に達した時点で、遮光動作を開始するため、完全な遮光状態に至るまでの時間が短縮され、シャッタの高速化が可能になる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、露光用の開口部を開閉するカメラ用シャッタ装置に関し、特に、所定軸の回りに回転する円板を備えたターレット型のカメラ用シャッタ装置に関する。
従来のカメラ用シャッタ装置としては、露光用の開口部を有する基板、基板上の所定軸回りに回動自在に支持され周方向に配列された複数の開口を有する1つ又は2つの円板、円板を回転駆動するための歯車あるいは駆動レバー並びにステップモータを含む駆動機構等により構成されたものが知られている。
そして、このカメラ用シャッタ装置においては、図7に示すように、ステップモータが回転し始めると、略同時のタイミングで、歯車あるいは駆動レバー等を介して円板が回転し始めて(遮光動作を開始して)、露光用の開口部の開口面積を遅滞なく減少させて、所定時間Tの経過後に露光用の開口部を全閉するようになっていた(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
特開2002−90806号公報 特開平07−199274号公報 特開2000−227620号公報
ところで、上記従来のカメラ用シャッタ装置においては、円板及び駆動機構等の慣性力が比較的大きいことから、図7に示すように、円板が露光用の開口部を閉じ始めてから完全に閉鎖する(完全遮光状態に至る)までに要する時間T(すなわち、有効露出時間)が長くかかり、シャッタの高速化には不利であった。
また、円板の駆動機構として、歯車あるいは駆動レバー等を介して、ステップモータの回転駆動力を伝達する手法を採用しているため、部品点数が多く、構造が複雑であり、装置の大型化等を招いていた。
したがって、全体としての小型化が要求される携帯電話機等のカメラユニットに対して、従来のカメラ用シャッタ装置を適用するのは困難であり、又、シャッタの高速化等を実現するのも困難である。それ故に、シャッタの高速化が図れ、小型で薄型のカメラ用シャッタ装置が望まれていた。
本発明は、上記従来技術の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、構造の簡略化、小型化、薄型化等を図りつつ、特に携帯電話機、携帯型パーソナルコンピュータ、PDA等の携帯情報端末装置に適用するのに好適なカメラ用シャッタ装置を提供することにある。
本発明のカメラ用シャッタ装置は、露光用の開口部を画定する基板と、基板に対して往復動自在に支持され開口部を全開し得る開口をもつ遮光板と、遮光板を駆動する駆動機構と、を備え、開口部を全開した初期位置から閉鎖位置に向かって遮光動作を行うカメラ用シャッタ装置であって、上記遮光板は、基板に対して回動自在に支持された円板であり、円板の開口は、初期位置から所定の回転角度範囲に亘って、開口部を全開した状態を維持するように形成されている、ことを特徴としている。
この構成によれば、円板(遮光板)は、露光用の開口部を全開した初期位置から回転し始め、所定の回転角度範囲に亘ってその全開状態を維持し、その後に開口部を閉鎖し(開口面積を減少させ)始める。すなわち、円板が回転し始めてから所定の速度に達した時点で、遮光動作を開始するため、完全な遮光状態に至るまでの時間が短縮され、ターレット型のシャッタ装置において、シャッタの高速化が可能になる。
上記構成において、露光用の開口部は、円孔に形成され、円板の開口は、円弧状の長孔に形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、円板に形成された長孔の一端縁部が開口部の縁部に近接した初期位置から、円板が回転し始めて、長孔の他端縁部が開口部の対向する側の縁部に近接するまでの回転角度範囲において、全開状態が維持される。このように、開口部を全開した状態を維持するべく、円板に設ける開口の形状として、円弧状の長孔を採用するだけでよいため、装置の薄型化、小型化が達成される。
上記構成において、円板は、周方向において異なる極性に着磁されたマグネットを有し、駆動機構は、マグネットと対向する磁極片をもつヨークと、ヨークの周りに巻回された励磁用のコイルと、を有する、構成を採用することができる。
この構成によれば、コイルに通電されると、ヨークの磁極片にN極及びS極が生じ、この磁極片と対向するマグネットとの間に磁気的吸引及び反発を生じて、円板は所定の角度を回転する。したがって、円板の開口が露光用の開口部に臨む位置にある全開状態から、円板が回転すると、開口部が閉鎖されるシャッタ動作が行われる。
このように、開口をもつターレット型の円板にマグネットを設け(例えば、着磁処理により一体成形し又は別個に形成した永久磁石を円板に後付けし)、ヨークとの間で生じる磁気的吸引力及び反発力を回転駆動力として円板に直接及ぼすようにしたことで、構造が簡略化され、小型化、薄型化されたカメラ用シャッタ装置が提供される。
上記構成をなすカメラ用シャッタ装置によれば、遮光板(円板)の開口は、初期位置から所定の移動範囲(回転角度範囲)に亘って、開口部を全開した状態を維持するように(例えば、円弧状の長孔に)形成されているため、シャッタの高速化が達成される。また、遮光板としてターレット型の円板を採用し、この円板にマグネットを設け、ヨークとの間で生じる磁気的吸引力及び反発力を回転駆動力として円板に直接及ぼすようにすることにより、構造が簡略化され、小型化、薄型化され、携帯電話機、携帯型パーソナルコンピュータ、PDA等の携帯情報端末装置に適用するのに好適なカメラ用シャッタ装置が得られる。
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1ないし図5は、本発明に係るカメラ用シャッタ装置の一実施形態を示すものであり、図1は装置の外観正面図、図2及び図4は装置の内部を示す平面図、図3及び図5は装置の断面図である。
このカメラ用シャッタ装置は、図1ないし図5に示すように、基板としてのベース10及びカバー20、ベース10に回動自在に支持された遮光板としての円板30、ベース10に固定されたヨーク40、ヨーク40にボビン50を介して巻回された励磁用のコイル60等を備えている。尚、ヨーク40、コイル60等により、円板30を回転駆動する駆動機構が構成されている。
ベース10は、図2及び図3に示すように、例えば樹脂材料を用いて略矩形形状の輪郭をなすように形成され、円孔をなす露光用の開口部11、円板30を回動自在に支持する軸受孔12、円板30を収容する収容室13、ヨーク40を位置決めする位置決め部14等を備えている。
カバー20は、図1ないし図5に示すように、例えば樹脂材料を用いてベース10と略同一の輪郭をなす矩形形状に形成され、ベース10の開口部11と同一径の円孔をなす露光用の開口部21、円板30を回動自在に支持する軸受孔22、後述する円板30のピン33aを挿入して円板30が往復動する角度範囲を規定する円弧状の長孔23等を備えている。
ここで、ベース10とカバー20とは、ベース10に対して円板30、ボビン50の周りに巻回されたコイル60を保持したヨーク40が収容された後に、ネジ等により一体的に締結される。
円板30は、図2及び図3に示すように、磁性粉末を含む樹脂材料により型成形され、かつ、成型後に周方向において異なる極性をもつように(N極とS極とに二分するように)着磁処理が施されてマグネット(永久磁石)を有するものである。
円板30は、支軸31、開口部11,21よりも大きくかつ円弧状の長孔に形成された開口32、厚肉の外縁部33、外縁部33上でかつ径方向において開口32と並ぶ位置に突出して形成されたピン33a等を備えている。
そして、支軸31がベース10の軸受孔12及びカバー20の軸受孔22に挿入されて、円板30はベース10及びカバー20に対して回動自在に支持されている。
円板30の開口32は、図2及び図4に示すように、全体として略円弧状に形成され、一端縁部32aが半円状に形成され、他端縁部32bが回転中心線Lを通る直線状に形成されている。
したがって、円板30が、図2に示すように、その開口32が開口部11,21に臨む全開状態(初期位置)から反時計回りに回転すると、所定の回転角度範囲に亘って、すなわち、他端縁部32bが開口部11,21に入り込む直前まで、その全開状態が維持されるようになっている。
円板30の外周面30aは、図2及び図4に示すように、後述するヨーク40の磁極片41,42と対向するように形成されており、円板30のマグネット(N極及びS極)と磁極片41,42とは、円板30の径方向において、お互いに磁気的吸引力及び反発力を生じるようになっている。
ピン33aは、長孔23に挿入されて、長孔23の一端縁部23aに当接することで、円板30を時計回りの回転端(初期位置)に位置決めし、長孔23の他端縁部23bに当接することで、円板30を反時計回りの回転端(閉鎖位置)に位置決めするものである。
また、ピン33aは、図1ないし図3に示すように、円板30の径方向において、開口32と一直線上に並ぶ位置に形成されている。これにより、肉抜きされた開口32の部分をピン33aで補うことにより、円板30の回転不釣合い量をできるだけ小さくすることができ、円板30を円滑に回転させることができる。
ヨーク40は、磁力線を通す磁路を画定するものであり、図2及び図4に示すように、略U字状に屈曲して形成され、その自由端側に第1磁極片41及び第2磁極片42、2つの磁極片41,42を連結する領域に直線状の連結部43等を備えている。
第1磁極片41及び第2磁極片42は、所定の間隙をおいて円板30の外周面30aと対向するように円弧状に形成されている。連結部43には、二分割されたボビン50が一体的に組み付けられ、そのボビン50の周りにはコイル60が巻回されている。
そして、ヨーク40は、ボビン50にコイル60が巻回された状態で、ベース10の位置決め部14に嵌め込まれて固定されるようになっている。
そして、コイル60に対して、一方向に通電されると、第1磁極片41にN極(又はS極)が生じ、第2磁極片42にS極(又はN極)が生じ、他方向に通電されると、第1磁極片41にS極(又はN極)が生じ、第2磁極片42にN極(又はS極)が生じるようになっている。
次に、このカメラ用シャッタ装置がデジタルカメラに適用される場合の動作について、図2ないし図6に基づいて説明する。
先ず、コイル60への通電が断たれた非通電の状態において、図1ないし図3に示すように、ピン33aは長孔23の一端縁部23aに当接して、円板30は、時計回りの回転端に停止した初期位置、すなわち、開口32が露光用の開口部11,21に臨んで(一端縁部32aが開口11の縁部11aに近接して)、全開した状態にある。
このとき、円板30のN極は第1磁極片41と磁気的に吸引し合い、又、円板30のS極は第2磁極片42と磁気的に吸引し合って、円板30は、磁気的安定位置へ向かおうとする力により付勢されて、時計回りの回転端に位置決め保持されている。
この全開状態において、レリーズ信号に基づき、図6に示すように、コイル60に対して一方向に通電(オン)されると、第1磁極片41にN極が生じ又第2磁極片42にS極が生じる。これにより、円板30のN極は第1磁極片41と磁気的に反発し合い、又、円板30のS極は第2磁極片42と磁気的に反発し合って、円板30は反時計回りに回転し始める。
そして、開口(長孔)32の一端縁部32aが開口部11の縁部11aに近接した初期位置から、開口(長孔)32の他端縁部32bが開口部11の対向する側の縁部11bに近接するまでの回転角度範囲(所定の移動範囲)に亘って、円板30は開口部11(21)を全開した状態に維持する。また、この角度範囲を回転する間に、円板30は加速しつつ所定レベルの回転速度に達する。
続いて、開口32の他端縁部32bが開口部11(縁部11b)に重なり始める直前に、所定の制御信号に基づき、図6に示すように、撮像素子(CCD)がオンとされて撮像を開始(電荷の蓄積を開始)する。
そして、所定時間T1の経過後に、開口32(他端縁部32b)が開口部11から外れて、図4及び図5に示すように、開口部11が完全に閉鎖された状態(完全に遮光された状態)に至り、ピン33aが長孔23の他端縁部23bに当接して、円板30は閉鎖位置に停止する。これにより、シャッタ動作が完了する。
ここで、円板30は所定レベル以上の高速で回転するため、図6に示すように、全開から全閉に至る開口波形の傾斜角度が大きくなり、所定時間(露出時間)T1は、図7に示す従来の露出時間Tに比べて短くなる。したがって、シャッタの高速化が達成される。
そして、コイル60への通電が断たれると、円板30のS極は第1磁極片41と磁気的に吸引し合い、又、円板30のN極は第2磁極片42と磁気的に吸引し合って、円板30は、磁気的安定位置へ向かおうとする力により付勢されて、反時計回りの回転端(閉鎖位置)に位置決め保持される。
一方、この全閉状態において、コイル60に対して逆向きに通電されると、第1磁極片41にS極が生じ又第2磁極片42にN極が生じる。これにより、円板30のS極は第1磁極片41と磁気的に反発し合い、又、円板30のN極は第2磁極片42と磁気的に反発し合って、円板30は時計回りに回転して、ピン33aが長孔23の一端縁部23aに当接して停止すると同時に、円板30の開口32が露光用の開口部11,21を全開する位置に至る。これにより、最初の全開状態に復帰する。そして、次のシャッタ動作に備えて待機することになる。
このように、開口32をもつターレット型の円板30にマグネットを設け、ヨーク40との間で生じる磁気的吸引力及び反発力を回転駆動力として円板30に直接及ぼすようにしたことで、装置の構造を簡略化でき、装置を小型化、薄型化することができる。
上記実施形態においては、円板30の開口32として、円弧状の長孔を採用したが、これに限定されるものではなく、初期位置から所定の回転角度範囲に亘って、開口部11,21を全開した状態を維持する形状であればその他の形状を採用してもよい。
上記実施形態においては、ヨーク40を円板30の外周面に対向させる場合を示したが、これに限定されるものではなく、ヨークを円板30の回転中心線Lに垂直な主面に対向させるように形成した構成において、本発明を採用してもよい。
上記実施形態においては、円板30に対して、着磁処理によりマグネットを形成したが、別個に形成されたマグネットを円板に後付けしてもよい。
以上述べたように、本発明のカメラ用シャッタ装置では、シャッタの高速化が達成され、又、小型化、薄型化等が達成されるため、特に小型化が要求される携帯電話機等のカメラ用シャッタ装置として使用することができるのは勿論のこと、その他のデジタルカメラにおいても有用である。
本発明のカメラ用シャッタ装置の一実施形態を示す外観正面図である。 図1に示すカメラ用シャッタ装置の内部を示す平面図である。 図1に示すカメラ用シャッタ装置の断面図である。 図1に示すカメラ用シャッタ装置の内部を示す平面図である。 図1に示すカメラ用シャッタ装置の断面図である。 図1に示すカメラ用シャッタ装置の動作を示すタイムチャートである。 従来のカメラ用シャッタ装置における動作を示すタイムチャートである。
符号の説明
10 ベース(基板)
11 露光用の開口部
12 軸受孔
13 収容室
20 カバー(基板)
21 露光用の開口部
22 軸受孔
23 円弧状の長孔
23a 一端縁部
23b 他端縁部
30 円板(遮光板)
30a 外周面
31 支軸
32 開口(円弧状の長孔)
32a 開口の一端縁部
32b 開口の他端縁部
33 外縁部
33a ピン
40 ヨーク
41 第1磁極片
42 第2磁極片
43 連結部
50 ボビン
60 コイル

Claims (3)

  1. 露光用の開口部を画定する基板と、前記基板に対して往復動自在に支持され前記開口部を全開し得る開口をもつ遮光板と、前記遮光板を駆動する駆動機構と、を備え、前記開口部を全開した初期位置から閉鎖位置に向かって遮光動作を行うカメラ用シャッタ装置であって、
    前記遮光板は、前記基板に対して回動自在に支持された円板であり、
    前記円板の開口は、前記初期位置から所定の回転角度範囲に亘って、前記開口部を全開した状態を維持するように形成されている、
    ことを特徴とするカメラ用シャッタ装置。
  2. 前記露光用の開口部は、円孔に形成され、
    前記円板の開口は、円弧状の長孔に形成されている、
    ことを特徴とする請求項1記載のカメラ用シャッタ装置。
  3. 前記円板は、周方向において異なる極性に着磁されたマグネットを有し、
    前記駆動機構は、前記マグネットと対向する磁極片をもつヨークと、前記ヨークの周りに巻回された励磁用のコイルと、を有する、
    ことを特徴とする1又は2に記載のカメラ用シャッタ装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018139198A1 (ja) * 2017-01-25 2018-08-02 日本電産コパル株式会社 羽根駆動装置及びこの羽根駆動装置を備えた撮像機器並びにアクチュエータ

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