しかしながら、携帯通信装置が、取得したコンテンツをそのままコンテンツ受信装置に転送する方法では、コンテンツ受信装置が前記コンテンツを指定された形態で再生することができない場合がある。
例えば、携帯通信装置が取得したコンテンツが、ウェブ(Web)ページの本文(テキストコンテンツ)内にインライン画像が埋め込まれたウェブページであり、インライン画像のアドレスが相対アドレスで記述されている場合、コンテンツ受信装置は、携帯通信装置から転送されたウェブページのデータのみでは、ウェブページをインライン画像を含めて表示することができない。また、携帯通信装置が取得したコンテンツが、他のウェブページへのリンクを含むウェブページであり、リンクの参照先が相対アドレスで記述されている場合、コンテンツ受信装置は、携帯通信装置から転送されたウェブページのデータのみでは、リンク先のウェブページを表示することができない。
この点について、ウェブページが、GIF形式のインライン画像(絶対URI(Uniform Resource Identifiers):"http://www.foo.bar/img/image.gif")と、他のHTML文書(絶対URI:"http://www.foo.bar/i/link.html")へのリンクとを含むHTML文書(絶対URI:"http://www.foo.bar/i/index.html")である場合を例にとって、詳細に説明する。
ウェブページのHTML文書には、そのHTML文書における基底アドレス(相対アドレスの基準となるアドレス)を指定するBase要素が含まれていることもあるが、Base要素が含まれていないこともある。
HTML文書中にBase要素が定義されている場合には、コンテンツ受信装置が、HTML文書中の相対アドレスから、絶対アドレスを導くことができる。例えば、HTML文書のソースコードが、
…
<BASE href="http://www.foo.bar/i/index.html">
…
<A HREF="/i/link.html">Link</A><BR>
<IMG SRC="/img/image.gif">
…
であるとする。この場合には、コンテンツ受信装置が、リンクの参照先の相対アドレス"/i/link.html"およびインライン画像の相対アドレス"/img/image.gif"をそれぞれBase要素に含まれる基底アドレス("http://www.foo.bar/i/index.html"と組み合わせることで、リンクの参照先およびインライン画像の絶対アドレスがそれぞれ
"http://www.foo.bar/i/link.html"
"http://www.foo.bar/img/image.gif"
であると解釈することができる。結果として、コンテンツ受信装置は、ウェブページをインライン画像およびリンクを含めて完全に表示することができる。
一方、HTML文書中にBase要素が定義されていない場合には、HTML文書の基底アドレスは、そのHTML文書を取得したアドレスとなる。
電子装置に搭載されたウェブブラウザが、
…
<A HREF="/i/link.html">Link</A><BR>
<IMG SRC="/img/image.gif">
…
というソースコード(Base要素なし)のHTML文書を、"http://www.foo.bar/i/index.html"というアドレスから取得した場合、Base要素は定義されていないが、その電子装置は取得先のアドレスを認識しているので、暗にBase要素として、
<BASE href="http://www.foo.bar/i/index.html">
が定義されたのと同意となる。したがって、オリジナルのアドレスからHTML文書を取得した電子装置は、ウェブページをインライン画像およびリンクを含めて完全に表示することができる。
一方、上記のソースコード(Base要素なし)のHTML文書を、コンテンツ受信装置(電子端末)が通信装置からファイルとして転送を受けた場合、コンテンツ受信装置はそのファイルのオリジナルのアドレス、"http://www.foo.bar/i/index.html"を認識できない。そのため、コンテンツ受信装置は、Base要素として、転送されたファイルを保存したローカルメモリのアドレス、例えば"file:///receive/index.html"が暗に定義されたものとする。すると、HTML文書中に含まれるリンクの参照先およびインライン画像の相対アドレスはそれぞれ、以下のような絶対アドレスに変換される。
"file:///receive/i/link.html"
"file:///receive/img/image.gif"
これらの絶対アドレスで示されるコンテンツ(リンク先のHTML文書およびインライン画像)を取得するためには、コンテンツ受信装置のローカルメモリ上における、絶対アドレスで示されるアドレスにこれらコンテンツ(リンク先のHTML文書およびインライン画像)が転送されている必要がある。しかし、通信装置からはこれらのコンテンツは転送されていないので、コンテンツ受信装置では、インライン画像やリンクの参照先のHTML文書を表示することができない。
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、取得したコンテンツをコンテンツ受信装置に転送することができる通信装置において、転送先のコンテンツ受信装置がより完全な形でコンテンツを再生することを可能とする通信装置、コンテンツ転送プログラム、および記録媒体、並びに、コンテンツ該通信装置からコンテンツを受信し再生するコンテンツ受信装置を提供することにある。
なお、特許文献1には、情報通信端末により無線通信網を介して情報配信サーバにアクセスして配信情報を取得する通信システムにおける情報転送方法において、通信装置端末が取得した配信情報(コンテンツ)の有効利用を図るために、取得した配信情報(コンテンツ)の情報内容を画面表示するとともに、表示画面の画像データを記憶し、記憶した表示画面の画像データを他の装置へ無線転送する方法が開示されている。
また、特許文献2には、画面を画像データとしてクリップし、クリップした画像データを通信装置で接続された他の携帯情報端末装置に転送する手段とを備えた情報端末装置において、転送先の携帯情報端末装置の表示画面サイズや表示可能色数や補助記憶装置の空き容量等の端末情報を自動的に取得する手段を設け、この端末情報に応じて転送する画像データを処理する情報端末装置が開示されている。
本発明の通信装置は、上記の課題を解決するために、コンテンツをコンテンツ配信装置からネットワーク経由で取得するコンテンツ取得手段と、コンテンツ受信装置が元のコンテンツによって指定された形態でコンテンツ再生を行うことができるように、前記コンテンツ取得手段で取得されたコンテンツを加工するコンテンツ加工手段と、前記コンテンツ取得手段で取得され前記コンテンツ加工手段で加工されたコンテンツを前記コンテンツ受信装置へ転送するコンテンツ転送手段とを備えることを特徴としている。
上記構成によれば、コンテンツ受信装置が元のコンテンツによって指定された形態でコンテンツ再生を行うことができる。
なお、本願明細書において、「コンテンツ」とは、ユーザに知覚させるための情報、すなわち、文字情報、画像情報、音声情報などを指すものとする。
また、「コンテンツ受信装置がコンテンツ再生を行うことができる」とは、前記コンテンツ取得手段で取得されたコンテンツそのものではなく、前記コンテンツ取得手段で取得されたコンテンツをフォーマット変換(元のフォーマットとは異質なフォーマットのコンテンツに置換すること)したもの、あるいは前記コンテンツ取得手段で取得されたコンテンツ内で参照されているコンテンツ(例えば、ハイパーテキストドキュメント内のリンクで参照されているコンテンツや、ハイパーテキストドキュメント内で参照されているインラインコンテンツ)を再生しうる場合も含むものとする。
また、「元のコンテンツによって指定された形態」とは、コンテンツ内の情報、例えばHTMLファイル内のタグによって指定されたコンテンツ再生形態である。「元のコンテンツによって指定された形態」としては、例えば、(1)インラインコンテンツを基本コンテンツ(例えば、ウェブページや電子メールなどのハイパーテキストドキュメント)内の所定位置に埋め込んで再生する形態(基本コンテンツによって指定される)、(2)被参照コンテンツ(リンク先のコンテンツ)をリンク含有コンテンツ(例えば、ウェブページや電子メールなどのハイパーテキストドキュメント)からリンクされる形で再生する形態(リンク含有コンテンツによって指定される)などが挙げられる。(1)の形態は、例えば、複合コンテンツがHTMLファイルであり、インラインコンテンツがインライン画像ファイルである場合、HTMLファイル内の画像タグ(<img>)によって指定される。また、(2)の形態は、例えば、リンク含有コンテンツがHTMLファイルである場合、HTMLファイル内のアンカータグ(<A>)によって指定される。
ところで、引用文献1の方法では、情報通信端末が受信したコンテンツを画像に変換して他の装置へ転送するため、ウェブページなどのハイパーテキストドキュメントに含まれるリンクが欠落してしまう。そのため、引用文献1の発明では、転送先の装置が、リンク先のコンテンツを配信するコンテンツサーバにアクセスできる場合にも、ハイパーテキストドキュメントの閲覧に引き続いてリンク先のコンテンツの閲覧を行うことができなかった。
本発明の通信装置において、前記コンテンツ取得手段は、ネットワーク上の配信装置が配信可能な被参照コンテンツへのリンクを含むリンク含有コンテンツを前記コンテンツとして取得するものであり、前記コンテンツ加工手段は、前記コンテンツ取得手段にて取得されたコンテンツが、ネットワーク上の配信装置が配信可能な被参照コンテンツへのリンクを含むリンク含有コンテンツであり、かつ、リンクの参照先が相対アドレスで記述されている場合に、相対アドレスに対応する基底アドレスを追加するか、あるいは相対アドレスを絶対アドレスで置き換えるものであってもよい。
上記構成によれば、前記コンテンツ受信装置は、通信装置から、リンクの参照先の相対アドレスと共にそれに対応する基底アドレスを受信するか、あるいはリンクの参照先の絶対アドレスを受信することができる。したがって、前記コンテンツ受信装置は、受信したリンクの参照先の相対アドレスおよびそれに対応する基底アドレスに基づいて、あるいは受信したリンクの参照先の絶対アドレスに基づいて、リンクの参照先の絶対アドレスを認識することができる。そのため、前記コンテンツ受信装置は、ネットワーク上の配信装置にアクセスすることさえできれば、リンク先の被参照コンテンツを参照する指示を受けたときに、認識した絶対アドレスに基づいてリンクをたどってネットワーク上の配信装置から被参照コンテンツを取得することができる。その結果、コンテンツ受信装置は、リンク含有コンテンツおよび被参照コンテンツを元のリンク含有コンテンツによって指定された形態で再生することができる。言い換えると、コンテンツ受信装置は、コンテンツ作成者が意図した形で被参照コンテンツを再生することができる。
したがって、例えば、リンク含有コンテンツがHTML文書などのハイパーテキストドキュメントである場合、ユーザは、ハイパーテキストドキュメントを閲覧している状態で、ハイパーテキストドキュメントに含まれるリンクの参照先にジャンプする操作(例えばアンカー文字をマウスでクリックする操作)を行うことで、ハイパーテキストドキュメントの閲覧に引き続いて被参照コンテンツの閲覧を行うことができる。
なお、上記構成において、ネットワーク経由でコンテンツ受信装置へ被参照コンテンツを配信する配信装置は、コンテンツ配信装置であってもよく、コンテンツ配信装置とは別の装置であってもよい。
また、上記構成において、リンク含有コンテンツは、リンク以外のコンテンツ、例えばテキストデータを含むものであってもよく、コンテンツとしてリンクのみを含むものであってもよい。
本発明の通信装置において、前記コンテンツ加工手段は、前記コンテンツ取得手段にて取得されたコンテンツが、基本コンテンツと基本コンテンツ内に埋め込んで再生されるインラインコンテンツのアドレスとを含む複合コンテンツであり、かつ、インラインコンテンツのアドレスが相対アドレスで記述されている場合に、相対アドレスに対応する基底アドレスを追加するか、あるいは相対アドレスを絶対アドレスで置き換えるものであってもよい。
上記構成によれば、前記コンテンツ受信装置は、通信装置から、インラインコンテンツの相対アドレスと共にそれに対応する基底アドレスを受信するか、あるいはインラインコンテンツの絶対アドレスを受信することができる。したがって、前記コンテンツ受信装置は、受信したインラインコンテンツの相対アドレスおよびそれに対応する基底アドレスに基づいて、あるいは受信したインラインコンテンツの絶対アドレスに基づいて、インラインコンテンツの絶対アドレスを認識することができる。そのため、前記コンテンツ受信装置は、インラインコンテンツを配信するネットワーク上の装置にアクセスすることさえできれば、認識されたインラインコンテンツの絶対アドレスに基づいてネットワーク上の装置からインラインコンテンツを取得することができる。したがって、インラインコンテンツを基本コンテンツ(テキストコンテンツなど)内に埋め込んで再生することができる。したがって、基本コンテンツおよびインラインコンテンツを複合コンテンツによって指定された形態で再生することができる。言い換えると、コンテンツ受信装置は、コンテンツ作成者が意図した形で基本コンテンツおよびインラインコンテンツを再生することができる。
なお、上記構成における複合コンテンツとしては、例えば、基本コンテンツとしてのテキストコンテンツとインラインコンテンツのアドレスとを含むハイパーテキストドキュメント(HTML文書等)が挙げられる。上記インラインコンテンツとしては、基本コンテンツとしてのテキストコンテンツ内に埋め込んで表示されるインライン画像や、基本コンテンツとしてのテキストコンテンツを表示している間に再生される音声コンテンツ等が挙げられる。
また、インラインコンテンツを配信するネットワーク上の装置は、コンテンツ配信装置であってもよく、コンテンツ配信装置とは別の装置であってもよい。
本発明の通信装置において、前記コンテンツ加工手段は、前記コンテンツ取得手段で取得されたコンテンツに対して、前記コンテンツ受信装置が前記コンテンツ配信装置からネットワーク経由でコンテンツを取得するためのアドレス情報を付加するものであってもよい。
上記構成によれば、前記コンテンツ受信装置が、コンテンツおよびアドレス情報を通信装置から受信すると共に、受信したアドレス情報に基づいて前記コンテンツ配信装置からネットワーク経由でコンテンツを取得することができる。
それゆえ、コンテンツ受信装置は、通信装置から転送されたコンテンツをそのまま再生するだけではコンテンツを指定された形態で再生することができない場合であっても、アドレス情報に基づいて前記コンテンツ配信装置からネットワーク経由でコンテンツを取得することで、リンク先のコンテンツを元のリンク含有コンテンツによって指定された形態で再生することができる。
例えば、前記コンテンツ取得手段によって取得されたコンテンツが、ネットワーク上の配信装置が配信可能な被参照コンテンツへの、相対アドレスで参照先が記述されたリンクを含むもの(リンク含有コンテンツ)である場合、コンテンツ受信装置は、通信装置から転送されたリンク含有コンテンツをそのまま再生するだけでは被参照コンテンツを再生することができない。しかしながら、上記構成では、そのような場合であっても、コンテンツ受信装置は、アドレス情報に基づいて前記コンテンツ配信装置からネットワーク経由でリンク含有コンテンツを取得し、アドレス情報とリンクの参照先の相対アドレスとに基づいて前記配信装置から被参照コンテンツを取得することで、被参照コンテンツを再生することができる。
また、前記コンテンツ取得手段によって取得されたコンテンツが、基本コンテンツと基本コンテンツ内に埋め込んで表示されるインラインコンテンツのアドレスとを含む複合コンテンツであり、インラインコンテンツのアドレスが相対アドレスで記述されている場合、コンテンツ受信装置は、通信装置から転送されたリンク含有コンテンツをそのまま再生するだけではインラインコンテンツを再生することができない。しかしながら、上記構成では、そのような場合であっても、コンテンツ受信装置は、アドレス情報に基づいて前記コンテンツ配信装置からネットワーク経由で複合コンテンツを取得し、アドレス情報とインラインコンテンツの相対アドレスとに基づいて前記配信装置からインラインコンテンツを取得し、インラインコンテンツを再生することができる。
また、上記構成によれば、コンテンツ受信装置は、通信装置から転送されたコンテンツをそのまま再生することで、前記コンテンツ配信装置にアクセスすることなくコンテンツの一部(リンク含有コンテンツや基本コンテンツなど)を再生することができる。
なお、前記コンテンツ加工手段は、アドレス情報をコンテンツへのリンクとしてコンテンツに付加するものであることが好ましい。
本発明の通信装置において、前記コンテンツ加工手段は、前記コンテンツ取得手段で取得されたコンテンツを、前記コンテンツ受信装置が前記配信装置からネットワーク経由でコンテンツを取得するためのアドレス情報に変換するものであってもよい。
上記構成によれば、前記コンテンツ受信装置が、アドレス情報を通信装置から受信すると共に、受信したアドレス情報に基づいて前記コンテンツ配信装置からネットワーク経由でコンテンツを取得することができる。
それゆえ、コンテンツ受信装置は、通信装置から転送されたコンテンツをそのまま再生するだけではコンテンツを指定された形態で再生することができない場合であっても、アドレス情報に基づいて前記コンテンツ配信装置からネットワーク経由でコンテンツを取得することで、リンク先のコンテンツを元のリンク含有コンテンツによって指定された形態で再生することができる。
例えば、前記コンテンツ取得手段によって取得されたコンテンツが、ネットワーク上の配信装置が配信可能な被参照コンテンツへの、相対アドレスで参照先が記述されたリンクを含むもの(リンク含有コンテンツ)である場合、コンテンツ受信装置は、通信装置から転送されたリンク含有コンテンツをそのまま再生するだけでは被参照コンテンツを再生することができない。しかしながら、上記構成では、そのような場合であっても、コンテンツ受信装置は、アドレス情報に基づいて前記コンテンツ配信装置からネットワーク経由でリンク含有コンテンツを取得し、アドレス情報とリンクの参照先の相対アドレスとに基づいて前記配信装置から被参照コンテンツを取得することで、被参照コンテンツを再生することができる。
また、前記コンテンツ取得手段によって取得されたコンテンツが、基本コンテンツと基本コンテンツ内に埋め込んで表示されるインラインコンテンツのアドレスとを含む複合コンテンツであり、インラインコンテンツのアドレスが相対アドレスで記述されている場合、コンテンツ受信装置は、通信装置から転送されたリンク含有コンテンツをそのまま再生するだけではインラインコンテンツを再生することができない。しかしながら、上記構成では、そのような場合であっても、コンテンツ受信装置は、アドレス情報に基づいて前記コンテンツ配信装置からネットワーク経由で複合コンテンツを取得し、アドレス情報とインラインコンテンツの相対アドレスとに基づいて前記配信装置からインラインコンテンツを取得し、インラインコンテンツを再生することができる。
なお、前記コンテンツ加工手段は、コンテンツをアドレス情報に変換する場合、コンテンツをコンテンツへのリンクに変換することが好ましい。
本発明の通信装置において、前記コンテンツ加工手段は、前記コンテンツ取得手段で複数のコンテンツが取得された場合に、これら複数のコンテンツを統合するものであってもよい。
上記構成によれば、通信装置からコンテンツ受信装置へ転送するコンテンツの数を削減することができる。
コンテンツの転送には、コンテンツの転送を行う時間以外に、通信を開始・終了するための処理時間が必要になる。上記構成によれば、コンテンツの数を削減することができるので、上記の転送以外に使われる時間、すなわちコンテンツ転送における通信時間のオーバーヘッドを減らすことができる。例えば、3つのコンテンツを1つのコンテンツとしてまとめて転送することができれば、オーバーヘッドは3回分から1回分に、すなわち、2回分減らすことができる。これによって、全体でコンテンツを転送する時間を短くすることができる。
また、上記構成によれば、コンテンツの数を削減することができるので、転送先のコンテンツ受信装置では複数のコンテンツを別々に管理する必要がなくなる。そのため、コンテンツ受信装置内における転送されたコンテンツを記憶する部分の構成を簡素化することができる。
本発明の通信装置において、前記コンテンツ加工手段は、前記コンテンツ取得手段で取得されたコンテンツを、該コンテンツのフォーマットと異なり、かつコンテンツ受信装置で再生可能なフォーマットのコンテンツに変換するフォーマット変換手段を含んでいてもよい。
上記構成によれば、取得したコンテンツをそのままコンテンツ受信装置へ転送するのではなく、取得したコンテンツを、該コンテンツのフォーマットと異なり、かつコンテンツ受信装置で再生可能なフォーマットのコンテンツに変換してコンテンツ受信装置へ転送するようになっている。これにより、コンテンツ受信装置が、通信装置から受信したコンテンツを再生不可能な場合であっても、コンテンツ受信装置がコンテンツを再生できる。
また、上記構成によれば、前記コンテンツ取得手段で取得されたコンテンツが、テキストコンテンツとテキストコンテンツ内に埋め込んで再生されるインラインコンテンツのアドレス情報とインラインコンテンツとを含む複合コンテンツであり、かつ、アドレス情報が相対アドレスで記述されている場合であっても、コンテンツ受信装置は、複合コンテンツを異なるフォーマット(例えば画像)に変換したものを受信し再生することができるので、インラインコンテンツをテキストコンテンツ内に埋め込んだ形態で再生するのとほぼ等しいコンテンツ再生を行うことができる。
ここで、コンテンツ受信装置がコンテンツを再生するのに適したフォーマットのコンテンツとは、例えば、コンテンツ受信装置がネットワークへの接続が可能で、元のコンテンツを取得することが可能である場合には、元のコンテンツを取得するためのアドレス情報を含むコンテンツなどであり、また、コンテンツ受信装置がネットワークへの接続が可能でない場合には、通信装置が取得したコンテンツの表示画面の画像データなどである。
なお、上記フォーマット変換手段を含む構成においては、転送先のコンテンツ受信装置との間で双方向通信を行うことによりコンテンツ受信装置の情報を取得し、その情報に基づいて、同一の内容に関し、フォーマットが異なる複数のコンテンツの中からコンテンツ受信装置がコンテンツを再生するのに適したフォーマットのコンテンツを選択し、コンテンツ受信装置へ送信してもよい。
本発明の通信装置において、前記コンテンツ加工手段は、前記コンテンツ取得手段で取得されたコンテンツを再生するための再生データを作成する再生データ作成手段と、再生データを、再生データのフォーマットと異なり、かつコンテンツ受信装置で再生可能なフォーマットのコンテンツに変換するフォーマット変換手段とを含んでいてもよい。
上記構成によれば、コンテンツ受信装置が、コンテンツを再生するための再生データを異なるフォーマットに変換したものを受信することができる。したがって、前記コンテンツ取得手段で取得されたコンテンツが、テキストコンテンツとテキストコンテンツ内に埋め込んで表示されるインラインコンテンツのアドレス情報とを含む複合コンテンツであり、かつ、アドレス情報が相対アドレスで記述されている場合であっても、コンテンツを実質的に再生することができる。
また、上記構成によれば、再生データ作成手段は、コンテンツ取得手段で取得されたコンテンツを転送のために加工する処理と、コンテンツ取得手段で取得されたコンテンツを再生するための処理とに共用されるので、通信装置の構成を簡素化することができる。例えば、上記構成の通信装置は、コンテンツ取得手段および再生データ作成手段を備える既存の通信装置に対して、フォーマット変換手段およびコンテンツ転送手段を追加するだけで容易に実現することができる。
また、上記構成によれば、再生データをそのままコンテンツ受信装置へ転送するのではなく、再生データを、再生データのフォーマットと異なり、かつコンテンツ受信装置で再生可能なフォーマットのコンテンツに変換してコンテンツ受信装置へ転送するようになっている。これにより、コンテンツ受信装置が再生データを再生不可能な場合であっても、コンテンツ受信装置がコンテンツを再生できる。
前記コンテンツ加工手段が再生データ作成手段とフォーマット変換手段とを含む通信装置において、前記再生データ作成手段は、前記コンテンツを表示装置で表示させるための表示画像データを前記再生データとして作成する表示画像作成手段であり、前記フォーマット変換手段は、表示画像作成手段で作成された表示画像データの少なくとも一部を圧縮することで、コンテンツ受信装置で再生可能なフォーマットのコンテンツを作成する画像変換手段を含んでいてもよい。
上記構成によれば、コンテンツ受信装置が、文字コンテンツを含むコンテンツ(例えばウェブページ)などのコンテンツを表示装置で表示させるための表示画像データの少なくとも一部を圧縮したものを受信することができる。したがって、コンテンツ受信装置が、コンテンツの少なくとも一部を実質的に表示することができる。
また、上記構成によれば、画像変換手段は、表示画像作成手段で作成された表示画像データの少なくとも一部をコンテンツ受信装置で再生可能なフォーマットのコンテンツとなるように圧縮するので、特許文献1に記載されている、取得したコンテンツの情報内容を画面表示した表示画面の画像データ(例えばビットマップの画像データ)をそのまま他の装置へ無線転送する情報通信端末と比較して、コンテンツ受信装置へ転送するデータの量を削減することができる。したがって、コンテンツ受信装置へのコンテンツの転送を短時間で行うことができる。
ところで、特許文献1に記載の方法は、活用できるコンテンツが画面表示できるものに限られるため、転送先の装置もプリンタなどの印刷装置に限られてしまっていた。
前記コンテンツ加工手段がフォーマット変換手段を含む通信装置において、前記フォーマット変換手段は、前記コンテンツ取得手段で取得されたコンテンツの少なくとも一部を音声化する音声変換手段であってもよい。
上記構成によれば、コンテンツ受信装置が、コンテンツの少なくとも一部を音声化したものを受信し、再生することができる。また、上記構成によれば、コンテンツ受信装置は、音声化されたコンテンツを扱う機能さえ備えていれば、フォーマットにかかわらずコンテンツを再生することができる。したがって、上記構成は、転送先の装置が印刷装置に限られる特許文献1の発明と異なり、転送先のコンテンツ受信装置が音声出力装置や音声信号出力装置である場合にも適用できる。
前記コンテンツ加工手段がフォーマット変換手段を含む通信装置において、前記フォーマット変換手段は、前記コンテンツに一部として含まれる特定の種類の情報を抽出し、抽出された特定の種類の情報を、前記コンテンツと異なるフォーマットであり、かつコンテンツ受信装置で再生可能なフォーマットのコンテンツに変換するものであってもよい。
上記構成によれば、前記フォーマット変換手段は、前記コンテンツに一部として含まれる特定の種類の情報を抽出し、抽出された特定の種類の情報を、前記コンテンツと異なるフォーマットであり、かつコンテンツ受信装置で再生可能なフォーマットのコンテンツに変換する。したがって、コンテンツの全体をフォーマット変換する場合や、特許文献1に記載されている、取得したコンテンツの情報内容を画面表示した表示画面の画像データ(例えばビットマップの画像データ)をそのまま他の装置へ無線転送する場合と比較して、コンテンツ受信装置へ転送するデータの量を削減することができる。したがって、コンテンツ受信装置へのコンテンツの転送を短時間で行うことができる。
前記コンテンツ加工手段がフォーマット変換手段を含む通信装置において、前記コンテンツ取得手段で取得されたフォーマット変換前のコンテンツをコンテンツ受信装置へ転送するか、前記フォーマット変換手段により得られたコンテンツをコンテンツ受信装置へ転送するか、前記コンテンツ取得手段で取得されたフォーマット変換前のコンテンツと前記フォーマット変換手段により得られたコンテンツとの両方をコンテンツ受信装置へ転送するかを選択する選択手段をさらに備えていてもよい。
上記構成によれば、ユーザまたはコンテンツ受信装置内の制御手段が、ユーザの要望やコンテンツ受信装置のタイプ等に応じて、前記コンテンツ転送手段によってコンテンツ受信装置へ転送させるコンテンツを、(1)フォーマット変換前のコンテンツ、(2)フォーマット変換後のコンテンツ、(3)フォーマット変換前のコンテンツおよびフォーマット変換後のコンテンツの両方から選択することができる。
例えば、フォーマット変換前のコンテンツがコンテンツ受信装置において完全な形で再生できるコンテンツ(例えば、それ自体の基底アドレスを含むウェブページや、アドレスが絶対アドレスで記述されているウェブページ、インラインコンテンツもリンクも含まないウェブページ等)である場合には、転送させるコンテンツとしてフォーマット変換前のコンテンツを選択すると、コンテンツを元の形態で再生できる。また、例えば、コンテンツ受信装置がフォーマット変換前のコンテンツを再生できない装置である場合や、コンテンツ受信装置がフォーマット変換前のコンテンツの一部を再生できない場合(例えばウェブページのテキスト部分しか表示できずインライン画像が表示できない場合)には、転送させるコンテンツとしてフォーマット変換後のコンテンツを選択すると、コンテンツ全体を実質的に再生できる。また、コンテンツ受信装置が、フォーマットの異なる複数のコンテンツの中から再生に最も適したフォーマットのコンテンツを選択して再生することができる場合、転送させるコンテンツとしてフォーマット変換前のコンテンツおよびフォーマット変換後のコンテンツの両方を選択すると、コンテンツ受信装置が、より再生に適したフォーマットのコンテンツを選択して再生することができる。
なお、上記選択手段は、3つの選択肢から1つを選択するものであったが、これら3つのうちの2つの選択肢から1つを選択するものであってもよい。
前記コンテンツ加工手段がフォーマット変換手段を含む通信装置において、前記コンテンツ転送手段は、前記コンテンツ取得手段で取得されたフォーマット変換前のコンテンツと前記フォーマット変換手段により得られたコンテンツとの両方、あるいは同一のコンテンツを前記フォーマット変換手段でフォーマット変換することにより得られたフォーマットの異なる複数のコンテンツをコンテンツ受信装置へ転送するものであってもよい。
上記構成によれば、コンテンツ受信装置が、同一の内容に関し、フォーマットが異なる複数のコンテンツ(前記コンテンツ取得手段で取得されたフォーマット変換前のコンテンツと前記フォーマット変換手段により得られたコンテンツとの両方、あるいは同一のコンテンツを前記フォーマット変換手段でフォーマット変換することにより得られたフォーマットの異なる複数のコンテンツ)の中から、より再生に適したフォーマットのコンテンツを選択して再生することができる。
また、上記構成は、コンテンツ受信装置との通信を片方向通信にすることができるので、通信手順を簡素化することができる。
ところで、特許文献2の方法では、転送元と転送先とで双方向に情報の交換を行うため、IrSC(Infrared Simple Connection)で定義される通信手順を簡素化することで高速化された片方向通信では利用することができない。
本発明の通信装置において、前記コンテンツ転送手段は、片方向通信によってコンテンツを転送するものであることが好ましい。
上記構成によれば、両方向通信を用いる場合と比較して、コンテンツを転送するための通信手順を簡素化することができるので、コンテンツの転送速度を向上させることができる。
上記片方向通信としては、片方向無線通信が好ましい。無線通信を利用する無線通信方式では、携帯通信装置と転送先のコンテンツ受信装置との双方に無線送受信装置さえあればよく、ケーブルの取り付けおよび取り外し、メモリカードの抜き差し、などといった煩わしい操作を必要としない。そのため、無線通信方式では簡単にコンテンツの転送が可能である。
上記片方向無線通信としては、IrSC通信(通信手順を簡素化することで高速化された片方向の赤外線通信)が最も好ましい。これにより、通信手順をより一層簡素化して、コンテンツの転送速度をより一層向上させることができる。
本発明の通信装置は、携帯電話機であってもよい。
上記構成によれば、例えば、ユーザが外出先で携帯電話機を使用しているときに、携帯電話機で取得したコンテンツを自宅のコンテンツ受信装置に転送することができる。
本発明のコンテンツ受信装置は、本発明の通信装置から転送されたコンテンツを受信するコンテンツ受信手段と、前記コンテンツ受信手段でコンテンツが受信されると、受信されたコンテンツに基づいてコンテンツ再生を行うコンテンツ再生手段とを備えることを特徴としている。
上記構成によれば、元のコンテンツによって指定された形態でコンテンツ再生を行うことができる。
本発明のコンテンツ受信装置は、コンテンツ加工手段が、コンテンツ取得手段で取得されたコンテンツに対して、コンテンツ受信装置がコンテンツ配信装置からネットワーク経由でコンテンツを取得するためのアドレス情報を付加する構成である本発明の通信装置から転送されたコンテンツを受信するコンテンツ受信手段と、前記コンテンツ受信手段でコンテンツが受信されると、受信されたコンテンツに基づいてコンテンツ再生を行うコンテンツ再生手段とを備え、前記コンテンツ再生手段は、受信されたコンテンツに前記アドレス情報が付加されていれば、前記アドレス情報を抽出し、前記アドレス情報に基づいて自動的にコンテンツ配信装置からネットワーク経由でコンテンツを取得する第1の取得手段を含むことを特徴としている。
上記構成によれば、ユーザが操作を行うことなく、コンテンツ配信装置からネットワーク経由でコンテンツを取得し、取得したコンテンツによって指定された形態で取得したコンテンツを再生することができる。
本発明のコンテンツ受信装置は、コンテンツ加工手段が、コンテンツ取得手段で取得されたコンテンツに対して、コンテンツ受信装置がコンテンツ配信装置からネットワーク経由でコンテンツを取得するためのアドレス情報を付加する構成である本発明の通信装置から転送されたコンテンツを受信するコンテンツ受信手段と、前記コンテンツ受信手段でコンテンツが受信されると、受信されたコンテンツに基づいてコンテンツ再生を行うコンテンツ再生手段とを備え、前記コンテンツ再生手段は、受信されたコンテンツに前記アドレス情報が付加されていれば、前記アドレス情報を抽出し、前記コンテンツ配信装置からネットワーク経由でコンテンツを取得するか否かをユーザに問い合わせ、コンテンツ配信装置からネットワーク経由でコンテンツを取得することがユーザから要求された場合に、前記アドレス情報に基づいてコンテンツ配信装置からネットワーク経由でコンテンツを取得する第2の取得手段を含むことを特徴としている。
上記構成によれば、ユーザがコンテンツ配信装置からネットワーク経由でコンテンツを取得することを要求したときに、コンテンツ配信装置からネットワーク経由でコンテンツを取得し、取得したコンテンツによって指定された形態で取得したコンテンツを再生することができる。一方、ユーザがコンテンツ配信装置からネットワーク経由でコンテンツを取得することを要求しないときには、コンテンツ受信手段で受信されたコンテンツを再生することで、速やかにコンテンツを再生することができる。
コンテンツ加工手段が、コンテンツ取得手段で取得されたコンテンツを、該コンテンツのフォーマットと異なり、かつコンテンツ受信装置で再生可能なフォーマットのコンテンツに変換するフォーマット変換手段を含み、コンテンツ転送手段が、コンテンツ取得手段で取得されたフォーマット変換前のコンテンツとフォーマット変換手段により得られたコンテンツとの両方、あるいは同一のコンテンツをフォーマット変換手段でフォーマット変換することにより得られたフォーマットの異なる複数のコンテンツをコンテンツ受信装置へ転送する構成である本発明の通信装置から転送されたコンテンツを受信するコンテンツ受信手段と、前記コンテンツ受信手段でコンテンツが受信されると、受信されたコンテンツに基づいてコンテンツ再生を行うコンテンツ再生手段とを備え、前記コンテンツ再生手段は、前記コンテンツ受信手段にて前記通信装置から、フォーマットが異なる複数のコンテンツが受信された場合に、それらコンテンツの中から再生に最も適したフォーマットのコンテンツを選択して再生することを特徴としている。
上記構成によれば、フォーマットが異なる複数のコンテンツ(前記コンテンツ取得手段で取得されたフォーマット変換前のコンテンツと前記フォーマット変換手段により得られたコンテンツとの両方、あるいは前記フォーマット変換手段により得られたフォーマットが異なる複数のコンテンツ)の中から、より再生に適したフォーマットのコンテンツを選択して再生することができる。
また、上記構成では、通信装置がコンテンツ受信装置に関する表示画面サイズや表示可能色数や補助記憶装置の空き容量等の情報をコンテンツ受信装置から取得する必要がないので、コンテンツの通信装置のコンテンツ転送手段が、片方向無線通信によってコンテンツを転送することができる。それゆえ、通信手順を簡素化できるので、コンテンツの転送速度を向上させることができる。
本発明のコンテンツ受信装置おいて、前記コンテンツ再生手段は、コンテンツがコンテにンツ受信手段で受信されたときに他のフォーマットのコンテンツがコンテンツ受信手段で受信されるのを待つことなく再生を開始し、その後、他のフォーマットのコンテンツがコンテンツ受信手段で受信される度に、受信したコンテンツと再生中のコンテンツとの何れがより再生に適したフォーマットであるかを判定し、より再生に適したフォーマットであると判定されたコンテンツを再生するものであってもよい。
上記構成によれば、他のフォーマットのコンテンツがコンテンツ受信手段で受信されるのを待つことなく再生を開始するので、他のフォーマットのコンテンツを受信してから再生を開始する構成と比較して、コンテンツ受信開始から最初のコンテンツ再生までにかかる時間を短縮することができる。
本発明のコンテンツ受信装置は、コンテンツを表示する表示手段を含むコンテンツ再生手段を備える表示装置であってもよい。
上記構成によれば、コンテンツを表示することができる。
本発明のコンテンツ受信装置は、コンテンツを印刷する印刷手段を含むコンテンツ再生手段を備えるプリンタであってもよい。
上記構成によれば、コンテンツを印刷することができる。
本発明のコンテンツ転送プログラムは、通信ネットワークを介してコンテンツを取得するコンテンツ取得手段と、コンテンツをコンテンツ受信装置へ転送するコンテンツ転送手段とを備える通信装置において、コンテンツを加工してコンテンツ転送手段に送る処理をコンピュータに実行させるためのコンテンツ転送プログラムであって、コンテンツ受信装置が元のコンテンツによって指定された形態でコンテンツ再生を行うことができるように、前記コンテンツ取得手段で取得されたコンテンツを加工するコンテンツ加工手段、および前記コンテンツ取得手段で取得され前記コンテンツ加工手段で加工されたコンテンツを、前記コンテンツ受信装置へ転送するデータとしてコンテンツ転送手段に送るデータ転送手段としてコンピュータを機能させるためのものである。
上記構成のコンテンツ転送プログラムが、通信ネットワークを介してコンテンツを取得するコンテンツ取得手段と、コンテンツをコンテンツ受信装置へ転送するコンテンツ転送手段とを備える通信装置に導入されることで、本発明の通信装置がソフトウェア的に実現できる。
本発明の記録媒体は、上記コンテンツ転送プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
上記構成の記録媒体からコンテンツ転送プログラムが読み取られ、コンテンツ転送プログラムが、通信ネットワークを介してコンテンツを取得するコンテンツ取得手段と、コンテンツをコンテンツ受信装置へ転送するコンテンツ転送手段とを備える通信装置に導入されることで、本発明の通信装置がソフトウェア的に実現できる。
本発明は、転送先のコンテンツ受信装置がより完全な形でコンテンツを再生することを可能とする通信装置、コンテンツ転送プログラム、および記録媒体、並びに、コンテンツ該通信装置からコンテンツを受信し再生するコンテンツ受信装置を提供できるという効果を奏する。
以下、図面を用いて本発明の実施の一形態について詳細に説明する。以下の説明では、同じ機能を持つ部材(部品、機能ブロックなど)には、同じ参照符号および名称を付している。したがって、それらについての詳細な説明を繰返すことはしない。
なお、以下の実施の形態および特許請求の範囲の記載において、コンテンツの「再生」とは、コンテンツを人間が知覚可能な形態(画像や音声など)で出力するか、あるいはコンテンツを人間が知覚可能な形態で出力するための信号(映像信号、印刷データ信号、音声信号など)を出力することを指す。すなわち、コンテンツの「再生」とは、静止画像データの表示、動画データの再生またはその一部を静止画にしたものの表示、静止画像データおよび/または動画データからの映像信号(例えばアナログ映像信号)の生成および出力、音楽データ(例えば、MP3(MPEG-1 Audio Layer 3)形式の圧縮音声データ)からの音声信号(例えばアナログ音声信号)の生成および出力、などを指すものとする。
〔第1の実施の形態〕
図2に、本発明の一実施形態に係る情報システム(コンテンツ再生システム)の概略構成を示す。図2を参照して、この情報システムは、インターネット上のコンテンツサーバ(コンテンツ配信装置、配信装置)1(典型的にはウェブサーバまたはメールサーバ)から、携帯電話網およびインターネット(ネットワーク)20を介したインターネット通信2によりウェブページ40などのコンテンツ(コンテンツデータ)をダウンロードする機能と、IrSC(Infrared Simple Connect)通信(片方向通信)4によりコンテンツを液晶テレビ8に伝送する機能とを有する携帯電話機(通信装置)3と、再生(表示や音声出力など)が可能なコンテンツを携帯電話機3からIrSC通信4により受信すると、コンテンツの再生(表示や音声出力など)を開始する機能を持つ液晶テレビ(コンテンツ受信装置)8とを含む。
本実施形態の携帯電話機3は、(1)ネットワーク上の配信装置が配信可能な被参照コンテンツへのリンクを含むリンク含有コンテンツ;および(2)テキストコンテンツとテキストコンテンツ内に埋め込んで表示されるインラインコンテンツのアドレスとを含む複合コンテンツを取得しうるものである。(1)のリンク含有コンテンツとしては、ネットワーク上のウェブサーバ(配信装置)が配信可能な他のウェブページなど(被参照コンテンツ)へのリンクを含むウェブページ40、ネットワーク上のメールサーバ(配信装置)が配信可能な写真や音声などのコンテンツを添付ファイルとして持つ電子メール、ネットワーク上のウェブサーバ(配信装置)が配信可能なウェブページなど(被参照コンテンツ)へのリンクを含むHTML形式の電子メールなどが挙げられる。(2)の複合コンテンツとしては、インライン画像などのインラインコンテンツがテキストコンテンツ内に埋め込まれたウェブページ40や、インライン画像などのインラインコンテンツがテキストコンテンツ内に埋め込まれたHTML形式の電子メールなどが挙げられる。なお、本発明の通信装置は、(1)および(2)のコンテンツの何れか一方のみを取得しうるものであってもよく、(1)および(2)以外のコンテンツを取得しうるものであってもよい。
携帯電話機3は、携帯電話網およびインターネット20を介してコンテンツサーバ1から、ウェブページ40などのコンテンツをダウンロード(取得)する機能と、コンテンツを再生する機能、例えばコンテンツを画像42として表示する機能とを持つ。
さらに、携帯電話機3は、ダウンロードした画像42などのコンテンツのうち、ユーザにより転送するコンテンツとして指定されたものを加工してIrSC通信4を介して液晶テレビ8に送信する機能を持つ。
液晶テレビ8は、携帯電話機3からIrSC通信4により加工後のコンテンツを受信するための、フォトディテクタを含むIrSC通信部(コンテンツ受信手段)5と、リモートコントローラ(以後「リモコン」と称する)6からの赤外線通信信号(リモコン操作信号)7を受信するための、フォトディテクタを含む赤外線受光部9とを有する。液晶テレビ8は、IrSC通信部5を介してコンテンツを受信したことに応答し、そのコンテンツが自己で処理可能なものであれば対応の機能を起動してそのコンテンツを再生(表示や音声出力など)する。液晶テレビ8は、携帯電話網およびインターネット20のうちのインターネット(ネットワーク)を介したインターネット通信10により、コンテンツサーバ1から、ウェブページ40などのコンテンツをダウンロード(取得)することもできるようになっている。
図3を参照して、携帯電話機3の操作のための構成と、上記した動作を行なう際の携帯電話機3に対するユーザの操作とを説明する。ここでは、コンテンツが、ウェブページ40等のような、表示可能なコンテンツ(以下、「表示コンテンツ」と称する)である例について説明する。
図3を参照して、携帯電話機3は、概略長方形の平面形状を有する本体102と、液晶表示部(表示装置)110を有し本体102の一辺にヒンジを介して回動可能に取付けられた蓋部100とを含む。
本体102の操作面上には、0〜9までの数字および記号「#」「*」を入力するためのテンキー140と、画面表示にあわせて種々の機能が割当てられる4つのファンクションキー144と、センタープッシュボタン付の4方向プッシュスイッチ142と、電源キー、発呼キーなどからなる基本キー146とが設けられている。
液晶表示部110には、中央にウェブページ40等の表示コンテンツを含む画像42(コンテンツ)が表示され、4隅に、4つのファンクションキー144の機能をそれぞれ、前、次、終了、および送信と示す指示メッセージ122、124、126、128が表示される。4つのファンクションキー144には、これら指示メッセージ122、124、126、128により表示される機能がそれぞれプログラムにより割当てられる。
ユーザがウェブページ40(コンテンツ)の受信を行うと、図3に示すように、液晶表示部110にウェブページ40等の表示コンテンツを含む画像42(コンテンツ)が表示される。ユーザが、指示メッセージ128の指示にあわせてファンクションキー144を使用して「送信」を指示すると、液晶表示部110に表示されている画像42(コンテンツ)が加工され、IrSC通信4を介して液晶テレビ8に転送される。転送された画像(コンテンツ)は、液晶テレビ8にて、画像44として表示される。
なお、コンテンツが表示コンテンツ以外の場合においても、コンテンツの出力形態を除いて同様である。例えば、コンテンツが音楽コンテンツを含む場合には、音楽コンテンツが携帯電話機3から音声として出力され、ユーザが「送信」を指示すると、携帯電話機3から出力されている音楽コンテンツが加工されて液晶テレビ8に転送される。転送された音楽コンテンツは、液晶テレビ8から音声として出力される。
以下、上に述べたような動作を行う情報システムを構成する携帯電話機3および液晶テレビ8の構成について説明する。
図1に、携帯電話機3の機能的構成をブロック図の形式で示す。図1を参照して、携帯電話機3は、無線通信部(コンテンツ取得手段)160と、赤外線通信部(コンテンツ転送手段)162と、無線通信部160を介して受信したコンテンツを記憶するコンテンツ記憶部166と、無線通信部160を介して受信したコンテンツを加工した転送データを記憶するための転送データ記憶部168と、無線通信部160を介して受信したコンテンツを加工して転送データを作成するためのコンテンツ加工部(コンテンツ加工手段)164と、ユーザによる操作入力を受けるためのキー入力部161(図3に示すテンキー140、ファンクションキー144、4方向プッシュスイッチ142、および基本キー146を含む)と、コンテンツの内容を液晶表示部110に表示するコンテンツ表示部(再生データ作成手段、表示画像作成手段)165と、キー入力部161から与えられたユーザ指示に基づき、所定のプログラムにしたがって携帯電話機3内の各機能部(コンテンツ加工部164およびコンテンツ表示部165)を制御するとともに、携帯電話機3内におけるデータの移動を制御するための制御部170とを含む。
無線通信部160は、携帯電話網を介して他の携帯電話機と通信する機能と、携帯電話網およびインターネット20を通じてインターネット上のコンテンツサーバ1等のサーバと通信し、コンテンツサーバ1等のサーバからコンテンツを取得するコンテンツ取得手段としての機能とを備える。
赤外線通信部162は、液晶テレビ8とIrSC通信を行うことで、コンテンツ加工部164で加工されたコンテンツを液晶テレビ8へ転送するものである。赤外線通信部162は、前記の赤外線受光部9を含んでいる。
コンテンツ表示部165は、無線通信部160で取得されたコンテンツを液晶表示部110で表示させるための表示画像データ(再生データ)を作成するものである。
コンテンツ加工部164は、液晶テレビ8が元のコンテンツによって指定された形態でコンテンツ再生を行うことができるように、無線通信部160で取得されたコンテンツを加工するものである。コンテンツ加工部164は、転送データ作成部(データ転送手段)184と、無線通信部160で取得された複数のコンテンツを1つのコンテンツに統合するコンテンツ統合部(コンテンツ統合手段)183と、フォーマット変換部(フォーマット変換手段)182と、ユーザによってあらかじめ設定された(ユーザがあらかじめキー入力部161を用いて設定を入力することによって行われる)、どのようなコンテンツ加工動作を行うかの情報を記憶するコンテンツ加工動作設定記憶部185と、リンク修正部186と、インラインコンテンツアドレス修正部188と、アドレス追加部187とを含む。
フォーマット変換部182は、フォーマット変換を行うものである。ここで、フォーマット変換とは、情報の内容を異質の情報形式にして置き換えることを指す。無線通信部160にて取得されたコンテンツを、該コンテンツのフォーマットと異なり、かつ液晶テレビ8で再生可能なフォーマットのコンテンツに変換する。
フォーマット変換部182は、例えば、文字コンテンツ(文字情報)を含むコンテンツ(例えばウェブページ)を表示した画面を画像コンテンツ(画像情報)に変換することで、無線通信部160で取得されたコンテンツを画像コンテンツに変換するものである。すなわち、フォーマット変換部182は、例えば、コンテンツ表示部165で作成された表示画像データの少なくとも一部を圧縮することで、液晶テレビ8で再生可能なフォーマットのコンテンツを作成する。また、携帯電話機3が、無線通信部160で取得されたコンテンツを表示以外の形態(例えば、印刷や音声出力など)で再生するための再生データを作成する再生データ作成手段を備えている場合、フォーマット変換部182は、再生データを、再生データのフォーマットと異なり、かつコンテンツ受信装置で再生可能なフォーマットのコンテンツに変換するものであってもよい。
また、フォーマット変換部182は、無線通信部160で取得されたコンテンツ(音声コンテンツ以外のコンテンツ、例えば文字で表された情報)を音声合成により音声化(音声コンテンツに変換)する音声変換部(音声変換手段)であってもよい。
また、フォーマット変換部182は、無線通信部160で取得された動画情報(コンテンツ)を、連続する静止画情報の列にするものであってもよい。
また、フォーマット変換部182は、コンテンツに含まれた特徴情報から異質の情報を作成するものであってもよい。すなわち、フォーマット変換部182は、無線通信部160で取得されたコンテンツに一部として含まれる特定の種類の情報を抽出し、抽出された特定の種類の情報を、その情報と異なるフォーマットであり、かつ液晶テレビ8で再生可能なフォーマットのコンテンツに変換するものであってもよい。例えば、フォーマット変換部182は、無線通信部160で取得されたコンテンツとしての音楽情報(例えばMP3ファイル)に一部として含まれる曲名情報を抽出し、抽出された曲名情報を、液晶テレビ8で表示可能なフォーマットの文字情報(コンテンツ)に変換するものであってもよい。また、例えば、フォーマット変換部182は、無線通信部160で取得されたコンテンツに一部として含まれる該コンテンツを取得するためのアドレスを抽出し、抽出されたアドレスを、液晶テレビ8で表示可能なフォーマットの文字情報(コンテンツ)に変換するものであってもよい。
リンク修正部186は、転送データ(コンテンツ)内のリンクを転送先の装置(液晶テレビ8)でも正しくたどれるように修正する。すなわち、リンク修正部186は、無線通信部160にて取得されたコンテンツが、インターネット上のサーバ(配信装置)が配信可能な被参照コンテンツへのリンクを含み、かつ、リンクの参照先が相対アドレス(相対URI等)で記述されているもの(リンク含有コンテンツ)である場合に、相対アドレスに対応する基底アドレス(相対アドレスの基準となるアドレス;例えばリンク含有コンテンツの絶対アドレス)を追加するか、あるいは相対アドレスを絶対アドレス(絶対URI等)で置き換える。
インラインコンテンツアドレス修正部188は、コンテンツに含まれるインラインコンテンツを転送先でも利用できるようにインラインコンテンツアドレスを修正する。すなわち、インラインコンテンツアドレス修正部188は、無線通信部160にて取得されたコンテンツが、基本コンテンツと基本コンテンツ内に埋め込んで再生されるインラインコンテンツのアドレスとを含む複合コンテンツであり、かつ、インラインコンテンツのアドレスが相対アドレスで記述されている場合に、相対アドレスに対応する基底アドレスを追加するか、あるいは相対アドレスを絶対アドレスで置き換える。
アドレス追加部187は、転送先の装置(液晶テレビ8)でもオリジナルのコンテンツ(コンテンツサーバ1上のコンテンツ)が取得できるようにオリジナルコンテンツのアドレスを転送データ(コンテンツ)に追加する。すなわち、アドレス追加部187は、無線通信部160で取得されたコンテンツに対して、液晶テレビ8がコンテンツサーバ1からネットワーク経由でコンテンツを取得するためのアドレス情報を付加する。
転送データ作成部184は、コンテンツ加工部164で加工されたコンテンツを、液晶テレビ8へ転送するデータ(転送データ)として赤外線通信部162に送るために、コンテンツ加工部164で加工されたコンテンツを含む転送データを作成し、転送データ記憶部168に記憶させるものである。
なお、コンテンツ加工部164は、アドレス追加部187に代えて、コンテンツを、そのコンテンツを液晶テレビ8がコンテンツサーバ1からネットワーク経由で取得するためのアドレス情報に置き換える処理部を備えていてもよい。この場合にも、コンテンツ加工部164がアドレス追加部187を備える場合と同様の効果が得られる。ただし、アドレス追加部187を備える方が、液晶テレビ8が、コンテンツサーバ1からネットワーク経由でコンテンツを取得しなくとも、コンテンツの一部(リンクの参照先のコンテンツやインライン画像などを除くコンテンツ)を受信し再生できる点で好ましい。
また、本実施形態では、コンテンツ加工部164が、コンテンツ統合部183、フォーマット変換部182、リンク修正部186、アドレス追加部187、およびインラインコンテンツアドレス修正部188を備えていたが、コンテンツ加工部164は、コンテンツ統合部183、フォーマット変換部182、リンク修正部186、アドレス追加部187、およびインラインコンテンツアドレス修正部188のうちの少なくとも1つを備えていればよい。また、コンテンツ加工部164におけるコンテンツ加工動作設定記憶部185を省略してもよい。ただし、コンテンツ加工部164は、コンテンツ加工動作設定記憶部185のように、ユーザからの、コンテンツ統合、フォーマット変換、リンク修正、アドレス追加、およびインラインコンテンツアドレス修正のそれぞれを行うか否かを設定する指示にしたがって、コンテンツ統合部183、フォーマット変換部182、リンク修正部186、アドレス追加部187、およびインラインコンテンツアドレス修正部188のそれぞれを動作させるか否かを制御する部分を有していることが好ましい。これにより、ユーザが、コンテンツ加工を行うか否か、コンテンツ加工を行う場合にどのようなコンテンツ加工を行うかを選択することが可能になる。
上記した制御部170の制御機能およびその他の各機能部(コンテンツ加工部164およびコンテンツ表示部165など)の機能は、携帯電話機3にハードウェアとして備えられた図示しないCPU(中央演算処理装置)が、携帯電話機3にハードウェアとして備えられた図示しない記憶装置に記憶されたプログラムを実行することで、実現される。なお、上記した制御部170の制御機能およびその他の各機能部の一部または全てを、ハードウェアロジックによって構成してもよい。
携帯電話機3は、携帯電話網およびインターネット20を通じてインターネット上のコンテンツサーバ1からコンテンツを取得しうる無線通信部160と、コンテンツ加工部164で加工されたコンテンツを液晶テレビ8へ転送する赤外線通信部162とコンピュータ(CPUおよびメモリ)とを備える携帯電話機に対し、コンテンツ加工部164としてコンピュータを機能させるためのコンテンツ転送プログラムを導入することで、ソフトウェアによって実現できる。
携帯電話機3は、コンテンツ転送プログラムなどのプログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである携帯電話機3のプログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記携帯電話機3に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、携帯電話機3を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
図4に、上述したプログラムのメインルーチンの制御構造をフローチャート形式で示す。なお、図4に示すフローチャートは、携帯電話機3の機能のうちでも本発明に関連する部分のみを抽出したものであり、例えば通常の通話、インターネット経由の電子メール受信などのためのプログラム部分については省略してある。
図4は第1の動作例として、携帯電話機3が、コンテンツを受信して加工し、加工したコンテンツを液晶テレビ8へ送信する動作を示したフローチャートである。
図4を参照して、ステップS11において、携帯電話機3の制御部170が、キー入力部161に入力されたユーザの操作に基づいて無線通信部160を動作させることにより、携帯電話網およびインターネット20を介してコンテンツサーバ1にアクセスし、コンテンツサーバ1からコンテンツを受信する。
ステップS12において、コンテンツ表示部165は、受信したコンテンツの内容を液晶表示部110に表示する。ステップS13において、ユーザは、液晶表示部110に表示されているコンテンツを閲覧し、転送したい所望の情報内容が閲覧しているコンテンツ内にあった場合に、ファンクションキー144を操作し、コンテンツの転送指示操作を行う。
ステップS14において、ファンクションキー144から表示コンテンツの転送指示を受けると、コンテンツ加工部164は、表示コンテンツを加工することで転送データを作成し、作成された転送データを転送データ記憶部168に記憶させる。
ステップS15において、制御部170が、転送データ記憶部168に記憶された転送データ(加工されたコンテンツ)を転送データ記憶部168から読み出し、赤外線通信部162を介して液晶テレビ8に送信する。
ステップS15において、フォーマット変換設定302(後述)がONの場合、制御部170は、コンテンツ記憶部166に記憶されたフォーマット変換前のコンテンツ(無線通信部160で取得されたコンテンツ)を液晶テレビ8へ転送するか、転送データ記憶部168に記憶されたフォーマット変換後のコンテンツ(フォーマット変換部182により得られたコンテンツ)を液晶テレビ8へ転送するか、コンテンツ記憶部166に記憶されたフォーマット変換前のコンテンツと転送データ記憶部168に記憶されたフォーマット変換後のコンテンツとの両方を液晶テレビ8へ転送するかをユーザに問い合わせ、その問い合わせに対するユーザの回答に基づいて上記3つの処理のいずれかを行うようになっていてもよい。この場合、ユーザが上記3つの処理のいずれかを選択する選択手段としては、例えばファンクションキー144を用いることができる。また、ユーザへの問い合わせは、例えば、上記3つの処理のそれぞれに対応するメッセージ(例えば「オリジナル転送」「変換したものを転送」「オリジナルと変換したものとを転送」)をファンクションキー144と対応付けて表示することで行えばよい。
図5に、液晶テレビ8の機能的構成をブロック図の形式で示す。
図5を参照して、液晶テレビ8は、携帯電話機3などとIrSC通信を行い、携帯電話機3からコンテンツをIrSC通信によって受信するための赤外線通信部(コンテンツ受信手段)262と、赤外線通信部262を介して受信した転送データ(コンテンツ)を記憶する転送データ記憶部268と、転送データ記憶部268に記憶された転送データが元のコンテンツを取得するためのアドレスを含んでいる場合に、そのアドレスを転送データから抽出するアドレス抽出部264と、転送データ記憶部268に記憶されたハイパーリンクドキュメント(リンク含有コンテンツ)に含まれるリンクの参照先アドレスおよびインラインコンテンツのアドレスや、アドレス抽出部264で抽出されたアドレスに基づき、インターネットを通じて上記アドレスに対応するインターネット上のサーバ(コンテンツサーバ1または他のサーバ)の所定位置にアクセスして、そのアドレスにあるコンテンツを受信するためのネットワーク通信部260と、ネットワーク通信部260を介して受信したコンテンツを記憶するコンテンツ記憶部266と、転送データ記憶部268やコンテンツ記憶部266に記憶されたコンテンツの展開処理などを行うことでコンテンツ再生を行うコンテンツ再生部(コンテンツ再生手段)265と、コンテンツを画像として表示する液晶表示部(コンテンツ再生手段、表示手段)210と、音声を再生するスピーカ(コンテンツ再生手段)212と、リモコン6からの操作入力を受信するリモコン入力部261と、リモコン入力部261から与えられたユーザ指示に基づき、所定のプログラムにしたがって液晶テレビ8内の各機能部を制御するとともに、液晶テレビ8内におけるデータの移動を制御するための制御部270とを含む。
本発明では、コンテンツ再生手段は、液晶表示部210、スピーカ212、ネットワーク通信部260、アドレス抽出部264、およびコンテンツ再生部265で構成される。また、インターネット上のコンテンツサーバ1等からコンテンツを取得する手段(第1の取得手段又は第2の取得手段)は、ネットワーク通信部260およびアドレス抽出部264で構成される。
アドレス抽出部264は、コンテンツサーバ1上の元のコンテンツを取得するためのアドレス(液晶テレビ8がコンテンツサーバ1からネットワーク経由でコンテンツを取得するためのアドレス情報)が受信コンテンツ(赤外線通信部262で受信され転送データ記憶部268に記憶された転送データ)に付加されていれば、前記アドレスを抽出する。アドレス抽出部264は、前記アドレスが抽出されると、コンテンツサーバ1からネットワーク経由でコンテンツを取得するか否かをユーザに問い合わせ、コンテンツサーバ1からネットワーク経由でコンテンツを取得することがユーザから要求された場合に、前記アドレスに基づいてコンテンツサーバ1からネットワーク経由でコンテンツを取得し、コンテンツ記憶部266に記憶させるもの(第2の取得手段)である。なお、アドレス抽出部264は、受信コンテンツからアドレスが抽出されたときに自動的にコンテンツサーバ1からネットワーク経由でコンテンツを取得し、コンテンツ記憶部266に記憶させるもの(第1の取得手段)であってもよい。
上記した制御部270の制御機能およびその他の各機能部の機能は、液晶テレビ8がハードウェアとして持つ図示しないCPU(中央演算処理装置)により実行されるプログラムにより実現される。図6に、そのプログラムのメインルーチンの制御構造をフローチャート形式で示す。なお図6に示すフローチャートは、液晶テレビ8の機能のうちでも本発明に関連する部分のみを抽出したものであり、例えば通常のテレビ放送の受像などのためのプログラム部分については省略してある。
図6は、第1の動作例として、携帯電話機3から転送されたデータを液晶テレビ8が処理する動作を示したフローチャートである。
図6を参照して、液晶テレビ8において、ステップS21において、赤外線通信部262が、携帯電話機3から転送データ(コンテンツ)を受信する。赤外線通信部262で転送データ(コンテンツ)が受信されると、ステップS22において、コンテンツ再生部265は、赤外線通信部262で受信された転送データ(転送データ記憶部268に記憶された転送データ)の内容を液晶表示部210に表示する(あるいは、赤外線通信部262で受信された転送データに基づいて、スピーカ212から音声出力を行う)。
ステップS23において、アドレス抽出部264は、転送データ記憶部268に記憶された転送データからコンテンツサーバ1上のオリジナルコンテンツを取得するためのアドレスを抽出する。ステップS24において、コンテンツサーバ1上のオリジナルコンテンツを取得するためのアドレスが転送データに含まれない場合には、処理を終了する。コンテンツサーバ1上のオリジナルコンテンツを取得するためのアドレスが転送データに含まれる場合にはステップS25へ進む。ステップS25において、ネットワーク通信部260は、コンテンツサーバ1上のオリジナルコンテンツを取得するためのアドレスへアクセスを試み、オリジナルコンテンツを取得することが可能であるかを判断する。ネットワーク通信部260は、例えば、液晶テレビ8に接続されたネットワークがオンラインになっているかを判断する。ネットワーク通信部260がオリジナルコンテンツの取得が可能でないと判断した場合には、処理を終了する。ネットワーク通信部260がオリジナルコンテンツの取得が可能であると判断した場合には、ステップS26へ進む。
ステップS26において、ユーザに対してオリジナルコンテンツを取得するかどうかの判断を促す(オリジナルコンテンツを取得するかどうかを問い合わせる)。例えば、「はい」「いいえ」の選択肢を画面に表示し、ユーザにリモコン6を操作して一方の選択肢(回答)を選択させる。ステップS27において、ユーザのリモコン操作をリモコン入力部261で受信し、ユーザがオリジナルコンテンツを取得しないことを選択した場合、処理を終了する。ステップS27において、ユーザが取得することを選択した場合は、ステップS28へ進む。
ステップS28において、ネットワーク通信部260が、コンテンツサーバ1へアクセスし、オリジナルコンテンツを取得する。取得したオリジナルコンテンツは、コンテンツ記憶部266に記憶される。ステップS29において、コンテンツ再生部265は、コンテンツ記憶部266に記憶されたオリジナルコンテンツを再生し、オリジナルコンテンツが画像情報や文字情報などの視覚情報であれば、オリジナルコンテンツを液晶表示部210に表示し、オリジナルコンテンツが音声情報などの聴覚情報であれば、オリジナルコンテンツをスピーカ212で再生(音声出力)し、フローを終了する。
前記ステップS25において、オリジナルコンテンツを取得するためのアドレスへアクセスし、オリジナルコンテンツを取得することが可能であるとネットワーク通信部260が判断したとき、ステップS26とS27でユーザの判断を必要とせず、自動的にコンテンツを取得するためにステップS28へ進むことも考えられる。
コンテンツサーバ1は、携帯電話機3や液晶テレビ8からのアクセスによりコンテンツの配信要求を受けると、その該当するコンテンツの情報内容を携帯電話網およびインターネット20を介して携帯電話機3や液晶テレビ8へ送信する。コンテンツの形態としては、HTML(HyperText Markup Language)やXML(eXtended Markup Language)など、ハイパーテキストを構成する各種のコンテンツ記述言語を用いてなる文字情報や、画像情報、音楽情報等を含むデータを適用できる。
携帯電話機3でコンテンツの受信を行う際には、ユーザによるキー入力部161の操作指示に基づき、コンテンツ閲覧用のアプリケーションプログラムであるブラウザを起動、実行してコンテンツサーバ1にアクセスし、取得したコンテンツをコンテンツ記憶部166に記憶する。コンテンツ表示部165は、コンテンツ記憶部166からコンテンツを読み出し、液晶表示部110にコンテンツを表示する。また、同時に、コンテンツ表示部165は、指示メッセージ128として「送信」を表示する。
携帯電話機3がコンテンツの転送を行う際には、ユーザが指示メッセージ128の指示にあわせてファンクションキー144を使用して「送信」を指示したことをキー入力部161が判定し、コンテンツ記憶部166に記憶されたコンテンツをコンテンツ加工部164が加工することによって、転送データを作成する。加工されたコンテンツは、転送データ記憶部168に記憶(保存)される。ここでは、転送データの作成および記憶は、液晶テレビ8などへの転送指示を受けた時に行うようになっているが、液晶表示部110の表示と同時に行ってもよい。加工されたコンテンツ(転送データ)は、赤外線通信部162を介して、液晶テレビ8の赤外線通信部262へ送信される。
図7は、第1の動作例として、携帯電話機3のコンテンツ加工部164の動作を設定したコンテンツ加工動作設定情報を示した表である。
図7を参照して、コンテンツ統合設定301は、コンテンツ統合部183の動作を規定し、2つ以上のコンテンツがある場合に1つに統合して転送を行うか否かを設定する。フォーマット変換設定302は、フォーマット変換部182の動作を規定し、フォーマット変換部182が、コンテンツを転送する前にコンテンツのフォーマットの変換を行うか否かを設定する。リンク修正設定303は、リンク修正部186およびインラインコンテンツアドレス修正部188の動作を規定するものであり、リンク修正部186がコンテンツに含まれるリンクを転送先でも利用できるように修正し、インラインコンテンツアドレス修正部188がコンテンツに含まれるインラインコンテンツを転送先でも利用できるようにインラインコンテンツアドレスを修正するか否かを設定する。なお、フォーマット変換設定302がONの場合で、フォーマット変換部182が、コンテンツをハイパーリンク構造を持たないデータ形式(たとえば、画像情報)に変換する場合には、リンク修正設定303は無視される(リンク修正設定303がONであるかOFFであるかにかかわらず、リンク修正部186によるリンクの修正、およびインラインコンテンツアドレス修正部188によるインラインコンテンツアドレスの修正を行わない)。オリジナル取得アドレス追加設定304は、アドレス追加部187の動作を規定し、アドレス追加部187がオリジナルコンテンツを取得するためのアドレスをコンテンツに追加するか否かを設定する。
なお、リンク修正設定303とオリジナル取得アドレス追加設定304との少なくとも一方はONであることが好ましい。また、フォーマット変換設定302がONの場合には、アドレス追加部187は、オリジナル取得アドレス追加設定304がONかOFFかに関わらず、フォーマット変換後のコンテンツに対して、オリジナルコンテンツを取得するためのアドレスを追加することが好ましい。
図8は第1の動作例として、携帯電話機3のコンテンツ加工部164が転送データを作成する動作を示したフローチャートである。
図8を参照して、ステップS31において、コンテンツ加工部164では、まず、コンテンツ加工動作設定記憶部185に記憶されたコンテンツ加工動作設定を読み出す。
ステップS32において、コンテンツ統合部183では、ウェブページおよびそのインライン画像のように複数のコンテンツが存在する場合、コンテンツ統合設定301に従ってコンテンツを1つに統合するか否かを判断する。コンテンツ統合設定301がOFFであるかまたはコンテンツが1つの場合にはコンテンツの統合を行わず、ステップS34に進む。コンテンツ統合設定301がONでかつ複数のコンテンツが存在する場合はコンテンツの統合を行うため、ステップS33へ進む。ステップS33において、コンテンツ統合部183は、複数のコンテンツを1つのコンテンツに統合する。
ステップS34において、フォーマット変換部182は、フォーマット変換設定302に従ってコンテンツの変換を行うか否かを判断する。フォーマット変換設定302がOFFであるかまたはコンテンツを変換可能なフォーマットがない場合、フォーマット変換部182はフォーマット変換を行わず、ステップS36に進む。フォーマット変換設定302がONでかつコンテンツを変換可能なフォーマットがある場合には、フォーマットの変換を行うため、ステップS35に進む。ステップS35において、フォーマット変換部182はコンテンツ加工動作設定に基づき、フォーマットの変換を行い、ステップS39へ進む。
ステップS36において、リンク修正部186は、リンク修正設定303に従ってコンテンツのリンクを転送先の液晶テレビ8で正しくたどれるように修正を行う。リンク修正設定303がONの場合、リンク修正を行うためにステップS37へ進む。リンク修正設定303がOFFの場合、ステップS38へ進む。ステップS37において、リンク修正部186は、コンテンツに含まれるリンクの修正を行う。
ステップS38において、アドレス追加部187は、オリジナル取得アドレス追加設定304に従って、転送先の液晶テレビ8でオリジナルコンテンツを取得するためのアドレスを転送データに付加する。オリジナル取得アドレス追加設定304がOFFの場合、ステップS40へ進む。オリジナル取得アドレス追加設定304がONの場合、ステップS39へ進む。ステップS39において、アドレス追加部187は、オリジナルコンテンツを取得するためのアドレスを追加する。ステップS40において、上記ステップまでで作成された転送データを転送データ記憶部168に記憶し、コンテンツ加工処理のフローを終了する。
図9(b)は、コンテンツ加工部164が、コンテンツサーバ1から受信したウェブページに、オリジナルコンテンツを取得するためのアドレスを追加した実施例の模式図である。
図9(b)の例は、コンテンツ統合設定301、フォーマット変換設定302、およびリンク修正設定303がOFFに設定され、オリジナル取得アドレス追加設定304がONに設定された例である。
また、図9(b)および図10〜図12の例では、コンテンツサーバ1から受信されるウェブページ(コンテンツ)は、図9(a)にソースコード50として示すように、インターネット上のサーバが配信可能な被参照コンテンツ(絶対URI"http://www.foo.bar/i/link.html")へのリンク(7行目のアンカータグ)を含むHTML文書(リンク含有コンテンツ)であり、上記リンクにおいては参照先(被参照コンテンツ)のアドレスが相対URI("/i/link.html")で記述されている。また、これらの例では、コンテンツサーバ1から受信されるウェブページ(コンテンツ)は、図9(a)にソースコード50として示すように、基本コンテンツ(9行目のIMGタグを除く部分)と基本コンテンツ内に埋め込んで表示されるインライン画像コンテンツ(絶対URI"http://www.foo.bar/img/image.gif")のアドレス(9行目のIMGタグ)とからなる複合コンテンツであり、かつ、インライン画像コンテンツのアドレスが相対URI("/img/image.gif")で記述されている。なお、コンテンツサーバ1上におけるソースコード50のアドレス(絶対URI)は、"http://www.foo.bar/i/index.html"である。
携帯電話機3は、ウェブページのソースコード50を受信すると、ウェブページのソースコード50を液晶表示部110に画像44として表示させる。また、携帯電話機3は、ウェブページのソースコード50に記述されたインライン画像コンテンツの相対URIと、ウェブページのソースコード50の基底アドレス(ソースコード50受信前に携帯電話機3内に記憶されている)とに基づいて、インライン画像コンテンツの絶対URIを認識し、絶対URIで指定された位置からインライン画像コンテンツを取得する。したがって、画像44では、図9(a)に示すように、ウェブページのソースコード50に含まれるテキスト("Here is my Picture.")やリンク文字列("Link")等を表示する領域内にインライン画像が埋め込んで表示される。また、携帯電話機3は、ウェブページのソースコード50に記述されたリンク参照先の相対URIと、ウェブページのソースコード50の基底アドレスとに基づいて、リンク参照先の絶対URIを認識し、絶対URIで指定された位置からリンク参照先のコンテンツ(被参照コンテンツ)を取得することができる。したがって、画像44では、リンクは、有効(リンクを選択すればリンクの参照先にジャンプすることができる)である。
ウェブページのソースコード50をそのまま液晶テレビ8へ転送すると、液晶テレビ8がウェブページのソースコード50の基底アドレスを認識できないので、インライン画像を表示することも、有効なリンクを表示することもできない。すなわち、液晶テレビ8は、転送されたウェブページのソースコード50のみからでは、テキスト("Link"および"Here is my picture.")」は表示できるが、インライン画像は相対アドレスで表記されているために表示できない。また、文字列"Link"に付加されているリンクは、相対アドレスで参照先が記述されているために、液晶テレビ8は、このリンクの参照先にあるコンテンツ(被参照コンテンツ)にアクセスすることができない。
そこで、図9(b)の例では、アドレス追加部187が、ウェブページのソースコード50に、コンテンツサーバ1上のオリジナルのコンテンツを取得するためのアドレスへアクセスするためのHTMLで記述されたリンク(7行目のアンカータグ)を追加して、ウェブページのソースコード50aを作成する。
これにより、転送先の液晶テレビ8は、ソースコード50aに基づき、コンテンツサーバ1上のオリジナルのコンテンツを取得するためのアドレスへアクセスするためのリンク("original")を含む画像44aを表示させることができる。画像44aにはインライン画像が表示されないが、ユーザが画像44a内に表示される"original"のリンク(原型のコンテンツへのリンク)をたどることで、液晶テレビ8は、コンテンツサーバ1へアクセスし、コンテンツサーバ1からオリジナルのコンテンツを取得することができる。液晶テレビ8は、オリジナルのコンテンツを取得することができれば、そこに含まれるインラインコンテンツやリンク情報が相対アドレスで記述されていても、表示することができる。すなわち、液晶テレビ8は、リンク参照先およびインライン画像の相対URIと、ウェブページのソースコード50の基底アドレスとに基づいて、絶対URIを認識することができるので、インライン画像および有効なリンクを含む画像を表示することができる。したがって、液晶テレビ8は、携帯電話機3に表示される画像44と同様の画像を表示することができる。
ここでは、HTML形式のソースコードにリンクを追加する例を挙げたが、ハイパーリンクを可能とする他の形式、例えばHDML(Handheld Device Markup Language)やMML(Mobile Markup Language)に適用することも可能である。
次に、リンク修正部186およびインラインコンテンツアドレス修正部188が動作する例を示す。
図10(a)および図10(b)は、コンテンツ配信サーバから受信したウェブページに含まれるリンクを、転送先の装置でも正しくたどれるように修正する実施例の模式図である。
この例は、コンテンツ統合設定301、フォーマット変換設定302、およびオリジナル取得アドレス追加設定304がOFFに設定され、リンク修正設定303がONに設定された例である。
図10(a)の例では、リンク修正部186およびインラインコンテンツアドレス修正部188は、ウェブページのソースコード50に対して、相対パスで記述されたURI(リンク参照先のURI("/i/link.html")およびインライン画像のURI("/img/image.gif"))の基準となるURI(基底アドレス)を含む<BASE>タグ(5行目)を追加して、ソースコード50bを作成する。ここでは、相対パスで記述されたURIの基準となるURIとして、オリジナルコンテンツのURI("http://www.foo.bar/i/index.html")を用いている。
図10(b)の例では、リンク修正部186は、ウェブページのソースコード50に含まれる相対リンク(参照先が相対URI("/i/link.html")で記述されたリンク)を絶対リンク(参照先が絶対URI("http://www.foo.bar/i/link.html")で記述されたリンクに修正し、インラインコンテンツアドレス修正部188が、インライン画像の相対URI("/img/image.gif")を絶対URI("/img/image.gif")に修正することで、ソースコード50cが作成される。
もし携帯電話機3が画像44のソースコード50をそのまま液晶テレビ8へ転送したとすれば、液晶テレビ8では、画像44のテキスト部分のみしか表示できず、画像44のインライン画像を表示することができない。また、その場合、液晶テレビ8では、画面内に「Link」の文字は表示できる。しかしながら、ユーザがその画面で「Link」をたどっても(「Link」を選択しても)、リンクの参照先が相対リンクで記述されており、液晶テレビ8が基底アドレスを認識できないので、液晶テレビ8が、コンテンツサーバ1にあるリンクの参照先のコンテンツ(被参照コンテンツ)へアクセスできない。
これに対し、図10(a)の例では、ソースコード50bに、相対パスで記述されたURIの基準となるURI(基底アドレス)を含む<BASE>タグ(5行目)が追加されている。そのため、液晶テレビ8は、リンク参照先およびインライン画像の相対URIと、この相対URIの基準となるURI(基底アドレス)とに基づいて、リンク参照先およびインライン画像の絶対URIを認識することができるので、リンクをたどって参照先のコンテンツに到達すること、およびインライン画像を表示することができる。
また、図10(b)の例では、ソースコード50cにおいて、リンク参照先およびインライン画像のURLが絶対URIによる記述に修正されているので、リンクをたどって参照先のコンテンツに到達すること、およびインライン画像を表示することができる。
したがって、図10(a)および図10(b)の例では、転送先の液晶テレビ8が、携帯電話機3で表示される画像44と同様の、インライン画像および有効なリンクを含む画像44b・44cを表示することができる。
リンク修正部186がリンクを修正する方法の他の例として、Java(登録商標)Scriptを利用してリンクを変更する方法を以下に示す。この例では、リンク修正部186は、相対アドレスで参照先が記述されたリンクを、以下のソースコードに示すように、Java(登録商標)Scriptを利用して間接的に参照先が絶対アドレスで記述されたリンクに置き換える。
<HTML>
<HEAD>
<META http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=SHIFT_JIS">
<SCRIPT LANGUAGE="JavaScript">
<!--
function getOriginal()
{
location.href = “http://www.foo.bar/i/link.html”;
}
// -->
</SCRIPT>
<TITLE>sample</TITLE>
</HEAD>
<BODY>
<A HREF="javaScript:getOriginal()">Link</A><BR>
<IMG SRC="http://www.foo.bar/img/image.gif">
</BODY>
</HTML>
この例でも、図10の例と同様に、液晶テレビ8が、画面内のリンクをたどってコンテンツサーバ1から参照先のコンテンツを取得し、表示することができる。
図11は、コンテンツサーバ1から受信した複数のコンテンツを、コンテンツ統合部183によって統合した実施例の模式図である。
この例では、コンテンツ統合部183は、コンテンツサーバ1から受信したHTMLファイル(ファイル名“index.html”)および画像ファイル(ファイル名“image.gif”)の2つのコンテンツを1つのコンテンツ52aに統合する。コンテンツ統合部183が、コンテンツ統合方法の例として、RFC2557で策定されたMIME封入(MIME Encapsulation)を用いた場合に得られるコンテンツ52aのソースコード54a(HTML文書)を図11に示す。液晶テレビ8は、この方法で統合されたソースコード54a(HTML文書)を受信すると、携帯電話機3に表示される画像(表示画像)44と同じ画像(表示画像)44dを構成して表示することができる。コンテンツ統合方法としては、複数のファイルを1つのファイルにまとめるアーカイブ形式、たとえばTAR(Tape Archival and Retrieval format)形式を適用しても、同じ効果が得られる。
図12は、フォーマット変換部182によってウェブページを画像情報へ変換したものに、アドレス追加部187によってオリジナルコンテンツを取得するためのアドレスを埋め込んだ例を示している。
この例は、コンテンツ統合設定301およびオリジナル取得アドレス追加設定304がOFFに設定され、フォーマット変換設定302およびリンク修正設定303がONに設定された例である。
画像44eは、画像44のソースコード50を携帯電話機3の液晶表示部110に表示したときの、液晶表示部110の画面イメージ(画像44)をGIF(Graphics Interchange Format)形式の画像に変換したものである。画像44eのソースコード52bには、オリジナルコンテンツへアクセスするためのアドレスが埋め込まれている。
すなわち、この例では、フォーマット変換部182が、ソースコード50に基づいて液晶表示部110に表示したインライン画像を含む画像44をGIF形式の圧縮画像データに変換し、アドレス追加部187が、GIF形式の圧縮画像データに対してオリジナルコンテンツを取得するためのアドレス("http://www.foo.bar/i/index.html")を追加し、ソースコード52bを作成する。
液晶テレビ8では、携帯電話機3から受信したソースコード52bに基づいて、画像44に近い画像44eを表示することができる。
また、液晶テレビ8のアドレス抽出部264では、この画像44eのソースコード52bにおけるヘッダ部に含まれる文字情報を読み出し、オリジナルコンテンツへアクセスするためのアドレス"http://www.foo.bar/i/index.html"を抽出する。そして、アドレス抽出部264は、自動的に、あるいはユーザの指示にしたがって、コンテンツサーバ1上のアドレス"http://www.foo.bar/i/index.html"からオリジナルコンテンツを取得する。これにより、元の画像44と同様の、インライン画像および有効なリンクを含む画像を表示することができる。
したがって、この例では、携帯電話機3から受信したソースコード52bに基づいて、みかけ上、元の画像44に近い画像44eを速やかに表示することができるだけでなく、元の画像44に含まれるリンクを利用したい場合には、元の画像44を表示させてリンクをたどることができる。
ここでは、液晶表示部110の画面イメージをGIF形式の画像情報へ変換し、GIF形成の画像情報にアドレスを埋め込んだ例を挙げた。しかしながら、液晶表示部110の画面イメージをJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式や、PNG(Portable Network Graphics)形式などの一般的な画像形式の情報に変換した場合にも、同様に、画像情報のヘッダフィールドに文字情報を埋め込むことができる。また、ここでは画像形式の情報のみを例に挙げたが、画像形式以外の情報形式の情報、たとえば音声情報であっても、文字情報を埋め込むことができる形式であれば、同じ方法を適用することができる。
〔第2の実施の形態〕
第1の実施の形態では、携帯電話機3が液晶テレビ8へ転送するデータのフォーマットは単一であったが、ここでは、異なるフォーマットを持つ複数のコンテンツを携帯電話機3が液晶テレビ8へ転送する例を示す。
異なるフォーマットを持つコンテンツとは、(1)異なる種類のコンテンツ、(2)同じ種類のコンテンツであって、異なる圧縮形式もしくは記述形式を持つコンテンツ、あるいは(3)同一の記述形式(または圧縮形式)であって、ビットレートや解像度等といった映像品質(あるいは音声品質)が異なるコンテンツを指す。(1)の異なる種類のコンテンツとしては、具体的には、転送先が液晶テレビである場合、プレーンテキスト(Plain Text)、ウェブページ(HTML)、静止画像、動画像、音声などが挙げられる。また、(2)の圧縮形式もしくは記述形式としては、PNG(静止画像)、JPEG(静止画像)、GIF(静止画像)、MPEG(動画像)、AVI(動画像)、MOV(動画像)、WAVE(音声)、MP3(音声)などが挙げられる。
なお、本実施形態における携帯電話機3および液晶テレビ8の構成要素は、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。ただし、本実施形態における携帯電話機3は、制御部170が、赤外線通信部162がフォーマットの異なる複数のコンテンツを液晶テレビ8へ転送するように赤外線通信部162を制御する点で、第1の実施の形態における携帯電話機3と異なる。また、本実施形態における液晶テレビ8は、コンテンツ再生部265がフォーマットの異なる複数のコンテンツの中から最適なフォーマットのコンテンツを選択して再生する点で、第1の実施の形態における液晶テレビ8と異なる。
図13は第2の動作例として、携帯電話機3のコンテンツ加工部164の動作を設定したコンテンツ加工動作設定情報を示した表である。
図13を参照して、コンテンツ統合設定401はコンテンツ統合部183の動作を規定し、2つ以上のコンテンツがある場合に1つに統合して転送を行うか否かを設定する。フォーマット変換設定402はフォーマット変換部182の動作を規定し、コンテンツを転送する際にフォーマットの変換を行うか否かを設定する。
リンク修正設定403は、リンク修正部186およびインラインコンテンツアドレス修正部188の動作を規定するものであり、リンク修正部186がコンテンツに含まれるリンクを転送先でも利用できるように修正すると共に、インラインコンテンツアドレス修正部188がコンテンツに含まれるインラインコンテンツを転送先でも利用できるようにインラインコンテンツアドレスを修正するか否かを設定する。なお、フォーマット変換設定402がONで、かつ、フォーマット変換部182によってコンテンツがハイパーリンク構造を持たないデータ形式(たとえば、画像情報)のコンテンツに変換される場合には、リンク修正設定403は無視される(リンク修正設定403がONであるかOFFであるかにかかわらず、リンク修正部186によるリンクの修正、およびインラインコンテンツアドレス修正部188によるインラインコンテンツアドレスの修正を行わない)。また、リンク修正部186によるリンクの修正を行うか否か、インラインコンテンツアドレス修正部188によるインラインコンテンツアドレスの修正を行うかを別々に設定してもよい。
オリジナル取得アドレス追加設定404はアドレス追加部187において、オリジナルコンテンツを取得するためのアドレスの追加を行うか否かを設定する。
複数フォーマット送信設定405は、コンテンツの転送時にすべての変換可能なフォーマットへ変換処理を行い、すべての変換した形式のコンテンツとオリジナルの形式のコンテンツとを液晶テレビ8へ転送するか否かを設定する。複数フォーマット送信設定405がONの場合、携帯電話機3の赤外線通信部162は、コンテンツ記憶部166に記憶されたフォーマット変換前のコンテンツ(オリジナルの形式のコンテンツ)と転送データ記憶部168に記憶されたフォーマット変換後のコンテンツ(転送データ)との両方を液晶テレビ8へ転送する。なお、フォーマット変換部182が同一のコンテンツをフォーマットの異なる複数のコンテンツに変換する構成である場合、携帯電話機3の赤外線通信部162が、コンテンツ記憶部166に記憶されたフォーマット変換前のコンテンツ(オリジナルの形式のコンテンツ)を液晶テレビ8へ転送せず、同一のコンテンツをフォーマット変換部182でフォーマット変換することにより得られたフォーマットの異なる複数のコンテンツを液晶テレビ8へ転送するようにしてもよい。
なお、リンク修正設定403とオリジナル取得アドレス追加設定404は少なくとも一方はONであることが好ましい。また、フォーマット変換設定402がONの場合には、オリジナル取得アドレス追加設定404がONかOFFかに関わらず、変換後のフォーマットにはオリジナルコンテンツを取得するためのアドレスを追加することが好ましい。
図14は第2の動作例として、携帯電話機3から1つのコンテンツに対して複数のフォーマットで液晶テレビ8へ転送する場合のコンテンツ加工部164の動作を示したフローチャートである。
図14を参照して、コンテンツ加工部164では、まず、コンテンツ加工動作設定記憶部185に記憶されたコンテンツ加工動作設定を読み出す(ステップS51)。複数フォーマット送信設定405がONの場合、変換可能なすべてのフォーマットとオリジナルのフォーマットとの両方を送信するため、ステップS54へ進む。OFFの場合、1つのフォーマットで送信するため、ステップS53へ進む。ステップS53での動作は、図8に示した第1の動作例のステップS32〜S40と同様であり、説明を省略する。ステップS54において、転送するコンテンツの第1のフォーマットを決定する。好ましくは、第1のフォーマットはオリジナルのコンテンツフォーマットである。ステップS55において、転送可能な未送信のフォーマットが残っているかを判断する。残っていれば、転送データを作成するためにステップS56へ進む。残っていなければ、コンテンツ加工処理のフローを終了する。ステップS56での動作は、図8に示した第1の動作例のステップS32〜S40と同様であり、説明を省略する。ステップS57において、転送するコンテンツの次のフォーマットを決定する。そして、ステップS55〜S57をすべての変換可能なフォーマットの数だけ繰り返す。
本実施形態におけるコンテンツ再生部265は、赤外線通信部262にて携帯電話機3から、フォーマットが異なる複数のコンテンツが受信された場合に、それらコンテンツの中から再生に最も適したフォーマットのコンテンツを選択して再生するようになっている。より詳細には、本実施形態におけるコンテンツ再生部265は、コンテンツが赤外線通信部262で受信されても、同一の内容に関し、フォーマットの異なる複数のコンテンツが全て赤外線通信部262で受信されるまでは、再生を開始せず、同一の内容に関し、フォーマットの異なる複数のコンテンツが全て赤外線通信部262で受信された時点で、受信した複数のコンテンツの中から再生に最も適したフォーマットのコンテンツを選択して再生する。
図15は、第2の動作例として、携帯電話機3から転送されたデータを液晶テレビ8が処理する動作を示したフローチャートである。
図15を参照して、ステップS61において、液晶テレビ8は、携帯電話機3から赤外線通信部262を介して転送データを受信し、転送データ記憶部268へ記憶する。ステップS62において、携帯電話機3から送信されてきた、同一の内容に関し、フォーマットの異なる複数のコンテンツをすべて受信したかを判断する。例えば、あるフォーマットのコンテンツを受信した後、十分な時間が経っても次のコンテンツが受信されなければ、すべてのコンテンツを受信したものと判断する。すべてのコンテンツを受信したと判断した場合は、ステップS63に進む。すべてのデータの受信が終わっていなければ、次のコンテンツを受信するために、ステップS61へ戻る。ステップS63において、受信したフォーマットの異なる複数のコンテンツの中から、再生に最も適したフォーマットのコンテンツを選択する。最適なフォーマットを選択する基準は、装置の機能や状態に大きく依存する。例えば、液晶テレビ8に携帯電話機3からウェブページおよびその画面イメージが転送されてきた場合には、液晶テレビ8は、ウェブページを最適なフォーマットのコンテンツとして選択すればよい。また、コンテンツ受信装置に携帯電話機3からウェブページおよびその画面イメージが転送されてきた場合であっても、コンテンツ受信装置が液晶テレビ8ではなくプリンタである場合には、画像イメージを最適なフォーマットのコンテンツとして選択すればよい。
なお、液晶テレビ8が受信する同一の内容に関し、フォーマットの異なる複数のコンテンツの1つが、液晶テレビ8がコンテンツサーバ1から取得したオリジナルコンテンツであってもよい。この場合のアドレス抽出動作は、図6のS23〜S26と同様として、説明を省略する。
ステップS64において、ステップS63でオリジナルコンテンツを取得することが最適と判断された場合、ステップS65へ進む。受信した転送データの中に最適なフォーマットがある場合は、ステップS67へ進む。ステップS65とS66は、それぞれ図6のステップS28とS29と同様であり、説明を省略する。ステップS67において、コンテンツ再生部265はステップS63で決められた最適な転送データを再生し、フローを終了する。
〔第3の実施の形態〕
第2の実施の形態では、フォーマットの異なる複数のコンテンツをすべてを受信してから最適なフォーマットを選択し再生していたが、受信したものから順次再生していくことも考えられる。
なお、本実施形態における携帯電話機3および液晶テレビ8の構成は、コンテンツ再生部265が受信したものから順次再生していくように動作する点を除いて第2の実施の形態と同様であるので、コンテンツ再生部265の動作以外の説明を省略する。
本実施形態におけるコンテンツ再生部265は、コンテンツが無線通信部160で受信されたときに他のフォーマットのコンテンツが無線通信部160で受信されるのを待つことなく再生を開始し、その後、他のフォーマットのコンテンツが無線通信部160で受信される度に、受信したコンテンツと再生中のコンテンツとの何れがより再生に適したフォーマットであるかを判定し、より再生に適したフォーマットであると判定されたコンテンツを再生するようになっている。
図16は、携帯電話機3から転送された複数のフォーマットを、液晶テレビ8が、受信する毎に再生中のフォーマットと比較し、より良いフォーマットに表示を切り替えていく動作を示したフローチャートである。
この方法では、第2の実施の形態のようにフォーマットの異なる複数のコンテンツの全てを受信完了するのを待つ必要がないため、第2の実施の形態と比較して、転送データ受信開始から最初のコンテンツ表示までの時間短縮に繋がる。また、転送データ記憶部268には、再生中の転送データと、最後に受信した転送データとの2つが記憶されるだけで済むので、フォーマットの異なる3つ以上のコンテンツが携帯電話機3から転送される場合には、第3の実施の形態と比較して、メモリ容量を削減できるという効果がある。
図16を参照して、このフローは何もコンテンツが再生されていない状態から開始する。ステップS71において、液晶テレビ8は携帯電話機3から赤外線通信部262を介して転送データを受信し、転送データ記憶部268へ記憶する。
ステップS72において、転送データ記憶部268に新しく記憶された転送データと、現在再生している転送データのフォーマットとを比較して、どちらがより適したものかを判断する。現在再生しているフォーマットの方がより適していると判断された場合には、ステップS74へ進む。転送データ記憶部268へ新しく記憶された転送データがより適していると判断された場合には、ステップS73に進む。ステップS73において、コンテンツ再生部265は転送データ記憶部268に記憶された転送データを再生する。ステップS74において、携帯電話機3からすべての転送データを受信し終えたかを判断する。判断基準は図15のステップS62と同様とする。すべての転送データを受信し終えてないと判断した場合は、ステップS71へ戻る。すべての転送データを受信したと判断した場合は、フローを終了する。
第2および第3の実施の形態のシステムでは、以上のように、転送先のコンテンツ受信装置が、通信装置からフォーマットの異なる複数のコンテンツを受信し、これらコンテンツの中から再生に最も適したフォーマットのコンテンツを選択するようになっている。すなわち、第2および第3の実施の形態のシステムでは、再生に最も適したフォーマットのコンテンツを、転送元のコンテンツ受信装置が選択するのではなく転送先のコンテンツ受信装置が選択するようになっている。これは、片方向通信にするためである。片方向通信にすることで、転送速度を向上させることができる。通信装置が片方向通信によって複数のコンテンツの転送を行い、転送先のコンテンツ受信装置が選択を行うシステムは、通信装置が、コンテンツ受信装置との両方向通信によって転送元の通信装置による再生に最も適したフォーマットのコンテンツを選択し、コンテンツ受信装置へ転送するシステムと比較すると、複数のコンテンツを転送するため、コンテンツ受信装置へのデータの転送量は多くなる。しかしながら、片方向通信による転送速度の向上は複数のコンテンツを転送することによるデータ転送量の増大を上回るので、全体としては転送速度を向上させることができる。
〔第4の実施の形態〕
第2の実施の形態では、コンテンツの転送を受けるコンテンツ受信装置を液晶テレビとしたが、ここではプリンタをコンテンツ受信装置とする例を示す。
本実施形態におけるプリンタの機能的構成を示すブロック図を、図17に示す。本実施形態におけるプリンタ(コンテンツ受信装置)80は、図5に示す液晶テレビ8において、液晶表示部210を印刷部(印刷手段)510に置き換え、コンテンツ再生部265をコンテンツ再生部(コンテンツ再生手段)565に置き換えた以外は、液晶テレビ8と同様の構成を備えている。印刷部510およびコンテンツ再生部565以外の構成要素については説明を省略する。本発明では、コンテンツ再生手段は、スピーカ212、ネットワーク通信部260、アドレス抽出部264、印刷部510、およびコンテンツ再生部565で構成される。
印刷部510は、ネットワーク通信部260および赤外線通信部(コンテンツ受信手段)262で受信されたコンテンツを印刷するものである。
第2の実施の形態におけるコンテンツ再生部265は、受信したコンテンツに基づいて液晶表示部210に表示しようとする画像イメージのデータを作成し、液晶表示部210へ出力していた。これに対し、本実施形態におけるコンテンツ再生部565は、受信したコンテンツに基づいて、印刷部510で出力しようとする印刷イメージのデータを作成し、印刷部510へ出力する。
本実施形態におけるプリンタの動作は、第2の実施の形態における図15のフローチャートに示す動作において、ステップS66およびステップS67における液晶表示部210への表示に代えて印刷部510へ印刷を行う以外は、図15のフローチャートに示す動作と同様である。他のステップについては、説明を省略する。
なお、上記の説明では、携帯電話機3がコンテンツの再生機能を持っていたが、携帯電話機3は、コンテンツの再生機能を持たなくてもよい。ただし、転送するコンテンツの内容を携帯電話機3のユーザが確認できることから、携帯電話機3は、コンテンツの再生機能を持っていることが好ましい。
また、上記の説明では、携帯電話機3がIrSC通信によりコンテンツを転送するようになっていたが、コンテンツを転送するのに利用する通信方式は特に限定されない。ただし、コンテンツを転送するのに利用する通信方式は、片方向通信、特にIrSC通信であることが好ましい。これにより、両方向通信を用いる場合と比較して、コンテンツを転送するための通信手順を簡素化することができるので、コンテンツの転送速度を向上させることができる。また、コンテンツを転送するのに利用する通信方式は、無線通信、特にIrSC通信であることが好ましい。これにより、有線通信の場合のように、ケーブルの取り付けおよび取り外し、メモリカードの抜き差し、などといった煩わしい操作を必要としない。
また、携帯電話機3は、受信するコンテンツに音声コンテンツが含まれないのであれば、スピーカ212を備えていなくてもよい。
また、本発明に係る通信装置は、コンテンツをコンテンツ配信装置からネットワーク経由で取得し、コンテンツを加工してコンテンツ受信装置へ転送する機能を備えるものであればよく、携帯電話機3以外の装置、例えば、PDA、ノート型コンピュータなどの携帯通信装置;デスクトップ型コンピュータなどの据置型通信装置であってもよい。ただし、コンテンツの転送は、ユーザが外出先で通信装置を使用している時に利用価値が高いので、本発明の通信装置は、携帯通信装置に適用した場合に特に利用価値が高い。
また、上記したいずれの実施の形態においても、通信装置(携帯電話機3)が取得するコンテンツや、通信装置(携帯電話機3)がコンテンツ受信装置(液晶テレビ8またはおよびプリンタ)転送するコンテンツとしては、ウェブページ、画像データ、動画データ、音楽データ以外の、種々のコンテンツを利用することもできる。
転送先のコンテンツ受信装置は、液晶テレビおよびプリンタに限らず、ハードディスク付DVDレコーダ、オーディオシステム、携帯電話機、PDAなどの(携帯電話機以外の)携帯情報装置、ファクシミリ装置、カーナビゲーション装置などを受信装置として用いることも可能である。
転送先のコンテンツ受信装置は、ネットワーク接続機能をもつ装置であることが好ましい。転送先のコンテンツ受信装置が、ネットワーク経由でオリジナルコンテンツの配信装置にアクセスすることができれば、アドレス追加部187によってオリジナルコンテンツを取得するためのアドレスが埋め込まれたコンテンツを受信したときに、そのアドレスに基づいてオリジナルコンテンツをその配信装置から取得することができる。したがって、オリジナルコンテンツに含まれるインラインコンテンツやリンクのアドレスが相対アドレスで記述されていても、インラインコンテンツやリンクを利用することができる。また、転送先のコンテンツ受信装置が、ネットワーク接続機能を持っていれば、リンク修正部186によって修正されたリンクを含むコンテンツを受信したときに、リンクを利用することができる。また、転送先のコンテンツ受信装置が、ネットワーク接続機能を持っていれば、インラインコンテンツアドレス修正部188によって修正されたインラインコンテンツアドレスを含むコンテンツを受信したときに、インラインコンテンツを利用することができる。
ここで開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含む。
なお、本発明は、以下のようにも表現できる。
〔0〕ネットワークからコンテンツを、原型を保った形で取得し、前記取得したコンテンツを、転送先で原型を復元するための情報を付加するよう、加工する通信装置。
ここで付加される情報は、元のコンテンツを取得するアドレスや、転送先で正しくリンクがたどれるためのアドレス修正情報である。前記加工されたコンテンツは、電子装置に転送され、電子装置がコンテンツの原型を復元する。電子装置によるコンテンツの復元では、転送されたコンテンツから転送元で付加された原型を復元するための情報を抽出する。
〔1〕ネットワークからコンテンツを、原型を保った形で取得するコンテンツ取得手段と、前記取得したコンテンツを、転送先で原型を復元するための情報を付加するコンテンツ加工手段と、前記加工されたコンテンツを、電子装置に転送するコンテンツ転送手段と、を備える通信装置。
ここで、「原型の復元」とは、「原型が意図した形で再生する」ことを指す。「原型のコンテンツを取得できるようにする」構成も、「リンクが相対アドレスで記述されていても、リンク先のコンテンツを取得できる」構成も、「コンテンツを構成するすべての要素を1つのコンテンツにする」構成も、すべて「原型の意図した形で再生する」ことが可能であるので、〔1〕の構成に含まれる。
上記〔1〕の発明によれば、携帯電話機、PDA等の携帯可能な通信装置により取得されたコンテンツをテレビ、プリンタ等の電子装置で使用する際にコンテンツの完全な形での再利用と、通信手順の簡素化が可能な通信装置および電子装置を提供できる。
〔2〕上記〔1〕において、前記コンテンツ加工手段は、転送先の電子装置で正しくリンクがたどれるための修正である通信装置。
〔3〕上記〔1〕において、前記コンテンツ加工手段は、当該コンテンツを取得するためのアドレスを追加することを含む通信装置。
〔4〕上記〔1〕において、ネットワークから取得した2つ以上のコンテンツデータを1つにまとめるコンテンツ統合手段を含む通信装置。
〔5〕上記〔1〕において、前記コンテンツ加工手段は、フォーマット変換手段(MP3タグやJPEGタグを取り出すなど、元のコンテンツフォーマットとは異質なものに置換する;画像圧縮、音声化など)を含む通信装置。
〔6〕上記〔5〕において、前記フォーマット変換手段は、当該コンテンツの一部もしくは全部の画面イメージを圧縮する画像変換手段である通信装置。
〔7〕上記〔5〕において、前記フォーマット変換手段は、当該コンテンツの一部もしくは全部を音声化する音声変換手段である通信装置。
〔8〕上記〔5〕において、前記フォーマット変換手段は、当該コンテンツの特徴を抽出する手段と、当該特徴をコンテンツとして作成する作成手段を有するフォーマット変換手段である通信装置。
〔9〕上記〔5〕において、前記取得したコンテンツを他の電子装置へ転送する場合に、取得したコンテンツのフォーマットを変えずに転送するか、前記フォーマット変換手段により、変換されたコンテンツを転送するか、または両方を転送するのかを選択可能である通信装置。
〔10〕上記〔1〕〜〔9〕の何れかにおいて、携帯電話機である通信装置。
〔11〕上記〔1〕の通信装置からコンテンツの転送を受ける、コンテンツ受信手段と、前記受信したコンテンツの原型を復元する、コンテンツ復元手段と、を備える電子装置。
〔12〕上記〔10〕において、転送されたコンテンツに当該コンテンツを取得するためのアドレスが含まれる場合、ネットワークから当該コンテンツを、自動的に取得する電子装置。
〔13〕上記〔10〕において、転送されたコンテンツに当該コンテンツを取得するためのアドレスが含まれる場合、ネットワークから当該コンテンツを取得するか、ユーザに判断を促す電子装置。
〔14〕上記〔10〕において、前記コンテンツ受信手段を通じて複数のフォーマットのコンテンツを受信する場合、利用に最も適したフォーマットを選択して再生する電子装置。
〔15〕上記〔11〕〜〔14〕の何れかにおいて、テレビである通信装置。
〔16〕上記〔11〕〜〔14〕の何れかにおいて、プリンタである通信装置。