JP4626292B2 - 超音波ホーンとこれを用いたボンディング装置 - Google Patents
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Description
第1の問題は超音波振動の系に装置本体側も含まれてしまうので、装置本体側の状況により超音波振動の状態が変わってしまうことである。例えば、超音波ホーンが取り付けられる装置本体に他の構造部材を取り付けるネジがある場合、そのネジの締め方で超音波ホーンの負荷が変動してしまう、といった問題が生じることがある。
第2の問題点は、ボンディング装置などの加工装置の大型化が挙げられる。第1の問題を解決することにも通じるが、振動系の安定性を高めるため、超音波ホーンが固定される装置本体を大型にし、慣性を大きくする必要がある。
第3の問題は、装置本体側に伝達された超音波振動により装置が破損することである。例えば、超音波ホーンが取り付けられる装置部材に転がり軸受がある場合、転動体と転動面が超音波振動で衝突し合い、転動面が破損することがある。
本発明の課題は、上述した従来技術の問題点を解決することであって、その目的は、超音波方式ボンディング装置等において用いられる超音波ホーンに関し、超音波ホーンから装置本体への振動伝達を極小とする超音波ホーンの支持方法を提案し、小型の加工装置であっても装置本体側に損傷を与えることなく、安定した超音波振動を行うことができる超音波ホーンを提供することである。
よって、本発明によれば、以下の効果が得られる。第1の効果は、超音波ホーンが振動系として独立するので、装置本体側の状態の影響を殆ど受けず、安定した超音波振動が可能となることである。第2の効果は、振動系の安定性を高めるため、超音波ホーンが固定される装置本体側を大型にし、慣性を大きくする必要がないので、装置を小型化することができることである。第3の効果は装置側に伝達された超音波振動により装置が破損することがなくなることである。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態の超音波ホーンの斜視図である。この超音波ホーンは、電子部品の組立てを行う半導体製造装置、例えばフリップチップボンダやワイヤボンダ等に使用することを想定している。超音波ホーン10は、ホーン本体11と、ホーン本体11に超音波振動を付与する超音波振動子12と、被接合対象を保持する保持部材13と、ホーン本体11の中心軸に対して対称な対をなす突起14と、図示されていない半導体製造装置へホーン本体11を固定する支持部16と、支持部16とホーン本体11との間を接続する連結部17とにより構成されている。
図2にある時点でのホーン本体と突起対での縦振動の様子を示す。図2では、ホーン本体については右方向への変位を正として、突起対については上方向への変位を正として示してある。また、図3に縦振動に伴って生じる径方向の振動の様子を示す。図3では、いずれも径方向に広がる変位を正として示してある。
以上により、縦振動の節となる部分に対して径方向振動の振幅を0とする部分を作ることができる。ホーン本体11は、この節の径方向振動の0となる部分に、図示されていない半導体製造装置へホーン本体11を固定する支持部16を支持する連結部17を有する。支持部16および連結部17を有することにより、振動の状態は若干変化し、振幅は完全には0にならないが、それでも振幅が0に近い部分を支持することができるので、超音波ホーンから半導体製造装置の振動の伝達は極小とすることができる。
図4は、本発明の第2の実施の形態の超音波ホーンの斜視図である。本実施の形態の超音波ホーンも電子部品組み立て用の半導体製造装置用の超音波ホーンが想定されている。本実施の形態の超音波ホーン20は、ホーン本体21、ホーン本体21に超音波振動を付与する超音波振動子22、被接合対象を保持する保持部材23、2組の対をなす突起24と25、図示されていない半導体製造装置へホーン本体21を固定するための2箇所に形成された支持部26、28、支持部26、28とホーン本体21とをそれぞれ接続する連結部27、29により構成されている。ホーン本体21の一方の端面には振動発生源である超音波振動子22が取り付けられ、そしてホーン本体21の中央部には、被接合部品(半導体チップ、ワイヤ等)を保持し、接合対象部品(基板、半導体チップ等)に押圧するための保持部材23が備えられている。保持部材23は、ホーン本体21と一体構造であってもよいし、別部品でホーン本体21と着脱可能であってもよい。
図5にある時点でのホーン本体と突起対での縦振動の様子を示す。図5では、ホーン本体については右方向への変位を正として、突起対については上方向への変位を正として示してある。また、図6に縦振動に伴って生じる径方向の振動の様子を示す。図6では、いずれも径方向に広がる変位を正として示してある。
ここで、突起24、25の形状を調整することにより、突起対に生じる径方向振動の振幅とホーン本体21に生じる径方向振動の振幅を同じとすることができる。突起24、25形状の調整方法は、第1の実施の形態の場合と同様である。本実施の形態では、突起対は各支持部について一対のみであったが、各支持部に対して複数対形成することもできる。その場合、突起対同士がホーン本体の中心線を通る水平面に対し対称的に配置されることが好ましい。
また、本実施の形態では2つの節を利用して超音波ホーンを支持したが、3つ以上の複数個の節を利用して支持することも可能である。
本発明の超音波ホーンは、超音波ボンディング装置ばかりでなく、超音波ウェルダなど他の超音波加工装置にも適用することが可能である。
11、21、31 ホーン本体
12、22、32 超音波振動子
13、23、33 保持部材
14、24、25 突起
14a、24a、25a 突起の端面
16、26、28、36 支持部
17、27、29、37 連結部
Claims (13)
- 超音波振動を発生する超音波振動子と前記超音波振動子の加振に共鳴して振動する構造体である超音波ホーン本体を有し、前記超音波ホーン本体にはこれを支持体に支持させるための支持部と被加工物に対し加工を行う加工部とが備えられている超音波ホーンにおいて、前記超音波ホーン本体には前記超音波ホーン本体と前記超音波振動子との接続部から前記支持部までの距離と等しい距離の位置に前記超音波ホーン本体の中心線を中心として対称的に一対の突起部が設けられていることを特徴とする超音波ホーン。
- 前記一対の突起部の先端部間の距離が超音波振動の波長をλとしてλ/2の整数倍であることを特徴とする請求項1に記載の超音波ホーン。
- 前記支持部が、前記一対の突起部の中心線に対し直交する方向に延びていることを特徴とする請求項1または2に記載の超音波ホーン。
- 前記突起部の形状は、前記超音波ホーン本体の縦振動に起因する前記支持部に対するポアソン効果を前記突起部の縦振動に起因する前記支持部に対するポアソン効果によって打ち消すように選定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の超音波ホーン。
- 前記支持部が、超音波波振動の節部を挟むように対をもって形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の超音波ホーン。
- 前記支持部が、超音波波振動の複数の節部に形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の超音波ホーン。
- 前記突起部が、前記超音波ホーン本体の縦振動の一つの節部において複数対形成されていることを特徴とする請求項1、2または4から6のいずれかに記載の超音波ホーン。
- 前記突起部が前記超音波ホーン本体に着脱可能であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の超音波ホーン。
- 請求項1から8のいずれかに記載された超音波ホーンを備え、前記加工部がワイヤのボンディングを行うことを特徴とするボンディング装置。
- 前記加工部がワイヤの保持機能を有していることを特徴とする請求項9に記載ボンディング装置。
- 請求項1から8のいずれかに記載された超音波ホーンを備え、前記加工部が半導体チップを押圧して半導体チップの突起電極のボンディングを行うことを特徴とするボンディング装置。
- 前記加工部が半導体チップを吸引・保持する機能を有していることを特徴とする請求項11に記載のボンディング装置。
- ボンディングの行われる半導体チップまたは基板を加熱する機構が備えられていることを特徴とする請求項9から12のいずれかに記載のボンディング装置。
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