JP4626035B2 - プラズマディスプレイ装置の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビなどの画像表示用のプラズマディスプレイ装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、プラズマディスプレイ装置は、視認性に優れた表示パネル(薄型表示デバイス)として注目されており、高精細化および大画面化が進められている。このプラズマディスプレイ装置には、大別して、駆動的にはAC型とDC型があり、放電形式では面放電型と対向放電型の2種類があるが、高精細化、大画面化および製造の簡便性から、現状では、AC型で面放電型のプラズマディスプレイ装置が工業上の主流を占めるようになってきている。
【0003】
このAC型のプラズマディスプレイ装置におけるパネル構造の一例を図7に示している。
【0004】
図7に示すように、ガラス基板などの透明な前面側の基板1上には、走査電極2と維持電極3とで対をなすストライプ状の表示電極が複数対形成され、そして基板1上の隣り合う表示電極間には遮光層(図示せず)が配置形成されている。この走査電極2および維持電極3は、それぞれ透明電極2a、3aおよびこの透明電極2a、3aに電気的に接続された母線2b、3bとから構成されている。前記透明電極2a、3aはインジウムスズ酸化物(ITO)や酸化スズ(SnO2)等で形成され、母線2b、3bは、クロム−銅−クロム(Cr−Cu−Cr)の積層体または銀(Ag)等で形成される。なお、透明電極2a、3aがなく、母線2b、3bのみで表示電極を構成する場合もある。また、前記前面側の基板1には、前記複数対の電極群を覆うように硼珪酸ガラス等からなる誘電体層4が形成され、その誘電体層4上にはMgOのような耐イオンスパッタ性に優れ、高い2次電子放出係数を有する材料からなる保護膜5が形成されている。
【0005】
また、前記前面側の基板1に対向配置される背面側の基板6上には、走査電極2及び維持電極3の表示電極と直交する方向に、複数のストライプ状で前記母線2b、3bと同様に、クロム−銅−クロム(Cr−Cu−Cr)の積層体または銀(Ag)等からなるデータ電極7が形成されている。このデータ電極7間には、データ電極7と平行にストライプ状の複数の隔壁8が配置され、この隔壁8の側面にかけてデータ電極7を覆うように蛍光体層9が設けられている。
【0006】
これらの基板1と基板6とは、走査電極2および維持電極3とデータ電極7とが直交するように、微小な放電空間を挟んで対向配置されるとともに、周囲が封止され、そして前記放電空間には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノンのうちの一種または混合ガスが放電ガスとして封入されている。また、放電空間は、隔壁8によって複数の区画に仕切ることにより、表示電極とデータ電極7との交点が位置する複数の放電セル10が設けられ、その各放電セル10には、赤色、緑色及び青色となるように蛍光体層9が一色ずつ順次配置されている。
【0007】
図8に、各電極に印加する駆動波形の一例を示す。
【0008】
まず、初期化動作において、走査電極2または維持電極3に放電開始電圧を超える高い電圧を印加して、全放電セルにて放電が起こり壁電荷の形成・消滅が起こる。この初期化動作により、全放電セルの壁電圧をほぼ同じ状態にする。次に、書き込み動作において、データ電極7に正の書き込みパルス電圧を、走査電極2には負の走査パルス電圧を印加すると放電空間内で書き込み放電が起こり、走査電極2上の保護膜5の表面に正の電荷が蓄積される。この後、維持動作の最初において、走査電極2にさらに正の電圧を印加し、維持電極3に負の維持パルス電圧を印加すると、走査電極2上の保護膜5表面の正の電荷により維持放電が起動する。その後、走査電極2と維持電極3に正の維持パルス電圧を交互に印加することで、維持動作が持続される。この維持放電の停止は、維持電極3に正の消去パルス電圧を印加することにより行う。
【0009】
このようなAC型のプラズマディスプレイ装置の保護膜の材料としては、電子ビーム蒸着などで形成された酸化マグネシウム(MgO)膜が用いられており、所定の条件下で電子ビーム蒸着などによって形成されたMgO膜は誘電体層よりも2次電子放出係数(γ)が高いため、放電開始電圧を下げることができる。また、結晶性が高く緻密な膜であるので、走査電極または維持電極上に形成された誘電体層が放電中にイオンの衝突を受けてスパッタされ消耗することを、MgO膜によって防止することができる。このことが、保護膜層と呼ばれる所以である。
【0010】
従来、前記保護膜層であるMgO膜の形成方法として、電子ビーム蒸着法が用いられる。図9(a)、(b)にその装置構成を示しており、成膜室において、水平に配置されたMgO単結晶のターゲット11に対して、電子ビームを磁場などで偏向することで照射して、MgOを加熱し蒸発させる。この時の蒸発粒子の分布はコサイン(cos)分布になると知られている。前記ターゲット材料に対向してガラス基板12を平行となるように真上に配置して、MgO膜を形成する。
【0011】
実際の量産性を考慮した場合、基板通過方式にする。このような従来例として、例えば特開平10−176262号公報がある。基板通過方式を採用する場合、図9のように、ターゲット11からガラス基板12へ入射する粒子が角度θ0、θ1が、通過の開始時と終了時で同じとなるよう、すなわち対称(θ0=θ1)となるように蒸着遮蔽部材13a、13bが設けられている。この蒸着遮蔽部材13a、13bは、入射角が35度より大きくならないようにするために設けられている。なお、図9(b)のようにターゲット11の数はガラス基板12の大きさに応じて、基板搬送方向と直交する方向に1つないし複数配置している。この図では4つのターゲット11を配置している。
【0012】
このような従来の方法で形成した保護膜層の基板搬送方向の断面図を図10に示す。この図10では、電子顕微鏡(SEM)で観測した断面を模式的に示している。
【0013】
図9を用いて、成膜過程を説明すると、まず、−θ0度で入射する構成粒子がガラス基板12につきはじめ、ガラス基板12が動くとともに、入射角度が−θ0度から0度、そしてθ1度へと連続的に変化しながら、MgO膜14が形成されていく。これに伴い、ガラス基板12に形成されるMgO膜14の結晶カラムの成長方向も連続的に角度を変え、図10のように「弓なり」状の形状になる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような断面形状を持つ保護膜を用いると、高精細のパネルにおいて書き込み動作に利用できる時間が短くなる。すなわち、高速書き込みを行うときに、所定の時間内に書き込み放電が終了せず、黒欠陥(ちらつき)となり、表示品質が低下するという問題が発生することがわかった。この黒欠陥のレベルは、書き込み電圧のパルス幅のみならず、書き込み電圧の電圧値・傾斜などに依存し、この黒欠陥の原因を調べると、保護膜である酸化マグネシウム(MgO)の膜質が原因であることがわかった。すなわち、MgO膜の膜質の違いにより、MgO膜の放電特性が決まるのである。
【0015】
本発明はこのような課題を解決するもので、書き込み放電を高速で安定に行うことができるようにすることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために本発明においては、プラズマディスプレイ装置の製造方法において、前記保護膜を真空蒸着法により形成する際に、前記基板に対して直角となる構成粒子の入射角度が0度を基準線としたとき、保護膜の構成粒子の入射角度を5〜50度に制限する入射角制御板を前記基板とターゲットとの間に配置するとともに、前記基板を搬送しながら前記誘電体層上に保護膜を形成するように構成し、かつ前記基準線と一方の入射角制御板との間の入射角度と、前記基準線と他方の入射角制御板との間の入射角度、前記保護膜の結晶カラムの断面形状が膜厚方向に対して角度をもった傾いた形状となるように異ならせ、前記入射角度は前記基準線と前記基板の搬送方向とを含む平面内における角度であるたことを特徴とする。
【0017】
すなわち、本発明者らは、膜質に影響を及ぼすと考えられる保護膜の成膜条件(成膜条件としては、基板温度、酸素の供給量、成膜圧力、成膜レート、構成粒子の入射角度である)と放電特性の関係を調べた結果、成膜粒子の入射角度が最も放電特性に影響を及ぼすことを確認したことに基づくもので、構成粒子の入射角度を最適にすることにより、高速書き込み時の黒欠陥問題を解決することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、少なくとも前面側が透明な一対の前面側の基板と背面側の基板を間に放電空間が形成されるように対向配置することにより構成され、前記背面側の基板には、前記放電空間を複数に仕切るための隔壁を配置するとともに放電により発光する蛍光体層を設け、前記前面側の基板には、前記隔壁により仕切られた放電空間で放電が発生するように複数の走査電極および維持電極とその表面を覆う誘電体層とを形成するとともに、前記誘電体層の上に保護膜を形成したプラズマディスプレイ装置の製造方法において、前記保護膜を真空蒸着法により形成する際に、前記基板に対して直角となる構成粒子の入射角度が0度を基準線としたとき、保護膜の構成粒子の入射角度を5〜50度に制限する入射角制御板を前記基板とターゲットとの間に配置するとともに、前記基板を搬送しながら前記誘電体層上に保護膜を形成するように構成し、かつ前記基準線と一方の入射角制御板との間の入射角度と、前記基準線と他方の入射角制御板との間の入射角度、前記保護膜の結晶カラムの断面形状が膜厚方向に対して角度をもった傾いた形状となるように異ならせ、前記入射角度は前記基準線と前記基板の搬送方向とを含む平面内における角度であることを特徴とするプラズマディスプレイ装置の製造方法である。
【0024】
以下、本発明の一実施の形態について、説明する。
【0025】
本発明者らは、黒欠陥を定量的に取り扱うために、所定の電圧パルスを印加してから放電が起こるまでの放電遅れを評価した。放電遅れの評価方法としては、「ラウエプロット」と呼ばれるものを用いた(詳細は、電気学会技術報告書第688号「プラズマディスプレイ内の放電基礎特性」P.68参照)。
【0026】
簡単に説明すると、放電空間に一定電圧を印加して時間t経過した後に放電にいたらない確率をQとする。縦軸がlogQ、横軸が時間tとなるようにプロット(ラウエプロット)すると、この傾きから統計遅れtsが求められる。
【0027】
また、放電にいたらない確率Qが1以下になる時間から形成遅れtfが求められる。
【0028】
ここで、統計遅れtsは電圧が加えられてから放電を完成させる初期電子が現れてくるまでの遅れ時間、形成遅れtfはその電子が現れてから放電破壊に至るまでに必要な時間を意味する。
【0029】
この検討により本発明者らは、統計遅れtsと前記黒欠陥レベルに強い相関があることを見出した。すなわち、統計遅れtsを用いることで、黒欠陥を定量的に評価することができ、統計遅れが小さいほど、黒欠陥レベルは良いことを見出した。
【0030】
また、本発明者らは、ターゲットから基板への構成粒子の入射角度と放電特性の関係を調べる実験を行った。
【0031】
実験条件としては、基板温度200度、酸素導入後の蒸着圧力が1×10-3(Pa)、蒸着レートは10Å/s、膜厚は6000Åである。
【0032】
図1にターゲットから基板への構成粒子の入射角度に対する放電遅れと放電開始電圧の関係を示す。本実験では、基板は静止状態であるため、膜の断面形状としては、膜厚方向に全体がほぼ同じ角度で傾いている。また、本実験は小型のサンプル破片を用いて評価した。
【0033】
この図1から、入射角度が30度から40度付近で最も放電遅れが小さく、放電開始電圧が低いことがわかる。また、入射角度が0度付近が特に放電特性が悪い。
【0034】
この結果から明らかなように、ターゲットからの構成粒子の入射角度が5〜50度にすることにより、放電特性の良いMgO膜を得ることができる。
【0035】
以下に本発明に係る断面形状を持つ保護膜の形成方法の実施例を示す。
【0036】
ターゲット材料としてMgOを用いた基板通過方式の電子ビーム蒸着法で説明する。
【0037】
なお、以下の説明では、ターゲット材料に対してガラス基板を平行になるように真上に配置しているが、必ずしも平行になるようにガラス基板を配置する必要はない。
【0038】
図2に第1の実施例を示す。成膜室において、水平に配置されたMgOのターゲット21に対して、電子ビームを磁場などで偏向することで照射して、MgOを加熱し蒸発させる。
【0039】
前記ターゲット21に対向してガラス基板12を平行となるように真上に配置して、図2の矢印方向にガラス基板12を搬送しながら、ガラス基板12の誘電体層上にMgO膜を形成する。
【0040】
本発明では、ターゲット21からガラス基板12へ入射する粒子の角度が5〜50度となるように、ターゲット21とガラス基板12との間に入射角制御板22a、22bを設け、入射角度はそれぞれθ10とθ11になるように制御している。ここで、入射角度θ10、θ11とは、図2に示すように、ガラス基板12に対して直角となる粒子の入射角度が0度を基準線とし、その基準線と入射角制御板22aとの間の入射角度がθ10、基準線と入射角制御板22bとの間の入射角度がθ11である。なお、本実施例では、入射角度はθ11の方がθ10よりも大きくなるように、前記基準線に対してガラス基板12の搬送方向の上流側に入射角制御板22a、22bを配置し、θ10=6度、θ11=40度となるように入射角度を制限して蒸着を行い、パネルを作成して評価を行った。
【0041】
実験条件としては、基板温度200度、酸素導入後の蒸着圧力が2×10-3(Pa)、蒸着レートは20Å/s、膜厚は6000Åである。
【0042】
その結果を表1に示す。また、その時の断面形状の模式図を図3に示しており、23はMgO膜である。
【0043】
比較例として、従来例である図10のθ0=θ1が30度となる条件でもパネルを作成し、評価を行った。他の実験条件は、本実施例と同じである。
【0044】
この結果より、本発明によれば、放電の統計遅れが小さくなり、放電特性がよくなることがわかる。そして、この結果、高速書き込み時に問題であった黒欠陥は発生しなくなった。
【0045】
なお、本発明において、入射角制御板22a、22bは、蒸着室内の真空を維持しながら、装置外から制御可能な可動式の入射角制御板としたり、さらに1枚以上の可動式の入射角度制御板を各々独立に制御可能なものとしてもよい。
【0046】
図4に第2の実施例を示しており、この例では成膜室内の構成は第1の実施例とほとんど同じ構成としているが、入射角制御板22a、22bを基準線に対してガラス基板12の搬送方向の下流側に配置するとともに、入射角制御板22a、22bにより形成される入射角度をそれぞれθ12、θ13としている。また、本実施例では、θ12の方がθ13よりも入射角度が大きくなっている。
【0047】
そして、実際には、θ12=30度、θ13=10度となるように入射角度を制限して蒸着を行い、パネルを作成して評価を行った。
【0048】
その結果を表1に示す。また、その時の断面形状の模式図を図5に示す。入射角度以外の条件は、第1の実施例と同じである。
【0049】
この結果より、放電の統計遅れが小さくなり、放電特性がよくなることがわかる。その結果、高速書き込み時に問題であった黒欠陥もほとんど発生しなくなった。また、本実施例は従来例よりは放電特性が良いが、第1の実施例ほどは良くなかった。これは、より表面に近い層の結晶カラムの傾きが、第1の実施例では30〜40度であるのに対し、本実施例では10〜20度であることが原因と考えられる。すなわち、図1の結果から30〜40度の入射角度が最も放電特性が良いためと考えられる。
【0050】
図6に第3の実施例を示している。前記第1、第2の実施例では、入射角制御板22a、22bを基準線に対してガラス基板12の搬送方向の上流側または下流側に片寄らせて配置しているため、遮蔽される部分が多く、比較的蒸着効率が悪くなってしまう。そこで、本実施例では、入射角制御板22aを基準線に対してガラス基板12の搬送方向の下流側に配置するとともに、入射角制御板22bを基準線に対してガラス基板12の搬送方向の上流側に配置し、基準線に対してガラス基板12の搬送方向の下流側の入射角度をθ14とし、基準線に対してガラス基板12の搬送方向の上流側の入射角度をθ15とし、かつ入射角度θ15をθ14よりも大きくし、全膜厚の表面側3分の2において結晶カラムが傾くように入射角度を設定している。実際には、θ14=8度、θ15=40度になるように入射角度を制限して蒸着を行い、パネルを作成して評価を行った。他の蒸着条件は第1の実施例と同じである。その結果を表1に示す。
【0051】
この結果から、第1の実施例ほどではないが、従来例よりも放電特性がよくなることがわかる。その結果、高速書き込み時に問題であった黒欠陥もほぼ発生しなくなった。
【0052】
【表1】
Figure 0004626035
【0053】
ここで、以上の実施例では、入射角制御板を実験ごとに真空を一度やぶって交換したが、可動式の入射角制御板にすれば、真空をやぶることなく、条件を変更することが可能となる。また、入射角度を制御することにより結晶カラム形状を制御し、その結果として放電特性を制御できる。
【0054】
以上の実施例から明らかなように、本発明により、放電特性が最良であるMgO膜の成膜、放電特性は最良ではないが蒸着効率を高めた成膜などを要求されるパネルの放電特性に合わせて、蒸着装置を停止することなく、自由に選択蒸着することが可能となる。なお、保護膜の材料としてMgOの例を示したが、酸化カルシウム(CaO)や酸化ストロンチウム(SrO)などのMgO以外の材料を用いることもできる。
【0055】
また、保護膜をスパッタリングまたはCVDなどによって形成してもよい。
【0056】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、プラズマディスプレイ装置の製造方法において、前記保護膜を真空蒸着法により形成する際に、前記基板に対して直角となる構成粒子の入射角度が0度を基準線としたとき、保護膜の構成粒子の入射角度を5〜50度に制限する入射角制御板を前記基板とターゲットとの間に配置するとともに、前記基板を搬送しながら前記誘電体層上に保護膜を形成するように構成し、かつ前記基準線と一方の入射角制御板との間の入射角度と、前記基準線と他方の入射角制御板との間の入射角度、前記保護膜の結晶カラムの断面形状が膜厚方向に対して角度をもった傾いた形状となるように異ならせ、前記入射角度は前記基準線と前記基板の搬送方向とを含む平面内における角度であることにより、高速な書き込み動作が可能で放電開始電圧の低いパネルを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマディスプレイ装置において、ターゲットからの構成粒子の入射角度に対する放電遅れと放電開始電圧の関係を示す関係図
【図2】本発明の第1の実施例による製造方法を実施している状態を示す説明図
【図3】本発明の第1の実施例において、保護膜の断面形状を示す説明図
【図4】本発明の第2の実施例による製造方法を実施している状態を示す説明図
【図5】本発明の第2の実施例において、保護膜の断面形状を示す説明図
【図6】本発明の第3の実施例による製造方法を実施している状態を示す説明図
【図7】一般的なプラズマディスプレイ装置を一部を切り欠いて示す斜視図
【図8】同プラズマディスプレイ装置における動作を説明するための駆動波形図
【図9】(a)、(b)は従来の保護膜の形成方法を示す説明図
【図10】従来の保護膜の断面形状を示す説明図
【符号の説明】
1、6 基板
2 走査電極
3 維持電極
4 誘電体層
5 保護膜
7 データ電極
8 隔壁
9 蛍光体層
10 放電セル
12 ガラス基板
21 ターゲット
22a、22b 入射角制御板
23 MgO膜

Claims (1)

  1. 少なくとも前面側が透明な一対の前面側の基板と背面側の基板を間に放電空間が形成されるように対向配置することにより構成され、前記背面側の基板には、前記放電空間を複数に仕切るための隔壁を配置するとともに放電により発光する蛍光体層を設け、前記前面側の基板には、前記隔壁により仕切られた放電空間で放電が発生するように複数の走査電極および維持電極とその表面を覆う誘電体層とを形成するとともに、前記誘電体層の上に保護膜を形成したプラズマディスプレイ装置の製造方法において、前記保護膜を真空蒸着法により形成する際に、前記基板に対して直角となる構成粒子の入射角度が0度を基準線としたとき、保護膜の構成粒子の入射角度を5〜50度に制限する入射角制御板を前記基板とターゲットとの間に配置するとともに、前記基板を搬送しながら前記誘電体層上に保護膜を形成するように構成し、かつ前記基準線と一方の入射角制御板との間の入射角度と、前記基準線と他方の入射角制御板との間の入射角度、前記保護膜の結晶カラムの断面形状が膜厚方向に対して角度をもった傾いた形状となるように異ならせ、前記入射角度は前記基準線と前記基板の搬送方向とを含む平面内における角度であることを特徴とするプラズマディスプレイ装置の製造方法。
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