以下、図面を参照して、いわゆる山登りAF機能を有するカメラを例に、本発明の実施形態に係る合焦状態表示装置を説明する。
[第1実施形態]
まず、図1に示すブロック図を参照して、本実施形態に係る合焦状態表示装置の主要な構成を説明する。なお、動作制御の詳細は、他の図面を参照して後述する。
参照符号2が付されているのは、本実施形態に係る合焦状態表示装置が搭載されたカメラの撮影レンズを介して被写体像を結像し、且つ該結像した被写体像を光電変換により映像信号に変換する撮像部である。そして、この撮像部2は、上記映像信号を後述する合焦評価値演算部4へ出力する。
上記合焦評価値演算部4は、上記撮像部2から出力される上記映像信号に基づいて、現在時点における上記被写体像の合焦度合いを評価する合焦評価値を算出する。また、ピーク検出部6は、上記合焦評価値演算部4から出力される上記合焦評価値を参照して、上記合焦評価値がその変化過程においてピーク値を通過したことを検出する部材である。すなわち、上記ピーク検出部6は、当該カメラのユーザーにより行われる撮影レンズの駆動(合焦操作)に起因する上記合焦評価値の変化過程において、上記合焦評価値がピーク値を通過したことを検出する。
ここで、合焦メーター作成部8が、上記合焦評価値演算部4から出力される上記合焦評価値に基づいて、上記合焦評価値を視覚的に表現する合焦メーター画像を作成する。なお、上記合焦メーター画像とは、上記AF合焦評価値を図形形状にて表現したものであり、詳細は具体例を挙げて後述する。また、上記合焦メーター作成部8は、上記ピーク検出部6から出力される上記合焦評価値がピーク値を通過した旨の信号に従って、上記合焦メーター画像の表示スケールを変更する。なお、該表示スケールについては後に詳述する。
そして、表示部10が、上記撮像部2から出力される上記映像信号と、上記合焦メーター作成部8から出力される上記合焦メーター画像とを合成して、該合成により作成した画像を例えばLCD等からなるモニタ12に出力する。すなわち、該モニタ12は、上記表示部10により生成された画像を表示する為の部材である。
図2は、本実施形態に係る合焦状態表示装置を搭載されたカメラの構成を詳細に示したブロック図である。以下、同図を参照して、通常のカメラで行われるAFを例に、当該カメラの構成部材を詳細に説明する。
なお、図1のブロック図に示す合焦状態表示装置の構成部材と、図2のブロック図に示すカメラの構成部材との対応は以下の通りである。すなわち、上記撮像部2による機能は、例えば図2に示す撮影光学系102、絞り104、シャッター部208、撮像素子212、及び撮像インターフェイス回路217により担われる。また、上記合焦評価値演算部4による機能、上記ピーク検出部6による機能、上記合焦メーター作成部8による機能、及び上記表示部10による機能は、例えば図2に示す画像処理コントローラ218及びバッファメモリ219により担われる。そして、上記モニタ12による機能は、例えば図2に示す液晶モニタ222により担われる。
なお、上記撮像部2による機能、上記合焦評価値演算部4による機能、上記ピーク検出部6による機能、上記合焦メーター作成部8による機能、及び上記表示部10による機能は、後述するボディ制御用マイクロコンピュータ(以下、Bucomと称する)201により、それぞれにおける処理を順次実行するよう画像処理コントローラ218及びバッファメモリ219に指示が出される。
まず、図2に示すように、本実施形態に係る合焦状態表示装置を搭載されたカメラは、レンズ鏡筒100とカメラ本体200とから構成されている。
ここで、上記レンズ鏡筒100の各部の制御はレンズ制御用マイクロコンピュータ(以下、Lucomと称する)101によって行われる。一方、上記カメラ本体200の各部の制御はBucom201によって行われる。ここで、上記カメラ本体200にレンズ鏡筒100が装着された際には、通信コネクタ101aを介してLucom101とBucom201とが通信可能に接続される。この場合、カメラシステムとして、Lucom101がBucom201に従属するようにして稼動するようになっている。
上記レンズ鏡筒100の内部には、撮影光学系102が配設されている。ここで、図2においては、該撮影光学系102を構成する複数の光学レンズ(撮影レンズ)を1つの光学レンズで代表して図示している。この撮影光学系102は、レンズ駆動機構103内に存在する図示しないDCモータにより、その光軸方向に移動される。
また、上記撮影光学系102の後方には絞り104が設けられている。この絞り104は、絞り駆動機構105内に存在する図示しないステッピングモータによって開閉駆動される。上記絞り104の開閉が制御されることによって、上記撮影光学系102を介してカメラ本体200に入射する被写体からの光束の光量が制御される。
ここで、上記レンズ駆動機構103内のDCモータの制御及び上記絞り駆動機構105内のステッピングモータの制御は、Bucom201の指令を受けたLucom101によって行われる。また、上記レンズ鏡筒100の外周に設けられた回転可能な部材であるピントリング106がユーザーにより回転させられると、該回転に同期して上記レンズ駆動機構103により上記撮影光学系102が駆動される。すなわち、上記ピントリング106は、ユーザーによるマニュアルフォーカスの為の部材である。
また、カメラ本体200の内部には、メインミラー202a、ペンタプリズム202c、接眼レンズ202dから構成されるファインダー装置が設けられている。カメラが通常状態にある場合には、上記撮影光学系102を介して入射した被写体からの光束の一部がメインミラー202aで反射される。これによって、ペンタプリズム202c、及び接眼レンズ202dを介して観察用の像が形成される。
ここで、上記ペンタプリズム202cの近傍には測光回路204が設けられており、ペンタプリズム202cを通過した光束の一部が、上記測光回路204内の図示しないホトセンサに入射するようになっている。上記測光回路204では、ホトセンサで検出された光束の光量に基づき周知の測光処理が行われる。そして、上記測光回路204で処理された結果は、Bucom201に送信される。
Bucom201では、上記測光回路204から入力された結果に基づいて撮影時の露光量が演算される。この結果は、Bucom201からLucom101に送信される。Lucom101では、Bucom201から通知された露光量に基づいて上記絞り104の駆動制御が行われる。
なお、上記メインミラー202aを透過して上記サブミラー203で反射された光束は、自動焦点調節処理(AF処理)を行うためのAFセンサユニット205に導かれる。該AFセンサユニット205の内部には、エリアセンサ(不図示)が設けられており、このエリアセンサに入射した光束は、電気信号に変換される。
このエリアセンサからの出力は、AFセンサ駆動回路206を介してBucom201へ送信される。そして、Bucom201において測距処理が行われ、焦点調節に必要な撮影光学系102の焦点状態(デフォーカス量)が演算される。そしてこの演算結果は、Bucom201からLucom101に送信される。Lucom101では、Bucom201から通知された移動量に基づいて撮影光学系102の駆動制御が行われる。
ところで、当該カメラが撮影動作状態にあるときには、上記メインミラー202aが、撮影光学系102の光軸から退避する所定のアップ位置に移動される。このようなメインミラー202aの駆動は、ミラー駆動機構207によって行われる。また、ミラー駆動機構207の制御は、Bucom201によって行われる。ここで、メインミラー202aがアップ位置に移動された場合には、それに伴ってサブミラー203が折り畳まれるようになっている。
このように上記メインミラー202aがアップ位置に移動されることによって、上記撮影光学系102を透過した被写体からの光束は、シャッター部208の方向に入射する。上記シャッター部208を通過した光束は、その後上記シャッター部208の後方に配置された撮像素子212に入射する。なお、上記シャッター部208は先幕と後幕とから構成されるフォーカルプレーン式のシャッターである。ここで、上記先幕及び後幕を駆動するためのばね力は、シャッターチャージ機構209によってチャージされる。また、上記先幕及び後幕の駆動は、シャッター制御回路210によって行われる。なお、上記シャッターチャージ機構209及び上記シャッター制御回路210は、Bucom201によって制御される。
そして、上記撮像素子212で結像した被写体像の光束は、電気信号(映像信号)に変換される。そして、該電気信号は、所定タイミング毎に撮像インターフェイス回路217を介して読み出されてデジタル化される。そして、該撮像インターフェイス回路217でデジタル化されて得られた画像データは、画像処理コントローラ218を介してSDRAMなどで構成されたバッファメモリ219に格納される。ここで、該バッファメモリ219は、画像データなどのデータの一時保管用メモリであり、画像データに各種処理が施される際のワークエリアなどに利用される。また、上記バッファメモリ219は、図1における上記合焦評価値演算部4、上記ピーク検出部6、上記合焦メーター作成部8、及び表示部10により実行される処理に関するデータを一時的に記憶する為のメモリである。
その後、撮像インターフェイス回路217を介して読み出されバッファメモリ219に格納された上記画像データが、画像処理コントローラ218によって読み出される。該画像処理コントローラ218によって読み出された画像データは、ホワイトバランス補正や、階調補正、色補正などの周知の画像処理が施された後、上記バッファメモリ219に格納される。そして、画像記録時には、上記画像処理コントローラ218によって処理された画像データが、JPEG方式などの周知の圧縮方式によって圧縮される。このJPEG圧縮によって得られたJPEGデータは、上記バッファメモリ219に格納された後、所定のヘッダ情報が付加されたJPEGファイルとしてFlashRom220や記録メディア221に記録される。
ここで、上記FlashRom220はカメラに内蔵のメモリを想定しており、上記記録メディア221はカメラの外部に装着され得るものを想定している。また、上記記録メディア221としては、例えばカメラに着脱自在に構成されたメモリカードやハードディスクドライブなどが用いられる。
また、上記FlashRom220や上記記録メディア221に記録されたJPEGファイルから画像を再生する際には、上記FlashRom220や上記記録メディア221に記録されたJPEGデータが、上記画像処理コントローラ218によって読み出されて伸長される。その後、この伸長データがビデオ信号に変換された後、表示用の所定のサイズにリサイズされ、上記液晶モニタ222に出力表示される。
また、Bucom201には、カメラ制御に必要な所定の制御パラメータを記憶する不揮発性メモリ223がアクセス可能に接続されている。この不揮発性メモリ223は、例えば書き換え可能なEEPROMで構成されている。さらに、Bucom201には、電源回路224を介して電源としての電池225が接続されている。該電池225の電圧は、上記電源回路224により、当該カメラシステムの各部が必要とする電圧に変換され、当該カメラシステムの各部に供給される。
そして、Bucom201には、当該カメラの動作状態を表示出力によってユーザーに告知するための動作表示用LCD226と、当該カメラの各種操作部材の操作状態を検出するためのカメラ操作SW(カメラ操作スイッチ)227とが接続されている。
ところで、当該カメラにおいて電子ビューファインダー(EVF)表示が行われる場合には、上記撮像インターフェイス回路217を介して読み出され、上記バッファメモリ219に格納された画像データが、上記画像処理コントローラ218によって読み出される。該画像処理コントローラ218によって読み出された画像データは、EVF表示用のホワイトバランス補正などの画像処理が施された後、上記バッファメモリ219に上記読み出した画像データとは別に格納される。その後、上記バッファメモリ219に格納された画像データは、フレーム単位で画像処理コントローラ218によって読み出されてビデオ信号に変換される。このビデオ信号は、表示用の所定のサイズにリサイズされた後、表示手段としての液晶モニタ222に出力表示される。ユーザーは、この液晶モニタ222に表示される画像により、撮影画像を確認することができる。
上述のようなEVF表示の動作制御を行えば、一般にスルー画像と称される表示を行うことができる。なお、スルー画像の表示を行うには、通常以下のような動作制御を行う。すなわち、まず上記メインミラー202aをアップ位置まで移動し、シャッター部208を開口する。これにより上記撮影光束は、直接に上記撮像素子212に入射する。その後、所定のフレームレート(1秒間の撮影画像数)での撮影で撮像素子212が撮像して取得した画像データを、上記画像処理コントローラ218によって読み出し液晶モニタ222に表示する。ユーザーは、この液晶モニタ222におけるスルー画像表示を観察することで、接眼レンズを覗かなくても被写体像を観察できる。
以下、本実施形態に係る合焦状態表示装置を搭載したカメラの背面図を示す図3を参照して、当該カメラにおけるユーザーが用いる各種操作部材について説明する。
同図に示すように当該カメラ1の背面には、メインダイヤル316と、AFフレームボタン317と、AEロックボタン318と、再生モードボタン319と、消去ボタン320と、プロテクトボタン321と、情報表示ボタン322と、メニューボタン323と、十字ボタン324と、OKボタン325と、ライブボタン326とが設けられている。そして、当該カメラ1の上面にはモードダイヤル303が設けられている。以下、それぞれの部材について順次説明していく。
まず、上記メインダイヤル316は、回転操作されることにより、現在ユーザーによって押されている操作部材に係る機能の設定変更を行う為の部材である。
上記モードダイヤル303は、各種撮影モードを設定する為の部材である。ここで該各種撮影モードの一例としてシーンモード(SCN)を挙げて、上記モードダイヤル303を説明する。すなわち、上記モードダイヤル303がSCNに設定されている状態で、上記メインダイヤル316がユーザーにより回転操作されることで、液晶モニタ222には所望のシーンに応じた撮影条件の設定に関するメニュー画面が表示される。ここで、上記所望のシーンとしては、例えばポートレート、スポーツ、記念撮影、風景、夜景のシーン等がある。そして、これらのうちユーザーにより選択されたシーンに応じて、露光、フラッシュ発光、測光モード、AF方式、連写間隔等の撮影時における各種撮影条件が設定される。
上記AFフレームボタン317は、撮影時のAF方式を選択するためのボタンである。このAFフレームボタン317が押されている状態で、メインダイヤル316のダイヤル操作がなされることにより、AF方式が、例えばマルチAF又はスポットAFに変更される。
なお、上記マルチAFでは、画面内の複数測距点の焦点状態が検出される。一方、スポットAFでは、画面内の一点(複数候補の中から選択できる)の焦点状態が検出される。
上記AEロックボタン318は、露光条件を固定するためのボタンである。このAEロックボタン318が押されている間は、そのとき演算されている露光量が固定される。
上記再生モードボタン319は、カメラ1の動作モードを、FlashRom220や記録メディア221に記録されたJPEGファイルから画像を液晶モニタ222に再生表示できる再生モードに切り替えるためのボタンである。
上記消去ボタン320は、再生モード中において画像データ(JPEGファイル)をFlashRom220や記録メディア221から消去するためのボタンである。
上記プロテクトボタン321は、再生モード中において、誤って画像データが消去されないように、画像データにプロテクトをかけるためのボタンである。
上記情報表示ボタン322は、画像データの付加情報(例えば、Exif情報)に基づく画像情報を液晶モニタ222に表示させるためのボタンである。
上記メニューボタン323は、液晶モニタ222にメニュー画面を表示させるためのボタンである。このメニュー画面は、複数の階層構造からなるメニュー項目によって構成されている。ユーザーは、所望のメニュー項目を十字ボタン324で選択することができ、OKボタン325で選択した項目を決定することができる。ここで、メニュー項目としては、例えばFlashRom220や記録メディア221のセットアップ、画像データの画質、画像処理、シーンモードなどの設定を行うことができる撮影メニュー、画像再生時の再生条件及び画像プリント時の設定などを行うことができる再生メニュー、撮影者の好みに応じた種々の細かい設定を行うことができるカスタムメニュー、及び警告音の種類などのカメラの動作状態を設定するセットアップメニュー等がある。
上記ライブボタン326は、上述したスルー画像の表示を行うモードを選択する為のボタンである。以降、スルー画像の表示を行うモードを、ライブビューモードと称する。上記ライブボタン326がユーザーにより押されると、液晶モニタ222におけるスルー画像の表示が開始される(上記ライブビューモードに入る)。その後、再度ライブボタン326が押されると、ライブビューモードから抜け出る。なお、上記ライブビューモード中においては、上記メインミラー202aが上記のアップ位置にある為、AFセンサユニット205には光束が入射しない。すなわち、この場合には、AF動作は不可能となる。したがって、ライブビューモードに入ると、上記Bucom201によりAF動作状態からMF動作状態に切り替えられる。
なお、ユーザーにより上記の各操作部材の操作で設定された内容は、上記バッファメモリ219又はBucom201内の不図示のメモリ等に保存される。
以下、図4(a)乃至(c)を参照して、本実施形態に係る合焦状態表示装置による実際の合焦状態表示場面を説明する。
まず、上述したように、ユーザーにより上記ライブボタン326が押されると、当該カメラはライブビューモードに入る。このとき、上記液晶モニタ222においては、被写体のスルー画像の表示が開始される。
また、当該カメラがライブビューモードに入ると図4(a)に示すように、上記液晶モニタ222の表示画面内に拡大領域を指定する上記拡大ボックス230が表示される(図4(a)においては被写体の描写は省略している)。
ここで、図4(a)及び(b)に示す拡大ボックス230は、図4(a)に示すように、上記液晶モニタ222上のユーザー所望の領域へ移動可能な表示である。したがって、ユーザーは、拡大表示させたい部分の画像を含む所望の領域に、上記拡大ボックス230を重ね合わせて選択する。なお、上記拡大ボックス230の移動は、ユーザーによる上記十字ボタン324の操作により行われる。すなわち、ユーザーによる上記十字ボタン324の操作で、上記拡大ボックス230は、上記液晶モニタ222の表示画面内のユーザー所望の位置に移動させられる。その後、ユーザーによる上記OKボタン325の操作により、上記拡大ボックス230が重ね合わされた領域の拡大表示が上記液晶モニタ222上に為される(図4(c)参照)。
このように、上記ライブビューモードにおいては、ユーザーは任意の領域を拡大表示させることができる。なお、このような任意の領域の拡大表示の目的は、MF時のユーザーによるピントを合わせを容易にする為である。以下、時系列に沿って説明する。
ここで、図4(b)及び(c)に示すように、例えば被写体231における頭部を含む領域を拡大表示させる場合には、ユーザーによる上記十字ボタン324の操作により被写体231における頭部を含む領域に上記拡大ボックス230が合わせられ、その後上記OKボタン325が押されることで、図4(c)に示すように、被写体231における頭部の領域が液晶モニタ222上に拡大表示される(拡大モードに移行する)。以降、図4(c)に示すように拡大表示を行うモードを拡大モードと称する。このようにして、ユーザーにより位置を設定された上記拡大ボックス230の領域内の画像(図4(b)参照)は、図4(c)に示すように上記液晶モニタ222の表示画面全域を使用した拡大表示が為される。
ここで、上記拡大モードにおいては、上記拡大ボックス230内の領域の画像(本例では被写体231の頭部の画像)が液晶モニタ222上に拡大表示される。そして、該液晶モニタ222における中心から上下左右方向に表示画面全体の50%の領域は合焦評価値演算領域232とされる。すなわち、合焦評価値演算領域232における合焦評価値が、所定のフレームレートおきに演算される。
そして、上記合焦評価値演算領域232において演算された合焦評価値は、例えば図4(c)に示すように液晶モニタ222上の表示画面右側における合焦メーター240内に、表示バー241として表示される。ここで、上記表示バー241の長さが長いほど合焦評価値が高く(合焦度合いが高い)、上記表示バー241の長さが短いほど合焦評価値が低い(合焦度合いが低い)。なお、ここでは拡大モード時のみ合焦評価値の表示バー241を表示するようにしているが、図4(b)に示す非拡大モード時においても同様に、上記合焦メーター240及び上記表示バー241を表示させるようにしても勿論よい。
なお、上記合焦評価値を上記合焦メーター240内の上記表示バー241として表現する為の演算については後述する。
以下、上記ライブビューモードでの撮影動作におけるBucom201での動作制御の処理の流れを、図5(a)に示すフローチャートを参照して説明する。なお、当該カメラの構成部材の詳細な動作制御は図2を参照して上述した通りであるので、ここでは上記処理の流れを中心に説明する。
また、当該カメラにおけるレリーズスイッチ(不図示)は一般的な2段階スイッチである。すなわち、ユーザーにより半押しされることで第1レリーズスイッチがオンとなり、全押しされることで第2レリーズスイッチがオンとなる。なお、撮影動作は、上記第2レリーズスイッチがオンになった時に実行される。
まず、上述したライブビューモードへの移行操作が行われると(ユーザーにより上記ライブボタン326が押されると)、当該カメラはライブビューモードに入る。このとき、図4(a)乃至(c)を参照して前述した一連の処理がユーザー操作によって行われる。これは、本発明の要旨ではないので、その詳細は省略する。このようなライブビューモードの前段階の処理が行われた後、図5(a)に示すフローチャートの処理に移行する。
まず、本実施形態に係る合焦状態表示装置におけるライブビューモードの動作を行い、上記液晶モニタ222に、被写体のスルー画像の表示が開始される。(ステップS1)。ここで、このステップS1に関しては、後に別のフローチャートを参照して詳述する。このステップS1におけるライブビューモード動作中に、不図示のレリーズボタンがユーザーにより全押しされると、上記第2レリーズスイッチがオンされる。これにより、上記ステップS1におけるライブビューモード動作の処理を終了する。そして、上記メインミラー202aを、上記アップ位置から、図2に示す上記メインミラー202aの位置であるダウン位置(初期位置)まで、上記ミラー駆動機構207を介して駆動する(ステップS2)。このステップS2は、測光動作を実行する為のステップである。
次に、上記測光回路204で測光を行い、上記シャッター部208の開口時間及び上記絞り104の絞り値を演算する(ステップS3)。そして、上記メインミラー202aを、ミラー駆動機構207で、上記アップ位置まで駆動する(ステップS4)。さらに、上記ステップS3にて算出した絞り値に基づいて、上記絞り104を駆動する(ステップS5)。
その後、上記撮像素子212の駆動を開始し、撮像動作を開始させる(ステップS6)。また、上記シャッター部208を、上記ステップS3で算出した開口時間に基づいて開口させ、再び閉口させる(ステップS7)。上記シャッター部208を閉口した後、上記撮像素子212の駆動を停止し、上記撮像インターフェイス回路217で、上記撮像素子212における画素データの読み出しを行う(ステップS8)。ここで、上記画像処理コントローラ218で、上記ステップS8にて上記撮像素子212から読み出した画素データを、画像処理する(ステップS9)。
そして、上記ステップS9で画像処理された画像データを、上記バッファメモリ219に一時的に格納する(ステップS10)。さらに、上記絞り104を開放位置まで戻す(ステップS11)。その後、当該画像データの画像ファイルを生成する(ステップS12)。このステップS12においては、上記ステップS10で上記バッファメモリ219に一時的に格納した画像データを上記記録メディア221へ書き込む形態として、当該画像データの画像ファイルを生成する。そして、上記ステップS12で生成した画像データの画像ファイルを記録メディア221へ記録する(ステップS13)。その後上記ステップS1に戻ってライブビューを再開する。
以下、ライブビューモードの動作を終了する場合のBucom201での処理の流れを示すフローチャートである図5(b)を参照して、ライブビューモードの終了動作を説明する。なお、上記ステップS1におけるライブビューモード動作中に、ユーザーにより上記ライブボタン326が押されることで、図5(b)に示すフローチャートの処理に移行する。
まず、上記液晶モニタ222におけるライブビュー表示を終了する(ステップS21)。つづいて、ライブビューモード中に設定されているMF動作状態を解除し、ライブビューモード以前に設定されていたAF動作状態に設定し直す(ステップS22)。
そして、開口している上記シャッター部208を閉口する(ステップS23)。さらに、この上記シャッター部208の閉口に伴って、上記撮像素子212の駆動を停止させる(ステップS24)。つづいて、上記メインミラー202aを、初期位置である上記ダウン位置まで駆動する(ステップS25)。その後、待機状態となる。
以下、図6を参照して、本実施形態に係る合焦状態表示装置の特徴部の一つである、マニュアルフォーカスの為の指標の表示例を説明する。ここで、図6(a)は、本実施形態における合焦評価値と撮影光学系102のレンズ位置との関係を示す図である。図6(b)は、図6(a)に示す各レンズ位置における合焦評価値の表示の一例を示す図である。図6(c)は、図6(a)に示す移動(3)の過程における合焦評価値の表示の一例を示す図である。
なお、図6(a)に示すように、上記拡大モードに切り替わった時点における合焦評価値を、基準となる合焦評価値であるAFrefと設定する。そして、この時の撮影光学系102のレンズ位置をレンズ位置L2とし、この例の状態としてはレンズ位置L2での合焦評価値AFrefは、かなり低い状態(かなりピンぼけした状態)にあるものとする。なお、拡大モードに切り替わった時から所定のフレームレートで、Bucom201により合焦評価値演算が繰り返し行われる。
まず、ユーザーにとっては、上記ピントリング106の回転操作により、上記撮影光学系102のレンズ位置を上記レンズ位置L2から移動させる際に、ユーザーにとっては、最初どちらの回転方向に上記ピントリング106を回せば合焦状態に近付くのかが不明である。
したがって、ユーザーは、一旦何れか所望の方向に、上記ピントリング106を回転させて、上記撮影光学系102の位置を移動させることになる。例えば、ここで上記撮影光学系102の位置が、図6(a)に示すレンズ位置L1の位置となってしまった場合には、同図に示すように合焦評価値はより低くなり、ピンボケがひどくなる(移動(1))。このような場合には、ユーザーは、それまでとは逆方向に上記ピントリング106を回転させればよい。
そこで、ユーザーは、それまでとは逆方向に、上記ピントリング106を回転させると、上記撮影光学系102の位置はレンズ位置L1からレンズ位置L2を通過してレンズ位置L5の位置となり、該レンズ位置L5において合焦評価値はピーク値(最も合焦した状態)となる。
しかしながら、上記撮影光学系102の位置が上記レンズ位置L5となり、合焦評価値がピーク値となった場合でも、その時点ではその値がピーク値であるか否かは、ユーザーにとっては不明である。したがって、上記撮影光学系102の位置が上記レンズ位置L5となった後も、ユーザーは上記ピントリング106の回転操作を続行するものと考えられる(移動(2))。
そして、例えば上記撮影光学系102の位置がレンズ位置L6となると、上記レンズ位置L5の時点に比べて表示画像のピントがややぼける。そこで、ユーザーは、合焦位置を通過したことを認識し、上記ピントリング106を逆回転させて(移動(3))上記レンズ位置L5の位置まで戻す操作を行う。
ところで本例においては、図6(a)乃至(c)から分かるように上記レンズ位置L2における合焦評価値を基準となる合焦評価値AFrefとした。上述したように、本実施形態においては、拡大モードに切り替わった時点での合焦評価値を合焦評価値の基準値とする為である。
そして、上記撮影光学系102が、上記レンズ位置L2の位置から上記レンズ位置L1の位置へ移動(移動(1))する過程においては、合焦評価値が減少していく。
このとき、上記Bucom201は、例えば次の(1)式の演算を行って上記合焦メーター240内の表示バー241として表示する値(AFlevel)を算出する。
AFnow<AFrefのとき:
表示値AFlevel=10×(AFnow/AFref)}−5 …(1)
なお、上記AFnowは、当該演算時における最新の合焦評価値を示す。また、上記(1)式における演算にて、AFlevel<0である場合は、AFlevel=0とする。なお、図6(b)から分かるように、上記撮影光学系102のレンズ位置が、レンズ位置L2からレンズ位置L1の位置に近付くにつれて、AFlevelの値はより小さくなっていく。
ここで、上記(1)式から分かるように、AFnow<AFrefの場合には、上記合焦メーター240内に上記表示バー241として表示する値の算出において、AFnowとAFrefとの比を10倍して算出する。したがって、もしユーザーが、合焦状態へ近付く方向と反対の方向へ、ピントリング106を回転させた場合には、図6(b)に示すように上記表示バー241の表示が急激に短くなっていく為、当該回転操作が合焦に向かう操作でないことをユーザーにはっきり且つ容易に認識させることができる。
一方、上記撮影光学系102のレンズ位置が、上記レンズ位置L2の位置からレンズ位置L6の位置への移動(移動(2))の過程においては、その間合焦評価値が増加していく。このとき、上記Bucom201は、例えば次の(2)式の演算を行って上記合焦メーター241内の上記表示バー241として表示する値を算出する。
AFnow≧AFrefのとき:
表示値AFlevel=log2(AFnow/AFref)+5 …(2)
上記(2)式から分かるように、上記撮影光学系102のレンズ位置がレンズ位置L2の位置にある場合にはAFlevel=5であるので、上記表示バー241は合焦メーター240における中央部(AFlevelが5を示すライン)と並ぶ表示となる。その後、レンズ位置L2からの移動に伴ってAFlevelの値は大きくなり、最も合焦度合いの高くなるレンズ位置であるレンズ位置L5の位置を過ぎると、逆にAFlevelの値は減少していく。
ここで、本実施形態の特徴の一つであるAFnowをAFrefで規格化して表示する理由を説明する。
先に説明したように、合焦評価値の絶対値は、その性格上、被写体のコントラスト、輝度、または手ぶれ等により大きく変化する。したがって、合焦評価値をリニアスケールで表示する方式を採ると、上記表示バー241が、被写体や撮影条件等の変化により大きく振れたり小さく振れたりすることになる。これでは、合焦評価値のピーク値を検出することは出来るものの、合焦評価値について知識の乏しい一般ユーザーにとっては、使い勝手が悪い。言い換えれば、上記合焦メーター240がマニュアルフォーカスを容易にする為に充分な役割を果たしているとは言い難い。
そこで、本実施形態においては、合焦評価値の表示については、所定の値で規格化した値に変換して表示することとした。そして、規格化のベースとしては、著しくピンボケするレンズ位置での評価値AFrefが適当であると考えた。これは、合焦評価値のピーク値(上記レンズ位置L5における合焦評価値)をAFpeakとして、AFpeak−AFrefの値のレンジを大きくすることができるからである。したがって、合焦評価値の絶対値が被写体や撮影条件によって大きくばらついてしまっても、本実施形態におけるようにAFrefを基準として規格化することにより、AFpeak−AFref間のレンジを十分に大きく且つ所定範囲に収めることができる。すなわち、上記合焦メーター240の表示レンジ(ここでは、5〜10)を最適化することができる。
次に、上記(2)式において対数圧縮による圧縮演算を行う理由を説明する。
まず、合焦評価値の絶対値は、その演算方法によっても異なるが、AFpeakとAFrefとの比は数十倍となる。したがって、リニアスケールで合焦評価値を表示したのでは、合焦メーター240の表示レンジを、適切に設定することができない。このような事実に鑑みて、本実施形態においては上記(2)式に示すように対数圧縮を行うこととした。これにより、AFlevelを5乃至10で表示できるので、AFpeakとAFrefとが25=32倍となる範囲まで対応可能となる。
なお、合焦評価値の演算方法によって、AFpeakとAFrefの比がもっと小さい場合には対数圧縮しなくてもよいし、圧縮方法も対数でなくても勿論よい。
図6(c)は、図6(a)に示す移動(2)、すなわちユーザーによる上記ピントリング106の回転操作により上記撮影光学系102のレンズ位置がレンズ位置L6の位置まで移動された場合において、ユーザーによる表示バー241の視認によって合焦評価値のピーク値を通過したことが認識された後に、ユーザーによりピントリング106がそれまでとは逆回転の回転操作が為され、レンズ位置がレンズ位置L5の位置(最も合焦度合いが高くなる位置)まで戻される過程の表示バー241の表示を示している。なお、図6(c)では、この際にレンズ位置L5を再度通過してしまう過程も示している(移動(3))。この場合に、再びレンズ位置L5まで戻そうと操作される場合は、図6(c)に示す例の逆を辿ることとなる(図6(a)に示す移動(3))。
以下、図7に示すフローチャートを参照して、ライブビューモードにおいて図6に示す合焦評価値を実際に表示する為の上記Bucom201での動作制御を説明する。なお、図7に示すフローチャートは、図5に示すフローチャートにおけるステップS1の処理を詳細に示すフローチャートでもある。また、同フローチャート中において同じ処理を行うステップは、同じステップ番号を付して説明も省略する。
なお、ライブビューモードにおいてはAFモードは使用不能である。したがって、もしAFモードに切り替える為のAFモード選択スイッチ(不図示)によってAFモードが選択されている場合でも、まず強制的にMFモードに切り替える(ステップS31)。すなわち、このステップS31における処理で、ライブビューモードを実行する為にMFモードに切り替える。
続いて、上記メインミラー202aを上記アップ位置まで移動し、シャッター部208を開口する(ステップS32)。これにより、該開口を通して、撮像素子212に全光束が入射するようになる。その後、同期信号の入力を待つ(ステップS33)。ここで該同期信号とは、上記撮像素子212を所定間隔おきに駆動して映像信号を得るための信号である。例えばフレームレートが30フレーム/sである場合には、1秒間に30回映像信号を得る。すなわち、この場合33.33ms毎に同期信号が撮像インターフェイス回路217より入力されることとなる。
その後、上記同期信号の入力があったと判断した場合には、上記撮像インターフェイス回路217によって上記撮像素子212の電荷蓄積動作を行う(ステップS34)。そして、上記撮像素子212の電荷蓄積動作を終了すると、上記撮像インターフェイス回路217によって画像データの読み出しを行う(ステップS35)。その後、今回の撮像データに公知の演算を施して露出を評価するAE評価値を演算し、該演算結果に基づいて次回の撮像素子212駆動時の露光量を演算する(ステップS36)。ここで、上記撮像素子212は公知の電子シャッター機能を搭載しており、上記ステップS36において演算され算出された露光量に従って電荷蓄積時間を設定する。
続いて、設定エリア(ここでは該設定エリアとは図4(c)に示す上記合焦評価値演算領域232のこと;以下同様)内の合焦評価値を演算し、その後の基準となる合焦評価値であるAFrefとする(ステップS37)。なお、合焦評価値とは、撮像素子212の出力にハイパスフィルタ処理を施して高周波成分を抽出し、更に公知の演算を行うことによって得られる値であり、従来よりさまざまな演算式が知られている。また、この合焦評価値は、ピントが合うほど高周波成分が多くなるので大きな値になる。
ところで、上記ステップS37における処理が終了した後は、次の上記同期信号が入力されるのを待つ(ステップS33A)。ここで、上記同期信号を検出すると、上述したステップS34乃至上記ステップS36における処理と同様の処理であるステップS34A乃至ステップS36Aを実行する。
そして、上記ステップS36Aにおける処理を終えると、上記設定エリア内の合焦評価値を演算し、得られた値を合焦評価値AFnowとする(ステップS38)。続いて、AFrefの値とAFnowの値との大小を判断する(ステップS39)。すなわち、このステップS39では、AFnow<AFrefであるか否かを判断する。
上記ステップS39をYESに分岐する場合は、上述した(1)式に従って表示バー241として表示するAFlevelの値として、AFnow/AFrefを非圧縮演算する(ステップS40)。そして、次の上記同期信号を待つ。
一方、上記ステップS39をNOに分岐する場合は、AFnow≧AFrefであるので、上述した(2)式に従って上記表示バー241として表示するAFlevelの値としてAFnow/AFrefを圧縮演算する(ステップS41)。そして、次の上記同期信号を待つ。
以下、割り込み処理のステップについて説明する。
まず、上記ステップS33乃至上記ステップS41における処理の最中に、所定のフレームレートによるライブビュー表示の更新動作を実行している間に、ユーザーにより上記第2レリーズスイッチがオンされると、Bucom201の割り込み処理にて当該フローチャートにおけるシーケンスを抜けて、図5(a)を参照して説明した上記ステップS2の処理に移行し、撮影動作を行う(ステップS42)。
また、上記ステップS33乃至上記ステップS41における処理の最中に、所定のフレームレートによるライブビュー表示の更新動作を実行している間に、ユーザーにより上記ライブボタン326が押されると、Bucom201の割り込み処理にて当該フローチャートにおけるシーケンスを抜けて、図5(b)を参照して説明した上記ステップS21の処理に移行し、ライブビューモードの終了動作を行う(ステップS43)。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下のような効果を奏する合焦状態表示装置を提供することができる。
まず、本実施形態に係る合焦状態表示装置によれば、大きくピントが外れた状態における撮影光学系102のレンズ位置(初期値)における合焦評価値を基準値であるAFrefと設定する。そして、AFrefの値よりも小さい値の合焦評価値となる方向へ、ユーザーによりピントリング106が回転された場合には、非圧縮演算処理により算出したAFlevelに基づいて上記合焦メーター240における上記表示バー241を表示する。したがって、もし合焦状態へ向かう方向と逆の方向へ上記ピントリング106が回転させられた場合には、上記表示バー241が急に短くなる為、当該ユーザーは、上記ピントリング106を回転させるべき方向が逆方向であることをすぐに認識できる。
逆に、合焦状態へ向かう方向へ上記ピントリング106が回転させられた場合、圧縮演算処理により算出したAFlevelに基づいて上記合焦メーター240における上記表示バー241を表示する。
以上のような表示の制御を行うことで、上記AFpeakと上記AFrefとの比がある程度大きくなってしまう場合であっても、上記合焦メーター240における上記表示バー241の表示が振り切れてしまうことがない。
また、本実施形態に係る合焦状態表示装置によれば、被写体条件に大きく左右されることなく、いかなる被写体であっても、上記合焦メーター240における上記表示バー241の振れ幅を所定レベルに保つことができる。すなわち、ある条件の被写体では合焦点に達しても表示バーがほとんど振れなかったり、逆に別の条件の被写体では上記表示バー241がその最大値近くまで振れたりということはほとんどない。
さらに、本実施形態に係る合焦状態表示装置によれば、上記合焦メーター240における中央部から上記表示バー241の振りを開始するので、ユーザーにとって非常に見やすい合焦状態の表示となる。
[変形例]
以下、上記第1実施形態における一変形例を説明する。本変形例においては、一旦設定した上記AFrefの再設定の操作を簡略化することを目的とする。本変形例により、例えば被写体の変更等があった場合における、上記AFrefの再設定の煩わしさ(拡大モードを一旦抜けてから再度拡大モードに入るという操作)を省くことができる。
図8に示すフローチャートは、図7に示すフローチャートの一部を変更したフローチャートである。したがって、図8に示すフローチャートにおけるステップのうち、図7に示すフローチャートにおけるステップと同一の処理を行うステップについては同じステップ番号を付し、説明を省略する。以下、本変形例の特徴部分であるステップS44について説明する。
まず、不図示の表示スタートスイッチがユーザーにより押されると、Bucom201の割り込み処理で、ステップS44の処理に移行する。ここで、ステップS44においては、不図示の表示スタートスイッチがユーザーにより押された時点での撮影画像から合焦評価値を上述したように算出し、該算出した値を改めてAFrefとして設定する。その後、ステップS44の割り込み前に処理を行っていたステップに戻る。
以上説明したように、本変形例によれば、上記第1実施形態に係る合焦状態表示装置の奏する効果に加えて、以下の効果を奏する合焦状態表示装置を提供することができる。すなわち、本変形例によれば、上述したように容易な操作により新たにAFrefを設定でき、その新たに設定されたAFrefがその後上記ステップS39における処理で使用されるので、上記合焦メーター240の表示が完全に更新される。つまり、本変形例によれば、被写体を変更した場合に、上記合焦メーター240における上記表示バー241の表示を容易に最初の設定から行える合焦状態表示装置を提供することができる。
なお、上記表示スタートスイッチとしては、専用のスイッチを設けてもよいし、他のスイッチと兼用のスイッチとしても勿論よい。
[第2実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第2実施形態に係る合焦状態表示装置を説明する。
図9(a)乃至(c)は、本実施形態に係る合焦状態表示装置の特徴部の一つである、マニュアルフォーカスの為の指標である合焦評価値の表示の一例を示す図である。ここで、図9(a)は、本実施形態における合焦評価値と撮影光学系102のレンズ位置との関係を示す図である。図9(b)は、図9(a)に示す各レンズ位置における合焦評価値の表示の一例を示す図である。図9(c)は、図9(a)に示す移動(3)の過程における合焦評価値の表示の一例を示す図である。
なお、この図9は上述した第1実施形態における図6に対応する図である。特に、本実施形態では、移動(1)及び移動(2)に関しては、上記第1実施形態における図6に示す移動(1)及び移動(2)の場合と全く同様の表示を行う。したがって、ここでは上記第1実施形態に係る合焦状態表示装置と本実施形態に係る合焦状態表示装置との相違点を中心に説明する。
図9(b)は、上記移動(2)の過程において、撮影光学系102のレンズ位置がレンズ位置L6まで移動した場合を示す図である。なお、同図から分かるように、この移動(2)の過程において、合焦評価値の値はその最大値AFpeakを通過してしまっている。本実施形態では、このような場合に、合焦評価値の最大値AFpeakを通過してしまった旨をユーザーに認識させる為に、合焦評価値の最大値AFpeakを通過したと判断(以降ピーク越え判断と称す)した場合に、合焦評価値の表示形態すなわち上記表示バー241の表示形態を切り替える。なお、上記ピーク越え判断のアルゴリズムの詳細については、図10を参照して後述する。
つまり、本実施形態においては、一旦上記ピーク越えをすると、上記ピーク越え判断アルゴリズムによりピーク越えを果たしたことの判断を行い、上記表示バー241の表示形態を、図9(c)に示すように切り替える(図9に示す例では、表示色を黒色→赤色)。
なお、図9(b)におけるレンズ位置L6時の上記表示バー241の表示は、上記ピーク越えの判断時から上記表示バー241の表示形態の切り替え時までの間の僅かな瞬間(タイムラグ中)に表示される過渡的な表示である。
このように、上記表示形態の切り替えとして具体的には、例えば表示色の変更が挙げられる。図9(c)に示す例においては、ピーク越え判断をした場合には、上記表示バー241の表示色を赤色に切り替える(通常の上記表示バー241の表示色は黒色とする)。この他、上記表示バー241のテクスチャーパターンをストライプ状にしたり、上記表示バー241の液晶モニタ222における表示位置を変更するというような表示形態の切り替えも考えられる。すなわち、ユーザーが上記ピーク越えを認識できるような表示形態の切り替えであればよい。
ここで、図9(a)及び図9(c)に示す移動(3)は、ユーザーによる上記ピントリング106の逆回転操作(上記ピーク越え時における回転方向に対して逆回転の操作)により、上記撮影光学系102のレンズ位置が、レンズ位置L5(最も良好な合焦状態のレンズ位置)のレンズ位置まで戻される移動過程における上記表示バー241の表示を示している。なお、図9(c)では撮影光学系102が、レンズ位置L5を再度通過して、レンズ位置L1の位置まで戻される時点の表示を示している。
さらに、本実施形態には、上記第1実施形態にはない以下のような特徴がある。すなわち、本実施形態においては、上記表示バー241のレンジを、上記ピーク越え判断前後で変更する。これにより、ユーザーによるMF動作がより容易なものになる。
具体的には、上記移動(2)までの過程において、初期位置から合焦位置までの合焦評価値のレンジ(AFpeak−AFref)がわかっているので、ピーク越え判断前では対数圧縮表示していた上記表示バー241のAF表示を、ピーク越え判断後は次式に基づいての非圧縮表示に変更することによって、AFpeak付近の表示スケールを拡大表示することができる。
ピーク越え判断後:
表示値AFlevel=10×(AFnow/AFpeak)}−2 …(3)
これによってAFnow=AFpeakである場合をAFlevel=8として、合焦評価値を上記表示バー241にて0〜10の範囲でリニアスケールでの表示が可能になる。
以下、図10を参照して、上記ピーク越え判断のアルゴリズムを説明する。
図10(a)は、上記ピーク越え判断を正しく判断できるような上記ピントリング106の回転操作がユーザーにより行われた場合のピーク越えアルゴリズムを説明する図である。すなわちこの例は、上記ピーク越えを果たすまで、ユーザーにより上記ピントリング106が一方向に回転させられる場合である。この場合、上記ピーク越え後、上記合焦評価値がその最大値から所定量だけ低下したとBucom201が判断したとき(AFpeak−AFnowの値が所定値より大きくなったと判断したとき)、上記表示バー241の表示形態を切り替える。
そして、この上記表示バー241の表示形態の切り替えで上記ピーク越えを認識したユーザーは、上記ピントリング106を、上記表示形態の切り替えまでとは逆方向に回転させて、合焦評価値のピーク値であるAFpeakまで、上記撮影光学系102のレンズ位置を移動させる。
一方、図10(b)は、上記ピーク越えを果たす前に、ユーザーにより上記ピントリング106の逆回転操作が為された場合のピーク越えアルゴリズムを説明する図である。この場合、Bucom201は、上記逆回転操作直前の合焦評価値を、その最大値AFpeakであると判断しないようにしなければならない。その為には、ピントリング106が連続的に一方向にのみ回転させられていることの判断、または合焦評価値がその最大値AFpeakとなる前後において回転方向が同一であること(反転していないこと)の判断を、Bucom201が行えば良い。
すなわち、Bucom201は、合焦評価値がその最大値AFpeakとなる前後において回転方向が同一でなければ、上記AFpeakの設定は行わないとすればよい。
ここで、上記回転方向の検出の為には、例えば上記レンズ駆動機構103内に在る不図示のレンズ位置モニタ回路(例えば、フォトインタラプタ出力のパルスや、エンコーダ出力等)の出力により、上記ピントリング106の回転方向を、Lucom101を介してBucom201が検出すればよい。このようにして、Bucom201は、上記ピントリング106の回転方向を検出することで、上記ピーク越え判断を適正に行うことができる。
以下、図11乃至図12に示すフローチャートを参照して、ライブビューモードにおいて図10に示す合焦評価値を実際に表示する為の上記Bucom201での動作制御を説明する。なお、図11乃至図12に示すフローチャートは、図5に示すフローチャートにおけるステップS1の処理を詳細に示すフローチャートでもある。また、図8に示すフローチャートにおけるステップと同じ処理を行うステップについては、同じステップ番号を付して説明も省略する。
まず、上記ステップS33において上記同期信号の入力があったと判断した場合には、レンズ位置データ(ピントリング106の回転方向を示すデータ)をLucom101から取得する(ステップS45)。ここでは、上述したように、レンズ駆動機構103内に在る不図示のレンズ位置モニタ回路を使用する。
また、上記ステップS37において上記設定エリア内の合焦評価値を演算し、その後の基準となる合焦評価値AFrefとした後、AFpeakの値を、合焦評価値の初期値AFref(AFpeak=AFref)に初期化する(ステップS46)。このAFpeakの値は後述するステップS49で使用する。続いて、後述するピーク越え判断に使用するピーク越えフラグflag_peakを1に初期化する(ステップS47)。
そして、このステップS47の後、上記ステップS33と同様の処理を行うステップS33Aにおいて上記同期信号の入力があったと判断した場合には、上記ステップS45と同様にして、最新の上記レンズ位置データを取得する(ステップS48)。
その後、上記ステップS34乃至上記ステップS36と同様の処理を行うステップS34A乃至ステップS36Aにおける処理を行い、上述したステップS38にて、上記設定エリア内の合焦評価値を演算し、得られた値を現在の合焦評価値としてAFnowとした後、上記AFnowの値と上記合焦評価値AFpeak(初期値はステップS46で設定、その後は後述のステップS50で更新設定)の値との大小を比較する(ステップS49)。
上記ステップS49をYESに分岐する場合は、AFpeak<AFnowであって未だ合焦評価値がピーク値に達していない場合である。この場合、AFpeak=AFnowと代入する(ステップS50)。その後、上記ステップS39へ移行する。したがって、上記合焦評価値がピーク値に達するまでは上記ステップS50へのパスを通り続けることとなる。
一方、上記ステップS49をNOに分岐する場合は、AFpeak≧AFnowである。この場合、AFpeak−AFnowの値が所定量に達しているか否か(AFpeak−AFnow<所定値 であるか否か)を判断する(ステップS51)。
このステップS51をYESに分岐する場合は、AFpeak−AFnowの値が所定量に達していない場合、すなわち合焦評価値のピーク値を過ぎたが未だピーク値から僅かしか合焦評価値の値が低下していない場合である。この場合は、上記ステップS39に移行する。
ところで、上記ステップS51をNOに分岐する場合は、合焦評価値がピーク値となった後に充分に低下したと判断した場合である。この場合、上記ピーク越えフラグflag_peakの論理(flag_peak=0であるか)を判断する(ステップS52)。
ここで、ライブビューモードに移行した後において最初に合焦評価値のピーク値を通過してからも上記ピントリング106が回転させられ続けた場合は、上記ステップS47でflag_peak=1と設定されているので、上記ステップS52をNOに分岐して、後述するステップS53に移行する。
上記ステップS52をNOに分岐する場合は、合焦評価値がピーク値となった後に充分に低下したと判断した場合である。この場合、上記ピーク値の前後でピントリング106の回転方向は同一か否かを判断する(ステップS53)。このステップS53での判断は、ステップS48で取得した上記レンズ位置データ、すなわち合焦評価値がピーク値となる前後の上記レンズ位置データを参照して行う。
なお、ライブビューモードに移行した後、合焦評価値が減少する方向にのみ上記ピントリング106が回転させられ続けた場合にも上記ステップS53に移行することになる。このとき、AFpeakの値は上記ステップS46で設定された(ライブビューモードに移行したときの合焦評価値であるAFref)値である。したがって、このときのAFpeakの値は、真のピーク値であるとはいえない。そして、実際この場合上記ステップS53をNOに分岐する為、後述するステップS54に進むという適切な処理となる。
すなわち、上記ステップS53をNOに分岐する場合は、合焦評価値がピーク値となった後に充分に低下したと判断した場合であって、且つ合焦評価値がピーク値となった前後におけるピントリング106の回転方向が同一ではない場合である。この場合、上記ピーク越えフラグflag_peak=0とする(ステップS54)。
なお、上記ステップS53をNOに分岐する場合は、図10(b)に示した状態であるので、この場合のAFpeakの値は真のピーク値ではないと判断すべきである。したがって、この場合上記ステップS54で上記ピーク越えフラグflag_peak=0とし、これにより次回の上記ステップS52はYESに分岐することとなり、上記ステップS55に移行する。
一方、上記ステップS53をYESに分岐する場合は、合焦評価値がピーク値となった後に充分に低下したとステップS51において判断し、且つ合焦評価値がピーク値となった前後で上記ピントリング106の回転方向が同一であるとステップS53において判断した場合である。この場合は図10(a)に示した状態であるので、図9(c)を参照して説明したように、表示バー241の表示形態を切り替える(ステップS58)。すなわち、ここでは上述したように、表示バー241の表示色の変更を行う。
そして、上記ステップS58において表示形態の切り替えを行った後、上記(3)式に従って、上記表示バー241として表示するAFlevelの値を算出する(ステップS59)。なお、このステップS59での演算は、上述したようにAFnow/AFpeakを非圧縮演算を行う。
その後、上記ステップS33と同様の処理を行うステップS33Bにおいて上記同期信号の入力があったと判断した場合には、上記ステップS48の処理と同様の処理を行うステップS48Aの処理を行い、更に上記ステップS34乃至上記ステップS37と同様の処理を行うステップS34B乃至ステップS37Bの処理を行う。
なお、このステップS59乃至ステップS37Bの一連の処理過程において、ユーザーにより不図示の表示スタートスイッチが押されると、Bucom201の割り込み処理でステップS60に処理を移行する。このステップS60は、再度最初からライブビュー表示を行う為に上記ステップS33へ移行する為のステップである(ステップS60)。言い換えれば、ステップS60は、ピーク越え判断後にライブビュー表示を改めて最初からやり直す場合の処理である。また、上記ステップS59乃至ステップS37Bの一連の処理過程における割り込み処理としては、上記ステップS42、上記ステップS43、及び上記ステップS44の割り込み処理に関しても勿論実行され得る。
ところで、上記ステップS52をYESに分岐する場合は、合焦評価値がピーク値となる前にユーザーによりピントリング106が逆回転操作された場合である。この場合には、ピントリング106の回転方向が再度反転されたか(すなわち、再び合焦評価値がピーク値に向かう方向へ撮影光学系102が移動されているか)否かを判断する(ステップS55)。ここで、ピントリング106の回転方向が再度反転されるまでは、上記ステップS55をNOに分岐する。すなわち、このような場合常に上記ステップS39に移行することになる。
一方、上記ステップS55をYESに分岐する場合は、合焦評価値がピーク値となる前にピントリング106が逆回転操作されたが、その後再度逆回転操作された場合である。この場合、上記ステップS54で0に設定された上記ピーク越えフラグflag_peakを再び1に設定する(ステップS56)。そして、このステップS56を経た後、AFnowの値をAFpeakの値としてAFpeakの更新設定を行う(ステップS57)。
以上説明したように、本第2実施形態によれば、上記第1実施形態に係る合焦状態表示装置の奏する効果に加えて以下のような効果を奏する合焦状態表示装置を提供することが出来る。
まず、本実施形態に係る合焦状態表示装置によれば、ユーザーによるピントリング106の操作により合焦評価値がピーク値を通過した場合には、上記表示バー241の表示形態を切り替えるので、ユーザーがその旨を即座に認識できる。
さらに、該切り替えの後の表示形態において、上述したように、それまでの圧縮表示から非圧縮表示に切り替えるので、合焦評価値の変化に対する表示バー241の伸縮幅が増大し、ユーザーによる表示バー241を見ながらのMFでの合焦が、非常に容易になる。
[第3実施形態]
以下、図13を参照して、本発明の第3実施形態に係る合焦状態表示装置を説明する。上記第2実施形態と本実施形態との相違点は、本実施形態においては後述するピークホールド表示242を行う点である。
なお、この図13(a)乃至(c)は上述した第2実施形態における図9(a)乃至(c)に対応する図である。したがって、ここでは上記第2実施形態に係る合焦状態表示装置と本実施形態に係る合焦状態表示装置との相違点のみを説明する。なお、図13(b)におけるレンズ位置L6時の上記表示バー241の表示は、上記ピーク越えの判断時から上記表示バー241の表示形態の切り替え時までの間の僅かな瞬間(タイムラグ中)に表示される過渡的な表示である。
本実施形態においては、上記移動(2)の過程において、図13(b)に示すように現時点までにおける合焦評価値のピーク値に対応する上記表示バー241の目盛位置にピークホールド表示242を表示する。なお、該ピークホールド表示242とは、図13(b)及び(c)に示すように、現時点までにおける最長時の表示バー241の到達した目盛位置を、ユーザーが認識可能なように行う表示である。このピークホールド表示242により、ユーザーはその時点までにおける合焦評価値のピーク値を知ることができる。したがって、上記移動(2)の過程において撮影光学系102のレンズ位置がレンズ位置L6になった場合には、ユーザーは上記AFpeakを通過してしまったことを認識できる。
すなわち、撮影光学系102のレンズ位置がレンズ位置L5に達するまでは、その時々の合焦評価値がその時点でのピーク値であるので、常にピークホールド表示242の目盛位置は更新され続ける。そして、撮影光学系102のレンズ位置がレンズ位置L5を経た後は、レンズ位置L5時点におけるピークホールド表示242を維持し続けることになる。
これは、撮影光学系102のレンズ位置がレンズ位置L5である時の合焦評価値がピーク値すなわちAFpeakであるからである。したがって、図13(c)に示すように、一旦上記表示バー241の表示形態が切り替わった後には、レンズ位置L5時点におけるピークホールド表示242を維持し続けることになる。
なお、このピークホールド表示242を実現する為の動作制御のフローチャートについては、例えば第2実施形態における図11に示すフローチャートの上記ステップS50を以下のように変更すればよい。
すなわち、上記ステップS50においては、AFpeak←AFnowと代入し、且つ該AFpeakの値を上記ピークホールド表示242の表示値として上記表示バー241として表示する(ステップS50)。
以上説明したように、本実施形態によれば、上記第2実施形態に係る合焦状態表示装置と同様の効果を奏する上に、以下のような効果を奏する合焦状態表示装置を提供することができる。
すなわち、本実施形態に係る合焦状態表示装置によれば、上記合焦メーター240中に上記ピークホールド表示242を表示するので、ユーザーによるMFでの合焦操作がより容易になる。これは、上述したように、ユーザーは、上記表示バー241の表示形態が切り替わった(本実施形態においては表示色の赤色への変更)後に、単純に上記表示バー241の上面が上記ピークホールド表示242の位置と一致するように上記ピントリング106を操作すれば合焦状態を得ることが出来るためである。
以上、第1実施形態乃至第3実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形及び応用が可能なことは勿論である。
例えば、上記の各実施形態においては、それぞれの実施形態における合焦状態表示装置をレンズ交換可能な一眼レフレックスカメラに搭載した場合を例にして説明したが、他にも山登りAF機能とMF機能とを併せ持つ他種のカメラすなわちスチルカメラやビデオカメラ等にも上記の各実施形態を適用することができることは勿論である。
また、上記の各実施形態においては、上記合焦メーター240は上記表示バー241の長さで合焦度合いを表すよう構成したが、ユーザーが一目見て認識及び判断できる構成であれば、上記表示バー241の代わりに他の図形の形状により合焦の度合いを表すようにしても勿論良い。例えば、上記表示バー241の代わりに、円形の表示インジケータを採用し、この円形表示インジケータの半径により合焦の度合いを表すようにする例が挙げられる。さらに、上記表示バー241の代わりにサイズを固定した三角形インジケータを採用し、該三角形インジケータの液晶モニタ222中における所定の範囲内での左右移動により、合焦の度合いを表すようにする例も挙げられる。
さらに、上述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
2…撮像部、 4…合焦評価値演算部、 6…ピーク検出部、 8…合焦メーター作成部、 10…表示部、 12…モニタ、 101…レンズ制御用マイクロコンピュータ、 102…撮影光学系、 103…レンズ駆動機構、 105…絞り駆動機構、 106…ピントリング、 201…ボディ制御用マイクロコンピュータ、 202a…メインミラー 204…測光回路、 205…AFセンサユニット、 208…シャッター部、 212…撮像素子、 217…撮像インターフェイス回路、 218…画像処理コントローラ、 219…バッファメモリ、 221…記録メディア、 222…液晶モニタ、 230…拡大ボックス、 232…合焦評価値演算領域、 240…合焦メーター、 241…表示バー、 242…ピークホールド表示、 303…モードダイヤル、 316…メインダイヤル、 317…AFフレームボタン、 326…ライブボタン。