以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と示す)に具体化した一実施形態を図1〜図12に基づき説明する。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視保護するためのガラス枠を備えた前枠14と上球皿15が共に横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、各種遊技の状態(図柄変動、大当り状態など)に応じて点灯(点滅)又は消灯し、発光装飾に基づく遊技演出(発光演出)を行う枠ランプ(発光演出装置)16及び遊技盤ランプ(発光演出装置)17が設けられている。外枠11の下部(パチンコ機10の下部)には、前記遊技の状態に応じて各種音声を出力し、音声出力に基づく遊技演出(音声演出)を行うスピーカ(音声演出装置)18が配置されている。中枠12の下部には、下球皿19及び発射装置20が装着されている。
遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、液晶ディスプレイ型の可変表示器(可変表示部)Hを備えた表示装置(表示演出装置)21が配設されている。前記表示装置21では、可変表示器Hの変動画像(又は画像表示)に基づく遊技演出(表示演出)が行われるようになっている。そして、可変表示器Hでは、表示演出に関連して、複数種類の図柄(識別情報)を複数列で変動させて図柄組み合わせを導出する図柄組み合わせゲーム(図柄の変動演出)が行われるようになっている。本実施形態では、図柄組み合わせゲームで3列の図柄による組み合わせを導出し、該組み合わせを構成する各列の図柄の種類を0,1,2,3,4,5,6,7の8種類の数字としている。
そして、遊技者は、可変表示器Hに最終的に停止(停止表示)した図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。可変表示器Hに停止した全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([111][777]など)から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが大当りの組み合わせとなる。大当りの組み合わせで停止した場合、遊技者には、大当り状態(特別遊技状態)が付与される。また、可変表示器Hに停止した全列の図柄が異なる種類の場合又は1列の図柄がリーチを形成する図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([234][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせがはずれの組み合わせとなる。また、本実施形態では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄が一旦停止(一旦停止表示)するようになっている。そして、一旦停止された左図柄と右図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動表示中を示す)からリーチを認識できる。
また、表示装置21の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動によって開閉動作を行う開閉羽根22を備えた始動入賞口23が配設されている。始動入賞口23の奥方には、入賞した遊技球を検知する入賞検知センサSE1(図3に示す)が設けられている。始動入賞口23は、遊技球の入賞検知を契機に、図柄組み合わせゲームの始動条件(図柄変動の始動条件)を付与し得る。また、始動入賞口23の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動によって開閉動作を行う大入賞口扉24を備えた大入賞口25が配設されている。大入賞口25は、図柄組み合わせゲームによって導出され、最終的に停止した図柄組み合わせが大当りの組み合わせになったことに関連して大入賞口扉24が開閉動作し、開放又は閉鎖されるようになっている。そして、大当り状態が付与されると、大入賞口扉24の開閉動作によって大入賞口25が開放されて遊技球が入賞可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得ることができる。
また、表示装置21には、機内部(RAM27c)で記憶された始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」と示す)に基づく保留中の図柄組み合わせゲームの回数を報知する保留球数表示器26が配設されている(図2)。保留記憶数は、始動入賞口23へ遊技球が入賞すると1加算(+1)され、図柄組み合わせゲームの開始によって1減算(−1)され、図柄組み合わせゲーム中に始動入賞口23へ遊技球が入賞すると保留記憶数は更に加算されて所定の上限値(本実施形態では4)まで累積される。そして、保留球数表示器26は、保留1ランプ26a、保留2ランプ26b、保留3ランプ26c及び保留4ランプ26dからなる複数(4個)の発光手段で構成されている。例えば、保留1ランプ26aのみが点灯している場合には、1回の図柄組み合わせゲームが保留中であることを報知している。
次に、パチンコ機10の制御構成について図3に基づき説明する。
パチンコ機10の機裏側には、遊技機全体を制御するメイン制御手段としての主制御基板(主制御部)27が装着されている。主制御基板27は、遊技機全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて各種の制御コマンドを所定の制御信号として出力する。また、機裏側には、表示装置21(可変表示器H)の表示態様(表示する画像など)を制御する表示制御基板(表示制御部)28が装着されている。また、機裏側には、枠ランプ16、遊技盤ランプ17及び保留球数表示器26の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミング、時間など)を制御するランプ制御基板(発光制御部)29が装着されている。また、機裏側には、スピーカ18の音声出力態様(効果音の種類、音声出力時間など)を制御する音声制御基板(音声制御部)30が装着されている。
また、機裏側には、主制御基板27が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板28、ランプ制御基板29及び音声制御基板30を統括的に制御する統括制御基板(統括制御部)31が装着されている。統括制御基板31は、前記各制御基板28〜30を統括的に制御するために各種処理を実行し、該処理結果に応じて、遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)の制御を指示する各種の制御コマンドを所定の制御信号として出力する。そして、各制御基板28〜30は、主制御基板27が出力した制御信号(制御コマンド)及び統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)を入力し、該制御信号(制御コマンド)に基づいて遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)を制御する。本実施形態では、表示制御基板28、ランプ制御基板29、音声制御基板30及び統括制御基板31によってサブ制御手段を構成している(図3に破線で囲む)。
以下、主制御基板27、表示制御基板28、ランプ制御基板29、音声制御基板30、及び統括制御基板31の具体的な構成を説明する。
主制御基板27は、メインCPU27aを備えており、該メインCPU27aにはROM27b及びRAM27cが接続されている。メインCPU27aは、判定用乱数としての大当り判定用乱数(以下、「大当り乱数」と示す)、及び演出パターン振分乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に順次更新し、更新後の値をRAM27cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。ROM27bには、パチンコ機10を制御するための制御プログラムや複数種類の演出パターンが記憶されている。RAM27cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報(保留記憶数、乱数の値など)が記憶(設定)されるようになっている。
前記演出パターンは、図柄変動の開始(図柄組み合わせゲームの開始)から全列の図柄が停止(図柄組み合わせゲームが終了)する迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。演出パターンには、該演出パターン毎に遊技演出の時間が定められており、少なくとも遊技演出の時間が特定可能とされている。演出パターンは、大当り演出用とはずれ演出用(はずれリーチも含む)に分類されてROM27bに記憶されている。前記大当り演出は、図柄組み合わせゲームが、大当りの組み合わせで停止するように展開される演出である。前記はずれ演出は、図柄組み合わせゲームが、はずれの組み合わせで停止するように展開される演出である。
そして、メインCPU27aは、始動入賞口23及び入賞検知センサSE1によって構成される入賞検知手段が出力する検知信号を入力し、各種処理(保留記憶数の判定、大当り判定、停止図柄の決定、演出パターンの決定など)を実行する。
保留記憶数の判定は、検知信号の入力を契機に、図6に示す保留記憶数処理に基づき行われる。保留記憶数処理においてメインCPU27aは、RAM27cに記憶されている保留記憶数が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(ステップS1)。この判定結果が肯定(保留記憶数<4)の場合、メインCPU27aは、RAM27cに記憶されている保留記憶数を1加算(+1)し、保留記憶数を書き換える(ステップS2)。一方、ステップS1の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、メインCPU27aは、上限値を超える保留記憶数の書き換えを行わず、保留記憶数処理を終了する。保留記憶数を書き換えたメインCPU27aは、保留記憶数の報知を指示する保留指定コマンド(保留球数信号(指示信号))を統括制御基板31の統括CPU31aに出力するようにRAM27cにセットする(ステップS3)。そして、メインCPU27aは、保留記憶数処理を終了すると共に、RAM27cにセットした保留指定コマンドを出力する。なお、メインCPU27aは、図柄組み合わせゲームの開始によって保留記憶数を1減算(−1)した場合も保留指定コマンドを出力する。
本実施形態では、保留記憶数に応じて、該保留記憶数を指示する複数種類の保留指定コマンドが出力されるようになっている。具体的には、保留記憶数の上限値が4であることから、保留0指定コマンド、保留1指定コマンド、保留2指定コマンド、保留3指定コマンド及び保留4指定コマンドの5種類の保留指定コマンドが出力される。保留0指定コマンドは保留記憶数を「1→0」に書き換えた時に出力され、保留1指定コマンドは保留記憶数を「0→1」又は「2→1」に書き換えた時に出力され、保留2指定コマンドは保留記憶数を「1→2」又は「3→2」に書き換えた時に出力される。保留3指定コマンドは保留記憶数を「2→3」又は「4→3」に書き換えた時に出力され、保留4指定コマンドは保留記憶数を「3→4」に書き換えた時に出力される。
また、メインCPU27aは、保留記憶数処理において入賞検知時の保留記憶数が上限値未満と判定している場合、検知信号の入力を契機に大当り乱数の値をRAM27cから読み出し、RAM27cの所定の記憶領域(格納領域)に順次記憶(格納)する。そして、メインCPU27aは、前記入賞検知に基づく図柄組み合わせゲームの開始直前に、当該図柄組み合わせゲームを開始させるための処理(大当り判定、停止図柄の決定、演出パターンの決定など)を実行する。まず、メインCPU27aは、RAM27cに記憶されている前記大当り乱数の値のうち、最先に記憶されている前記大当り乱数の値とROM27bに記憶されている大当り判定値(判定値)とを比較して大当り判定を行う。前記大当り判定の結果が肯定(大当り乱数の値と大当り判定値が一致)の場合、メインCPU27aは、大当りを決定する。前記大当り判定値は、大当り乱数の取り得る数値の中から定められている。本実施形態では、大当り乱数の取り得る数値を0〜946(全947通りの整数)と定める一方で、大当り判定値を「7,349,919」の3個の値と定めている。従って、3個の大当り判定値を用いる場合、大当り確率は947分の3(=315.7分の1)となる。
大当りの決定がなされると、メインCPU27aは、可変表示器Hに最終的に停止させる図柄(停止図柄左、中、右)を、全列が同一種類の図柄となるように決定する。この決定した停止図柄左、停止図柄中、停止図柄右が、可変表示器Hにおいて左図柄、中図柄、右図柄として最終的に導出される。また、メインCPU27aは、RAM27cから演出パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき、大当り演出用の演出パターンの中から1つの演出パターンを決定する。この場合、可変表示器Hには、決定した演出パターンに基づく遊技演出に関連して、決定した停止図柄による大当りの組み合わせが最終的に停止する。
一方、大当り判定の判定結果が否定(大当り乱数の値と大当り判定値が不一致)の場合、メインCPU27aは、はずれを決定する。はずれの決定がなされると、メインCPU27aは、可変表示器Hに最終的に停止させる図柄(停止図柄左、中、右)を、全列が同一種類の図柄とならないように決定する。また、メインCPU27aは、RAM27cから演出パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき、はずれ演出用の演出パターンの中から1つの演出パターンを決定する。この場合、可変表示器Hには、決定した演出パターンに基づく遊技演出に関連して、決定した停止図柄によるはずれの組み合わせが停止する。
前記停止図柄及び演出パターンを決定したメインCPU27aは、所定の制御コマンドを所定のタイミングで統括制御基板31の統括CPU31aに出力する。メインCPU27aは、最初に、演出パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する演出パターン指定コマンドを出力する。次に、メインCPU27aは、停止図柄左を指定する左図柄指定コマンド、停止図柄中を指定する中図柄指定コマンド及び停止図柄右を指定する右図柄指定コマンドを、左図柄指定コマンド→右図柄指定コマンド→中図柄指定コマンドの順に出力する。その後に、メインCPU27aは、指定した演出パターンに定められている遊技演出の時間の経過時に、各列の図柄の停止を指示する全図柄停止コマンドを出力する。本実施形態では、メインCPU27aが、乱数読出手段、読み出した大当り乱数の値を記憶手段としてのRAM27cに順次記憶する乱数記憶手段、大当り判定手段、保留球数信号出力手段(指示信号出力手段)として機能するように構成されている。また、本実施形態では、RAM27cが、保留球数記憶手段として機能するように構成されている。
次に、統括制御基板31について説明する。統括制御基板31は、統括CPU31aを備えており、統括CPU31aにはROM31b及びRAM31cが接続されている。ROM31bには、各制御基板28〜30を統括的に制御するための制御プログラムや、複数種類の予告パターン(予告演出パターン)が記憶されている。RAM31cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
前記予告パターンは、各制御基板28〜30の制御により実行させる予告演出の具体的な演出内容を特定するためのものである。本実施形態の予告演出は、大当り状態が生起される(又は大当り演出が行われる)可能性がある図柄組み合わせゲームよりも前に行われる数回の図柄組み合わせゲームから、特定の演出を複数回の図柄組み合わせゲーム間を跨いで連続して実行させる演出となっている。
以下、本明細書においては、このような予告演出を「連続予告(連続演出)」とも示す。前記連続予告では、1回の図柄組み合わせゲーム中に1回の前記特定の演出が実行され、該特定の演出が複数回の図柄組み合わせゲームを跨いで連続して実行されるようになっている。本実施形態における連続予告では、複数回の図柄組み合わせゲームを跨いで大当り状態が生起される可能性があることを事前に遊技者に告げている。そして、本実施形態のパチンコ機10は、連続予告が出現してから数回先の図柄組み合わせゲームにおいて、大当りの予告が現実化されて大当りになる場合の連続予告と、大当りの予告が現実化されずに大当りにならないまま連続予告が終了してはずれになる場合の連続予告を実行可能に構成されている。
前記ROM31bには、連続予告の演出内容が異なる複数種類(本実施形態では4種類)の予告パターンY1,Y2,Y3,Y4が、複数(本実施形態では2つ)の予告パターン振分テーブルL1,L2に振分けられた状態で記憶されている(図4,図5)。前記予告パターン振分テーブルL1は、統括CPU31aが、大当りになる場合に実行させる連続予告の予告パターンを選択して決定する際に参照するテーブルとされており、前記予告パターン振分テーブルL1には予告パターンY1〜Y4が振分けられている。一方で、予告パターン振分テーブルL2は、統括CPU31aが、はずれになる場合に実行させる連続予告の予告パターンを選択して決定する際に参照するテーブルとされており、予告パターン振分テーブルL2には予告パターンY1〜Y3が振分けられている。
そして、予告パターン振分テーブルL1又は予告パターン振分テーブルL2を参照して1つの予告パターンを決定した統括CPU31aは、該予告パターンに基づき、連続予告において実行させる演出(特定の演出)を指定する演出指定コマンドを各制御基板28〜30の各サブCPU28a〜30aに出力する。また、統括CPU31aは、演出パターン指定コマンドを入力すると、該演出パターン指定コマンドをそのまま前記各サブCPU28a〜30aに出力する。また、統括CPU31aは、各図柄指定コマンド及び全図柄指定コマンドを入力すると、前記各図柄指定コマンドを表示制御基板28のサブCPU28aに出力する。また、統括CPU31aは、入力した保留指定コマンドをランプ制御基板29のサブCPU29aに出力する。
次に、表示制御基板28、ランプ制御基板29及び音声制御基板30について説明する。
表示制御基板28は、サブCPU28aを備え、該サブCPU28aにはROM28b及びRAM28cが接続されている。ROM28bには、複数種類の表示演出用の演出実行データが記憶されている。前記演出実行データは、指定された演出パターンに基づく表示演出が行われるように可変表示器Hの表示態様を制御するための情報である。この演出実行データには、図柄変動が開始してから全列の図柄が停止する迄の表示演出の流れが示されている。また、ROM28bには、複数種類の予告実行データが記憶されている。前記予告実行データは、指定された連続予告の演出が行われるように可変表示器Hの表示態様を制御するための情報である。そして、ROM28bには、1つの演出パターンに対して1つの演出実行データが対応付けられていると共に、連続予告における1つの演出に対して1つの予告実行データが対応付けられて記憶されている。また、ROM28bには、各種の画像情報(図柄の画像、背景画像、文字画像、登場キャラクタの画像など)が記憶されている。RAM28cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる情報が記憶(設定)される。
従って、サブCPU28aは、演出パターン指定コマンド及び演出指定コマンドを入力すると、前記演出実行データ及び予告実行データに基づき可変表示器Hの表示態様を制御する。この制御により、可変表示器Hでは、図柄組み合わせゲーム及び連続予告の演出が画像表示による表示演出で行われる。
ランプ制御基板29は、サブCPU29aを備え、該サブCPU29aにはROM29b及びRAM29cが接続されている。ROM29bには、複数種類の発光演出用の演出実行データや、入賞報知用の報知実行データ(保留球数表示器26の発光態様(点灯又は消灯など)を制御するための情報)が記憶されている。前記演出実行データは、指定された演出パターンに基づく発光演出が行われるように枠ランプ16及び遊技盤ランプ17の発光態様を制御するための情報である。この演出実行データには、遊技演出が開始(図柄変動が開始)してから遊技演出が終了(全列の図柄が停止)する迄の発光演出の流れが示されている。また、ROM29bには、複数種類の予告実行データが記憶されている。前記予告実行データは、指定された連続予告の演出が行われるように枠ランプ16及び遊技盤ランプ17の発光態様を制御するための情報である。そして、ROM29bには、1つの演出パターンに対して1つの演出実行データが対応付けられていると共に、連続予告における1つの演出に対して1つの予告実行データが対応付けられて記憶されている。RAM29cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる情報が記憶(設定)される。
従って、サブCPU29aは、演出パターン指定コマンド及び演出指定コマンドを入力すると、前記演出実行データ及び予告実行データに基づき枠ランプ16及び遊技盤ランプ17の発光態様を制御する。この制御により、枠ランプ16及び遊技盤ランプ17では、可変表示器Hで行われる表示演出(図柄組み合わせゲーム、連続予告の演出)に関連付けて発光演出が行われる。
音声制御基板30は、サブCPU30aを備え、該サブCPU30aにはROM30b及びRAM30cが接続されている。ROM30bには、複数種類の音声演出用の演出実行データが記憶されている。前記演出実行データは、指定された演出パターンに基づく音声演出が行われるようにスピーカ18の音声出力態様を制御するための情報である。この演出実行データには、遊技演出が開始(図柄変動が開始)してから遊技演出が終了(全列の図柄が停止)する迄の音声演出の流れが示されている。また、ROM30bには、複数種類の予告実行データが記憶されている。前記予告実行データは、指定された連続予告の演出が行われるようにスピーカ18の音声出力態様を制御するための情報である。そして、ROM30bには、指定された演出パターンに対して1つの演出実行データが対応付けられていると共に、連続予告における1つの演出に対して1つの予告実行データが対応付けられて記憶されている。RAM30cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる情報が記憶(設定)される。
従って、サブCPU30aは、演出パターン指定コマンド及び演出指定コマンドを入力すると、前記演出実行データ及び予告実行データに基づきスピーカ18の音声出力態様を制御する。この制御により、スピーカ18では、可変表示器Hで行われる表示演出(図柄組み合わせゲーム、連続予告の演出)に関連付けて音声演出が行われる。
以下、本実施形態のパチンコ機10において、連続予告を実行させるための具体的な構成及び処理を、図3〜図5,図7〜図10に基づき詳しく説明する。
主制御基板27のROM27bには、大当り判定値「7,349,919」に加えて、予告判定値(判定値)が記憶されている。予告判定値は、大当り判定値と同様に大当り乱数の取り得る数値の中から定められている。本実施形態では、予告判定値を「7,349,919」の3個の値と定めている。この予告判定値「7,349,919」は、大当り判定値「7,349,919」と同値となるように設定されている。換言すれば、予告判定値は、大当り判定値として設定された値と異なる値が設定されていないことになる。
そして、メインCPU27aは、図7に示すメイン側予告処理において連続予告の実行可否を判定する(以下、この判定を「メイン側可否判定」と示す)。前記「連続予告の実行可否の判定」とは、統括制御基板31(統括CPU31a)と各制御基板28〜30(各サブCPU28a〜30a)によって構成されるサブ制御手段に対して連続予告を実行させるための制御を指示するか否かを判定するものである。メインCPU27aは、前記メイン側可否判定を、入賞検知センサSE1からの検知信号の入力を契機に行う。より詳しくは、メインCPU27aは、大当り乱数の値を読み出した直後(即ち、入賞検知時)に、該読み出した大当り乱数の値と予告判定値とを比較してメイン側可否判定を行う。このメイン側可否判定は、前記入賞検知に基づく図柄組み合わせゲームの開始直前に行う大当り判定(図柄組み合わせゲームを開始させる処理)とは異なるタイミング(異なる判定時期)で行われる。
図7のステップS10において、メインCPU27aは、前記入賞検知時に読み出した大当り乱数の値が予告判定値と一致するか否かを判定する。例えば、入賞検知を契機に読み出した大当り乱数の値が「7」であれば予告判定値「7」と一致すると判定し、読み出した大当り乱数の値が「100」であれば予告判定値「7,349,919」と一致しないと判定する。前記ステップS10において、メインCPU27aは、大当り判定値と同値となる予告判定値を用いることから、大当りになる場合において連続予告を実行させるための制御を指示するか否かを判定している。前記ステップS11の判定結果が否定(大当り乱数の値と予告判定値が不一致)の場合、メインCPU27aは、連続予告を実行させるための制御を指示しないことを決定し、メイン側予告処理を終了する。
一方、ステップS10の判定結果が肯定(大当り乱数の値と予告判定値が一致)の場合、メインCPU27aは、連続予告を実行させるための制御を指示することを決定し、その時点(入賞検知時)における保留記憶数をさらに判定する(ステップS11)。このとき、判定の対象となる保留記憶数は、保留記憶数処理(図6)でRAM27cに設定された書き換え後の保留記憶数である。そして、メインCPU27aは、前記保留記憶数を指示する制御コマンド(以下、「予告コマンド」と示す)を統括制御基板31の統括CPU31aに出力するようにRAM27cにセットする(ステップS12)。その後、メインCPU27aは、メイン側予告処理を終了すると共に、RAM27cにセットした予告コマンドを統括CPU31aに出力する。前記予告コマンドが予告信号(指示信号)となる。この予告コマンドの出力によって、メインCPU27aが連続予告を実行させるための制御を指示したことになる。
前記ステップS11で判定された保留記憶数が、2以上で、かつ、保留記憶数の上限値以下(本実施形態では4以下)である場合には、連続予告となる。例えば、保留記憶数が「3」である場合には、3回の図柄組み合わせゲームを跨いで特定の演出が連続する連続予告を実行させるための制御が指示されたことになる。本実施形態では、メインCPU27aが、図7に示すメイン側予告処理を行うことにより、予告判定手段及び予告信号出力手段(指示信号出力手段)として機能するように構成されている。
次に、統括制御基板31の構成及び処理について説明する。
統括制御基板31の統括CPU31aは、予告判定用乱数(以下、「予告乱数」と示す)の値を所定の周期毎に順次更新し、更新後の値をRAM31cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。本実施形態では、予告乱数の取り得る数値を0〜99(全100通りの整数)と定めている。そして、前記各テーブルL1,L2(図4)に振分けられた予告パターンY1〜Y4は、前記予告乱数の値と予め対応付けられている。さらに、前記各テーブルL1,L2(図4)に振分けられた予告パターンY1〜Y4は、主制御基板27のRAM27cに記憶(設定)される保留記憶数と予め対応付けられている。
具体的には、予告パターン振分テーブルL1(図4(a))において、前記保留記憶数「1」の場合には、予告パターンY1に対してのみに予告乱数の値「0」〜「99」が対応付けられている。前記保留記憶数「2」又は「3」の場合には、予告パターンY1に対して予告乱数の値「0」〜「49」が、予告パターンY2に対して予告乱数の値「50」〜「99」が対応付けられている。前記保留記憶数「4」の場合には、予告パターンY1に対して予告乱数の値「0」〜「49」が、予告パターンY2に対して予告乱数の値「50」〜「79」が、予告パターンY3に対して予告乱数の値「80」〜「89」が、予告パターンY4に対して予告乱数の値「90」〜「99」が対応付けられている。
また、予告パターン振分テーブルL2(図4(b))において、前記保留記憶数「1」の場合には、予告パターンY1に対してのみに予告乱数の値「0」〜「99」が対応付けられている。前記保留記憶数「2」又は「3」の場合には、予告パターンY1に対して予告乱数の値「0」〜「97」が、予告パターンY2に対して予告乱数の値「98」,「99」が対応付けられている。前記保留記憶数「4」の場合には、予告パターンY1に対して予告乱数の値「0」〜「96」が、予告パターンY2に対して予告乱数の値「97」,「98」が、予告パターンY3に対して予告乱数の値「99」が対応付けられている。そして、予告パターンY3,Y4は、予告パターン振分テーブルL1,L2において、保留記憶数が「4(保留記憶数の上限値)」の場合に、統括CPU31aが選択可能となるように振分けられている。本実施形態では、予告パターンY3,Y4が、特定予告演出パターンとなる。
ここで、予告パターン振分テーブルL1,L2に振分けられた予告パターンY1〜Y4で特定される連続予告の演出内容について図5に基づき説明する。
前記予告パターンY1は、連続予告なしが特定されるようになっている。従って、予告パターンY1が決定された場合には連続予告が実行されない。本実施形態では、保留記憶数が「1」の場合、予告パターンY1のみが選択可能となるように予告パターン振分テーブルL1,L2に振分けられている。換言すれば、保留記憶数が「1」の場合には、連続予告が実行されない(即ち、制御を実行しない)ことになる。
前記予告パターンY2は、保留記憶数分(但し、2,3,4に限る)の図柄組み合わせゲームにおいて、演出Aを連続して実行させる演出内容が特定されるようになっている(図11)。前記演出Aは、表示演出において画像Ga(野球ボールの画像)を表示し、当該画像Gaに関連付けて発光演出や音声演出を実行する演出とされている。従って、予告パターンY2が決定された場合には、保留記憶数分の図柄組み合わせゲームにおいて、同一の演出(演出A)が連続して実行される演出内容の連続予告となる。
前記予告パターンY3は、保留記憶数「4」に応じた4回の図柄組み合わせゲームにおいて、1回目のゲームで演出B、2回目のゲームで演出C、3回目のゲームで演出D、4回目のゲームで演出Eという順で連続させて実行させる演出内容が特定されるようになっている(図12)。演出Bは、図12(b)に示すように、表示演出において画像Gb(投球動作の画像)を表示し、当該画像Gbに関連付けて発光演出や音声演出を実行する演出とされている。演出Cは、図12(c)に示すように、表示演出において画像Gc(打撃動作の画像)を表示し、当該画像Gcに関連付けて発光演出や音声演出を実行する演出とされている。演出Dは、図12(d)に示すように、表示演出において画像Gd(打球の行方を追う画像)を表示し、当該画像Gdに関連付けて発光演出や音声演出を実行する演出とされている。演出Eは、図12(e)に示すように、表示演出において画像Ge(結果表示(HIT)の画像)を表示し、当該画像Geに関連付けて発光演出や音声演出を実行する演出とされている。
前記予告パターンY4は、前記予告パターンY3と同様に、保留記憶数「4」に応じた4回の図柄組み合わせゲームにおいて、演出B→演出C→演出D→演出Fの順に連続させて実行させる演出内容が特定されるようになっている(図12)。演出Fは、図12(h)に示すように、表示演出において画像Gf(結果表示(HOUERUN)の画像)を表示し、当該画像Gfに関連付けて発光演出や音声演出を実行する演出とされている。
従って、予告パターンY3又は予告パターンY4が決定された場合には、4つの異なる演出が予め定めた順番に従って連続して実行され、4回の図柄組み合わせゲームを跨いで一連のストーリーが完結する演出内容の連続予告となる。即ち、予告パターンY3,Y4では、前述のように、後に実行される連続予告の演出(例えば、演出C)の内容が、直前に実行された連続予告の演出(この場合には演出B)の内容を発展させた形態となるように連続予告の演出内容が構成されている。そして、予告パターンY3と予告パターンY4では、共に4つの演出から連続予告の演出内容が構成され、4回目(最終回)の図柄組み合わせゲームで行われる演出の内容が異なっている。
また、統括制御基板31のRAM31cには、決定した予告パターンに基づき特定される連続予告の演出を予め定めた順序に従って設定(記憶)するための4つの記憶領域b1,b2,b3,b4が定められている(図3参照)。そして、統括CPU31aは、1つの予告パターンを決定すると、該予告パターンで特定される演出内容と前記保留記憶数に基づき、記憶領域b1〜b4に所定の演出を設定する。例えば、保留記憶数が「4」で、予告パターンY2を決定した場合、統括CPU31aは、4つの記憶領域b1〜b4の全てに演出Aを設定する。前記演出の設定時、記憶領域b1は、連続予告の開始となる初回(1回目)の図柄組み合わせゲームで実行させる演出を設定する領域となる。以下同様に、記憶領域b2,b3,b4は、2回目、3回目、4回目の図柄組み合わせゲームで実行させる演出を夫々設定する領域となる。従って、統括CPU31aは、1つの予告パターンを決定すると、前記保留記憶数に応じた回数分の図柄組み合わせゲーム毎に対応付けて連続予告の演出を所定の記憶領域b1〜b4に設定する。
以下、統括CPU31aで行われるサブ側予告処理(図8)、演出設定処理(図9)、及びコマンド設定処理(図10)について図8〜図10に示すフローチャートに基づき詳しく説明する。なお、前記サブ側予告処理において統括CPU31aは、予告コマンド又は保留指定コマンドの入力によって連続予告を実行するか否かを判定し、連続予告の予告パターンを決定する。前記サブ側予告処理は、予告コマンド又は保留指定コマンドを入力した時点で行われ、図柄組み合わせゲームの開始直前に行われる大当り判定(図柄組み合わせゲームを開始させるための処理)とは異なるタイミングで行われる。
最初に、図8に基づき、サブ側予告処理を説明する。
統括CPU31aは、予告コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS20)。この判定結果が肯定(入力した)の場合、統括CPU31aは、RAM31cの記憶領域b1〜b4に連続予告の演出が未設定であるか否かを判定する(ステップS21)。このステップS21において、統括CPU31aは、連続予告が継続実行中であるか否かを判定する。そして、ステップS21の判定結果が肯定(未設定(連続予告が実行されていない))の場合、統括CPU31aは、予告乱数の値をRAM31cから読み出す(ステップS22)。続いて、統括CPU31aは、読み出した予告乱数の値と予告コマンドで指示された前記保留記憶数に基づき、予告パターン振分テーブルL1の中から1つの予告パターンを選択して決定する(ステップS23)。例えば、予告乱数の値が「99」で、前記保留記憶数が「4」の場合、統括CPU31aは、予告パターンY4を選択して決定する。そして、ステップS23で予告パターンを決定した統括CPU31aは、予告パターンに基づき、連続予告の演出をRAM31c(設定領域b1〜b4)に設定するための演出設定処理(ステップS24)に移行する。前記ステップS21の判定結果が否定(設定(連続予告が実行中))の場合、統括CPU31aは、新たに連続予告の演出を設定することなく、サブ側予告処理を終了する。
また、ステップS20の判定結果が否定(入力していない)の場合、統括CPU31aは、保留指定コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS25)。ステップS25の判定結果が否定(入力していない)の場合、統括CPU31aは、サブ側予告処理を終了する。ステップS25の判定結果が肯定(入力した)の場合、統括CPU31aは、保留記憶数が増加しているか否かを判定する(ステップS26)。ステップS26で統括CPU31aは、RAM31cに設定されている前回の保留指定コマンドと今回の保留指定コマンドを比較し、今回の保留指定コマンドが保留記憶数の加算によって出力されたか又は保留記憶数の減算によって出力されたかを判定する。例えば、保留2指定コマンドを入力した際、RAM31cに保留1指定コマンド(前回)が設定されている場合、入力した保留2指定コマンドは保留記憶数処理(図6)によって保留記憶数が加算されたことに基づき出力され、この場合には保留記憶数が増加したことになる。一方で、保留2指定コマンドを入力した際、RAM31cに保留3指定コマンド(前回)が設定されている場合、入力した保留2指定コマンドは図柄組み合わせゲームの開始によって保留記憶数が減算されたことに基づき出力され、この場合には保留記憶数が減少したことになる。そして、ステップS26の判定結果が否定(保留記憶数が減少)の場合、統括CPU31aは、サブ側予告処理を終了する。
また、ステップS26の判定結果が肯定(保留記憶数が増加)の場合、統括CPU31aは、前記ステップS21と同様に、RAM31cの記憶領域b1〜b4に連続予告の演出が未設定であるか否かを判定する(ステップS27)。ステップS27の判定結果が肯定(未設定(連続予告が実行されていない))の場合、統括CPU31aは、予告乱数の値をRAM31cから読み出す(ステップS28)。続いて、統括CPU31aは、読み出した予告乱数の値と保留指定コマンドで指示された保留記憶数に基づき、予告パターン振分テーブルL2の中から1つの予告パターンを選択して決定する(ステップS29)。例えば、予告乱数の値が「99」で、保留記憶数が「4」の場合、統括CPU31aは、予告パターンY3を選択して決定する。そして、ステップS29で予告パターンを決定した統括CPU31aは、前記演出設定処理(ステップS24)に移行する。なお、ステップS27の判定結果が否定(設定(連続予告が実行中))の場合、統括CPU31aは、サブ側予告処理を終了する。
次に、図9に基づき、演出設定処理を説明する。
前記演出設定処理に移行した統括CPU31aは、前記サブ側予告処理のステップS23又はステップS29で決定した予告パターンが、予告パターンY2,Y3,Y4の何れかであるか否かを判定する(ステップS30)。このステップS30において、統括CPU31aは、決定された予告パターンに関連して連続予告を実行するか否かを判定する。即ち、予告パターンY1の場合には連続予告を実行しないと判定し、予告パターンY2,Y3,Y4の場合には連続予告を実行すると判定する。そして、ステップS30の判定結果が肯定(予告パターンY2〜Y4)の場合、統括CPU31aは、予告パターンが、予告パターンY2であるか否かを判定する(ステップS31)。この判定結果が肯定(予告パターンY2である)の場合、統括CPU31aは、予告コマンド又は保留指定コマンドで指示された前記保留記憶数と同数を連続予告の連続回数(図柄組み合わせゲームを跨いで連続させる回数)としてRAM31cに設定し(ステップS32)、ステップS33に移行する。一方で、ステップS31の判定結果が否定(予告パターンY3又は予告パターンY4である)の場合、統括CPU31aは、前記連続予告の連続回数としてRAM31cに「4」を設定し(ステップS34)、ステップS33に移行する。
前記ステップS33に移行した統括CPU31aは、RAM31cに設定した連続予告の連続回数に応じて、記憶領域b1〜b4に連続予告の演出を設定する(ステップS33)。例えば、前記連続回数が「2」で、予告パターンY2の場合には、記憶領域b1と記憶領域b2に、夫々、演出Aを設定する。また、前記連続回数が「4」で、予告パターンY3の場合には、記憶領域b1に演出Bを、記憶領域b2に演出Cを、記憶領域b3に演出Dを、記憶領域b4に演出Eを、夫々、設定する。そして、ステップS33において、連続予告の演出を設定した統括CPU31aは、演出設定処理を終了すると共に、図8のサブ側予告処理を終了する。なお、ステップS30の判定結果が否定(予告パターンY1)の場合、統括CPU31aは、演出設定処理を終了すると共に、図8のサブ側予告処理を終了する。
本実施形態では、統括CPU31aが、前記サブ側予告処理(演出設定処理を含む)を行うことによって、予告決定手段として機能するように構成されている。また、本実施形態では、ROM31bが、パターン記憶手段として機能するように構成されている。また、本実施形態において統括CPU31aは、予告乱数の値と保留記憶数に応じて1つの予告パターンを選択して決定し、当該決定された予告パターンの種類に関連させて連続予告を実行するか否かを判定している。
そして、統括CPU31aが予告コマンドに基づき予告パターンY2〜Y4を決定した場合には、前記連続回数に応じた回数分の図柄組み合わせゲームを跨いで連続予告が実行され、最終回の図柄組み合わせゲームにおいて大当りの予告が現実化されて大当りとなる。一方で、統括CPU31aが保留指定コマンドに基づき予告パターンY2〜Y4を決定した場合には、前記連続回数に応じた回数分の図柄組み合わせゲームを跨いで連続予告が実行されるが、当該連続予告は大当りの予告が現実化されないまま終了し、はずれとなる。
次に、図10に基づき、コマンド設定処理を説明する。
統括CPU31aは、演出パターン指定コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS40)。この判定結果が肯定(入力した)の場合、統括CPU31aは、RAM31cの記憶領域b1〜b4に連続予告の演出が設定されているか否かを判定する(ステップS41)。この判定結果が肯定(設定)の場合、記憶領域b1に設定されている連続予告の演出を指定する演出指定コマンドを各制御基板28〜30の各サブCPU28a〜30aに出力するようにRAM31cにセットする(ステップS42)。続いて、統括CPU31aは、記憶領域b1に設定されている連続予告の演出を消去し(ステップS43)、記憶領域b2〜b4に設定されている演出の記憶領域をシフトさせる。例えば、記憶領域b1,b2に演出Aが設定されている場合、ステップS43によって記憶領域b1に設定されている演出Aが消去されると、記憶領域b2に設定されている演出Aの記憶領域が記憶領域b1にシフトする。そして、ステップS43の処理後、統括CPU31aは、コマンド設定処理を終了する。前記ステップS43において1つの演出が消去され、演出の記憶領域がシフトされることで、統括CPU31aは、次回の演出パターン指定コマンドを入力すると、前述同様に記憶領域b1に記憶されている連続予告の演出を指示する演出指定コマンドをRAM31cにセットする。なお、ステップS40の判定結果が否定(入力していない)の場合、及びステップS41の判定結果が否定(未設定)の場合、統括CPU31aは、コマンド設定処理を終了する。前記コマンド設定処理を終了した統括CPU31aは、RAM31cにセットした演出指定コマンドを各制御基板28〜30の各サブCPU28a〜30aに出力する。
次に、このように構成されたパチンコ機10において、連続予告が実行される態様を図11及び図12に基づき説明する。図11及び図12において、保留球数表示器26の各ランプ26a〜26dに付した数字は、始動入賞口23に入賞した遊技球の順番を示し、1、2、3、4は、1回目、2回目、3回目、4回目の図柄組み合わせゲームに対応する。また、図11及び図12では、保留球数表示器26の各ランプ26a〜26dの点灯状態を「左下がり斜線」で、消灯状態を「空白」で示すと共に、図柄の変動表示を「下向き矢印」で示している。
最初に、予告パターンY2に基づき連続予告が実行される態様を図11に基づき説明する。
保留記憶数が「2」の状態で行われている図柄組み合わせゲーム中に遊技球が新たに入賞(保留3ランプ26cの点灯に対応する入賞)すると、該入賞時にメインCPU27aは、メイン側予告処理(図7)を行う(図11(a))。前記メイン側予告処理(図7)において連続予告を実行させるための制御を指示することが決定されると、統括CPU31aは、予告コマンド(保留記憶数「3」を指示する)を入力し、サブ側予告処理(図8)を行う。前記サブ側予告処理において、統括CPU31aは、予告パターン振分テーブルL1から予告パターンY2を決定すると、RAM31cの記憶領域b1,b2,b3に演出Aを設定する。
そして、1回目,2回目,3回目の図柄組み合わせゲーム(図11(b),(c),(d))の開始直前に、各ゲームを開始させるための処理が行われ、統括CPU31aは、演出パターン指定コマンドを入力する。統括CPU31aは、演出パターン指定コマンドを入力する毎に、コマンド設定処理(図10)において演出Aを指定する演出指定コマンドをRAM31cに設定し、出力する。その結果、1回目,2回目、3回目の図柄組み合わせゲームにおいて、演出A(画像Ga)→演出A(画像Ga)→演出A(画像Ga)が3回の図柄組み合わせゲームを跨いで連続する連続予告が行われる。そして、可変表示器Hには、3回目(最終回)の図柄組み合わせゲームにおいて、大当りの組み合わせ(例えば[777])が導出され、全図柄停止コマンドの入力によって大当りが確定する(図11(e))。この状態で、1回目の図柄組み合わせゲームから開始された連続予告(連続回数が3回)が現実化したことになる。
一方で、図11(a)において、メイン側予告処理で連続予告を実行させるための制御を指示しないことが決定されると、統括CPU31aには予告コマンドが出力されず、保留3指定コマンドのみが出力される。そして、保留3指定コマンドを入力した統括CPU31aが、サブ側予告処理で予告パターン振分テーブルL2から予告パターンY2を決定すると、RAM31cの記憶領域b1,b2,b3に夫々演出Aを設定する。その結果、1回目,2回目、3回目の図柄組み合わせゲームにおいて、演出A(画像Ga)→演出A(画像Ga)→演出A(画像Ga)が3回の図柄組み合わせゲームを跨いで連続する連続予告が行われる。
この場合、可変表示器Hには、3回目(最終回)の図柄組み合わせゲームにおいても、はずれの組み合わせ(例えば[787])が導出され、全図柄停止コマンドの入力によってはずれが確定する(図11(f))。この状態で、1回目の図柄組み合わせゲームから開始された連続予告(連続回数が3回)が現実化しなかったことになる。
次に、予告パターンY3又は予告パターンY4に基づき連続予告が実行される態様を図12に基づき説明する。
保留記憶数が「3」の状態で行われている図柄組み合わせゲーム中に遊技球が新たに入賞(保留4ランプ26dの点灯に対応する入賞)すると、該入賞時にメインCPU27aは、メイン側予告処理(図7)を行う(図12(a))。メイン側予告処理において連続予告を実行させるための制御を指示することが決定されると、統括CPU31aは、予告コマンド(保留記憶数「4」を指示する)を入力し、サブ側予告処理を行う。サブ側予告処理において、統括CPU31aは、予告パターン振分テーブルL1から予告パターンY3を決定すると、RAM31cの記憶領域b1,b2,b3,b4に演出B、演出C、演出D、演出Eを設定する。
そして、1回目,2回目,3回目,4回目の図柄組み合わせゲーム(図12(b),(c),(d),(e))の開始直前に、各ゲームを開始させるための処理が行われ、統括CPU31aは、演出パターン指定コマンドを入力する。統括CPU31aは、演出パターン指定コマンドを入力する毎に、コマンド設定処理において、演出B、演出C、演出D、演出Eを指定する演出指定コマンドを順にRAM31cに設定し、出力する。その結果、1回目,2回目、3回目、4回目の図柄組み合わせゲームにおいて、演出B(画像Gb)→演出C(画像Gc)→演出D(画像Gd)→演出E(画像Ge)の順に4回の図柄組み合わせゲームを跨いで連続する連続予告が行われる。そして、可変表示器Hには、4回目(最終回)の図柄組み合わせゲームにおいて、大当りの組み合わせ(例えば[777])が導出され、全図柄停止コマンドの入力によって大当りが確定する(図12(f))。この状態で、1回目の図柄組み合わせゲームから開始された連続予告(連続回数が4回)が現実化したことになる。
一方で、図12(a)において、メイン側予告処理で連続予告を実行させるための制御を指示しないことが決定されると、統括CPU31aには予告コマンドが出力されず、保留4指定コマンドのみが出力される。そして、保留4指定コマンドを入力した統括CPU31aが、サブ側予告処理で予告パターン振分テーブルL2から予告パターンY3を決定すると、RAM31cの記憶領域b1,b2,b3,b4に演出B、演出C、演出D、演出Eを設定する。その結果、1回目,2回目、3回目、4回目の図柄組み合わせゲームにおいて、演出B(画像Gb)→演出C(画像Gc)→演出D(画像Gd)→演出E(画像Ge)の順に4回の図柄組み合わせゲームを跨いで連続する連続予告が行われる。この場合、可変表示器Hには、4回目(最終回)の図柄組み合わせゲームにおいても、はずれの組み合わせ(例えば[787])が導出され、全図柄停止コマンドの入力によってはずれが確定する(図12(g))。この状態で、1回目の図柄組み合わせゲームから開始された連続予告(連続回数が4回)が現実化しなかったことになる。
また、図12(a)において、予告コマンド(保留記憶数「4」を指示する)を入力した統括CPU31aが、サブ側予告処理で予告パターン振分テーブルL1から予告パターンY4を決定すると、RAM31cの記憶領域b1,b2,b3,b4に演出B、演出C、演出D、演出Fを設定する。そして、統括CPU31aは、演出パターン指定コマンドを入力する毎に、コマンド設定処理において、演出B、演出C、演出D、演出Fを指定する演出指定コマンドを順にRAM31cに設定し、出力する。その結果、1回目,2回目、3回目、4回目の図柄組み合わせゲーム(図12(b),(c),(d),(h))において、演出B(画像Gb)→演出C(画像Gc)→演出D(画像Gd)→演出F(画像Gf)の順に4回の図柄組み合わせゲームを跨いで連続する連続予告が行われる。そして、可変表示器Hには、4回目(最終回)の図柄組み合わせゲームにおいて、大当りの組み合わせ(例えば[777])が導出され、全図柄停止コマンドの入力によって大当りが確定する(図12(f))。この状態で、1回目の図柄組み合わせゲームから開始された連続予告(連続回数が4回)が現実化したことになる。なお、予告パターンY4に基づき実行される連続予告は、大当りの場合の予告パターン振分テーブルL1に対してのみに振分けられていることから、演出F(図12(h))の時点で遊技者は大当りが確定することを認識できる。
従って、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)統括制御基板31は、入賞検知時に、連続予告を実行するか否かを判定し、連続予告の予告パターンを決定するようにした。そのため、図柄組み合わせゲームの開始直前に行われる前記ゲームを開始させるための処理(大当り判定、停止図柄の決定、演出パターンの決定)とは異なる時期に連続予告を実行させるための処理を行うことができる。従って、図柄組み合わせゲーム及び連続予告に関する処理が、一時(図柄組み合わせゲームの開始直前)に集中して制御負担が増加することを抑制できる。
(2)また、統括制御基板31は、決定した予告パターンに関連付けて連続予告を実行するか否かを判定している。そのため、例えば、連続予告を実行するか否かの判定と予告パターンの決定を別々に乱数などを用いて判定(決定)する場合に比して、連続予告を実行させるための処理を簡素化することができる。
(3)また、主制御基板27は、入賞検知時に、連続予告を実行させるための制御を指示するか否かの判定(メイン側可否判定)を行い、該判定結果に応じて予告コマンドを統括制御基板31に出力するようにした。そのため、メインCPU27aは、図柄組み合わせゲームを開始させるための処理とは異なる時期に連続予告を実行させるための処理を行うことができる。従って、図柄組み合わせゲーム及び連続予告に関する処理が、一時(前記図柄組み合わせゲームの開始直前)に集中し、主制御基板27(メインCPU27a)の制御負担が増加することを抑制できる。
(4)主制御基板27は、大当り乱数の値と予告判定値(大当り判定値と同値に設定されたもの)を比較してメイン側可否判定を行うようにした。そのため、主制御基板27では、大当りになる場合の連続予告の実行可否を判定し、予告が現実化されない連続予告(ガセ連続予告)の実行可否を判定しない。そして、保留指定コマンドの入力に基づき、統括制御基板31が、はずれになる場合の連続予告を実行するか否かを判定するようにした。従って、主制御基板27における連続予告を実行させるための処理が簡素化され、主制御基板27(メインCPU27a)に負担を強いることなく、大当りになる場合の連続予告とはずれになる場合の連続予告(ガセ連続予告)を実行することができる。
(5)RAM27cに記憶されている保留記憶数と同数を連続予告の連続回数として設定するようにした。そのため、連続回数に応じた回数分の図柄組み合わせゲームを跨いで連続予告を実行させることができる。従って、連続予告が途中で途切れることなく、確実に連続させることができる。また、大当りになる場合の連続予告においては、該連続予告が終了する最終回の図柄組み合わせゲームにおいて大当り演出を行わせることができる。そのため、連続予告と大当り演出が行われる図柄組み合わせゲームとの関連付けを明確にすることができ、遊技者に理解し易い遊技演出を提供することができる。
(6)統括制御基板31は、保留指定コマンドの入力を契機に連続予告(ガセ連続予告)を実行するか否かの判定を行うようにした。前記保留指定コマンドは、メインCPU27aが出力する既存の制御コマンドであって、該既存の制御コマンドを利用して、統括制御基板31は前記判定を行っている。そのため、統括制御基板31が前記判定を行うように構成した場合であっても、主制御基板27に設計変更が生じることがなく、従来と同様の構成の主制御基板27を採用することができる。さらに、主制御基板27は、統括制御基板31が前記判定を行うための契機となる専用の制御コマンドを出力する必要がないので、主制御基板27に対して過度の負担を強いることを抑制できる。また、保留指定コマンドは、保留記憶数に対応付けられているため、統括制御基板31は、保留指定コマンドに基づき、連続予告の連続回数を設定することができる。
(7)統括制御基板31は、予告コマンドを入力した際に、連続予告を実行するか否かをさらに判定するように構成した。そのため、最終的に大当りの組み合わせが停止する場合であっても、連続予告が実行される場合と実行されない場合を作り出すことができる。また、この判定において統括制御基板31は、予告乱数を用いている。そのため、連続予告を実行する場合と実行しない場合をランダムに選択できる。
(8)予告パターンY1〜Y4は、前記保留記憶数と対応付けて予告パターン振分テーブルL1,L2に振分けた。そのため、前記保留記憶数に応じて、異なる予告パターンで連続予告を実行させることができる。従って、連続予告のバリエーションが増加し、より一層の興趣の向上を図ることができる。
(9)予告パターンY1〜Y4を、大当りの場合の予告パターン振分テーブルL1とはずれの場合の予告パターン振分テーブルL2に振分けた。そして、統括制御基板31は、大当り(予告コマンドの入力)又ははずれ(保留指定コマンドの入力)に応じて何れかの予告パターン振分テーブルL1,L2を選択し、予告パターンを決定するようにした。そのため、大当りの場合に出現しやすい予告パターンやはずれの場合に出現しやすい予告パターンを設けることができる。従って、連続予告の演出内容に応じて、遊技者に大当りになる可能性が高いのか又は低いのかを認識させることができ、より一層の興趣の向上を図ることができる。
(10)予告パターンY3,Y4は、前記保留記憶数が所定数(本実施形態では保留記憶数の上限値となる「4」)の場合に、統括制御基板31が選択可能となるように予告パターン振分テーブルL1,L2に振分けた。そのため、これらの予告パターンY3,Y4による連続予告が出現する期待感を遊技者に持たせることができる。そして、予告パターンY3,Y4は、連続予告の連続回数が最も多くなる場合に選択可能となるため、これらの連続予告の出現によって遊技者の期待感を高めさせることができる。また、連続予告の演出内容がストーリーを有している場合には、統括制御基板31が予告パターンY3,Y4を選択するための条件となり、この条件を満たすように予告パターンY3,Y4を振分けることで前記ストーリーに沿った連続予告を確実に実行させることができる。
(11)予告パターンY3,Y4は、複数回(本実施形態では4)の図柄組み合わせゲームを跨いで一連のストーリーが完結する演出内容で構成した。そのため、遊技者は、連続予告の開始から、ストーリーが発展(展開)していく過程を楽しむことができる。また、ストーリーの展開を見ることにより、連続予告が何回の図柄組み合わせゲームを跨いで行われるのかを想定することもできる。従って、より一層興趣の向上を図ることができる。そして、ストーリー性を有する連続予告を実行する場合に、前記保留記憶数を連続予告の連続回数として設定することで、ストーリーが完結する前に保留中の図柄組み合わせゲームがなくなることを抑制し、ストーリーが確実に完結する連続予告を実行することができる。
(12)予告パターンY3と予告パターンY4は、最終回(4回目)の連続予告の演出(演出E又は演出F)が異なるように構成した。そのため、遊技者は、連続予告の開始後、最終回の演出が行われる迄の間、連続予告の演出がどのように展開されるのかが分からないため、その間、遊技者の期待感を高揚させる又は煽ることができる。そして、本実施形態では、予告パターンY4を大当りの場合の予告パターン振分テーブルL1のみに振分けている。そのため、連続予告が最終回の演出になった時点で、遊技者に大当りになることを認識させることができる。従って、より一層の興趣の向上を図ることができる。
(13)統括制御基板31は、連続予告が継続実行中でない場合に、予告パターンを決定し、連続予告の演出をRAM31cに設定するようにした。そのため、継続実行中の連続予告が途中で途切れることを抑制できる。従って、前記保留記憶数に応じて設定した連続予告を最後まで確実に実行することができる。また、途中で連続予告の演出内容が代わってしまうことを抑制できる。
(14)統括制御基板31は、連続予告の実行を決定した場合、連続予告の連続回数に応じて、RAM31cの設定領域b1〜b4に連続予告の演出を設定するようにした。この設定により、連続予告の演出は、前記連続回数に応じた回数分の図柄組み合わせゲーム毎に対応付けられることになる。そのため、各図柄組み合わせゲームでは、連続予告の演出内容に応じて行うべき演出を確実に行うことができる。特に、ストーリー性を有する連続予告の演出内容では、予め定めた順序に従って予め定めた回数分の演出を確実に行うことができる。また、事前に、図柄組み合わせゲーム毎に演出を対応付けることで、前記連続回数よりも少ない回数や多い回数で連続予告が実行されることを抑制できる。
(15)統括制御基板31を設け、該統括制御基板31では、複数種類の予告パターンY1〜Y4を振分けた。そのため、主制御基板27が管理する(ROM27bに記憶する)演出パターンの数を増加させることなく、連続演出の演出内容を多様化することができる。前記連続予告は、遊技者に大当りになる可能性を事前に告げるための演出であり、遊技者は図柄組み合わせゲームの開始に伴って連続予告が実行されるか否かや、どのような内容の連続予告が実行されるのかに関心を持っている。従って、統括制御基板31を設け、連続予告の演出内容を多様化することで、より一層興趣の向上を図ることができる。また、統括制御基板31は、1つの予告パターンを決定し、各制御基板28〜30に対して同一の演出指定コマンドを出力するように構成した。そのため、各制御基板28〜30は、同じ演出に対応する予告実行データに基づき、連続予告の演出の制御を実行できる。従って、連続予告の演出における表示演出の内容、発光演出の内容、音声演出の内容が関連付けられて(同調し合って)行われ、連続予告の演出全体に統一性(統一感)を持たせることができる。
なお、前記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態では、RAM31cに連続予告の演出が設定された後、演出パターン指定コマンドで指定された演出パターンに基づく図柄組み合わせゲームから連続予告を開始させるように構成されているが、次のように変更しても良い。
即ち、統括CPU31aは、RAM31cに連続予告の演出を設定した直後に、演出指定コマンドを各サブCPU28a〜30aに出力し、各サブCPU28a〜30aが予告実行データに基づき制御を開始する。その結果、遊技球の入賞時に行われている図柄組み合わせゲームから連続予告が開始する。このように構成すれば、入賞と略同時に連続予告が開始するため、遊技者は、その時点における保留中の図柄組み合わせゲームの回数から大当りになる可能性が高い図柄組み合わせゲームを想定(特定)することができる。また、入賞と略同時に連続予告が突然開始するため、遊技者に驚きを与え、よりインパクトの強い連続予告を提供することができる。そして、この構成は、連続予告を実行させるための処理を、前記実施形態のように入賞検知時に行うことにより実現可能となる。
・前記実施形態において、統括CPU31aが、予告パターンを決定し、RAM31cに連続予告の演出を設定した直後に、決定した予告パターンに基づき実行される連続予告の演出内容を連想可能な演出の実行を指示するようにしても良い。前記連続予告の演出内容を連想可能な演出としては、例えば、予告パターンY3の場合には打者が一塁ベースを駆け抜ける画像を可変表示器Hに表示したり、予告パターンY4の場合には打者がホームインする画像を可変表示器Hに表示すれば良い。なお、前記連続予告の演出内容を連想可能な演出は、表示演出、発光演出及び音声演出の何れで行っても良く、前記演出を行う装置が予告手段となる。このように構成すれば、入賞と略同時に連続予告が実行されることを予告することができ、該予告の時点で遊技者に連続予告の演出内容を認識させることができる。また、入賞と略同時に前記予告が行われるため、遊技者に驚きを与え、前記予告の後に実行される連続予告に対する期待感を高めさせることができる。そして、この構成は、連続予告を実行させるための処理を、前記実施形態のように入賞検知時に行うことにより実現可能となる。
・前記実施形態において、予告パターンY3,Y4は、4回の図柄組み合わせゲームを跨いで一連のストーリーが完結する演出内容とされているが、例えば、3回の図柄組み合わせゲームを跨いで一連のストーリーが完結する演出内容となる予告パターンを設けても良い。この演出内容の予告パターンは、保留記憶数「3」に対応付けて予告パターン振分テーブルL1,L2に振分けられる。
・前記実施形態において、保留記憶数分の図柄組み合わせゲームにおいて、ストーリーを有することなく、異なる態様の演出(例えば、異なるキャラクタの画像を表示)を連続して行う演出内容となる予告パターンを設けても良い。
・前記実施形態では、保留記憶数が「4」の場合に、統括CPU31aが選択可能な予告パターンY3,Y4を予告パターン振分テーブルL1,L2に振分けているが、例えば、保留記憶数が「2」又は「3」の場合のみに統括CPU31aが選択可能な予告パターンを設けても良い。
・前記実施形態において、予告パターン振分テーブルL1,L2に振分ける予告パターンの数は、例えば、2種類、3種類、5種類、6種類など任意に変更しても良い。また、予告パターン振分テーブルL1,L2に振分けた予告パターンに対する予告乱数の値との対応付けや、保留記憶数との対応付けについても任意に変更しても良い。また、予告パターン振分テーブルL1には、大当りになる場合に統括CPU31aが選択可能な予告パターンとして1つの予告パターンY4を振分けているが、複数種類の予告パターンを振分けても良い。
・前記実施形態において、大当り乱数、予告乱数などの各種乱数が取り得る数値の範囲、各種判定値(大当り判定値、予告判定値)は任意に変更しても良い。前記予告判定値は、大当り判定値と同値となるように設定することを条件に、例えば、「7」のみ、「7,919」の2つというように、その設定個数は任意に変更しても良い。
・前記実施形態では、メインCPU27aが、大当り乱数の値と大当り判定値を比較して大当り判定を行うと共に、大当り乱数の値と予告判定値を比較してメイン側可否判定を行っているが、前記メイン側可否判定を次のように行っても良い。即ち、大当り判定値と予告判定値を別々に保有するのではなく、大当り判定値のみを用いて、前記大当り判定とメイン側可否判定を行うようにしても良い。この場合、メイン側可否判定は、連続予告の実行可否の判定を行うものであって、前記実施形態と同様に大当り判定とは異なる時期に行われる。
・前記実施形態では、液晶式の可変表示器Hを備えた表示装置21とされているが、他の種類の可変表示器を備えた表示装置21に変更しても良い。例えば、CRT(ブラウン管)式、プラズマディスプレイ式、ドットマトリクス式、7セグメントLED式、機械式(ドラム式又はベルト式)の表示装置でも良い。
・前記実施形態では、共通の保留指定コマンドが用いられているが、保留記憶数処理(図6)で出力される保留指定コマンドと図柄組み合わせゲームの開始で出力される保留指定コマンドを分けても良い。そして、統括CPU31aは、保留記憶数処理で出力された保留指定コマンドに基づき、連続予告を実行させるための処理を行う。
・前記実施形態においてメインCPU27aは、大当り乱数を用いて大当り判定とメイン側可否判定を行っているが、大当り乱数とは異なる実行判定用乱数(判定用乱数)を用いてメイン側可否判定を行っても良い。実行判定用乱数は、大当り乱数と同一の数値範囲内で同一の値を取り得るように所定の周期毎に順次更新される(即ち、同期して更新される)乱数とする。そして、メインCPU27aは、入賞検知を契機に、大当り乱数の値と実行判定用乱数の値をRAM27cから読み出し、該読み出した実行判定用乱数の値と予告判定値を比較してメイン側可否判定を行う。
・前記実施形態において、連続予告を実行する装置(予告手段)は任意に変更しても良い。例えば、保留球数表示器26などの入賞報知手段を、連続予告を実行する装置と兼用構成にしても良い。入賞報知手段で連続予告を実行する場合、保留記憶数(入賞報知)の報知態様(実施形態では点灯)とは異なる報知態様(例えば、点滅、異色での点灯)とすることにより、連続予告と入賞報知を差別化できる。また、可変表示器H、枠ランプ16、遊技盤ランプ17及びスピーカ18が単独で連続予告を実行するようにしても良い。また、連続予告専用のランプ、表示器などを設けても良い。
・前記実施形態において、統括制御基板31を省略し、各制御基板28〜30が主制御基板27から制御コマンドを入力して連続予告を実行させるための処理を行うようにしても良い。この場合、サブ制御手段は、各制御基板28〜30によって構成される。この構成で前記実施形態と同様に連続予告を実行させる場合には、各サブCPU28a〜30aに予告コマンド及び保留指定コマンドを入力し、予告決定手段として機能させる。また、この構成において、連続予告を、例えば、可変表示器Hの画像表示のみで行う場合には、可変表示器Hを制御する表示制御基板28のサブCPU28aを予告決定手段として機能させる。
・前記実施形態において、統括制御基板31を、表示制御基板28、ランプ制御基板29及び音声制御基板30のうち1つ又は2つの制御基板と兼用構成にしても良い。例えば、音声制御基板30が、前記実施形態で説明した統括制御基板31の役割を担い、主制御基板27が出力した制御コマンドに基づいて各制御基板28〜30を統括的に制御しても良い。このとき、CPU、ROM及びRAMを音声制御用と統括制御用に分けて別々に設けても良いし、兼用しても良い。
・前記実施形態において、統括CPU31aは、連続予告を実行するか否かの判定と予告パターンの決定を別々の乱数を用いて行うようにしても良い。具体的には、第1の乱数と判定値を用いて連続予告を実行するか否かを判定し、該判定結果が肯定の場合、第2の乱数を用いて予告パターン振分テーブルL1,L2の中から1つの予告パターンを決定する。
次に、前記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)入賞検知手段による遊技球の入賞検知を契機に始動保留球の記憶数を記憶可能な保留球数記憶手段と、前記入賞検知時に前記始動保留球の記憶数が前記保留球数記憶手段に記憶されると、複数回の図柄の変動演出を跨いで連続させる予告演出を実行するか否かを判定し、当該判定時点における前記始動保留球の記憶数に基づき前記予告演出の演出内容を特定可能な予告演出パターンを決定する予告決定手段とを備えた遊技機(以下、「技術的思想(イ)」と示す)。
(ロ)遊技機全体を制御するメイン制御手段と、前記メイン制御手段が出力した制御信号に基づき各種の制御を実行可能なサブ制御手段とを備えた遊技機において、前記メイン制御手段は、入賞検知手段による遊技球の入賞検知を契機に始動保留球の記憶数を記憶可能な保留球数記憶手段と、前記入賞検知時に前記始動保留球の記憶数が前記保留球数記憶手段に記憶されると、当該記憶時点における始動保留球の記憶数を指示する指示信号を前記サブ制御手段に出力可能な指示信号出力手段と、前記サブ制御手段は、前記指示信号を入力した時点で、複数回の図柄の変動演出を跨いで連続させる予告演出を実行するか否かを判定し、前記指示信号で指定された前記始動保留球の記憶数に基づき前記予告演出の演出内容を特定可能な予告演出パターンを決定する予告決定手段を備えた遊技機(以下、「技術的思想(ロ)」と示す)。
(ハ)前記始動保留球の記憶数に対応付けて振分けられた前記予告演出の演出内容が異なる複数種類の予告演出パターンを記憶するパターン記憶手段を備え、前記予告決定手段は、前記始動保留球の記憶数に基づき、当該始動保留球の記憶数に対応付けて振分けられた予告演出パターンの中から1の予告演出パターンを選択して決定するように構成された技術的思想(イ)又は技術的思想(ロ)に記載の遊技機(以下、「技術的思想(ハ)」と示す)。
(ニ)前記複数種類の予告演出パターンは、大当りの場合とはずれの場合にさらに分類されて前記パターン記憶手段に記憶されており、前記予告決定手段は、前記判定時点における前記始動保留球によって大当りの決定がなされる場合には前記始動保留球の記憶数に基づき、当該始動保留球の記憶数に対応付けて振分けられた大当りの場合の予告演出パターンの中から1の予告演出パターンを選択して決定し、前記始動保留球によってはずれの決定がなされる場合には前記始動保留球の記憶数に基づき、当該始動保留球の記憶数に対応付けて振分けられたはずれの場合の予告演出パターンの中から1の予告演出パターンを選択して決定するように構成された技術的思想(ハ)に記載の遊技機(以下、「技術的思想(ニ)」と示す)。
(ホ)前記予告決定手段は、前記判定時点における前記始動保留球の記憶数と同数を前記予告演出の連続回数とするように構成された技術的思想(イ)〜技術的思想(ニ)のうちいずれか一項に記載の遊技機(以下、「技術的思想(ホ)」と示す)。
(ヘ)前記複数種類の予告演出パターンは、前記始動保留球の記憶数が所定数の場合に前記予告決定手段が選択可能となるように振分けられた特定予告演出パターンを含んで構成されている技術的思想(イ)〜技術的思想(ホ)のうちいずれか一項に記載の遊技機(以下、「技術的思想(ヘ)」と示す)。
(ト)前記特定予告演出パターンは、前記始動保留球の記憶数が複数の場合に対応付けて振分けられており、前記特定予告演出パターンに基づく予告演出の演出内容は、前記予告演出において後に実行される演出の内容が直前に実行された演出の内容を発展させた内容となるように構成されている技術的思想(ヘ)に記載の遊技機(以下、「技術的思想(ト)」と示す)。
(チ)前記複数種類の予告演出パターンは、予告演出において最終回に実行される演出の内容のみが異なる複数の前記特定予告演出パターンを含んで構成されており、前記複数の特定予告演出パターンのうち、少なくとも1の特定予告演出パターンは、前記判定時点における前記始動保留球によって大当りの決定がなされる場合のみに前記パターン決定手段が選択可能となるように振分けられている技術的思想(ヘ)又は技術的思想(ト)に記載の遊技機。
(リ)前記予告決定手段は、前記予告演出パターンに基づく予告演出が継続実行中であるか否かをさらに判定し、継続実行中でない場合に前記始動保留球の記憶数に基づき予告演出パターンを決定するように構成された技術的思想(イ)〜技術的思想(ト)のうちいずれか一項に記載の遊技機。
(ヌ)前記予告決定手段は、決定した予告演出パターンに基づき、前記連続回数に応じた回数分の図柄の変動演出毎に対応付けて前記予告演出の演出内容を設定するように構成された技術的思想(ホ)に記載の遊技機。
(ル)前記予告決定手段は、前記予告演出パターンを決定した時点で、当該予告演出パターンに基づいた予告演出を予告手段に実行させるように構成された技術的思想(イ)〜技術的思想(ト)のうちいずれか一項に記載の遊技機。
(ヲ)前記予告決定手段は、前記予告演出パターンを決定した時点で、決定された予告演出パターンに基づき実行される予告演出の演出内容を連想可能な演出を予告手段に実行させるように構成された技術的思想(イ)〜技術的思想(ト)のうちいずれか一項に記載の遊技機。
(ワ)メイン制御手段は、入賞検知手段における遊技球の入賞検知を契機に判定用乱数の値を読み出す乱数読出手段と、前記乱数読出手段が読み出した判定用乱数の値を記憶手段に順次記憶する乱数記憶手段と、前記入賞検知に基づく図柄の変動演出の開始直前に、前記記憶手段に記憶されている前記判定用乱数の値と予め設定された判定値とを比較して大当りか否かを判定する大当り判定手段と、前記入賞検知時に前記判定用乱数の値が読み出されると、当該読み出された前記判定用乱数の値と前記判定値とを比較して大当りの場合の前記予告演出の実行可否を判定する予告判定手段とを備えており、前記指定信号出力手段は、前記始動保留球の記憶数を指示する保留球数信号を出力する保留球数信号出力手段と、前記予告判定手段の判定結果が肯定の場合に、前記始動保留球の記憶数を指示する予告信号を出力する予告信号出力手段とで構成されており、前記予告決定手段は、前記保留球数信号又は前記予告信号を入力した時点で前記予告演出を実行するか否かを判定し、当該判定時点において前記保留球数信号又は前記予告信号で指示された前記始動保留球の記憶数に基づき前記予告演出の演出内容を特定可能な予告演出パターンを決定するように構成された技術的思想(ロ)に記載の遊技機。
(カ)入賞検知手段による遊技球の入賞検知を契機に始動保留球の記憶数を記憶可能な保留球数記憶手段と、前記入賞検知を契機に判定用乱数の値を読み出す乱数読出手段と、前記入賞検知時に前記判定用乱数の値が読み出されると、複数回の図柄の変動演出を跨いで連続させる予告演出を実行するか否かを判定し、当該判定時点において前記保留球数記憶手段に記憶されている始動保留球の記憶数に基づき前記予告演出の演出内容を特定可能な予告演出パターンを決定する予告決定手段とを備えた遊技機。
(ヨ)遊技機全体を制御するメイン制御手段と、前記メイン制御手段が出力した制御信号に基づき各種の制御を実行可能なサブ制御手段とを備えた遊技機において、前記メイン制御手段は、入賞検知手段による遊技球の入賞検知を契機に始動保留球の記憶数を記憶可能な保留球数記憶手段と、前記入賞検知を契機に判定用乱数の値を読み出す乱数読出手段と、前記入賞検知時に前記判定用乱数の値が読み出されると、当該読み出し時点における始動保留球の記憶数を指示する指示信号を前記サブ制御手段に出力可能な指示信号出力手段と、前記サブ制御手段は、前記指示信号を入力した時点で、複数回の図柄の変動演出を跨いで連続させる予告演出を実行するか否かを判定し、前記指示信号で指定された前記始動保留球の記憶数に基づき前記予告演出の演出内容を特定可能な予告演出パターンを決定する予告決定手段を備えた遊技機。