以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と示す)に具体化した一実施形態を図1〜図6に基づき説明する。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技機構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開放及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視保護するためのガラス枠を備えた前枠14と上球皿15が共に横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、点灯(点滅)又は消灯し、発光装飾に基づく発光演出(遊技演出)を行う枠ランプ(発光演出手段)16及び遊技盤ランプ(発光演出手段)17が設けられている。外枠11の下部(パチンコ機10の下部)には、各種音声を出力し、音声出力に基づく音声演出(遊技演出)を行うスピーカ(音声演出手段)18が配置されている。中枠12の下部には、下球皿19及び発射装置20が装着されている。
遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、液晶画面からなる可視表示部Hを備えた可変表示装置(表示演出手段)21が配設されている。可変表示装置21では、変動画像(又は画像表示)に基づく表示演出(遊技演出)が行われるようになっている。そして、可変表示装置21では、表示演出に関連して、複数種類の図柄を複数列で変動させて図柄組み合わせを導出する図柄組み合わせゲーム(図柄変動演出)が行われるようになっている。本実施形態では、図柄組み合わせゲームで3列の図柄による組み合わせを導出し、該組み合わせを構成する各列の図柄の種類を0,1,2,3,4,5,6,7の8種類の数字としている。
そして、遊技者は、可視表示部Hにおいて、最終的に停止(確定停止表示)した図柄組み合わせ(図柄組み合わせゲームで導出された表示結果)から大当り又ははずれを認識できる。可視表示部Hに停止した全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([111][777]など)から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが大当りの組み合わせとなる。大当りの組み合わせで停止した場合、遊技者には、大当り遊技状態(特別遊技状態)が付与される。また、可視表示部Hに停止した全列の図柄が異なる種類の場合又は1列の図柄がリーチを形成する図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([234][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせがはずれの組み合わせとなる。また、本実施形態では、遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に図柄が一旦停止(一旦停止表示)するようになっている。そして、一旦停止した左図柄と右図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動表示中を示す)からリーチを認識できる。
可変表示装置21の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動によって開閉動作を行う開閉羽根22を備えた始動入賞口23が配設されている。始動入賞口23の奥方には、入賞した遊技球を検知する始動口センサSE1(図2に示す)が設けられている。始動入賞口23は、遊技球の入賞検知を契機に、図柄組み合わせゲームの始動条件を付与し得る。また、始動入賞口23の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動によって開閉動作を行う大入賞口扉24aを備えた大入賞口24が配設されている。大入賞口24は、図柄組み合わせゲームによって導出され、最終的に停止した図柄組み合わせが大当りの組み合わせになったことに関連して大入賞口扉24aが開閉動作し、開放又は閉鎖されるようになっている。大当り遊技状態が付与されると、大入賞口扉24aの開閉動作によって大入賞口24が開放されて遊技球が入賞可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得ることができる。
また、始動入賞口23の左右両側方には、始動入賞ゲート25が配設されている。始動入賞ゲート25には、当該始動入賞ゲート25を通過した遊技球を検知するゲートセンサSE2(図2に示す)が設けられている。そして、パチンコ機10では、始動入賞ゲート25を通過した(始動入賞ゲート25に入った)遊技球がゲートセンサSE2で検知されたことを契機に、始動入賞口23に遊技球を入り易くするか否かの抽選(当りの抽選)が行われるようになっている。始動入賞口23は、当りの抽選で当選したことに関連して開閉羽根22が開閉動作し、開放又は閉鎖されるようになっている。開閉羽根22の開動作によって始動入賞口23が開放されると、始動入賞口23の入り口が拡大され、遊技球が入賞し易い状態となる。一方で、開閉羽根22の閉動作によって始動入賞口23が閉鎖されると、始動入賞口23の入り口が縮小され、遊技球が入賞し難い状態となる。
次に、パチンコ機10の制御構成について図2に基づき説明する。
パチンコ機10の機裏側には、遊技機全体を制御するメイン制御手段としての主制御基板26が装着されている。主制御基板26は、遊技機全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて各種の制御コマンドを所定の制御信号として出力する。また、機裏側には、可変表示装置21を制御する表示制御基板27、枠ランプ16及び遊技盤ランプ17を制御するランプ制御基板28、及びスピーカ18を制御する音声制御基板29が装着されている。そして、各制御基板27〜29は、主制御基板26が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)を制御する。本実施形態では、表示制御基板27、ランプ制御基板28及び音声制御基板29によってサブ制御手段(図2に破線で囲む)を構成している。また、機裏側には、遊技場の電源AC(例えば、AC24V)が供給される図示しない電源基板が装着されており、各制御基板26〜29には、電源基板を介して所定の電源電圧が供給されるようになっている。また、電源基板は、電源投入時、電源投入コマンド(リセット信号)を各制御基板26〜29に出力するようになっている。
以下、主制御基板26、及び表示制御基板27の具体的な構成を説明する。
主制御基板26は、メインCPU26aを備えており、該メインCPU26aにはROM26b及びRAM26cが接続されている。メインCPU26aは、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、リーチ判定用乱数、はずれ左図柄用乱数、はずれ中図柄用乱数、はずれ右図柄用乱数、及び当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に順次更新し、更新後の値をRAM26cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。ROM26bには、パチンコ機10を制御するための制御プログラムや複数種類の演出パターンが記憶されている。RAM26cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報(乱数の値など)が記憶(設定)されるようになっている。
演出パターンは、図柄が変動を開始(図柄組み合わせゲームの開始)してから全列の図柄が停止(図柄組み合わせゲームが終了)する迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。演出パターンには、該演出パターン毎に遊技演出の演出時間が定められており、少なくとも遊技演出の演出時間が特定可能とされている。ROM26bには、図3に示すように3種類の演出パターンP1,P2,P3が記憶されており、これらの演出パターンP1〜P3は、大当り演出用、はずれリーチ演出用、はずれ演出用に分類されている。本実施形態では、大当り演出用の演出パターンとして演出パターンP1が、はずれリーチ演出用の演出パターンとして演出パターンP2が、はずれ演出用の演出パターンとして演出パターンP3が振分けられている。
前記大当り演出は、図柄組み合わせゲームが、大当りの組み合わせで停止するように展開される演出である。本実施形態の大当り演出用の演出パターンでは、リーチ演出が行われるようになっている。前記はずれリーチ演出は、図柄組み合わせゲームが、リーチ演出を経て、はずれの組み合わせで停止するように展開される演出である。前記はずれ演出は、図柄組み合わせゲームが、リーチ演出を経ることなく、はずれの組み合わせで停止するように展開される演出である。リーチ演出は、リーチの組み合わせが形成されてから、大当りの組み合わせ又ははずれの組み合わせで停止又は一旦停止する迄の間に行なわれる演出である。
次に、メインCPU26aが実行する各種処理(保留記憶数の判定、大当り判定、リーチ判定、停止図柄の決定及び演出パターンの決定など)を説明する。
メインCPU26aは、遊技球の入賞検知を契機(始動口センサSE1からの検知信号の入力を契機)に、RAM26cに記憶されている始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」と示す)が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定(保留記憶数の判定)する。保留記憶数が上限数未満(保留記憶数<4)の場合、メインCPU26aは、RAM26cに記憶されている保留記憶数を1加算し、保留記憶数を書き換える。さらに、メインCPU26aは、大当り判定用乱数の値及び大当り図柄用乱数の値をRAM26cから読み出し、その値をRAM26cの所定の格納領域に格納(記憶)する。なお、保留記憶数が上限数に達していた場合(保留記憶数=4の場合)、上限数を超える保留記憶数の書き換えを行わないと共に、大当り判定用乱数の値及び大当り図柄用乱数の値をRAM26cから読み出さない。保留記憶数は、始動入賞口23へ遊技球が入賞すると1加算され、図柄組み合わせゲームが開始すると1減算され、図柄組み合わせゲーム中に始動入賞口23へ遊技球が入賞すると保留記憶数はさらに加算されて所定の上限数(本実施形態では4)まで累積される。本実施形態では、RAM26cが、入賞検知手段(始動入賞口23と始動口センサSE1)による遊技球の入賞検知を契機に始動保留球の記憶数を記憶可能な保留球数記憶手段となる。
そして、メインCPU26aは、前記入賞検知に基づく図柄組み合わせゲームの開始直前に、RAM26cに格納されている前記大当り判定用乱数の値とROM26bに記憶されている大当り判定値とを比較して大当り判定を行う。大当り判定の結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値が一致)の場合、メインCPU26aは、大当りを決定する。前記大当り判定値は、大当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。本実施形態では、大当り判定用乱数の取り得る数値を0〜946(全947通りの整数)と定める一方で、大当り判定値を「7,349,919」の3個の値と定めている。3個の大当り判定値を用いる場合、大当りの抽選確率は947分の3(=315.7分の1)となる。本実施形態では、メインCPU26aが、大当り判定手段として機能する。
大当りの決定がなされると、メインCPU26aは、RAM26cに格納されている大当り図柄用乱数の値から可視表示部Hに最終的に停止させる図柄(停止図柄左、中、右)を決定する。具体的には、前記大当り図柄用乱数の値を停止図柄左、停止図柄中及び停止図柄右(各停止図柄は同一種類)とする。この決定した停止図柄左、停止図柄中、停止図柄右が、可視表示部Hにおいて左図柄、中図柄、右図柄として最終的に導出される。また、メインCPU26aは、大当り演出用の演出パターンP1を決定する。
また、大当り判定の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値が不一致)の場合、メインCPU26aは、RAM26cから読み出したリーチ判定用乱数の値とROM26bに記憶されているリーチ判定値とを比較してリーチ判定(はずれリーチ演出を行うか否かの判定)を行う。リーチ判定の結果が肯定(リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値が一致)の場合、メインCPU26aは、リーチありのはずれを決定する。そして、メインCPU26aは、RAM26cから読み出したはずれ左図柄用乱数の値とはずれ中図柄用乱数の値から停止図柄を決定する。具体的には、前記はずれ左図柄用乱数の値を停止図柄左及び停止図柄右(停止図柄左,右は同一種類)とし、前記はずれ中図柄用乱数の値を停止図柄中とする。このとき、メインCPU26aは、前記はずれ左図柄用乱数の値とはずれ中図柄用乱数の値が一致していた場合、停止図柄左と停止図柄中が一致しないように停止図柄中を決定する。また、メインCPU26aは、はずれリーチ演出用の演出パターンP2を決定する。本実施形態では、メインCPU26aが、リーチ判定手段として機能する。
また、リーチ判定の判定結果が否定(リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値が不一致)の場合、メインCPU26aは、リーチなしのはずれを決定する。そして、メインCPU26aは、RAM26cから読み出したはずれ左図柄用乱数の値、はずれ中図柄用乱数の値、及びはずれ右図柄用乱数の値から停止図柄を決定する。具体的には、前記はずれ左図柄用乱数の値を停止図柄左とし、前記はずれ中図柄用乱数の値を停止図柄中とし、前記はずれ右図柄用乱数の値を停止図柄右とする。このとき、メインCPU26aは、前記はずれ左図柄用乱数の値とはずれ右図柄用乱数の値が一致していた場合、停止図柄左と停止図柄右が一致しないように停止図柄右を決定する。また、メインCPU26aは、はずれ演出用の演出パターンP3を決定する。
前記停止図柄及び演出パターンを決定したメインCPU26aは、所定の制御コマンドを所定のタイミングで表示制御基板27のサブCPU27aに出力する。メインCPU26aは、最初に、演出パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する演出パターン指定コマンドを出力する。次に、メインCPU26aは、停止図柄左を指定する左図柄指定コマンド、停止図柄中を指定する中図柄指定コマンド及び停止図柄右を指定する右図柄指定コマンドを出力する。その後に、メインCPU26aは、指定した演出パターンに定められている演出時間の経過時に、各列の図柄の停止を指示する全図柄停止コマンドを出力する。なお、メインCPU26aは、演出パターン指定コマンドをランプ制御基板28及び音声制御基板29にも出力する。
また、メインCPU26aは、始動入賞ゲート25に遊技球が通過して検知されたことを契機に(ゲートセンサSE2からの検知信号の入力を契機に)、当りの抽選を行う。当りの抽選は、検知信号の入力を契機にRAM26cから読み出された当り判定用乱数の値とROM27bに記憶されている当り判定値を比較して行う。メインCPU26aは、当り判定用乱数の値と当り判定値が一致する場合には当りを決定し、一致しない場合にははずれを決定する。本実施形態では、当り判定用乱数の取り得る数値を0〜22(全23通りの整数)と定める一方で、当り判定値を「3〜22」の20個の値と定めている。20個の当り判定値を用いる場合、当りの抽選確率は23分の20となる。
次に、表示制御基板27について説明する。
表示制御基板27は、サブCPU27aを備えており、該サブCPU27aにはROM27b及びRAM27cが接続されている。ROM27bには、複数種類の表示演出用の演出実行データが記憶されている。演出実行データは、指定された演出パターンに基づく表示演出が行われるように可視表示部Hの表示態様(図柄の変動、可視表示部Hの背景)を制御するための情報である。また、ROM27bには、各種の画像情報(図柄、背景、文字、登場キャラクタなどの画像情報)が記憶されている。RAM27cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる情報が記憶(設定)されるようになっている。
また、本実施形態のパチンコ機10は、図柄組み合わせゲーム中に、大当り予告が表示演出にて行われるようになっている。大当り予告は、大当りとなる可能性があることを予め遊技者に告げるための演出(当否の可能性を示唆する演出)である。本実施形態では、可変表示装置21(可視表示部H)にキャラクタKa、キャラクタKb、又はキャラクタKcを登場(表示)させて大当り予告を行うようになっており、大当り予告の演出内容が3種類用意されている。
また、本実施形態のパチンコ機10には、異なる演出態様で遊技演出を行わせることが可能な複数(本実施形態では2種類)の演出モードが設けられている。本実施形態では、通常演出モードとしての演出モード1と特別演出モードとしての演出モード2が設けられている。以下、演出モード1の場合の遊技状態を「通常遊技」と示し、演出モード2の場合の遊技状態を「チャンスタイム」と示す。チャンスタイムでは、前述した3種類の大当り予告のうち、キャラクタKaが登場する大当り予告が行われると、その大当り予告を伴う図柄組み合わせゲームが必ず大当りとなるようになっている。
そして、サブCPU27aは、大当り演出用の演出パターンP1又ははずれリーチ演出用の演出パターンP2が指定されると、RAM27cに記憶されている予告パターン振分テーブルL1(図4(a))又は予告パターン振分テーブルL2(図4(b))に基づき予告パターン選択処理を行う。予告パターン選択処理にてサブCPU27aは、予告パターンを選択する。予告パターン振分テーブルL1は、演出モード1の場合にサブCPU27aが予告パターン選択処理で参照するテーブルとされ、予告パターン振分テーブルL2は、演出モード2の場合にサブCPU27aが予告パターン選択処理で参照するテーブルとされている。
前記各テーブルL1,L2には、前述した3種類の大当り予告の具体的な演出内容を特定するための3種類の予告パターンYA,YB,YCが振分けられている。本実施形態では、予告パターンYAによってキャラクタKaが登場する大当り予告の演出内容が、予告パターンYBによってキャラクタKbが登場する大当り予告の演出内容が、予告パターンYCによってキャラクタKcが登場する大当り予告の演出内容が特定されるようになっている。また、ROM27bには、予告パターンYA,YB,YCに基づく大当り予告が行われるように可視表示部Hの表示態様を制御するための情報となる予告実行データが予告パターンYA,YB,YC毎に対応付けて記憶されている。
予告パターン振分テーブルL1では、図4(a)に示すように、大当り演出用の演出パターンP1に対して3種類の予告パターンYA,YB,YCが対応付けられ、はずれリーチ演出用の演出パターンP2に対して3種類の予告パターンYA,YB,YCが対応付けられている。そして、各予告パターンYA,YB,YCには、予告パターン振分乱数の取り得る数値(0〜99までの全100通りの整数)が所定個数ずつ振分けられている。具体的に言えば、予告パターン振分テーブルL1では、演出パターンP1に対応付けられた予告パターンYAに予告パターン振分乱数の値「0」〜「79」が、予告パターンYBに予告パターン振分乱数の値「80」〜「94」が、予告パターンYCに予告パターン振分乱数の値「95」〜「99」が振分けられている。また、予告パターン振分テーブルL1では、演出パターンP2に対応付けられた予告パターンYAに予告パターン振分乱数の値「0」〜「4」が、予告パターンYBに予告パターン振分乱数の値「5」〜「49」が、予告パターンYCに予告パターン振分乱数の値「50」〜「99」が振分けられている。予告パターン振分乱数は、サブCPU27aによって所定の周期毎に順次更新される乱数であり、サブCPU27aは、更新後の値をRAM27cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。
予告パターン振分テーブルL2では、図4(b)に示すように、大当り演出用の演出パターンP1に対して3種類の予告パターンYA,YB,YCが対応付けられている一方で、はずれリーチ演出用の演出パターンP2に対しては2種類の予告パターンYB,YCのみが対応付けられている。即ち、予告パターン振分テーブルL2では、演出パターンP2に予告パターンYAが対応付けられていない。そして、各予告パターンYA,YB,YCには、予告パターン振分乱数の取り得る数値(0〜99までの全100通りの整数)が所定個数ずつ振分けられている。具体的に言えば、予告パターン振分テーブルL2では、演出パターンP1に対応付けられた予告パターンYAに予告パターン振分乱数の値「0」〜「79」が、予告パターンYBに予告パターン振分乱数の値「80」〜「94」が、予告パターンYCに予告パターン振分乱数の値「95」〜「99」が振分けられている。なお、演出パターンP1については、予告パターン振分テーブルL1と同様に予告パターン振分乱数の値が各予告パターンYA〜YCに振分けられている。一方で、予告パターン振分テーブルL2では、演出パターンP2に対応付けられた予告パターンYBに予告パターン振分乱数の値「0」〜「49」が、予告パターンYCに予告パターン振分乱数の値「50」〜「99」が振分けられている。
前述のように各テーブルL1,L2を構成することにより、通常遊技では、各予告パターンYA〜YCに基づく大当り予告が、大当り演出となる図柄組み合わせゲームとはずれリーチ演出となる図柄組み合わせゲームの何れでも行われることになる。一方で、チャンスタイムでは、予告パターンYB,YCに基づく大当り予告が、大当り演出となる図柄組み合わせゲームとはずれリーチ演出となる図柄組み合わせゲームの何れでも行われることになるが、予告パターンYAに基づく大当り予告は大当り演出となる図柄組み合わせゲームのみで行われることになる。即ち、チャンスタイムでは、はずれリーチ演出の場合に予告パターン振分テーブルL2から予告パターンYAが選択されず、予告パターンYAに基づく大当り予告が行われないため、はずれリーチ演出の場合における予告パターンYAに基づく大当り予告の出現率が0(零)%になっている。そのため、チャンスタイムでは、予告パターンYAに基づく大当り予告を伴って図柄組み合わせゲームが行われると、当該ゲームは必ず大当りとなる。従って、チャンスタイムは、予告パターンYAに基づく大当り予告が大当り演出となる図柄組み合わせゲームの場合のみに出現することから、大当り予告の出現率が通常遊技と異なっている。
そして、サブCPU27aは、演出パターン指定コマンドを入力すると、指定された演出パターンに対応する演出実行データをROM27bから読み出し、該演出実行データに基づき可視表示部Hの表示内容を制御する。この制御により、可視表示部Hでは、表示演出が行われる。このとき、サブCPU27aは、通常遊技中に演出パターンP1又は演出パターンP2を指定する演出パターン指定コマンドを入力した場合、RAM27cから予告パターン振分乱数の値を抽出し、予告パターン振分テーブルL1より予告パターンを選択する(予告パターン選択処理)。一方、サブCPU27aは、チャンスタイム中に演出パターンP1又は演出パターンP2を指定する演出パターン指定コマンドを入力した場合、RAM27cから予告パターン振分乱数の値を抽出し、予告パターン振分テーブルL2より予告パターンを選択する(予告パターン選択処理)。そして、サブCPU27aは、選択した予告パターンに対応する予告実行データをROM27bから読み出し、該予告実行データに基づき可視表示部Hの表示内容を制御する。この制御により、可視表示部Hでは、大当り予告が行われる。
また、サブCPU27aは、所定の開始条件の成立を契機に演出モードを演出モード1から演出モード2に切り替え、チャンスタイムを開始させると共に、所定の終了条件の成立を契機に演出モードを演出モード2から演出モード1に切り替え、チャンスタイムを終了させるようになっている。本実施形態においてサブCPU27aは、電源投入時、大当り遊技状態が付与される時、リーチ演出(はずれリーチ演出)が行われる時、又は予告パターンYAに基づく大当り予告を伴う図柄組み合わせゲームが行われる時にチャンスタイムを開始させるか否かの開始抽選を行うようになっている。開始抽選に当選(開始条件の成立)すると、サブCPU27aは、チャンスタイムを開始させるようになっている。
また、チャンスタイムには、図柄組み合わせゲームの回数を示す基本ゲーム数(所定回数)が予め定められている。本実施形態では、基本ゲーム数を「20回」とし、保留記憶数の上限数(本実施形態では4)を超える回数に定められている。そして、サブCPU27aは、チャンスタイムが開始し、基本ゲーム数分の図柄組み合わせゲームが行われた後、チャンスタイムを終了させるか否かの終了抽選を行うようになっている。本実施形態においてサブCPU27aは、チャンスタイム中に大当り遊技状態が付与される時、又はチャンスタイム中にリーチ演出(はずれリーチ演出)が行われる時に終了抽選を行うようになっている。終了抽選に当選(終了条件の成立)すると、サブCPU27aは、チャンスタイムを終了させるようになっている。なお、基本ゲーム数に達する前に大当り遊技状態が付与される時にも終了抽選は行われるようになっている。本実施形態では、サブCPU27aが、モード切替手段として機能する。
本実施形態のチャンスタイムは、基本ゲーム数に達する前に大当り遊技状態が付与されない限り、少なくとも20回の図柄組み合わせゲームが行われる迄の間、継続され、その後に、大当り遊技状態が付与される又ははずれリーチ演出が行われる迄の間、さらに継続されることになる。従って、チャンスタイムの終了が、大当り遊技状態が付与されること又はリーチ演出が付与されることと関連付けられることになる。そして、チャンスタイムは、基本ゲーム数を超えて継続した場合、終了抽選に当選する迄の間、継続することになるため、終了タイミングが一義的に決定されず、チャンスタイムが開始する毎(又はパチンコ機10毎)に異なることになる。チャンスタイムと通常遊技では、大当りの抽選確率と当りの抽選確率が変動せずに、同一の抽選確率で抽選が行われるようになっている。
以下、サブCPU27aが、開始抽選及び終了抽選を行うためのチャンスタイム開始又は終了処理について図5に示すフローチャートに基づき詳しく説明する。チャンスタイム開始又は終了処理は、予告パターン選択処理の後に行われる。
まず、サブCPU27aは、電源投入時であるか否かを判定する(ステップS10)。この判定は、電源基板が出力する電源投入コマンド(リセット信号)を入力したか否かに基づいて行われる。ステップS10の判定結果が肯定(電源投入時)の場合、サブCPU27aは、開始抽選を行う(ステップS11)。ステップS11の開始抽選は、当選割合を20分の4としている。ステップS11の開始抽選で当選すると、サブCPU27aは、RAM27cの所定領域に格納されるチャンスタイムフラグKの値に「1」を設定する。この場合、電源投入時の開始抽選に当選したことから、電源投入後、最初の図柄組み合わせゲームの開始と共にチャンスタイムが開始することになる。チャンスタイムフラグKは、チャンスタイム中であることを示すフラグであり、チャンスタイム中の場合に「1」が設定され、チャンスタイム中でない場合に「0」が設定される。
ステップS10の判定結果が否定の場合、サブCPU27aは、演出パターン指定コマンドを入力しているか否かを判定する(ステップS12)。この判定結果が否定の場合、サブCPU27aは、チャンスタイム開始又は終了処理を終了する。ステップS12の判定結果が肯定の場合、サブCPU27aは、入力した演出パターン指定コマンドで指定された演出パターンが、大当り演出用の演出パターンP1であるか否かを判定する(ステップS13)。この判定結果が肯定の場合、サブCPU27aは、開始抽選を行う(ステップS14)。ステップS14の開始抽選は、当選割合を20分の6としている。ステップS14の開始抽選で当選すると、サブCPU27aは、チャンスタイム中でなければ、チャンスタイムフラグKの値に「1」を設定する。また、チャンスタイム中にステップS14の開始抽選に当選した場合、サブCPU27aは、チャンスタイムフラグKの値に「1」を設定すると共に、RAM27cの所定領域に格納されるチャンスタイム回数値Tの値に「0」を設定する。この場合、大当り遊技状態が付与される時の開始抽選に当選したことから、大当り遊技状態終了後、最初の図柄組み合わせゲームの開始と共にチャンスタイムが開始することになる。チャンスタイム回数値は、チャンスタイム中に何回目の図柄組み合わせゲームが行われるかを示す値である。例えば、チャンスタイム回数値Tの値が「12」の場合、チャンスタイム中に12回目の図柄組み合わせゲームが行われることを示す。
一方で、ステップS14の開始抽選に当選しなかった場合(落選した場合)、サブCPU27aは、チャンスタイム中であれば、チャンスタイムフラグKの値に「0」を設定すると共に、チャンスタイム回数値Tの値に「0」を設定する。チャンスタイムフラグKの値に「0」が設定されることにより、チャンスタイムは、大当り遊技状態が付与される図柄組み合わせゲームの終了と共に終了することになる。この場合、大当り遊技状態終了後は、通常遊技となる。従って、チャンスタイム中にステップS14の開始抽選が行われ、その抽選で当選しなかった場合(落選した場合)にはチャンスタイムが終了することから、ステップS14の開始抽選に当選しなかった場合は、結果的に20分の14の当選割合となる終了抽選で当選したことになる。
ステップS13の判定結果が否定の場合、サブCPU27aは、チャンスタイムフラグKの値に「1」が設定されているか否か(チャンスタイム中であるか否か)を判定する(ステップS15)。この判定結果が否定(K=0)の場合、チャンスタイム中でないことから、サブCPU27aは、入力した演出パターン指定コマンドで指定された演出パターンが、はずれリーチ演出用の演出パターンP2であるか否かを判定する(ステップS16)。この判定結果が肯定の場合、サブCPU27aは、予告パターン選択処理にて選択した予告パターンが予告パターンYAであるか否かを判定する(ステップS17)。この判定結果が肯定の場合、サブCPU27aは、開始抽選を行う(ステップS18)。ステップS18の開始抽選は、当選割合を20分の20としていることから、必ず当選するようになっている。そのため、サブCPU27aは、チャンスタイムフラグKの値に「1」を設定する。一方、ステップS17の判定結果が否定の場合も、サブCPU27aは、開始抽選を行う(ステップS19)。ステップS19の開始抽選は、当選割合を20分の1としている。ステップS19の開始抽選で当選すると、サブCPU27aは、チャンスタイムフラグKの値に「1」を設定する。
ステップS18又はステップS19の開始抽選に当選した場合、リーチ演出(はずれリーチ演出)が行われる時の開始抽選に当選したことから、リーチ演出が行われる図柄組み合わせゲームの終了後、次の図柄組み合わせゲームの開始と共にチャンスタイムが開始することになる。また、ステップS18の開始抽選では、必ず当選するように当選割合が定められており、本実施形態では、予告パターンYAに基づく大当り予告を伴う図柄組み合わせゲームを特定の遊技演出としている。なお、ステップS16の判定結果が否定の場合、入力した演出パターン指定コマンドで指定された演出パターンが、はずれ演出用の演出パターンP3であり、リーチ演出が行われないことから、サブCPU27aは、開始抽選を行わず、チャンスタイム開始又は終了処理を終了する。
ステップS15の判定結果が肯定(K=1)の場合、チャンスタイム中であることから、サブCPU27aは、図柄組み合わせゲームの開始に伴ってチャンスタイム回数値Tの値に「1」を加算する(ステップS20)。続いて、サブCPU27aは、チャンスタイム回数値Tの値が「20」よりも大きいか否かを判定する(ステップS21)。ステップS21にてサブCPU27aは、基本ゲーム数である20回を超えて図柄組み合わせゲームが行われるか否かを判定する。ステップS21の判定結果が肯定(T>20)の場合、サブCPU27aは、入力した演出パターン指定コマンドで指定された演出パターンが、はずれリーチ演出用の演出パターンP2であるか否かを判定する(ステップS22)。この判定結果が肯定の場合、サブCPU27aは、20回の図柄組み合わせゲームが行われた後、リーチ演出(はずれリーチ演出)が行われることから、終了抽選を行う(ステップS23)。ステップS23の終了抽選は、当選割合を20分の6としている。
ステップS23の終了抽選で当選すると、サブCPU27aは、チャンスタイムフラグKの値に「0」を設定すると共に、チャンスタイム回数値Tの値に「0」を設定する。チャンスタイムフラグKの値に「0」が設定されることにより、チャンスタイムは、リーチ演出(はずれリーチ演出)を伴う図柄組み合わせゲームの終了と共に終了し、次の図柄組み合わせゲームから通常遊技となる。一方、ステップS21の判定結果が否定(T<20)の場合、サブCPU27aは、基本ゲーム数に相当する回数分の図柄組み合わせゲームが終了していないことから、終了抽選を行わず、チャンスタイム開始又は終了処理を終了する。また、ステップS22の判定結果が否定の場合、サブCPU27aは、はずれ演出用の演出パターンP3を指定する演出パターン指定コマンドを入力していることになる。そのため、サブCPU27aは、基本ゲーム数を超える回数の図柄組み合わせゲームにてリーチ演出が行われないことから、終了抽選を行わず、チャンスタイム開始又は終了処理を終了する。
次に、チャンスタイムが開始し、そのチャンスタイムが終了するまでの態様を図6に基づき説明する。図6(a)〜(c)には、チャンスタイムが開始し、そのチャンスタイムが終了するまでの態様の一例を示しており、チャンスタイムがいつ終了するかは終了抽選の結果に応じて様々である。即ち、終了抽選の結果に応じてチャンスタイムの終了タイミングが異なることになる。また、図6(a)〜(c)では、チャンスタイムが開始してから基本ゲーム数に達する前に大当り遊技状態が付与されていないものとする。
最初に、図6(a)に基づき、チャンスタイムが終了するまでの態様を説明する。基本ゲーム数である20回の図柄組み合わせゲームが行われた後、25回目の図柄組み合わせゲームでリーチ演出(はずれリーチ演出)が行われると、チャンスタイム開始又は終了処理にて終了抽選(ステップS23)が行われる。この終了抽選に当選した場合には、25回目の図柄組み合わせゲームの終了と共にチャンスタイムも終了する。この場合、チャンスタイムは、基本ゲーム数である20回の図柄組み合わせゲームの間、継続され、その後、5回の図柄組み合わせゲームが行われた後に終了することになる。そのため、チャンスタイムは、開始してから25回の図柄組み合わせゲームに跨って継続されたことになる。従って、25回目の図柄組み合わせゲームの終了後、次の図柄組み合わせゲーム(チャンスタイムの開始から数えて26回目)からは通常遊技に戻る。
次に、図6(b)に基づき、チャンスタイムが終了するまでの態様を説明する。基本ゲーム数である20回の図柄組み合わせゲームが行われた後、25回目の図柄組み合わせゲームでリーチ演出(はずれリーチ演出)が行われると、前述同様に終了抽選が行われる。この終了抽選に落選した場合には、25回目の図柄組み合わせゲームの終了後もチャンスタイムが継続する。その後、52回目の図柄組み合わせゲームでリーチ演出(はずれリーチ演出)が行われると、再び終了抽選が行われる。この終了抽選に当選した場合には、52回目の図柄組み合わせゲームの終了と共にチャンスタイムも終了する。この場合、チャンスタイムは、基本ゲーム数である20回の図柄組み合わせゲームの間、継続され、その後、32回の図柄組み合わせゲームが行われた後に終了することになる。そのため、チャンスタイムは、開始してから52回の図柄組み合わせゲームに跨って継続されたことになる。従って、52回目の図柄組み合わせゲームの終了後、次の図柄組み合わせゲーム(チャンスタイムの開始から数えて53回目)からは通常遊技に戻る。
次に、図6(c)に基づき、チャンスタイムが終了するまでの態様を説明する。基本ゲーム数である20回の図柄組み合わせゲームが行われた後、36回目の図柄組み合わせゲームで大当り遊技状態が付与されると、チャンスタイム開始又は終了処理にて開始抽選(ステップS14)が行われる。この開始抽選に落選した場合には、大当り遊技終了後、チャンスタイムが開始されないため、36回目の図柄組み合わせゲームの終了と共にチャンスタイムも終了する。この場合、チャンスタイムは、基本ゲーム数である20回の図柄組み合わせゲームの間、継続され、その後、16回の図柄組み合わせゲームが行われた後に終了することになる。そのため、チャンスタイムは、開始してから36回の図柄組み合わせゲームに跨って継続されたことになる。従って、36回目の図柄組み合わせゲームで大当り遊技状態が付与され、チャンスタイムが終了した場合には、大当り遊技状態終了後、最初の図柄組み合わせゲーム(チャンスタイムの開始から数えて37回目)からは通常遊技となる。因みに、前記開始抽選に当選した場合には、大当り遊技状態終了後、再びチャンスタイムが開始する。このチャンスタイムは、チャンスタイム回数値Tが「0」の状態から開始するため、基本ゲーム数に達する前に大当り遊技状態が付与されない限り、少なくとも20回の図柄組み合わせゲームが行われる迄の間、継続されることになる。
従って、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)サブCPU27aは、チャンスタイムを開始させた場合、20回の図柄組み合わせゲームが行われる迄の間に大当り遊技状態が付与されない限り、チャンスタイムを継続させるようにした。即ち、チャンスタイムは、少なくとも20回(保留記憶数の上限数(本実施形態では4回)を超える回数)の図柄組み合わせゲームが行われている間、必ず継続されることになる。そのため、20回の図柄組み合わせゲームが行われる迄の間は、遊技者の興趣を持続させることができ、チャンスタイムが開始した直後に終了してしまうことを回避し、チャンスタイムに対する遊技者の期待感を損なわせないようにすることができる。従って、遊技者の興趣を効果的に持続させ、より一層興趣の向上を図ることができる。
(2)また、サブCPU27aは、20回の図柄組み合わせゲームが行われた後、終了抽選に当選する迄の間、チャンスタイムをさらに継続させるようにした。即ち、チャンスタイムは、20回の図柄組み合わせゲームが行われた後、さらに継続されることになる。そのため、チャンスタイムの終了にバラツキが生じることから、何時、チャンスタイムが終了するのか遊技者が予想できず、いつまで続くのかという期待感を遊技者に持たせることができる。従って、遊技者の興趣を効果的に持続させ、より一層興趣の向上を図ることができる。
(3)また、チャンスタイムが開始し、20回の図柄組み合わせゲームが行われる迄の間にチャンスタイムが終了する場合を、大当り遊技状態が付与される場合のみとした。遊技中の遊技者は大当りになることを最も期待しているため、大当り遊技状態が付与されたことによってチャンスタイムが終了したとしても遊技者の興趣が損なわれることがない。従って、遊技者の期待を損なわせることがない演出(チャンスタイム)を実現できる。
(4)また、チャンスタイムは、保留記憶数の上限数に相当する回数を超えて継続されるため、保留記憶数の上限数を最大継続回数として行われる連続予告の演出と差別化を図ることができる。従って、連続予告の演出よりも長い期間、遊技者の興趣を効果的に継続させることができる。
(5)サブCPU27aは、20回の図柄組み合わせゲームが行われた後、大当り遊技状態が付与される時、又はリーチ演出が行われる時に終了抽選を行うようにした。そのため、チャンスタイムの終了は、大当り又はリーチと関連付けられることになり、チャンスタイムに対する遊技者の期待感をさらに高めさせることができる。加えて、大当り遊技終了後又はリーチ演出が行われた後もさらにチャンスタイムが継続している場合には、次の大当り又は次のリーチ演出が行われる迄、遊技者に継続して遊技を行わせるようにすることができる。
(6)サブCPU27aは、電源投入時に、開始抽選を行うようにした。そのため、遊技店の開店時に演出モード2に切り替わっている(電源投入後からチャンスタイムが開始する)パチンコ機10を用意することができる。従って、そのパチンコ機10を遊技者に探させる楽しみを持たせることができる。即ち、遊技店の開店と同時に遊技を行うことに価値(メリット)を与えることできる。
(7)サブCPU27aは、大当り遊技状態が付与される時、リーチ演出が行われる時、又は予告パターンYAに基づく大当り予告を伴う図柄組み合わせゲームが行われる時に開始抽選を行うようにした。そのため、チャンスタイムを適度に開始させることができる。従って、遊技者に継続して遊技を行わせるようにすることができる。
(8)チャンスタイムを、通常遊技と遊技演出の演出態様(大当り予告の出現率)が異なるだけであって、大当りの抽選(又は当りの抽選)に関与しないようにした。そのため、チャンスタイムがなかなか開始せずに、遊技中、大当り(又は当り)を最も期待している遊技者の興趣が殺がれることを抑制できる。
(9)サブCPU27aは、通常遊技の場合とチャンスタイムの場合とで異なるテーブル(予告パターン振分テーブルL1又は予告パターン振分テーブルL2)を参照し、予告パターンを選択するようにした。そして、予告パターン振分テーブルL2では、はずれリーチ演出用の演出パターンP2が指定された場合に予告パターンYAが選択されないように予告パターン振分乱数の値を対応付けた。そのため、チャンスタイム中は、はずれリーチ演出となる図柄組み合わせゲームにて予告パターンYAに基づく大当り予告が行われることを確実に規制し、予告パターンYAに基づく大当り予告が行われた場合には必ず大当りにすることができる。従って、チャンスタイム中は、予告パターンYAに基づく大当り予告の出現自体に大きな期待を抱かせることができ、興趣の向上を図ることができる。また、チャンスタイム中、予告パターンYAに基づく大当り予告を伴う図柄組み合わせゲームが大当りにならないなど、遊技者に不信感を与えることのない演出を実現することができる。
なお、前記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態において、チャンスタイムの開始条件、又はチャンスタイムの終了条件は、任意に変更しても良い。例えば、100回の図柄組み合わせゲームが行われる毎に開始抽選を行うようにしても良いし、はずれリーチ演出となる図柄組み合わせゲームで予告パターンYBに基づく大当り予告が行われると終了抽選を行うようにしても良い。
・前記実施形態において、チャンスタイムが開始したこと、チャンスタイム中であること、又はチャンスタイムが終了したことを遊技者に認識させるために、チャンスタイム開始、チャンスタイム中又はチャンスタイム終了を報知装置(報知手段)を用いて報知するようにしても良い。前記報知は、例えば、可視表示部Hに「チャンスタイム開始」、「チャンスタイム中」や「チャンスタイム終了」などの文字情報を表示したり、ランプを発光したり、スピーカ18から音声を出力したりして行っても良い。
・前記実施形態において、基本ゲーム数は、10回、50回、又は100回などに変更しても良い。また、基本ゲーム数を予め複数種類用意しておき、開始抽選に当選した際に基本ゲーム数を抽選によって決定するようにしても良い。
・前記実施形態において演出モード1(通常遊技)と演出モード2(チャンスタイム)の演出態様を異ならせる場合の具体的な内容は変更しても良い。以下、演出態様を異ならせる場合の具体的な内容の例として第1の変更例〜第10の変更例を記載する。第1の変更例は、リーチ演出(特定種の演出)の出現率を異ならせる。リーチ演出の出現率が異なることには、リーチ発生率が異なる場合と、リーチ演出の種類毎の出現率(出現し易いリーチ演出と出現し難いリーチ演出の振分け率)が異なる場合を含んでいる。リーチ発生率を異ならせるには、リーチ判定用乱数又はリーチ判定値を演出モードに応じて変更(リーチ判定用乱数の範囲変更、リーチ判定値の変更、又はリーチ判定用乱数の範囲とリーチ判定値の両方を変更)する。例えば、演出モード1のリーチ発生率を3/60とし、演出モード2のリーチ発生率を20/60にすると、演出モード2ではリーチ演出が頻繁に行われることになり、大当りへの期待感を高めることができると共に、多種多様のリーチ演出を見る機会を増やすことができる。逆に、演出モード1のリーチ発生率を20/60とし、演出モード2のリーチ発生率を3/60にすると、演出モード2でははずれリーチ演出の発生割合が減少し、時間効率のアップに貢献できると共に、リーチ演出が行われると大当りになる可能性が演出モード1のときよりも高くなるため、大当りへの期待感を高めることができる。リーチ演出の種類毎の出現率を異ならせるには、演出パターン振分テーブルの振分け態様を変更したり、表示制御基板27側がリーチパターン振分テーブルを記憶している場合には前記実施形態と同様にリーチパターンの振分け態様を変更したりすれば良い。例えば、演出モード1はリーチ演出A<リーチ演出B<リーチ演出Cの順に出現率を高くし、演出モード2はリーチ演出C<リーチ演出B<リーチ演出Aの順に出現率を高くする。
・第2の変更例は、予告演出(特定種の演出)の出現率を異ならせる。予告演出の出現率が異なることには、予告発生率が異なる場合と、前記実施形態のように予告演出の種類毎の出現率(出現し易い予告演出と出現し難い予告演出の振分け率)が異なる場合を含んでいる。予告発生率を異ならせるには、予告演出を行うか否かの抽選における当選割合を演出モードに応じて変更すれば良い。また、予告演出は、リーチ予告(リーチとなる可能性があることを告げる演出)、大当り予告、又は連続予告(複数回の特図ゲームを跨いで大当り予告を連続させる演出)であっても良い。予告演出の種類毎の出現率を異ならせるには、例えば、演出モード1は予告演出D<予告演出E<予告演出Fの順に出現率を高くし、演出モード2は予告演出F<予告演出E<予告演出Dの順に出現率を高くしても良い。
・第3の変更例は、演出モード2の場合に、演出モード1のときに出現することのない(又は出現率が極めて低い(略0(零)))リーチ演出や予告演出が行われるようにしても良い。この場合、演出モード2では、所謂、プレミアム演出が出現する可能性があり、演出モード2で遊技を行うことに対して価値を高めることができる。
・第4の変更例は、演出モード1と演出モード2で、可変表示装置21(可視表示部H)に定められ、図柄組み合わせが有効となる図柄組み合わせ有効ラインの本数を異ならせる。例えば、演出モード1の場合に図柄組み合わせ有効ラインを1本とし、演出モード2の場合に図柄組み合わせ有効ラインを5本にする。また、第5の変更例は、演出モード1と演出モード2で、可変表示装置21(可視表示部H)における特図の表示形式を異ならせる。特図の表示形式が異なることには、特図の変動方向が異なる場合と、特図の種類(意匠)が異なる場合を含んでいる。特図の変動方向は、例えば、演出モード1の場合に縦方向(縦スクロール)とし、演出モード2の場合に横方向(横スクロール)とする。特図の種類は、例えば、演出モード1の場合に0〜7の8種類の数字図柄とし、演出モード2の場合に8種類のキャラクタ図柄(犬、猫、又は魚などを模した図柄)とする。第6の変更例は、演出モード1と演出モード2で、リーチ演出の演出内容や予告演出の演出内容を変更する。例えば、演出モード1では、コマ送り変動となるリーチ演出と低速変動となるリーチ演出が行われ、演出モード2では、拡大変動となるリーチ演出と高速変動となるリーチ演出が行われるようにする。第4〜第6の変更例では、見た目上、恰も違ったパチンコ機で遊技を行っているように感じることができ、遊技者の飽きを抑制することができる。なお、本実施形態は、特別図柄(特図)と飾り図柄を用いたパチンコ機であっても同様に適用することができる。前記特別図柄は、大当り判定の判定結果に基づき決定され、当該決定結果に準じて表示装置に表示される図柄であると共に、前記飾り図柄は、前記特別図柄の表示結果に応じて大当り又ははずれを認識できる図柄組み合わせを形成する図柄である。
・第7の変更例は、演出モード1と演出モード2で、枠ランプ16や遊技盤ランプ17、又はその他の発光手段による発光演出の演出内容を異ならせる。例えば、特図ゲーム中に発光するランプの種類や色を異ならせる。また、第8の変更例は、演出モード1と演出モード2で、スピーカ18による音声演出の演出内容を異ならせる。例えば、特図ゲーム中の変動音を異ならせる。第9の変更例は、演出モード1と演出モード2で、大当り遊技状態中の演出内容を異ならせる。大当り遊技状態になると、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出が行われるため、これらの演出の内容を異ならせる。第10の変更例は、演出モード1と演出モード2で、パチンコ機10が待機中(遊技が行われていないとき)に行われるデモンストレーション演出の内容を異ならせる。
・前記実施形態において、チャンスタイム中、20回の図柄組み合わせゲームが行われる前に大当り遊技状態が付与される場合、チャンスタイムフラグK及びチャンスタイム回数値Tの値を「0」にすることなく、大当り遊技状態終了後もチャンスタイムを継続させるようにしても良い。
・前記実施形態において、大当り判定用乱数、予告パターン振分乱数などの各種乱数が取り得る数値の範囲、各種判定値(大当り判定値など)は任意に変更しても良い。また、開始抽選や終了抽選(ステップS23)の当選割合は任意に変更しても良い。
・前記実施形態では、予告パターン振分テーブルL1と予告パターン振分テーブルL2の2つのテーブルが設けられているが、予告パターンを選択する際に用いるテーブルを1つとしても良い。例えば、予告パターン振分テーブルL1のみとし、チャンスタイム中に、演出パターンP2が指定されて予告パターンYAが選択されたときには、予告パターンYBや予告パターンYCに強制的に変更するようにしても良い。
次に前記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記特別演出モードと通常演出モードでは、大当りか否かの抽選確率が同一の抽選確率に設定されると共に、図柄変動演出の始動条件を付与する始動検知手段に対して遊技球を入り易くするか否かの抽選確率も同一の抽選確率に設定されるように構成された請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
(ロ)前記通常演出モードと特別演出モードでは、図柄変動演出に伴う特定種の演出の出現率、前記特定種の演出の内容、図柄組み合わせ有効ラインの本数、図柄の表示形式、発光演出の内容、音声演出の内容、特別遊技状態中の演出の内容、及びデモンストレーション演出の内容のうち少なくともいずれか1つの演出態様が異なるように構成された請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
1…演出モード(通常演出モード)、2…演出モード(特別演出モード)、10…パチンコ遊技機(遊技機)、26a…メインCPU(大当り判定手段、リーチ判定手段)、27a…サブCPU(モード切替手段)。