JP4620340B2 - 発光素子及びその製造方法 - Google Patents

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この発明は発光素子及びその製造方法に関する。
特開平1−225178号公報 特開平6−188455号公報 特開平8−83927号公報 特開2001−7399号公報 特開2002−43621号公報
化合物半導体にて発光層部を形成した半導体発光素子のうち、表示用や照明用などの発光ダイオード光源として用いるものは、発光層部の光取出面側に駆動電圧を印加するための金属電極を形成する。金属電極は遮光体として作用するため、例えば発光層部主表面の中央部のみを覆う形で形成し、その周囲の電極非形成領域から光を取り出すこととなる。しかし、金属電極が遮光体であることに変わりはなく、また、電極面積を極端に小さくしすぎると、素子面内の電流拡散が妨げられて、却って光取出量が制限される問題もある。そこで、発光層部の全面を、透明で高導電率のITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウム錫)電極層にて覆い、ITO電極層を介した光取出し効率の向上と、電流拡散効果の改善とを同時に図る提案が、例えば特許文献1〜5等に開示されている。
ところで、従来の半導体発光素子は、表示用などの小型素子が主要な用途を占めていたが、半導体素子が高い光変換効率を有し、発熱も少なく、また、蛍光ランプのように水銀を使用しないので環境保護上の観点においても望ましいことから、照明用あるいは大形表示装置などに使用するため、素子の一辺の寸法が400μm以上の大形面発光素子の開発が進められている。大形面発光素子においては、発光層部の面内に、可及的に大きな電流を均一に流すことが、その寸法に見合った発光強度を得る上で重要である。
ITO電極層は、電流拡散層として従来使用されているGaPなどと比較して光透過性と導電率のいずれにおいても圧倒的に優れており、大電流を均一に通電可能とできることは、上記の特許文献1〜5の開示内容から一見自明であると考えられる。しかしながら、本発明らが検討したところ、1辺が400μm以上の大形素子への適用に関しては、いずれもITO電極層を用いているにもかかわらず、大型化に見合った発光強度が得られないことが判明した。
なお、特許文献2には、40mm角の基板試料を用いて実験測定を行なった例が開示されている。しかし、これは電流電圧特性の測定上の問題から、作為的に大形の試料を用いたものとも考えられ、該公報において、電流電圧特性以外の特性、特に発光素子として最も重要な特性である発光強度等について何ら測定結果が示されていないことから、上記のごとき大面積発光素子としての使用を前提とするものではないと考えられる。また、その他の公報においては、素子寸法が開示されていないか、開示があっても特許文献3は300μm角が最大であり、400μm角以上の大形素子への適用を示唆するものはない。他方、特許文献5には、400μm角を超える大形素子へのITO電極層の適用が示唆されているが、ITO電極層の形成形態について十分な考慮が払われていないために、大型化に見合った十分な発光強度が達成できない問題がある。
本発明の課題は、発光駆動用の電極としてITO電極層を使用するとともに、一辺の寸法を400μm以上とした大形面発光素子への適用を前提として、素子寸法に見合った均一で高い発光強度を実現できる発光素子と、その製造方法とを提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記の課題を解決するために、本発明の発光素子は、
化合物半導体よりなる発光層部の少なくとも一方の主表面が光取出面側電極であるITO電極層により覆われてなり、
発光層部の主表面の、正方形換算における一辺の寸法が400μm以上であり、
かつ、ITO電極層の厚さが400nm以上であり、
発光層部とITO電極層との間に、該ITO電極層の接合抵抗を減ずるためのコンタクト層が、該ITO電極層に接するように配置され、
発光層部は(AlGa1−xIn1−yP(ただし、0≦x≦1,0≦y≦1)よりなり、コンタクト層を構成する化合物半導体は、ITO電極層との接合界面においてInGa1−xAs(0<x≦1)であり、かつ厚さ方向におけるIn濃度分布が、ITO層から厚さ方向に遠ざかるにつれ連続的に減少するものとされ、コンタクト層のITO電極層との境界近傍におけるIn濃度を、InとGaとの合計濃度に対するInの原子比にて0.1以上0.6以下とし、コンタクト層の、ITO層との境界位置におけるIn濃度をCとし、これと反対側の境界位置におけるIn濃度をCとして、C/Cを0.8以下としたことを特徴とする。
発光層部の主表面の形状は正方形状とすることができるが、長方形状など、他の形状であってもよい。そして、本発明においては、素子の一辺の寸法(素子寸法ともいう)を、正方形換算したときの(つまり、同一面積の正方形を考えたときの)、その正方形の一辺の長さにて定義する。
ITOは、酸化スズをドープした酸化インジウム膜であり、酸化スズの含有量を1〜9質量%とすることで、電極層の抵抗率を5×10−4Ω・cm以下の十分低い値とすることができる。ITOは可視光に対して良好な透過性を有し(つまり、透明であり)、発光層部への電圧印加用電極として用いる場合、光の取出しをほとんど妨げない。また、ITO電極層は、ボンディングパッドなどの金属電極を介して素子駆動用の電圧を印加したとき、電流を面内に拡散させて発光を均一化し高効率化する役割も担う。ITOは、特にスパッタリングにより形成したとき、均質で高導電性のものを得やすい。
本発明者らが実験により検討したところ、以下のことがわかった。すなわち、ITO電極層を用いる場合、発光層部の主表面の素子寸法が300μm以下の通常サイズの素子においては、素子の発光強度IvはITO電極層の厚さにほとんど依存せず、例えばITO電極層を200nm程度の薄膜に形成した場合も、逆に1000nm程度の厚膜に形成した場合も、発光強度に顕著な差は見られない(図22参照)。この場合、ITO電極層は、厚く形成する分だけ無駄が多くなるから、必要な発光強度が得られる範囲でなるべく薄く形成することになる。
しかし、素子寸法が400μm以上に大面積化すると状況は一変し、ITO電極層の厚さを、通常サイズの素子において必要十分な程度に設定したのでは、十分な発光強度が得られなくなる。そこで、ITO電極層厚さを400nm以上に厚く形成すれば、発光強度は著しく向上し、素子の大型化に見合った良好な発光特性が得られるようになる。より具体的には、ITO電極層厚さを400nm以上に設定することで、例えば通電時の総電流量を同じに設定しても、素子寸法が400μm以上の大形面発光素子のほうが、例えば素子寸法が300μm以下の通常の発光素子と比較して、より発光強度が高くなる。つまり、同じ電流を通電しても、より効率的に光として取り出すことができるようになる。
例えば、照明用等に必要な大きな光量を得たい場合、従来型の小面積の発光素子を多数アレー型に配置して面発光デバイスを構成することが考えられる。この場合、駆動電圧を一定に制御するとき、素子数すなわち素子の総面積に略比例して電流は増加し、発光強度も高くなってゆく。しかし、各ITO電極層上には、素子毎にワイヤボンディング用の金属電極(ボンディングパッド)の形成が不可欠であり、素子数が増えれば光遮断部となる金属電極の合計面積も増え、光取出効率の低下が避け難い。そこで、一つ一つの素子を大面積化し、ITO電極層に対する金属電極の相対的な占有面積率を減少できれば、光取出し効率の向上を図ることができ、素子を大面積化することの効果が顕著となる。しかし、そのためには金属電極にてITO電極層に駆動電圧を印加したとき、ITO電極層の全体に均一に電圧印加できなければならない。換言すれば、ITO電極層のシート抵抗が十分低く電流拡散効果が高いこと、すなわち、ITO電極層面内にて金属電極から遠方に位置する層部分にも十分に電流が供給できることが重要である。
本発明者が行なった実験によると、素子寸法が400μm以上の大形面発光素子の場合は、ITO電極層厚さが小さいとシート抵抗が増大して電流拡散が進みにくくなり、順方向電圧も高くなるので、発光強度Ivはそれほど増加しない(図21参照)。また、電流拡散を補うため、ワイヤボンディング用の金属電極の面積を大きくすると、光取出し効率の低下が避け難くなる。
しかし、本発明においては、400μm以上の大形面発光素子のITO電極層厚さを400nm以上の厚膜に形成することで、電流拡散効果が劇的に高められる。その結果、発光強度Ivも顕著に増加させることができる(図21参照)。これは、一見、ITO電極層の厚さ方向断面積が単に増加したことによる効果のようにも考えられるが、実際には、厚さ増加の寄与のみでは説明できない、より顕著な効果が達成される。このことは、図25に示すように、順方向電圧の測定結果が、ITO電極層厚さが400nm付近で不連続的かつ大きく減少していることからも明らかである。順方向電圧がこのように減少することにより、大面積の発光層部の全体に無駄なく電流を注入でき、発光強度が向上する。また、ワイヤボンディング用の金属電極が小面積であっても、ITO電極層内に十分に電流拡散させることができ、光取出し効率も向上する。その結果、素子全体の発光強度はさらに高くなる。
本発明者らは、上記効果が発現する要因を以下のように考えている。ITOは酸化インジウムに酸化スズを固溶させた混合型の酸化物であるから、抵抗率分布の均一なITO電極層を得るためには、成膜温度(基板温度)を下げて形成すること(例えば300℃以下)が有利とされる。基板温度を下げた場合、図2(a)及び図2(b)に示すように、スパッタ成膜中の気相雰囲気内には高エネルギー粒子が存在し、これが打ち込まれることにより基板表面には多くの点欠陥が形成される。この点欠陥が、気相から固相のITOが析出する際に不均一核として作用する結果、ITO電極層20は、基板側(発光層部24あるいは発光層部24とITO電極層との間に介挿される図示しない層)との接触界面BI側にて、結晶粒径の非常に小さい微結晶粒層あるいは非晶質層からなる高抵抗層20aとなりやすい。他方、ITO電極層の成長が進むと、成長初期段階で高密度に形成されていた不均一核ないしこれに由来する微結晶粒のうち、ITOの優先成長方向である<100>方向のものが選択的に成長する結果、結晶粒径の大きい低抵抗層20bが形成されやすくなる。
図2(a)のように、最終的なITO電極層の厚さが大きい場合は、低抵抗層20bも比較的厚く形成されやすく、該厚く形成された低抵抗層20b内で電流を十分に拡散させることができ、順方向電圧も低減される。一方、図2(b)のように、最終的なITO電極層の厚さが小さい場合は、低抵抗層20bの厚さが小さくなり(あるいは低抵抗層20bが形成される前に成長が終わってしまう)、高抵抗層20a内での電流拡散を余儀なくされるので、素子寸法が400μm以上の発光素子の場合には、電流拡散効果が損なわれ、順方向電圧も高くなってしまうと考えられる。
本発明の効果は、ITO電極層が、スパッタリングによる成膜後、成膜温度よりも高温にて熱処理されたものである場合、さらに顕著となる。また、本発明の発光素子の製造方法は、主表面の正方形換算における一辺の寸法が400μm以上である化合物半導体よりなる発光層部の少なくとも一方の主表面上に、コンタクト層となるべきGaAs層を形成し、光取出面側電極であるITO電極層をスパッタリングにより当該GaAs層と接するように形成し、その後、コンタクト層及びITO電極層を形成した発光層部を、該ITO電極層の成膜温度よりも高温である300℃以上750℃以下の温度で5秒以上120秒以下にて熱処理することにより、ITO層からGaAs層にInを拡散させて、Inを含有したGaAsよりなるコンタクト層となすとともに、コンタクト層のITO電極層との境界近傍におけるIn濃度を、InとGaとの合計濃度に対するInの原子比にて、0.1以上0.6以下とし、コンタクト層の、ITO層との境界位置におけるIn濃度をCとし、これと反対側の境界位置におけるIn濃度をCとして、C/Cを0.8以下とすることを特徴とする。スパッタリングは成膜温度の低温化が容易であり、抵抗率分布の均一なITO電極層を得やすい利点があるが、前述のように、結晶粒が微細化ないし非晶質化した高抵抗層(20a:図2(a)及び図2(b))が形成されやすくなる側面もある。しかし、上記のように、ITO電極層を成膜温度よりも高温で熱処理すると、図2(a)に示すように、高抵抗層をなしていた微細結晶粒ないし非晶質化部分の再結晶化が進み、抵抗率増大の要因となる結晶粒界量が減じた低抵抗層20bの厚みが増すことにより、電流拡散効果が向上し順方向電圧もより小さくすることができると考えられる。
ただし、こうした熱処理も、ITO電極層厚さが400nmより小さい薄膜である場合は、顕著な効果を発揮しない。基板側との接触界面BI付近は再結晶化したITOは形成されるものの、層厚方向の配向成長が顕著でなく、抵抗率もそれほど低下しない。従って、ITO電極層厚さが薄いと、抵抗率が比較的高いまま残留する接触界面BI付近の層の影響が大きく現れるものと考えられる。図2(a)に示すように、ITO電極層20の厚さが厚ければ、ある厚さの高抵抗層20aが残留していても、低抵抗層20bも十分に厚くできるので問題はないが、ITO電極層厚さが小さいと、高抵抗層20aの厚さ比率が大きくなり、電流拡散効果の向上は期待でない。
上記の熱処理は、300℃以上750℃以下の温度で行なうのがよい。熱処理温度が300℃未満では、電流拡散効果向上あるいは順方向電圧低減効果の向上が必ずしも顕著でなくなる場合がある。また、熱処理温度を、750℃を超えて高めることは、電流拡散効果向上あるいは順方向電圧低減のそれ以上の改善が望めないか、却って悪化させることもあるので、望ましくない。
本発明の発光素子によると、素子寸法が大面積であるにもかかわらず、ITO電極層内での電流拡散効果を十分に大きくすることができる。その結果、前述のように、ITO電極層の主表面に、発光層部に対して電圧を印加するための金属電極(ボンディングパッド)が、該主表面の一部領域を覆う形で形成される場合に、これを小面積化して、光取出し効率を向上させることができる。具体的には、金属電極によるITO電極層の被覆面積率(ITO電極層の全面積により、金属電極の形成面積を割った値として定義する)を、0.1%以上10%以下に設定するのがよい。金属電極による被覆面積率が1%以下ではITO電極層全体に均一に電圧を印加できなくなる場合があり、10%を超えると光取出し効率改善効果が顕著でなくなる。ITO電極層の被覆面積率望ましくは、0.1%以上5%以下、より望ましくは0.2%以上5%以下とするのがよい。
また、ITO電極層の電流拡散性能が顕著に向上する結果、ITO電極層の主表面の幾何学的重心位置に対し、該金属電極の形成領域の幾何学的重心位置がずれて配置されても(つまり、金属電極をITO電極層の中央から偏るように配置しても)、ITO電極層の全体に均一に電圧印加することが可能であり、金属電極から離れたITO電極層領域にも十分な電流を供給できる。このようにすることで、発光層部の光取出面をボンディングワイヤが長く横切ることが効果的に防止でき、ワイヤの引きまわし形態等に関しても、設計上の自由度が大幅に向上する。例えば、発光層部の主表面が方形である場合、その全面を覆うITO電極層に対し、金属電極を該ITO電極層の周縁部に配置すること、あるいは金属電極を該ITO電極層の角部に配置することができる。これにより、光取出面上をボンディングワイヤが長く横切る不都合が生じなくなり、設計上の自由度も大幅に高められる。
ITO電極層は、発光層部や電流拡散層をなす化合物半導体層と直接接合しようとしたとき、良好なオーミック接合が必ずしも形成されず、接触抵抗に基づく直列抵抗増大により発光効率が低下することがある。そこで、発光層部とITO電極層との間に、該ITO電極層の接合抵抗を減ずるためのコンタクト層を、該ITO電極層に接するように配置することが望ましい。このようなコンタクト層は、具体的には、Alを含有せず、かつバンドギャップエネルギーが比較的小さい(例えば1.42eV未満)化合物半導体からなるものを好適に採用することができる。このようなコンタクト層を用いることにより、良好なオーミックコンタクトが得られ、また、Al成分酸化による抵抗増加も生じにくい。具体的にはInを含有したGaAsをコンタクト層として用いることができる。コンタクト層を構成する化合物半導体は、ITO電極層との接合界面においてInGa1−xAs(0<x≦1)となっていれば、所期の接触抵抗低減効果が得られる。特に、発光層部が(AlGa1−xIn1−yP(ただし、0≦x≦1,0≦y≦1:本明細書では、単に「AlGaInP」と記することもある)よりなる場合、コンタクト層を構成する化合物半導体を、ITO電極層との接合界面においてInGa1−xAs(0<x≦1)とすることで、コンタクト層と発光層部との格子整合性も良好となり、発光強度の更なる改善を図ることができる。また、発光層部がAlGa1−zAs(ただし、0≦z≦1:本明細書では、単に「AlGaAs」と記することもある)よりなる場合でも、コンタクト層を構成する化合物半導体を、ITO電極層との接合界面においてInGa1−xAs(0<x≦1)とすることができ、所期の接触抵抗低減効果が得られるとともに、コンタクト層と発光層部との格子整合性も良好となり、発光強度の更なる改善を図ることができる。
(AlGa1−xIn1−yP(ただし、0≦x≦1,0≦y≦1)により発光層を形成する場合、ITO電極層と、(AlGa1−xIn1−yP(ただし、0≦x≦1,0≦y≦1)よりなる発光層部との間にGaAs層を、ITO電極層と接するように形成し、その後、熱処理を行なうことにより、ITO電極層からGaAs層にInを拡散させて、Inを含有したGaAsよりなるコンタクト層となすことができる。この場合、コンタクト層の厚さ方向におけるIn濃度分布は、ITO電極層から厚さ方向に遠ざかるにつれ連続的に減少するものとなる。また、コンタクト層は、ITO電極層との接合界面において、必ずInGa1−xAsよりなるものとなる。なお、この熱処理は、スパッタリングによるITO電極層の成膜後に、成膜温度よりも高温にてなされる前述の熱処理を兼ねるものとすることができる。また、AlGa1−zAs(ただし、0≦z≦1)により発光層を形成する場合も同様に、ITO電極層とAlGa1−zAs(ただし、0≦z≦1)よりなる発光層部との間にGaAs層を、ITO電極層と接するように形成し、その後、熱処理を行なうことにより、Inを含有したGaAsよりなるコンタクト層となすことができる。
コンタクト層はInGaAsを直接エピタキシャル成長する方法を採用してもよいのであるが、上記の方法を採用すると、次のような利点がある。すなわち、GaAs層は、例えばAlGaInPあるいはAlGaAsよりなる発光層部やGaPよりなる透明導電性半導体基板と格子整合が極めて容易であり、InGaAsを直接エピタキシャル成長する場合と比較して、均質で連続性のよい膜を形成できる。
そして、そのGaAs層上にITO電極層を形成した後、熱処理することにより、ITO電極層からGaAs層にInを拡散させてコンタクト層とする。このように熱処理して得られるInを含有したGaAsよりなるコンタクト層は、In含有量が過剰とならず、発光層部との格子不整合による、発光強度低下などの品質劣化を効果的に防止することができる。GaAs層と発光層部との格子整合は、発光層部が(AlGa1−xIn1−yP(ただし、0≦x≦1,0.45≦y≦0.55)にて構成される場合に特に良好となるので、混晶比yを上記の範囲に設定して、発光層部(クラッド層あるいは活性層)を形成することが望ましいといえる。また、発光層部がAlGa1−zAs(0≦z≦1)の場合は、略任意のAl混晶比zについて、GaAs層との格子整合を良好に保つことができる。
コンタクト層の厚さ方向におけるIn濃度分布は、図8の(1)に示すように、ITO電極層から厚さ方向に遠ざかるにつれ連続的に減少するものとなるようにする(つまり、発光層部側にてIn濃度が小さくなるように、In濃度分布に傾斜をつける)ことが望ましい。こうした構造は、熱処理により、ITO側からコンタクト層側へInを拡散させることにより形成される。発光層部をAlGaInPにより形成する場合、コンタクト層のIn濃度分布が該発光層部側で小さくなっていれば、発光層部との格子定数差が接近し、発光層部とコンタクト層との格子整合性をより高めることができる。熱処理温度が過度に高くなったり、あるいは熱処理時間が長大化すると、ITO電極層からのIn拡散が過度に進行して、図8の(3)に示すように、コンタクト層内のIn濃度分布が厚さ方向にほぼ一定の高い値を示すようになり、上記の効果は得られなくなる(なお、熱処理温度が過度に低くなったり、あるいは熱処理時間が過度に短時間化すると、図8の(2)に示すように、コンタクト層内のIn濃度が不足することにつながる)。
この場合、図8において、コンタクト層の、ITO電極層との境界位置におけるIn濃度をCとし、これと反対側の境界近傍におけるIn濃度をCとしたとき、C/Cが0.8以下となるように調整することが望ましく、該形態のIn濃度分布が得られるように、前述の熱処理を行なうことが望ましい。C/Cが0.8を超えると、In濃度分布傾斜による発光層部との格子整合性改善効果が十分に得られなくなる。なお、コンタクト層の厚さ方向の組成分布(InあるいはGa濃度分布)は、層を厚さ方向に徐々にエッチングしながら、二次イオン質量分析(Secondary Ion Mass Spectroscopy:SIMS)、オージェ電子分光分析(Auger Electron Spectroscopy)、X線光電子分光(X-ray Photoelectron Spectroscopy:XPS)などの周知の表面分析方法により測定することができる。
コンタクト層のITO電極層との境界近傍におけるIn濃度は、InとGaとの合計濃度に対するInの原子比にて、0.1以上0.6以下とされることが望ましく、上記の熱処理もこのようなIn濃度が得られるように行なうことが望ましい。上記定義によるIn濃度が0.1未満になると、コンタクト層の接触抵抗低減効果が不十分となり、0.6を超えるとコンタクト層と発光層部との格子不整合による、発光強度低下などの品質劣化が甚だしくなる。なお、コンタクト層のITO電極層との境界近傍におけるIn濃度が、InとGaとの合計濃度に対するInの原子比にて、例えば前述の望ましい値(0.1以上0.6以下)を確保できるのであれば、コンタクト層の、ITO電極層に面しているのと反対側の境界近傍でのIn濃度Cがゼロとなっていること、つまり、図9に示すように、コンタクト層のITO電極層側にInGaAs層が形成され、反対側の部分がGaAs層となる構造となっていても差し支えない。
ITOは、前述の通り酸化スズをドープした酸化インジウム膜であり、ITO電極層をGaAs層上に形成し、さらにこれを適正な温度範囲にて熱処理することにより、上記望ましいIn濃度を有したコンタクト層を容易に形成できる。また、この熱処理により、ITO電極層の電気抵抗率をさらに低減できる。この熱処理は、コンタクト層内のIn濃度が過剰とならないよう、なるべく低温で短時間にて行なうことが望ましい。
上記In拡散の熱処理は、600℃以上750℃以下にて行なうことが望ましい。熱処理温度が750℃を超えるとGaAs層へのInの拡散速度が大きくなりすぎ、コンタクト層中のIn濃度が過剰となりやすくなる。また、In濃度が飽和して、コンタクト層の厚さ方向に傾斜したIn濃度分布も得にくくなる。いずれも、コンタクト層と発光層部との格子整合が悪化することにつながる。また、GaAs層へのInの拡散が過度に進みすぎると、コンタクト層との接触部付近にてITO電極層のInが枯渇し、電極の電気抵抗値の上昇が避けがたくなる。さらに、熱処理温度が上記のように高温になりすぎると、ITOの酸素がGaAs層へ拡散して酸化が促進され、素子の直列抵抗が上昇しやすくなる。いずれも適正な電圧で発光素子を駆動できなくなる不具合につながる。また、熱処理温度が極端に高くなると、ITO電極層の導電率がかえって損なわれる場合がある。他方、熱処理温度が600℃未満になると、GaAs層へのInの拡散速度が小さくなりすぎ、接触抵抗を十分に低下させたコンタクト層を得るのに非常な長時間を要するようになるので、製造能率の低下が甚だしくなる。
また、熱処理時間は、5秒以上120秒以下の短時間に設定することが望ましい。熱処理時間が120秒以上になると、特に、熱処理温度が上限値に近い場合、GaAs層へのInの拡散量が過剰となりやすくなる(ただし、熱処理温度を低めに留める場合は、これよりも長い熱処理時間(例えば300秒程度まで)を採用することも可能である)。他方、熱処理時間が5秒未満になると、GaAs層へのInの拡散量が不足し、接触抵抗を十分に低下させたコンタクト層が得にくくなる。
コンタクト層は、ITO電極層との接合界面において、コンタクト層の形成領域と非形成領域とが混在してなることが望ましい。コンタクト層をITO電極層の素子側への接合面全面を被覆するように形成すると、次のような問題が生ずる場合がある。
(1)ITO電極層上にはワイヤボンディング用の小さな金属電極を形成する必要がある。ITO電極層と発光層部との接触抵抗が、その金属電極の直下領域でも大幅に低くなると、駆動電流ひいては発光が該領域に集中しやすくなり、発生した光の多くが金属電極により遮蔽されて光取出効率の低下を招く。
(2)コンタクト層として採用する化合物半導体の材質によっては、コンタクト層が光吸収体として作用し、同様に光取出効率の低下につながる。
そこで、本発明の発光素子は、ITO電極層の接合界面が、金属電極の直下領域からなる第一領域と残余の第二領域とを有し、第二領域は、第一領域より光取り出し量が多く、コンタクト層は、第二領域において、第一領域よりも形成面積率が大きいものとして構成できる。なお、各領域のコンタクト層の形成面積率とは、領域中のコンタクト層の合計面積を、領域の全面積により割った比率をいう。該構成によると、光取り出し量が少ない金属電極の直下領域(第一領域)において、光取り出し量が多い残余の領域(第二領域)よりもITO電極層の接合界面に形成されるコンタクト層の形成面積率を小さくしたから、第一領域におけるITO電極層の接触抵抗が増大する。その結果、発光素子の駆動電流は、第一領域を迂回して第二領域に流れる成分が大きくなり、光取出効率を大幅に高めることができる。なお、光取り出し量が少ない第一領域には、なるべく発光駆動電流が流れないことが光取出効率向上の観点においては望ましい。従って、第一領域にはコンタクト層が可及的に形成されていないことが望ましい。
また、本発明の発光素子は、第二領域において少なくとも、コンタクト層の形成領域と非形成領域とが混在してなるものとして構成できる。コンタクト層の形成領域は、分散形成されてなることが好ましい。ITO電極層の接合界面のうち、発光層部からの光を外部へ取り出す量が多くなるのは、金属電極に覆われない第二領域である。この第二領域にて、コンタクト層の形成領域と非形成領域とを混在させると、ITO電極層の接触抵抗低減のために形成するコンタクト層が、発光層部からの光を吸収しやすい性質を有している場合においても、コンタクト層の形成領域直下にて発生した光は、これと隣接する非形成領域から漏出することにより、コンタクト層による吸収を抑制することができる。その結果、素子全体としての光取出効率を高めることができる。
また、コンタクト層の、ITO電極層に接しているのと反対側の主表面には、中間層を介して発光層部を結合することができる。該中間層は、発光層部とコンタクト層との中間のバンドギャップエネルギーを有する化合物半導体により構成される。ダブルへテロ構造の発光層部は、活性層へのキャリア閉じ込め効果を高めて内部量子効率を向上させるために、クラッド層と活性層との間の障壁高さを一定以上に高める必要がある。図10の模式バンド図(Ecは伝導帯底、Evは価電子帯頂の各エネルギーレベルを示す)に示すように、このようなクラッド層(例えばAlGaInPあるいはAlGaAs)にコンタクト層(例えばInGaAs)を直接接合すると、クラッド層とコンタクト層との間に、接合によるバンドの曲がりにより、比較的高いヘテロ障壁が形成される場合がある。この障壁高さΔEは、クラッド層とコンタクト層との間のバンド端不連続値が大きくなるほど高くなり、キャリアの移動、特に有効質量のより大きいホールの移動を妨げやすくなる。例えば金属電極を使用する場合は、クラッド層の全面を金属電極で覆うと光取出しができなくなるので、部分的な被覆となるように電極形成せざるを得ない。この場合、光取出し効率向上のため、電極の面内方向外側への電流拡散を何らかの形で促進しなければならない。例えば、金属電極の場合も、発光層部との間にGaAs等のコンタクト層が形成されることが多いが、金属電極の場合は、コンタクト層と発光層部との間に、ある程度高い障壁が形成された方が、障壁によるキャリアのせき止め効果により面内方向の電流拡散を促進できる利点がある。しかし、高い障壁形成のため、直列抵抗の増加は避け難い。
これに対し、ITO透明電極層を用いる場合は、ITO電極層自体が非常に高い電流拡散能を有しているため、障壁によるキャリアのせき止め効果はほとんど考慮する必要がない。しかも、ITO電極層の採用により、光取出領域の面積は金属電極使用時と比較して大幅に増加している。そこで、図11に示すように、コンタクト層とクラッド層との間に、それらコンタクト層とクラッド層との中間のバンドギャップエネルギーを有する中間層を挿入すると、コンタクト層と中間層、及び中間層とクラッド層とのそれぞれはバンド端不連続値が小さくなるので、各々形成される障壁高さΔEも小さくなる。その結果、直列抵抗が軽減されて、低い駆動電圧にて十分に高い発光強度を達成することが可能となる。
上記中間層を採用することによる効果は、ダブルへテロ構造の発光層部の中でも、特にコンタクト層をなすInを含有したGaAsとの格子整合性が比較的良好な(AlGa1−xIn1−yP(ただし、0≦x≦1,0≦y≦1)あるいはAlGa1−zAs(ただし、0≦z≦1)にて発光層部を形成する場合に顕著である。この場合、発光層部と、コンタクト層との中間のバンドギャップエネルギーを有する中間層として、具体的には、AlGaAs層、GaInP層及びAlGaInP層(バンドギャップエネルギーがクラッド層より小さくなるように組成調整されたもの)の少なくとも一つを含むものを好適に採用することができ、例えばAlGaAs層を含むものとして形成することができる(クラッド層がAlGaAsの場合、それよりもAl混晶比の小さいAlGaAs)。また、これ以外の発光層部、例えば、InGaAl1−x−yNからなるダブルへテロ構造の発光層部にも適用可能である。この場合、中間層は、例えばInGaAlN層(バンドギャップエネルギーがクラッド層より小さくなるように組成調整されたもの)を含むものが採用可能である。
以下、本発明の実施の形態を添付の図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態である発光素子100の概念図である。発光素子100は、n型GaAs単結晶基板(以下、単に基板という)1の第一主表面上にn型GaAsバッファ層2を介して発光層部24が形成されている。そして、その発光層部24の第一主表面側に、後述する中間層31と、Inを含有したGaAsよりなるコンタクト層30とITO電極層20とがこの順序にて形成され、さらに、ITO電極層20の略中央部に電極ワイヤを接合するためのAu等にて構成された金属電極9(ボンディングパッド)が配置されている。ITO電極層20の金属電極9の周囲の領域は、発光層部24からの光取出領域をなす。他方、基板1の第二主表面側には、Au−Ge−Ni合金等の金属からなる反射層を兼ねた裏面電極層15が全面に形成されている。
ITO電極層20は、発光層部24の光取出面側の主表面を、全面覆う形にて形成されている。発光層部24の主表面の、正方形換算における一辺の寸法Lは400μm以上(上限は、例えば40mm)であり、ITO電極層20の厚さは400nm以上(上限は、例えば3μm)である。金属電極9によるITO電極層の被覆面積率は0.1%以上10%以下である。
発光層部24は、ノンドープ(AlGa1−xIn1−yP(ただし、0≦x≦0.55,0.45≦y≦0.55)混晶からなる活性層5を、p型(AlGa1−zIn1−yP(ただしx<z≦1)からなるp型クラッド層6とn型(AlGa1−zIn1−yP(ただしx<z≦1)からなるn型クラッド層4とにより挟んだ構造を有し、活性層5の組成に応じて、発光波長を、緑色から赤色領域(発光波長(中心波長)が550nm以上650nm以下)にて調整できる。図1の発光素子100では、金属電極9側にp型AlGaInPクラッド層6が配置されており、基板1側にn型AlGaInPクラッド層4が配置されている。従って、通電極性は金属電極9側が正である。なお、ここでいう「ノンドープ」とは、「ドーパントの積極添加を行なわない」との意味であり、通常の製造工程上、不可避的に混入するドーパント成分の含有(例えば1013〜1016/cm程度を上限とする)をも排除するものではない。
コンタクト層30は、Inを含有したGaAsよりなり、図8(1)において、ITO電極層との境界近傍におけるIn濃度Cが、InとGaとの合計濃度に対するInの原子比にて、0.1以上0.6以下とされる。また、In濃度は、ITO電極層から厚さ方向に遠ざかるにつれ連続的に減少するものとなっており、ITO電極層との境界近傍におけるIn濃度をCとし、これと反対側の境界位置におけるIn濃度をCとしたとき、C/Cが0.8以下となるように調整されている。また、コンタクト層30は、光吸収の影響を小さくするため、その厚さを1nm以上20nm以下(望ましくは5nm以上10nm以下)とする。
さらに、コンタクト層30は、金属電極9の直下領域をなす光取り出し量が少ない第一領域には形成されず、その周囲の光取り出し量が多い第二領域にのみ選択的に形成されている。さらに、該第二領域においてコンタクト層30は、その形成領域と非形成領域とが混在した形となっている。従って、コンタクト層30の非形成領域においてはITO電極層20が発光層部24と直接接触する形となっている。
図3(a)〜(c)に示すように、コンタクト層30の形成領域SAは、ITO電極層20の接合界面において分散形成することにより、発光層部24における発光をより均一化し、かつコンタクト層30の非形成領域PAからより均一に光を取り出すことができる。図3(a)はコンタクト層30の形成領域SAを散点状とした例であり、(b)は細長い帯状のコンタクト層30の形成領域SAと、同形態の非形成領域PAとを交互に形成した例である。さらに、(c)は、(a)とは逆に、コンタクト層30の形成領域SAを背景として、散点状の非形成領域PAをこれに分散形成した例である。ここではコンタクト層30の形成領域SAを格子状に形成している。
コンタクト層30と発光層部24とを直接接合した場合、接合界面にやや高いヘテロ障壁が形成され、これに起因して直列抵抗成分が増大する場合がありうる。そこで、これを低減する目的で、ITO電極層20と接するコンタクト層30と、発光層部24(ここでは、AlGaInPクラッド層6)との間に、両者の中間のバンドギャップエネルギーを有する中間層31が挿入されている。中間層31は、例えばAlGaAs、GaInP及びAlGaInPの少なくとも一つを含むものとして構成でき、例えば中間層の全体を単一のAlGaAs層として構成できる。中間層の厚さはそれぞれ0.1μm程度以下(ただし0.01μm以上:これ以上薄くなると、バルクのバンド構造が失われ、所期の接合構造が得られなくなる)とすることが可能なため、薄層化によるエピタキシャル成長時間の短縮、ひいては生産性の向上を図ることができ、中間層形成による直列抵抗の増分も少なくできるため、発光効率も損なわれにくい。特に、ITO電極層20の一部領域のみにコンタクト層30を形成する場合は、発光通電の際の電流密度はこれらコンタクト層30の形成領域において選択的に高くなる傾向にある。もし、コンタクト層30とAlGaInPクラッド層6との間に形成されるヘテロ障壁が高いと、電流集中の影響により、該コンタクト層30とAlGaInPクラッド層6との接合界面を通過する際の電圧降下が一層甚だしくなり、見かけの直列抵抗がより大きくなりやすい問題がある。従って、コンタクト層30をITO電極層20の全面に形成する場合よりも、中間層31の形成によりヘテロ障壁高さを減ずることの効果が一層顕著であるといえる。
以下、図1の発光素子100の製造方法について説明する。
まず、図1に示すように、AlGaInP混晶と格子整合する化合物半導体単結晶基板であるGaAs単結晶基板1の第一主表面1aに、n型GaAsバッファ層2、n型AlGaInPクラッド層4、AlGaInP活性層(ノンドープ)5、p型AlGaInPクラッド層6、中間層31、さらにコンタクト層となる厚さ5nmのGaAs層30’(図4(a))をこの順にてエピタキシャル成長させ、図4(a)の状態とする。これら各層のエピタキシャル成長は、公知の有機金属気相エピタキシャル成長(Metalorganic Vapor Phase Epitaxy:MOVPE)法により行なうことができる。
次いで、図4(b)及び(c)に示すように、GaAs層30’及び中間層31に対し公知のフォトリソグラフィー技術を用いてパターニングを施すことにより、図3(a)〜(c)に例示したようなコンタクト層30の形成領域SA及び非形成領域PAの形成パターンを、発光素子チップとなるべき領域毎に形成する。具体的には、図4(b)に示すようにGaAs層30’上にフォトレジスト層130を形成し、さらにガラス基板上にワックス等を用いて基板1を固定する。次いでフォトレジスト層130上にマスクをかぶせて露光・現像することにより、コンタクト層30を形成しない領域にGaAs層30’が露出するようにフォトレジスト層130にマスクパターンを転写する。その後、該GaAs層30’の露出している部分をエッチングし、さらにフォトレジスト層130を除去すれば、パターニングされたGaAs層30’及び中間層31が得られる。
中間層31は、厚さがごく小さい場合など、光吸収にそれほど悪影響を及ぼす心配が無い場合は、図15に示すように、発光層部24の全面を覆うように形成することができる。このようにすると、GaAs層30’のみをパターニングすればよいので、例えば化学エッチングの場合、GaAs層30’に対するエッチャントにて中間層31を十分にエッチングできない場合でも、製造が容易である。他方、図6に示すように、中間層31をGaAs層30’の形成領域にのみ形成することもでき、中間層31による光吸収の影響をより小さくすることができる。この場合、GaAs層30’と中間層31とを発光層部24の全面を覆うように形成しておき、前述のフォトリソグラフィーにより、両者を各々パターニングすればよい。この場合は、気相エッチングによりGaAs層30’と中間層31とを同時にエッチングしてもよいし、化学エッチングの場合は、GaAs層30’と中間層31とでエッチャントを交換して順次エッチングを行なうことも可能である。また、化学エッチングによりGaAs層30’をパターニングする際に、中間層31は、発光層部24側への腐食の進行を停止させるストップ層として利用できる場合がある。例えば、GaAs層30’を、Inを含有したGaAsにて構成する場合、中間層31をAlGaAsにて構成しておけば、アンモニア/過酸化水素をエッチャントとすることで、中間層31をストップ層としてGaAs層30’のみを選択エッチングすることができる。
次に、図4(d)に示すように、GaAs層30’上に高周波スパッタリング法により、ITO電極層20を400nm以上の厚さにて形成する。ITO電極層20は、光取出機能と電流拡散機能とを両立した透明電極として機能する。電流拡散機能を高めるには、ITO電極層20のシート抵抗(あるいは電気比抵抗)を低減することが重要であり、また、光取出機能を高めるには、必要に応じてITO電極層20を厚く形成した場合でも、十分な光透過性が確保できるようにすることが重要である。ITO電極層20をスパッタリングにより形成する場合、シート抵抗を低減するには、スパッタリング電圧をなるべく低く設定することが望ましい。これは、スパッタリングのプラズマ中に含まれる負イオン(主に酸素イオンである)が堆積中のITO電極層に高速で入射すると、絶縁性のInOが形成されやすくなるが、加速電圧が低くなると該InOの形成が抑制されるためである。このようなスパッタリングの低電圧化を図るためには、スパッタリング時の磁界強度を一定以上に高めること(例えば、0.8kG以上:電圧低減効果が飽和するので2kG以下で設定することが望ましい)が有効である。シート抵抗の低減効果は、例えばカソード電圧の絶対値にて350V以下、望ましくは250V以下に設定することで顕著となる。磁界強度を例えば1000G以上に設定すれば、スパッタリング電圧をカソード電圧の絶対値にて250V以下に容易に調整することができる。
また、均質なITO電極層を得るには、ITO電極層を非晶質層として形成することが有利である。非晶質のITO電極層を得るには、ITOの結晶化を防止するため200℃以下の低温で成膜を行なう必要がある。この場合、スパッタリング雰囲気中に水蒸気を導入することが有効である(例えば3×10−3Pa以上15×10−3Pa以下)。スパッタリング雰囲気の水蒸気分圧が過度に低くなると、得られるITO電極層の微結晶化が進みやすくなり、後述の平滑化エッチング処理時に脱粒による悪影響が生ずるが、一定以上の水蒸気分圧を確保することで、この微結晶化を効果的に抑制することができる。これにより、最終的には、光透過率が90%以上(望ましくは95%以上)、比抵抗が1000μΩ・cm以下(望ましくは800μΩ・cm以下)のITO電極層を実現できるようになる。
また、ITO電極層20は、均一で大きな電流拡散効果を有していることが、均一で高い発光効率を実現する上で重要である。そのためには、ITO電極層20を均質で低抵抗率のものとして構成する以外に、その表面の平滑性を高めることが必要となる。表面の平滑性が低下すると、電界集中しやすい突起部が多数形成されやすくなり、発光層部24への印加電圧の不均一化により局所的な暗所を生じやすくなったり、あるいはリーク電流の発生により発光効率そのものが低下することにつながる。これらの不具合防止のため、ITO電極層20の表面粗さは、具体的には、原子間力顕微鏡(AFM)による3次元表面トポグラフィーにて、評価面積を0.2μm四方としたときのRmaxの値にて10nm以下(例えば4nm以上7nm以下)に設定することが望ましい。
上記のようなITO電極層20の表面平滑化のためには、ITO電極層20を形成したあと、その表面を研磨することが有効であるが、機械的な研磨は高コストなので化学研磨の採用が望ましい。ITOの化学研磨液としては、例えば塩酸と硝酸の混合液や、蓚酸水溶液を採用できる。この場合、前述のようなITO電極層20の微結晶化が進むと、結晶粒界でエッチングが進行しやすいことから、粒界侵食や脱粒による表面粗化を生じやすくなる。従って、均質な非晶質層を得るために、スパッタリング雰囲気中への水蒸気を導入することは、化学研磨後のITO電極層の表面粗さを上記のように低減する上でも有力な手法となりうる。
次に、上記のようにITO電極層20を形成し、さらに表面の化学研磨が終了した積層体ウェーハ13(図6参照)を、図7に示すように炉Fの中に配置し、例えば窒素雰囲気中あるいはAr等の不活性ガス雰囲気中にて、600℃以上750℃以下(例えば700℃)の低温で、5秒以上120秒以下(例えば30秒)の短時間の熱処理を施す。これにより、ITO電極層20からGaAs層30’にInが拡散し、Inを含有したGaAsよりなるコンタクト層30(図1)が得られる。また、この熱処理により、ITO電極層20はシート抵抗が劇的に減少し、素子の順方向電圧も顕著に低くなる。この要因の一つは、図2(a)を用いて既に説明したITO電極層20の結晶化によりもたらされるものと考えられる。なお、ITO電極層20の平滑化のための化学研磨は、熱処理後に行なうと成長したITO結晶粒の脱落により良好な平滑性が得にくくなる。従って、上記のように熱処理前に化学研磨を終わらせておくことが望ましい。
該熱処理によりコンタクト層30は、図8(1)において、ITO電極層との境界近傍におけるIn濃度Cが、InとGaとの合計濃度に対するInの原子比にて、0.1以上0.6以下となる。また、In濃度は、ITO電極層から厚さ方向に遠ざかるにつれ連続的に減少するものとなり、ITO電極層との境界近傍におけるIn濃度をCとし、これと反対側の境界位置におけるIn濃度をCとしたとき、C/Cが0.8以下となるように調整される。上記のように、AlGaInPよりなる発光層部24に対し、格子整合性の良好なGaAs層30’をまず形成し、その後、比較的低温で短時間の熱処理を施すことにより、In含有量が過剰でなく、しかも均質で連続性の良好なコンタクト層30が得られる。その結果、発光層部24との格子不整合による、発光強度低下などの品質劣化を効果的に防止することができる。
コンタクト層30は、適当なドーパントの添加により、クラッド層6と同じ導電型を有するものとして形成してもよいが、コンタクト層30を上記のような薄層として形成する場合は、ドーパント濃度の低い低ドープ層(例えば1017個/cm以下;あるいはノンドープ層(1013個/cm〜1016個/cm))として形成しても直列抵抗の過度の増加を招かないので、問題なく採用可能である。他方、低ドープ層とした場合、発光素子の駆動電圧によっては、以下のような効果が達成できる。すなわち、コンタクト層30を低ドープ層とすることで、層の電気抵抗率自体は高くなるので、これを挟む電気抵抗率の小さいクラッド層あるいはITO電極層20に対して、コンタクト層30の層厚方向に印加される電界(すなわち、単位距離当たりの電圧)が相対的に高くなる。このとき、コンタクト層30を、バンドギャップの比較的小さいInを含有したGaAsにより形成しておくと、上記電界の印加によりコンタクト層のバンド構造に適度な曲がりが生じ、より良好なオーミック状接合を形成することができる。そして、図8に示すように、コンタクト層30のIn濃度が、ITO電極層20との接触側にて高められていることで、該効果が一層顕著なものとなる。
図4に戻り、(e)に示すように、基板1の裏面側には真空蒸着法により裏面電極層15を形成し、他方、第一主表面側のITO電極層20上には、各発光素子チップに対応する領域毎に金属電極9を配置し、適当な温度で電極定着用のベーキングを施すことにより、図4(f)に示す発光素子ウェーハ50が得られる。該発光素子ウェーハ50は、各発光素子チップ領域を分離するために図5(a)に示すようにハーフダイシングされ、さらに(b)に示すようにダイシング面の加工歪をメサエッチングにより除去した後、(c)に示すスクライビングにより発光素子チップ51に分離される。そして、(d)に示すように、裏面電極層15(図4参照)をAgペースト等の導電性ペーストを用いて支持体を兼ねた端子電極9aに固着する一方、金属電極9と別の端子電極9bとにまたがる形態でAuワイヤ47をボンディングし、(e)に示すように樹脂モールド52を形成することにより発光素子100が得られる。
上記発光素子は、p型AlGaInPクラッド層6の全面がITO電極層20により覆われてなり、このITO電極層20を介して駆動電圧が印加される。前述の通り、発光素子100(素子チップ51)は正方形換算における一辺の寸法が400μm以上であり、そのITO電極層20は厚さが400nm以上に形成されている。これにより、ITO電極層20はシート抵抗が大幅に低減され、素子100全体の順方向電圧も小さくなる。その結果、金属電極9を介して駆動電圧を印加することにより、ITO電極層20の全面に均一に電流拡散し、光取出面の全体にわたって均一な発光が得られる。また、金属電極9の被覆面積率が0.1%以上10%以下であってもITO電極層20に対し十分に電流拡散でき、発光層部24が大面積化することにより、金属電極9による遮蔽の影響が小さくなり、光取出し効率を大幅に向上させることができる。その結果、順方向電圧が小さくなっていることとも相俟って、低い駆動電圧により大きな発光強度を実現することができる。
また、図12に示すように、金属電極9は、ITO電極層20の中央に、つまり、ITO電極層20の主表面の幾何学的重心位置Gに対し、該金属電極9の形成領域の幾何学的重心位置G’が一致するように形成してもよいが、ITO電極層20の電流拡散特性が良好であるため、両重心位置G,G’がずれるように、つまり、金属電極9をITO電極層20の中央位置から偏心して配置することも可能である。例えば、発光層部24の主表面が方形である場合、その全面を覆うITO電極層20に対し、図14に示すように、金属電極9を該ITO電極層2の周縁部に配置することもできるし、図13に示すように、角部に配置することもできる。
以下、発光素子100の種々の変形態様について説明する(図1の発光素子との共通部分については、同一の符号を付与して詳細な説明は省略する)。図16の発光素子200は、素子寸法が400μm以上であり、発光層部24に対し、その片側の主表面に、図1の素子と同様に膜厚調整されたITO電極層20が形成され、反対側の主表面に、透明導電性半導体基板23(本実施形態ではn型GaP単結晶基板)が貼り合わされている。透明導電性半導体基板23の裏面側は、その一部を覆う金属電極を設けて、光取出面とすることもできる。しかし、図16に示すように、その全面を、反射層を兼ねた裏面金属電極15にて覆い、その反射光を、ITO電極層20の形成された光取出面側に重畳させて取り出すようにすると、素子の大面積化に見合った適正なITO層膜厚が採用されていることとも相俟って、発光強度をより高めることができる。
この場合、透明導電性半導体基板23は、接合用透明導電性酸化物層10(例えばITO層)を介して発光層部24に貼り合わせることができる。これにより、発光層部24と透明導電性半導体基板23との導通を、より良好に確保でき、また、発光層部24と透明導電性半導体基板23との格子整合も考慮する必要がないので、製造が容易である。この場合、図16に示すように、接合用透明導電性酸化物層10と透明導電性半導体基板23との間、あるいは、接合用透明導電性酸化物層10と発光層部24との間に、ITO電極層20の場合と同様のコンタクト層30および中間層31を設けることができる。
図17は、図16の発光素子の製造方法の一例を示すものである。まず、工程1に示すように、発光層成長用基板をなすGaAs単結晶基板1上にn型GaAsバッファ層2と、図示しないAlAsからなる剥離層をエピタキシャル成長させる。次いで、後にコンタクト層30となるGaAs30’と中間層31とをこの順序でエピタキシャル成長させ、さらに発光層部24をエピタキシャル成長させ、最後に中間層31とGaAs30’とをこの順序でエピタキシャル成長させる。
次に、工程2に示すように、発光層部24側のGaAs30’上に、透明導電酸化物層としてITO層10aをスパッタリングにて形成し、他方、工程3に示すように、別途用意したn−GaP単結晶基板23にも同様のITO層10bを形成する。そして、n−GaP単結晶基板23のITO層10bを、発光層部24のITO層10aに重ね合わせて圧迫し、工程3に示すように、所定の条件(例えば450℃にて30分間)にて熱処理することにより、基板貼り合わせ体60’を作る。ITO層10aとITO層10bとは一体化して接合用透明導電性酸化物層10となる。
次に、工程4に進み、上記貼り合わせ体を、例えば10%フッ酸水溶液からなるエッチング液に浸漬し、バッファ層2と発光層24との間に形成した前記AlAs剥離層を選択エッチングすることにより、GaAs単結晶基板1(発光層24からの光に対して不透明である)を、発光層部24とこれに接合されたp−GaP単結晶基板7との積層体60aから剥離する。なお、AlAs剥離層3に代えてAlInPよりなるエッチストップ層を形成しておき、GaAsに対して選択エッチング性を有する第一エッチング液(例えばアンモニア/過酸化水素混合液)を用いてGaAs単結晶基板1をGaAsバッファ層2とともにエッチング除去し、次いでAlInPに対して選択エッチング性を有する第二エッチング液(例えば塩酸:Al酸化層除去用にフッ酸を添加してもよい)を用いてエッチストップ層をエッチング除去する工程を採用することもできる。さらに工程5に示すように、GaAs単結晶基板1の剥離により露出した中間層31とコンタクト層30となるGaAs層30’とをパターニングする。
そして、工程6に示すように、GaAs単結晶基板1の剥離により露出した発光層24上に形成された中間層31及びGaAs層30’を覆うように、ITO層20を形成する。こうして得られた積層体ウェーハ60(電極9の形成前であっても形成後であってもいずれでもよい)を炉の中に配置し、例えば窒素雰囲気中あるいはAr等の不活性ガス雰囲気中にて、600℃以上750℃以下(例えば700℃)の低温で、5秒以上120秒以下(例えば30秒)の短時間の熱処理を施す。電極9及び15を形成すれば、以下の工程は図5と同様である。
図18に示す発光素子300は、素子寸法が400μm以上であり、発光層部24の片側の主表面、図1の素子と同様に膜厚調整されたITO電極層20が形成され、反対側の主表面に導電性基板7が貼り合わされている。この導電性基板7は、金属層11を介して発光層部24に貼り合わせることができる。このように発光素子300を構成すると、ITO電極層20が形成された光取出面側に、裏面側に向かう発光を、金属層11での反射により重畳させることができ、光取出し効率を向上させることができる。これにより、素子の大面積化に見合った適正なITO層膜厚が採用されていることとも相俟って、発光強度をより高めることができる。
この場合、導電性基板としてはAl等の金属基板を使用することもできるが、図18においては、安価なSi基板(多結晶基板又は単結晶基板:前者は特に安価である)が用いられている。貼り合わせ面に介在させる金属層11は、図18においてはAu系金属層(Auを主成分(50質量%以上)とするもの)であり、高反射率を実現できるので好適である。
図19は、その製造方法の一例を示すものである。まず、工程1に示すように、発光層成長用基板をなすp型GaAs単結晶基板1上にGaAsバッファ層2と、図示しないAlAsからなる剥離層、さらにコンタクト層30となるGaAs層30’と中間層31とをエピタキシャル成長させる。そして、その上に発光層部24を、p型クラッド層6側からエピタキシャル成長させる。次に、工程2に示すように、スパッタリングあるいは真空蒸着等を用いて、発光層部24上に、AuGeNiよりなる金属層用接合層32を分散形成する。この状態で、350℃以上500℃以下で熱処理することにより、発光層部24と金属層用接合層32との間にアロイ層が形成され、直列抵抗低減が大幅に低減される。その後、アロイ化が終了した金属層用接合層32を覆うようにAu層11aを形成する。他方、工程3に示すように、別途用意したSi単結晶基板7の主裏面MP2にはAl層11bを形成する。そして、Si単結晶基板7のAl層11bを、発光層部24のAu層11aに重ね合わせて圧迫し、工程4に示すように熱処理することにより、基板貼り合わせ体70’を作る。Au層11aとAl層11bとは合金化してAlを含んだAu系金属よりなる金属層11となる。
次に、工程5に進み、上記基板貼り合わせ体70’を、例えば10%フッ酸水溶液からなるエッチング液に浸漬し、バッファ層2と発光層24との間に形成した前記AlAs剥離層を選択エッチングすることにより、GaAs単結晶基板1(発光層24からの光に対して不透明である)を、発光層部24とこれに接合されたSi単結晶基板7との積層体70aから剥離する。そして、工程6に示すように、GaAs単結晶基板1の剥離により露出した中間層31とコンタクト層30となるGaAs層30’とをパターニングし、さらに発光層24の全面を覆うようにITO層20を形成する。
そして、ITO層20を形成した積層体ウェーハ70を炉の中に配置し、例えば窒素雰囲気中あるいはAr等の不活性ガス雰囲気中にて、600℃以上750℃以下(例えば700℃)の低温で、5秒以上120秒以下(例えば30秒)の短時間の熱処理を施す。これにより、ITO層20からGaAs層30’にInが拡散し、Inを含有したGaAsよりなるコンタクト層30が得られる。
なお、図18の発光素子100においては、導電性基板7と発光層部24とは、金属層11を介して貼り合わされていたが、図20に示すように、導電性基板7側の金属層40と、発光層部24側の接合用透明導電性酸化物層(例えばITO層)10とを介して、それら導電性基板7と発光層部24とを貼り合わせることもできる。これにより、金属層40と発光層部24をなす化合物半導体との合金化が抑制され、金属層の反射率を高めることができる。接合用透明導電性酸化物層10と発光層部24との間には、ITO電極層20の場合と同様のコンタクト層30あるいは中間層31を設けることができる。
以下、本発明の効果を確認するために行なった実験結果について説明する。
まず、図1の発光素子100において、各層を以下の厚さにて形成した。素子形状は正方形状であり、素子寸法は、300μm角(比較例)、500μm角及び1000μm角とした。
・コンタクト層30:約10nm
・中間層31(AlGaAs層):約0.3μm
・ITO電極層20:200nm〜1000nm(酸化錫含有率=7質量%(残部は酸化インジウム))
・p型AlGaInPクラッド層6=1μm;
・AlGaInP活性層5=0.6μm(発光波長650nm);
・n型AlGaInPクラッド層4=1μm;
ITO電極層20は、以下の条件の高周波スパッタリングにて行なった:
・ターゲット組成:In=約90質量%,SnO=約10質量%;
・成膜温度:20℃;
・rf周波数約14MHz
・Ar圧力0.6Pa
・スパッタ電力30W
さらに、ITO電極層成膜後の熱処理は700℃にて30秒行なった。さらに、金属電極9はAu電極であり、寸法は直径100μmの円状である。
得られた各素子は、以下の各特性を周知の方法にて測定した:
・発光強度(Iv:通電電流値を40〜200mA/パルス(Duty 10%)の種々の値とした);
・I−V特性;
・順方向電圧(V:通電電流値を20mAとしたとき);
図21は、素子寸法を1000μmとした場合の発光強度特性を示すものである。ITO電極層の厚さが400nm以上のとき、それより薄い場合(具体的には200nm)と比較して、発光強度が大幅に増加することがわかる。他方、図22は、素子寸法が300μmの、比較例の結果を示すが、ITO電極層の厚さが400nm以上としても発光強度はそれほど改善されない。また、図23は、ITO電極層の厚さを800nmに固定し、素子寸法を変化させたときの発光強度を比較して示すものである。素子寸法が400μm以上(具体的には500μm及び1000μm)のとき、それより寸法が小さい場合(具体的には300μm)と比較して、発光強度が大幅に増加していることがわかる。
すなわち、上記の結果から以下のことがわかる。発光層部の主表面の素子寸法が300μm以下の素子においては、図22に示すように、素子の発光強度IvがITO電極層の厚さにあまり依存せず、例えばITO電極層を200nm程度の薄膜に形成した場合(「×」のプロット点)も、逆に1000nm程度の厚膜に形成した場合(「●」のプロット点)も、発光強度にそれほど顕著な差は見られない。しかし、素子寸法が400μm以上に大面積化すると、図21に示すように、ITO電極層厚さを400nm以上に厚く形成した場合に限って、発光強度が著しく向上し、素子の大型化に見合った良好な発光特性が得られるようになることがわかる。換言すれば、ITO電極層厚さを400nm以上に設定することで、通電時の総電流量を同じに設定しても、素子寸法が400μm以上の大形面発光素子のほうが、素子寸法が300μm以下の通常の発光素子と比較して、より発光強度が高くなることを示すものである。
また、図25は素子寸法を1000μmとし、順方向電流を20mAに固定したときの順方向電圧Vを、種々のITO電極層厚さについて測定した結果をグラフにしたものである。この結果からも明らかなように、ITO電極層が厚いほど順方向電圧が小さくなっており、特にITO電極層厚さが400nm付近で、順方向電圧は不連続的に大きく減少している。順方向電圧が減少すれば素子面内の電流拡散効果が高められ、大面積の発光層部の全体に無駄なく電流を注入できる。すなわち、該結果は、ITO電極層厚さを400nm以上の厚膜に形成すると順方向電圧が急減し、これに対応して電流拡散効果が劇的に高められる結果、発光強度が顕著に向上するすることを裏付けるものである。
なお、図1の発光素子100は、図26の発光素子1100のように、AlGaInPよりなる発光層部24を、AlGaAsよりなる発光層部124にて置き換えることもできる。該発光層部124は、ノンドープAlGa1−zAs(ただし、0≦z≦0.4)混晶からなる活性層105を、p型Alz’Ga1−z’As(ただしz<z’≦1)からなるp型クラッド層106とn型Alz’Ga1−z’As(ただしz<z’≦1)からなるn型クラッド層104とにより挟んだ構造を有し、活性層5の組成に応じて、発光波長を、赤色から赤外領域(発光波長(中心波長)が630nm以上940nm以下)にて調整できる。
同様に、図27の発光素子1100は、図15の発光素子100の発光層部24を、図26と同じAlGaAsからなる発光層部124で置き換えた例である。図28の発光素子1200は、図16の発光素子200の発光層部24を、図26と同じAlGaAsからなる発光層部124で置き換えた例である。図29の発光素子1300は、図18の発光素子300の発光層部24を、図26と同じAlGaAsからなる発光層部124で置き換えた例である。図30の発光素子1100は、図20の発光素子100の発光層部24を、図26と同じAlGaAsからなる発光層部124で置き換えた例である。
図26〜図30の各構成において、対応する各図(図1、図15、図16、図18、図20)の構成と同一の符号を付与した部分は、同一の要素を表すものである。ただし、中間層31については、これと接するクラッド層106よりもAl混晶比の小さいAlGaAs(つまり、Alz”Ga1−z”As(ただし0<z”<z’)からなるものである。コンタクト層30は、Inを含有したGaAsよりなるので、中間層31はGaAsであってもよい。また、図1〜図20を用いて行なった説明についても、AlGaInPをAlGaAsに、発光層部24を発光層部124に、p型クラッド層6をp型クラッド層106に、活性層5を活性層105に、n型クラッド層4をn型クラッド層104にそれぞれ読み替えれば、図26〜図30についても同様に適用できる。
また、図26〜図30の各構成の製造方法は、図1、図15、図16、図18、図20の各構成と基本部分は同じであり、例えば、AlGaAsからなる発光層部124をMOVPE法で成長することもできるが、AlGaAsの場合、より安価で高能率の液相エピタキシャル成長法(Luquid Phase Epitaxy:LPE、方法自体は周知であるので詳細な説明は省略する)にて成長することも可能である。この場合、バッファ層2を含めて、発光層部124の全体をLPE法にて成長できる。ただし、中間層31ないしコンタクト層30は、層厚が小さいため、層厚制御の容易なMOVPE法で成長すすることが望ましい。具体的には、GaAs基板上にLPE法にて発光層部124にて成長し、その後、該発光層部124上にコンタクト層30、あるいは中間層31及びコンタクト層30を、MOVPE法にて成長する方法を例示できる。
本発明の発光素子の第一実施形態を模式的に示す断面図及び平面図。 ITO電極層の厚さの効果を推定して示す模式図。 コンタクト層の種々のパターニング形態を例示して示す図。 図1の発光素子の製造工程を説明する第一の図。 同じく第二の図。 同じく第三の図。 同じく第四の図。 コンタクト層内のIn濃度分布の一例を模式的に示す図。 コンタクト層内のIn濃度分布の別例を模式的に示す図。 中間層を形成しない場合の、コンタクト層のバンド構造の例を示す模式図。 中間層を形成する場合の、コンタクト層のバンド構造の例を示す模式図。 ITO電極層に対する金属電極形成位置の第一の例を示す図。 ITO電極層に対する金属電極形成位置の第二の例を示す図。 ITO電極層に対する金属電極形成位置の第三の例を示す図。 中間層の形成形態の変形例を示す図。 本発明の発光素子の第二実施形態を模式的に示す断面図。 図16の発光素子の製造工程の一例を示す説明図。 本発明の発光素子の第三実施形態を模式的に示す断面図。 図18の発光素子の製造工程の一例を示す説明図。 図18の発光素子の変形例を模式的に示す断面図。 本発明の発光素子の効果確認のために行なった実験結果を示す第一のグラフ。 同じく第二のグラフ。 同じく第三のグラフ。 同じく第四のグラフ。 同じく第五のグラフ。 図1の発光素子のAlGaInP発光層部をAlGaAs発光層部にて置き換えた例を示す図。 図15の発光素子のAlGaInP発光層部をAlGaAs発光層部にて置き換えた例を示す図。 図16の発光素子のAlGaInP発光層部をAlGaAs発光層部にて置き換えた例を示す図。 図18の発光素子のAlGaInP発光層部をAlGaAs発光層部にて置き換えた例を示す図。 図20の発光素子のAlGaInP発光層部をAlGaAs発光層部にて置き換えた例を示す図。
符号の説明
4,104 n型クラッド層
5,105 活性層
6,106 p型クラッド層
7 Si単結晶基板(導電性基板)
9 金属電極
20 ITO電極層
24,124 発光層部
30 コンタクト層
30’ GaAs層
31 中間層
100,200,300,1100,1200,1300 発光素子

Claims (10)

  1. 化合物半導体よりなる発光層部の少なくとも一方の主表面が光取出面側電極であるITO電極層により覆われてなり、
    前記発光層部の前記主表面の、正方形換算における一辺の寸法が400μm以上であり、
    かつ、前記ITO電極層の厚さが400nm以上であり、
    前記発光層部と前記ITO電極層との間に、該ITO電極層の接合抵抗を減ずるためのコンタクト層が、該ITO電極層に接するように配置され、
    前記発光層部は(AlGa1−xIn1−yP(ただし、0≦x≦1,0≦y≦1)よりなり、前記コンタクト層を構成する化合物半導体は、前記ITO電極層との接合界面においてInGa1−xAs(0<x≦1)であり、かつ厚さ方向におけるIn濃度分布が、前記ITO層から厚さ方向に遠ざかるにつれ連続的に減少するものとされ、前記コンタクト層の前記ITO電極層との境界近傍におけるIn濃度を、InとGaとの合計濃度に対するInの原子比にて0.1以上0.6以下とし、前記コンタクト層の、前記ITO層との境界位置におけるIn濃度をCとし、これと反対側の境界位置におけるIn濃度をCとして、C/Cを0.8以下としたことを特徴とする発光素子。
  2. 前記ITO電極層の主表面に、前記発光層部に対して電圧を印加するための金属電極が、該主表面の一部領域を覆う形で形成され、
    かつ、前記金属電極による前記ITO電極層の被覆面積率が0.1%以上10%以下であることを特徴とする請求項1記載の発光素子。
  3. 前記金属電極は、前記ITO電極層の主表面の幾何学的重心位置に対し、該金属電極の形成領域の幾何学的重心位置がずれて配置されてなることを特徴とする請求項2記載の発光素子。
  4. 前記発光層部の前記主表面は方形であり、前記ITO電極層は該発光層部の全主表面を覆うものであり、前記金属電極は該ITO電極層の周縁部又は角部に配置されてなることを特徴とする請求項3記載の発光素子。
  5. 前記ITO電極層の主表面に、前記発光層部に対して電圧を印加するための金属電極が、該主表面の一部領域を覆う形で形成され、
    前記ITO電極層は、金属電極の直下領域からなる第一領域と残余の第二領域とを有し、前記コンタクト層は、前記第二領域において、前記第一領域よりも形成面積率が大きい請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の発光素子。
  6. 前記第一領域に前記コンタクト層が形成されていないことを特徴とする請求項5記載の発光素子。
  7. 前記第二領域において少なくとも、前記コンタクト層の形成領域と非形成領域とが混在してなることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の発光素子。
  8. 前記コンタクト層の、前記ITO電極層に接しているのと反対側の主表面に、中間層を介して前記発光層部が結合されてなり、かつ、該中間層が、前記発光層部と前記コンタクト層との中間のバンドギャップエネルギーを有する化合物半導体よりなることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の発光素子。
  9. 前記発光層部が、(Al Ga 1−x In 1−y P(ただし、0≦x≦1,0≦y≦1)よりなり、前記中間層を、AlGaAs層、GaInP層及びAlGaInP層のうち少なくとも一つを含むものとして形成することを特徴とする請求項8記載の発光素子。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法であって、
    主表面の正方形換算における一辺の寸法が400μm以上である化合物半導体よりなる前記発光層部の少なくとも一方の主表面上に、前記コンタクト層となるべきGaAs層を形成し、光取出面側電極であるITO電極層をスパッタリングにより当該GaAs層と接するように形成し、その後、前記コンタクト層及び前記ITO電極層を形成した前記発光層部を、該ITO電極層の成膜温度よりも高温である300℃以上750℃以下の温度で5秒以上120秒以下にて熱処理することにより、前記ITO層から前記GaAs層にInを拡散させて、Inを含有したGaAsよりなるコンタクト層となすとともに、前記コンタクト層の前記ITO電極層との境界近傍におけるIn濃度を、InとGaとの合計濃度に対するInの原子比にて、0.1以上0.6以下とし、前記コンタクト層の、前記ITO層との境界位置におけるIn濃度をCとし、これと反対側の境界位置におけるIn濃度をCとして、C/Cを0.8以下とすることを特徴とする発光素子の製造方法。
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