JP2007504639A - 放射放出半導体素子 - Google Patents
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Abstract
第1の主要面(5)と、第2の主要面(9)と、電磁放射を生成する活性ゾーン(7)を備えている半導体層列(4)とを含んでいる半導体基体を備え、該半導体層列(4)は第1の主要面と第2の主要面(5,9)との間に配置されている放射放出半導体素子であって、第1の電流拡幅層(3)が第1の主要面(5)に配置されかつ第2の電流拡幅層(10)が第2の主要面(9)に配置されかつこれらは半導体層列(4)と導電接続されている。
Description
本発明は、第1の主要面と、第2の主要面と、電磁放射を生成する活性ゾーンを備えている半導体層列とを含んでいる半導体基体を備え、該半導体層列は第1の主要面と第2の主要面との間に配置されている放射放出半導体素子に関する。更に本発明は、この種の放射放出半導体素子を製造するための方法に関する。
この特許出願は、2003年8月29日のドイツ連邦共和国特許出願10339983.6および2003年10月7日のドイツ連邦共和国特許出願10346605.3の優先権を主張するものであり、これらの開示内容はこれを以て明示的に本出願に取り込まれるものである。
電気エネルギーから放射エネルギーへの内部変換効率は放射放出半導体素子では大抵、全体の効率より著しく高い。実質的に、活性ゾーンにおいて生成される放射の、半導体素子からの出力結合効率が悪いというのがその理由である。これには種々の原因がある。多いのは、半導体層列に大面積の電流供給が望まれているということであり、このことは例えば大面積の金属性コンタクトストラクチャを用いて可能である。しかしこの形式のコンタクトストラクチャは大抵、生成される放射に対して透過ではなく、従って生成された放射が著しく吸収されることになる。
小面積の、半導体基体を完全に被覆しないコンタクトストラクチャの場合にも、電流を大面積で供給する方策がある。このために放射放出半導体素子は例えばいわゆる電流拡幅層を有することができる。これは活性ゾーンに均一に電流が供給されるようにする。このことは一方において半導体層列に配置されている、ドーピングされた半導体材料から成る層により実現することができる。しかしこの形式の層は、活性ゾーンへの均一な電流供給を保証できるようにするためには比較的厚くなければならない。しかし半導体層が厚ければ厚いほど、層列の製造のために必要な時間が長くなる。更に層厚に伴ってこの層における自由なキャリアおよび/または生成される放射の吸収が高まり、このために全体の効率は低下されることになる。
更にJP2000−353820から、生成された放射に対して透過である電流拡幅層を有している素子が公知である。これは、TCO(=Transparent Conducting Oxides)の材料クラスに属しているZnOを含んでいる。ZnOの他に、このクラスからITO(=Indium Tin Oxide)も電流拡幅のために結構利用される。
放出再結合率もしくは出力結合効率は更に活性ゾーンにおいて生成される放射の、境界面での全反射によって制限されるが、このことは半導体材料および周辺材料の異なっている屈折率にその原因がある。全反射は境界面の適当なストラクチャ化によって防止することができる。そうすれば結果的に出力結合効率は高められる。
半導体層列が成長されるまたは放射放出半導体素子が固定されている基板または支持体における放射の吸収も出力結合効率を低下させる原因である。
本発明の課題は、冒頭に述べた形式の放射放出半導体素子をその総効率が高められるように発展させることである。更に高められた総効率を有する放射放出半導体素子の製造方法を提供したい。
この課題は請求項1の特徴部分に記載の構成を有する放射放出半導体素子もしくは請求項34の特徴部分に記載の構成を有する放射放出半導体素子の製造方法によって解決される。本発明の有利な発展形態は従属請求項の対象である。
本発明の放射放出半導体素子は、第1の主要面と、第2の主要面と、電磁放射を生成する活性ゾーンを備えている半導体層列とを含んでいる半導体基体を有しており、ここで該半導体層列は第1の主要面と第2の主要面との間に配置されており、第1の電流拡幅層が第1の主要面に配置されておりかつ半導体層列と導電接続されており並びに第2の電流拡幅層が第2の主要面に配置されておりかつ半導体層列と導電接続されている。
これら電流拡幅層の少なくとも1つは有利には、生成された放射に対して透過である導電性材料も含んでいる。特別有利には、2つの電流拡幅層はこの形式の材料、殊に放射透過性導電酸化物、有利には例えばZnO,InOおよび/またはSnOのような金属酸化物を含んでいるまたはITOのような2つまたはそれ以上の金属成分を有する酸化物を含んでいてもよい。これらの材料から成る電流拡幅層は特別適している。というのは、これらはとりわけ僅かな被膜抵抗を有しており、これにより半導体層列における均一な電流供給が保証されるからである。更に、これらは高度な透過の大きな波長領域を有している。抵抗は有利には、200Ω/□より下にあり、その際30Ω/□より低い値が特別有利である。その際単位Ω/□(Ohm per Square)は層の正方形面の抵抗に相応している。
電流拡幅層の厚さは本発明では、半導体層列における均一な電流供給が行われるように選択されている。これは10nmないし1000nm、特別有利には200nmないし800nmの層厚によって実現される。
有利には放射透過性導電性電流拡幅層の少なくとも1つはドープ剤としてAl、Ga、In、Ce、Sbおよび/またはFを含んでいて、電流拡幅層の被膜抵抗が低減されるようにしている。例えば第1の電流拡幅層はZnOを含んでおりかつAlがドーピングされており、かつ第2の電流拡幅層はSnOを含んでおりかつSbがドーピングされている。
電流拡幅層は例えばスパッタリング、殊にDCスパッタリングによって被着させることができ、その際プロセスパラメータは、電流拡幅層と隣接する半導体層との間に電気的なコンタクトが形成され、これにより半導体層列、従って活性ゾーンへの均一な電流供給が可能になるように選択されている。これら層の間の電気的なコンタクトは例えば関与する層の相応の表面の焼結または適当な予洗浄によって更に改善することができる。2つの電流拡幅層の存在によって、電流は半導体層列の両側において非常に均一に供給されかつ高いQの活性ゾーンが生じる。この活性ゾーンは均一に分配される放射生成および有利にも僅かな吸収という特長を持っている。
本発明の有利な実施形態において電流拡幅層の少なくとも1つにミラー層が配置されている。これは有利には導電性でありかつ活性ゾーンにおいて生成される放射に対して大幅に高い反射性を有してる。
ミラー層によって、場合によってはミラー層の下方に配置されている、例えば基板または支持板のような層における吸収損が低減されかつこれらは電流拡幅層と一緒に、半導体素子のコンタクト形成のための高効率の電気的なミラーコンタクトを形成する。ミラー層は有利には金属、有利にはAu、Ag、Al、Ptおよび/またはこれらの材料の少なくとも1つを有する合金を含んでいる。特別有利にはミラー層は電流拡幅層の、半導体層列とは反対側において第1の主要面に配置されている。ミラー層は例えば蒸着またはスパッタリングによって被着されるようにすることができる。
本発明の別の有利な実施形態において、半導体層列の少なくとも1つの主要面はマイクロストラクチャを有している。これは、電流拡幅層の被着の前に相応の主要面内に成形されるもしくは相応の主要面上に被着されたものである。その際マイクロストラクチャは次のような形式のものである:ストラクチャ化された面がストラクチャ化されない面に比べてより高い出力結合効率を有している。つまりストラクチャ化された面に入射する、活性ゾーンにおいて生成された放射の全反射が乱されるからである。これにより放射出力結合、従って放射放出半導体素子の総効率は高められる。この種のマイクロストラクチャは例えばエッチングまたは研磨法のような粗面化法によって形成することができる。更に、この種のマイクロストラクチャは次のようにして生成することができる。すなわち、ストラクチャ化すべき面に金属性のマスク材料を被着させるのだが、この材料の濡れ特性は、表面に小さな有利には少なくとも部分的に橋かけ結合された島が形成されるような性質を持っている。これらの島構造をドライエッチング法を用いてストラクチャ化すべき面に移すことができ、その後にマスク材料を適当な方法により取り除くことができる。有利には主要面は、半導体層列の、ミラー層とは反対側にマイクロストラクチャを有している。
本発明の有利な実施形態において半導体層列は少なくとも1つのn導電性の層およびp導電性の層を有している。n導電性および/またはp導電性の層の厚さは典型的にはモノレイヤー〜1000nm間にある。有利にはこれら層の少なくとも1つまたは2つの層の厚さは400nmより小さくかつ特別有利には150nm〜350nm間にある。従来の素子では活性ゾーンの周囲に配置されているn導電性の層および/またはp導電性の層はしばしば電流拡幅のためにも用いられかつそれ故に比較的大きな厚さを有している。
これに対して本発明では電流拡幅は半導体基体の外側に配置されている電流拡幅層において行われる。それ故に半導体層列の層は比較的薄く実現することができる。
この形式の有利には僅かな層厚を有している半導体層列は数多くの認識において放射放出半導体素子の機能にプラスに作用する。すなわち例えば自由キャリアの吸収、生成される放射の吸収およびこの形式の素子を製造するために必要であるエピタキシャル時間が著しく低減され、これにより放射放出半導体素子の出力結合効率は高められ、半導体層列の製造時間は短縮されかつその製造コストは低減される。
n導電性層の層およびp導電性層の層および放射を生成する活性ゾーンを備えている半導体層列は有利には基板、例えばGaAs基板上のエピタキシャル成長によって製造される。電流拡幅層は有利にはエピタキシャルフェーズの後例えばスパッタリングによって被着される。
有利には半導体層列は、III−V半導体、例えばInxGayAl1−x−yP、ただし0≦x≦1、0≦y≦1およびx+y≦1、InxGayAl1−x−yN、ただし0≦x≦1、0≦y≦1およびx+y≦1、またはInxGayAl1−x−yAs、ただし0≦x≦1、0≦y≦1およびx+y≦1を含んでいる。
特別有利には半導体層列のp導電性側に配置されている電流拡幅層はZnO、有利にはAlでドーピングされており、かつn導電性側に配置されている電流拡幅層はSnO、有利にはSbによってドーピングされている。Snは例えばIII−V半導体においてn導電性の領域において同時にドープ剤として使用することができる。それ故にSnOを含んでいる電流拡幅層からのSn原子の、隣接するn導電性層への拡散により、n導電性層における多数キャリア濃度が高められる。殊にこのことは2つの層の境界面において当てはまる。それ故にこの種の層間の導電性コンタクト、従って活性ゾーンへの電流供給は改善される。p導電性層に関連したアクセプタとしてのZnに対しても相応のことが当てはまる。
従って第1の電流拡幅層は第2の電流拡幅層とは異なっていてよく、それぞれの電流拡幅層の材料はコンタクト特性に応じて有利にも半導体基体の側に接している材料に整合させることができる。
本発明の有利な発展形態において第1および/または第2の電流拡幅層は放射放出半導体素子の作動時に半導体基体に対するオーミック特性を有する電気的なコンタクト(オーミックコンタクト)を形成する。この場合コンタクトは有利にも少なくとも近似的に、放射放出半導体素子の作動中生じる電流もしくは電圧値の領域においてリニヤな電流−電圧特性を有している。
有利には、半導体基体のp導電側に配置されている電流拡幅層が半導体基体に対してオーミックコンタクトを形成する。このために特別有利には、半導体基体の側でp導電性のAlGaAsを含有する層がZnO含有電流拡幅層に接している。この形式の組み合わせはオーミックコンタクトの形成のために特別有利であることが認められている。
本発明の有利な実施形態において半導体層列は基板上にエピタキシャル成長されている。基板はエピタキシャルプロセス後に適当な措置、例えば機械的な負荷またはエッチング過程によって除去された。半導体層列は第1の主要面を介して例えばGaAsから成る支持体に接続されている。この接続は有利には導電性でありかつはんだ金属化部を用いて行うことができる。支持体と第1の主要面との間に電流拡幅層が配置されており、これの、半導体層列とは反対の側にミラー層が配置されている。2つの次の有利な発展形態はこれに基づいている。
上述の形態の第1の有利な発展形態において後で支持体から取り除かれる第2の主要面が、この面に入射する放射の全反射を妨害するマイクロストラクチャを有している。この主要面には別の電流拡幅層が配置されており、この電流拡幅層には半導体素子の電気的なコンタクト形成のためのコンタクト面が配属されている。コンタクト面は有利には半導体層列および/または電流拡幅層より僅かなラテラルな拡がりを有している。更にこの面は半導体層列の方の側にも活性ゾーンにおいて生成された放射を反射する層を有することができるかまたはそれ自体反射性であってよい。電流拡幅層を用いてコンタクト面を介して注入される電流がラテラルに均一に分配されかつ大面積で活性ゾーンに供給される。これにより、活性ゾーンの、吸収性のコンタクト面下にある領域における不都合にも増加される放射生成が回避される。こうして結果的に、コンタクト面において生成される放射の吸収は反射層により低減されかつこれにより素子の出力結合効率が高められる。
上述の形態の第2の有利な発展形態において、後で支持体から取り除かされる第1の主要面はマイクロストラクチャを有している。これに、生成される放射に対して透過である被覆層または複数の層から成っている被覆層列が配属されておりかつ第2の電流拡幅層を備えている。この場合この電流拡幅層は少なくとも1つの切り欠きまたはウィンドウを有していて、被覆層列が切り欠きまたはウィンドウの領域において電流拡幅層によってカバーされていないようになっている。切り欠きは、被覆層列および電流拡幅層とコンタクトしている、電気的なコンタクト形成のためのコンタクト面によって少なくとも部分的に充填されている。
コンタクト面は有利には金属性でありかつ、被覆層列への移行部に関して電圧が順方向に加わっている場合、コンタクト面からラテラル方向に隣接している電流拡幅層へおよびそこから被覆層を介して活性ゾーンへほぼ全電流が流入するような高さの電位障壁(例えばショットキー・バリヤ)を有している。これにより、コンタクト面の下方にある活性ゾーン領域には僅かな電流成分しか達しず、かつこの領域において残りの活性ゾーンと比べて僅かな放射しか生成されない。それ故に、コンタクト面において生成された放射の吸収は低減される。更には、上で述べた形式のマイクロストラクチャまたは被覆層もしくは被覆層列は半導体層列の、支持体の方の側に実現されているようにしてもよい。
第1の主要面と、第2の主要面と、電磁放射を生成する活性ゾーンを備えている半導体層列とを含んでいる半導体基体を備え、該半導体層列は第1の主要面と第2の主要面との間に配置されている放射放出半導体素子に対する本発明の製造方法は次のステップを有している:
− 基板に半導体層列を成長させ、
− 第1の主要面に、放射透過性の電流拡幅層を被着させ、
− 基板を剥離し、
− 第2の主要面に、放射透過性の電流拡幅層を被着させる。
− 基板に半導体層列を成長させ、
− 第1の主要面に、放射透過性の電流拡幅層を被着させ、
− 基板を剥離し、
− 第2の主要面に、放射透過性の電流拡幅層を被着させる。
上に挙げられたステップはこの場合、所定の順序に決められていると解されるものではない。
有利には半導体層列はエピタキシャル成長される。基板は例えばエッチングプロセスまたは機械的な負荷のような適当な方法を用いて除去することができる。電流拡幅層は有利にはTCO、特別有利にはZnOおよび/またはSnOを含んでいる。
被膜抵抗を低減するために、少なくとも1つの電流拡幅層をAl、Ga、In、Ce、Sbおよび/またはFによってドーピングすると有利である。
説明した方法の別の実施形態は、上述の方法の適当な箇所に組み入れることができる以下に説明するステップによって得られる。その際殊に、半導体層列の両側において数多くのステップが実施されるようにすることもできる。
方法の有利な実施形態において第1の主要面側の電流拡幅層に、有利にはAu、Ag、Al、Ptおよび/またはこれら材料の少なくとも1つを有する合金を含んでいるミラー層が被着される。
半導体基体は続いて有利にはミラー層を介して支持体に固定されるようにすることができ、その際固定は有利にははんだ金属化部を用いて行われる。基板は有利には半導体基体の、支持体への固定後に剥離される。従って支持体は基板とは異なっているものである。
更に少なくとも1つの主要面は、活性ゾーンにおいて生成される放射の、この主要面での全反射を妨害するためのマイクロストラクチャを備えるようにすることができる。
更に方法の有利な実施形態において、電流拡幅層と半導体層列との間に配置されている被覆層または被覆層列が被着される。被覆層に隣接している電流拡幅層において有利には少なくとも部分的に、放射放出半導体素子の電気的なコンタクト形成のためのコンタクト面によって充填される切り欠きを設けることができる。切り欠きは有利には、電流拡幅層が切り欠きの領域において完全に除去されているように形成される。
切り欠きが設けられていなければ、後で支持体から取り除かれる電流拡幅層にコンタクト面が被着されるようにしてもよい。
特別有利には説明してきた方法は請求項1および従属請求項に記載の半導体素子の製造のために利用される。
本発明の別の特徴、利点および目的適合性は以下の図と関連した以下の実施例の説明から明らかにしたい。
図1は本発明の放射放出半導体素子の第1実施例の断面を略示し、
図2は本発明の放射放出半導体素子の第2実施例の断面を略示し、
図3は本発明の放射放出半導体素子の第3実施例の断面を略示し、
図4A〜図4Dは放射放出半導体素子の本発明の製造方法の1実施例をそれぞれに工程において略示している。
図2は本発明の放射放出半導体素子の第2実施例の断面を略示し、
図3は本発明の放射放出半導体素子の第3実施例の断面を略示し、
図4A〜図4Dは放射放出半導体素子の本発明の製造方法の1実施例をそれぞれに工程において略示している。
同じ形式のおよび同じ作用をするエレメントには以下の図において同じ参照番号が付されている。
図1において本発明の放射放出半導体素子の第1の実施例の断面が略示されている。GaAs支持体1にAuから成るミラー層2およびこの上に第1の電流拡幅層3が配置されている。電流拡幅層はZnOおよびAlを例えばAl0.02Zn0.98Oの組成において含んでいる。これらの層に、InxGayAl1−x−yP、ただし0≦x≦1,0≦y≦1およびx+y≦1を含んでいる半導体層列4を備えた半導体基体が配属されている。半導体層列4は第1の主要面5、第1の導電形の1つまたは複数の半導体層6、放射生成活性ゾーン7、第2の導電形の1つまたは複数の半導体層8を有している。第2の主要面9に、第2の電流拡幅層10が配置されている。これはSnOおよびSbを例えばSb0.2Sn0.98Oを含んでいる。層6および8はpもしくはn導電形でありかつ例えば200nmのそれぞれの総層厚を有している。
半導体層列4は、ミラー層2の被着後に剥離された、GaAsから成る成長基板に対するエピタキシャルによって製造されている。ミラー層2と電流拡幅層3との組み合わせは半導体層列4への均質な電流供給のための効率の高いミラーコンタクトとして用いられる。これにより支持体1における放射の吸収が低減されかつ第2の主要面10上の第2の電流拡幅層10との組み合わせにおいて半導体層列4への、殊に活性ゾーン7への2つの主要面5および9を介する非常に均一な電流供給が保証される。従ってラテラル方向に一様である放射が生成される高度なQの活性ゾーン7が生じる。
半導体層6および8の僅かな層厚により半導体基体の比較的短い製造プロセスが可能になりかつ自由キャリア並びにこれらの層において生成された放射の吸収が低減される。層厚は下方向において制限されている。つまりそれは、この厚さの層は境を接している電流拡幅層から活性ゾーンへの不純物の拡散を妨げるものであり、その厚さはマイクロストラクチャの有り得る加工成形または被着に対して十分な大きさでありおよび/またはキャリアはできるだけ長く活性ゾーンに滞留するからである。
2つの電流拡幅層3および10から成る組み合わせにより総効率が高められ、それはミラー層2および異なる導電形の薄い層6および8によって更に一段と高められる。
有利には半導体層列6の側においてp導電形のAlGaAs層が電流拡幅層3に接している。AlGaAs層は有利には半導体基体もしくは半導体層列に集積されている。こうして、電流拡幅層と半導体基体との間の実質的なオーミックコンタクトの形成が容易になる。
素子の電気的なコンタクト形成は第2の主要面9もしくは第2の電流拡幅層10の側に配置されているコンタクト面および支持体1の、半導体基体とは反対側に配置されている対向コンタクト面を介して行うことができる。このことは図1には図示されていない。
図2には、本発明の放射放出半導体素子の第2の実施例が断面にて略示されている。この実施例は図1の実施例の構成とは実質的に一致している。図1の実施例とは異なって、ミラー層2ははんだ金属化部11を介して支持体に固定されておりかつこうして支持体と導電接続されている。更に、第2の主要面9はマイクロストラクチャ12を備えている。これは例えば上述した、金属製のマスク層を用いた方法によって製造されたものである。これは全反射を妨げ、従って出力結合効率を高める。
更に第2の電流拡幅層10に電気的なコンタクト形成のためのコンタクト面13が配置されている。これは半導体層列4を向いている方の側において活性ゾーン7に関して反射性である可能性があるが、このことは明示的には図示していない。コンタクト面13は、電流拡幅層3、10および/または半導体層列4より僅かなラテラル方向の拡がりを有している。こうすれば生成された放射の、コンタクト面13における吸収は低減される。その理由は、吸収性のコンタクト面13の陰になる活性ゾーン7領域における集中化された放射生成が回避されるからである。コンタクト面13の下面をミラー化すればコンタクト面13における吸収が一段と低減されることになる。従って全体として、出力結合効率は図1の図示の実施例に比べて一段と高められる。
図3には、本発明の放射放出半導体素子の第3の実施例が断面にて略示されている。基本的な構成は図2に図示の構成とに対応している。これとの相異は、電流拡幅層10と第2の主要面9との間に被覆層14が配置されていることである。更に、電気的なコンタクト形成は電流拡幅層10の切り欠き15に配置されておりかつ電流拡幅層10および導電性の被覆層14と直接コンタクトしているコンタクト面13によって行われる。電流拡幅層10および被覆層14間の電気的なコンタクトは、電流がコンタクト面13から主に電流拡幅層10および次いで被覆層14を介して半導体層列4および活性ゾーン7に達するように製造されている。被覆層14とコンタクト面13との間のコンタクトはここでは、十分に高い電位障壁(例えばショットキーバリヤ)を有しており、これにより、電流がコンタクト面13から直接被覆層14を介して半導体層列4に達するかまたはこのパスを介する電流の流れを少なくとも低減するのが妨げられる。
被覆層14は有利には生成される放射に対しては透過でありかつ例えばAlxGa1−xAsyP1−x−y、ただし0≦x≦1および0≦y≦1を含んでいる。この形式のコンタクト形成により、図2に図示の実施例と比べて、コンタクト面13の陰になっている活性ゾーン7の領域に一層僅かな電流成分しか注入されないようになる。これによりこの領域において比較的僅かな放射出力が生成され、その結果コンタクト面13において相応に僅かな量の放射しか吸収されない。これにより図2に図示の対象と比べて、出力結合効率が一段と高められる。
図4Aないし図4Dには、高い総効率を有する放射放出半導体素子を製造するための本発明の方法の実施例が順次それぞれの中間工程において図示されている。
図4Aには、例えばGaAsから成る基板16にエピタキシャル成長された半導体層列4が図示されている。半導体層列4は、第1の主要面5と、第1の導電形の層6(例えばp導電形)と、電磁放射を生成する活性ゾーン7と、第2の導電形の層8(例えばn導電形)と、第2の主要面9とを有している半導体基体を形成している。層6および8の厚さはそれぞれ200nmである。半導体層列4は例えばInxGayAl1−x−yP、ただし0≦x≦1、0≦y≦1およびx+y≦1をベースとしている。
図4Bにおいて第1の主要面5にAl0.02Zn0.98Oから成る電流拡幅層3がスパッタリングされる。これは蒸着またはスパッタリングによりAuから成るミラー層2を備える。続いてミラー層2が図4Cに示されているように、はんだ金属化部11を用いて有利にはGaAsから成る支持体1に固定されかつ基板16が除去され、その際ミラー層2は支持体1と導電接続されている。更に、今やもう基板16に接続されていない第2の主要面9に適当な仕方でマイクロストラクチャ12が被着または加工成形される。これはこの面における全反射を妨害する。従って支持体1は殊に、基板16とは異なっている。
次にマイクロストラクチャ12を備えた主要面9に、Sb0.02Sn0.98Oを含んでいる別の電流拡幅層10がスパッタリングされる。これに図4Dに示されているように最後の工程で放射放出半導体素子の電気的なコンタクト形成のためのコンタクト面13が備えられる。
本発明は実施例に基づいた説明に制限されていない。それどころか本発明はそれぞれの新しい特徴並びにこれら特徴のそれぞれの組み合わせを含んでおり、このことは殊に、特許請求の範囲の特徴のいずれの組み合わせも、たとえこの特徴またはこの組み合わせそれ自体が特許請求の範囲に明示的に示されていなくとも含むものである。
Claims (41)
- 第1の主要面(5)と、第2の主要面(9)と、電磁放射を生成する活性ゾーン(7)を備えている半導体層列(4)とを含んでいる半導体基体を備え、該半導体層列(4)は第1の主要面と第2の主要面(5,9)との間に配置されている放射放出半導体素子において、
第1の電流拡幅層(3)が第1の主要面(5)に配置されておりかつ半導体層列(4)と導電接続されており、
第2の電流拡幅層(10)が第2の主要面(9)に配置されておりかつ半導体層列(4)と導電接続されている
ことを特徴とする放射放出半導体素子。 - 電流拡幅層(3,10)を備えている2つの2つの主要面(5,9)の少なくとも1つはマイクロストラクチャ(12)を有している
請求項1記載の放射放出半導体素子。 - 電流拡幅層(3,10)の少なくとも1つは生成された放射を透過する材料を含んでいる
請求項1または2記載の放射放出半導体素子。 - 2つの電流拡幅層(3,10)は生成された放射を透過する材料を含んでいる
請求項1から3までのいずれか1項記載の放射放出半導体素子。 - 放射透過性材料は酸化物を含んでいる
請求項3または4記載の放射放出半導体素子。 - 酸化物は金属酸化物である
請求項5記載の放射放出半導体素子。 - 放射透過性材料はITOおよび/またはInOを含んでいる
請求項3から6までのいずれか1項記載の放射放出半導体素子。 - 放射透過性材料はZnOを含んでいる
請求項3から6までのいずれか1項記載の放射放出半導体素子。 - 放射透過性材料はSnOを含んでいる
請求項3から6までのいずれか1項記載の放射放出半導体素子。 - 電流拡幅層(3,10)の少なくとも1つはAl、Ga、In、Ce、Sbおよび/またはFを含んでいる
請求項1から9までのいずれか1項記載の放射放出半導体素子。 - 電流拡幅層(3,10)の少なくとも1つにミラー層(2)が配置されている
請求項1から10までのいずれか1項記載の放射放出半導体素子。 - ミラー層(2)は電流拡幅層(3)の、半導体層列(4)とは反対側に配置されている
請求項11記載の放射放出半導体素子。 - ミラー層(2)は導電性である
請求項11または12記載の放射放出半導体素子。 - ミラー層(2)は金属を含んでいる
請求項11から13までのいずれか1項記載の放射放出半導体素子。 - ミラー層(2)はAu、Ag、Alおよび/またはPtを含んでいる
請求項11から14までのいずれか1項記載の放射放出半導体素子。 - 主要面(9)は、半導体層列(4)の、ミラー層(2)とは反対側にマイクロストラクチャ(12)を有している
請求項11から15までのいずれか1項記載の放射放出半導体素子。 - 半導体層列(4)は少なくとも1つのn導電性および/またはp導電性の層(6,8)を含んでいる
請求項1から16までのいずれか1項記載の放射放出半導体素子。 - n導電性および/またはp導電性の層(6,8)の厚さはモノレイヤーから1000nmまでの領域に、有利には400nmより小さくかつ特別有利には150nm〜350nm間にある
請求項17記載の放射放出半導体素子。 - 半導体層列のp導電性層の側の電流拡幅層はZnOおよび有利にはAlを含んでいる
請求項17または18記載の放射放出半導体素子。 - 半導体層列のn導電性層の側の電流拡幅層はSnOおよび有利にはSbを含んでいる
請求項17から19までのいずれか1項記載の放射放出半導体素子。 - 放射放出半導体素子は支持体(1)に固定されている
請求項1から20までのいずれか1項記載の放射放出半導体素子。 - 支持体(1)はGaAsを含んでいる
請求項21記載の放射放出半導体素子。 - 放射放出半導体素子は、有利には支持体(1)に直接接しているはんだ金属化部(11)を用いて支持体に固定されている
請求項21または22記載の放射放出半導体素子。 - はんだ金属化部(11)はミラー層(2)に配置されている
請求項11および23記載の放射放出半導体素子。 - 電流拡幅層(10)に電気的なコンタクト形成のためのコンタクト面(13)が配置されている
請求項1から20までのいずれか1項記載の放射放出半導体素子。 - コンタクト面(13)は、半導体層列(4)の、支持体(1)とは反対の側に配置されている
請求項25記載の放射放出半導体素子。 - コンタクト面(13)は、半導体層列(4)の方の側に、生成された放射を反射する層を有している
請求項25または26記載の放射放出半導体素子。 - 電流拡幅層(3,10)の少なくとも1つは切り欠き(15)を有している
請求項1から24までのいずれか1項記載の放射放出半導体素子。 - 切り欠き(15)に導電性のコンタクト面(13)が配置されている
請求項28記載の放射放出半導体素子。 - 放射放出半導体素子の電気的なコンタクト形成はコンタクト面(13)を介して行われる
請求項29記載の放射放出半導体素子。 - 切り欠き(15)およびコンタクト面(13)を備えている電流拡幅層(10)の、半導体層列(4)の方の側に、被覆層または被覆層列(14)が設けられている
請求項30記載の放射放出半導体素子。 - 被覆層または被覆層列(14)はコンタクト面(13)に関して、電流が部分的に電流拡幅層(10)に達するように低導電性である
請求項31記載の放射放出半導体素子。 - 半導体層列(4)は、III−V半導体、有利にはInxGayAl1−x−yP、ただし0≦x≦1、0≦y≦1およびx+y≦1、InxGayAl1−x−yN、ただし0≦x≦1、0≦y≦1およびx+y≦1、またはInxGayAl1−x−yAs、ただし0≦x≦1、0≦y≦1およびx+y≦1を含んでいる
請求項1から32までのいずれか1項記載の放射放出半導体素子。 - 第1の電流拡幅層はZnOを含んでおりかつ半導体基体の側でp導電性のAlGaAs含有層に接している
請求項1から33までのいずれか1項記載の放射放出半導体素子。 - 第1の主要面(5)と、第2の主要面(9)と、電磁放射を生成する活性ゾーン(7)を備えている半導体層列(4)とを含んでいる半導体基体を備え、該半導体層列(4)は第1の主要面と第2の主要面(5,9)との間に配置されている放射放出半導体素子の製造方法において、
− 基板(16)に半導体層列(4)を成長させ、
− 第1の主要面(5)に、放射透過性の電流拡幅層(3)を被着させ、
− 基板(16)を剥離し、
− 第2の主要面(9)に、放射透過性の電流拡幅層(10)を被着させる
ことを特徴とする放射放出半導体素子の製造方法。 - 第1の主要面(5)における電流拡幅層にミラー層(2)を被着させかつ半導体基体を有利には該ミラー層(2)を備えている側で支持体(1)に固定する
請求項35記載の放射放出半導体素子の製造方法。 - 半導体層列(4)の成長をエピタキシャルに行う
請求項35または36記載の放射放出半導体素子の製造方法。 - 電流拡幅層(3,10)をスパッタリングによって被着させる
請求項35から37までのいずれか1項記載の放射放出半導体素子の製造方法。 - ミラー層(2)をスパッタリングまたは蒸着によって被着させる
請求項36から38までのいずれか1項記載の放射放出半導体素子の製造方法。 - 電流拡幅層(3,10)の被着の前に、主要面(5,9)の少なくとも1つにマイクロストラクチャ(12)を被着または成形する
請求項35から39までのいずれか1項記載の放射放出半導体素子の製造方法。 - 少なくとも1つの電流拡幅層(3,10)と隣接している主要面(5,9)との間に、被覆層列(14)が被着されているようにしかつ該被覆層列は切り欠き(15)を有しており、該切り欠きに電気的なコンタクト面(13)が成形される
請求項35から40までのいずれか1項記載の放射放出半導体素子の製造方法。
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