JP4618894B2 - ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン誘導体 - Google Patents

ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン誘導体 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、新規なジカルバ−クロゾ−ドデカボラン誘導体に関するものである。また、本発明は、上記ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン誘導体を有効成分として含む医薬に関する。
背景技術
ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(以下、本明細書において「カルボラン」の略称を用いる。)は2個の炭素原子と10個のホウ素原子を含む20面体のクラスター化合物であり、両原子は6配位である。カルボランにはクラスター中の炭素原子の配置により3種の異性体、すなわち1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(オルト−カルボラン)、1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(メタ−カルボラン)、1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(パラ−カルボラン)が存在する。これらの構造はホウ素化合物の中でも特異であり、熱的に極めて安定で、炭化水素と比較しうる程度の疎水性を有するという特徴がある。
現在までのカルボランを構成要素とする化合物の用途として主たるものは、10B−中性子捕捉療法(BNCT)への応用である。10B−中性子捕捉療法は、主としてグリオーマやメラノーマに対する療法として発展しつつある。10B原子に熱中性子(低速中性子)を照射すると、2.4MeVのエネルギーをもつα線を放出してLiとHeに分解する。そのα線の到達距離は約10μmであり、これは細胞の径に相当する。従って、10B原子を取り込んだ細胞のみを破壊し、他の細胞に障害を与えないという効果が期待できる。BNCTの発展には、癌細胞に中性子照射で細胞を破壊しうる濃度の10B原子をいかに選択的に取り込ませるかが重要である。その目的のために、低毒性で、10B原子含有量が多く、合成の容易なオルト−カルボラン骨格が用いられている。また、オルト−カルボランを含む核酸前駆体、アミノ酸、ポルフィリン等が合成され、試用されている。
発明の開示
従来、カルボラン化合物の研究はBNCTに適した化合物の創製のみに関心が持たれ、カルボランを細胞内に導入する目的のために、生体類縁化合物にカルボラン骨格を付与する設計がなされている。しかし、これまでの手法はカルボラン自身の性質を生体内の分子認識に利用したドラッグデザインとは言い難い。一方、本発明の課題は、カルボラン自身の物理的及び化学的性質を理解した上で、カルボランを疎水性ファーマコフォアとして医薬の部分構造に用い、新規な生理活性物質を提供することにある。
一般に、リガンドーレセプター複合体の安定化には水素結合、分子の形状とともに疎水性相互作用が寄与していることから、カルボランを疎水部分として導入することにより、リガンドーレセプター複合体の安定性を高め、所望の生理活性を高めることができるものと考えられる。本発明で提供されるカルボラン含有核内レセプターリガンドは、BNCTへの適用においては癌細胞へのターゲティングの面で有望な化合物であり、また、核内レセプターを介する作用薬としては、優れた活性を持ちつつ、従来の医薬とは異なる体内動態が期待される化合物である。
すなわち、本発明の目的は、カルボラン骨格をファーマコフォアとして有する生理活性化合物を提供することにある。さらに具体的には、優れた生理活性を有し、細胞毒性の少ない核内受容体調節剤などに有用な新規物質を提供することにある。また、該化合物を有効成分として含み、白血病に対する分化誘導療法剤やエストロゲン作用剤としてに有用な医薬を提供することも本発明の目的である。 本発明者は上記の課題を解決すべく鋭意努力した結果、下記一般式(I)で表されるジカルバ−クロゾ−ドデカボラン構造を有する化合物がレチノイン酸受容体などの核内受容体のリガンドとして優れた活性を有しており、白血病に対する分化誘導療法剤などに優れた治療効果を発揮できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の一般式(I):
Figure 0004618894
〔式中、Rは低級アルキル基、低級アルケニル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、アミノ基、水酸基、低級ヒドロキシアルキル基、モノ若しくはジ低級アルキルカルバモイル置換アルキル基、低級アルカノイル基、置換基を有していてもよいアリール基、及び置換基を有していてもよい低級アラルキル基からなる群から選ばれる1又は2個以上の置換基を有していてもよいジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−イル基を示し;Rはカルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、又はヒドロキシル基を示し;Xは単結合を示すか、又は下記の式:
Figure 0004618894
[式中、Y、Y、Y、Y、Y、Y、及びYはそれぞれ独立に酸素原子又は−N(R)−(式中、Rは水素原子又は低級アルキル基を示す)を示し、Yは酸素原子、−N(R)−(式中、Rは水素原子又は低級アルキル基を示す)、−CO−、−CH−、又は−C(=CH)−を示し、R、R、及びRはそれぞれ独立に水素原子を示すか、又はフェニル基上の1個若しくは2個以上の置換基を示し、Rは低級アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、Rは低級アルキル基を示し、R10は置換基を有していてもよいアリール基を示す]で表される基からなる群から選ばれる連結基を示す〕
で表される化合物又は生理学的に許容されるその塩を有効成分として含む医薬を提供するものである。
上記発明の好ましい態様によれば、
(1)Rが低級アルキル基を有していてもよいジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−イル基であり、Rがカルボキシル基又は低級アルコキシカルボニル基を示し、Xが上記の連結基である式(I)の化合物又は生理学的に許容されるその塩を有効成分として含む医薬;及び
(2)Rが低級アルキル基、低級アルケニル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、アミノ基、水酸基、低級ヒドロキシアルキル基、低級アルカノイル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ヒドロキシフェニル基、及び低級アルコキシフェニル基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよいジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−イル基であり、Rがヒドロキシル基であり、Xが単結合である式(I)の化合物又は生理学的に許容されるその塩を有効成分として含む医薬
が提供される。
上記式(I)で表される化合物又は生理学的に許容されるその塩は核内リセプターのリガンドとして作用することができる。従って、この医薬はレチノイド作用剤やエストロゲン作用剤として有用であり、さらに癌、リウマチ、動脈硬化、糖尿病、臓器移植の際の拒絶反応、移植片対宿主病の治療及び/又は予防に有用である。特に、上記(1)で定義された化合物又は生理学的に許容されるその塩を有効成分として含む上記医薬は、例えば、レチノイド作用剤として白血病の治療に用いることができる。また、上記(2)で定義された化合物又は生理学的に許容されるその塩を有効成分として含む上記医薬は、例えば、エストロゲン作用剤として女性ホルモンバランス調節、月経障害、骨粗鬆症、又は癌の予防及び/又は治療に有用である。
また、別の観点からは、上記医薬の製造のための上記式(I)で表される化合物又はその塩の使用、及び白血病の治療方法であって、上記式(I)で表される化合物又は生理学的に許容されるその塩、好ましくは上記(1)で定義された化合物又は生理学的に許容されるその塩の治療有効量を患者に投与する工程を含む方法、及び固形癌又は重篤な皮膚疾患などの種々の疾患の治療及び/又は予防方法であって、上記式(I)で表される化合物又は生理学的に許容されるその塩、好ましくは上記(1)で定義された化合物又は生理学的に許容されるその塩の治療有効量を患者に投与する工程を含む方法が提供される。
さらに別の観点からは、本発明により、下記の一般式(I):
Figure 0004618894
〔式中、Rは低級アルキル基、低級アルケニル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、アミノ基、水酸基、低級ヒドロキシアルキル基、モノ若しくはジ低級アルキルカルバモイル置換アルキル基、低級アルカノイル基、置換基を有していてもよいアリール基、及び置換基を有していてもよい低級アラルキル基からなる群から選ばれる1又は2個以上の置換基を有していてもよいジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−イル基を示し;Rはカルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、又はヒドロキシル基を示し;Xは単結合を示すか、又は下記の式:
Figure 0004618894
[式中、Y、Y、Y、Y、Y、Y、及びYはそれぞれ独立に酸素原子又は−N(R)−(式中、Rは水素原子又は低級アルキル基を示す)を示し、Yは酸素原子、−N(R)−(式中、Rは水素原子又は低級アルキル基を示す)、−CO−、−CH−、又は−C(=CH)−を示し、R、R、及びRはそれぞれ独立に水素原子を示すか、又はフェニル基上の1個若しくは2個以上の置換基を示し、Rは低級アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、Rは低級アルキル基を示し、R10は置換基を有していてもよいアリール基を示す]で表される基からなる群から選ばれる連結基を示すが、Xが単結合である場合には、Rが無置換のジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−イル基であり、かつRがヒドロキシル基である場合、及びRがp−ヒドロキシフェニル基で置換されたジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−イル基であり、かつRがヒドロキシル基である場合を除く〕
で表される化合物又はその塩が新規物質として提供される。
発明を実施するための最良の形態
1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(オルト−カルボラン)は下記の構造式の上側に記載された化合物である。水素原子を有する10個のホウ素原子(式中、「B」で示す)と、水素原子を有する2個の炭素原子(式中、「C」で示す)を有している。1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル基は、式中のカルボラン環上の1個の炭素原子上の水素原子を除いた残基に相当する基である。ジカルバ−クロゾ−ドデカボランとして、1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(メタ−カルボラン)、1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(パラ−カルボラン)も知られている。これらは、オルト−カルボランと同様に、1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル基、及び1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル基を形成することができる。本明細書において用いられる「ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−イル基」という用語は、ジカルバ−クロゾ−ドデカボランの3種の異性体の残基を包含するものとして用いる。ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−イル基を構成する2個の炭素原子のうちの残基の形成に関与しない1個の炭素原子及び10個のホウ素原子は、それぞれ独立に置換基を有することができる。その一例として、下記に示す構造式の下側には、10個のホウ素原子のすべてにメチル基が置換した1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(パラ−カルボラン)を示した。
Figure 0004618894
本発明の医薬は、ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−イル基を疎水性ファーマコフォアとして有することを特徴としている。受容体に代表される生体内高分子(以下、単に「受容体」と呼ぶ)は薬物を認識する固有の構造を部分構造として有しており、薬物との空間的な相互作用により安定な結合を形成し、その作用を発現する。この相互作用に関与する複数の官能基あるいはその集団を「ファーマコフォア」という。薬物の疎水性部分は、受容体の結合部位との疎水性相互作用によって結合を安定化するとともに、受容体による薬物の形状認識に重要な意味を持つ。
本発明の化合物における疎水性ファーマコフォアとは、医薬化合物の部分構造であって、疎水性部分として受容体との結合安定化に寄与している、あるいは寄与が期待される構造を意味している。本発明の化合物は、ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−イル基を疎水性ファーマコフォアとして有しており、医薬として用いることができる。特に、レチノイド、エストロゲン、アンドロジェン、又はチロイドなどの核内レセプターリガンドが結合する核内レセプターに対して、アゴニスト又はアンタゴニストとして作用することができる。従来、ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−イル基を有する化合物をBNCTに応用する試みはあるものの、受容体との結合安定化及び受容体との結合安定化による生理活性増強の目的で、ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−イル基を疎水性ファーマコフォアとして利用した例は知られていない。
本明細書において、低級アルキル基又は低級アルキル部分を含む置換基(例えば、低級アルコキシカルボニル基、低級アルケニル基、低級ヒドロキシアルキル基、低級アルカノイル基、低級アラルキル基など)の低級アルキル部分は、直鎖状、分枝鎖状、環状、又はそれらの組み合わせのいずれでもよく、炭素数は1〜6個、好ましくは1〜4個程度である。低級アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などを用いることができる。低級アルケニル基としては、炭素数1〜6個程度のものを用いることができる。低級アルケニル基に含まれる二重結合の個数は特に限定されないが、通常は1〜3個程度、好ましくは1個である。
ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−イル基に存在可能な置換基について具体的に説明すると、低級アルキル基としてはメチル基などが好ましく、、低級アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などを挙げることができる。アミノ基は1個又は2個の置換基(例えば低級アルキル基、低級アルカノイル基など)を有していてもよく、2個のアルキル基を有する場合には、それらは結合して環を形成していてもよい。また、低級ヒドロキシアルキル基としてはヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基などを挙げることができ、低級アルカノイル基としてはアセチル基、プロパノイル基などを挙げることができる。
モノ又はジ低級アルキルカルバモイル基で置換されたアルキル基の炭素数は、1〜12個、好ましくは8〜10個程度であり、2個のアルキル基は結合して環を形成していてもよい。アリール基としてはフェニル基が好ましく、アラルキル基としてはベンジル基が好ましい。アリール基又はアラルキル基が置換基を有する場合、置換基の種類及び個数は特に限定されないが、例えば、環上の置換基として、低級アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、低級アルコキシ基などを用いることができる。アリール基又はアラルキル基の環上の低級アルコキシ基には、モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基、又は環状アミノ基(ピロリジニル基、ピペリジニル基など)が置換していてもよい。このような例として、例えば、2−(N,N−ジメチルアミノ)エトキシ基などを挙げることができる。アリール基又はアラルキル基の環上の置換基の置換位置は特に限定されず、オルト、メタ、パラ位のいずれに置換していてもよい。
ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−イル基が置換基を有する場合には、置換基の存在位置は特に限定されず、カルボラン環上の炭素原子、及び/又はホウ素原子の一部若しくは全部に存在していてもよい。例えば、低級アルキル基、低級アルケニル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、アミノ基、水酸基、低級ヒドロキシアルキル基、モノ若しくはジ低級アルキルカルバモイル置換アルキル基、低級アルカノイル基、置換基を有していてもよいアリール基、及び置換基を有していてもよい低級アラルキル基からなる群から選ばれる置換基は、カルボラン環を構成する炭素原子上に置換することが好ましい。また、カルボラン環を構成するホウ素原子の一部又は全部が、例えばアルキル基などで置換されていてもよい。例えば、全てのホウ素原子がアルキル化されているカルボラン環、炭素原子上のみに置換基を有するカルボラン環などが好適である。
が示す低級アルコキシカルボニル基としては、例えば、エトキシカルボニル基、メトキシカルボニル基などが好ましい。Rはベンゼン環の任意の位置に置換していてもよいが、パラ位に置換していることが好ましい。Y、Y、Y、Y、Y、Y、及びYは−N(R)−で表される基であることが好ましく、Rが示す低級アルキル基としては、上記に具体的に説明したアルキル基を好適に用いることができる。Rが水素原子又はメチル基であることが好ましい。Yが−N(R)−で表される基を示す場合には、Rは水素原子又はメチル基であることが好ましい。R、R、及びRがフェニル基上の置換基を示す場合には、置換基の種類、個数、及び置換位置は特に限定されない。フェニル基上の置換基として、例えば、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アミノ基、アルカノイル基、アラルキル基、ヒドロキシル基などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。
、R、及びRは水素原子であることが好ましいが、Yが−N(R)−(Rは低級アルキル基、好ましくはメチル基を示す)である場合には、Rは低級アルキル基、例えばメチル基であることが好ましい。Rとしてはエチル基又はパラ位に置換基を有するフェニル基が好ましい。該フェニル基上が置換基を有する場合、置換基としてはモノ若しくはジ低級アルキルアミノ基2個のアルキル基は結合して環を形成していてもよい)で置換された低級アルコキシ基、より具体的には2−(N,N−ジメチルアミノ)エトキシ基などを挙げることができる。Rとしてはエチル基が好ましい。R10としては、パラ位に置換基を有するフェニル基が好ましい。置換基としては、モノ若しくはジ低級アルキルアミノ基(2個のアルキル基は結合して環を形成していてもよい)、より具体的にはピロリジノメチル基などを挙げることができる。RがXにおけるフェニル基に結合する場合には、その結合位置は特に限定されないが、Xに存在する窒素原子又はカルボニル基に対してメタ位又はパラ位に結合することが好ましい。Xが単結合である場合には、Rは、Rが置換するフェニル基に直接結合する。このような場合には、Rは水酸基であることが好ましい。
より具体的には、式(I)で表される化合物において、(1)Rが低級アルキル基を有していてもよいジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−イル基であり、Rがカルボキシル基又は低級アルコキシカルボニル基を示し、Xが上記の連結基である化合物は本発明の好ましい態様である。この化合物において、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Yは−N(R)−で表される基であることが好ましく、さらにRが水素原子であることが好ましい。また、R、R、及びRが水素原子であることが好ましいが、Yが−N(R)−(Rは低級アルキル基、好ましくはメチル基を示す)である場合には、Rは低級アルキル基、例えばメチル基であることが好ましい。
また、別の好ましい化合物として、式(I)で表される化合物において、(2)Rが低級アルキル基、低級アルケニル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、アミノ基、水酸基、低級ヒドロキシアルキル基、低級アルカノイル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ヒドロキシフェニル基、及び低級アルコキシフェニル基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよいジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−イル基であり、Rがヒドロキシル基であり、Xが単結合である化合物を挙げることができる。
式(I)で表される化合物は、1個又は2個以上の不斉炭素を有する場合があるが、不斉炭素に基づく任意の光学活性体、ジアステレオ異性体などの立体異性体、立体異性体の任意の混合物、ラセミ体などはいずれも本発明の範囲に包含される。また、式(I)の化合物は酸付加塩又は塩基付加塩として存在する場合があるが、それらも本発明の範囲に包含される。酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの鉱酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、マレイン酸塩などの有機酸塩を挙げることができ、塩基付加塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩などの金属塩、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩などの有機アミン塩などを挙げることができる。これらのほか、グリシン塩などのアミノ酸塩や、分子内塩(ツビッタイオン)も本発明の範囲に包含される。さらに、本発明の化合物又はその塩は、水和物又は溶媒和物を形成する場合があるが、これらもすべて本発明の範囲に包含される。
式(I)に包含される代表的な化合物の製造方法を下記のスキームに示す。また、これらの化合物の製造方法を本明細書の実施例に詳細かつ具体的に示した。当業者は、下記のスキームに示された製造方法及び実施例の具体的説明を参照しつつ、原料化合物、反応条件、試薬などを適宜選択し、必要に応じてこれらの方法に適宜の修飾ないし改変を加えることにより、一般式(1)に包含される化合物をいずれも製造することが可能である。なお、式(I)において、Xが単結合であり、Rが無置換のジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−イル基であり、かつRがヒドロキシル基である化合物(下記スキームにおいてBE100、200、及び300で示される化合物;J.Chem.Soc.Dalton Trans.,pp.401−411,1998;Zh.Obshch.Khim.,41,pp.1516−20,1971);及びXが単結合であり、Rが12−(4−ヒドロキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−イル基であり、かつRがヒドロキシル基である化合物(下記スキームにおいてBE160で示される化合物;J.Chem.Soc.Dalton Trans.,pp.401−411,1998)は、それぞれ文献記載の方法に従って製造することが可能である。
Figure 0004618894
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式(I)で表される化合物は、例えば、核内受容体(レチノイン酸受容体)のリガンドとして特異的にレチノイン酸受容体による転写活性化を調節する作用を有している。より具体的には、レチノイン酸受容体RAR、又はレチノイン酸受容体RXRに親和性を有し、これらの受容体のアゴニスト又はアンタゴニストとして作用することができ、またレチノイン酸の作用増強作用を有する場合もある。これらの作用により、式(I)で表される化合物は、白血病細胞に対して増殖阻害および正常細胞への分化を促進することができ、白血病に対する分化誘導療法による治療のための医薬として有用であるほか、癌、リウマチ、動脈硬化、糖尿病、臓器移植の際の拒絶反応、移植片対宿主病の治療及び/又は予防に有用である。また、核内受容体への親和性を利用した癌細胞へのターゲティングにより10B−中性子捕捉療法における医薬として用いることが可能である。さらに、エストロゲン作用剤として用いることもできる。
本発明の医薬の有効成分としては、上記式(I)で表される化合物又は生理学的に許容されるその塩、それらの水和物又はそれらの溶媒和物を用いることができる。本発明の医薬としては、上記有効成分をそのまま投与してもよいが、一般的には、上記有効成分と1種又は2種以上の製剤用添加物を含む医薬組成物を調剤して投与することが望ましい。本発明の医薬の投与経路は特に限定されず。経口又は非経口的に投与することが可能である。
経口投与に適する医薬用組成物としては、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、液剤、及びシロップ剤等を挙げることができ、非経口投与に適する医薬組成物としては、例えば、注射剤、点滴剤、坐剤、吸入剤、点眼剤、点鼻剤、経皮吸収剤、軟膏剤、クリーム剤、及び貼付剤等を挙げることができる。製剤用添加物としては、例えば、賦形剤、崩壊剤ないし崩壊補助剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、色素、希釈剤、基剤、溶解剤ないし溶解補助剤、等張化剤、pH調節剤、安定化剤、噴射剤、及び粘着剤等を用いることができ、医薬組成物の形態に応じて適宜のものを選択して使用することが可能である。本発明の医薬の投与量は特に限定されず、有効成分である化合物の種類、予防又は治療の目的、適用すべき疾患の種類、患者の年齢や症状、投与経路などの条件に応じて適宜の投与量を選択することができる。
実施例
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されることはない。なお、実施例中の化合物番号は上記スキーム中の化合物番号に対応している。
例1
1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−カルボン酸100mg(0.531mmol)をジクロロメタン1mlに溶解し、塩化オキサリル101mg(0.795mmol)および触媒としてジメチルホルムアミド(DMF)1滴を加え、室温で3時間攪拌した後、反応液を濃縮した。残渣および4−アミノ安息香酸メチル80.3mg(0.531mmol)をジクロロメタン2mlに懸濁し、0℃で4−ジメチルアミノピリジン130mg(1.06mmol)を加え、アルゴン雰囲気下、室温で1時間攪拌した。2N塩酸を加えて反応を停止し、ジクロロメタンで抽出した。その有機層を、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、食塩水の順で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)によって精製し、4−[(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)カルバモイル]安息香酸メチルを得た(58%)。
H−NMR(CDCl)δ:1.50−3.50(10H,m),3.92(3H,s),4.35(1H,br s),7.55(2H,d,J=8.8Hz),7.71(1H,br s),8.06(2H,d,J=8.8Hz).
4−[(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)カルバモイル]安息香酸メチル73mg(0.227mmol)をテトラヒドロフラン(THF)1mlに溶解し、1N水酸化カリウム0.91mlを加え、室温で16時間攪拌した。2N塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。その有機層を、水、食塩水の順で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:クロロホルム/メタノール=20/1)によって精製し、BR10を得た(60%)。
BR10:無色針状晶(酢酸エチル/ジクロロメタン)
融点:249−251℃
H−NMR(CDCl)δ:1.00−3.30(10H,br m),4.36(1H,br s),7.59(2H,d,J=8.8Hz),7.75(1H,br s),8.12(2H,d,J=8.8Hz)
元素分析(C101710NO)計算値C,39.08;H,5.57;N,4.56.実測値C,39.13;H,5.58;N,4.44.
1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−カルボン酸から、BR10と同様の製造方法によってBR20を合成した。
BR20:無色針状晶(酢酸エチル/ジクロロメタン)
融点:271−273℃;H−NMR(DMSO−d)δ:1.30−3.20(10H,br m),4.30(1H,br s),7.69(2H,d,J=8.8Hz),7.89(2H,d,J=8.8Hz),9.74(1H,s),12.87(1H,br s).
HRMS(C101710NO)計算値307.2246,実測値307.2235.
1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−カルボン酸から、BR10と同様の製造方法によってBR30を合成した。
BR30:無色針状晶(酢酸エチル/ヘキサン);融点:>300℃;H−NMR(DMSO−d)δ:1.40−3.20(10H,br m),3.94(1H,br s),7.61(2H,d,J=8.8Hz),7.86(2H,d,J=8.8Hz),9.36(1H,s),12.80(1H,br s).
元素分析(C101710NO)計算値C,39.08;H,5.57;N,4.56.実測値C,39.30;H,5.54;N,4.35.
例2
エチニルトリメチルシラン5.0g(50.9mmol)を乾燥ジエチルエーテル50mlに溶解し、1.6Mのn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液35.0ml(56.0mmol)をアルゴン雰囲気下、0℃で滴下し、同温で1時間攪拌した。DMF3.72g(50.9mmol)をジエチルエーテル20mlに溶解し、5℃以下で30分間かけて滴下した後、室温で2時間攪拌した。2N塩酸を加えて反応を停止し、ジエチルエーテルで抽出した。その有機層を、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水の順で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。蒸留(40−45℃/15mmHg)によって精製し、3−(トリメチルシリル)プロピオルアルデヒドを得た(28%)。
無色油状物
H−NMR(CDCl)δ:0.27(9H,s),9.17(1H,s).
水素化ナトリウム556mg(13.9mmol)をTFH7mlに懸濁し、アルゴン雰囲気下、ジエチルホスホノ酢酸エチル3.12g(13.9mmol)をTHF7mlに溶解して滴下した。反応液を室温で30分間攪拌した後、3−(トリメチルシリル)プロピオルアルデヒドをTHF7mlに溶解して0℃で滴下した。室温で1.5時間攪拌した後、反応液を氷水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。その有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン→ヘキサン/酢酸エチル=50/1)によって精製し、エチル 5−トリメチルシリル−(E)−2−ペンテン−4−イノエートを得た(65%)。
無色油状物
H−NMR(CDCl)δ:0.21(9H,s),1.29(3H,t,J=7.2Hz),4.21(2H,q,J=7.2Hz),6.24(1H,d,J=15.9Hz),6.74(1H,d,J=15.9Hz).
エチル 5−トリメチルシリル−(E)−2−ペンテン−4−イノエート800mg(4.07mmol)をエタノール10mlに溶解し、炭酸カリウム563mg(4.07mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。2N塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。その有機層を、水、食塩水の順で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、エチル (E)−2−ペンテン−4−イノエートを得た(79%)。
無色油状物
H−NMR(CDCl)δ:1.30(3H,t,J=7.1Hz),3.34(1H,dd,J=0.7,2.4Hz),4.23(2H,q,J=7.1Hz),6.32(1H,dd,J=0.7,15.9Hz),6.72(1H,dd,J=2.4,15.9Hz).
エチル (E)−2−ペンテン−4−イノエート360mg(2.90mmol)およびデカボラン(14)532mg(4.35mmol)を混合し、アセトニトリル1.5mlおよびベンゼン15ml中、アルゴン雰囲気下で17時間還流した。反応液を濃縮した後、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=10/1)によって精製し、3−(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)−(E)−アクリル酸エチルを得た(64%)。
無色プリズム晶(ヘキサン)
融点:68−69℃
H−NMR(CDCl)δ:1.30(3H,t,J=7.1Hz),1.50−3.40(10H,br m),3.69(1H,br s),4.22(2H,q,J=7.1Hz),6.20(1H,d,J=15.4Hz),6.84(1H,d,J=15.4Hz)
元素分析(C1810)計算値C,34.70;H,7.49.実測値C,34.41;H,7.66.
3−(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)−(E)−アクリル酸エチル220mg(0.908mmol)をTHF5mlに溶解し、1N水酸化カリウム1.82mlを加えて、室温で7時間攪拌した。2N塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。その有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:クロロホルム/メタノール=10/1)によって精製し、3−(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)−(E)−プロペノン酸を得た(74%)。
H−NMR(DMSO−d)δ:1.40−3.20(10H,br m),5.47(1H,br s),6.22(1H,d,J=15.4Hz),6.92(1H,d,15.4Hz),13.00(1H,br).
上記で得られたプロペノン酸化合物60mg(0.28mmol)をジクロロメタン1mlに溶解し、塩化オキサリル53.3mg(0.42mmol)および触媒としてDMF1滴を加えた。室温で1時間攪拌した後、反応液を濃縮した。残渣をピリジン1mlに溶解し、4−アミノ安息香酸メチル46.6mg(0.308mmol)を加えた。室温で18時間攪拌した後、2N塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。その有機層を、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、食塩水の順で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)によって精製し、4−[2−(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)−(E)−エテニルカルボキサミド]安息香酸メチルを得た(44%)。
H−NMR(CDCl)δ:1.50−3.50(10H,m),3.72(1H,br s),3.91(3H,s),6.37(1H,d,J=15.0Hz),6.96(1H,d,J=15.0Hz),7.40(1H,br s),7.64(2H,d,J=8.8Hz),8.04(2H,d,J=8.8Hz)
HRMS(C132110NO)計算値347.2524,実測値347.2534.
上記で得られた安息香酸メチル化合物36mg(0.104mmol)をTHF1mlに溶解し、1N水酸化カリウム0.468mlを加え、室温で36時間攪拌した。2N塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。その有機層を水、食塩水の順で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:クロロホルム/メタノール=50/1→5/1)によって精製し、4−[2−(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)−(E)−エテニルカルボキサミド]安息香酸(BR110)を得た(39%)。
無色針状晶(酢酸エチル/ヘキサン)
融点:>300℃;H−NMR(CDCl)δ:1.40−3.20(10H,br m),5.50(1H,br s),6.67(1H,d,J=15.1Hz),6.98(1H,d,J=15.1Hz),7.73(2H,d,J=8.8Hz),7.92(2H,d,J=8.8Hz),10.62(1H,s),12.75(1H,br)
HRMS(C121910NO)計算値333.2368,実測値333.2367.
例3
エチニルベンゼン5.51g(53.9mmol)およびデカボラン(14)2.64g(21.6mmol)を混合し、アセトニトリル5.5mlおよびベンゼン55ml中、アルゴン雰囲気下で4日間還流した。その後、反応液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン)によって精製して、1−フェニル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボランを得た(74%)。
無色プリズム晶(ヘキサン)
融点:66−67℃
H−NMR(CDCl)δ:1.50−3.50(10H,br m),3.97(1H,br s),7.33(2H,m),7.39(1H,m),7.49(2H,m).
1−フェニル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン950mg(4.31mmol)を乾燥ジエチルエーテル15mlに溶解し、アルゴン雰囲気下、1.54Mのn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液2.8ml(4.31mmol)を0℃で滴下した。反応液を室温で3時間攪拌した後、−78℃に冷却し、ヨウ化メチル673mg(4.74mmol)のTHF3ml溶液を滴下し、さらに−78℃から室温で16時間攪拌した。2N塩酸を加えて反応を停止し、ジエチルエーテルで抽出した。その有機層を水、食塩水の順で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン)によって精製し、1−メチル−2−フェニル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボランを得た(94%)。
無色プリズム晶(ヘキサン)
融点:102−103℃
H−NMR(CDCl)δ:1.50−3.50(10H,br m),1.69(3H,s),7.39(2H,m),7.45(1H,m),7.65(2H,m)
HRMS(C1810)計算値234.2412,実測値234.2422.
濃硝酸および濃硫酸の混合液(15:85,v/v)17.5mlに、1−メチル−2−フェニル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン900mg(3.84mml)のジクロロメタン17.5ml溶液を0℃で滴下し、室温で4時間攪拌した。反応液を氷上に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。その有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=30/1)によって精製し、4−(2−メチル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)ニトロベンゼン(a)(34%)および3−(2−メチル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)ニトロベンゼン(b)(57%)を得た。
(a)無色プリズム晶(酢酸エチル/ヘキサン)
融点:105−106℃
H−NMR(CDCl)δ:1.50−3.50(10H,br m),1.73(3H,s),7.87(2H,d,J=9.0Hz),8.26(2H,d,J=9.0Hz)
HRMS(C1710NO)計算値279.2262,実測値279.2264.
(b)無色プリズム晶(酢酸エチル/ヘキサン)
融点:126−127℃
H−NMR(CDCl)δ:1.50−3.50(10H,br m),1.74(3H,s),7.64(1H,t,J=8.1Hz),8.01(1H,ddd,J=1.1,2.0,8.1Hz),8.34(1H,ddd,J=1.1,2.0,8.1Hz),8.53(1H,t,J=2.0Hz)
HRMS(C1710NO)計算値279.2262,実測値279.2243.
4−(2−メチル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)ニトロベンゼン349mg(1.25mmol)をエタノール25mlに溶解し、大気圧の水素雰囲気下、10%Pd/C87mgを用いて室温で1時間水素化した。触媒を濾別した後、濾液を濃縮し、4−(2−メチル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)アニリンを得た(95%)。
H−NMR(CDCl)δ:1.40−3.50(10H,br m),1.68(3H,s),4.01(2H,br),6.62(2H,d,J=8.6Hz),7.39(2H,d,J=8.6Hz).
上記で得られたアニリン化合物100mg(0.401mmol)をピリジン2.5mlに溶解し、塩化テレフタル酸モノメチルエステル119mg(0.599mmol)を0℃で加え、室温で3時間攪拌した。2N塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。その有機層を、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、食塩水の順で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ジクロロメタン/ヘキサン=3/2→2/1)によって精製し、4−[4−(2−メチル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)フェニルカルバモイル]安息香酸メチルを得た(96%)。
H−NMR(CDCl)δ:1.50−3.50(10H,br m),1.71(3H,s),3.97(3H,s),7.66(2H,d,J=9.2Hz),7.70(2H,d,J=9.2Hz),7.91(1H,br s),7.93(2H,d,J=8.6Hz),8.18(2H,d,J=8.6Hz).
上記で得られた安息香酸メチル化合物140mg(0.34mmol)をTHF2mlに溶解し、1N水酸化カリウム0.68mlを加え、室温で14時間攪拌した。2N塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。その有機層を、水、食塩水の順で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:クロロホルム/メタノール=5/1)によって精製し、4−[4−(2−メチル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)フェニルカルバモイル]安息香酸(BR201)を得た(98%)。
無色針状晶(酢酸エチル/ヘキサン)
融点:>300℃
H−NMR(DMSO−d)δ:1.40−3.20(10H,br m),1.74(3H,s),7.71(2H,d,J=8.8Hz),7.91(2H,d,J=8.8Hz),8.04(2H,d,J=8.6Hz),8.08(2H,d,J=8.6Hz),10.66(1H,s),13.32(1H,br)
元素分析(C172310NO)計算値C,51.37;H,5.83;N,3.52.実測値C,51.13;H,5.68;N,3.37.
上記の方法を用い、3−(2−メチル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)ニトロベンゼンを4−[3−(2−メチル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)フェニルカルバモイル]安息香酸(BR251)に変換した。
無色針状晶(酢酸エチル/ヘキサン)
融点:284−286℃
H−NMR(DMSO−d)δ:1.40−3.20(10H,br m),1.77(3H,s),7.45(1H,br d,J=8.2Hz),7.49(1H,t,J=8.2Hz),8.05(1H,br d,J=8.2Hz),8.06(2H,d,J=8.6Hz),8.09(2H,d,J=8.6Hz),8.25(1H,br s),10.61(1H,s),13.30(1H,br)
HRMS(C172310NO)計算値397.2681,実測値397.2683
元素分析(C172310NO/0.2 HO)計算値C,50.91;H,5.88;N,3.49.実測値C,50.71;H,5.97;N,3.36.
例4
4−ブロモ安息香酸エチル1.5g(6.55mmol)、エチニルトリメチルシラン965mg(9.82mmol)、ジイソプロピルアミン1.39g(13.7mmol)、ヨウ化銅(I)25mg(0.131mmol)、および塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)184mg(0.262mmol)を混合し、乾燥THF10ml中アルゴン雰囲気下、45℃で4時間加熱した。水を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。その有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=100/1)によって精製し、4−[(トリメチルシリル)エチニル]安息香酸エチルを得た(73%)。
H−NMR(CDCl)δ:0.26(9H,s),1.39(3H,t,J=7.2Hz),4.37(2H,q,J=7.2Hz),7.51(2H,d,J=8.6Hz),7.97(2H,d,J=8.6Hz).
4−[(トリメチルシリル)エチニル]安息香酸エチル1.15g(4.67mmol)をTHF10mlに溶解し、1Mフッ化テトラブチルアンモニウム/THF溶液5.14mlを0℃で滴下した。室温で30分間攪拌した後、水を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。その有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=20/1)によって精製し、4−エチニル安息香酸エチルを得た(40%)。
無色油状物
H−NMR(CDCl)δ:1.40(3H,t,J=7.1Hz),3.23(1H,s),4.38(2H,q,J=7.1Hz),7.55(2H,d,J=8.2Hz),8.00(2H,d,J=8.2Hz).
4−エチニル安息香酸エチル320mg(1.84mmol)およびデカボラン(14)337mg(2.76mmol)を混合し、アセトニトリル1mlおよびベンゼン15ml中、アルゴン雰囲気下で3日間還流した。反応液を濃縮し、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=15/1)によって精製し、4−(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)安息香酸エチルを得た(71%)。
無色フレーク(エタノール)
融点:111−112℃
H−NMR(CDCl)δ:1.39(3H,t,J=7.1Hz),1.50−3.50(10H,br m),4.01(1H,br s),4.39(2H,q,J=7.1Hz),7.54(2H,d,J=8.8Hz),8.00(2H,d,J=8.8Hz)
HRMS(C112010)計算値292.2466,実測値292.2487.
4−(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)安息香酸エチル374mg(1.28mmol)をTHF5mlに溶解し、1N水酸化カリウム3.84mlを加え、室温で15時間攪拌した。2N塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。その有機層を、水、食塩水の順で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。残った結晶をヘキサンで洗浄して、4−(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)安息香酸を得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:1.40−3.20(10H,br m),5.88(1H,br s),7.72(2H,d,J=8.5Hz),7.94(2H,d,8.5Hz),13.29(1H,br).
上記で得られた安息香酸化合物140mg(0.53mmol)をジクロロメタン1.5mlに懸濁し、塩化オキサリル202mg(1.59mmol)および触媒としてDMF1滴を加えた。室温で1時間攪拌した後、反応液を濃縮した。残渣をピリジン1.5mlに溶解し、4−アミノ安息香酸メチル84.0mg(0.556mmol)を加えた。室温で15時間攪拌した後、2N塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。その有機層を、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、食塩水の順で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)によって精製し、4−{[4−(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)フェニル]カルボキサミド}安息香酸メチルを得た(48%)。
H−NMR(CDCl)δ:1.50−3.50(10H,m),3.92(3H,s),4.02(1H,br s),7.62(2H,d,J=8.4Hz),7.72(2H,d,J=8.8Hz),7.84(2H,d,J=8.4Hz),7.89(1H,br s),8.07(2H,d,J=8.8Hz).
上記で得られた安息香酸メチル化合物94mg(0.236mmol)をTHF3mlに溶解し、1N水酸化カリウム1.18mlを加え、40℃で16時間攪拌した。2N塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。その有機層を、水、食塩水の順で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:クロロホルム/メタノール=5/1)によって精製し、4−{[4−(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)フェニル]カルボキサミド}安息香酸(BR300)を得た(41%)。
無色針状晶(酢酸エチル)
融点:>300℃
H−NMR(DMSO−d)δ:1.40−3.20(10H,br m),5.92(1H,br s),7.76(2H,d,J=8.8Hz),7.88(2H,d,J=8.8Hz),7.94(2H,d,J=8.8Hz),7.95(2H,d,J=8.8Hz),10.61(1H,s),12.80(1H,br)
元素分析(C162110NO)計算値C,50.12;H,5.52;N,3.65.実測値C,50.18;H,5.80;N,3.41.
3−ブロモ安息香酸エチル1.0g(4.37mmol)、エチニルトリメチルシラン644mg(6.56mmol)、ジイソプロピルアミン929mg(9.20mmol)、ヨウ化銅(I)16.6mg(0.0872mmol)、および塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)123mg(0.175mmol)を混合し、乾燥THF8ml中アルゴン雰囲気下、45℃で5時間加熱した。冷却後、水を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。その有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=50/1)によって精製し、3−[(トリメチルシリル)エチニル]安息香酸エチルを得た(90%)。
H−NMR(CDCl)δ:0.26(9H,s),1.40(3H,t,J=7.1Hz),4.38(2H,q,J=7.1Hz),7.38(1H,dd,J=7.3,8.3Hz),7.63(1H,d,J=7.3Hz),7.98(1H,d,J=8.3Hz),8.13(1H,s).
3−[(トリメチルシリル)エチニル]安息香酸エチル1.04g(4.22mmol)のエタノール10ml溶液に、炭酸カリウム583mg(4.22mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。反応液を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解した。その有機層を、水、食塩水の順で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=30/1)によって精製し、3−エチニル安息香酸エチルを得た(96%)。
無色針状晶
融点:36−37℃
H−NMR(CDCl)δ:1.40(3H,t,J=7.1Hz),3.12(1H,s),4.34(2H,q,J=7.1Hz),7.41(1H,t,J=7.8Hz),7.66(1H,dt,J=7.8,1.5Hz),8.03(1H,dt,J=7.8,1.5Hz),8.17(1H,t,J=1.5Hz).
4−(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)安息香酸エチルの場合と同様に、3−エチニル安息香酸エチルをデカボラン(14)と反応させて、3−(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)安息香酸エチルに変換した。生成物の収率は68%であった。
無色フレーク(エタノール)
融点:168−169℃
H−NMR(CDCl)δ:1.41(3H,t,J=7.7Hz),1.50−3.50(10H,m),4.04(1H,br s),4.40(2H,q,J=7.1Hz),7.43(1H,t,J=7.7Hz),7.70(1H,ddd,J=1.1,2.2,7.7Hz),8.07(1H,dt,J=7.7,1.1Hz),8.10(1H,t.J=1.7Hz)
HRMS(C112010)計算値292.2466,実測値292.2474.
BR300と同様の製造方法によって、3−(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)安息香酸エチルから、4−{[3−(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)フェニル]カルボキサミド}安息香酸(BR350)を製造した。
無色針状晶(酢酸エチル/ヘキサン)
融点:236−239℃
H−NMR(DMSO−d)δ:1.40−3.20(10H,br m),5.89(1H,br s),7.60(1H,t,J=8.0Hz),7.82(1H,br d,J=8.0Hz),7.86(2H,d,J=8.8Hz),7.95(2H,d,J=8.8Hz),8.04(1H,br d,J=8.0Hz),8.05(1H,br s),10.61(1H,s),12.89(1H,br)
HRMS(C162110NO)計算値383.2524実測値383.2542
元素分析(C162110NO/0.5 HO)計算値C,48.97;H,5.65;N3.57.実測値C,48.99;H,5.83;N,3.49.
例5
1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン4.0g(27.7mmol)のDME100ml溶液に、アルゴン雰囲気下0℃で1.54M n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液37.8ml(58.2mmol)を滴下した。混合液を室温で30分間攪拌し、塩化銅7.13g(72.0mmol)を一度に添加し、さらに室温で2時間攪拌した。その後、ピリジン16.7ml(208mmol)を添加し、4−インドニトロベンゼン8.28g(33.3mmol)を一度に添加して、100℃で22時間加熱した。冷却後、ジエチルエーテルで希釈し、室温で12時間攪拌し、不溶物をセライトで濾別した。濾液を2N塩酸、水、食塩水の順で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:n−ヘキサン/酢酸エチル=7/1)で精製して、4−(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)ニトロベンゼンを得た(75%)。
無色プリズム(酢酸エチル/ヘキサン)
融点:170−172℃
H−NMR(CDCl)δ1.50−3.50(10H,br m),4.02(1H,br s),7.67(2H,d,J=9.2Hz),8.21(2H,d,J=9.2Hz)
4−(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)ニトロベンゼン5.45g(20.5mmol)のエタノール220ml溶液を、大気圧の水素雰囲気下、10%Pd/C1.36gを用いて、室温で3時間水素化した。触媒を濾別した後、濾液を濃縮し、4−(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)アニリンを得た(85%)。
H−NMR(CDCl)δ1.50−3.50(10H,br m),3.83(3H,br),6.56(2H,d,J=9.2Hz),7.27(2H,d,J=9.2Hz)
水素化ナトリウム40.8mg(1.02mmol)をDMF1mlに懸濁し、4−(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)アニリンを200mg(0.850mmol)をDMF3mlに溶解して添加した。反応液を室温で5分間攪拌した後、ヨウ化n−プロピル217mg(1.28mmol)を加え、さらに室温で1.5時間攪拌した。2N塩酸を加えて反応を停止した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、ジエチルエーテルで抽出した。その有機層を水、食塩水の順で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製して、4−(2−プロピル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)アニリンを得た(82%)。
H−NMR(CDCl)δ0.74(3H,t,J=7.3Hz),1.41(2H,m),1.50−3.50(10H,br m),1.73(2H,m),3.90(2H,br),6.60(2H,d,J=8.8Hz),7.36(2H,d,J=8.8Hz)
4−(2−プロピル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)アニリン175mg(0.631mmol)、4−ヨード安息香酸エチル192mg(0.695mmol)、炭酸セシウム288mg(0.884mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)11.6mg(0.0127mmol)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル19.6mg(0.0315mmol)を混合し、乾燥トルエン中、100〜110℃で27時間加熱した。その後、水を加えて反応を停止し、ジエチルエーテルで抽出した。その有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ジクロロメタン/ヘキサン=1/1)で精製して、4−[4−(2−プロピル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)フェニルアミノ]安息香酸エチルの淡黄色針状晶を得た(53%)。
H−NMR(CDCl)δ0.77(3H,t,J=7.3Hz),1.39(3H,t,J=7.1Hz),1.44(2H,m),1.50−3.50(10H,br m),1.76(2H,m),4.36(2H,q,J=7.1Hz),6.15(1H,s),7.09(2H,d,J=8.8Hz),7.10(2H,d,J=8.8Hz),7.52(2H,d,J=8.8Hz),7.98(2H,d,J=8.8Hz)
4−[4−(2−プロピル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)フェニルアミノ]安息香酸エチル130mg(0.305mmol)を水1.5ml−ジオキサン5mlに溶解して濃硫酸1mlを加えた後、反応液を100℃で15時間加熱した。反応液を氷上に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。その有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1→1/1)で精製して、4−[4−(2−プロピル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)フェニルアミノ]安息香酸(BR403)を得た(68%)。
無色針状晶(溶出液:酢酸エチル/ヘキサン)
融点:216−217℃
H−NMR(DMSO−d)δ0.71(3H,t,J=7.3Hz),1.36(2H,m),1.50−3.20(10H,br m),1.80(2H,m),7,17(2H,d,J=8.8Hz),7.19(2H,d,J=8.8Hz),7.55(2H,d,J=8.8Hz),7.84(2H,d,J=8.8Hz),9.06(1H,s),12.43(1H,s)元素分析(C182710NO)計算値C,54.39;H,6.85;N,3.52.実測値C,54.09;H,6.64;N,3.45.
4−(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)ニトロベンゼンと同様の製造方法によって、1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン2.0g(13.9mmol)、1.54Mn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液19.0ml(29.3mmol)、塩化銅3.58g(36.2mmol)、ピリジン8.39ml(104mmol)、及び3−ヨードニトロベンゼン4.15g(16.7mmol)から3−(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)ニトロベンゼンを合成した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、3−(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)ニトロベンゼン(34%)及び3−(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)アニリン(9%)を得た。
無色プリズム
融点:142−143℃
H−NMR(CDCl)δ1.50−3.50(10H,br m),4.03(1H,br s),7.58(1H,t,J=8.2Hz),7.86(1H,ddd,J=1.2,1.8,8.2Hz),8.28(1H,ddd,J=1.2,1.8,8.2Hz),8.34(1H,t,J=1.8Hz)
4−(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)アニリンと同様の製造方法によって、3−(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)ニトロベンゼンを還元した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、3−(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)アニリンを得た(76%)。
H−NMR(CDCl)δ1.40−3.50(10H,br m),3.85(2H,br),3.93(1H,br s),6.67(1H,m),6.78−6.81(2H,m),7.07(1H,t,J=8.2Hz)
この化合物を4−(2−プロピル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)アニリンと同様の製造方法によって、3−(2−プロピル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)アニリンに転化した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製して、3−(2−プロピル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)アニリンを得た(92%)。
H−NMR(CDCl)δ0.74(3H,t,J=7.3Hz),1.43(2H,m),1.50−3.50(10H,br m),1.76(2H,m),3.80(2H,br),6.74(1H,br d,J=8.0Hz),6.91(1H,br s),6.98(1H,br d,J=8.0Hz),7.13(1H,t,J=8.0Hz)
4−[4−(2−プロピル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)フェニルアミノ]安息香酸エチルと同様の製造方法によって、3−(2−プロピル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)アニリンから4−[3−(2−プロピル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)フェニルアミノ]安息香酸エチルを合成した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ジクロロメタン/ヘキサン=1/1)で精製して、4−[3−(2−プロピル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)フェニルアミノ]安息香酸エチルの淡黄色針状晶を得た(89%)。
H−NMR(CDCl)δ0.78(3H,t,J=7.3Hz),1.39(3H,t,J=7.1Hz),1.45(2H,m),1.50−3.50(10H,br m),1.79(2H,m),4.36(2H,q,J=7.1Hz),6.09(1H,s),7.00(2H,d,J=8.9Hz),7.23(1H,m),7.26(1H,m),7.32(1H,t,J=7.9Hz),7.39(1H,br s),7.97(2H,d,J=8.9Hz)
このエステルを4−[4−(2−プロピル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)フェニルアミノ]安息香酸と同様の製造方法によって加水分解した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1→1/1)で精製して、4−[3−(2−プロピル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)フェニルアミノ]安息香酸(BR453)を得た(80%)。
無色針状晶(溶出液:酢酸エチル/ヘキサン)
融点:229−230℃
H−NMR(DMSO−d)δ0.72(3H,t,J=7.3Hz),1.38(2H,m),1.50−3.20(10H,br m),1.84(2H,m),7.08(2H,d,J=8.8Hz),7.22(1H,br d,J=7.1Hz),7.34−7.41(3H,m),7.83(2H,d,J=8.8Hz),8.94(1H,s),12.38(1H,s)
元素分析(C182710NO)計算値C,54.39;H,6.85;N,3.52.実測値C,54.17;H,6.78;N,3.25.
例6
4−(2−メチル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)ニトロベンゼン349mg(1.25mmol)をエタノール25mlに溶解し、大気圧の水素雰囲気下、10%Pd/C87mgを用いて、室温で1時間水素化した。触媒を濾別した後、濾液を濃縮し、4−(2−メチル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)アニリンを得た(95%)。
H−NMR(CDCl)δ:1.40−3.50(10H,br m),1.68(3H,s),4.01(2H,br),6.62(2H,d,J=8.6Hz),7.39(2H,d,J=8.6Hz).
4−(2−メチル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)アニリン174mg(0.698mmol)、4−ヨウ化安息香酸エチル193mg(0.699mmol)、炭酸セシウム318mg(0.976mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)12.8mg(0.0140mmol)、および2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル21.7mg(0.0348mmol)を混合し、乾燥トルエン中、110℃で24時間加熱した。その後、水を加えて反応を停止し、ジエチルエーテルで抽出した。その有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ジクロロメタン/ヘキサン=1/1)によって精製し、4−[4−(2−メチル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)フェニルアミノ]安息香酸エチルの淡黄色針状晶を得た(71%)。
H−NMR(CDCl)δ:1.50−3.50(10H,br m),1.39(3H,t,J=7.1Hz),1.72(3H,s),4.36(2H,q,J=7.1Hz),6.15(1H,br s),7.09(4H,d,J=8.8Hz),7.54(2H,d,J=8.8Hz),7.98(2H,d,J=8.8Hz).
4−[4−(2−メチル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)フェニルアミノ]安息香酸エチル95mg(0.239mmol)をTHF3mlに溶解し、1N水酸化カリウム1.20mlを加え、27時間還流した。2N塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。その有機層を水、食塩水の順で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)によって精製し、4−[4−(2−メチル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)フェニルアミノ]安息香酸(BR401)を得(31%)、4−[4−(2−メチル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)フェニルアミノ]安息香酸エチルを回収した(27%)。
BR401:無色針状晶(酢酸エチル/ヘキサン)
融点:258−260℃
H−NMR(DMSO−d)δ:1.40−3.20(10H,br m),1.73(3H,s),7.16(2H,d,J=8.8Hz),7.20(2H,d,J=8.8Hz),7.56(2H,d,J=8.8Hz),7.83(2H,d,J=8.8Hz),9.06(1H,s),12.42(1H,br)
元素分析(C162310NO)計算値C,52.01;H,6.27;N,3.79.実測値C,52.11;H,6.54;N,3.64.
BR431を4−[4−(2−メチル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)フェニルアミノ]安息香酸エチルと同様の製造方法によって、[4−(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)−2−メチル]ニトロベンゼンより合成した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=5/1→3/1)によって精製し、4−{4−(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)−2−メチル}フェニルアミノ}安息香酸エチルの淡橙色針状晶を得た(61%)。
H−NMR(CDCl)δ:1.38(3H,t,J=7.2Hz),1.50−3.50(10H,br m),2.26(3H,s),3.92(1H,br s),4.35(2H,q,J=7.2Hz),5.70(1H,s),6.95(2H,d,J=9.0Hz),7.23(1H,d,J=8.8Hz),7.27(2H,dd,J=2.4,8.8Hz),7.33(1H,d,J=2.4Hz),7.95(2H,d,J=9.0Hz).
水素化ナトリウム33.2mg(0.830mmol)をDMF1mlに懸濁し、4−{4−(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)−2−メチル}フェニルアミノ}安息香酸エチル150mg(0.377mmol)をDMF3mlに溶解して添加した。反応液を室温で5分間攪拌した後、ヨウ化メチル161mg(1.13mmol)を加え、さらに室温で20分間攪拌した。2N塩酸を加えて反応を停止し、ジエチルエーテルで抽出した。その有機層を水、食塩水の順で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=10/1)によって精製し、4−{N−メチル−[2−メチル−4−(2−メチル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)]フェニルアミノ}安息香酸エチルを得た(74%)。
H−NMR(CDCl)δ:1.35(3H,t,J=7.1Hz),1.50−3.50(10H,br m),1.76(3H,s),2.14(3H,s),3.28(3H,s),4.35(2H,q,J=7.1Hz),6.48(2H,d,J=9.2Hz),7.16(1H,d,J=8.4Hz),7.53(1H,dd,J=2.4,8.4Hz),7.57(1H,d,J=2.4Hz),7.88(2H,d,J=9.2Hz).
4−{N−メチル−[2−メチル−4−(2−メチル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)]フェニルアミノ}安息香酸エチル111mg(0.261mmol)をTHF3mlに溶解し、1N水酸化カリウム1.95mlを加え、26時間還流した。2N塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。その有機層を水、食塩水の順で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)によって精製し、4−{N−メチル−[2−メチル−4−(2−メチル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)]フェニルアミノ}安息香酸(BR431)を得(12%)、4−{N−メチル−[2−メチル−4−(2−メチル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)]フェニルアミノ}安息香酸エチルを回収した(16%)。
BR431:無色針状晶(酢酸エチル/ヘキサン)
融点:296−298℃
H−NMR(DMSO−d)δ:1.40−3.20(10H,br m),1.80(3H,s),1.99(3H,s),3.24(3H,s),6.51(2H,d,J=9.1Hz),7.31(1H,d,J=8.3Hz),7.63(1H,dd,J=2.5,8.3Hz),7.69(1H,d,J=2.5Hz),7.74(2H,d,J=9.1Hz),12.18(1H,br s)
元素分析(C162310NO)計算値C,54.39;H,6.85;N,3.52,実測値C,54.25;H,6.95;N,3.53.
例7
1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン3.5g(24.3mmol)をDMEに溶解し、アルゴン雰囲気下0℃で1.54M n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液16.6ml(25.6mmol)を滴下した。反応液を室温で30分間攪拌し、塩化銅3.13g(31.6mmol)を一度に添加し、さらに室温で1時間攪拌した。その後、ピリジン14.7ml(183mmol)を添加し、4−ヨードアニソール5.97g(25.5mmol)を一度に添加して、100℃で48時間加熱した。冷却後、ジエチルエーテルで希釈し、室温で3時間攪拌し、不溶物をセライトで濾別した。濾液を2N塩酸、Na水溶液、水、食塩水の順で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン→ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製して、1−(4−メトキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(O−メチル−BE100)(60%)および1,12−ビス(4−メトキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(O,O’−ジメチル−BE160)(13%)を得た。
O−メチル−BE100:無色針状晶;H−NMR(CDCl)δ:1.50−3.30(10H,br m),2.75(1H,br s),3.74(3H,s),6.68(2H,d,J=9.1Hz),7.11(2H,d,J=9.1Hz).
O,O’−ジメチル−BE160:無色針状晶;H−NMR(CDCl)δ:1.50−3.50(10H,br m),3.75(6H,s),6.69(4H,d,J=9.0Hz),7.15(4H,d,J=9.0Hz).
O−メチル−BE100 100mg(0.399mmol)をジクロロメタン1mlに溶解し、ドライアイス/アセトン冷却下で1M三臭化ホウ素/ジクロロメタン溶液0.48mlを滴下し、室温で2時間攪拌した。反応液を氷上に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。その有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製し、1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE100)を得た(93%)。
無色針状晶(ジクロロメタン/ヘキサン)
融点:193−194℃
H−NMR(CDCl)δ:1.40−3.20(10H,br m),2.75(1H,br s),4.73(1H,br s),6.61(2H,d,J=9.0Hz),7.07(2H,d,J=9.0Hz)
HRMS(C1610O)計算値236.2204,実測値236.2227.
元素分析(C1610O計算値C,40.66;H,6.82.実測値C,40.67;H,6.79.
O,O’−ジメチル−BE160 150mg(0.421mmol)をジクロロメタン5mlに溶解し、ドライアイス/アセトン冷却下で1M三臭化ホウ素/ジクロロメタン溶液1.05mlを滴下し、室温で2時間攪拌した。反応液を氷上に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。その有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製し、1,12−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE160)を得た(93%)。
無色プリズム晶(酢酸エチル/ヘキサン)
融点=292−294℃;H−NMR(DMSO−d)δ:1.70−3.30(10H,br m),6.60(4H,d,J=8.9Hz),7.00(4H,d,J=8.9Hz)9.63(2H,s)
HRMS(C142010)計算値328.2466,実測値328.2480.
元素分析(C142010)計算値C,51.20;H,6.14.実測値C,50.89;H,6.17.
例8
O−メチル−BE100 500mg(2.00mmol)をベンゼン/ジエチルエーテル(2:1)15mlに溶解し、アルゴン雰囲気下0℃で1.54M n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液1.56ml(2.40mmol)を滴下した後、室温で30分間攪拌した。反応液を0℃に冷却し、クロロギ酸メチル227mg(2.40mmol)を滴下して、室温で3時間攪拌した。水を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。その有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=50/1)によって精製し、1−メトキシカルボニル−12−(4−メトキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(O−メチル−BE110)を得た(91%)。
無色針状晶
H−NMR(CDCl)δ:1.60−3.40(10H,br m),3.65(3H,s),3.74(3H,s),6.68(2H,d,J=9.1Hz),7.08(2H,d,J=9.1Hz).
BE160と同様の製造方法によって、O−メチル−BE110を脱メチル化した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=7/1)によって精製し、1−メトキシカルボニル−12−(4−ヒドロキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE110)を得た(99%)。
無色プリズム晶(ジクロロメタン/ヘキサン)
融点:178−179℃
H−NMR(CDCl)δ:1.60−3.40(10H,br m),3.65(3H,s),4.84(1H,br),6.61(2H,d,J=9.0Hz),7.04(2H,d,J=9.0Hz)
HRMS(C101810)計算値294.2259,実測値294.2265.
元素分析(C101810)計算値C,40.81;H,6.16.実測値C,40.66;H,6.18.
水素化アルミニウムリチウム25.8mg(0.680mmol)をTHF3mlに懸濁し、O−メチル−BE110 150mg(0.486mmol)のTHF2ml溶液を0℃で滴下した後、室温で2.5時間攪拌した。2N塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。その有機層を水、食塩水の順で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後濃縮し、1−ヒドロキシメチル−12−(4−メトキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(O−メチル−BE120)を得た(99%)。
無色針状晶;H−NMR(CDCl)δ:1.50−3.30(10H,br m),3.54(2H,s),3.74(3H,s),6.68(2H,d,J=9.2Hz),7.11(2H,d,J=9.2Hz).
BE160と同様の製造方法によって、O−メチル−BE120を脱メチル化した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)によって精製し、1−ヒドロキシメチル−12−(4−ヒドロキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE120)を得た(100%)。
無色針状晶(ジクロロメタン/ヘキサン);融点:184−185℃;H−NMR(CDCl)δ:1.50−3.30(10H,br m),3.54(2H,s),4.87(1H,br),6.61(2H,d,J=8.9Hz),7.06(2H,d,J=8.9Hz);HRMS(C1810)計算値266.2310,実測値266.2310.元素分析(C1810)計算値C,40.59;H,6.81.実測値C,40.30;H,6.59.
例9
O−メチル−BE110 260mg(0.843mmol)をTHF3mlに溶解し、1N水酸化カリウム4.22mlを加えて、室温で17時間攪拌した。2N塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。その有機層を水、食塩水の順で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後濃縮し、1−ヒドロキシカルボニル−12−(4−メトキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(O−メチル−BE130)を得た(定量的)。
無色針状晶;H−NMR(DMSO−d)δ:1.60−3.40(10H,br m),3.69(3H,s),6.78(2H,d,J=9.1Hz),7.08(2H,d,J=9.1Hz),14.06(1H,br).
BE160と同様の製造方法によって、O−メチル−BE130を脱メチル化し、1−ヒドロキシカルボニル−12−(4−ヒドロキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE130)を得た。
無色針状晶(酢酸エチル/ジクロロメタン/ヘキサン);融点:249−252℃;H−NMR(DMSO−d)δ:1.60−3.40(10H,br m),6.57(2H,d,J=8.8Hz),6.94(2H,d,J=8.8Hz),9.58(1H,s).
元素分析(C1610)計算値C,38.56;H,5.75.実測値C,38.39;H,5.82.
BE130 50mg(0.170mmol)、トリエチルアミン51.6mg(0.510mmol)、DMAP2.1mg(0.0172mmol)、およびDPPA70.1mg(0.254mmol)を混合し、t−ブタノール3ml中で24時間還流した。反応液を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解した。水、食塩水の順で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥して濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=20/1)で精製して、1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−12−(4−メトキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボランを得た(41%)。
無色針状晶;H−NMR(CDCl)δ:1.39(9H,s),1.60−3.40(10H,br m),3.73(3H,s),4.89(1H,s),6.67(2H,d,J=9.0Hz),7.11(2H,d,J=9.0Hz).
上記で得られたBoc保護した生成物62mg(0.170mmol)をジクロロメタン2mlに溶解し、TFA0.4mlを加えて、室温で2.5時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止し、ジクロロメタンで抽出した。その有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮して、1−アミノ−12−(4−メトキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(O−メチル−BE140)を得た(100%)。
無色針状晶
H−NMR(CDCl)δ:1.50−3.30(10H,br m),3.73(3H,s),6.67(2H,d,J=9.0Hz),7.11(2H,d,J=9.0Hz).
BE160と同様の製造方法によって、O−メチル−BE140を脱メチル化した。反応液を冷飽和炭酸水素ナトリウム水溶液中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。その有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)によって精製し、1−アミノ−12−(4−ヒドロキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE140)を得た(100%)。
無色針状晶(ジクロロメタン/ヘキサン)
融点:169−171℃
H−NMR(CDCl)δ:1.50−3.30(10H,br m),2.05(2H,br s),4.81(1H,s),6.59(2H,d,J=9.0Hz),7.06(2H,d,J=9.0Hz)
HRMS(C1710NO)計算値251.2313,実測値251.2299.
例10
O−メチル−BE100 500mg(2.00mmol)をジエチルエーテル5mlに溶解し、アルゴン雰囲気下0℃で1.54M n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液1.56ml(2.40mmol)を滴下した後、室温で2時間攪拌した。ドライアイス/アセトン冷却下、塩化アセチル236mg(3.01mmol)をTHF1mlに溶解して滴下し、室温で18時間攪拌した。水を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。その有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン→ヘキサン/酢酸エチル=30/1)によって精製し、1−アセチル−12−(4−メトキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(O−メチル−BE150)(12%)および出発物質(67%)を得た。
無色針状晶
H−NMR(CDCl)δ:1.60−3.40(10H,br m),2.11(3H,s),3.74(3H,s),6.68(2H,d,J=9.1Hz),7.09(2H,d,J=9.1Hz).
BE160と同様の製造方法によって、O−メチル−BE150を脱メチル化した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)によって精製し、1−アセチル−12−(4−ヒドロキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE150)を得た(19%)。
無色針状晶(ジクロロメタン/ヘキサン)
H−NMR(CDCl)δ:1.50−3.30(10H,br m),2.11(3H,s),4.85(1H,s),6.62(2H,d,J=8.9Hz),7.05(2H,d,J=8.9Hz).
O−メチル−BE150 70mg(0.239mmol)をエタノール3mlに懸濁し、水素化ホウ素ナトリウム4.52mg(0.119mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。2N塩酸を加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。その有機層を水、食塩水の順で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=10/1)によって精製し、1−ヒドロキシエチル−12−(4−メトキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(O−メチル−BE121)を得た(78%)。
無色針状晶
H−NMR(CDCl)δ:1.11(3H,d,J=6.4Hz),1.50−3.30(10H,br m),3.74(1H,q,J=6.4Hz),3.74(3H,s),6.68(2H,d,J=9.1Hz),7.11(2H,d,J=9.1Hz).
元素分析(C102010)計算値C,42.84;H,7.14.実測値C,42.93;H,7.50.
BE160と同様の製造方法によって、O−メチル−BE121を脱メチル化した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)によって精製し、1−ヒドロキシエチル−12−(4−ヒドロキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE121)を得た(94%)。
無色フレーク(ジクロロメタン/ヘキサン)
融点:173−174℃
H−NMR(CDCl)δ:1.11(3H,d,J=6.4Hz),1.50−3.30(10H,br m),3.74(1H,q,J=6.4Hz),4.84(1H,br),6.61(2H,d,J=9.0Hz),7.07(2H,d,J=9.1Hz)
HRMS(C102010)計算値280.2466,実測値280.2466.
例11
1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン3.5g(24.3mmol)をDMEに溶解し、アルゴン雰囲気下0℃で1.54M n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液16.6ml(25.6mmol)を滴下した。反応液を室温で30分間攪拌し、塩化銅3.13g(31.6mmol)を一度に添加し、さらに室温で1時間攪拌した。その後、ピリジン14.7ml(183mmol)を添加し、4−ヨードアニソール5.97g(25.5mmol)を一度に添加して、100℃で48時間加熱した。冷却後、ジエチルエーテルで希釈し、室温で3時間攪拌し、不溶物をセライトで濾別した。濾液を2N塩酸、Na水溶液、水、食塩水の順で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン→ヘキサン/酢酸エチル=30/1)で精製して、1−(4−メトキシフェニル)−1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(O−メチル−BE200)(41%)および1,7−ビス(4−メトキシフェニル)−1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(O,O’−ジメチル−BE260)(17%)を得た。
O−メチル−BE200
無色針状晶
H−NMR(CDCl)δ:1.50−3.70(10H,br m),3.04(1H,br s),3.77(3H,s),6.76(2H,d,J=9.2Hz),7.33(2H,d,J=9.2Hz).
O,O’−ジメチル−BE260
無色針状晶
H−NMR(CDCl)δ:1.50−3.70(10H,br m),3.78(6H,s),6.77(4H,d,J=9.0Hz),7.37(4H,d,J=9.0Hz).
BE100と同様の製造方法によって、O−メチル−BE200を脱メチル化した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=10/1)によって精製し、1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE200)を得た(92%)。
無色針状晶(ジクロロメタン/ヘキサン)
融点:180−181℃
H−NMR(CDCl)δ:1.50−3.70(10H,br m),3.04(1H,br s),4.81(1H,s),6.69(2H,d,J=8.9Hz),7.28(2H,d,J=8.9Hz).
元素分析(C1610O)計算値C,40.66;H,6.82.実測値C,40.52;H,6.68.
BE160と同様の製造方法によって、O,O’−ジメチル−BE260を脱メチル化した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)によって精製し、1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE260)を得た(85%)。
無色針状晶(酢酸エチル/ヘキサン)
融点:198−199℃
H−NMR(DMSO−d)δ:1.50−3.80(10H,br m),6.68(4H,d,J=8.9Hz),7.26(4H,d,J=8.9Hz),9.73(2H,s)
元素分析(C142010)計算値C,51.20;H,6.14.実測値C,51.14;H,6.07.
例12
アルゴン雰囲気下、2,3,4,5,6,7,8,9,10,11−デカメチル−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(1.36g,4.78mmol)を無水テトラヒドロフラン100mlに溶解し、0℃下、メチルリチウム(1.02M,エーテル溶液,42.1ml,48.0mmol)を10分間で滴下し、室温にて5時間攪拌した。反応液をドライアイスにあけ2N塩酸を加え酸性にした後、酢酸エチルにて抽出し有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;n−ヘキサン,50%クロロホルム/n−ヘキサン,クロロホルム)により精製し、n−ヘキサン溶出部より原料(312.3mg,22.9%)を回収し、クロロホルム溶出部より2,3,4,5,6,7,8,9,10,11−デカメチル−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−カルボン酸(1.20g,76.4%)の白色固体を得た。
無色プリズム(ベンゼン)
融点:224−225℃
元素分析(C131032)計算値C,47.53;H,9.82.実測値C,47.33;H,9.59.
H−NMR(CDCl,400MHz)δ2.21(1H,s,CH),0.13,0.07(each 15H,s,BCH).11B−NMR(CDCl,160.35MHz)δ−7.98,−9.49(each 5B,s,BCH).
アルゴン雰囲気下、2,3,4,5,6,7,8,9,10,11−デカメチル−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−カルボン酸(60.1mg,0.18mmol)へ、塩化チオニル6ml、無水N,N−ジメチルホルムアミド0.06mlを加え90℃下5時間加熱した。過剰量の塩化チオニルを減圧下留去し残渣へ水を加え酢酸エチルにて抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥後、溶媒を留去した。残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;n−ヘキサン)により精製し、2,3,4,5,6,7,8,9,10,11−デカメチル−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−カルボニルクロリド(59.5mg,93.7%)の白色固体を得た。
無色プリズム(メタノール)
融点:183−184℃
元素分析(C131031OCl)計算値C,45.00;H,9.01.実測値C,,45.00;H,8.78.
H−NMR(CDCl,400MHz)δ2.29(1H,s,CH),0.22,0.10(each 15H,s,BCH).11B−NMR(CDCl,160.35MHz)δ−7.64,−9.32(each 5B,s,BCH).
アルゴン雰囲気下、2,3,4,5,6,7,8,9,10,11−デカメチル−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−カルボニルクロリド(500.0mg,1.44mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド15mlに溶解し、0℃下、アジ化ナトリウム(140.4mg,2.16mmol)を加え30℃にて30分攪拌。反応液を水にあけ酢酸エチルで抽出し有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥後、溶媒を留去した。残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;n−ヘキサン)により精製し、2,3,4,5,6,7,8,9,10,11−デカメチル−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−カルボニルアジド(487.1mg,95.6%)の白色固体を得た。
無色薄片状結晶(エタノール−ジクロロメタン)
融点157−158℃
H−NMR(CDCl,400MHz)δ2.23(1H,s,CH),0.16,0.07(each 15H,s,BCH).
アルゴン雰囲気下、2,3,4,5,6,7,8,9,10,11−デカメチル−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−カルボニルアジド(487.1mg,1.38mmol)を無水トルエン50mlに溶解し、100℃下2時間加熱した。反応液を水にあけ酢酸エチルにて抽出し有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥後、溶媒を留去した。残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;n−ヘキサン)により精製し、2,3,4,5,6,7,8,9,10,11−デカメチル−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イルイソシアナート(439.4mg,98.0%)の白色固体を得た。
無色プリズム(アセトニトリル−ジクロロメタン)
融点: 162−163℃
元素分析(C131031ON)計算値C,47.97;H,9.60;N,4.30.実測値C,47.96;H,9.30;N,4.24.
H−NMR(CDCl,400MHz)δ1.92(1H,s,CH),0.08,0.03(each 15H,s,BCH).
11B−NMR(CDCl,160.35MHz)δ−8.30,−11.20(each 5B,s,BCH).
2,3,4,5,6,7,8,9,10,11−デカメチル−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イルイソシアナート(337.4mg,1.04mmol)をメタノール30mlに溶解し、80℃下24時間加熱した。溶媒を減圧下留去し、1−メトキシカルボニルアミノ−2,3,4,5,6,7,8,9,10,11−デカメチル−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(367.4mg,99.1%)の白色固体を得た。
無色プリズム(メタノール)
融点:184℃
元素分析(C141035N)計算値C,47.03;H,9.87;N,3.92.実測値C,46.76;H,9.68;N,3.80.
H NMR(CDCl,400MHz)δ4.36(1H,s),3.54(3H,s),1.96(1H,s,CH),0.09,0.07(each 15H,s,BCH).
1−メトキシカルボニルアミノ−2,3,4,5,6,7,8,9,10,11−デカメチル−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(266.2mg,0.745mmol)をメタノール30mlに溶解し、2N水酸化カリウム水溶液3.5mlを加え80℃下3日間加熱した。反応液を水にあけ酢酸エチルで抽出し有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥後、溶媒を留去し1−アミノ−2,3,4,5,6,7,8,9,10,11−デカメチル−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(218.2mg,97.8%)の白色粉体を得た。
無色薄片状結晶(メタノール)
融点170℃
H NMR(CDCl,400MHz)δ1.83(1H,s,CH),1.16(2H,br s,NH),0.06,−0.08(each 15H,s,BCH).
アルゴン雰囲気下、2,3,4,5,6,7,8,9,10,11−デカメチル−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−カルボニルクロリド(58.9mg,0.17mmol)を1,2−ジクロロベンゼン1mlに溶解し、4−アミノ安息香酸エチル(140.4mg,0.85mmol)を加え180℃下24時間加熱した。減圧下溶媒を留去後残渣へ2N塩酸を加え酢酸エチルで抽出し有機層は飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥後、溶媒を留去した。残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;20%酢酸エチル/n−ヘキサン)にて精製し、4−(2,3,4,5,6,7,8,9,10,11−デカメチル−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−カルボニルアミノ)安息香酸エチル(89.1mg,quant.)の白色固体を得た。無色薄片状結晶(ジクロロメタン−ヘキサン)
融点135−137℃
元素分析(C221041N)計算値C,55.55;H,8.69;N,2.95.実測値C,55.34;H,8.41;N,3.02.
H NMR(CDCl,400MHz)δ7.96(2H,d,J=8.8Hz),7.41(2H,d,J=8.8Hz),7.09(1H,br s,NH),4.35(2H,q,J=7.1Hz),2.27(1H,s,CH),1.38(3H,t,J=7.1Hz),0.27,0.12(each 15H,s,BCH).
4−(2,3,4,5,6,7,8,9,10,11−デカメチル−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−カルボニルアミノ)安息香酸エチル(56.2mg,0.118mmol)をエタノール5mlに溶解し、1N水酸化カリウム水溶液1mlを加え80℃下1時間加熱した。反応液へ2N塩酸を加え酢酸エチルにて抽出。有機層は水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥後、溶媒を留去し4−(2,3,4,5,6,7,8,9,10,11−デカメチル−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−カルボニルアミノ)安息香酸(60.2mg,quant.)(BR630)の白色固体を得た。
無色針状晶(ジクロロメタンヘキサン)
融点:285−286℃
元素分析(C201037N)計算値C,53.67;H,8.33;N,3.13.実測値C,53.68;H,8.22;N,3.01.
H NMR(CDCl,400MHz)δ8.01(2H,d,J=9.0Hz),7.45(2H,d,J=8.8Hz),7.13(1H,br s,NH),2.27(1H,s,CH),0.27,0.12(each 15H,s,BCH).
アルゴン雰囲気下、1−アミノ−2,3,4,5,6,7,8,9,10,11−デカメチル−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(50.0mg,0.167mmol)を1,2−ジクロロベンゼン1mlに溶解し、テレフタル酸モノメチルクロリド(49.8mg,0.251mmol)、無水ピリジン0.2ml加え180℃下18時間加熱した。減圧下溶媒を留去後、残渣へ2N塩酸を加え酢酸エチルで抽出し有機層は飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥後、溶媒を留去した。残渣はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;5%酢酸エチル/n−ヘキサン)にて精製し4−(2,3,4,5,6,7,8,9,10,11−デカメチル−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−アミノカルボニル)安息香酸メチル(40.5mg,52.5%)の白色固体を得た。この化合物(40.5mg,0.088mmol)をメタノール5mlに溶解し、1N水酸化カリウム水溶液1mlを加え80℃下1時間加熱した。反応液へ2N塩酸を加え酢酸エチルで抽出し有機層は水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥後、溶媒を留去し4−(2,3,4,5,6,7,8,9,10,11−デカメチル−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−カルボニルアミノ)安息香酸(BR635)(39.7mg,quant.)の白色固体を得た。
無色薄片状結晶(酢酸エチル−ヘキサン)
融点:259℃
元素分析(C201037N)計算値C,53.67;H,8.33;N,3.13.実測値C,53.38;H,8.10;N,2.99.
H NMR(CDCl,400MHz)δ8.12(2H,d,J=8.3Hz),7.66(2H,d,J=8.3Hz),5.60(1H,s,NH),2.04(1H,s,CH),0.18,0.11(each 15H,s,BCH
アルゴン雰囲気下、2,3,4,5,6,7,8,9,10,11−デカメチル−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イルイソシアナート(40.0mg,0.123mmol)と4−アミノ安息香酸エチル(20.3mg,0.123mmol)の混合物を180℃下24時間加熱した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;20%酢酸エチル/n−ヘキサン)にて精製し(2,3,4,5,6,7,8,9,10,11−デカメチル−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)(4−メトキシカルボニルフェニル)ウレア(30.7mg,50.9%)の白色固体を得た。この化合物(30.7mg,0.063mmol)をエタノール5mlに溶解し、1N水酸化カリウム水溶液1mlを加え80℃下1時間加熱した。反応液へ2N塩酸を加え酢酸エチルで抽出し有機層は水、飽和食塩水で順次洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥後、溶媒を留去し(2,3,4,5,6,7,8,9,10,11−デカメチル−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)(4−カルボキシルフェニル)ウレア(BR638)(28.5mg,98.6%)の白色固体を得た。
無色薄片状結晶(メタノール)
融点:>300℃;元素分析(C201038)計算値C,51.92;H,8.28;N,6.06.
実測値C,51.63;H,8.09;N,5.77.
H NMR(DMSO−d,400MHz)δ9.49(1H,s,NH)7.92(2H,d,J=8.8Hz),7.48(2H,d,J=8.8Hz),5.57(1H,s,NH),2.77(1H,s,CH),0.20,0.14(each 15H,s,BCH).
例13
4−(4−ブロモフェノキシ)安息香酸メチル(2.0g,6.51mmol),エチニルトリメチルシラン(1.60g,16.2mmol),(PPhPdCl(182mg,0.259mmol),CuI(24.8mg,0.130mmol)の混合物をTHF(30ml)中に入れ、そこにアルゴン雰囲気下、ジイソプロピルアアミン(1.38g,13.7mmol)を滴下した。50℃で24時間撹拌した後、6時間加熱還流した。冷却後、反応液に水を加え、不溶物をセライトでろ過し、ろ液を酢酸エチルで抽出する。有機層を飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル=30:1)により精製し、4−(4−トリメチルシリルエチニルフェノキシ)安息香酸メチルを得た。(63%)
H−NMR(CDCl)δ0.25(9H,s),3.90(3H,s),6.97(2H,d,J=8.8Hz),6.99(2H,d,J=9.0Hz),7.48(2H,d,J=8.8Hz),8.01(2H,d,J=9.0Hz).
本化合物(1.28g,3.95mmol)のメタノール(20ml)溶液に炭酸カリウム(546mg,3.95mmol)を加え、室温で1時間30分撹拌した。反応液を濃縮した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル=10:1)により精製し、4−(4−エチニルフェノキシ)安息香酸メチルを得た。(89%)
H−NMR(CDCl)δ3.06(1H,s),3.91(3H,s),6.99(2H,d,J=8.8Hz),7.01(2H,d,J=8.8Hz),7.50(2H,d,J=8.8Hz),8.02(2H,d,J=8.8Hz).
4−(4−エチニルフェノキシ)安息香酸メチル(850mg,3.37mmol)とデカボラン(14)(412mg,3.37mmol)のアセトニトリル(2.5ml)−ベンゼン(25ml)溶液をアルゴン雰囲気下36時間加熱還流した。反応液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル=10:1)により精製し、4−[4−(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)フェノキシ]安息香酸メチルを得た。(66%)H−NMR(CDCl)δ(10H,br m),3.91(4H,s),6.97(2H,d,J=8.9Hz),7.02(2H,d,J=8.9Hz),7.49(2H,d,J=8.9Hz),8.04(2H,d,J=8.9Hz).
60%水素化ナトリウム(19.4mg,0.485)のDMF(1ml)懸濁液に4−(4−エチニルフェノキシ)安息香酸メチル(150mg,0.405mmol)のDMF(3ml)溶液を滴下し室温で5分撹拌する。ヨウ化プロピル(103mg,0.606nmmol)のDMF(1ml)溶液を滴下し、室温で1時間撹拌する。反応を2N塩酸で停止させ、ジエチルエーテルで抽出する。有機層を水、飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル=10:1)により精製し、4−[4−(2−n−プロピル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)フェノキシ]安息香酸メチルを得た。(44%)
H−NMR(CDCl)δ0.77(3H,t,J=7.3Hz),1.40−3.40(10H,br m),1.43(2H,m),1.75(2H,m),3.92(3H,s),7.01(2H,d,J=9.0Hz),7.06(2H,d,J=9.0Hz),7.61(2H,d,J=9.0Hz),8.06(2H,d,J=9.0Hz).
本化合物(55mg,0.133mmol)の水(1.5ml)−ジオキサン(5ml)溶液に濃硫酸(1ml)を加え、100℃で24時間撹拌する。反応液を氷水にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、4−[4−(2−n−プロピル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)フェノキシ]安息香酸(BR503)を得た。(95%)
無色板状晶(酢酸エチル−n−ヘキサン)
融点
H−NMR(DMSO−d)δ1.40−3.80(10H,br m),2.18(6H,s),2.59(2H,t,J=5.8Hz),4.02(2H,t,J=5.8Hz),6.69(2H,d,J=8.8Hz),6.88(2H,d,J=8.8Hz),7.27(2H,d,J=8.8Hz)7.37(2H,d,J=8.8Hz),9.74(1H,s)
元素分析(C182910NO)計算値C,54.11;H,7.32;N,3.51.実測値C,53.84;H,7.14;N,3.21.
4−(4−ブロモベンゾイル)安息香酸メチル(1.20g,3.76mmol),エチニルトリメチルシラン(554mg,5.66mmol),(PPhPdCl(106mg,0.151mmol),CuI(14.3mg,0.075mmol)の混合物をTHF(30ml)中に入れ、そこにアルゴン雰囲気下、ジイソプロピルアアミン(799mg,7.92mmol)を滴下する。50℃で4時間撹拌する。冷却後、反応液に水を加え,酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル=10:1)により精製し、4−(4−トリメチルシリルエチニルベンゾイル)安息香酸メチルを得た。(83%)
H−NMR(CDCl)δ0.28(9H,s),3.97(3H,s),7.57(2H,d,J=8.6Hz),7.74(2H,d,J=8.6Hz),7.81(2H,d,J=8.6Hz),8,15(2H,d,J=8.6Hz).
本化合物(1.00g,2.97mmol)のメタノール(25ml)−ジクロロメタン(2.5ml)溶液に炭酸カリウム(411mg,2.97mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を濃縮した後、水を加え、酢酸エチルで抽出する。有機層を飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、4−(4−エチニルベンゾイル)安息香酸メチルを得た。(100%)
H−NMR(CDCl)δ3.27(1H,s),3.97(3H,s),7.61(2H,d,J=8.6Hz),7.76(2H,d,J=8.6Hz),7.82(2H,d,J=8.6Hz),8.15(2H,d,J=8.6Hz).
4−(4−エチニルベンゾイル)安息香酸メチル(780mg,2.95mmol)とデカボラン(14)(361mg,2.95mmol)のアセトニトリル(2.5ml)−ベンゼン(25ml)溶液をアルゴン雰囲気下24時間加熱還流した。反応液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル=10:1)により精製し、4−[4−(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)ベンゾイル]安息香酸メチルを得た。(58%)
H−NMR(CDCl)δ1.60−3.40(10H,br m),3.97(3H,s),4.03(1H,br s),7.61(2H,d,J=8.5Hz),7.76(2H,d,J=8.5Hz),7.82(2H,d,J=8.2Hz),8.16(2H,d,J=8.2Hz).
4−[4−(1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)ベンゾイル]安息香酸メチル(350mg,0.915mmol)とヨウ化プロピル(233mg,1.37mmol)のDMF(15ml)溶液に60%NaH(43.9mg,1.10mmol)を0℃で加え、室温で1時間撹拌した。反応を2N塩酸を加え、停止させ、ジエチルエーテルで抽出する。有機層を飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル=20:1)により精製し、4−[4−(2−n−プロピル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)ベンゾイル]安息香酸メチルを得た。(58%)
H−NMR(CDCl)δ0.75(3H,t,J=7.3Hz),1.60−3.80(10H,br m),1.44(2H,m),1.75(2H,m),3.98(3H,s),7.77(2H,d,J=8.9Hz),7.81(2H,d,J=8.9Hz),7.88(2H,d,J=8.6Hz),8.17(2H,d,J=8.6Hz);
高分解能質量分析(C202810)計算値424.3042,実測値424.3039.
4−[4−(2−n−プロピル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)ベンゾイル]安息香酸メチル(50mg,0.118mmol)の水(1.5ml)−ジオキサン(5ml)溶液に濃硫酸(1ml)を加え、100℃で24時間撹拌した。反応液を氷水にあけ、酢酸エチルで抽出する。有機層を水、飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、4−[4−(2−n−プロピル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)ベンゾイル]安息香酸(BR513)を得た。
無色針状晶(n−ヘキサン−酢酸エチル)
融点236−237℃
H−NMR(DMSO−d)δ0.70(3H,t,J=7.3Hz),1.36(2H,m),1.40−3.40(10H,br m),1.83(2H,m),7.83(2H,d,J=8.5Hz),7.84(2H,d,J=8.2Hz),7.91(2H,d,J=8.5Hz),8.10(2H,d,J=8.2Hz),13.33(1H,br).
HRMS(C202810NO)計算値408.3092,実測値408.3084.
4−[4−(2−n−プロピル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)ベンゾイル]安息香酸メチル(75mg,0.177mmol)のTHF(2ml)溶液に、2.4mmol/1gのトリメチルトリフェニルホスホニウムブロミドーナトリウムアミド(370mg,0.888mmol)を加え、アルゴン雰囲気下2時間撹拌する。2N塩酸を0℃で加え、酢酸エチルで抽出する。有機層を水、飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル=30:1)により精製し、4−[1−[4−(2−n−プロピル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)フェニル]エテニル]安息香酸メチルを得た。(25%)
H−NMR(CDCl)δ0.76(3H,t,J=7.2Hz),1.44(2H,m),1.50−3.60(10H,br m),1.76(2H,m),3.93(3H,s),5.60(1H,s),5.62(1H,s),7.32(2H,d,J=8.6Hz),7.37(2H,d,J=8.4Hz),7.59(2H,d,J=8.6Hz),8.02(2H,d,J=8.4Hz)
高分解能質量分析(C213010)の計算値422.3249,実測値422.3278.
4−[1−[4−(2−n−プロピル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)フェニル]エテニル]安息香酸メチル(17mg,0.0402mmol)の水(1.5ml)−ジオキサン(5ml)溶液に濃硫酸(1ml)を加え、100℃で24時間撹拌した。反応液を氷水にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル=2:1)により精製し、4−[1−[4−(2−n−プロピル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)フェニル]エテニル]安息香酸を得た。(64%)無色針状晶(n−ヘキサン−酢酸エチル)
融点152−154℃
H−NMR(DMSO−d)δ0.71(3H,t,J=7.3Hz),1.35(2H,m),1.40−3.40(10H,br m),1.81(2H,m),5.68(1H,s),5.71(1H,s)7.38(2H,d,J=8.5Hz),7.40(2H,d,J=8.5Hz),7.70(2H,d,J=8.5Hz),7.94(2H,d,J=8.5Hz),12.98(1H,br).
4−[4−(2−n−プロピル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)ベンゾイル]安息香酸メチル(50mg,0.118mmol)のTHF(1ml)−ジクロロメタン(1ml)溶液にトリメチルシラン(274mg,2.36mmol)を加え、50℃で5時間撹拌する。反応液を氷水にあけ、酢酸エチルで抽出する。有機層を水、飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル=20:1)により精製し、4−[4−(2−n−プロピル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)ベンジル]安息香酸メチルを得た。(90%)
H−NMR(CDCl)δ0.72(3H,t,J=7.3Hz),1.40(2H,m),1.50−3.60(10H,br m),1.71(2H,m),3.90(3H,s),4.04(2H,s),7.17(2H,d,J=8.5Hz),7.24(2H,d,J=8.5Hz),7.53(2H,d,J=8.5Hz),7.98(2H,d,J=8.5Hz)
高分解能質量分析(C203010)計算値410.3249,実測値410.3220.
4−[4−(2−n−プロピル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)ベンジル]安息香酸メチル(40mg,0.0974mmol)の水(1.5ml)−ジオキサン(5ml)溶液に濃硫酸(1ml)を加え、100℃で24時間撹拌する。反応液を氷水にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、4−[4−(2−n−プロピル−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−1−イル)ベンジル]安息香酸(BR533)を得た。(100%)
無色プリズム(n−ヘキサン−酢酸エチル)
融点205−206℃
H−NMR(DMSO−d)δ0.66(3H,t,J=7.4Hz),1.31(2H,m),1.40−3.40(10H,br m),1.75(2H,m),4.07(2H,s),7.33(2H,d,J=8.2Hz),7.34(2H,d,J=8.2Hz),7.61(2H,d,J=8.2Hz),7.86(2H,d,J=8.2Hz),12.80(1H,br).
元素分析(C192810)計算値C,57.55;H,7.12.実測値C,57.31;H,7.09.
例14
アルゴン雰囲気下、O−メチル−BE100(300mg,1.20mmol)のベンゼン(2ml)−ジエチルエーテル(1ml)溶液に1.53Mn−BuLiのヘキサン溶液(0.82ml,1.25mmol)を0℃で滴下した。室温で30分撹拌後、過酸化ベンゾイル(145mg,0.601mmol)のベンゼン(2ml)−ジエチルエーテル(1ml)溶液を0℃で滴下した。その後、室温で2時間撹拌する。10%塩酸水溶液を加えて反応を停止させ、酢酸エチルで抽出する。有機層を水、飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル=10:1)により精製し、1−ヒドロキシ−12−(4−メトキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(O−メチルBE119)を得た。(75%)
H−NMR(CDCl)δ1.60−3.40(10H,br m),2.87(1H,s),3.73(3H,s),6.67(2H,d,J=8.6Hz),7.12(2H,d,J=8.6Hz)
高分解能質量分析(C1810)の計算値266.2310,実測値266.2304.
O−メチル−BE119(91mg,0.342mmol)のジクロロメタン(3ml)溶液に1MBBrのジクロロメタン溶液0.855mlを−78℃で滴下する。その後、室温で2時間撹拌する。反応液を氷水にあけ、酢酸エチルで抽出する。有機層を飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、1−ヒドロキシ−12−(4−ヒドロキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE119)を得た。(100%)
無色針状晶(ジクロロメタン−n−ヘキサン)
融点181−183℃
H−NMR(CDCl)δ1.50−3.40(10H,br m),4.70(1H,br),6.60(2H,d,J=8.8Hz),7.07(2H,d,J=8.8Hz)
高分解能質量分析(C1610)計算値252.2153,実測値 252.2173
元素分析(C1610.0.5HO)計算値C,36.77;H,6.56.実測値C,36.42;H,6.57.
アルゴン雰囲気下、O−メチル−BE100(200mg,0.799mmol)のベンゼン(5ml)−ジエチルエーテル(2.5ml)溶液に1.53Mn−BuLiのヘキサン溶液(0.623ml,0.953mmol)を0℃で滴下した。室温で30分撹拌後、2−(2−ブロモエトキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(231mg,1.20mmol)を0℃で滴下する。その後、室温で15時間撹拌した。水を加えて反応を停止させ、ジエチルエーテルで抽出する。有機層を飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−ジクロロメタン=2:1)により精製し、1−(4−メトキシフェニル)−12−(2−テトラヒドロピラニルオキシエチル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボランを得た。(45%)
H−NMR(CDCl)δ1.45−1.82(6H,m),1.50−3.20(10H,br m),1.98(2H,t,J=7.0Hz),3.17(1H,dt,J=9.9,7.6Hz),3.45−3.51(1H,m),3.55(1H,dt,J=10.1,7.3Hz),3.73(3H,s),3.80(1H,m),4.49(1H,m),6.67(2H,d,J=9.2Hz),7.10(2H,d,J=9.2Hz).
1−(4−メトキシフェニル)−12−(2−テトラヒドロピラニルオキシエチル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(112mg,0.296mmol)のメタノール(3ml)−ジクロロメタン(1ml)溶液にp−トルエンスルホン酸酸水和物(5.6mg,0.0294mmol)を加え、室温で15時間撹拌した。反応を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で停止させ、ジクロロメタンで抽出する。有機層を水、飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、1−(2−ヒドロキシエチル)−12−(4−メトキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボランを得た。
H−NMR(CDCl)δ1.50−3.30(10H,br m),1.95(2H,t,J=7.0Hz)3.48(2H,t,J=7.0Hz),3.73(3H,s),6.67(2H,d,J=9.0Hz),7.10(2H,d,J=9.0Hz).
1−(2−ヒドロキシエチル)−12−(4−メトキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(80mg,0.272mmol)のジクロロロメタン(3ml)溶液に1M BBrのジクロロロメタン溶液0.680mlを−78℃に冷却下して滴下した。その後、室温で3時間撹拌した。反応液を氷水にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル=10:1)により精製し、1−(2−ヒドロキシエチル)−12−(4−ヒドロキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE122)を得た。(88%)
無色針状晶(ジクロロメタン−n−ヘキサン)
融点180−181℃
H−NMR(CDCl)δ1.30(1H,t,J=5.1Hz),1.50−3.30(10H,br m),1.95(2H,t,J=7.0Hz)3.48(2H,dt,J=5.1,7.0Hz),4.75(1H,s),6.60(2H,d,J=9.0Hz),7.06(2H,d,J=9.0Hz)
高分解能質量分析(C102010)計算値280.2466,実測値280.2462
元素分析(C102010)計算値C,42.84;H,7.19.実測値C,42.79;H,7.46.
アルゴン雰囲気下、O−メチル−BE100(750mg,3.00mmol)のベンゼン(10ml)−ジエチルエーテル(5ml)溶液に1.53Mn−BuLiのヘキサン溶液(2.35ml,3.60mmol)を0℃で滴下した。室温で30分撹拌後、2−(3−ブロモプロピルオキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(746mg,3.60mmol)を0℃で滴下する。その後、室温で18時間撹拌した。水を加えて反応を停止させ、ジエチルエーテルで抽出する。有機層を飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−ジクロロメタン)により精製し、1−(4−メトキシフェニル)−12−(3−テトラヒドロピラニルオキシ−n−プロピル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボランを得た。(69%)本化合物(705mg,1.80mmol)のメタノール(10ml)溶液にp−トルエンスルホン酸酸水和物(34.2mg,0.180mmol)を加え、室温で15時間撹拌した。反応を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で停止させ、ジクロロメタンで抽出する。有機層を水、飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、1−(3−ヒドロキシプロピル)−12−(4−メトキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボランを得た。(93%)
H−NMR(CDCl)δ1.17(1H,br s)1.40−3.30(10H,br m),1.46(2H,m),1.78(2H,m)3.50(2H,m),3.73(3H,s),6.67(2H,d,J=9.0Hz),7.10(2H,d,J=9.0Hz).
1−(3−ヒドロキシプロピル)−12−(4−メトキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(80mg,0.259mmol)のジクロロメタン(3ml)溶液に1M BBrのジクロロメタン溶液0.648mlを−78℃に冷却して滴下した。その後、室温で3時間撹拌した。反応液を氷水にあけ、酢酸エチルで抽出する。有機層を飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル=4:1)により精製し、1−(3−ヒドロキシプロピル)−12−(4−ヒドロキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE123)を得た。(92%)
無色針状晶(ジクロロメタン−n−ヘキサン)
融点185−186℃
H−NMR(CDCl)δ1.10−3.30(10H,br m),1.45(2H,m),1.77(2H,m),3.50(2H,t,J=6.1Hz),4.70(1H,br s),6.60(2H,d,J=8.8Hz),7.06(2H,d,J=8.5Hz)
元素分析(C112210)計算値C,44.88;H,7.53.実測値C,44.58;H,7.32.
BE119と同様の製造方法によって、O−メチル−BE200を1−ヒドロキシ−7−(4−ヒドロキシフェニル)−1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE219)に誘導した。
無色針状晶(ジクロロメタン−n−ヘキサン)
融点168−169℃
H−NMR(CDCl)δ1.40−4.00(10H,br m),4.80(1H,br),6.70(2H,d,J=9.0Hz),7.28(2H,d,J=9.0Hz)
元素分析(C1610)計算値C,38.08;H,6.39.実測値 C,37.84;H,6.30.
BE122と同様の製造方法によって、O−メチル−BE200を1−(2−ヒドロキシエチル)−7−(4−ヒドロキシフェニル)−1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE222)に誘導した。
無色針状晶(ジクロロメタン−n−ヘキサン)
融点156−157℃
H−NMR(CDCl)δ1.50−3.50(10H,br m),2.28(2H,t,J=6.9Hz)3.67(2H,t,J=6.9,Hz),4.79(1H,s),6.69(2H,d,J=8.9Hz),7.28(2H,d,J=8.9Hz)
高分解能質量分析(C102010)計算値280.2466,実測値280.2470
元素分析(C102010)計算値C,42.84;H,7.19.実測値C,42.53;H,6.75.
BE123と同様の製造方法によって、O−メチル−BE200を1−(3−ヒドロキシプロピル)−7−(4−ヒドロキシフェニル)−1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE323)に誘導した。
無色針状晶(ジクロロメタン−n−ヘキサン)
融点157−158℃
H−NMR(CDCl)δ1.23(1H,t,J=5.1Hz),1.40−3.80(10H,br m),1.67(2H,m),2.11(2H,m)3.60(2H,dt,J=5.1,5.3Hz),4.81(1H,s),6.68(2H,d,J=8.9Hz),7.28(2H,d,J=8.9Hz)
元素分析(C112210)計算値C,44.88;H,7.53.実測値C,44.61;H,7.24.
BE100と同様の製造方法によって、1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボランからO−メチル−BE300を経て、1−(3−ヒドロキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE300)に誘導した。
無色針状晶(ジクロロメタン−n−ヘキサン)
融点163−164℃
H−NMR(CDCl)δ1.50−3.30(10H,br m),2.78(1H,br s),4.67(1H,s),6.66−6.69(2H,m),6.78(1H,m),7.03(1H,m)
元素分析(C1610O)計算値C,40.66;H,6.82.実測値C,40.36;H,6.64.
BE119と同様の製造方法によって、O−メチル−BE300を1−ヒドロキシ−12−(3−ヒドロキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE319)に誘導した。
無色針状晶(ジクロロメタン−n−ヘキサン)
融点185−186℃
H−NMR(CDCl)δ1.50−3.40(10H,br m),4.70(1H,br),6.66−6.71(2H,m),6.78(1H,br d)7.02(1H,t,J=8.0Hz)
元素分析(C1610)計算値C,38.08;H,6.39.実測値C,38.31;H,6.43.
BE120と同様の製造方法によって、O−メチル−BE300を1−(2−ヒドロキメチル)−12−(3−ヒドロキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE320)に誘導した。
無色針状晶(ジクロロメタン−n−ヘキサン)
融点134−135℃
H−NMR(CDCl)δ1.50−3.30(10H,br m),1.58(1H,t,J=7.3Hz),3.55(2H,d,J=7.3Hz),4.70(1H,s),6.67−6.69(2H,m),6,77(1H,m),7.03(1H,m)
元素分析(C1810.0.2HO)計算値C,40.04;H,6.87.実測値C,39.98;H,6.57.
BE122と同様の製造方法によって、O−メチル−BE300を1−(2−ヒドロキシエチル)−12−(3−ヒドロキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE322)に誘導した。
無色針状晶(ジクロロメタン)
融点186−187℃
H−NMR(CDCl)δ1.30(1H,t,J=4.9Hz),1.50−3.30(10H,br m),1.95(2H,t,J=7.0Hz)3.48(2H,dt,J=4.9,7.0Hz),4.74(1H,s),6.65−6.69(2H,m),6.76(1H,m),7.02(1H,m)
元素分析(C102010.0.2HO)計算値C,42.29;H,7.24.実測値C,42.12;H,6.95.
BE123と同様の製造方法によって、O−メチル−BE300を1−(3−ヒドロキシプロピル)−12−(3−ヒドロキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(−BE323)に誘導した。
無色針状晶(ジクロロメタン)
融点211−212℃
H−NMR(DMSO−d)δ1.25(2H,m),1.40−3.20(10H,br m),1.73(2H,m)3.23(2H,dt,J=5.1,5.7Hz),4.39(1H,t,J=5.1Hz),6.57−6.59(2H,m),6.64(1H,m),7.01(1H,m),9.54(1H,s)
元素分析(C112210.0.1HO)計算値C,44.60;H,7.55.実測値C,44.30;H,7.28.
BE100と同様の製造方法によって、1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボランからO−メチル−BE400を経て、1−(3−ヒドロキシフェニル)−1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE400)に誘導した。
無色針状晶(ジクロロメタン−n−ヘキサン)融点140−141℃
H−NMR(CDCl)δ1.40−3.80(10H,br m),3.05(1H,br s),4.70(1H,s),6.75(1H,dd,J=2.6,8.1Hz),6.90(1H,t,J=2.2Hz),6.99(1H,brd,J=8.1Hz),7.11(1H,t,J=8.1Hz)
元素分析(C1610O)計算値C,40.66;H,6.82.実測値C,40.48;H,6.56.
BE119と同様の製造方法によって、O−メチル−BE400を1−ヒドロキシ−7−(3−ヒドロキシフェニル)−1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE419)に誘導した。
無色針状晶(ジクロロメタン−n−ヘキサン)
融点135−136℃
H−NMR(CDCl)δ1.40−4.00(10H,br m),4.70(1H,br),6.76(1H,ddd,J=1.0,2.5,8.1Hz),6.89(1H,t,J=2.5Hz),6.99(1H,ddd,J=1.0,2.5,8.1Hz),7.12(1H,t,J=8.1Hz)
元素分析(C1610)計算値C,38.08;H,6.39.実測値C,37.79;H,6.37.
BE120と同様の製造方法によって、O−メチル−BE400を1−(2−ヒドロキメチル)−7−(3−ヒドロキシフェニル)−1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE420)に誘導した。
無色針状晶(ジクロロメタン−n−ヘキサン)
融点140−141℃
H−NMR(CDCl)δ1.50−3.80(10H,br m),1.91(1H,t,J=7.2Hz),3.87(2H,d,J=7.2Hz),4.90(1H,s),6.76(1H,ddd,J=0.9,2.2,8.0Hz),6.91(1H,t,J=2.2Hz),6.99(1H,ddd,J=0.9,2.2,8.0Hz),7.11(1H,t,J=8.0Hz)
元素分析(C1810)計算値C,40.59;H,6.81.実測値C,40.33;H,6.81.
BE122と同様の製造方法によって、O−メチル−BE400を1−(2−ヒドロキシエチル)−7−(3−ヒドロキシフェニル)−1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE422)に誘導した。
無色針状晶(ジクロロメタン−n−ヘキサン)
融点126−127℃
H−NMR(CDCl)δ1.42(1H,t,J=5.5Hz),1.30−3.60(10H,br m),2.28(2H,t,J=6.5Hz)3.68(2H,dt,J=5.5,6.5Hz),4.84(1H,s),6.75(1H,ddd,J=0.9,2.1,7.9Hz),6.89(1H,t,J=2.1Hz),6.98(1H,ddd,J=0.9,2.1,7.9Hz),7.11(1H,t,J=7.9Hz)
元素分析(C102010)計算値C,42.84;H,7.19.実測値C,42.65;H,6.90.
BE123と同様の製造方法によって、O−メチル−BE400を1−(3−ヒドロキシプロピル)−7−(3−ヒドロキシフェニル)−1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE423)に誘導した。
無色針状晶(ジクロロメタン−n−ヘキサン)
融点106−107℃
H−NMR(CDCl)δ1.26(1H,t,J=5.1Hz),1.50−3.70(10H,br m),1.67(2H,m),2.11(2H,m),3.60(2H,dt,J=5.1,5.6Hz),4.87(1H,s),6.75(1H,ddd,J=0.7,2.1,8.1Hz),6.90(1H,t,J=2.1Hz),6.98(1H,ddd,J=0.7,2.1,8.1Hz),7.11(1H,t,J=8.1Hz)
元素分析(C112210)計算値C,44.88;H,7.53.実測値C,44.58;H,7.35.
1,12−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE160)(155mg,0.472mmol)と(CHNCHCHCl・HCl(68.0mg,0.472mmol)のDMF溶液に炭酸カリウム(97.8mg,0.708mmol)を加え、65℃で22時間撹拌する。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出する。有機層を水、飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール=10:1)により精製し、1−(4−ヒドロキシフェニル)−12−(4−ジメチルアミノエトキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE162)を得た。(34%)
無色プリズム(酢酸エチル−n−ヘキサン)
融点233−235℃
H−NMR(DMSO−d)δ1.60−3.40(10H,br m),2.17(6H,s),2.56(2H,t,J=5.8Hz),3.98(2H,t,J=5.8Hz),6.61(2H,d,J=8.8Hz),6.79(2H,d,J=9.0Hz),7.00(2H,d,J=8.8Hz)7.11(2H,d,J=9.0Hz),9.65(1H,s)
元素分析(C182910NO)計算値C,54.11;H,7.32;N,3.51.実測値C,54.01;H,7.22;N,3.36.
BE162と同様の製造方法によって、1,12−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボランを1−(2−ヒドロキシフェニル)−12−(3−ジメチルアミノエトキシフェニル)−1,12−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE172)に誘導した。
無色針状晶(ジクロロメタン−n−ヘキサン)
融点183−185℃
H−NMR(DMSO−d)δ 1.70−3.50(10H,br m),2.19(6H,s),2.57(2H,t,J=5.8Hz),3.99(2H,t,J=5.8Hz),6.63−6,64(2H,m),6.67−6.68(2H,m),6.79(1H,br d,J=7.7Hz)6.90(1H,dd,J=2.4,8.2Hz),7.04(1H,m),7.17(1H,t,J=8.2Hz),9.59(1H,s)
元素分析(C182910NO.0.2HO)計算値C,53.63;H,7.35;N,3.47.Found C,53.56;H,7.30;N,3.36.
BE162と同様の製造方法によって、1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボランを1−(4−ヒドロキシフェニル)−7−(4−ジメチルアミノエトキシフェニル)−1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE262)に誘導した。
無色プリズム(ジクロロメタン−n−ヘキサン)
融点166−167℃
H−NMR(DMSO−d)δ1.40−3.80(10H,br m),2.18(6H,s),2.59(2H,t,J=5.8Hz),4.02(2H,t,J=5.8Hz),6.69(2H,d,J=8.8Hz),6.88(2H,d,J=8.8Hz),7.27(2H,d,J=8.8Hz)7.37(2H,d,J=8.8Hz),9.74(1H,s)
元素分析(C182910NO)計算値C,54.11;H,7.32;N,3.51.実測値C,53.84;H,7.14;N,3.21.
BE162と同様の製造方法によって、1,7−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボランを1−(3−ヒドロキシフェニル)−7−(3−ジメチルアミノエトキシフェニル)−1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE272)に誘導した。
無色プリズム(ジクロロメタン−n−ヘキサン)
融点129−131℃
H−NMR(DMSO−d)δ 1.40−3.80(10H,br m),2.20(6H,s),2.59(2H,t,J=5.8Hz),4.04(2H,t,J=5.8Hz),6.76(1H,dd,J=2.3,8.0Hz),6.88−6.94(3H,m),6.98(1H,dd,J=2.6,8.0Hz),7.06(1H,br d,J=8.0Hz),7.13(1H,t,J=8.0Hz),7.26(1H,t,J=8.0Hz),9.68(1H,s)
元素分析(C182910NO)計算値C,54.11;H,7.32;N,3.51.実測値C,53.85;H,7.17;N,3.52.
4−エチニルアニソール(700mg,5.30mmol),4−ヨードアニソール(1.30g,5.55mmol),(PPhPdCl(74.4mg,0.106mmol),CuI(10.1mg,0.053mmol)の混合物をTHF(7ml)中に入れ、そこにアルゴン雰囲気下、ジイソプロピルアミン(1.13g,11.1mmol)を氷冷下滴下した。室温で1時間撹拌した後、反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル=15:1)により精製し、ビス(4−メトキシフェニル)エチン(95%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ3.82(6H,s),6.86(4H,d,J=8.9Hz),7.44(4H,d,J=8.9Hz).
ビス(4−メトキシフェニル)エチン(700mg,2.94mmol)とデカボラン(14)(359mg,2.94mmol)のアセトニトリル(2ml)−ベンゼン(20ml)溶液をアルゴン雰囲気下28時間加熱還流した。冷却後、メタノール(20ml)を加え、室温で12時間撹拌する。その後、反応液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル=8:1)により精製し、1,2−ビス(4−メトキシフェニル)−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボランを得た。(31%)
H−NMR(CDCl)δ1.50−3.90(10H,br m),3.72(6H,s),6.63(4H,d,J=9.1Hz),7.34(4H,d,J=9.1Hz)
1,2−ビス(4−メトキシフェニル)−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(293mg,0.822mmol)のジクロロメタン(10ml)溶液に1M BBrのジクロロメタン溶液4.12mlを−78℃で滴下した。その後、室温で4時間撹拌する。反応液を氷水にあけ、酢酸エチルで抽出する。有機層を水、飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル=3:1)により精製し、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボランを得た。(100%)
無色プリズム(n−ヘキサン−酢酸エチル)
融点179−181℃
H−NMR(DMSO−d)δ1.40−3.80(10H,br m),6.57(4H,d,J=8.8Hz),7.27(4H,d,J=8.8Hz)9.91(2H,s)
元素分析(C142010)計算値C,51.20;H,6.14実測値C,50.96;H,6.15.
1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(150mg,0.457mmol)と(CHNCHCHCl・HCl(65.8mg,0.457mmol)のDMF溶液に炭酸カリウム(94.7mg,0.685mmol)を加え、65℃で20時間撹拌する。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出する。有機層を水、飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール30:1その後10:1)により精製し、1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−ジメチルアミノエトキシフェニル)−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE362)を得た。(16%)
無色針状晶(ジクロロメタン−n−ヘキサン)
融点177−179℃
H−NMR(DMSO−d)δ1.50−3.60(10H,br m),2.15(6H,s),2.53(2H,t,J=5.9Hz),3.96(2H,t,J=5.9Hz),6.57(2H,d,J=8.6Hz),6.77(2H,d,J=8.6Hz),7.29(2H,d,J=8.6Hz)7.38(2H,d,J=8.6Hz),9.92(1H,s)
元素分析(C182910NO.0.2HO)計算値C,53.63;H,7.35;N,3.47.実測値C,53.45;H,7.22;N,3.27.
3−エチニルアニソール347.0mg(2.63mmol),3−ヨードアニソール670.0mg(2.86mmol,1.1eq),(PPhPdCl37.2mg(0.0530mmol,0.02eq),CuI5.1mg(0.0268mmol,0.01eq),THF5mlの混合液に、氷冷下ジイソプロピルアミン0.57g(5.63mmol,2.1eq)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−n−ヘキサン=1:15)で精製し、ビス(3−メトキシフェニル)エチン594.4mgを得た。(95.0%)
淡黄色プリズム(n−ヘキサン)
融点61−62℃
H−NMR(CDCl)δ3.83(6H,s),6.89(2H,ddd,J=1.0,2.6,8.3Hz),7.06(2H,dd,J=1.3,2.6Hz,),7.13(2H,dt,J=1.2,7.7Hz),7.25(2H,t,J=8.0Hz)
元素分析(C1614)計算値C,80.65;H,5.92実測値C,80.49;H,6.01
高分解能質量分析(C1614)計算値238.0994,実測値238.1002
ビス(3−メトキシフェニル)エチン501.6mg(2.10mmol),デカボラン(14)258.1mg(2.11mmol),ベンゼン15ml,アセトニトリル1.5mlの混合液をアルゴン雰囲気下46時間還流した。室温に冷却した後メタノールでうすめ、1時間攪拌後濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−n−ヘキサン=1:8)で精製し、1,2−ビス(3−メトキシフェニル)−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン367.9mgを得た。(49.0%)
無色プリズム(ジクロロメタン−n−ヘキサン)
融点116−118℃
H−NMR(CDCl)δ1.7−3.6(10H,br m),3.68(6H,s),6.77(2H,ddd,J=1.8,2.3,7.5Hz),6.96(2H,t,J=2.0Hz),7.03(2H,dt,J=1.8,7.9Hz),7.06(2H,t,J=7.6Hz)
元素分析(C162410)計算値C,53.91;H,6.79 実測値C,3.61;H,6.75
高分解能質量分析(C1624 10 11)計算値356.2779,実測値356.2782
1,2−ビス(3−メトキシフェニル)−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン317.7mg(0.891mmol)をジクロロメタン3mlに溶かし、−78℃に冷却し、BBr(1ジクロロメタン溶液)2.67ml(2.67mmol,3eq)を加え、室温で1時間攪拌した。氷水にあけ、有機層を飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−n−ヘキサン=1:1)で精製し、1,2−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE370)297.4mgを得た。(100%)
無色針状晶(ジクロロメタン−n−ヘキサン)
融点202−203℃
H−NMR(CDCl)δ1.7−3.6(10H,br m),4.90(2H,br s),6.71(2H,m),6.93(2H,t,J=1.3Hz),7.00(2H,m),7.02(2H,t,J=7.6Hz)元素分析(C142010・1/6HO)計算値C,50.74;H,6.18実測値C,50.75;H,6.14
高分解能質量分析(C1420 10 11)の計算値328.2466,実測値328.2436
1,2−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン210.9mg(0.642mmol)をDMF7mlに溶かし、(CHNCHCHCl・HCl92.5mg(0.642mmol,1eq),炭酸カリウム133.1mg(0.963mmol,1.5eq)を加え、65℃で24時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出。飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン−メタノール=10:1)で精製し、1−(3−ヒドロキシフェニル)−2−(3−ジメチルアミノエトキシフェニル)−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(BE372)9.0mgを得た。(4%)
無色プリズム(ジクロロメタン−n−ヘキサン)融点192−193℃
H−NMR(DMSO−d)δ1.6−3.5(10H,br m),2.16(6H,s),2.52(2H,t,J=5.7Hz),3.93(2H,t,J=5.9Hz),6.71(1H,d,J=7.9Hz),6.93(4H,m),7.03(1H,t,J=8.0Hz),7.08(1H,d,J=8.1Hz),7.16(1H,t,J=8.1Hz),9.69(1H,br s)
高分解能質量分析(C1829 10 11NO)計算値399.3201,実測値399.3209
例16
1−(4−メトキシフェニル)−1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン(O−メチル−BE200)550mg(2.20mmol)をベンゼン10ml−ジエチルエーテル5mlに溶かしてアルゴン置換後、氷冷下、n−BuLi(1.57M in hexane)2.10ml(3.30mmol,1.5eq)を加え、室温で30分攪拌。その後、氷冷下、2−(11−ブロモ−n−ウンデカノイルオキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン736.7mg(2.20mmol,1eq)を加え、室温で20時間攪拌。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出。飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−n−ヘキサン=1:30)で精製し、1−(4−メトキシフェニル)−7−(11−テトラヒドロピラニルオキシ−n−ウンデカン−1−イル)−1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン360.3mgを得た。(32.5%)
H−NMR(CDCl)δ1.15−1.42(16H,m),1.48−1.63(6H,m),1.6−3.1(10H,br m),1.71(1H,m),1.82(1H,m),1.96(2H,m),3.38(1H,dt,J=6.6,9.5Hz),3.50(1H,m),3.73(1H,dt,J=6.6,9.5Hz),3.77(3H,s),3.87(1H,m),4.57(1H,m),6.75(2H,d,J=9.1Hz),7.32(2H,d,J=9.1Hz)
1−(4−メトキシフェニル)−7−(11−テトラヒドロピラニルオキシ−n−ウンデカン−1−イル)−1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン710mg(1.41mmol)をメタノール6mlに溶かし、p−トルエンスルホン酸酸水和物26.8mg(0.141mmol,0.1eq)を加え、室温で12時間攪拌。反応液に飽和重曹水を加え、ジクロロメタンで抽出。飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン−n−ヘキサン=2:1)で精製し、1−(4−メトキシフェニル)−7−(11−ヒドロキシキシ−n−ウンデカン−1−イル)−1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン512.5mgを得た。(86.6%)
H−NMR(CDCl)δ1.15−1.42(16H,m),1.20(1H,t,J=5.4Hz),1.50−1.61(2H,m),1.6−3.1(10H,br m),1.96(2H,m),3.64(2H,td,J=5.5,6.5Hz),3.77(3H,s),6.75(2H,d,J=9.0Hz),7.32(2H,d,J=9.0Hz)
高分解能質量分析(C2040 10 11)計算値420.4031,実測値420.4043
1−(4−メトキシフェニル)−7−(11−ヒドロキシキシ−n−ウンデカン−1−イル)−1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン512.5mg(1.22mmol)をアセトン3mlに溶かし、氷冷下、CrO 609.9mg(6.10mmol,5eq)−20%硫酸水溶液3ml溶液を加え、室温で3時間攪拌した。反応液を氷水にあけ、酢酸エチルで抽出。飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−n−ヘキサン=1:2その後、クロロホルム−メタノール=30:1)で精製し、11−{1−(4−メトキシフェニル)−1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−7−イル}−n−ウンデカン酸 1−(4−メトキシフェニル)−7−(11−ヒドロキシキシ−n−ウンデカン−1−イル)−1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラニルエステル295.5mg(57.9%)及び11−{1−(4−メトキシフェニル)−1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−7−イル}−n−ウンデカン酸54.0mg(10.2%)を得た。上記エステルはジオキサン中、硫酸による加水分解で上記カルボン酸に導いた。収率24%。
H−NMR(CDCl)δ1.15−1.42(14H,m),1.6−3.1(10H,br m),1.63(2H,m),1.96(2H,m),2.35(2H,t,J=8.6Hz),3.77(3H,s),6.75(2H,d,J=9.0Hz),7.32(2H,d,J=9.0Hz)
11−{1−(4−メトキシフェニル)−1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−7−イル}−n−ウンデカン酸100.0mg(0.230mmol)をジクロロメタン1mlに溶かし、−78℃に冷却して、BBr(1.0Mジクロロメタン溶液)0.6ml(0.6mmol,2.6eq)を加え、室温で2時間攪拌した。反応液を氷水にあけ、酢酸エチルで抽出。飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−n−ヘキサン=1:1)で精製し、11−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,7−ジカルバ−クロソ−ドデカボラン−7−イル}−n−ウンデカン酸69.0mgを得た。(71.3%)
H−NMR(CDCl)δ1.15−1.42(14H,m),1.6−3.1(10H,br m),1.63(2H,quint,J=7.5Hz),1.96(2H,m),2.35(2H,t,J=7.5Hz),6.69(2H,d,J=9.0Hz),7.28(2H,d,J=9.0Hz)
高分解能質量分析(C1936 10 11)計算値420.3668,実測値420.3673
11−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−7−イル}−n−ウンデカン酸56.5mg(0.134mmol)、n−ブチルアミン20.0mg(0.273mmol,2eq)をジクロロメタン2mlに溶かし、氷冷下、ジシクロヘキシルカルボジイミド28.2mg(0.137mmol,1eq)のジクロロメタン溶液2mlを加え、室温で18時間攪拌した。不溶物を濾去し、濾液を濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール=30:1)で精製し、N−n−ブチル−11−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−7−イル}−n−ウンデカンアミド(BE520)20.4mgを得た。(31.9%)
H−NMR(CDCl)δ0.92(3H,t,J=7.3Hz),1.05−1.42(18H,m),1.48(2H,quint,J=7.6Hz),1.6−3.1(10H,br m),1.95(2H,m),2.16(2H,t,J=7.6Hz),3.25(2H,dt,J=5.9,7.0Hz),5.44(1H,br s),6.30(1H,br),6.71(2H,d,J=8.8Hz),7.26(2H,d,J=8.8Hz)
高分解能質量分析(C2345 10 11NO)計算値475.4453 実測値475.4460
11−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−7−イル}−n−ウンデカン酸50.6mg(0.120mmol),N−メチル−n−ブチルアミン20.9mg(0.240mmol,2eq),N−ヒドロキシサクシニミド13.9mg(0.121mmol,1eq)をDMF1.5mlに溶かし、氷冷下、ジシクロヘキシルカルボジイミド25.0mg(0.121mmol,1eq)のDMF溶液1.5mlを加え、室温で48時間攪拌した。DMFを減圧留去し、残渣に酢酸エチルを加え、不溶物を濾去した後、濾液を濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール=30:1)で精製し、N−n−ブチル−N−メチル−11−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−7−イル}−n−ウンデカンアミド(BE521)17.1mgを得た。(29.0%)
H−NMR(CDCl)δ0.91,0.95(3H,t×2,J=7.6Hz),1.05−1.42(18H,m),1.45−1.60(2H,m),1.6−3.1(10H,br m),1.95(2H,m),2.29,2.31(2H,t×2,J=7.4Hz),2.92,2.98(3H,s×2),3.26,3.36(2H,t×2,J=7.5Hz),6.72(2H,d,J=8.8Hz),7.25(2H,d,J=8.8Hz)(アミドのcis,trans立体配座の1:1混合物)
高分解能質量分析(C2447 10 11NO)計算値489.4610 実測値489.4613
4−エチニルアニソール2.70g(20.4mmol),デカボラン(14)2.50g(20.5mmol)をベンゼン100ml,アセトニトリル10mlに溶かし、アルゴン雰囲気下、17時間還流した。室温に冷却した後メタノールでうすめ、1時間攪拌後濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−n−ヘキサン=1:15)で精製し、1−(4−メトキシフェニル)−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン1.26gを得た。(24.6%)
無色プリズム(ヘキサン)融点109−111℃
H−NMR(CDCl)δ1.6−3.4(10H,br m),3.80(3H,s),3.87(1H,br s),6.82(2H,d,J=9.1Hz),7.42(2H,d,J=9.2Hz)
高分解能質量分析(C18 10 11O)計算値250.2361,実測値250.2358
n−ヘキサンで洗った水素化ナトリウム(60%)302mg(7.55mmol,1.5eq)をDMF6mlに懸濁させ、1−(4−メトキシフェニル)−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン1.26g(5.03mmol)のDMF30ml溶液を加えた。室温で5分攪拌後、2−(11−ブロモ−n−ウンデカノイルオキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン1.69g(5.03mmol)のDMF6ml溶液を加え、室温で2時間攪拌。反応液を氷冷下2N塩酸にあけ、エーテルで抽出した。飽和食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−n−ヘキサン=1:30)で精製し、1−(4−メトキシフェニル)−2−(11−テトラヒドロピラニルオキシ−n−ウンデカン−1−イル)−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン1.27gを得た。(50.0%)
H−NMR(CDCl)δ1.00−1.40(16H,m),1.48−1,62(6H,m),1.6−3.1(10H,br m),1.68−1.77(3H,m),1.83(1H,m),3.37(1H,dt,J=7.0,9.6Hz),3.50(1H,m),3.72(1H,dt,J=7.0,9.6Hz),3.83(3H,s),3.87(1H,m),4.57(1H,m),6.86(2H,d,J=9.0Hz),7.52(2H,d,J=9.0Hz)
1−(4−メトキシフェニル)−7−(11−ヒドロキシキシ−n−ウンデカン−1−イル)−1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボランと同様の製造方法によって、1−(4−メトキシフェニル)−2−(11−テトラヒドロピラニルオキシ−n−ウンデカン−1−イル)−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボランのヒドロキシル基の保護基を脱保護し、1−(4−メトキシフェニル)−2−(11−ヒドロキシキシ−n−ウンデカン−1−イル)−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボランを得た。(92.1%)
H−NMR(CDCl)δ1.10−1.42(16H,m),1.20(1H,t,J=5.4Hz),1.50−1.60(2H,m),1.6−3.1(10H,br m),1.74(2H,m),3.63(2H,td,J=5.3,6.6Hz),3.83(3H,s),6.87(2H,d,J=9.0Hz),7.52(2H,d,J=9.0Hz)
高分解能質量分析(C2040 10 11)計算値420.4031,実測値420.4062
11−{1−(4−メトキシフェニル)−1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−7−イル}−n−ウンデカン酸と同様の製造方法によって、1−(4−メトキシフェニル)−2−(11−ヒドロキシキシ−n−ウンデカン−1−イル)−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボランの酸化を行い、11−{1−(4−メトキシフェニル)−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−2−イル}−n−ウンデカン酸を得た。(13.5%,70.0%)
H−NMR(CDCl)δ1.00−1.40(14H,m),1.6−3.1(10H,br m),1.61(2H,quint,J=8.6Hz),1.74(2H,m),2.34(2H,t,J=8.6Hz),3.83(3H,s),6.86(2H,d,J=9.0Hz),7.52(2H,d,J=9.0Hz)
11−{1−(4−メトキシフェニル)−1,7−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−7−イル}−n−ウンデカン酸と同様の製造方法によって、11−{1−(4−メトキシフェニル)−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−2−イル}−n−ウンデカン酸を脱メチル化し、11−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−2−イル}−n−ウンデカン酸を得た。(74.0%)
H−NMR(CDCl)δ1.00−1.40(14H,m),1.5−3.2(10H,br m),1.62(2H,quint,J=7.5Hz),1.76(2H,m),2.37(2H,t,J=7.3Hz),6.81(2H,d,J=9.0Hz),7.48(2H,d,J=8.8Hz)
高分解能質量分析(C1936 10 11)計算値420.3668,実測値420.3655
11−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−2−イル}−n−ウンデカン酸29.8mg(0.0709mmol),n−ブチルアミン10.4mg(0.142mmol,2eq)をアセトニトリル1mlに溶かし、氷冷下、ジシクロヘキシルカルボジイミド16.1mg(0.0780mmol,1.1eq)のアセトニトリル1ml溶液を加え、室温で6時間攪拌した。アセトニトリルを減圧留去し、残渣に酢酸エチルを加えて不溶物を濾去した後、濾液を濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール=30:1)で精製し、その後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−n−ヘキサン=1:2)でもう一度精製し、N−n−ブチル−11−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−2−イル}−n−ウンデカンアミド(BE530)12.8mgを得た。(38.0%)
H−NMR(CDCl)δ0.85−1.40(18H,m),0.95(3H,t,J=7.3Hz),1.50−1.60(2H,m),1.5−3.2(10H,br m),1.80(2H,m),2.22(2H,t,J=7.3Hz),3.31(2H,dt,J=5.8,7.1Hz),5.60(1H,br s),6.86(2H,d,J=8.8Hz),7.44(2H,d,J=9.0Hz),9.50(1H,br s)
高分解能質量分析(C2345 10 11NO)計算値475.4453,実測値475.4450
11−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−2−イル}−n−ウンデカン酸79.4mg(0.189mmol),N−メチル−n−ブチルアミン32.9mg(0.378mmol,2eq)をアセトニトリル2mlに溶かし、氷冷下、ジシクロヘキシルカルボジイミド43.0mg(0.208mmol,1.1eq)のアセトニトリル2ml溶液を加え、室温で20時間攪拌した。アセトニトリルを減圧留去し、残さに酢酸エチルを加えて不溶物を濾去した後、濾液を濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール=30:1)で精製し、その後、分取薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン−n−ヘキサン=30:1)で精製してN−n−ブチル−N−メチル−11−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,2−ジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−2−イル}−n−ウンデカンアミド(BE531)24.8mgを得た。(26.8%)
H−NMR(CDCl)δ0.85−1.40(18H,m),0.94,0.97(3H,t×2,J=7.3Hz),1.50−1.65(2H,m),1.5−3.2(10H,br m),1.79(2H,m),2.35,2.36(3H,t×2,J=7.3Hz),2.98,3.02(3H,s×2),3.30,3.42(3H,t×2,J=7.5Hz),6.87,6.88(2H,d×2,J=8.9Hz),7.43(2H,d,J=8.1Hz),9.79,9.82(1H,br s×2)(アミドのcis,trans立体配座の1:1混合物)
高分解能質量分析(C2447 10 11NO)計算値489.4610,実測値489.4607
試験例
実施例で得た本発明のジカルバ−クロゾ−ドデカボラン構造を有する核内受容体調節剤の抗白血病活性試験及びエストロゲン活性試験を行った。
(1)抗白血病活性
ヒト前骨髄球性白血病細胞HL−60の増殖抑制を指標とした。継代培養しているHL−60細胞をウシ胎児血清と抗生物質を含むRPMI 1640培地に初期細胞数8×10で接種し、種々の濃度の被検化合物を加え、37℃で培養した。4日後、細胞数を計測した。被検化合物の抗白血病活性は薬物を加えない場合には未分化である細胞を被検化合物1mMを加えた場合の分化した細胞の比率を細胞の形態観察およびNBT還元能を指標としてパーセントで表に示した。表1には被検化合物のみを加えた場合の結果を示した。BR401、BR403、BR453に強い分化誘導作用が見い出され、この活性は被検化合物0.01μM濃度でも維持された。
表2は分化誘導剤である化合物Am80(4−[(5,6,7,8−tetrahydro−5,5,8,8−tetramethyl−2−naphthalenyl)carbamoyl]benzoic acid)を共存させた場合の結果であり、BR201に強い抗分化作用が見い出された。表3は自身は活性をもたずに分化誘導物質の作用を増強する化合物HX630(4−[2,3−(2,5−dimethyl−2,5−hexano)dibenzo−[b,f][1,4]thiazepin−11−yl]benzoic acid)を共存させた場合の結果であり、BR110,BR251,BR350に分化誘導活性が見い出された。
Figure 0004618894
Figure 0004618894
Figure 0004618894
表4には被検化合物が分化誘導剤である化合物Am80 1×10−9Mを共存させた場合の分化誘導作用を50%阻害する濃度をIC50値として示した。BR630およびBR635に顕著な抗分化作用が見い出される。
Figure 0004618894
(2)エストロゲン活性
エストロゲン活性は、被検化合物のエストロゲン受容体依存的な転写活性化能をルシフェラーゼ遺伝子を用いたレポータージーンアッセイにより測定した。COS−1細胞を抗生物質と5%のウシ胎児血清を含むDMEM培地にて24穴プレート(細胞濃度:5〜6×10個/穴)で37℃、5%二酸化炭素存在下に一晩培養した。翌日、フェノールレッド不含DMEM培地に換え、遺伝子導入用試薬Tfx−20(プロメガ)を用いてラットエストロゲン受容体発現プラスミドpCI−rERα、エストロゲン応答配列をルシフェラーゼ遺伝子上流に配置したレポータープラスミドEREx3−pGL−TKと、内部標準として用いるβ−ガラクトシダーゼ発現プラスミドpCMVβを細胞に導入し、2時間培養後、活性炭処理血清を含むフェノールレッド不含DMEM培地を加えた。
この培養物に、エタノールに溶解した種々の濃度の被検化合物を加え(最終エタノール濃度0.5%)、37℃、5%二酸化炭素存在下で一晩培養した。翌日、細胞を溶解し、発現したルシフェラーゼの酵素活性をケミルミノメーターで測定した。この値をβ−ガラクトシダーゼの酵素活性で標準化し、薬物を加えない場合の値と比較して、各々の濃度での活性値とした。表4にエストロゲン活性を示す。表中のエストロゲン活性は、対照化合物であるβ−エストラジオール10nMにおいて発現するルシフェラーゼ活性を100とした場合の50%の活性を与える濃度を50%活性濃度(EC50値)として示した。本試験例で示した化合物はいずれも高いエストロゲン活性を示し、特にBE100、BE120、BE121、及びBE140は対照としたβ−エストラジオールをはるかに上回る活性を示した。
Figure 0004618894
エストロゲン活性を前述と同じ試験法を用いて、被検化合物のエストロゲン受容体依存的な転写活性化能をルシフェラーゼ遺伝子を用いたレポータージーンアッセイにより測定した。本試験(表6)では、被検化合物0.1nM,1nMおよび10nMのエストロゲン活性を対照化合物であるβ−エストラジオール同容量に於いて発現するルシフェラーゼ活性を100として相対値として示し、活性の強度の比較を行った。本試験例で示した化合物は何れも高いエストロゲン活性を示し、特にBE119,BE120,BE320は対照としたβ−エストラジオールをはるかに上回る活性を示した。
Figure 0004618894
(3)抗エストロゲン活性
抗エストロゲン活性は、エストロゲン活性と同様に被検化合物のエストロゲン受容体依存的な転写活性化能をルシフェラーゼ遺伝子を用いたレポータージーンアッセイにより測定した。表7は被検化合物の抗エストロゲン活性を共存するβ−エストラジオール1nMに於いて発現するルシフェラーゼ活性を100とした場合に50%の阻害濃度をIC50値として示した。本試験例で示した化合物は何れも抗エストロゲン活性を示し、特にBE362は対照とした抗エストロゲン薬タモキシフェンに匹敵する活性を示した。
Figure 0004618894
産業上の利用可能性
上記式(I)で表される化合物又は生理学的に許容されるその塩はレチノイド作用などの生理活性を有しており、上記物質を有効成分として含む本発明の医薬は白血病の治療などに有用である。

Claims (1)

  1. 下記の一般式(I):
    Figure 0004618894
    〔式中、R1はカルボキシル基、炭素数1〜6個のアルコキシカルボニル基、アミノ基、炭素数1〜6個のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜6個のアルカノイル基、及びヒドロキシフェニル基からなる群から選ばれる1個の置換基を炭素原子上に有していてもよいジカルバ−クロゾ−ドデカボラン−イル基を示し;R2はヒドロキシル基を示し;Xは単結合を示す〕で表される化合物又は生理学的に許容されるその塩を有効成分として含むエストロゲン作用剤である医薬。
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