JP2009108036A - 新規アセチレン化合物、その製造方法、それを構成単位として含むポリマー、該化合物及び/又は該ポリマーを含む組成物、該組成物を硬化させてなる硬化物 - Google Patents

新規アセチレン化合物、その製造方法、それを構成単位として含むポリマー、該化合物及び/又は該ポリマーを含む組成物、該組成物を硬化させてなる硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性の高い縮合系高分子の原料として有用な、新規アセチレン化合物の提供。
【解決手段】下記一般式(1)で表される化合物。

円で囲ったArはアリール基又はヘテロアリール基を表し、Xは、2価の連結基を表し、R、R’、Rはそれぞれ水素原子、炭化水素基等を表す。Rは水素原子又は、ベンゼン環に置換可能な置換基を表す。Aは炭化水素基、又はヘテロ環基を表し、Qは水素原子、炭化水素基等を表す。aは0以上の整数、bは1以上の整数、mは1以上の整数、nは1以上の整数を表す。但し、n、m、bが共に1の時、Xは−(C=O)O−ではなく、nが2で、m、bが共に1の時、Xは−O−ではない。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性樹脂、液晶材料、非線形光学材料、電子材料、接着剤用材料、摺動剤用材料、写真用添加剤、ガス分離膜用材料等の機能性材料、医農薬中間体の原料として有用な、分子内にカルボン酸又はその誘導体を官能基として有する新規アセチレン化合物、その製造方法、それを構成単位として含むポリマー、該化合物及び/又は該ポリマーを含む組成物、該組成物を硬化させてなる硬化物に関する。
エチニル基を有する化合物は、熱硬化性樹脂、液晶材料、非線形光学材料等の機能性材料の原料として重要な化合物であり、特に近年では分子内に存在する炭素−炭素三重結合構造を利用した、様々な機能性材料に関する研究対象として注目されている。例えばポリイミドオリゴマーに熱硬化性と共に耐熱性及び耐酸化性を付与する材料として使用されている(例えば、米国特許第5,567,800号明細書、「ポリマー」(Polymer),1994年,第35巻,4874−4880頁、同4857−4864頁、及び「機能材料」,2000年,第20巻12号,33−40頁など)。公知例として、下記一般式(14)に示すもの(Rは水素原子基又はアルキル基、Rはアルキル基又はアリール基を表す)が報告されている(例えば、特開2002−265414号明細書)が、機能性材料に関する研究対象としての材料選択の幅が狭いという問題があった。

前記類似化合物の製造法についても、下記一般式(15)に示すカルボン酸化合物の脱離基Lと、下記一般式(16)に示すエチニル基からなる化合物の水素原子を脱離させる反応により得るものが報告されている(例えば、特開2002−265414号明細書)にすぎず、例えばRが水素原子である化合物を合成する場合はエチニル基の保護を必要とするが、脱保護反応時に目的物が加水分解して満足のいく収率で得られないことがあるという問題があった。
また、複数の炭素―炭素三重結合構造を有している構造の化合物は例がない。

本発明は、縮合系高分子に導入可能なカルボン酸又はその誘導体を官能基として有するユニットと1個以上のエチニル基を有するユニットが連結基により連結された構造を有する新規なアセチレン化合物、並びに該化合物を構成単位として有するポリマーを提供することを目的とする。また、前記化合物を安全かつ高効率で製造する方法を提供することを目的とする。更には、前記化合物、及び/又は該化合物を構成単位として有するポリマーを含む組成物、並びに該組成物を硬化してなる硬化物の提供を目的とする。
本発明者らは上記の事情に艦み鋭意研究した結果、カルボン酸又はその誘導体を官能基として有するユニットと1個以上のエチニル基を有するユニットが連結基により連結された構造を有する新規なアセチレン化合物並びにその誘導体、及び該化合物を構成単位として有するポリマーを見出し、更に、その製造方法を見出し、本発明に至ったものである。即ち、本発明の上記課題は、具体的には下記の手段により達成された。
<1> 下記一般式(1)で表される化合物である。
(一般式(1)において、円で囲ったArはアリール基又はヘテロアリール基を表し、Xは、−NR(C=O)−,−NR(C=O)O−,−NR(C=O)NR’−,−(C=O)−,−(C=O)O−,−O(C=O)O−,−(C=O)S−,−NR(C=S)−,−NR(C=S)NR’−,−O(C=S)O−, −O−,又は−S−に示される2価の連結基を表し、R、R’、Rはそれぞれ水素原子、炭化水素基、又はヘテロ環基を表す。Rは水素原子又は、ベンゼン環に置換可能な置換基を表す。Aは炭化水素基、又はヘテロ環基を表し、Qは水素原子、炭化水素基、又は1価の金属塩を形成しうる金属元素を表す。aは0以上の整数、bは1以上の整数、mは1以上の整数、nは1以上の整数を表す。但し、n、m、bが共に1の時、Xは−(C=O)O−ではなく、nが2で、m、bが共に1の時、Xは−O−ではない。
<2> 前記<1>の化合物が、下記一般式(2)で表されることを特徴とする前記<1>の化合物。
(一般式(2)中、Xは−NR(C=O)−,−NR(C=O)O−,−NR(C=O)NR’−,又は−(C=O)O−に示される2価の連結基を表す。Rは水素原子又は、ベンゼン環に置換可能な官能基を表し、R、Rは、それぞれ前記一般式(1)のR、Rと同義である。aは0以上4以下、bは1以上5以下、cは0以上3以下の整数を、mは1以上5以下の整数を、nは1以上5以下の整数を表し、c、m、nの和は6とする。但し、n、m、bが共に1の時、Xは−(C=O)O−ではない。
<3> 前記一般式(2)のmが2から5の整数であり、nが1であり、Xが−NR(C=O)−,−NR(C=O)O−,又は−NR(C=O)NR’−で示される2価の連結基であることを特徴とする前記<2>の化合物。
<4> 前記一般式(2)のmが1であり、nが2から5の整数であることを特徴とする前記<2>の化合物。
<5> 前記一般式(2)のnが2であることを特徴とする前記<4>の化合物。
<6> 前記一般式(2)のbが1であることを特徴とする前記<5>の化合物。
<7> 前記一般式(2)のmが2であることを特徴とする前記<3>の化合物。
<8> 前記一般式(2)においてbが1であり、Rにより置換されたエチニル基の置換位置が、連結基Xに対してメタ又はパラ位であることを特徴とする前記<2>の化合物。
<9> 前記一般式(2)の化合物が、下記一般式(3)で表されることを特徴とする前記<2>の化合物。


(一般式(3)中、R、R、R、Q、a、b、c、m、nは、それぞれ前記一般式(2)のR、R、R、Q、a、b、c、m、nと同義である。)。
<10> 前記一般式(2)化合物が、下記一般式(4)で表されることを特徴とする前記<2>の化合物。


(一般式(4)中、bは1以上4以下の整数を表し、R、R、Q、c、m、nは、それぞれ前記一般式(2)のR、R、Q、c、m、nと同義である。)。
<11> 前記一般式(3)において、mが2であり、nが1であることを特徴とする前記<9>の化合物。
<12> 前記一般式(4)において、mが2であり、nが1であることを特徴とする前記<10>の化合物。
<13> 前記<1>の化合物と、カルボキシル基と反応可能な官能基を持ち、且つ一つ以上のR1eにより置換されたエチニル基を有する化合物とが反応し、生成したことを特徴とする下記一般式(5)で表される化合物。


(一般式(5)中、R、R、円で囲ったAr、X、A、a、b、m、nは、一般式(1)のそれらと同義であり、d、Z、R1eは、一般式(1)のb、A、Rとそれぞれ同義であり、Yは−NR−、−O−、又は−S−を表す。Rは一般式(1)のRと同義である。)
<14> 前記一般式(5)において、mが2であり、nが1であることを特徴とする前記<13>の化合物。
<15> 少なくとも前記<1>〜前記<12>のいずれか1項に記載の化合物を構成単位として含むポリマー。
<16> 前記ポリマーにおいて、前記<1>〜前記<12>のいずれか1項に記載の化合物で構成される構成単位以外の構成単位が、ジカルボン酸化合物とテトラアミノ化合物の縮合体、ジカルボン酸化合物とビス(オルトヒドロキシアミノ)化合物の縮合体、ジカルボン酸化合物とジアミン化合物の縮合体、ジカルボン酸化合物とジオール化合物の縮合体のいずれかの構成単位を含むことを特徴とする前記<15>に記載のポリマー。
<17> 前記ポリマーが2種類以上のポリマーのブロック共重合体構造を有することを特徴とする前記<15>に記載のポリマー。
<18> 前記ポリマーにおいて、前記<1>〜前記<12>のいずれか1項に記載の化合物で構成される構成単位以外の構成単位が、ジカルボン酸化合物とテトラアミノ化合物の縮合体、ジカルボン酸化合物とビス(オルトヒドロキシアミノ)化合物の縮合体、のいずれかの構成単位からなることを特徴とする前記<15>に記載のポリマー。
<19> 下記一般式(6)に示すアミノカルボン酸エステルのアミノ基を、ハロゲノ炭酸エステルを用いて下記一般式(7)に示すカルバミン酸エステルに変換し、これと下記一般式(8)に示すアミノ基含有アセチレン化合物とを反応させることで下記一般式(9)で表されるRにより置換されたエチニル基を有するエステル化合物を合成し、これを加水分解することで、前記<9>の化合物である下記一般式(10)で表されるカルボン酸化合物を得ることを特徴とする製造方法。

(ここで、Rは、それぞれ水素原子、又は炭化水素基を表し、Xaはハロゲン原子を表す。R、R、R、Q,a、b、c、m、nは、それぞれ前記一般式(3)におけるR、R、R、Q,a、b、c、m、nと同義である。)。
<20> 前記製造方法において、中間体を取り出す事無く、一貫化して行なうことを特徴とする前記一般式(10)で表されるカルボン酸化合物を製造する前記<19>の製造方法。
<21> 前記製造方法において、m、nがそれぞれ1又は2であり、かつm+n=3であることを特徴とする前記<19>に記載の製造方法。
<22> 下記一般式(11)で表されるアミノカルボン酸誘導体と、下記一般式(12)に示したRにより置換されたエチニル基を有するアセチレン化合物を反応させることで、下記一般式(13)で表されるアミド酸化合物に変換し、さらにこれを環化させることで、前記一般式(4)で表される生成物を合成し、これら一連の工程について下記一般式(13)に示したアミド酸化合物を取り出す事無く、一貫化して行なうことを特徴とする前記<10>の化合物の製造方法。


(ここで、R、R、b、c、m、nは、それぞれ前記一般式(4)におけるR、R、b、c、m、nと同義である。)。
<23> 前記製造方法において、m、nがそれぞれ1又は2であり、かつm+n=3であることを特徴とする前記<22>に記載の製造方法。
<24> 少なくとも前記<1>〜前記<14>のいずれか1項に記載の化合物、及び/又は前記<15>〜前記<18>のいずれか1項に記載のポリマーを含む組成物。
<25> 前記<24>に記載の組成物を硬化させてなる硬化物。
本発明によれば、縮合系高分子に導入可能なカルボン酸又はその誘導体を官能基として有するユニットと1個以上のエチニル基を有するユニットが連結基により連結された構造を有する新規なアセチレン化合物、及びその誘導体を提供することができる。この化合物をポリマーの主鎖や側鎖、或いは末端に導入し、熱架橋処理を施すことにより、より高い架橋密度を与える得るポリマーを得ることができる。また、前記化合物を安全かつ高効率で製造する方法を提供することができる。更には、前記化合物、及び/又は該化合物を構成単位として有するポリマーを含む組成物、並びに該組成物を硬化してなる硬化物を提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
<アセチレン化合物についての説明>
一般式(1)の説明
円で囲ったArは、(a+b+1)価の任意に置換されてもよいアリール基又はヘテロアリール基を表し、アリール基としてはフェニル、ナフチル、フルオレニル、アントラニル等が挙げられ、ヘテロアリール基としては、ピリジル、フリル、チオフェニル、イミダゾリル、インド−リル等が挙げられる。好ましくはフェニル、ナフチル等のアリール基、さらに好ましくはフェニル基である。
Xは、−NR(C=O)−,−NR(C=O)O−,−NR(C=O)NR’−,−(C=O)−,−(C=O)O−,−O(C=O)O−,−(C=O)S−,−NR(C=S)−,−NR(C=S)NR’−,−O(C=S)O−, −O−,又は−S−に示される2価の連結基を表し、XとRが相互に連結することで環を形成していてもよいが、−(C=O)O−,−NR(C=O)−,−NR(C=O)−,−NR(C=O)NR’−のいずれか、又はXとRが相互に連結することでイミド環を形成していることが好ましく、−NR(C=O)NR’−又はXとRが相互に連結することでイミド環を形成していることがさらに好ましい。但し、n、m、bが共に1の時、Xは−(C=O)O−ではなく、nが2で、m、bが共に1の時、Xは−O−ではない。
R、R’、Rはそれぞれ水素原子、無置換又は任意に置換されていてもよい環状又は非環状の炭化水素基、又はヘテロ環基、又はアルキルシリル基を表し、無置換の炭化水素基としては炭素数1〜20のアルキル基(例えばメチル、エチル、ブチル、オクチル、ヘキサデシルなど)、炭素数1〜20の脂環式基(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニルなど)、炭素数1〜20の脂環式多環基(例えばボルニル、ノルボニル、デカリニル、アダマンチル、ジアマンチルなど)、炭素数1〜20のスピロ環(例えばスピロ[3.4]オクタン、スピロ[4.4]ノナン、スピロ[5.5]ウンデカンなど等)の基、炭素数1〜20のアリ−ル基(例えばフェニル、ナフチル、アントラニル等)などが挙げられる。任意に置換された炭化水素基としてはハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜20のアルコキシ基(例えばメトキシ、ブトキシ、ドデシルオキシ)、フェニル、ナフチル等のアリール基、ヒドロキシル基、シリル基等で置換された上記の炭化水素基が挙げられる。アルキルシリル基の例としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジイソプロピルメチルシリルなどが挙げられる。またヘテロ環としては、例えばピリジン、キノリン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、インドール等が挙げられる。中でもR、R’、Rはそれぞれ独立に水素原子、無置換、又は任意に置換されてもよい環状または非環状の炭化水素基、アルキルシリル基が好ましく、より好ましくは、無置換またはヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子)、炭素数1〜4のアルコキシ基で置換された炭素数1〜6の炭化水素基、炭素数1〜6のアルキルシリル基、もしくは水素原子である。更に好ましくは、無置換の炭素数1〜6の炭化水素基、炭素数1〜6のアルキルシリル基、または水素原子であり、特に水素原子が好ましい。
は水素原子又、ベンゼン環に置換可能な置換基であるハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、スルホニル基、アミド基、炭素数1〜20の置換アミド基、炭素数1〜20のアルコキシ基(例えばメトキシ、ブトキシ、ドデシルオキシ)、炭素数1〜20のアルキル基(例えばメチル、ブチル、オクチル、ヘキサデシル)等を表し、水素原子、ハロゲン原子、アミド基、置換又は無置換の炭化水素基、アルコキシ基が好ましく、より好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基であり、更に好ましくは、水素原子、塩素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基であり、水素原子が特に好ましい。
Aは(m+n)価の無置換又は任意に置換された炭化水素基、又はヘテロ環基を表し、無置換の炭化水素基の例としては、前記の炭化水素基の例が挙げられる。無置換のヘテロ環基としては、ヘテロ芳香環(例えばフラン、チオフェン、ピリジン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、オキサゾール、カルバゾール、インドール、クロメン、クロマン、キノリン、ジベンゾフラン、フタルイミド、チオフタルイミド、ベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアサゾールなど)の基、又はヘテロ脂環式化合物(例えばオキセタン、チエタン、オキソラン、チオラン、ピロリン、ピロリジン、ピラゾリン、イミダゾリン、オキサン、チアン、ピペリジン、ピロリドンなど)の基が挙げられる。
任意に置換しうる置換基としてはハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜20のアルコキシ基(例えばメトキシ、ブトキシ、ドデシルオキシ)、フェニル、ナフチル等のアリール基、ヒドロキシル基等により置換された炭化水素基を表す。中でもAとしては、好ましくは無置換又は任意に置換されたアリール基、脂環基、又は脂環式多環基であり、さらに好ましくは無置換または、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子)、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜6の炭化水素基で置換されたベンゼン環基であり、無置換のベンゼン環基が特に好ましい。
Qは水素原子、環状又は非環状の炭化水素基、又は1価の金属塩を形成しうる金属元素を表し、環状又は非環状の炭化水素基としては炭素数1〜20のアルキル基(例えばメチル、ブチル、オクチル、ヘキサデシル)、フェニル基、ナフチル基などがあり、1価の金属塩を形成しうる金属元素としてはリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属等があるが、好ましくは水素原子、ナトリウム、カリウム、炭素数1〜20のアルキル基(例えばメチル、ブチル、オクチル、ヘキサデシル)、さらに好ましくは水素原子、ナトリウム、メチル基である。
aは0以上の整数を表し、好ましくは0以上4以下、より好ましくは0又は1である。
bは1以上の整数を表し、好ましくは1以上5以下、より好ましくは1である。
mは1以上の整数を表し、好ましくは1以上4以下、より好ましくは1又は2である。
nは1以上の整数を表し、好ましくは1以上5以下、より好ましくは1又は2である。
a、b、nおよびmが2以上の場合、複数個存在するR、R、Qおよび大括弧内のエチニルアリール含有残基はそれぞれ互いに同じでも異なっていてもよい。
一般式(2)の説明
一般式(2)中、Xは−NR(C=O)−,−NR(C=O)O−,−NR(C=O)NR’−,又は−(C=O)O−に示される2価の連結基を表す。R及びR’は一般式(1)中と同義である。Xがエステル、アミド、ウレタン、ウレアのいずれか、又はXとRが相互に連結することでイミド環を形成しており、ウレア、又はXとRが相互に連結することでイミド環を形成していることが好ましい。Rは水素原子又、ベンゼン環を置換可能な置換基であるハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜20のアルコキシ基(例えばメトキシ、ブトキシ、ドデシルオキシ)、炭素数1〜20のアルキル基(例えばメチル、ブチル、オクチル、ヘキサデシル)等を表し、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、スルホニル基、アミド基、置換又は無置換の炭化水素基、アルコキシ基が好ましく、より好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基であり、更に好ましくは、水素原子、塩素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基であり、水素原子が特に好ましい。R、R、a、b、Qはそれぞれ一般式(1)のそれらと同義であり、好ましい範囲も同様である。
cは0以上3以下の整数を表し、好ましくは3である。 mは1以上5以下の整数を表し、好ましくは1又は2である。nは1以上5以下の整数を表し、好ましくは1又は2である。a、b、c、nおよびmが2以上の場合、複数個存在するR、R、R、Qおよび大括弧内のエチニルフェニル含有残基はそれぞれ互いに同じでも異なっていてもよい。尚、c、m、nの和は6とする。
一般式(3)の説明
、R、R、Q、a、b、c、m、nは、それぞれ一般式(2)のそれらと同義であり、好ましい範囲も同様である。a、b、c、nおよびmが2以上の場合、複数個存在するR、R、R、Qおよび大括弧内のエチニルフェニルウレア含有残基はそれぞれ互いに同じでも異なっていてもよい。
一般式(4)の説明
bは1以上4以下の整数を表し、R、R、Q、c、m、nは、それぞれ前記一般式(2)のそれらと同義であり、好ましい範囲も同様である。b、c、nおよびmが2以上の場合、複数個存在するR、R、Qおよび大括弧内のエチニルフタルイミド含有残基はそれぞれ互いに同じでも異なっていてもよい。
一般式(5)の説明
一般式(5)の化合物は、前記一般式(1)の化合物と、カルボキシル基と反応可能な官能基を持ち、且つ一つ以上のR1eにより置換されたエチニル基を有する化合物とが反応し、生成される化合物であって、R、R、円で囲ったAr、X、A、a、b、m、nは前記一般式(1)におけるそれらと同義であり、好ましい範囲も同様である。dは前記一般式(1)のbと、Zは前記一般式(1)のAと、R1eは前記一般式(1)のRとそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同様である。Yは−NR−、−O−を表す。Rは前記一般式(1)のにおけるRと同様であり、好ましい範囲も同様である。
前記カルボキシル基と反応可能な官能基を持ち、且つ一つ以上のR1eにより置換されたエチニル基を有する化合物としては、一つ以上のR1eにより置換されたエチニル基を有し、かつアミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基を有する化合物が挙げられ、更には一つ以上のR1eにより置換されたエチニル基を有るアニリン類、フェノール類、メルカプトベンゼン類、ナフトール類、アミノピリジン類、ナフチルアミン類、アミノフリル類、ヒドロキシフリル類等が挙げられる。中でも、一つ以上のR1eにより置換されたエチニル基を有るアニリン類、フェノール類、メルカプトベンゼン類が好ましい。
前記カルボキシル基と反応可能な官能基を持ち、且つ一つ以上のR1eにより置換されたエチニル基を有する化合物の具体的化合物としては、例えばアニリン類(例えば、m−エチニルアニリン、p−エチニルアニリン、o−エチニルアニリン、5―エチニル−2−メチルアニリン、3―エチニル−4−メチルアニリン、5−エチニル−3−フルオロアニリン、3−エチニル−4−フルオロアニリン、3−エチニル−4−メトキシアニリン、3−エチニル−4−エトキシアニリン、2,6−ジメチル−4−エチニルアニリン、2,3−ジエチニルアニリン、3,4−ジエチニルアニリン、3,5−ジエチニルアニリン、3,6−ジエチニルアニリン、2,4,6−トリエチニルアニリン、m−プロピニルアニリン、m−ブチニルアニリン、m−ヘキシニルアニリン、m−ドデシルエチニルアニリン、m−t−ブチルエチニルアニリン、m−シクロヘキシルエチニルアニリン、m−3−ピリジルエチニルアニリン、m−2−ピリジルエチニルアニリン、m−ナフチルエチニルアニリン、m−キノリニルエチニルアニリン、m−(3−ヒドロキシ−3−メチル―1―ブチニル)アニリン、3−(3−ヒドロキシ−3−メチル―1―ブチニル)−5−メチルアニリン、m−トリメチルシリルエチニルアニリン、m−エチニルトルイジン、p−エチニルトルイジン、o−エチニル−p−クロルアニリン、2,3−ジエチニル−5−メチルアニリン、3,4−ジエチニルトルイジン、3,5−ジエチニルトルイジン、4−クロロ−3,6−ジエチニルアニリン、m−プロピニルトルイジン、m−ブチニルトルイジン、m−ヘキシニルトルイジン、3−ドデシルエチニル−5−メトキシアニリン、3−t−ブチルエチニル−5−クロロアニリン、3−シクロヘキシルエチニル−5−クロロアニリン、m−(2−ヒドロキシプロピル−2−エチニル)トルイジン、m−トリメチルシリルエチニルトルイジン等)、
フェノール類(例えば、m−エチニルフェノール、p−エチニルフェノール、o−エチニルフェノール、5―エチニル−2−メチルフェノール、3−エチニル−5−フルオロフェノール、2,3−ジエチニルフェノール、3,4−ジエチニルフェノール、3,5−ジエチニルフェノール、3,6−ジエチニルフェノール、2,4,6−トリエチニルフェノール、m−プロピニルフェノール、m−ブチニルフェノール、m−ヘキシニルフェノール、m−ドデシルエチニルフェノール、m−t−ブチルエチニルフェノール、m−シクロヘキシルエチニルフェノール、m−3−ピリジルエチニルフェノール、m−2−ピリジルエチニルフェノール、m−ナフチルエチニルフェノール、m−キノリニルエチニルフェノール、m−(2−ヒドロキシプロピル−2−エチニル)フェノール、m−トリメチルシリルエチニルフェノール、m−エチニルクレゾール、p−エチニルクレゾール、o−エチニル−p−クロルフェノール、3−エチニル−4−メチルフェノール、3−エチニル−4−メトキシフェノール、3−エチニル−4−エトキシフェノール、3−エチニル−4−フルオロフェノール、4−エチニル−2,6−ジメチルフェノール、2,3−ジエチニル−5−メチルフェノール、3,4−ジエチニルフェノール、3,5−ジエチニルフェノール、4−クロロ−3,6−ジエチニルフェノール、m−プロピニルクレゾール、m−ブチニルクレゾール、m−ヘキシニルクレゾール、3−ドデシルエチニル−5−メトキシフェノール、3−t−ブチルエチニル−5−クロロフェノール、3−シクロヘキシルエチニル−5−クロロフェノール、m−(2−ヒドロキシプロピル−2−エチニル)クレゾール、m−トリメチルシリルエチニルクレゾール、m−(3−ヒドロキシ−3−メチル―1―ブチニル)フェノール等)、
メルカプトベンゼン類(例えば、m−エチニルメルカプトベンゼン、p−エチニルメルカプトベンゼン、o−エチニルメルカプトベンゼン、5―エチニル−2−メチルメルカプトベンゼン、3−エチニル−5−フルオロメルカプトベンゼン、2,3−ジエチニルメルカプトベンゼン、3,4−ジエチニルメルカプトベンゼン、3,5−ジエチニルメルカプトベンゼン、3,6−ジエチニルメルカプトベンゼン、2,4,6−トリエチニルメルカプトベンゼン、m−プロピニルメルカプトベンゼン、m−ブチニルメルカプトベンゼン、m−ヘキシニルメルカプトベンゼン、m−ドデシルエチニルメルカプトベンゼン、m−t−ブチルエチニルメルカプトベンゼン、m−シクロヘキシルエチニルメルカプトベンゼン、m−3−ピリジルエチニルメルカプトベンゼン、m−2−ピリジルエチニルメルカプトベンゼン、m−ナフチルエチニルメルカプトベンゼン、m−キノリニルエチニルメルカプトベンゼン、m−(2−ヒドロキシプロピル−2−エチニル)メルカプトベンゼン、m−トリメチルシリルエチニルメルカプトベンゼン、m−エチニル−p−メチルメルカプトベンゼン、o−エチニル−p−クロルメルカプトベンゼン、3−エチニル−4−メトキシメルカプトベンゼン、3−エチニル−4−フルオロメルカプトベンゼン、4−エチニル−2,6−ジメチルメルカプトベンゼン、2,3−ジエチニル−5−メチルメルカプトベンゼン、3,4−ジエチニルメルカプトベンゼン、3,5−ジエチニルメルカプトベンゼン、4−クロロ−3,6−ジエチニルメルカプトベンゼン、m−プロピニル−p−メチルメルカプトベンゼン、3−t−ブチルエチニル−5−クロロメルカプトベンゼン、3−シクロヘキシルエチニル−5−クロロメルカプトベンゼン、m−(2−ヒドロキシプロピル−2−エチニル)メルカプトベンゼンなど)などが挙げられる。
これらの中でも原料の入手性、反応性の観点から、m−エチニルアニリン、p−エチニルアニリン、o−エチニルアニリン、2,3−ジエチニルアニリン、3,4−ジエチニルアニリン、3,5−ジエチニルアニリン、3,6−ジエチニルアニリン、m−プロピニルアニリン、m−ヘキシニルアニリン、m−t−ブチルエチニルアニリン、m−シクロヘキシルエチニルアニリン、m−3−ピリジルエチニルアニリン、m−トリメチルシリルエチニルアニリン、m−エチニルトルイジン、m−(3−ヒドロキシ−3−メチル―1―ブチニル)アニリン、m−エチニルフェノール、p−エチニルフェノール、o−エチニルフェノール、2,3−ジエチニルフェノール、3,4−ジエチニルフェノール、3,5−ジエチニルフェノール、3,6−ジエチニルフェノール、m−プロピニルフェノール、m−ヘキシニルフェノール、m−t−ブチルエチニルフェノール、m−シクロヘキシルエチニルフェノール、m−3−ピリジルエチニルフェノール、m−トリメチルシリルエチニルフェノール、m−エチニルクレゾール、m−(3−ヒドロキシ−3−メチル―1―ブチニル)フェノール等が好ましく、特にm−エチニルアニリン、p−エチニルアニリン、3,4−ジエチニルアニリン、3,5−ジエチニルアニリン、m−プロピニルアニリン、m−シクロヘキシルエチニルアニリン、m−(3−ヒドロキシ−3−メチル―1―ブチニル)アニリン、m−エチニルフェノール、p−エチニルフェノール、3,4−ジエチニルフェノール、3,5−ジエチニルフェノール、m−プロピニルフェノール、m−シクロヘキシルエチニルフェノール、m−(3−ヒドロキシ−3−メチル―1―ブチニル)フェノールが好ましい。
以下に本発明のアセチレン化合物の具体例を示すが、これにより本発明が限定されるものではない。




次に本発明の一般式(5)で表される化合物の具体的な例示化合物として、一般式(1)で表される化合物と、分子内に1つ以上の置換又は無置換のエチニル基を持ち且つ−NH2、−OH、−SHのいずれかの構造を持つ化合物とを縮合させた化合物についての具体例を示すが本発明はこれらに限定されるものではない。
<アセチレン化合物から誘導させるポリマーについての説明>
本発明のアセチレン化合物を構成単位として含むポリマーとしては、下記一般式(17)で表される縮合モノマーを構成単位として含む縮合ポリマーのジカルボン酸化合物の一部として、或いは、該ポリマーの末端構成単位の一部として前記一般式(1)で表される化合物が結合したポリマーが挙げられる。
一般式(17)
ここで、R''、R'''は、それぞれアリール環に置換可能な基を表し、円で囲ったAr1、Ar2は、それぞれアリール基、ヘテロアリール基を表す。Xbは、下記一般式(18)を表す。
は、一般式(1)におけるQと同義である。a1、b1、c1、d1とa2、b2、c2、d2とはそれぞれ0〜5の整数を表す。但し全てが同時に0になることはない。n1は0以上の整数を表し、n1が0のとき、円で囲ったAr2のユニットは存在しない。c1、c2、d1、d2が2以上の場合、複数個存在するR、R'',R'''はそれぞれ互いに同じでも異なっていてもよい。
一般式(18)

ここで、R'''’は、アリール環に置換可能な基を表し、円で囲ったAr3は、アリール基、ヘテロアリール基を表す。Xcは、単結合、または−O−、−S−、−SO−、−SO−、炭素数1〜10のアルキレン、アルケニレン、−NR(C=O)−,−NR(C=O)O−,−NR(C=O)NR’−,−(C=O)−,−(C=O)O−,−O(C=O)O−,−(C=O)S−,−NR(C=S)−,−NR(C=S)NR’−,−O(C=S)O−のような2価の連結基を表す。R、R’はそれぞれ一般式(1)のそれらと同義である。c3は0〜4の整数を表す。n2は0または1を表す。c3が2以上の場合、複数個存在するR'''’は互いに同じでも異なっていてもよい。
円で囲ったAr1、円で囲ったAr2、円で囲ったAr3は、具体的には、それぞれベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、インダン環、ベンツイミダゾール環、ベンツピラゾール環、カルバゾール環、インドレニン環、キノリン環、ピリジン環、ピリミジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、フラン環、チオフェン環、ピロール環等があげられるが、原料の入手性、反応性等から、ベンゼン環、ナフタレン環等が好ましく、特にベンゼン環が好ましい。
Xcは、原料の入手性、反応性等から、単結合、または−O−、−S−、−SO2−、炭素数1〜6のアルキレン、アルケニレン、−NR(C=O)−、−NR(C=O)O−、−NR(C=O)NR’−、−(C=O)−、−(C=O)O−、−O(C=O)O−が好ましく、単結合、または−O−、炭素数1〜6のアルキレン、−NR(C=O)−、−NR(C=O)O−、−NR(C=O)NR’−、−(C=O)−がより好ましく、単結合、−O−またはプロピレンが特に好ましい。
R''、R'''、R'''’の例としては、それぞれ ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、Ν−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−リールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイト基、N’,N’−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N’−アリール−Ν−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基、アリールカルボニルオキシ基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ジアルキルホスフォノ基、ジアリールホスフォノ基、アルキルアリールホスフォノ基、モノアルキルホスフォノ基、モノアリールホスフォノ基、ジアルキルホスフォノオキシ基、ジアリールホスフォノオキシ基、アルキルアリールホスフォノオキシ基、モノアルキルホスフォノオキシ基、モノアリールホスフォノオキシ基、モルホルノ基、シアノ基、ニトロ基が挙げられる。
これらの置換基における、アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロペンチル基等が挙げられる。アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、フェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基等を挙げることができる。また、アルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基等が挙げられる。アシル基(G1CO−)におけるG1としては、水素、ならびに上記のアルキル基、アリール基を挙げることができる。
これら置換基のうち、好ましいものとしてはハロゲン原子(−F、−Br、−Cl)、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカバモイルオキシ基、アシルアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基、アリールカルボニルオキシ基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、シアノ基が挙げられる。
これら置換基のうち、より好ましいものとしてはハロゲン原子(−F、−Cl)、アルキル基(メチル基、トリフロロメチル基、エチル基、トリフロロエチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基)、アリール基(フェニル基、トリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基)、アリーロキシ基(フェノキシ基)、アシルオキシ基(アセトキシ基、プロピオニルオキシ基)、アセチル基、アセトキシ基、ベンゾイル基、ベンゾイルオキシ基、アシルアミノ基(アセチルアミノ基)が挙げられる。
c1、c2、c3は、それぞれ0〜2が好ましく、より好ましくは0または1であり、特に好ましくは0である。
R、R’はそれぞれ水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、フェニル基がより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、クロロメチル基、フロロメチル基がさらに好ましい。
本発明のアセチレン化合物から誘導されるポリマーとしては、ジカルボン酸化合物とテトラアミノ化合物の縮合体、ジカルボン酸化合物とビス(オルトヒドロキシアミノ)化合物の縮合体、ジカルボン酸化合物とジアミン化合物の縮合体、ジカルボン酸化合物とジオール化合物の縮合体、テトラカルボン酸二無水物とジカルボン酸化合物とジアミン化合物の縮合体のいすれかからなる縮合ポリマーの主鎖又は末端に、ジカルボン酸化合物、或いはモノカルボン酸化合物の一部として一般式(1)で表される化合物、好ましくは一般式(2)で表される化合物を含むポリマーがあげられる。 一般式(2)以外の前記ジカルボン酸化合物としては、一般式(17)において、a1、b1、a2、b2が0であり、d1とd2とが1であるジカルボン酸化合物、或いは置換又は無置換の (ヘテロ)アリ−ルジカルボン酸化合物、脂肪族ジカルボン酸が挙げられ、実験化学講座(丸善)、新高分子実験学(共立出版)等に記載のジカルボン酸化合物誘導体も挙げられる。
中でも円で囲ったAr1、円で囲ったAr2、円で囲ったAr3が、それぞれベンゼン環、ナフタレン環であり、R''、R'''、R'''’が、それぞれハロゲン原子(−F、−Cl)、アルキル基(メチル基、トリフロロメチル基、エチル基、トリフロロエチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基)、アリール基(フェニル基、トリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基)、アリーロキシ基(フェノキシ基)、アシルオキシ基(アセトキシ基、プロピオニルオキシ基)、アセチル基、ベンゾイル基、ベンゾイルオキシ基、アシルアミノ基(アセチルアミノ基)であり、Xcが、単結合、または−O−、−S−、−SO2−、炭素数1〜10のアルキレン、−NR(C=O)−、−NR(C=O)O−、−NR(C=O)NR’−、−(C=O)−、−(C=O)O−であり、R、R’がそれぞれ水素原子、メチル基であり、c1、c2、c3が、それぞれ0〜2であり、n1とn2がそれぞれ0または1である前記一般式(17)で表される化合物、或いは炭素数1〜10の置換又は無置換の (ヘテロ)アリ−ルジカルボン酸化合物(ここでの置換基は上記R''と同様である。)、炭素数1〜10の置換又は無置換の脂肪族ジカルボン酸(ここでの置換基は上記R”と同様である。)が好ましく、円で囲ったAr1、Ar2が、それぞれベンゼン環であり、R''、R'''が、それぞれハロゲン原子(−F、−Cl)、アルキル基(メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基)、アリーロキシ基(フェノキシ基)、アセトキシ基、アセチル基、ベンゾイルオキシ基であり、Xcが、単結合、または−O−、−S−、−SO2−、炭素数1〜6のアルキレン、−NR(C=O)−、−NR(C=O)O−、−(C=O)−、−(C=O)O−であり、R、がそれぞれ水素原子、メチル基であり、c1、c2が、それぞれ0または1であり、n1が0または1であり、n2が0である前記一般式(17)で表される化合物、或いは炭素数1〜10の置換又は無置換のアリ−ルジカルボン酸化合物(ここでの置換基は上記R''と同様である。)、炭素数1〜6の置換又は無置換の脂肪族ジカルボン酸(ここでの置換基は上記R''と同様である。)がより好ましく、特に好ましくは、円で囲ったAr1、Ar2が、それぞれベンゼン環であり、Xcが、単結合、または−O−、−SO2−、炭素数1〜4のアルキレン、−NR(C=O)−、−NR(C=O)O−、−(C=O)−であり、R、がそれぞれ水素原子、メチル基であり、c1、c2が、それぞれ0または1であり、n1が0または1であり、n2が0である前記一般式(17)で表されるジカルボン酸誘導体化合物、或いは置換又は無置換の フタル酸化合物(ここでの置換基は上記R''と同様である。)である。
一般式(2)以外の前記ジカルボン酸化合物の具体例としては、例えば、4,4’−ジカルボキシビフェニル、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパン、ビス(4−カルボキシフェニル)スルホン、4,4’−ジカルボキシベンゾフェノン、4,4’−ジカルボキシビフェニルエーテル、3,3’−ジカルボキシビフェニル、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)プロパン、ビス(3−カルボキシフェニル)スルホン、3,3’−ジカルボキシベンゾフェノン、4,4’−ジカルボキシ−3,3’−ジメチルビフェニルエーテル、4,4’−ジカルボキシ−3,3’−ジメチルビフェニル、2,2−ビス(4−カルボキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−カルボキシ−3−メチルフェニル)スルホン、4,4’−ジカルボキシ−3,3’−ジメチルベンゾフェノン、4,4’−ジカルボキシ−3,3’−ジクロルビフェニル、2,2−ビス(4−カルボキシ−3−クロルフェニル)プロパン、ビス(4−カルボキシ−3−クロルフェニル)スルホン、4,4’−ジカルボキシ−3,3’−ジクロルベンゾフェノン、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、4−メチルフタル酸、4−メチルイソフタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸などが挙げられるが、これに限定されるものではない。また、これらジカルボン酸化合物の低級アルコールのエステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、2ーヒドロキシエチルエステルなど)であってもよい。
前記テトラアミノ化合物としては、一般式(17)において、b1、d1、b2、d2が0であり、a1とa2とが2である化合物、或いは置換又は無置換の (ヘテロ)アリ−ルテトラアミノ化合物が挙げられ、実験化学講座(丸善)、新高分子実験学(共立出版)等に記載のテトラアミノ化合物誘導体も挙げられる。
中でも円で囲ったAr1、Ar2、Ar3が、それぞれベンゼン環、ナフタレン環であり、R''、R'''、R'''’が、それぞれハロゲン原子(−F、−Cl)、アルキル基(メチル基、トリフロロメチル基、エチル基、トリフロロエチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基)、アリール基(フェニル基、トリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基)、アリーロキシ基(フェノキシ基)、アシルオキシ基(アセトキシ基、プロピオニルオキシ基)、アセチル基、ベンゾイル基、ベンゾイルオキシ基、アシルアミノ基(アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基)であり、Xcが、単結合、または−O−、−S−、−SO2−、炭素数1〜10のアルキレン、−NR(C=O)−、−NR(C=O)O−、−NR(C=O)NR’−、−(C=O)−、−(C=O)O−であり、R、R’がそれぞれ水素原子、メチル基であり、c1、c2、c3が、それぞれ0〜2であり、n1とn2がそれぞれ0または1である前記一般式(14)で表されるテトラアミノ化合物、或いは炭素数1〜10の置換又は無置換の (ヘテロ)アリ−ルテトラアミノ化合物(ここでの置換基は上記R”と同様である。)が好ましく、円で囲ったAr1、Ar2が、それぞれベンゼン環であり、R''、R'''が、それぞれハロゲン原子(−F、−Cl)、アルキル基(メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基)、アリーロキシ基(フェノキシ基)、アセトキシ基、アセチル基、ベンゾイルオキシ基、アシルアミノ基(アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基)であり、Xcが、単結合、または−O−、−S−、−SO2−、炭素数1〜6のアルキレン、−NR(C=O)−、−NR(C=O)O−、−(C=O)−、−(C=O)O−であり、R、がそれぞれ水素原子、メチル基であり、c1、c2が、それぞれ0または1であり、n1が0または1であり、n2が0である前記一般式(17)で表されるテトラアミノ化合物、或いは炭素数1〜10の置換又は無置換のアリ−ルテトラアミノ化合物(ここでの置換基は上記R''と同様である。)がより好ましく、特に好ましくは、円で囲ったAr1、Ar2が、それぞれベンゼン環であり、Xcが、単結合、または−O−、−SO2−、炭素数1〜4のアルキレン、−NR(C=O)−、−NR(C=O)O−、−(C=O)−であり、R、がそれぞれ水素原子、メチル基であり、c1、c2が、それぞれ0または1であり、n1が0または1であり、n2が0である前記一般式(17)で表されるテトラアミノ化合物、或いは炭素数1〜10の置換又は無置換の テトラアミノベンゼン化合物(ここでの置換基は上記R''と同様である。)である。
前記テトラアミノ化合物の具体例としては、例えば、3,3’ ,4,4’−テトラアミノビフェニル、2,2−ビス(3,4−ジアミノフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、3,3’ ,4,4’−テトラアミノベンゾフェノン、3,3’ ,4,4’−テトラアミノビフェニルエーテル、3,3’ ,4,4’−テトラアミノ−5,5’−ジメチルビフェニルエーテル、3,3’ ,4,4’−テトラアミノ−5,5’−ジメチルビフェニル、2,2−ビス(3,4−ジアミノ−5−メチルフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジアミノ−5−メチルフェニル)スルホン、3,3’ ,4,4’−テトラアミノ−5,5’−ジメチルベンゾフェノン、3,3’ ,4,4’−テトラアミノ−5,5’−ジクロルビフェニル、2,2−ビス(3,4−ジアミノ−5−クロルフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジアミノ−5−クロルフェニル)スルホン、3,3’ ,4,4’−テトラアミノ−5,5’−ジクロルベンゾフェノン、1,2 ,4,5−テトラアミノベンゼンなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
前記ビス(オルトヒドロキシアミノ)化合物としては、一般式(17)において、d1、d2が0であり、a1、a2、b1、b2とが1である前記一般式(17)で表される化合物、或いは置換又は無置換の (ヘテロ)アリ−ルビス(オルトヒドロキシアミノ)化合物が挙げられ、実験化学講座(丸善)、新高分子実験学(共立出版)等に記載のビス(オルトヒドロキシアミノ)化合物誘導体も挙げられる。
中でも円で囲ったAr1、Ar2、Ar3が、それぞれベンゼン環、ナフタレン環であり、R''、R'''、R'''’が、それぞれハロゲン原子(−F、−Cl)、アルキル基(メチル基、トリフロロメチル基、エチル基、トリフロロエチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基)、アリール基(フェニル基、トリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基)、アリーロキシ基(フェノキシ基)、アシルオキシ基(アセトキシ基、プロピオニルオキシ基)、アセチル基、ベンゾイル基、ベンゾイルオキシ基、アシルアミノ基(アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基)であり、Xcが、単結合、または−O−、−S−、−SO2−、炭素数1〜10のアルキレン、−NR(C=O)−、−NR(C=O)O−、−NR(C=O)NR’−、−(C=O)−、−(C=O)O−であり、R、R’がそれぞれ水素原子、メチル基であり、c1、c2、c3が、それぞれ0〜2であり、n1とn2がそれぞれ0または1である前記一般式(17)で表されるビス(オルトヒドロキシアミノ)化合物、或いは炭素数1〜10の置換又は無置換のアリ−ルビス(オルトヒドロキシアミノ)化合物(ここでの置換基は上記R''と同様である。)が好ましく、円で囲ったAr1、Ar2が、それぞれベンゼン環であり、R''、R'''が、それぞれハロゲン原子(−F、−Cl)、アルキル基(メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基)、アリーロキシ基(フェノキシ基)、アセトキシ基、アセチル基、ベンゾイルオキシ基、アシルアミノ基(アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基)であり、Xcが、単結合、または−O−、−S−、−SO2−、炭素数1〜6のアルキレン、−NR(C=O)−、−NR(C=O)O−、−(C=O)−、−(C=O)O−であり、R、がそれぞれ水素原子、メチル基であり、c1、c2が、それぞれ0または1であり、n1が0または1であり、n2が0である前記一般式(17)で表されるビス(オルトヒドロキシアミノ)化合物、或いは炭素数1〜10の置換又は無置換のビス(オルトヒドロキシアミノ)ベンゼン化合物(ここでの置換基は上記R''と同様である。)がより好ましく、特に好ましくは、円で囲ったAr1、Ar2が、それぞれベンゼン環であり、Xcが、単結合、または−O−、−SO2−、炭素数1〜4のアルキレン、−NR(C=O)−、−NR(C=O)O−、−(C=O)−であり、R、がそれぞれ水素原子、メチル基であり、c1、c2が、それぞれ0または1であり、n1が0または1であり、n2が0である前記一般式(17)で表されるビス(オルトヒドロキシアミノ)化合物、或いは炭素数1〜10の置換又は無置換のビス(オルトヒドロキシアミノ)ベンゼン化合物(ここでの置換基は上記R''と同様である。)である。
前記ビス(オルトヒドロキシアミノ)化合物の具体例としては、例えば、3,3’−ジアミノ−,4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、3,3’−ジアミノ−,4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−,4,4’−ジヒドロキシビフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−,4,4’−ジヒドロキシ−5,5’−ジメチルビフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−,4,4’−ジヒドロキシ−5,5’−ジメチルビフェニル、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)スルホン、3,3’−ジアミノ−,4,4’−ジヒドロキシ−5,5’−ジメチルベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−,4,4’−ジヒドロキシ−5,5’−ジクロルビフェニル、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−クロルフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−クロルフェニル)スルホン、3,3’−ジアミノ−,4,4’−ジヒドロキシ−5,5’−ジクロルベンゾフェノン、1,4−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシベンゼンなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
前記ジアミン化合物としては、一般式(17)において、b1、d1、b2、d2が0であり、a1とa2とが1である化合物、或いは置換又は無置換のジアミノ(ヘテロ)アリ−ル化合物、脂肪族ジアミン化合物が挙げられ、実験化学講座(丸善)、新高分子実験学(共立出版)等に記載のジアミン化合物誘導体も挙げられる。
中でも円で囲ったAr1、Ar2、Ar3が、それぞれベンゼン環、ナフタレン環であり、R''、R'''、R'''’が、それぞれハロゲン原子(−F、−Cl)、アルキル基(メチル基、トリフロロメチル基、エチル基、トリフロロエチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基)、アリール基(フェニル基、トリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基)、アリーロキシ基(フェノキシ基)、アシルオキシ基(アセトキシ基、プロピオニルオキシ基)、アセチル基、ベンゾイル基、ベンゾイルオキシ基、アシルアミノ基(アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基)であり、Xcが、単結合、または−O−、−S−、−SO2−、炭素数1〜10のアルキレン、−NR(C=O)−、−NR(C=O)O−、−NR(C=O)NR’−、−(C=O)−、−(C=O)O−であり、R、R’がそれぞれ水素原子、メチル基であり、c1、c2、c3が、それぞれ0〜2であり、n1とn2がそれぞれ0または1である化合物、又は、炭素数1〜10の置換又は無置換のジアミノ(ヘテロ)アリ−ル化合物(ここでの置換基は上記R''と同様である。)、炭素数1〜12の脂肪族ジアミン化合物が好ましく、円で囲ったAr1、Ar2が、それぞれベンゼン環であり、R''、R'''が、それぞれハロゲン原子(−F、−Cl)、アルキル基(メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基)、アリーロキシ基(フェノキシ基)、アセトキシ基、アセチル基、ベンゾイルオキシ基、アシルアミノ基(アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基)であり、Xcが、単結合、または−O−、−S−、−SO2−、炭素数1〜6のアルキレン、−NR(C=O)−、−NR(C=O)O−、−(C=O)−、−(C=O)O−であり、R、がそれぞれ水素原子、メチル基であり、c1、c2が、それぞれ0または1であり、n1が0または1であり、n2が0である化合物、又は、炭素数1〜6の置換又は無置換のジアミノ(ヘテロ)アリ−ル化合物(ここでの置換基は上記R''と同様である。)炭素数1〜8の脂肪族ジアミン化合物がより好ましく、特に好ましくは、円で囲ったAr1、Ar2が、それぞれベンゼン環であり、Xcが、単結合、または−O−、−SO2−、炭素数1〜4のアルキレン、−NR(C=O)−、−NR(C=O)O−、−(C=O)−であり、R、がそれぞれ水素原子、メチル基であり、c1、c2が、それぞれ0または1であり、n1が0または1であり、n2が0であるジアミン化合物誘導体、又は、置換又は無置換のジアミノベンゼン(ここでの置換基は上記R''と同様である。)炭素数1〜6の脂肪族ジアミン化合物である。
前記ジアミン化合物の具体例としては、特に限定されないが、具体的には例えば以下のジアミン化合物が挙げられる。p − フェニレンジアミン、m − フェニレンジアミン、o − フェニレンジアミン、1,4−ジアミノ−2−メチルベンゼン、1,3−ジアミノ−4−メチル−ベンゼン、1,3−ジアミノ−4−クロル−ベンゼン、1,3−ジアミノ−4−アセチルアミノ−ベンゼン、1,3−ビスアミノエチル−ベンゼン、ヘキサメチレンジアミン、3,3’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジクロルビフェニル、2 , 2 ´ − ジフルオロ− 4 , 4 ´ − ジアミノビフェニル、3 , 3 ´ − ジフルオロ− 4 , 4 ´ − ジアミノビフェニル、2 , 2 ´ −ジフルオロ− 5 , 5 ´ − ジアミノビフェニル、3 , 3 ´ − ジフルオロ− 5 , 5 ´ − ジアミノビフェニル、2 , 2 ´ − ジクロロ− 4 , 4 ´ − ジアミノビフェニル、3 , 3 ´ − ジクロロ− 4 , 4 ´ − ジアミノビフェニル、2 , 2 ´ − ジクロロ− 5 , 5 ´ − ジアミノビフェニル、3 , 3 ´ − ジクロロ− 5 , 5 ´ − ジアミノビフェニル、2 , 2 ´ − ジブロモ− 4 , 4´ − ジアミノビフェニル、3 , 3 ´ − ジブロモ− 4 , 4 ´ − ジアミノビフェニル、2 , 2´ − ジブロモ− 5 , 5 ´ − ジアミノビフェニル、3 , 3 ´ − ジブロモ− 5 , 5 ´ − ジアミノビフェニル、2 , 2 ´ − ビス( トリフルオロメチル) − 4 , 4 ´ − ジアミンビフェニル、3 , 3 ´ − ビス( トリフルオロメチル) − 4 , 4 ´ − ジアミノビフェニル、2 , 2 ´ −ビス( トリフルオロメチル) − 5 , 5 ´ − ジアミノビフェニル、3 , 3 ´ − ビス( トリフルオロメチル) − 5 , 5 ´ − ジアミノビフェニル、2 , 2 ´ − ビス( トリクロロメチル)− 4 , 4 ´ − ジアミンビフェニル、3 , 3 ´ − ビス( トリクロロメチル) − 4 , 4 ´ − ジ
アミノビフェニル、2 , 2 ´ − ビス( トリクロロメチル) − 5 , 5 ´ − ジアミノビフェニル、3 , 3 ´ − ビス( トリクロロメチル) − 5 , 5 ´ − ジアミノビフェニル、2 , 2 ´ −ビス( トリブロモメチル) − 4 , 4 ´ − ジアミンビフェニル、3 , 3 ´ − ビス( トリブロモメチル) − 4 , 4 ´ − ジアミノビフェニル、2 , 2 ´ − ビス( トリブロモメチル) − 5, 5 ´ − ジアミノビフェニル、3 , 3 ´ − ビス( トリブロモメチル) − 5 , 5 ´ − ジアミノビフェニル、3 , 3 ’ − ジアミノジフェニルエーテル、3 ,4 ’ − ジアミノジフェニルエーテル、4 , 4 ’ − ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルビフェニルエーテル、
3 , 3 ’− ジアミノジフェニルスルフィド、3 , 4 ’ − ジアミノジフェニルスルフィド、4 , 4 ’− ジアミノジフェニルスルフィド、3 , 3 ’ − ジアミノジフェニルスルホン、3 , 4 ’ −ジアミノジフェニルスルホン、4 , 4 ’ − ジアミノジフェニルスルホン、ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−クロルフェニル)スルホン、ビス( 4 − アミノフェニル) スルホン、ビス( 3 − アミノフェニル) スルホン、ビス( 5 − フルオロ− 4 − アミノフェニル) スルホン、ビス( 5 − フルオロ− 3 −アミノフェニル) スルホン、ビス( 5 − クロロ− 4 − アミノフェニル) スルホン、ビス(5 − クロロ− 3 − アミノフェニル) スルホン、ビス( 5 − ブロモ− 4 − アミノフェニル)スルホン、ビス( 5 − ブルモ− 3 − アミノフェニル) スルホン、ビス( 5 − トリフルオロメチル− 4 − アミノフェニル) スルホン、ビス( 5 − トリフルオロメチル− 3 − アミノフェニル) スルホン、ビス( 5 − トリクロロメチル− 4 − アミノフェニル) スルホン、ビス( 5 − トリクロロメチル− 3 − アミノフェニル) スルホン、ビス( 5 − トリブルモメチル− 4 − アミノフェニル) スルホン、ビス( 5 − トリブロモメチル− 3 − アミノフェニル)スルホン、3 , 3 ’ − ジアミノベンゾフェノン、4 , 4 ’ − ジアミノベンゾフェノン、3 , 4 ’ − ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジクロルベンゾフェノン、3 , 3 ’ − ジアミノジフェニルメタン、4 , 4 ’ − ジアミノジフェニルメタン、3 , 4 ’ − ジアミノジフェニルメタン、2 , 2 − ジ( 3 − アミノフェニル) プロパン、2, 2 − ジ( 4 − アミノフェニル) プロパン、2 − ( 3 − アミノフェニル) − 2 − ( 4 − アミノフェニル) プロパン、2 , 2 − ジ( 3 − アミノフェニル) − 1 , 1 , 1 , 3 , 3 , 3− ヘキサフルオロプロパン、2 , 2 − ジ( 4 − アミノフェニル) − 1 , 1 , 1 , 3 , 3 ,3 − ヘキサフルオロプロパン、2 − ( 3 − アミノフェニル) − 2 − ( 4 − アミノフェニル) − 1 , 1 , 1 , 3 , 3 , 3 − ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−クロルフェニル)プロパン、
1 , 1 − ジ( 3 − アミノフェニル) − 1 − フェニルエタン、1 , 1 − ジ( 4 − アミノフェニル) − 1 − フェニルエタン、1 − ( 3 − アミノフェニル) − 1 − ( 4 − アミノフェニル) − 1 − フェニルエタン、1 , 3 − ビス( 3 −アミノフェノキシ) ベンゼン、1 , 3 − ビス( 4 − アミノフェノキシ) ベンゼン、1 , 4− ビス( 3 − アミノフェノキシ) ベンゼン、1 , 4 − ビス( 4 − アミノフェノキシ) ベン
ゼン、1 , 3 − ビス( 3 − アミノベンゾイル) ベンゼン、1 , 3 − ビス( 4 − アミノベンゾイル) ベンゼン、1 , 4 − ビス( 3 − アミノベンゾイル) ベンゼン、1 , 4 − ビス( 4− アミノベンゾイル) ベンゼン、1 , 3 − ビス( 3 − アミノ− α , α − ジメチルベンジル) ベンゼン、1 , 3 − ビス( 4 − アミノ− α , α − ジメチルベンジル) ベンゼン、1 , 4− ビス( 3 − アミノ− α , α − ジメチルベンジル) ベンゼン、1 , 4 − ビス( 4 − アミノ− α , α − ジメチルベンジル) ベンゼン、1 , 3 − ビス( 3 − アミノ− α , α − ジトリフルオロメチルベンジル) ベンゼン、1 , 3 − ビス( 4 − アミノ− α , α − ジトリフルオロメチルベンジル) ベンゼン、1 , 4 − ビス( 3 − アミノ− α , α − ジトリフルオロメチルベンジル) ベンゼン、1 , 4 − ビス( 4 − アミノ− α , α − ジトリフルオロメチルベンジル) ベンゼン、2 , 6 − ビス( 3 − アミノフェノキシ) ベンゾニトリル、2 , 6 − ビス(3 − アミノフェノキシ) ピリジン、
4 , 4 ’ − ビス( 3 − アミノフェノキシ) ビフェニル、4 , 4 ’ − ビス( 4 − アミノフェノキシ) ビフェニル、ビス[ 4 − ( 3 − アミノフェノキシ) フェニル] ケトン、ビス[ 4 − ( 4 − アミノフェノキシ) フェニル] ケトン、ビス[ 4 − ( 3 − アミノフェノキシ) フェニル] スルフィド、ビス[ 4 − ( 4 − アミノフェノキシ) フェニル] スルフィド、ビス〔4 − ( 4 − アミノフェノキシ) フェニル〕スルホン、ビス〔4 − ( 3 −アミノフェノキシ) フェニル〕スルホン、ビス〔4 − ( 5 − フルオロ− 4 − アミノフェノキシ) フェニル〕スルホン、ビス〔4 − ( 5 − フルオロ− 3 − アミノフェノキシ) フェニル〕スルホン、ビス〔4 − ( 5 − クロロ− 4 − アミノフェノキシ) フェニル〕スルホン、ビス〔4 − ( 5 − クロロ− 3 − アミノフェノキシ) フェニル〕スルホン、ビス〔4 − ( 5− ブロモ− 4 − アミノフェノキシ) フェニル〕スルホン、ビス〔4 − ( 5 − ブロモ− 3 −アミノフェノキシ) フェニル〕スルホン、ビス〔4 − ( 5 − トリフルオロメチル− 4 − アミノフェノキシ) フェニル〕スルホン、ビス〔4 − ( 5 − トリフルオロメチル− 3 − アミノフェノキシ) フェニル〕スルホン、ビス〔4 − ( 5 − トリクロロメチル− 4 − アミノフェノキシ) フェニル〕スルホン、ビス〔4 − ( 5 − トリクロロメチル− 3 − アミノフェノキシ) フェニル〕スルホン、ビス〔4 − ( 5 − トリブロモメチル− 4 − アミノフェノキシ) フェニル〕スルホン、ビス〔4 − ( 5 − トリブロモメチル− 3 − アミノフェノキシ) フェニル〕スルホン、ビス[ 4 − ( 3 − アミノフェノキシ) フェニル] エーテル、ビス[ 4 − ( 4 − アミノフェノキシ) フェニル]エーテル、ビス〔4 − ( 4 − アミノフェノキシ) フェニル〕メタン、2 , 2 − ビス[ 4 − ( 3 − アミノフェノキシ) フェニル] プロパン、2 , 2 −ビス[ 4 − ( 4 − アミノフェノキシ) フェニル] プロパン、2 , 2 − ビス[ 3 − ( 3 − アミノフェノキシ) フェニル] − 1 , 1 , 1 , 3 , 3 , 3 − ヘキサフルオロプロパン、2 ,2 − ビス[ 4 − ( 4 − アミノフェノキシ) フェニル] − 1 , 1 , 1 , 3 , 3 , 3 − ヘキサフルオロプロパン、
1 , 3 − ビス[ 4 − ( 3 − アミノフェノキシ)ベンゾイル] ベンゼン、1 , 3 − ビス[ 4 − ( 4 − アミノフェノキシ) ベンゾイル] ベンゼン、1 , 4 − ビス[ 4 − ( 3 − アミノフェノキシ) ベンゾイル] ベンゼン、1 , 4 − ビス[ 4 − ( 4 − アミノフェノキシ) ベンゾイル] ベンゼン、1 , 3 − ビス[ 4 − ( 3 − アミノフェノキシ) − α , α − ジメチルベンジル] ベンゼン、1 , 3 − ビス[ 4 − ( 4 − アミノフェノキシ) − α , α − ジメチルベンジル] ベンゼン、1 , 4 − ビス[ 4 − ( 3 − アミノフェノキシ) − α , α − ジメチルベンジル] ベンゼン、1 , 4 − ビス[ 4 − ( 4 − アミノフェノキシ) − α , α − ジメチルベンジル] ベンゼン、
4 , 4 ’ − ビス[ 4 − ( 4 − アミノフェノキシ) ベンゾイル] ジフェニルエーテル、4 , 4 ’ − ビス[ 4 − ( 4 − アミノーα , α ージメチルベンジル) フェノキシ] ベンゾフェノン、4 , 4 ’ − ビス[ 4 − ( 4 − アミノーα ,α ージメチルベンジル) フェノキシ] ジフェニルスルホン、4 , 4 ’ − ビス[ 4 − ( 4 −アミノフェノキシ) フェノキシ] ジフェニルスルホン、3 , 3 ’ − ジアミノ− 4 , 4 ’ − ジフェノキシベンゾフェノン、3 , 3 ’ − ジアミノ− 4 , 4 ’ − ジビフェノキシベンゾフェノン、3 , 3’ − ジアミノ− 4 − フェノキシベンゾフェノン、3 , 3 ’ − ジアミノ− 4 − ビフェノキシベンゾフェノン、
6 , 6 ’ − ビス( 3 − アミノフェノキシ)3 , 3 , 3 , ’ 3 , ’ − テトラメチル− 1 , 1 ’ − スピロビインダン、6 , 6 ’ − ビス(4 − アミノフェノキシ) 3 , 3 , 3 , ’ 3 , ’ − テトラメチル− 1 , 1 ’ − スピロビインダン、1 , 3 − ビス( 3 − アミノプロピル) テトラメチルジシロキサン、1 , 3 − ビス( 4 − アミノブチル) テトラメチルジシロキサン、α , ω − ビス( 3 − アミノプロピル) ポリジメチルシロキサン、α , ω − ビス( 3 − アミノブチル) ポリジメチルシロキサン、ジアミノポリシロキサンなどが挙げられる。
上記例示したジアミン化合物は、適宜単独で、又は混合して使用することができる。また、ジアミン化合物は、上記ジアミン化合物の芳香環上の水素原子の一部若しくは
全てをフッ素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、及びトリフルオロメ
トキシ基から選ばれた置換基で置換したジアミンであってもよい。また、分岐を導入する
目的で、ジアミン化合物の一部をトリアミン類、テトラアミン類と代えてもよい。このよ
うなトリアミン類の具体例としては、例えばパラローズアニリン等が挙げられる。
本発明のポリマーに使用可能なテトラカルボン酸二無水物としては、特に限定されないが、具体的には例えば、以下のものが挙げられる。ピロメリット酸二無水物、3 − フルオロピロメリット酸二無水物、3 − クロロピロメリット酸二無水物、3− ブロモピロメリット酸二無水物、3 − トリフルオロメチルピロメリット酸二無水物、3− トリクロロメチルピロメリット酸二無水物、3 − トリブロモメチルピロメリット酸二無水物、3 , 6 − ジフルオロピロメリット酸二無水物、3 , 6 − ジクロロピロメリット酸二無水物、3 , 6 − ジブロモピロメリット酸二無水物、3 , 6 − ビストリフルオロメチルピロメリット酸二無水物、3 , 6 − ビストリクロロメチルピロメリット酸二無水物、3 , 6− ビストリブロモメチルピロメリット酸二無水物、2 , 2 ’ , 3 , 3 ’ − ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3 , 3 ’ , 4 , 4 ’ − ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2 , 2 ’, 3 , 3 ’ − ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3 , 3 ’ , 4 , 4 ’ − ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス( 2 , 3 − ジカルボキシフェニル) エーテル二無水物、ビス( 3 , 4 − ジカルボキシフェニル) エーテル二無水物、ビス( 2 , 3 − ジカルボキシフェニル) スルフィド二無水物、ビス( 3 , 4 − ジカルボキシフェニル) スルフィド二無水物、ビス( 2 , 3 − ジカルボキシフェニル) スルホン二無水物、ビス( 3 , 4 − ジカルボキシフェニル) スルホン二無水物、2 , 2 − ビス( 2 , 3 − ジカルボキシフェニル) プロパン二無水物、2 , 2 − ビス(3 , 4 − ジカルボキシフェニル) プロパン二無水物、2 , 2 − ビス( 2 , 3 − ジカルボキシフェニル) − 1 , 1 , 1 , 3 , 3 , 3 −ヘキサフルオロプロパン二無水物、2 , 2 − ビス( 3 , 4 − ジカルボキシフェニル) − 1 , 1 , 1 , 3 , 3 , 3 − ヘキサフルオロプロパン二無水物、1 , 3 − ビス( 3 , 4 − ジカルボキシフェノキシ) ベンゼン二無水物、1 , 3 − ビス( 2 , 3 − ジカルボキシフェノキシ) ベンゼン二無水物、1 , 4 − ビス( 2 , 3 − ジカルボキシフェノキシ) ベンゼン二無水物、1 , 4 − ビス( 3 , 4 − ジカルボキシフェノキシ) ベンゼン二無水物、4 , 4 ’ − ビス( 3 , 4 − ジカルボキシフェノキシ) ビフェニル二無水物、2 , 2 − ビス[ ( 3 , 4 − ジカルボキシフェノキシ) フェニル] プロパン二無水物、9 , 9 − ビス( 3 , 4 − ジカルボキシフェニル) フルオレン酸二無水物、9 ,9 − ビス[ 4 − ( 3 , 4 − ジカルボキシフェノキシ) フェニル] フルオレン酸二無水物、4 , 4 ´ − ビフェニレンビス( トリメリット酸モノエステル酸無水物) 、p − フェニレンビス( トリメリット酸モノエステル酸無水物) 、p − メチルフェニレンビス( トリメリット酸モノエステル酸無水物) 、p − ( 2 , 3 − ジメチルフェニレン) ビス( トリメリット酸モノエステル酸無水物) 1 , 4 − ナフタレンビス( トリメリット酸モノエステル酸無水物) 、2 , 6 − ナフタレンビス( トリメリット酸モノエステル酸無水物) 、2 , 2 − ビス[ 4 − ( トリメリット酸モノエステル酸無水物)フェニル] プロパン、2 , 2 − ビス[ 4 − ( トリメリット酸モノエステル酸無水物) フェニル] ヘキサフルオロプロパン、1 , 2 , 5 , 6− ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2 , 3 , 5 , 6 − ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3 , 4 , 9 , 1 0 − ペリレンテトラカルボン酸二無水物、1 , 3 − ビス( 3 , 4 − ジカルボキシフェニル) − 1 , 1 , 3 , 3 − テトラメチルジシロキサン二無水物、1 − ( 2 , 3 − ジカルボキシフェニル) − 3 − ( 3 , 4 − ジカルボキシフェニル) − 1 , 1 , 3 , 3 − テトラメチルジシロキサン二無水物、1 , 2 , 5 , 6 − ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2 , 3 , 6 , 7 − ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1 , 4, 5 , 8 − ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物など。
上記例示したテトラカルボン酸二無水物は、適宜単独で、又は混合して用いることがで
きる。また、上記テトラカルボン酸二無水物のいずれも、それらの芳香環上の水素原子の一部若しくは全てをフッ素原子、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、及びトリフルオロメトキシ基から選ばれた置換基で置換して用いることもできる。
また、分岐を導入する目的で、テトラカルボン酸二無水物の一部をヘキサカルボン酸三
無水物類、オクタカルボン酸四無水物類と代えてもよい。
本発明のポリマーにジオールを使用する場合の使用可能な前記ジオール化合物としては、一般式(17)において、a1、d1、a2、d2が0であり、b1とb2とが1である化合物、或いは脂肪族ジオール化合物が挙げられ、実験化学講座(丸善)、新高分子実験学(共立出版)等に記載のジオール化合物誘導体も挙げられる。
中でも円で囲ったAr1、Ar2、Ar3が、それぞれベンゼン環、ナフタレン環であり、R''、R'''、R'''’が、それぞれハロゲン原子(−F、−Cl)、アルキル基(メチル基、トリフロロメチル基、エチル基、トリフロロエチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基)、アリール基(フェニル基、トリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基)、アリーロキシ基(フェノキシ基)、アシルオキシ基(アセトキシ基、プロピオニルオキシ基)、アセチル基、ベンゾイル基、ベンゾイルオキシ基、アシルアミノ基(アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基)であり、Xcが、単結合、または−O−、−S−、−SO2−、炭素数1〜10のアルキレン、−NR(C=O)−、−NR(C=O)O−、−NR(C=O)NR’−、−(C=O)−、−(C=O)O−であり、R、R’がそれぞれ水素原子、メチル基であり、c1、c2、c3が、それぞれ0〜2であり、n1とn2がそれぞれ0または1である化合物、又は炭素数1〜12の脂肪族ジオール化合物が好ましく、円で囲ったAr1、Ar2が、それぞれベンゼン環であり、R''、R'''が、それぞれハロゲン原子(−F、−Cl)、アルキル基(メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基)、アリーロキシ基(フェノキシ基)、アセトキシ基、アセチル基、ベンゾイルオキシ基であり、Xcが、単結合、または−O−、−S−、−SO2−、炭素数1〜6のアルキレン、−NR(C=O)−、−NR(C=O)O−、−(C=O)−、−(C=O)O−であり、R、がそれぞれ水素原子、メチル基であり、c1、c2が、それぞれ0または1であり、n1が0または1であり、n2が0である化合物、又は炭素数1〜8の脂肪族ジオール化合物がより好ましく、特に好ましくは、円で囲ったAr1、Ar2が、それぞれベンゼン環であり、Xcが、単結合、または−O−、−SO2−、炭素数1〜4のアルキレン、−NR(C=O)−、−NR(C=O)O−、−(C=O)−、−(C=O)O−であり、R、がそれぞれ水素原子、メチル基であり、c1、c2が、それぞれ0または1であり、n1が0または1であり、n2が0であるジオール化合物誘導体、又は炭素数1〜6の脂肪族ジオール化合物である。
前記ジオール化合物の具体例としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニルエーテル、3,3’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−ヒドロキシフェニル)スルホン、3,3’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルビフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジクロルビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロルフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−クロルフェニル)スルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジクロルベンゾフェノン、1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジヒドロキシ−2−メチルベンゼン、1,3−ジヒドロキシ−4−メチル−ベンゼン、1,3−ジヒドロキシ−4−クロル−ベンゼン、1,3−ジヒドロキシ−4−アセトキシ−ベンゼン、1,3−ビスヒドロキシエチル−ベンゼン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、1,6−ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、ネオペンチルグリコールなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明のアセチレン化合物から誘導されるポリマーとしては、前記テトラアミノ化合物とベンゼン環上の水素原子が無置換又は任意に置換されたフタル酸又はその誘導体、及び一般式(2)に示される化合物を縮合させることにより得られるポリベンゾイミダゾール誘導体が挙げられる。この中では、ベンゼン環上の水素原子が無置換又は任意に置換された3,3’,4,4’−テトラアミノビフェニルとベンゼン環上の水素原子が無置換又は任意に置換されたフタル酸又はその誘導体、及び一般式(2)に示される化合物を縮合させることにより得られるポリベンゾイミダゾール誘導体が好ましい。
また、本発明のアセチレン化合物から誘導されるポリマーとしては、前記ビス(オルトヒドロキシアミノ)化合物とベンゼン環上の水素原子が無置換又は任意に置換されたフタル酸又はその誘導体、及び一般式(2)に示される化合物を縮合させることにより得られるポリベンゾオキサゾール誘導体が挙げられる。この中では、ベンゼン環上の水素原子が無置換又は任意に置換された3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニルとベンゼン環上の水素原子が無置換又は任意に置換されたフタル酸又はその誘導体、及び一般式(2)に示される化合物を縮合させることにより得られるポリベンゾオキサゾール誘導体を縮合させることにより得られるポリベンゾオキサゾール誘導体が好ましい。
また、本発明のアセチレン化合物から誘導されるポリマーとしては、前記ジアミン化合物とベンゼン環上の水素原子が無置換又は任意に置換されたフタル酸又はその誘導体、及び一般式(2)に示される化合物を縮合させることにより得られるポリアミド誘導体が挙げられる。この中では、ベンゼン環上の水素原子が無置換又は任意に置換されたジアミノベンゼンとベンゼン環上の水素原子が無置換又は任意に置換されたフタル酸又はその誘導体、及び一般式(2)に示される化合物を縮合させることにより得られるポリアミド誘導体が好ましい。
また、本発明のアセチレン化合物から誘導されるポリマーとしては、前記ジアミン化合物とベンゼン環上の水素原子が無置換又は任意に置換されたフタル酸又はその誘導体、ベンゼン環上の水素原子が無置換又は任意に置換されたテトラカルボン酸二無水物又はその誘導体、及び一般式(2)に示される化合物を縮合させることにより得られるポリアミドイミド誘導体が挙げられる。この中では、ベンゼン環上の水素原子が無置換又は任意に置換されたジアミノベンゼンとベンゼン環上の水素原子が無置換又は任意に置換されたフタル酸又はその誘導体、テトラカルボン酸二無水物又はその誘導体、並びに一般式(2)に示される化合物を縮合させることにより得られるポリアミドイミド誘導体が好ましい。
また、本発明のアセチレン化合物から誘導されるポリマーとしては、前記ジオール化合物とベンゼン環上の水素原子が無置換又は任意に置換されたフタル酸又はその誘導体、及び一般式(2)に示される化合物を縮合させることにより得られるポリエステル誘導体が挙げられる。この中では、任意に置換されていてもよい環状又は非環状の炭化水素基からなるジオールとベンゼン環上の水素原子が無置換又は任意に置換されたフタル酸又はその誘導体、及び一般式(2)に示される化合物を縮合させることにより得られるポリエステル誘導体が好ましい。
これらの中でも本発明のアセチレン化合物から誘導されるポリマーとしては、特に前記ポリベンゾイミダゾール誘導体、前記ポリベンゾオキサゾール誘導体が好ましい。これら単独のポリマーであっても、少なくとも2種以上をブロック重合により調整した、ハイブリッドポリマー化合物であってもよい。
前記ポリベンゾイミダゾール誘導体、前記ポリベンゾオキサゾール誘導体、前記ポリアミド誘導体の原料モノマーであるベンゼン環上の水素原子が無置換又は任意に置換された3,3’,4,4’−テトラアミノビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ジアミノベンゼン、フタル酸又はその誘導体は、ベンゼン環上の水素原子が無置換又は任意に置換されていてもよいが、無置換であることが特に好ましい。
前記ポリエステル誘導体の原料となる任意に置換されていてもよい環状又は非環状の炭化水素基からなるジオールの炭化水素基ついては、環状又は非環状飽和炭化水素が好ましく、より好ましくは直鎖の飽和炭化水素であり、これらが無置換で、炭素数が2〜6であることがさらに好ましい。
本発明のアセチレン化合物を構成単位として含むポリマーを調整、誘導する方法としては、前記<1>〜前記<12>に記載のいずれかのアセチレン化合物と前記一般式(17)で表される化合物を反応させる場合には、これらの化合物を縮合反応に対して活性の高い中間体に変化させてから反応させる方法、或いは、触媒の存在下前記<1>〜前記<12>に記載のいずれかのアセチレン化合物と前記一般式(17)で表される化合物とを直接縮合又は付加する方法が挙げられる。
本発明のポリマーの製造方法としては、特に制限されないが、上記アセチレン化合物と上記の単量体または単量体混合物とを用いることによって、本発明の重合体を調製することができる。
例えば、本発明にかかるポリアミド系重合体を製造する方法としては、ジアミン等のアミン化合物を溶解した有機溶媒中に、酸無水物を分散し、攪拌することで完全に溶解させ重合させる方法、酸無水物を有機溶媒中に溶解及び/または分散させた後、アミン化合物を用いて重合させる方法、酸無水物とアミン化合物の混合物を有機溶媒中で反応させて重合する方法など、公知の重合方法を用いることができる。
オキサゾール環化、イミダゾール環化、エステル化、アミド化、或いはイミド化等においては、水が生成する場合、この水は、ベンゼン、トルエン、キシレンやテトラリン等と共沸させて反応系外に除去することにより、反応を促進することが好ましく、更に、無水酢酸等の脂肪族酸無水物や芳香族酸無水物のような脱水剤を使用すれば、反応が進行し易くなる。
又、必要に応じて反応系に重縮合促進剤を加え、反応を速やかに完結させることもでき、このような重縮合促進剤触媒としては、塩基性重縮合促進剤及び酸性重縮合促進剤を例示することができ、両者を併用することもできる。前記塩基性重縮合促進剤としては、例えばN,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、キノリン、イソキノリン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、2,4−ルチジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、N−メチルモルホリン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン等を挙げることができる。中でも入手性や反応促進性等の観点からジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン、メチルピリジン、ピリジン、トリエチルアミンが好ましく、更にピリジン、トリエチルアミンが好ましい。酸性重縮合促進剤としては、例えば安息香酸、o−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシフェニル酢酸、4−ヒドロキシフェニルプロピオン酸、リン酸、p−フェノールスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、クロトン酸等を挙げることができる。
上記の重縮合促進剤の使用量は、アルコール、或いはアミン化合物成分に対して1〜50モル%、好ましくは5〜35モル%であって、これらの重縮合促進剤を用いることにより、反応温度を低く設定することができるため、しばしば着色を引き起こす原因とされている加熱による副反応が防げるだけでなく、反応時間も大幅に短縮でき、経済的である。
重縮合温度として60℃以下が好ましく、さらに、40℃以下であることが反応を効率良く、しかも反応系の粘度が上昇しやすいことから好ましい。
ポリマーの製造に用いることができる溶媒としては、例えばテトラメチル尿素、N,N−ジメチルエチルウレアのようなウレア類、ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホン、テトラメチルスルフォンのようなスルホキシドあるいはスルホン類、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N’−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、γ―ブチルラクトン、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類、またはホスホリルアミド類の非プロトン性溶媒、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化アルキル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、フェノール、クレゾールなどのフェノール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、p−クレゾールメチルエーテルなどのエーテル類等が挙げられる。通常はこれらの溶媒を単独で用いるが、必要に応じて2種以上を適宜組み合わせて用いても良い。これらのうちDMF、DMAc、NMPなどのアミド類が好ましく使用される。
これらの製造法の中でも、反応性および目的物のエチニル基の分解や反応を防ぐという観点からこれらの化合物を縮合反応に対して活性の高い中間体に変化させてから反応させる方法が好ましい。例えば、カルボン酸を−COL(ここでLは一価の脱離基であり、アミノ基またはヒドロキシル基との反応によって窒素原子または酸素原子と置き換わることができるものであれば特に限定はない。好ましくはハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、スルホネート基(例えばメシレート、トシレート、トリフレート)、メタンスルホニル基、アルコキシカルボニル基、ジアゾニウム基、トリアルキルアンモニウム基(例えばトリメチルアンモニウム)などを挙げることができる。より好ましくはハロゲン原子、メタンスルホニル基、スルホネート基、アルコキシカルボニル基であり、さらに好ましくはハロゲン原子またはメタンスルホニル基である。)等のように予め変換しておいてからアミノ基またはヒドロキシル基を有する化合物と反応させることで反応温度を低く設定することができ、また縮合反応時間を短縮できるため好ましい。
本発明のアセチレン化合物を構成単位として含むポリマーの製法については、新高分子実験学(高分子学会編、共立出版)、実験化学講座28巻(日本化学会編、丸善)等に記載の方法も参考にして好適に製造することができる。
本発明のアセチレン化合物を構成単位として含むポリマーの分子量は特に制限はないが、重量平均分子量で300〜1000000、好ましくは500〜200000、更には1000〜50000が取り扱い性や、硬化性などの観点から好ましい。分子量約10000以下のものをオリゴマーと称することもある。
以下に本発明のアセチレン化合物から誘導させるポリマーの具体例を示すが、これにより本発明が限定されるものではない。



<アセチレン化合物の製造法の説明>
次に一般式(1)に示されるアセチレン化合物の製造法について説明する。
一般式(6)の説明
一般式(6)におけるR、c、m、nは一般式(3)のそれらと同様であり、好ましい範囲も同様である。Rについては無置換又は任意に置換されていてもよい環状又は非環状の炭化水素基、又はヘテロ環基を表し、無置換の炭化水素基としては炭素数1〜20のアルキル基(例えばメチル、ブチル、オクチル、ヘキサデシル、シクロヘキシル等)、炭素数1〜20のアリ−ル基(例えばフェニル、ナフチル、アントラセン等)、任意に置換された炭化水素基としてはハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜20のアルコキシ基(例えばメトキシ、ブトキシ、ドデシルオキシ)、フェニル、ナフチル等のアリール基、ヒドロキシル基等で置換された炭化水素基が挙げられる。またヘテロ環としては、例えばピリジン、キノリン、ピロール、フラン、チオフェン等が挙げられる。中でも置換又は無置換の炭化水素基が好ましく、より好ましくは無置換の炭化水素基である。一般式(6)で表される化合物の具体的な例としては、例えば4−アミノフタル酸、5−アミノイソフタル酸、4−アミノテレフタル酸、4−アミノ−5−メチルフタル酸、5−アミノ−2−メチルイソフタル酸、5−アミノ−2−クロロイソフタル酸、5−アミノ−4,6−ジメチル−イソフタル酸、4−アミノフタル酸ジメチル、5−アミノイソフタル酸ジメチル、4−アミノテレフタル酸ジメチル、4−アミノ−5−メチルフタル酸ジメチル、5−アミノ−2−メチルイソフタル酸ジメチル、5−アミノ−2−クロロイソフタル酸ジメチル、5−アミノ−4,6−ジメチル−イソフタル酸ジメチル、5−アミノイソフタル酸ジエチル、5−アミノイソフタル酸ジフェニル、5−アミノイソフタル酸ジシクロヘキシル、ジアミノ安息香酸類(例えば3,5−ジアミノ安息香酸、3,4−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸―2水和物、3,4−ジアミノ安息香酸―2―水和物、2−メチル−3,5―ジアミノ安息香酸、2,6−ジメチルー3,5−ジアミノ安息香酸、2−フェニル−3,5−ジアミノ安息香酸、4−フルオロ−3,5−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸塩酸塩、3,4−ジアミノ安息香酸塩酸塩、2−メチル−3,5―ジアミノ安息香酸メタンスルホン酸塩、2,6−ジメチルー3,5−ジアミノ安息香酸シュウ酸塩、2−フェニル−3,5−ジアミノ安息香酸硫酸塩)等があげられるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも原料の入手性、反応性等から、5−アミノイソフタル酸、5−アミノイソフタル酸ジメチル、5−アミノイソフタル酸ジエチル、5−アミノイソフタル酸ジフェニル、5−アミノイソフタル酸ジシクロヘキシル、3,5−ジアミノ安息香酸、3,4−ジアミノ安息香酸が好ましく、特に5−アミノイソフタル酸ジメチル、5−アミノイソフタル酸ジエチル、5−アミノイソフタル酸、3,5−ジアミノ安息香酸が好ましい。
一般式(7)の説明
一般式(7)におけるR、c、m、nは一般式(3)のそれらと同様であり、好ましい範囲も同様である。Rは一般式(1)のRと同様である。Rは任意に置換されていてもよい環状又は非環状の炭化水素基を表すが、炭素数1〜10の任意に置換されていてもよい環状又は非環状の炭化水素基が好ましく、炭素数6〜10の任意に置換されていてもよい環状又は非環状の炭化水素基がより好ましく、特にシクロヘキシル基、フェニル基、トリル基が好ましい。
一般式(7)で表される化合物の具体的な例としては、例えば4−フェノキシカルボニルアミノフタル酸、5−フェノキシカルボニルアミノイソフタル酸、4−フェノキシカルボニルアミノテレフタル酸、4−フェノキシカルボニルアミノ−5−メチルフタル酸、5−フェノキシカルボニルアミノ−2−メチルイソフタル酸、5−フェノキシカルボニルアミノ−2−クロロイソフタル酸、5−フェノキシカルボニルアミノ−4,6−ジメチル−イソフタル酸、4−トリロキシカルボニルアミノフタル酸ジメチル、5−シクロヘキシルオキシカルボニルアミノイソフタル酸ジメチル、5−トリロキシカルボニルアミノイソフタル酸ジメチル、5−フェノキシカルボニルアミノイソフタル酸ジメチル、5−p−クロロフェノキシカルボニルアミノイソフタル酸ジメチル、4−フェノキシカルボニルアミノテレフタル酸ジメチル、4−フェノキシカルボニルアミノ−5−メチルフタル酸ジメチル、5−フェノキシカルボニルアミノ−2−メチルイソフタル酸ジメチル、5−フェノキシカルボニルアミノ−2−クロロイソフタル酸ジメチル、5−フェノキシカルボニルアミノ−4,6−ジメチル−イソフタル酸ジメチル、5−フェノキシカルボニルアミノイソフタル酸ジエチル、5−フェノキシカルボニルアミノイソフタル酸ジフェニル、5−シクロヘキシルオキシカルボニルアミノイソフタル酸ジシクロヘキシル、5−フェノキシカルボニルアミノイソフタル酸ジシクロヘキシル、ジアミノ安息香酸類(例えば3,5−ビス(フェノキシカルボニルアミノ)安息香酸、3,4−ビス(フェノキシカルボニルアミノ)安息香酸、3,5−ビス(フェノキシカルボニルアミノ)安息香酸メチル、3,4−ビス(フェノキシカルボニルアミノ)安息香酸メチル、2−メチル−3,5−ビス(フェノキシカルボニルアミノ)安息香酸、2,6−ジメチルー3,5−ビス(フェノキシカルボニルアミノ)安息香酸、2−フェニル−3,5−ビス(フェノキシカルボニルアミノ)安息香酸、4−フルオロ−3,5−ビス(フェノキシカルボニルアミノ)安息香酸、3,5−ビス(トリロキシカルボニルアミノ)安息香酸、3,5−ビス(トリロキシカルボニルアミノ)安息香酸メチル、3,5−ビス(シクロヘキシルオキシカルボニルアミノ)安息香酸、3,5−ビス(シクロヘキシルオキシカルボニルアミノ)安息香酸エチル、3,5−ビス(p−クロロフェノキシカルボニルアミノ)安息香酸、3,4−ビス(シクロヘキシルオキシカルボニルアミノ)安息香酸等があげられるが、これらに限定されるものではない。
原料の入手性、反応性等から、5−フェノキシカルボニルアミノイソフタル酸、5−フェノキシカルボニルアミノイソフタル酸ジメチル、5−フェノキシカルボニルアミノイソフタル酸ジエチル、5−フェノキシカルボニルアミノイソフタル酸ジフェニル、5−フェノキシカルボニルアミノイソフタル酸ジシクロヘキシル、3,5−ビス(フェノキシカルボニルアミノ)安息香酸、3,5−ビス(フェノキシカルボニルアミノ)安息香酸メチル、3,4−ビス(フェノキシカルボニルアミノ)安息香酸メチル、3,5−ビス(トリロキシカルボニルアミノ)安息香酸メチル等が好ましく、特に5−フェノキシカルボニルアミノイソフタル酸ジメチル、5−フェノキシカルボニルアミノイソフタル酸ジエチル、3,5−ビス(フェノキシカルボニルアミノ)安息香酸メチル、3,4−ビス(フェノキシカルボニルアミノ)安息香酸メチルが好ましい。
一般式(8)の説明

一般式(8)におけるR、R、a、bは、それぞれ一般式(3)のそれらと同様であり、好ましい範囲も同様である。一般式(8)で表される化合物の具体的な例としては、例えばm−エチニルアニリン、p−エチニルアニリン、o−エチニルアニリン、2,3−ジエチニルアニリン、3,4−ジエチニルアニリン、3,5−ジエチニルアニリン、3,6−ジエチニルアニリン、m−プロピニルアニリン、m−ブチニルアニリン、m−ヘキシニルアニリン、m−ドデシルエチニルアニリン、m−t−ブチルエチニルアニリン、m−シクロヘキシルエチニルアニリン、m−フェニルエチニルアニリン、m−3−ピリジルエチニルアニリン、m−2−ピリジルエチニルアニリン、m−ナフチルエチニルアニリン、m−キノリニルエチニルアニリン、m−2−ヒドロキシプロピル−2−エチニルアニリン、m−トリメチルシリルエチニルアニリン、m−エチニルトルイジン、p−エチニルトルイジン、o−エチニル−p−クロルアニリン、2,3−ジエチニル−5−メチルアニリン、3,4−ジエチニルトルイジン、3,5−ジエチニルトルイジン、4−クロロ−3,6−ジエチニルアニリン、m−プロピニルトルイジン、m−ブチニルトルイジン、m−ヘキシニルトルイジン、3−ドデシルエチニル−5−メトキシアニリン、3−t−ブチルエチニル−5−クロロアニリン、3−シクロヘキシルエチニル−5−クロロアニリン、3−フェニルエチニルトルイジン、m−2−ヒドロキシプロピル−2−エチニルトルイジン、m−トリメチルシリルエチニルトルイジン、等があげられる。
これらの中でも原料の入手性、反応性等から、m−エチニルアニリン、p−エチニルアニリン、o−エチニルアニリン、2,3−ジエチニルアニリン、3,4−ジエチニルアニリン、3,5−ジエチニルアニリン、3,6−ジエチニルアニリン、m−プロピニルアニリン、m−ヘキシニルアニリン、m−t−ブチルエチニルアニリン、m−シクロヘキシルエチニルアニリン、m−フェニルエチニルアニリン、m−3−ピリジルエチニルアニリン、m−トリメチルシリルエチニルアニリン、m−エチニルトルイジン等が好ましく、特にm−エチニルアニリン、p−エチニルアニリン、3,4−ジエチニルアニリン、3,5−ジエチニルアニリン、m−プロピニルアニリン、m−シクロヘキシルエチニルアニリンが好ましい。
一般式(9)の説明
一般式(9)で表される化合物は、前記一般式(7)で表される化合物と前記一般式(8)で表される化合物とからの反応生成物であり、一般式(9)におけるR、R、R、a、b、c、m、nは、それぞれ一般式(3)のそれらと同様であり、好ましい範囲も同様である。Rは一般式(1)のRと同様であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(10)の説明

一般式(10)におけるR、R、R、a、b、c、m、nは、それぞれ一般式(3)のそれらと同様であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(11)の説明
一般式(11)におけるR、Q、c、m、nは一般式(4)のそれらと同様であり、好ましい範囲も同様である。一般式(11)で表される化合物の具体的な例としては、例えば4−アミノフタル酸、5−アミノイソフタル酸、4−アミノテレフタル酸、4−アミノ−5−メチルフタル酸、5−アミノ−2−メチルイソフタル酸、5−アミノ−2−クロロイソフタル酸、5−アミノ−4,6−ジメチル−イソフタル酸、4−アミノフタル酸ナトリウム塩、5−アミノイソフタル酸ナトリウム塩、4−アミノテレフタル酸ナトリウム塩、4−アミノ−5−メチルフタル酸ナトリウム塩、5−アミノ−2−メチルイソフタル酸ナトリウム塩、5−アミノ−2−クロロイソフタル酸ナトリウム塩、5−アミノ−4,6−ジメチル−イソフタル酸ナトリウム塩、4−アミノフタル酸カリウム塩、5−アミノイソフタル酸カリウム塩、4−アミノテレフタル酸カリウム塩、4−アミノ−5−メチルフタル酸カリウム塩、4−アミノフタル酸トリエチルアンモニウム塩、5−アミノイソフタル酸トリエチルアンモニウム塩、4−アミノテレフタル酸トリエチルアンモニウム塩、4−アミノ−5−メチルフタル酸トリエチルアンモニウム塩、5−アミノ−2−メチルイソフタル酸トリエチルアンモニウム塩、4−アミノフタル酸トリブチルアンモニウム塩、5−アミノイソフタル酸トリブチルアンモニウム塩、4−アミノテレフタル酸トリブチルアンモニウム塩、4−アミノフタル酸ジメチル、5−アミノイソフタル酸ジメチル、4−アミノテレフタル酸ジメチル、4−アミノ−5−メチルフタル酸ジメチル、5−アミノ−2−メチルイソフタル酸ジメチル、5−アミノ−2−クロロイソフタル酸ジメチル、5−アミノ−4,6−ジメチル−イソフタル酸ジメチル、5−アミノイソフタル酸ジエチル、5−アミノイソフタル酸ジフェニル、5−アミノイソフタル酸ジシクロヘキシル、ジアミノ安息香酸類(例えば3,5−ジアミノ安息香酸、3,4−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸―2水和物、3,4−ジアミノ安息香酸―2―水和物、2−メチル−3,5―ジアミノ安息香酸、2,6−ジメチルー3,5−ジアミノ安息香酸、2−フェニル−3,5−ジアミノ安息香酸、4−フルオロ−3,5−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸メチル、3,5−ジアミノ安息香酸エチル、3,5−ジアミノ安息香酸ナトリウム塩、3,5−ジアミノ安息香酸カリウム塩、3,5−ジアミノ安息香酸トリエチルアンモニウム塩、3,4−ジアミノ安息香酸ナトリウム塩、3,4−ジアミノ安息香酸カリウム塩、3,4−ジアミノ安息香酸トリエチルアンモニウム塩、2−メチル−3,5―ジアミノ安息香酸カリウム塩、2,6−ジメチルー3,5−ジアミノ安息香酸カリウム塩、2,6−ジメチルー3,5−ジアミノ安息香酸トリエチルアンモニウム塩、2−フェニル−3,5−ジアミノ安息香酸カリウム塩、2−フェニル−3,5−ジアミノ安息香酸トリエチルアンモニウム塩)等があげられるが、これらに限定されるものではない。
原料の入手性、反応性等から、4−アミノフタル酸、5−アミノイソフタル酸、4−アミノテレフタル酸、4−アミノ−5−メチルフタル酸、5−アミノ−2−メチルイソフタル酸、4−アミノフタル酸カリウム塩、5−アミノイソフタル酸カリウム塩、4−アミノテレフタル酸カリウム塩、4−アミノフタル酸トリエチルアンモニウム塩、5−アミノイソフタル酸トリエチルアンモニウム塩、4−アミノテレフタル酸トリエチルアンモニウム塩、4−アミノ−5−メチルフタル酸トリエチルアンモニウム塩、4−アミノフタル酸トリブチルアンモニウム塩、5−アミノイソフタル酸トリブチルアンモニウム塩、4−アミノテレフタル酸トリブチルアンモニウム塩、5−アミノイソフタル酸ジメチル等が好ましく、特に5−アミノイソフタル酸、4−アミノフタル酸トリエチルアンモニウム塩、5−アミノイソフタル酸トリエチルアンモニウム塩、4−アミノフタル酸トリブチルアンモニウム塩、5−アミノイソフタル酸トリブチルアンモニウム塩、5−アミノイソフタル酸ジメチル、3,5−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸メチル、3,5−ジアミノ安息香酸トリエチルアンモニウム塩、3,4−ジアミノ安息香酸トリエチルアンモニウム塩が好ましい。
一般式(12)の説明

一般式(12)におけるR、bは一般式(4)のそれらと同様であり、好ましい範囲も同様である。一般式(12)で表される化合物の具体的な例としては、例えば4−エチニルフタル酸無水物、3,4−ジエチニルフタル酸無水物、3−プロピニルフタル酸無水物、3−ブチニルフタル酸無水物、3−ヘキシニルフタル酸無水物、3−ドデシルエチニルフタル酸無水物、3−t−ブチルエチニルフタル酸無水物、3−シクロヘキシルエチニルフタル酸無水物、3−フェニルエチニルフタル酸無水物、3−ピリジルエチニルフタル酸無水物、3−ナフチルエチニルフタル酸無水物、、3−キノリニルエチニルフタル酸無水物、3−(2−ヒドロキシプロピル−2−エチニル)フタル酸無水物、3−トリメチルシリルエチニルフタル酸無水物、3−エチニル−4−メチルフタル酸無水物、3−エチニル−4−クロルフタル酸無水物、3−エチニル−4−メトキシフタル酸無水物等があげられる。
原料の入手性、反応性等から、4−エチニルフタル酸無水物、3−プロピニルフタル酸無水物、3−ブチニルフタル酸無水物、3−ヘキシニルフタル酸無水物、3−t−ブチルエチニルフタル酸無水物、3−シクロヘキシルエチニルフタル酸無水物、3−フェニルエチニルフタル酸無水物、3−(2−ヒドロキシプロピル−2−エチニル)フタル酸無水物等が好ましく、特に4−エチニルフタル酸無水物、3−フェニルエチニルフタル酸無水物、3−(2−ヒドロキシプロピル−2−エチニル)フタル酸無水物が好ましい。
一般式(13)の説明

一般式(13)で表される化合物は、前記一般式(11)で表される化合物と前記一般式(12)で表される化合物とからの反応生成物であり、一般式(13)におけるR、R、b、c、m、nは一般式(4)のそれらと同様であり、好ましい範囲も同様である。
次に、反応の方法について説明する。
一般式(6)又は一般式(11)に示すカルボン酸又はその誘導体化合物のアミノ基当量に対する、一般式(8)又は(12)に示すアセチレン化合物の使用量は、1.0から10倍モルの範囲が好ましく、より好ましくは1.0から2.0倍モル、さらに好ましくは1.0から1.2倍モルである。1.0倍モル未満では、未反応の一般式(6)又は一般式(11)に示す化合物が必ず生成するため収率の低下を招くため好ましくなく、20倍モルを越えると反応に対して大きな障害を与えることはないが、余剰の原材料を用いるため生産コスト上好ましくない。
反応に使用しうる溶媒としては、工程操作上の問題等を引き起こさず、反応の進行を妨げず、かつ本発明の反応中に分解して反応に悪影響を与えない限り特に制限はないが、例えばアミド系溶媒(例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチルー2−ピロリドン)、スルホン系溶媒(例えばスルホラン)スルホキシド系溶媒(例えばジメチルスルホキシド)、ウレイド系溶媒(例えばテトラメチルウレア)、エーテル系溶媒(例えばジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル)、ケトン系溶媒(例えばアセトン、シクロヘキサノン)、炭化水素系溶媒(例えばトルエン、キシレン、n−デカン)、ハロゲン系溶媒(例えばテトラクロロエタン,クロロベンゼン)、ピリジン系溶媒(例えばピリジン、γ―ピコリン、2,6−ルチジン)、エステル系溶媒(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル)、およびニトリル系溶媒(例えばアセトニトリル)を単独或いは併用して用いる。このうち好ましくはアミド系溶媒、エーテル系溶媒、ピリジン系溶媒、およびニトリル系溶媒であり、更に好ましくはアミド系溶媒、エーテル系溶媒である。これらの溶媒は単独又は二種類以上を混合して用いても良い。
反応温度としては、0℃から150℃の範囲が好ましいが、より好ましくは20℃から100℃、さらに好ましくは20℃から80℃である。反応時間は仕込み量、反応温度により異なるが、0.5から12時間の範囲が好ましく、2から6時間の範囲がさらに好ましい。反応時に窒素やアルゴン気流等の不活性な雰囲気にすることが好ましい。
反応混合物から本発明のアセチレン化合物を単離する方法としては、例えば有機溶媒による抽出後、クロマトグラフィー、晶析あるいは再結晶等による分離精製方法を挙げることができる。本発明のアセチレン化合物は晶析による単離が好ましい。有機溶剤により抽出した溶媒を冷却することでアセチレン化合物が析出する場合は、通常の固液分離によりアセチレン化合物を単離することができる。あるいは適当な溶媒系からアセチレン化合物を晶析し、これを固液分離により単離することも可能である。
アセチレン化合物を抽出する有機溶剤としてはジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテール、メチルーt−ブチルエーテル、メトキシベンゼン等のエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸n―ブチル等のエステル系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤が挙げられるが、工業的規模での大量製造適性、入手の容易さ等の観点からエステル系溶剤、脂肪族炭化水素溶剤、芳香族炭化水素溶剤が好ましく、エステル系溶剤がさらに好ましい。
アセチレン化合物を晶析する有機溶剤としては、例えば上記で説明した有機溶剤と他の有機溶剤との混合系が挙げられる。混合する他の有機溶剤としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテール、メチルーt−ブチルエーテル、メトキシベンゼン等のエーテル系溶剤、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの等の脂肪族炭化水素系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、2−プロパノール、t−ブタノールなどのアルコール系溶剤が挙げられるが、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、ニトリル系溶媒及び水が好ましい。
特に、一般式(6)に示すアミノカルボン酸エステルのアミノ基を、ハロゲン化炭酸エステルを用いて一般式(7)に示すカルバミン酸エステルに変換し、これと一般式(8)に示すアミノアセチレン化合物を反応させることで一般式(9)に示したRにより置換されたエチニル基を有するエステル化合物を合成し、これをアルカリ加水分解し、これを酸で中和することで一般式(10)に示したカルボン酸化合物を得る製造法に関しては、これら一連の反応を中間体を取り出す事無く、一貫化して行なうことも可能である。
前記アルカリ加水分解に用いられるアルカリ剤としては、有機合成反応で通常用いられる無機または有機のアルカリ剤を用いることが出来る。無機アルカリ剤としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属や、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、または炭酸、重炭酸、珪酸、シュウ酸、酢酸等の弱酸の塩等が挙げられ、有機アルカリ剤としては、例えば、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,5−ジアザビシクロ−[4、3、0]−5− ノネン、1,8−ジアザビシクロ−[5、4、0]−7− ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、1,5−ジアザビシクロ−[4、3、0]−5− ノネン、1,8−ジアザビシクロ−[5、4、0]−7− ウンデセンなどが好ましい。
これらのアルカリ剤は、必要に応じて適宜単独、または2種以上を組合わせて、前記一般式(8)で示されるジエステル化合物に対して、0.1〜100倍当量、好ましくは0.5〜30倍当量、より好ましくは0.8〜10倍当量の量で反応に用いられる。
前記アルカリ加水分解反応後は、通常、酸を用いて中和することが好ましい。用いられる酸としては、有機合成反応で通常用いられる無機または有機の酸を用いることが出来る。無機酸としては、例えば、塩酸、臭酸、フッ酸、硝酸、硫酸、燐酸、過塩素酸、クロム酸、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、炭酸など、有機酸としては、例えばメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、ギ酸、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で、または2種以上組合わせて用いても良い。 これらの酸は、前記一般式(9)で示されるエステル化合物の加水分解されたものの塩に対して、0.1〜100倍当量、好ましくは0.5〜50倍当量、より好ましくは0.8〜20倍当量の量で中和反応に用いられる。
また、一般式(11)に示すアミノカルボン酸誘導体と、一般式(12)に示したRにより置換されたエチニル基を有するアセチレン化合物を反応させることで、一般式(13)に示したアミド酸化合物に変換し、さらにこれを環化させることで、一般式(4)に示した生成物を、一般式(13)に示したアミド酸化合物を取り出す事無く、一貫化して行なうことができる。
尚、一般式(1)又は(2)で、Xが−NH(C=O)O−で示される、下記一般式(19)で表される化合物は、前記一般式(7)で示される化合物と、下記一般式(20)で示される化合物との反応生成物であり、R、R、R、a、b、cは、それぞれ一般式(3)のそれらと同義であり、好ましい範囲も同様である。Rは一般式(6)のRと同義であり、好ましい範囲も同様である。


前記一般式(20)に示す化合物のR、R、a、bはそれぞれ一般式(3)のそれらと同義である。
反応の方法については、前記一般式(9)に示した化合物の生成における前記一般式(8)の化合物に替えて、前記一般式(20)の化合物を用いる以外は同様である。
尚、一般式(1)又は(2)で、Xが−NH(C=O)−で示される、下記一般式(21)で表される化合物は、前記一般式(6)で示される化合物と、下記一般式(22)で示される化合物の反応生成物であり、R、R、R、a、b、cは、それぞれ一般式(3)のそれらと同義であり、好ましい範囲も同様である。Rは一般式(6)のRと同義であり、好ましい範囲も同様である。


前記一般式(22)に示す化合物のR、R、a、bはそれぞれ一般式(3)のそれらと同義である。
反応を行なう際、必要に応じて反応系に適当な脱水剤を添加して行なってもよく、またまた、前記一般式(22)のカルボキシル基中の水酸基を、適当な活性化剤を用いて、より活性の高い脱離基に変換して反応させてもよい。
脱水剤の具体例としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸、アンバーライト、アンバーリスト等の酸性イオン交換樹脂、ジシクロカルボジイミド等の縮合剤が挙げられるが、反応性及び副反応を引き起こす可能性が少ない点から、ジシクロカルボジイミドが好ましい。
より活性の高い脱離基の種類としては、塩素、臭素、酸無水物、スルホニル誘導体等が挙げられるが、反応性、原料入手性等の観点から、塩素、スルホニル誘導体が望ましい。活性化剤の種類としては、脱離基が塩素の場合は塩化チオニル、塩化オキサリル、三塩化リン、五塩化リン、N−クロロコハク酸イミド等が挙げられる。脱離基が臭素の場合は三臭化リン、N−ブロモコハク酸イミド等が挙げられる。脱離基が酸無水物である場合は、塩化アセチル、塩化ピバロイル、無水酢酸等が挙げられる。脱離基がスルホニル誘導体である場合には、塩化メタンスルホニル、塩化p−トルエンスルホニル等が挙げられる。
前記事項以外における反応の方法については、前記一般式(9)に示した化合物と同様である。
本発明のまた別の態様は、少なくとも一つの前記<1>〜前記<14>に記載のアセチレン化合物、及び/又は少なくとも一つの前記<15>〜前記<18>に記載のポリマーを含む組成物である。該組成物としては、少なくとも一つの前記<15>〜前記<18>に記載のポリマーを含有する組成物であることか好ましく、該組成物が最終製品或いはその中間製品として用いられる、液晶材料、非線形光学材料、電子材料(例えば、半導体保護膜、フレキシブルプリント配線回路用基板など)、接着剤用材料、摺動剤用材料、写真用添加剤、ガス分離膜用材料等の機能性材料や医農薬中間体の原料等の各種業界の用途、目的等により適宜他の添加剤の種類や添加量を各種業界の要求に合わせて選択し添加することができる。
<その他添加剤>
他の添加剤としては、例えば、重合性化合物、樹脂、架橋性樹脂、溶剤、重合開始剤、着色剤、重合阻害剤、充填剤、シランカップリング剤、離型剤などが挙げられる。
該重合性化合物としては、例えば、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態を有する。モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
その他、例えば、特公昭46−27926、特公昭51−47334、特開昭57−196231記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240、特開昭59−5241、特開平2−226149記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。更に、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた特開2004−252201号に記載の1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類、更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載の、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類等も挙げられる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。その他、特開2004−252201、特開2007−138105、特開2007−177177等に記載の重合性化合物も使用することができる。
また、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品若しくは業界で公知のラジカル重合性乃至架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
また、重合性化合物としては、例えば、特開平7−159983号、特公平7−31399号、特開平8−224982号、特開平10−863号、特開平9−134011号等の各公報に記載されている光重合性組成物に用いられる光硬化型の重合性化合物材料が知られており、これらも本発明の組成物に適宜適用することができる。
また、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸アリル等のアリルエステル類;塩化ビニリデン、塩化ビニル等のハロゲン含有単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル;高沸点オレフィン類;等も挙げられる。
必要に応じて添加される樹脂としては、例えば、アルキッド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレア系樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチラール樹脂、ポリケタール樹脂、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、シリコーン樹脂、セルロース変性樹脂、ワックス類等を適宜選択して添加することができる。
本発明の組成物にはその硬化性や硬化速度等を調節するために架橋剤を添加してもよい。該架橋剤としては、熱架橋するもの、光架橋するもの、紫外線架橋するもの、電子線架橋するもの等が適用でき、架橋反応によって膜硬化を行えるものであれば特に限定されないが、例えばポリイソシアナート、ポリイミド前駆体、エポキシ樹脂、メチロール基並びにアルコキシメチル基およびアシロキシメチル基から選ばれた少なくとも一つの置換基で置換されたメラミン化合物やグアナミン化合物、グリコールウリル化合物またはウレア化合物、メチロール基並びにアルコキシメチル基およびアシロキシメチル基から選ばれた少なくとも一つの置換基で置換されたフェノール化合物、ナフトール化合物またはヒドロキシアントラセン化合物が挙げられ、特に多官能エポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂としては、エポキシ基を有し、かつ架橋性を有するものであれば特に限定はなく用いることができる。これらの化合物の例としては、ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、へキサンジオールジグリシジルエーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、N,N−ジグリシジルアニリン等の2価のグリシジル基含有低分子化合物、同様に、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールフェノールトリグリシジルエーテル、TrisP−PAトリグリシジルエーテル等に代表される3価のグリシジル基含有低分子化合物、同様に、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、テトラメチロールビスフェノール−A−テトラグリシジルエーテル等に代表される4価のグリシジル基含有低分子化合物、同様に、ジペンタエリスリトールペンタグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテル等の多価グリシジル基含有低分子化合物、ポリグリシジル(メタ)アクリレート、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物等に代表されるグリシジル基含有高分子化合物等が挙げられる。
また、市場で入手可能なものとして例えば、エピコート828EL、エピコート1004(いずれもジャパンエポキシレジン社製)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂;エピコート806、エピコート4004(いずれもジャパンエポキシレジン社製)、エピクロン830CRP(大日本インキ社製)等のビスフェノールF型エポキシ樹脂;エピクロンEXA1514(大日本インキ社製)等のビスフェノールS型エポキシ樹脂;RE−810NM(日本化薬社製)等の2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂;エピクロンEXA7015(大日本インキ社製)等の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂;EP−4000S(旭電化社製)等のプロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂;EX−201(ナガセケムテックス社製)等のレゾルシノール型エポキシ樹脂;エピコートYX−4000H(ジャパンエポキシレジン社製)等のビフェニル型エポキシ樹脂;YSLV−50TE(東都化成社製)等のスルフィド型エポキシ樹脂;YSLV−80DE(東都化成社製)等のエーテル型エポキシ樹脂;EP−4088S(旭電化社製)等のジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれも大日本インキ社製)等のナフタレン型エポキシ樹脂;エピクロンN−770(大日本インキ社製)等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂;エピクロンN−670−EXP−S(大日本インキ社製)等のオルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂;エピクロンHP7200(大日本インキ社製)等のジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂;NC−3000P(日本化薬社製)等のビフェニルノボラック型エポキシ樹脂;ESN−165S(東都化成社製)等のナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂;エピコート630(ジャパンエポキシレジン社製)、エピクロン430(大日本インキ社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ZX−1542(東都化成社製)、エピクロン726(大日本インキ社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等のアルキルポリオール型エポキシ樹脂;YR−450、YR−207(いずれも東都化成社製)、エポリードPB(ダイセル化学社製)等のゴム変性型エポキシ樹脂;デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等のグリシジルエステル化合物;エピコートYL−7000(ジャパンエポキシレジン社製)等のビスフェノールA型エピスルフィド樹脂;その他YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも東都化成社製)、XAC4151(旭化成社製)、エピコート1031、エピコート1032(いずれもジャパンエポキシレジン社製)、EXA−7120(大日本インキ社製)、TEPIC(日産化学社製)等が例示される。
上記エポキシ樹脂の配合量としては特に限定されず、使用する目的に応じ上述したエポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートとの種類、配合量等に合わせて適宜調整される。
<熱硬化剤>
本発明の組成物中には、更にエポキシ樹脂等の熱硬化を促進する目的により、熱硬化剤を含有してもよい。上記熱硬化剤は、加熱により硬化性樹脂中の不飽和結合やエポキシ基等を反応させ、架橋させるためのものであり、硬化後の硬化物の接着性、耐湿性を向上させる役割を有する。上記熱硬化剤としては特に限定されないが、本発明の組成物を用いて例えば100〜150℃の比較的低い硬化温度にて硬化させる場合に、低温反応性に優れるアミン及び/又はチオール基を含有することが好ましい。
上記アミン及び/又はチオール基を含有する熱硬化剤としては、例えば1,3−ビス[ヒドラジノカルボノエチル−5−イソプロピルヒダントイン]やアジピン酸ジヒドラジド等の有機酸ジヒドラジド化合物;ジシアンジアミド、グアニジン誘導体、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、N−[2−(2−メチル−1−イミダゾリル)エチル]尿素、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、N,N’−ビス(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)尿素、N,N’−(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)−アジポアミド、2−フェニルー4−メチルー5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−イミダゾリン−2−チオール、2−2’−チオジエタンチオール、各種アミンとエポキシ樹脂との付加生成物等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種類以上が併用されてもよい。
本発明の組成物中には、必要に応じて溶剤を添加してもよい。溶剤としては、該組成物を硬化させる場合等の反応の進行を妨げず、かつ本発明の組成物の保存安定性等に悪影響を与えない限り特に制限はないが、例えばアミド系溶剤(例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチルー2−ピロリドン)、スルホン系溶剤(例えばスルホラン)スルホキシド系溶剤(例えばジメチルスルホキシド)、ウレイド系溶剤(例えばテトラメチルウレア)、エーテル系溶剤(例えばジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル)、ケトン系溶剤(例えばアセトン、シクロヘキサノン)、炭化水素系溶剤(例えばトルエン、キシレン、n−デカン)、ハロゲン系溶剤(例えばテトラクロロエタン,クロロベンゼン)、ピリジン系溶剤(例えばピリジン、γ―ピコリン、2,6−ルチジン)、エステル系溶剤(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル)、およびニトリル系溶剤(例えばアセトニトリル)を単独或いは併用して用いる。このうち好ましくはアミド系溶剤、スルホン系溶剤、スルホキシド系溶剤、ウレイド系溶剤、エーテル系溶剤、ハロゲン系溶剤、ピリジン系溶剤、およびニトリル系溶剤であり、更に好ましくはアミド系溶剤、エーテル系溶剤、ハロゲン系溶剤、およびニトリル系溶剤であり、更に好ましくはアミド系溶剤およびニトリル系溶剤である。これらの溶剤は単独又は二種類以上を混合して用いても良い。該溶剤の本発明の組成物への添加量は、用途分野、及びその分野に対して必要とされる特性に応じて選択されるが、一般に組成物全体に対して0〜90質量%、好ましくは、0〜80質量%、より好ましくは0〜70質量%であり、溶剤を用いない方が好ましい場合もある。
また、本発明の組成物には、重合性化合物の重合促進や、架橋剤の反応促進等の目的で光重合開始剤や熱重合開始剤等の重合開始剤を添加してもよい。
前記光重合開始剤としては、例えば、特開2004−252201号明細書に記載の光開始剤、米国特許第4 , 9 5 0 , 5 8 1 号記載の過酸化化合物、米国特許第4 , 9 5 0 , 5 8 1 号に記載のような芳香族のスルホニウム、ホスホニウム若しくはヨードニウム塩、又はシクロペンタジエニル− アレーン− 金属錯塩、例えば、欧州特許第7 8 0 , 7 2 9 号に記載されているオキシムスルホン酸エステル、欧州特許第4 9 7 , 5 3 1 号及び第4 4 1 , 23 2 号に記載のような、ピリジニウム及び(イソ)キノリニウム塩などが挙げられる。また、G . B u h r , R . D am m e l a n d C . L i n d l e y , P o l y m . M a t e r . S c i . E n g . 61 , 2 6 9 ( 1 9 8 9 ) 、及び欧州特許第0 2 2 7 8 8 号公報に記載のような、その他のハロメチルトリアジン; 米国特許第4 , 3 7 1 , 6 0 6 号及び第4 , 3 7 1 , 6 0 7 号明細書に記載のような、ハロメチルオキサゾール光開始剤; E . A . B a r t m a n n , Sy n t h e s i s 5 , 4 9 0 ( 1 9 9 3 ) に記載のような1 , 2 − ジスルホン; ヘキサアリールビスイミダゾール、及びヘキサアリールビスイミダゾール/ 共開始剤系( 例えば、2 − メルカプトベンズチアゾール、フェロセニウム化合物) 、又はチタノセン( 例えば、ビス( シクロペンタジエニル) − ビス( 2 , 6 − ジフルオロ− 3 − ピリルフェニル) チタンと組み合わせたo − クロロヘキサフェニル− ビスイミダゾールとの混合物) を用いることもできる。光増感剤を併用してもよく、該光増感剤としては例えば、トリエタノールアミン、4 − ジメチルアミノ安息香酸エチル等のアミン類、ベンゾフェノン及びその誘導体、チオキサントン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、クマリン誘導体等が挙げられる。
熱重合開始剤としては、例えば、2 , 2 ’ − アゾビス(4 − メトキシ− 2 , 4 − ジメチルバレロニトリル) 、トリアゼン、ジアゾスルフィド、ペンタアザジエンのようなアゾ化合物、有機過酸化物( 例えば、ヒドロペルオキシド、ペルオキシカルボナート、t e r t − ブチルヒドロペルオキシド) 等が挙げられる。熱重合開始剤としては、中でも気泡が発生しない有機過酸化物の使用が好ましい。有機過酸化物は汎用に使用されているものが使用でき、例えば、ペルオキシジカーボナート、ペルオキシエステル、ペルオキシケタール、ケトンペルオキシド、ヒドロペルオキシドなど、各種の過酸化物が挙げられる。このような有機過酸化物は1 種を用いても2 種以上を併用してもよく、また溶媒で希釈したり、粉体に吸着させて用いてもよい。重合開始剤は、組成物全量に対して0.01〜10質量% 使用することが好ましい。前記割合が0 . 01質量% 未満では、加熱時の硬化が不充分となる傾向があり、1 0 質量% を超えると硬化反応に影響を及ぼし好ましくない場合がある。
また、本発明の組成物には、保存中の望ましくない反応を抑制する等の目的で、重合抑制剤や連鎖移動剤、UV吸収剤や安定剤等の公知慣用の添加剤を適宜添加することもできる。該重合抑制剤としては、例えばヒドロキノン、ヒドロキノン誘導体、p − メトキシフェノール、立体障害性フェノール、例えば2 , 6 − ジ− t e r t − ブチル− p − クレゾールが挙げられる。 また、暗所での貯蔵の際の安定性を増大させるには、例えば、銅化合物( 例えば、ナフテン酸、ステアリン酸若しくはオクトエ酸銅) 、リン化合物( 例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル若しくは亜リン酸トリベンジル) 、第四級アンモニウム化合物( 例えば、テトラメチルアンモニウムクロリド若しくはトリメチルベンジルアンモニウムクロリド) 、ヒドロキシルアミン誘導体( 例えば、N − ジエチルヒドロキシルアミン) を加えてもよい。前記連鎖移動剤としては、例えば、メルカプタン、アミン、ベンゾチアゾールが挙げられる。
また、光安定剤を少量加えることもでき、該光安定剤としては、U V 吸収剤( 例えば、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルベンゾフェノン、オキサルアミド又はヒドロキシフェニル− s − トリアジン型のもの) が挙げられる。これらの化合物は、立体障害性アミンの存在又は不在下で、単独で用いることもできるし、混合物として用いることもできる。 前記U V 吸収剤及び光安定剤としては、例えば、2 − ( 2 ’ − ヒドロキシフェニル) ベンゾトリアゾール、2 − ヒドロキシベンゾフェノン、置換又は非置換安息香酸のエステル、アクリラート、立体障害性アミン、オキサルアミド、2 − ( 2 − ヒドロキシフェニル) − 1 , 3, 5 − トリアジン、亜リン酸エステル及びホスホン酸エステルなどが挙げられる。
本発明の組成物には、その他成分として、接着性を向上させるために、公知慣用のシランカップリング剤や流れ改質剤、付着促進剤を混合することもできる。そのようなシランカップリング剤として、具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス( 2 − メトキシエトキシ) シラン、ビニルトリクロルシラン( K A − 1 0 0 3、信越化学) 、2 − ( 3 , 4 エポキシシクロヘキシル) エチルトリメトキシシラン( K BM − 3 0 3 、信越化学) 、p − スチリルトリメトキシシラン( K B M − 1 4 0 3 、信越化学) 、3 − メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン( K B M − 5 0 2 、信越化学) 、3 − アクリロキシプロピルトリメトキシシラン( K B M − 5 1 0 3 、信越化学) 、3 − アミノプロピルトリエトキシシラン、3− アミノプロピルトリメトキシシラン( K B M − 9 0 3 、信越化学)、N − ( 2 − アミノエチル) − 3 − アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N − ( 2 − アミノエチル) − 3 − アミノプロピルトリメトキシシラン、3 − グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3 − グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3 − クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3 − クロロプロピルトリメトキシシラン、及び3 − メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
<フィラー>
また、本発明の組成物には、粘度調整や保存安定性、硬化物の剛性や粘弾性、嵩密度や膨張率の調節などの目的に応じて充填剤(フィラー)を添加してもよい。該フィラーとしては特に限定されず、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、酸化アルミニウム( アルミナ) 、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、石膏、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸ジルコニウム、チタン酸カリウム、カオリン、タルク、ガラスビーズ、セリサイト活性白土、ベントナイト、窒化アルミニウム、窒化珪素、米国特許第5 , 0 1 3 , 7 6 8 号明細書に記載のガラス微小球、又は微粉化ガラス繊維等の無機フィラー、或いはまた、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン及びこれらと共重合可能なモノマー類を共重合した共重合体、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ゴム微粒子等の公知の有機フィラー等が挙げられる。
<着色剤>
また、本発明の組成物には、質感や視認性、デザイン性等の観点から染料や顔料等の着色剤を添加してもよい。染料としては、市販の染料及び例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、トリアリールメタン系、カルボニウム系、アントラキノン系、ナフトキノン系、キノンイミン系、アゾメチン系、アゾ系、金属錯塩アゾ系、ベンジリデン系、オキソノール系、シアニン系、フェノチアジン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系、メチン系、アジン系、オキサジン系、チアジン系、アンスラピリドン系、スクワリリウム系、ピリリウム塩系、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。
好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭59−202829号、特開昭60−78787号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。
また、米国特許第5,156,938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号に開示されているピリリウム化合物も好ましく用いられる。また、染料として好ましい別の例として、米国特許第4,756,993号明細書中に記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
また、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報、特開2004−252201号公報等に開示されている色素も使用できる。
多くの染料は重合系の感度の低下を生じる場合があり、着色剤としては、特に顔料の使用が好ましい。
本発明において必要に応じて添加される顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)、特開2004−252201号明細書、特開2007−138105号明細書、特開2007−177177号明細書等に記載されている顔料が利用できる。
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラックである。
これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
顔料の粒径は0.01μmから10μmの範囲にあることが好ましく、0.05μmから1μmの範囲にあることがさらに好ましく、特に0.1μmから1μmの範囲にあることが好ましい。顔料の粒径を0.01μm以上にすると、分散物の画像記録層塗布液中での安定性が増し、また、10μm以下にすると画像記録層の均一性が良好になる。
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
この他に、必要に応じて公知の添加物を本発明の組成物に添加することができる。例えば、界面活性剤、マット剤、例えば、欧州特許第4 3 8 , 1 2 3 号、英国特許第2 , 1 8 0 , 3 5 8 号公報、及び特開平6 − 6 8 , 3 0 9 号公報に記載されたチオール、チオエーテル、ジスルフィド、ホスホニウム塩、ホスフィンオキシド又はホスフィン等の促進剤や助開始剤並びに自動酸化剤、光学的光沢剤、湿潤剤、平滑助剤、分散剤、凝集防止剤、消泡剤、レベリング剤、イオントラップ剤、イオン交換剤、例えばジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等の可塑剤、その他添加剤等などを更に用いてもよい。
前記で挙げた添加剤は、用途分野、及びその分野に対して必要とされる特性に応じて選択するのが好ましい。上記の添加剤は、当技術に慣用されるものであり、そのため、添加剤の添加量としては、それぞれの用途において常用される量を添加するのが好ましい。
本発明のまた別の態様は、少なくとも一つの前記<1>〜前記<14>に記載のアセチレン化合物、及び/又は少なくとも一つの前記<15>〜前記<18>に記載のポリマーを含む組成物、或いは前記<15>〜前記<18>に記載のポリマーを硬化させてなる硬化物である。該硬化物を得る方法としては前記本発明の組成物、及び/又は少なくとも一つの前記<15>〜前記<18>に記載のポリマー又はその溶液を加熱乾燥させたもの、或いは本発明の組成物の粉体を溶融し固化させたものなどがあるが、これらに限定されるものではない。
得られた本発明の重合体(ポリマー)はアセチレン基を構成成分として含有しており、このアセチレン基をさらに重合させることによって、より優れた機械特性と耐熱性を有する硬化物を得ることが可能である。(ここで、重合体中のアセチレンが反応したことによって生じた生成物を「硬化物」とする)。アセチレン基の反応方法としては特に限定されないが、熱や光、放射線の照射によってアセチレン基同士の反応、いわゆる重合反応を進行させることができる。アセチレン基の重合反応によって、得られた目的物(硬化物)が分岐ないし三次元の架橋構造を持ち、引張り弾性率や耐熱性(ガラス転移温度)に優れた成形物を得ることが可能となる。
本発明の組成物は、保存時は重合を生じることなく保存安定性に優れ、架橋基や重合性基に応じて、熱、光、紫外線、電子線等のエネルギー付与によって効率的に重合を開始し、該重合性化合物が短時間で効率的に重合し、或いは本発明のポリマーや化合物の側鎖、主鎖、或いは末端に結合されている架橋基が架橋して硬化した樹脂硬化物となり、有機溶媒に不溶となり、耐溶剤性、耐薬品性、耐熱性や機械的強度等が向上するものである。したがって、有機溶媒に可溶な状態時に、各種のマトリックス樹脂として、様々な成形手段で多くの成形物の成形に適用することが可能で、汎用性が高く、成形後に架橋硬化させることにより、非常に高い耐溶剤性、耐薬品性、機械的強度を発揮することができるもので、優れた樹脂材料として活用され、機械的部材や電気抵抗体等として好適なものである。そのため、本発明の組成物は、印刷インク( 例えば、スクリーン印刷インク、オフセット、フレキソ印刷インク) として、透明仕上げ( 例えば、木材又は金属に対する白色若しくは有色仕上げ) として、粉末コーティング( 特に、紙、木材、金属又はプラスチックに対するコーティング材料) として、建築、物のマーキングや道路マーキング、写真複製手法、ホログラフ記録の材料、画像記録手法、又は印刷原版の製造、スクリーン印刷マスクの製造のための日光硬化性コーティングとして、歯科充填用組成物として、接着剤として、感圧接着剤として、積層用樹脂として、液体及びフィルム状のエッチングレジスト、はんだレジスト、電気めっきレジスト又は永久レジストとして、プリント回路板や電子回路用の光構成性誘電体として、様々な表示用途用として、プラズマ表示パネルや電気発光表示装置の製造工程での構造の形成用として、カラーフィルタの製造用( 例えば、米国特許第5 , 8 5 3, 4 4 6 号明細書、欧州特許第8 6 3 , 5 3 4 号、特開平9 − 2 4 4 2 3 0 号、同1 0 −6 2 9 8 0 号、同8 − 1 7 1 8 6 3 号公報、米国特許第5 , 8 4 0 , 4 6 5 号明細書、欧州特許第8 5 5 , 7 3 1 号、特開平5 − 2 7 1 5 7 6 号、特開平5 − 6 7 4 0 5 号公報に記載のカラーフィルタ) として、光学スイッチ、光学格子( 干渉格子) 、光回路の製造用として、大量硬化( 透明成形用型でのU V 硬化) 又はステレオリトグラフィ手法による三次元的物品の製造用( 例えば、米国特許第4 , 5 7 5 , 3 3 0 号明細書に記載のような)、複合材料( 例えば、ガラス繊維及び/ 又はその他の繊維並びに他の助剤を少なくとも含むスチレン系ポリエステル) その他の厚層組成物の製造用として、電子部品及び集積回路のコーティング又は密封のためのレジストとして、或いは、光ファイバー用として、又は光学レンズ( 例えば、コンタクトレンズ、フレネルレンズ製造のためのコーティング) として用いることができる。本発明の感光性組成物は、更に、医用機器、補助具、インプラントの製造にも好適に用いることができる。更に、ドイツ国特許第1 9 , 7 0 0 , 0 6 4号及び欧州特許第6 7 8 , 5 3 4 号公報に記載のような、サーモトロピック特性を有するゲルの製造用にも好適に用いることができる。
しかも、成型後に、架橋硬化させることにより、非常に高い耐溶剤性、耐薬品性、機械的強度を発揮することができ、優れた樹脂材料として活用される。なかでも、電気抵抗体用材料や防湿コーティング用材料、例えば特開2006−225481号公報、特開2006−176548号公報、特開2006−169398号公報、特開2005−194370号公報、特開2005−036158号公報等に記載の摺動材として特に好適である。例えば、カーボン抵抗体のバインダー樹脂や、半導体の防湿コート材料などにも用いることができる。可変抵抗器用の抵抗体として用いるには、たとえば、カーボンと混合して抵抗体ペーストを作り、その後、焼成すれば良い。
本発明においては、加熱により架橋構造を形成させる態様であることが好ましい。エネルギー付与が加熱により行われる場合であれば、加熱手段としては、例えば、ヒーターを用いたオーブン、ホットプレート、赤外線や可視光を用いた光熱変換による加熱等を用いることができる。好ましい硬化方法は、本発明の重合体に温度をかける方法であり、その好ましい硬化温度は50〜500℃、より好ましくは150〜450℃、さらに好ましくは200〜400℃である。また、硬化に要する時間は、温度によって異なるため一概にはいえないが、該して、0.1秒〜24時間、好ましくは10分〜10時間、さらに好ましくは30分〜5時間である。これらノ範囲にあった場合には、優れた機械特性と耐熱性を有する硬化物を得ることができる。
エネルギー付与が光照射により行われる場合であれば、光照射手段としては、例えば、低圧〜超高圧までの各水銀灯、メタルハライドランプ、Xeランプなどの紫外から可視域までの光源等を用いることができる。
また、該方法で得られる硬化物の形状としては、膜、ペレット、繊維状のもの、その他各種成型物などがあるが、これらに限定されるものではない。
次に本発明を実施例に基づき、更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<測定装置、測定条件>
得られた化合物は特性評価の為、1H−NMR、MSの各種スペクトルの測定を行った。各特性の測定条件は次の通りとした。
核磁気共鳴スペクトル分析(1H−NMR):BRUKER社製AV400Mを用いて共鳴周波数400MHzで測定した。測定溶媒は、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6)を用いた。
質量分析(MS):Applied Biosystems社製APIQSTAR Pulsar iを用いてESI法で測定した。
<アセチレン化合物の合成 >
[実施例1]
下記式に基づき、例示化合物(1)−64を合成した。
3000mL3ッ口フラスコに、5−アミノイソフタル酸63g、N−メチル−2−ピロリドン600mLを入れ、完溶するまで撹拌した。500mL三角フラスコに、5−エチニルイソベンゾフラン−1,3−ジオン60g、N−メチル−2−ピロリドン600mLを入れ、完溶するまで撹拌し、これを滴下液1とした。該3000mL3ッ口フラスコ中にて撹拌を継続しながら、滴下液1を滴下ロートを用いて15分間かけて滴下し、40℃に加熱して、4時間撹拌を続けた。
フラスコを室温まで冷却し、ピリジン2.8gをN−メチル−2−ピロリドン20mLに溶解させて該3000mL3ッ口フラスコ中に添加し、続いて無水酢酸153gとN−メチル−2−ピロリドン150mLの混合液を該3000mL3ッ口フラスコ中に滴下ロートを用いて15分間かけて滴下し、4時間撹拌を続けたのち、撹拌を停止して一晩放置した。
撹拌を再開すると共にフラスコを氷冷し、炭酸水素ナトリウム252gを1600mLのイオン交換水に溶解させた水溶液を2時間かけて滴下し、ナトリウム塩として析出させ、濾別することで、目的の例示化合物(1)−64を83g得た。(収率63%)。
MS:M+=379.23
[実施例2]
下記式に基づき、例示化合物(1)−63を合成した。
例示化合物(1)−64を濃塩酸175mLとイオン交換水1000mLから調整した塩酸水溶液中で中和し、例示化合物(1)−63の粗結晶を得た。該粗結晶をイオン交換水1000mLで洗浄、濾別し、3000mL3ッ口フラスコ中に投入、N−メチル−2−ピロリドン1800mLに溶解させたのち、アセトニトリル210mLとイオン交換水490mLからなる混合液を滴下ロートを用いて1時間かけて滴下して、例示化合物(1)−63を析出させた。該結晶をアセトニトリル500mLで洗浄、濾別し、目的の例示化合物(1)−63を45g得た。(収率61%)
MS:M+=335.04
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ=12.79(s,2H),δ=8.85(s,2H),δ=8.34(s,1H),δ=8.29(s,1H),δ=8.10(d,1H),δ=7.85(d,1H),δ=4.65(s,1H)
[実施例3]
下記式に基づき、例示化合物(1)−67を合成した。
2000mL3ッ口フラスコに、5−アミノイソフタル酸ジメチル63g、N−メチル−2−ピロリドン200mLを入れ、完溶するまで撹拌した。500mL三角フラスコに、5−エチニルイソベンゾフラン−1,3−ジオン52g、N−メチル−2−ピロリドン400mLを入れ、完溶するまで撹拌し、これを滴下液2とした。該3000mL3ッ口フラスコ中にて撹拌を継続しながら、滴下液2を滴下ロートを用いて15分間かけて滴下し、40℃に加熱して、4時間撹拌を続けた。
フラスコを室温まで冷却し、ピリジン2.4gをN−メチル−2−ピロリドン20mLに溶解させて該2000mL3ッ口フラスコ中に添加し、続いて無水酢酸101gとN−メチル−2−ピロリドン100mLの混合液を該2000mL3ッ口フラスコ中に滴下ロートを用いて15分間かけて滴下し、4時間撹拌を続けた。反応進行により、例示化合物(1)−67の析出が認められた。反応終了後、例示化合物(1)−67の結晶をアセトニトリル500mLで洗浄、濾別し、目的の例示化合物(1)−67を27g得た。(収率25%)
MS:M+=363.07
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ=8.85(s,2H),δ=8.34(s,1H),δ=8.29(s,1H),δ=8.10(d,1H),δ=7.85(d,1H),δ=4.64(s,1H),δ=3.88(s,6H)
[実施例4]
下記式に基づき、例示化合物(1)−5を合成した。
1000mL3ッ口フラスコに5−アミノイソフタル酸ジメチル52g、テトラヒドロフラン600mL、ピリジン21gを入れ、15分間撹拌した。該1000mL3ッ口フラスコ中にて撹拌を継続しながら、テトラヒドロフラン100mLを用いて希釈したクロロ炭酸フェニル41gを、滴下ロートを用いて10分間かけて滴下し、そのまま室温で3時間撹拌を続けた。
反応により副生したピリジン塩酸塩を濾別し、例示化合物(2)−5を含む濾液を2000mL3ッ口フラスコに移した。ピリジン塩酸塩を酢酸エチル800mL、イオン交換水400mLを用いて抽出洗浄し、酢酸エチル相をロータリーエバポレーターにて減圧濃縮・乾固させたものをテトラヒドロフラン100mLに溶解させ、2000mL3ッ口フラスコに移し、前記濾液と合わせた。
テトラヒドロフラン100mLを用いて希釈した3−エチニルアニリン30gを、滴下ロートを用いて10分間かけて滴下した。続いてテトラヒドロフラン100mLを用いて希釈したトリエチルアミン76gを、滴下ロートを用いて10分間かけて滴下し、4時間加熱還流した。
室温まで冷却し、2000mLの酢酸エチルを入れた3000mL3ッ口フラスコに30分間かけて滴下し、得られた結晶を濾過することで、目的の例示化合物(1)−5を73.5g得た。(収率83%)
MS:M+=352.11
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ=9.21(s,1H),δ=8.86(s,1H),δ=8.42(s,2H),δ=8.02(s,1H),δ=7.81(s,1H),δ=7.62(d,1H),δ=7.29(t,1H),δ=7.14(d,1H),δ=4.35(s,6H),δ=4.17(s,1H)
[実施例5]
下記式に基づき、例示化合物(1)−2を合成した。
1000mL3ッ口フラスコに例示化合物(1)−573.5g、テトラヒドロフラン400mL、を入れ、15分間撹拌した。水酸化ナトリウム25gをイオン交換水200mLから調整した水酸化ナトリウム水溶液を、滴下ロートを用いて10分間かけて滴下し、40℃に加熱し、2時間撹拌を続けた。
上記反応液を1000mLのアセトニトリルを入れた2000mL3ッ口フラスコに移し、得られた結晶を濾過することで、目的の例示化合物(1)−2を67.4g得た。(収率88%)
MS:M+=368.25
[実施例6]
下記式に基づき、例示化合物(1)−1を合成した。
例示化合物(1)−267.4gをテトラヒドロフラン400mLを入れた1000mL3ッ口フラスコに移し、15分間撹拌した。内温が10℃以下になるまで氷冷し、3M塩酸160mLを、滴下ロートを用いて10分間かけて滴下し、氷冷を継続したまま30分間撹拌を続けた。
上記反応液を5000mL分液ロートに移し、酢酸エチル2000mL、イオン交換水800mLを用いて酢酸エチル相を抽出し、ロータリーエバポレーターにて減圧濃縮・乾固させたものをテトラヒドロフラン200mLに溶解させ、800mLのアセトニトリルを入れた2000mL3ッ口フラスコに30分間かけて滴下し、得られた結晶を濾過することで、目的の例示化合物(1)−1を42.7g得た。(収率72%)
MS:M+=324.07
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ=13.21(s,2H),δ=9.21(s,1H),δ=8.86(s,1H),δ=8.42(s,2H),δ=8.02(s,1H),δ=7.81(s,1H),δ=7.62(d,1H),δ=7.29(t,1H),δ=7.14(d,1H),δ=4.18(s,1H)
[実施例7]
下記式に基づき、例示化合物(1)−1を一貫法により合成した。

2000mL3ッ口フラスコに5−アミノイソフタル酸ジメチル52g、テトラヒドロフラン600mL、ピリジン21gを入れ、15分間撹拌した。該2000mL3ッ口フラスコ中にて撹拌を継続しながら、テトラヒドロフラン100mLを用いて希釈したクロロ炭酸フェニル41gを、滴下ロートを用いて10分間かけて滴下し、そのまま室温で3時間撹拌を続けた。
続いて3−エチニルアニリン30gを、滴下ロートを用いて10分間かけて滴下した。続いてテトラヒドロフラン100mLを用いて希釈したトリエチルアミン76gを、滴下ロートを用いて10分間かけて滴下し、4時間加熱還流した。
室温に戻した後、水酸化ナトリウム25gをイオン交換水200mLから調整した水酸化ナトリウム水溶液を、滴下ロートを用いて10分間かけて滴下し、40℃に加熱し、2時間撹拌を続けた。内温が10℃以下になるまで氷冷し、3M塩酸160mLを、滴下ロートを用いて10分間かけて滴下し、氷冷を継続したまま30分間撹拌を続けた。
上記反応液を5000mL分液ロートに移し、酢酸エチル2500mL、イオン交換水800mLを用いて酢酸エチル相を抽出し、ロータリーエバポレーターにて減圧濃縮・乾固させたものをテトラヒドロフラン200mLに溶解させ、800mLのアセトニトリルを入れた2000mL3ッ口フラスコに30分間かけて滴下し、得られた結晶を濾過することで、目的の例示化合物(1)−1を49.2g得た。(収率61%)
MS:M+=324.07
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ=13.21(s,2H),δ=9.21(s,1H),δ=8.86(s,1H),δ=8.42(s,2H),δ=8.02(s,1H),δ=7.81(s,1H),δ=7.62(d,1H),δ=7.29(t,1H),δ=7.14(d,1H),δ=4.18(s,1H)
[実施例8]
下記式に基づき、例示化合物(1)−12を一貫法により合成した。

方法は、3−エチニルアニリンの代わりに、4−エチニルアニリンを用いた以外は、実施例7.と同様である。収量52.4g。(収率65%)
MS:M+=324.07
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ=13.21(s,2H),δ=9.21(s,1H),δ=8.86(s,1H),δ=8.42(s,2H),δ=8.02(s,1H),δ=7.61(d,2H),δ=7.40(d,2H),δ=4.20(s,1H)
[実施例9]
下記式に基づき、例示化合物(1)−16を合成した。
方法は、3−エチニルアニリンの代わりに、4−エチニルアニリンを用いた以外は、実施例7.と同様である。収量70.8g。(収率80%)
MS:M+=352.11
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ=9.21(s,1H),δ=8.86(s,1H),δ=8.42(s,2H),δ=8.02(s,1H),δ=7.61(d,2H),δ=7.40(d,2H),δ=4.35(s,6H),δ=4.19(s,1H)
[実施例10]
下記式に基づき例示化合物(1)−95を合成した。
3ッ口フラスコに、ポリリン酸12g、3−エチニルアニリン12gを加え、100℃まで加熱、続いて実施例6の方法により合成した(1)−1を32gを入れ、200℃に加熱し、12時間撹拌を続けた。得られた反応液を500mLのイオン交換水を入れたビーカー中に投入し、得られた目的生成物の固体を炭酸水素ナトリウム水溶液、ついでイオン交換水、メタノールで洗浄したのち濾別して、目的の例示化合物(1)−95を34gを得た。(収率65%)
[実施例1a]
下記式に基づき、例示化合物(1)−67aを合成した。
5000mL3ッ口フラスコに、3,5−ジアミノ安息香酸61g、N−メチル−2−ピロリドン400mLを入れ、完溶するまで撹拌した。500mL三角フラスコに、5−エチニルイソベンゾフラン−1,3−ジオン120g、N−メチル−2−ピロリドン700mLを入れ、完溶するまで撹拌し、これを滴下液1とした。該5000mL3ッ口フラスコ中にて撹拌を継続しながら、滴下液1を滴下ロートを用いて20分間かけて滴下し、40℃に加熱して、4時間撹拌を続けた。
フラスコを室温まで冷却し、ピリジン5.8gをN−メチル−2−ピロリドン20mLに溶解させて該5000mL3ッ口フラスコ中に添加し、続いて無水酢酸310gとN−メチル−2−ピロリドン300mLの混合液を該5000mL3ッ口フラスコ中に滴下ロートを用いて20分間かけて滴下し、4時間撹拌を続けたのち、撹拌を停止して一晩放置した。
撹拌を再開すると共にフラスコを氷冷し、炭酸水素ナトリウム510gを3200mLのイオン交換水に溶解させた水溶液を2時間かけて滴下し、ナトリウム塩として析出させ、濾別することで、目的の例示化合物(1)−67aを131g得た。(収率68%)。
MS:M+=482.38
[実施例2a]
下記式に基づき、例示化合物(1)−66aを合成した。
例示化合物(1)−67a 131gを濃塩酸350mLとイオン交換水1000mLから調整した塩酸水溶液中で中和し、例示化合物(1)−66aの粗結晶を得た。該粗結晶をイオン交換水1000mLで洗浄、濾別し、3000mL3ッ口フラスコ中に投入、N−メチル−2−ピロリドン1800mLに溶解させたのち、アセトニトリル210mLとイオン交換水490mLからなる混合液を滴下ロートを用いて1時間かけて滴下して、例示化合物(1)−66aを析出させた。該結晶をアセトニトリル500mLで洗浄、濾別し、目的の例示化合物(1)−66aを80g得た。(収率64%)
MS:M+=460.39
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ=12.79(s,1H),δ=8.36(s,1H),δ=8.29(s,2H),δ=8.25(s,2H),δ=8.10(d2H),δ=7.85(d2H),δ=4.65(s,2H)
[実施例3a]
下記式に基づき、例示化合物(1)−70aを合成した。
5000mL3ッ口フラスコに、3,5−ジアミノ安息香酸メチル66g、N−メチル−2−ピロリドン400mLを入れ、完溶するまで撹拌した。500mL三角フラスコに、5−エチニルイソベンゾフラン−1,3−ジオン120g、N−メチル−2−ピロリドン700mLを入れ、完溶するまで撹拌し、これを滴下液1とした。該5000mL3ッ口フラスコ中にて撹拌を継続しながら、滴下液1を滴下ロートを用いて20分間かけて滴下し、40℃に加熱して、4時間撹拌を続けた。フラスコを室温まで冷却し、ピリジン5.8gをN−メチル−2−ピロリドン20mLに溶解させて該5000mL3ッ口フラスコ中に添加し、続いて無水酢酸310gとN−メチル−2−ピロリドン300mLの混合液を該5000mL3ッ口フラスコ中に滴下ロートを用いて20分間かけて滴下し、4時間撹拌を続けた。反応進行により、例示化合物(1)−70aの析出が認められた。
反応終了後、例示化合物(1)−70aの結晶をアセトニトリル500mLで洗浄、濾別し、目的の例示化合物(1)−70aを93g得た。(収率49%)
MS:M+=474.42
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ=8.36(s,1H),δ=8.29(s,2H),δ=8.25(s,2H),δ=8.10(d2H),δ=7.85(d2H),δ=4.65(s,2H),δ=3.88(s,3H)
[実施例4a]
下記式に基づき、例示化合物(1)−5aを合成した。
2000mL3ッ口フラスコに3,5−ジアミノ安息香酸メチル66g、N−メチル−2−ピロリドン600mLを入れ、15分間撹拌した。該2000mL3ッ口フラスコ中にて撹拌を継続しながら、クロロ炭酸フェニル82gを、滴下ロートを用いて10分間かけて滴下し、そのまま室温で30分間撹拌を続けた。
続いて3−エチニルアニリン60gを、滴下ロートを用いて10分間かけて滴下した。続いてトリエチルアミン153gを、滴下ロートを用いて10分間かけて滴下し、4時間加熱還流した。
上記反応液を5000mL分液ロートに移し、酢酸エチル2500mL、イオン交換水800mLを用いて酢酸エチル相を抽出し、ロータリーエバポレーターにて減圧濃縮・乾固させたものをテトラヒドロフラン200mLに溶解させ、150mLの酢酸エチルを添加、100mLの更にヘキサンを30分間かけて滴下し、得られた結晶を濾過することで、目的の例示化合物(1)−5aを114g得た。(収率63%)
MS:M+=452.46
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ=9.07(s,2H),δ=8.81(s,2H),
δ=8.23(s,1H),δ=7.95(s,2H),δ=7.81(s,2H),δ=7.62(d2H),δ=7.29(t,2H),δ=7.14(d1H),δ=4.36(s,3H),δ=4.15(s,2H)
[実施例5a]
下記式に基づき、例示化合物(1)−1aを合成した。
2000mL3ッ口フラスコに3,5−ジアミノ安息香酸61g、N−メチル−2−ピロリドン600mLを入れ、15分間撹拌した。該2000mL3ッ口フラスコ中にて撹拌を継続しながら、クロロ炭酸フェニル143gを、滴下ロートを用いて10分間かけて滴下し、そのまま室温で30分間撹拌を続けた。
上記反応液を5000mL分液ロートに移し、酢酸エチル2500mL、イオン交換水800mLを用いて酢酸エチル相を抽出し、ロータリーエバポレーターにて減圧濃縮・乾固させたものをN−メチル−2−ピロリドン600mLに溶解させ、2000mL3ッ口フラスコに移した。
続いて3−エチニルアニリン60gを、滴下ロートを用いて10分間かけて滴下した。続いてトリエチルアミン153gを、滴下ロートを用いて10分間かけて滴下し、4時間加熱還流した。
上記反応液を5000mL分液ロートに移し、酢酸エチル2500mL、イオン交換水800mLを用いて酢酸エチル相を抽出し、ロータリーエバポレーターにて減圧濃縮・乾固させたものをテトラヒドロフラン200mLに溶解させ、150mLの酢酸エチルを添加、100mLの更にヘキサンを30分間かけて滴下し、得られた結晶を濾過することで、目的の例示化合物(1)−1aを81g得た。(収率46%)
MS:M+=438.43
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ=12.79(s,1H),δ=9.07(s,2H),δ=8.81(s,2H),δ=8.31(s,1H),δ=8.02(s,2H),δ=7.81(s,2H),δ=7.62(d2H),δ=7.29(t,2H),δ=7.14(d1H),δ=4.16(s,2H)
[実施例6a]
下記式に基づき、例示化合物(1)−2aを合成した。
81gの例示化合物(1)−1aをN−メチル−2−ピロリドン500mLに溶解させ、水酸化ナトリウム25gをイオン交換水200mLから調整した水酸化ナトリウム水溶液を、滴下ロートを用いて10分間かけて滴下し、2時間撹拌を続けた。
上記反応液を1000mLのアセトニトリルを入れた2000mLフラスコに移し、得られた結晶を濾過することで、目的の例示化合物(1)−2aを60.3g得た。(収率71%)
MS:M+=460.42
[実施例7a]
下記式に基づき、例示化合物(1)−16aを合成した。
方法は、3−エチニルアニリンの代わりに、4−エチニルアニリンを用いた以外は、実施例4a.と同様である。収量119g。(収率66%)
MS:M+=452.46
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ=9.07(s,2H),δ=8.81(s,2H),δ=8.23(s,1H),δ=7.95(s,2H),δ=7.61(d,4H),δ=7.40(d,4H),δ=4.36(s,3H),δ=4.15(s,2H)
[実施例8a]
下記式に基づき、例示化合物(1)−12aを一貫法により合成した。
方法は、3−エチニルアニリンの代わりに、4−エチニルアニリンを用いた以外は、実施例5a.と同様である。収量73.7g。(収率42%)
MS:M+=438.43
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ=13.21(s,1H), δ=9.07(s,2H),δ=8.81(s,2H),δ=8.31(s,1H),δ=8.02(s,2H),δ=7.61(d,4H),δ=7.40(d,4H),δ=4.15(s,2H)
[実施例9a]
下記式に基づき例示化合物(1)−98aを合成した。
3ッ口フラスコに、ポリリン酸12g、3−エチニルアニリン12gを加え、100℃まで加熱、続いて実施例6aの方法により合成した(1)−1aを54gを入れ、200℃に加熱し、12時間撹拌を続けた。得られた反応液を500mLのイオン交換水を入れたビーカー中に投入し、得られた目的生成物の固体を炭酸水素ナトリウム水溶液、ついでイオン交換水、メタノールで洗浄したのち濾別して、目的の例示化合物(1)−98aを30.6g得た。(収率57%)
[比較例1]
の(実施例1)に従い、5−(4−(2−フェニルエチニル)フェノキシ)イソフタル酸4.5gを得た。MS:M+=358.08[比較例1a] 特許文献(特開平3−227954)の実施例2に従い、メタ−エチニル安息香酸 45gを得た。MS:M+=146.14
<ポリマー物性評価 >
[実施例11]
例示化合物(1)−63を含むポリベンゾイミダゾールの合成
3ッ口フラスコに、ポリリン酸120g、3,3’,4,4’−テトラアミノビフェニル23.6gを加え、100℃まで加熱、続いて例示化合物(1)−630.68g及びイソフタル酸16.3gを入れ、200℃に加熱し、12時間撹拌を続けた。得られた反応液を500mLのイオン交換水を入れたビーカー中に投入し、得られた目的生成物の固体を炭酸水素ナトリウム水溶液、ついでイオン交換水、メタノールで洗浄したのち濾別して、平均分子量約30000のポリベンゾイミダゾールを得た。
[実施例12]
例示化合物(1)−1を含むポリベンゾイミダゾールの合成
例示化合物(1)−63を0.68gの代わりに、例示化合物(1)−1を0.65g用いた以外は、実施例10と同様である。
[実施例13]
例示化合物(1)−1を含むポリベンゾオキサゾールの合成
例示化合物(1)−63を0.68gの代わりに、例示化合物(1)−1を0.65g用いた点、3,3’,4,4’−テトラアミノビフェニル23.6gの代わりに、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル23.8gを用いた点以外は、実施例10と同様である。
[実施例10a]
例示化合物(1)−63aを含むポリベンゾイミダゾールの合成
3ッ口フラスコに、ポリリン酸120g、3,3’,4,4’−テトラアミノビフェニル22.5gを加え、100℃まで加熱、続いて16.6gの及びイソフタル酸を入れ、200℃に加熱し、12時間撹拌を続けた。更にポリリン酸10g、2.3gの例示化合物(1)−63aを添加し、12時間撹拌を続けた。
得られた反応液を500mLのイオン交換水を入れたビーカー中に投入し、得られた目的生成物の固体を炭酸水素ナトリウム水溶液、ついでイオン交換水、メタノールで洗浄したのち濾別して、平均分子量約30000のポリベンゾイミダゾールの末端に例示化合物(1)−63aが結合したポリマー化合物を得た。
[実施例11a]
例示化合物(1)−1aを含むポリベンゾイミダゾールの合成
例示化合物(1)−63aを2.3gの代わりに、例示化合物(1)−1aを2.2g用いた以外は、実施例10aと同様である。
[実施例12a]
例示化合物(1)−1aを含むポリベンゾオキサゾールの合成
3,3’,4,4’−テトラアミノビフェニル22.5gの代わりに、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル22.7gを用いた点以外は、実施例10aと同様である。
[比較例2]
5−(4−(2−フェニルエチニル)フェノキシ)イソフタル酸を含むポリベンゾイミダゾールの合成
(1)−1を0.65gの代わりに、比較例1の方法により合成した、5−(4−(2−フェニルエチニル)フェノキシ)イソフタル酸0.72gを用いた以外は、実施例11と同様である。
[比較例2a]
メタ−エチニル安息香酸を含むポリベンゾイミダゾールの合成
例示化合物(1)−63aを2.3gの代わりに、比較例1aの方法により合成した、メタ−エチニル安息香酸 0.74gを用いた以外は、実施例10aと同様である。
[実施例13a]
実施例5a、実施例6a、比較例2aにより得られたポリベンゾイミダゾール誘導体2gをそれぞれN,N−ジメチルアセトアミド100mLに溶解させ、石英ガラス基板上にコイルバーを用いて塗布、乾燥、400℃での熱硬化処理を施した後、石英ガラス基板上に得られたポリベンゾイミダゾールのフィルムについて、引張り強度を測定した。引張り強度の測定には、東洋精機製の引張強度試験機、ストログラフ V1−Cを用いた。
その結果を[表1]に示す。
[実施例14]
実施例5、実施例6、比較例2により得られたポリベンゾイミダゾール2gをそれぞれN,N−ジメチルアセトアミド100mLに溶解させ、石英ガラス基板上にコイルバーを用いて塗布、乾燥、400℃での熱硬化処理を施した後、石英ガラス基板上に得られたポリベンゾイミダゾールのフィルムについて、引張り強度を測定した。引張り強度の測定には、東洋精機製の引張強度試験機、ストログラフ V1−Cを用いた。
その結果を(表2)に示す。
上記表1及び表2から明らかなように、本発明により得られたアセチレン化合物を含むポリマーから得られたフィルムは、引張り強度が優れていることが分かる。
本発明により提供される新規アセチレン化合物をポリマーに導入し、熱硬化処理を施すことで、機械強度、耐熱性、耐薬品性を向上しうる熱硬化可能なポリマーを得ることができる。

Claims (25)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物。

    (一般式(1)において、円で囲ったArはアリール基又はヘテロアリール基を表し、Xは、−NR(C=O)−,−NR(C=O)O−,−NR(C=O)NR’−,−(C=O)−,−(C=O)O−,−O(C=O)O−,−(C=O)S−,−NR(C=S)−,−NR(C=S)NR’−,−O(C=S)O−, −O−,又は−S−に示される2価の連結基を表し、R、R’、Rはそれぞれ水素原子、炭化水素基、又はヘテロ環基を表す。Rは水素原子又は、ベンゼン環に置換可能な置換基を表す。Aは炭化水素基、又はヘテロ環基を表し、Qは水素原子、炭化水素基、又は1価の金属塩を形成しうる金属元素を表す。aは0以上の整数、bは1以上の整数、mは1以上の整数、nは1以上の整数を表す。但し、n、m、bが共に1の時、Xは−(C=O)O−ではなく、nが2で、m、bが共に1の時、Xは−O−ではない。
  2. 請求項1の化合物が、下記一般式(2)で表されることを特徴とする請求項1の化合物。


    (一般式(2)中、Xは−NR(C=O)−,−NR(C=O)O−,−NR(C=O)NR’−,又は−(C=O)O−に示される2価の連結基を表す。Rは水素原子又は、ベンゼン環に置換可能な官能基を表し、R、Rは、それぞれ前記一般式(1)のR、Rと同義である。aは0以上4以下、bは1以上5以下、cは0以上3以下の整数を、mは1以上5以下の整数を、nは1以上5以下の整数を表し、c、m、nの和は6とする。但し、n、m、bが共に1の時、Xは−(C=O)O−ではない。
  3. 前記一般式(2)のmが2から5の整数であり、nが1であり、Xが−NR(C=O)−,−NR(C=O)O−,又は−NR(C=O)NR’−で示される2価の連結基であることを特徴とする請求項2の化合物。
  4. 前記一般式(2)のmが1であり、nが2から5の整数であることを特徴とする請求項2の化合物。
  5. 前記一般式(2)のnが2であることを特徴とする請求項4の化合物。
  6. 前記一般式(2)のbが1であることを特徴とする請求項5の化合物。
  7. 前記一般式(2)のmが2であることを特徴とする請求項3の化合物。
  8. 前記一般式(2)においてbが1であり、Rにより置換されたエチニル基の置換位置が、連結基Xに対してメタ又はパラ位であることを特徴とする請求項2の化合物。
  9. 前記一般式(2)の化合物が、下記一般式(3)で表されることを特徴とする請求項2の化合物。


    (一般式(3)中、R、R、R、Q、a、b、c、m、nは、それぞれ前記一般式(2)のR、R、R、Q、a、b、c、m、nと同義である。)。
  10. 前記一般式(2)の化合物が、下記一般式(4)で表されることを特徴とする請求項2の化合物。


    (一般式(4)中、bは1以上4以下の整数を表し、R、R、Q、c、m、nは、それぞれ前記一般式(2)のR、R、Q、c、m、nと同義である。)。
  11. 前記一般式(3)において、mが2であり、nが1であることを特徴とする請求項9の化合物。
  12. 前記一般式(4)において、mが2であり、nが1であることを特徴とする請求項10の化合物。
  13. 請求項1の化合物と、カルボキシル基と反応可能な官能基を持ち、且つ一つ以上のR1eにより置換されたエチニル基を有する化合物とが反応し、生成したことを特徴とする下記一般式(5)で表される化合物。


    (一般式(5)中、R、R、円で囲ったAr、X、A、a、b、m、nは、一般式(1)のそれらと同義であり、d、Z、R1eは、一般式(1)のb、A、Rとそれぞれ同義であり、Yは−NR−、−O−、又は−S−を表す。Rは一般式(1)のRと同義である。)
  14. 前記一般式(5)において、mが2であり、nが1であることを特徴とする請求項13の化合物。
  15. 少なくとも請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の化合物を構成単位として含むポリマー。
  16. 前記ポリマーにおいて、請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の化合物で構成される構成単位以外の構成単位が、ジカルボン酸化合物とテトラアミノ化合物の縮合体、ジカルボン酸化合物とビス(オルトヒドロキシアミノ)化合物の縮合体、ジカルボン酸化合物とジアミン化合物の縮合体、ジカルボン酸化合物とジオール化合物の縮合体のいずれかの構成単位を含むことを特徴とする請求項15に記載のポリマー。
  17. 前記ポリマーが2種類以上のポリマーのブロック共重合体構造を有することを特徴とする請求項15に記載のポリマー。
  18. 前記ポリマーにおいて、請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の化合物で構成される構成単位以外の構成単位が、ジカルボン酸化合物とテトラアミノ化合物の縮合体、ジカルボン酸化合物とビス(オルトヒドロキシアミノ)化合物の縮合体、のいずれかの構成単位からなることを特徴とする請求項15に記載のポリマー。
  19. 下記一般式(6)に示すアミノカルボン酸エステルのアミノ基を、ハロゲノ炭酸エステルを用いて下記一般式(7)に示すカルバミン酸エステルに変換し、これと下記一般式(8)に示すアミノ基含有アセチレン化合物とを反応させることで下記一般式(9)で表されるRにより置換されたエチニル基を有するエステル化合物を合成し、これを加水分解することで、請求項9の化合物である下記一般式(10)で表されるカルボン酸化合物を得ることを特徴とする製造方法。

    (ここで、Rは、それぞれ水素原子、又は炭化水素基を表し、Xaはハロゲン原子を表す。R、R、R、Q,a、b、c、m、nは、それぞれ前記一般式(3)におけるR、R、R、Q,a、b、c、m、nと同義である。)。
  20. 前記製造方法において、中間体を取り出す事無く、一貫化して行なうことを特徴とする前記一般式(10)で表されるカルボン酸化合物を製造する請求項19の製造方法。
  21. 前記製造方法において、m、nがそれぞれ1又は2であり、かつm+n=3であることを特徴とする請求項19に記載の製造方法。
  22. 下記一般式(11)で表されるアミノカルボン酸誘導体と、下記一般式(12)に示したRにより置換されたエチニル基を有するアセチレン化合物を反応させることで、下記一般式(13)で表されるアミド酸化合物に変換し、さらにこれを環化させることで、前記一般式(4)で表される生成物を合成し、これら一連の工程について下記一般式(13)に示したアミド酸化合物を取り出す事無く、一貫化して行なうことを特徴とする請求項10の化合物の製造方法。


    (ここで、R、R、b、c、m、nは、それぞれ前記一般式(4)におけるR、R、b、c、m、nと同義である。)。
  23. 前記製造方法において、m、nがそれぞれ1又は2であり、かつm+n=3であることを特徴とする請求項22に記載の製造方法。
  24. 少なくとも請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の化合物、及び/又は少なくとも請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の化合物を構成単位として含むポリマーを含む組成物。
  25. 前記請求項24に記載の組成物を硬化させてなる硬化物。
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