JP4618288B2 - 熱媒体循環装置及びこれを用いた熱処理装置 - Google Patents
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この種の熱処理装置は、例えば真空引き可能になされた処理容器内に、半導体ウエハを載置する載置台を設け、ウエハの加熱手段として加熱ランプや、抵抗加熱ヒータ等を有している。そして、熱処理時には、処理容器の天井部等に設けたシャワーヘッド部から所定の必要なガスを処理容器内へ供給しつつ容器内部を所定のプロセス圧力に維持し、それと共にウエハを所定のプロセス温度に加熱維持して、成膜処理等を施すことになる。
しかしながら、このチラー装置は、熱媒体の温度コントロールが容易であるという利点を有するが、上述のように非常に大型であるために、設備コストの高騰を招来するのみならず、設置スペース(フットプリント)も過大になってしまう、といった問題があった。
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、装置自体が小型で、且つ設置スペースもそれ程要しない熱媒体循環装置及びこれを用いた熱処理装置を提供することにある。
このように、主熱交換器と副熱交換器とを用いて、主たる熱交換は主熱交換器にて熱媒体を冷却することにより行い、その後、微妙な温度調整用の熱交換は熱電冷却素子を用いた副熱交換器にて行うようにしたので、送出される熱媒体の温度を適正にコントロールできるのみならず、装置自体を小型化することができ、しかもその設置スペースも大幅に削減することが可能となる。
このように、主熱交換器と副熱交換器とを用いて、主たる熱交換は主熱交換器にて熱媒体を冷却することにより行い、その後、微妙な温度調整用の熱交換は熱電冷却素子を用いた副熱交換器にて行うようにしたので、送出される熱媒体の温度を適正にコントロールできるのみならず、装置自体を小型化することができ、しかもその設置スペースも大幅に削減することが可能となる。
この場合、例えば請求項2に規定するように、前記循環ポンプの下流側の前記熱媒体循環系に設けられた温度検出センサ部と、該温度検出センサ部の出力に基づいて前記熱電冷却素子の出力を制御する温度制御部とを備える。
これによれば、熱交換フィンの作用により、副熱交換器における熱交換効率をより向上させることが可能となる。
請求項4に係る発明は、熱媒体循環系に、温度制御の対象となる温度被制御体と、熱媒体と主たる熱交換を行う主熱交換器と、前記熱媒体を一時的に貯留する貯留槽と、循環ポンプとを介設してなる温度制御用の熱媒体循環装置において、前記主熱交換器の下流側の前記熱媒体循環系に、副熱交換器を介設し、前記主熱交換器に対して前記熱媒体を迂回させるバイパス路を備え、前記副熱交換器は、前記貯留槽の蓋部に設けられて下端が前記貯留槽内に貯留されている熱媒体に浸漬された複数のヒートパイプと、前記蓋部にその一面が接合された熱電冷却素子と、前記熱電冷却素子の他面に接合された熱廃棄ユニットとよりなり、前記熱媒体の温度制御を行うように構成したことを特徴とする熱媒体循環装置である。
また、例えば請求項6に規定するように、前記主熱交換器に対して前記熱媒体を迂回させるバイパス路を設ける。
また、例えば請求項7に規定するように、必要時には前記熱媒体は前記主熱交換器を迂回して前記バイパス路に流れると共に、前記熱電冷却素子は、前記熱媒体を加熱するように動作する。
これにより、必要時には熱媒体は、主熱交換器をバイパスされて副熱交換器に直接導入されてここで加熱昇温され、加熱状態で温度被制御体に流してこれを加熱することが可能となる。
また、例えば請求項8に規定するように、前記熱電冷却素子は、ペルチェ素子である。
請求項10に規定する発明は、上記熱媒体循環装置を用いた熱処理装置であり、すなわち、真空引き可能になされた処理容器と、被処理体を載置する載置台と、必要なガスを前記処理容器内へ供給するガス供給手段と、前記被処理体を加熱する加熱手段と、上記熱媒体循環装置とを備えたことを特徴とする熱処理装置である。
請求項1、2、4〜6、8〜10に規定する発明によれば、主熱交換器と副熱交換器とを用いて、主たる熱交換は主熱交換器にて熱媒体を冷却することにより行い、その後、微妙な温度調整用の熱交換は熱電冷却素子を用いた副熱交換器にて行うようにしたので、送出される熱媒体の温度を適正にコントロールできるのみならず、装置自体を小型化することができ、しかも特に貯留槽の蓋部に熱電冷却素子を設けて一体化しているので、その設置スペースも大幅に削減することができる。
請求項3に係る発明によれば、熱交換フィンの作用により、副熱交換器における熱交換効率をより向上させることができる。
請求項7に係る発明によれば、必要時には熱媒体は、主熱交換器をバイパスされて副熱交換器に直接導入されてここで加熱昇温され、加熱状態で温度被制御体に流してこれを加熱することができる。
図1は本発明に係る熱媒体循環装置を用いた熱処理装置の一実施例を示す断面図、図2は本発明に係る熱媒体循環装置を示す構成図、図3は貯留槽の蓋部を示す横断面図、図4は熱媒体の流れを示す図である。
本実施例では、枚葉式の熱処理装置として成膜処理を行う場合を例にとって説明する。この熱処理装置2は、例えばアルミニウム等により内部が円筒状或いは箱状に成形された処理容器4を有しており、この処理容器4内には、処理容器4の底部6より起立させた円筒状の載置台支持基台8が設けられている。尚、この支持基台8を容器側壁で支持させてもよい。この載置台支持基台8は例えばアルミニウム等の耐腐食性材料により形成される。この円筒状の載置台支持基台8の上部に、平面リング状のガス流安定フランジ部10を設け、更に、このフランジ部10より内側方向へ僅かに突出させてリング状に支持棚部12が形成されている。そして、この支持棚部12上に、円板状の載置台14の周縁部を当接させて載置している。この載置台14は、例えば厚さが3〜4mm程度のSiCにより形成されている。そして、この載置台14の直径は、この載置台14上に載置されて処理されるべき半導体ウエハWのサイズにより異なり、例えば8インチサイズのウエハを処理する場合には、載置台14の直径は24cm程度になされる。
そして、上記載置台支持基台8のガス流安定フランジ部10の内周部から上記載置台14の周縁部の上方側に円形リング状のシールドリング18が設けられている。
上記押し上げ棒24の下端は、処理容器4において内部の気密状態を保持するために伸縮可能なベローズ28を介してアクチュエータ30に接続されている。
また、上記ガス流安定フランジ部10の外周側には、多数の整流孔46を有する、例えばアルミニウム製のリング状の整流板48が、処理容器4の側壁4Aとの間で連結されるように支持させて設けられている。この整流板48の下方の底部6には排気口50が設けられ、この排気口50には図示しない真空ポンプに接続された排気路52が接続されており、処理容器4内を所定の真空度に真空引きし得るようになっている。また、処理容器4の側壁4Aには、ウエハを搬出入する際に開閉されるゲートバルブ54が設けられる。
上記ヘッド本体60の下面であるガス噴射面には、ヘッド本体60内へ供給されたガスを放出するための多数のガス噴射孔64が面内の略全体に配置されており、ウエハ表面に亘ってガスを放出するようになっている。
また、ヘッド本体60内には、多数のガス分散孔66を有する拡散板68が配設されており、ウエハ面に、より均等にガスを供給するようになっている。
図2に示すように、各熱媒体ジャケット70A、70B、70Cには、熱媒体循環装置72により温度制御された熱媒体が供給されるようになっている。ここで熱媒体としては、例えば水(冷却水、或いは加熱用の温水を含む)が用いられる。
上記貯留槽76の媒体出口82に接続される下流側の熱媒体循環系78には、熱媒体74を循環させる循環ポンプ84が介設されており、更に、その両側には開閉弁86A、86Bがそれぞれ介設されている。
この蓋部94の上面には、例えばペルチェ素子よりなる板状の熱電冷却素子100が、その一面を上記蓋部上面に接合させて設けられている。これにより、上記蓋部94の熱交換流路98内を流れる熱媒体を、例えば冷却しつつ温度調整し得るようになっている。この板状の熱電冷却素子100は、図示例では2枚示しているが、実際には貯留槽76などの大きさにもよるが、例えば20枚程度平面的に配列して設けられることになる。
また、上記貯留槽76内には、これに貯留される熱媒体の液面を検知するレベルスイッチ118が設けられており、熱媒体の不足時には、熱媒体供給系120より、不足した熱媒体を供給し得るようになっている。
まず、ウエハ表面に例えばタングステン膜やタングステンシリサイド等の成膜処理を施す場合には、処理容器4の側壁4Aに設けたゲートバルブ54を開いて搬送アーム(図示せず)により処理容器4内にウエハWを搬入し、リフタピン20を押し上げることによりウエハWをリフタピン20側に受け渡す。そして、リフタピン20を、押し上げ棒24を下げることによって降下させ、ウエハWを載置台14上に載置する。
放射された熱線は、透過窓32を透過した後、載置台14の裏面を照射してこれを加熱する。この載置台14は、前述のように数mm程度と非常に薄いことから迅速に加熱され、従って、この上に載置してあるウエハWを迅速に所定の温度まで加熱することができる。供給されたガスは所定の化学反応を生じ、例えばタングステン膜がウエハ表面に堆積し、形成されることになる。
すなわち、図2にも示すように、貯留槽76に貯留されている熱媒体は、ここでは例えば20〜35℃程度に維持されて冷却媒体として機能し、これより熱媒体循環系78を介して送出され、各分岐路80A〜80Cを通った後に各熱媒体ジャケット70A〜70Cにそれぞれ流入して、処理容器4の側壁4A、シャワーヘッド部58及びランプ室36の区画壁34を冷却することになる。各熱媒体ジャケット70A〜70Cを流出した熱媒体は、上記熱交換によって例えば40〜50℃程度の高温状態になっており、この熱媒体は合流して主熱交換器88及び貯留槽76の蓋部94に設けた副熱交換器96内を順次流れ、この時、熱廃棄用熱媒体である常温の市水と順次熱交換されて、例えば20〜25℃程度まで冷却され、その後、再度循環使用される。
また、熱廃棄流路108内を流れる市水は、最初に熱媒体同士の温度差が大きくなるように主熱交換器88内に流し、次に、熱媒体同士の温度差が小さくなるように副熱交換器96の熱廃棄ユニット102内に流すようにしたので、その分、貯留槽76内の熱媒体74の温度制御を適正に行うことが可能となる。
これに対して、熱処理装置2のメンテナンス時等のように、処理容器4内を開放する場合には、開放に伴って清浄空気が処理容器4内に流入してこれが冷えている処理容器4の側壁4Aや冷えているシャワーヘッド部58と接触して清浄空気中の水分が結露すると問題を生ずるので、この場合には、前述とは逆に、処理容器4の側壁4Aやシャワーヘッド部58等を加熱してメンテナンス時に結露が生じないようにする。或いは、また、処理容器4を開放する場合には、処理容器4の内壁に付着した反応副生成物が容易に空気中の水分を吸着して反応することもあるが、上述のように処理容器4の側壁やシャワーヘッド部58を加熱し、これを防ぐようにする。
実際に、本発明装置を作成してその評価を行ったところ、同じ冷却能力のもとで、従来のチラー装置と比較して占有スペースは25.5〜35%程度も削減することができた。また、消費電力については、従来のチラー装置が20KVAであるのに対して、本発明装置(20枚のペルチェ素子を使用)の場合には2KW(ワット)であり、消費電力を大幅に減少させることができた。
尚、ここでは熱媒体を一時的に貯留する貯留槽76を設けた場合を例にとって説明したが、この貯留槽76を設けないようにして、熱媒体を一時的に貯留することなく熱媒体循環系78内に連続的に流すようにしてもよい。
図5は本発明の変形例の副熱交換器を示す横断面図、図6は図5中のA−A線矢視断面図である。ここでは、副熱交換器96の熱交換流路98内に、複数の熱交換フィン124を設け、これに熱媒体を直接的に接触させるようになっている。この熱交換フィン124は、熱伝導性の良好な材料、例えばアルミニウム、銅等よりなり、断面が略楕円状の熱交換フィン124を上記熱交換流路98内に起立させて設けている。この熱交換フィン124は熱媒体の流れ方向に沿って所定の間隔で多数設けられている。
これによれば、熱交換フィン124を設けた分だけ、熱媒体との熱交換効率を向上させることができる。この場合、熱交換フィンを更に薄く形成して、熱媒体の流れ方向に対して、所定の角度、例えば45度程度だけ傾けて設けるようにし、熱媒体に対する流体抵抗を抑制しつつ、高い熱交換効率を維持するようにしてもよい。
図7は本発明の熱循環装置の第2の実施例を示す構成図である。尚、図2に示す構成部分と同一構成部分については同一参照符号を付して説明を省略する。
この第2の実施例では、蓋部94には熱交換流路98(図2参照)を設けておらず、これに代えて、上端を上記蓋部94にて支持させ、且つ下端を貯留槽76内の熱媒体74に浸漬させた複数のヒートパイプ126を設けている。これにより、熱媒体74の温熱をヒートパイプ126により上方まで汲み上げて、これを熱廃棄ユニット102で廃棄するようになっている。
この第2の実施例の場合にも、先の実施例の場合と同様な作用効果を発揮することができる。
尚、上記実施例では温度被制御体として、処理容器4、シャワーヘッド部58、ランプ室36の区画壁34を例にとって説明したが、これらは単に一例を示したに過ぎず、冷却を必要とする部材には全て本発明を適用できるのは勿論である。
また、熱処理としては、成膜処理に限定されず、エッチング処理、酸化拡散処理、改質処理等の全ての熱処理に対して本発明を適用することができる。
また、被処理体としては、半導体ウエハに限定されず、ガラス基板、LCD基板等についても適用することができる。
4 処理容器(温度被制御体)
14 載置台
34 区画壁(温度被制御体)
38 加熱ランプ(加熱手段)
58 シャワーヘッド部(ガス供給手段:温度被制御体)
70A〜70C 熱媒体ジャケット
72 熱媒体循環装置
74 熱媒体
76 貯留槽
78 熱媒体循環系
84 循環ポンプ
88 主熱交換器
90 バイパス路
96 副熱交換器
98 熱交換流路
100 熱電冷却素子
102 熱廃棄ユニット
108 熱廃棄流路
114 熱電対(温度検出センサ部)
116 温度制御部
124 熱交換フィン
W 半導体ウエハ(被処理体)
Claims (10)
- 熱媒体循環系に、温度制御の対象となる温度被制御体と、熱媒体と主たる熱交換を行う主熱交換器と、前記熱媒体を一時的に貯留する貯留槽と、循環ポンプとを介設してなる温度制御用の熱媒体循環装置において、
前記主熱交換器の下流側の前記熱媒体循環系に、副熱交換器を介設し、
前記副熱交換器は、
前記貯留槽の蓋部に設けられて、一端に熱媒体入口を有し、他端に熱媒体出口を有す熱交換流路と、
前記蓋部にその一面が接合された熱電冷却素子と、
前記熱電冷却素子の他面に接合された熱廃棄ユニットとよりなり、
前記熱媒体の温度制御を行うように構成したことを特徴とする熱媒体循環装置。 - 前記循環ポンプの下流側の前記熱媒体循環系に設けられた温度検出センサ部と、
該温度検出センサ部の出力に基づいて前記熱電冷却素子の出力を制御する温度制御部とを備えたことを特徴とする請求項1記載の熱媒体循環装置。 - 前記熱交換流路内には、これに流れる前記熱媒体と接触する複数の熱交換フィンが設けられることを特徴とする請求項1又は2記載の熱媒体循環装置。
- 熱媒体循環系に、温度制御の対象となる温度被制御体と、熱媒体と主たる熱交換を行う主熱交換器と、前記熱媒体を一時的に貯留する貯留槽と、循環ポンプとを介設してなる温度制御用の熱媒体循環装置において、
前記主熱交換器の下流側の前記熱媒体循環系に、副熱交換器を介設し、
前記副熱交換器は、
前記貯留槽の蓋部に設けられて下端が前記貯留槽内に貯留されている熱媒体に浸漬された複数のヒートパイプと、
前記蓋部にその一面が接合された熱電冷却素子と、
前記熱電冷却素子の他面に接合された熱廃棄ユニットとよりなり、
前記熱媒体の温度制御を行うように構成したことを特徴とする熱媒体循環装置。 - 前記主熱交換器及び前記副熱交換器には、廃棄すべき熱を排出するための廃棄熱用熱媒体が、前記順序で流されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の熱媒体循環装置。
- 前記主熱交換器に対して前記熱媒体を迂回させるバイパス路を設けるように構成したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の熱媒体循環装置。
- 必要時には前記熱媒体は前記主熱交換器を迂回して前記バイパス路に流れると共に、前記熱電冷却素子は、前記熱媒体を加熱するように動作することを特徴とする請求項6記載の熱媒体循環装置。
- 前記熱電冷却素子は、ペルチェ素子であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の熱媒体循環装置。
- 前記温度被制御体は、被処理体に対して所定の処理を行う熱処理装置に用いられる処理容器と、必要なガスを供給するシャワーヘッド部と、加熱ランプを収容するランプ室の区画壁の内の少なくともいずれか1つであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の熱媒体循環装置。
- 真空引き可能になされた処理容器と、
被処理体を載置する載置台と、
必要なガスを前記処理容器内へ供給するガス供給手段と、
前記被処理体を加熱する加熱手段と、
請求項1乃至9のいずれかに記載の熱媒体循環装置とを備えたことを特徴とする熱処理装置。
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