JP4617582B2 - 車両用ドア操作装置の駆動用モータ装置及び車両用ドアクローザ装置 - Google Patents

車両用ドア操作装置の駆動用モータ装置及び車両用ドアクローザ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用ドア操作装置のモータ装置及び車両用ドアクローザ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用ドア操作装置の一例である車両用ドアクローザ装置としては、本出願人が特開平11−303483号公報で提案したものがある。このドアクローザ装置では、図7に示すように、モータ70及び減速歯車装置71を備えたモータ装置72がリンク機構73のアクティブレバー74を回動動作させることで、アクティブレバー74に支持されたパッシブレバー75が回動動作し、このパッシブレバー75がラッチ機構76のラッチ77をハーフラッチ状態からフルラッチ状態まで回動動作させる。その結果、ハーフラッチ状態のドアがドアクローザ装置によってフルラッチされる。このとき、アクティブレバー74と共にベース板に支持されているキャンセルレバー78が、パッシブレバー75に当接してアクティブレバー74に対するパッシブレバー75の回動を規制することで、パッシブレバー75をアクティブレバー74と共に回動動作させる。
【0003】
一方、クローズ動作中に例えば運転者がドアのアウトサイドハンドルを開操作すると、図8に示すように、キャンセルレバー78と同軸に支持されている連結レバー79が回動動作してキャンセルレバー78をパッシブレバー75の回動を規制する状態から退避動作させる。すると、アクティブレバー74に対するパッシブレバー75の回動がキャンセルレバー78によって規制されなくなり、アクティブレバー74の回動動作が無効化される。同時に、連結レバー79の回動動作によってラッチ機構76のポール80が退避動作し、ラッチ機構76がアンラッチ状態となる。その結果、ドアクローザ装置がクローズ動作中であっても手動でドアを開放させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、クローズ動作中にドアを開くことができるようにするため、アクティブレバー74のほかに、パッシブレバー75、キャンセルレバー78、連結レバー79等を設ける必要があるので、モータ装置72の作動によってラッチ機構76を作動させるためのリンク機構73の構成が複雑となっている。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、連結遮断手段が電動モータと出力軸体との間の動力伝達可能状態を遮断すると、出力軸体が電動モータと関係なく作動可能な状態となる車両用ドア操作装置の駆動用モータ装置を提供することにある。また、電動モータから入力する回転動力によって作動してラッチ機構を作動させるラッチ操作機構に、電動モータとラッチ機構との動力伝達可能状態を遮断するための機構を設ける必要をなくし、ラッチ操作機構の構成を簡単にすることができる車両用ドアクローザ装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、請求項1に記載の発明は、電動モータの回転動力を出力するための出力軸体と、前記電動モータから入力される回転動力を前記出力軸体に伝達する動力伝達機構とを備えた車両用ドア操作装置の駆動用モータ装置において、前記電動モータと前記出力軸体との動力伝達可能状態を遮断するための連結遮断手段が設けられ、前記動力伝達機構は遊星ギヤ機構であって、この遊星ギヤ機構は、サンギヤ、リングギヤ、キャリア及び遊星ギヤを備え、 前記サンギヤは自転可能に設けられ、前記リングギヤは前記サンギヤと同一の回転軸線で自転可能に設けられ、前記キャリアは前記サンギヤと同一軸線で自転可能に設けられ、前記遊星ギヤは前記キャリアに自転可能に支持されるとともに前記サンギヤ及びリングギヤに噛み合わされ、前記電動モータの回転動力は、前記サンギヤ、リングギヤ及びキャリアの内のいずれか1つである入力要素に入力され、前記出力軸体は、前記サンギヤ、リングギヤ及びキャリアから前記入力要素を除いた残りの2つの内のいずれか1つである出力要素と一体回転可能に設けられ、前記連結遮断手段は、前記サンギヤ、リングギヤ及びキャリアから前記入力要素及び出力要素を除いた残りの1つである固定要素を自転不能に固定することで前記電動モータと前記出力軸体との間で動力伝達可能とするとともに前記固定要素を自転可能に固定解除することで動力伝達可能状態を遮断するように構成され、前記電動モータの回転動力は前記サンギヤに入力され、前記出力要素は前記キャリアであり、前記固定要素は前記リングギヤであって、前記連結遮断手段は前記リングギヤを自転不能に固定するか自転可能に固定解除することを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記連結遮断手段は、前記固定要素に設けられた係合部と、前記係合部に係脱可能であって係合時には前記固定要素を自転不能に固定するとともに係合離脱時には固定要素を自転可能とする係脱部材と、前記係脱部材を前記係合部に係合する位置に保持するとともに前記入力要素と出力軸体との動力伝達可能状態を遮断するための操作手段によって操作されることで前記係脱部材を前記係合部に係合する位置から退避させる係合操作手段とを備えていることを要旨とする。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、係合操作手段によって保持された係脱部材が、固定要素に設けられた係合部に係合することで自転不能に固定される。また、操作手段によって操作された係合操作手段が係脱部材を係合部に係合させた位置から退避させることで固定要素が自転可能となる。このため、簡単な機構で固定要素の自転を禁止又は許容することができる。
請求項3に記載の発明は、電動モータの回転動力を出力するための出力軸体と、前記電動モータから入力される回転動力を前記出力軸体に伝達する動力伝達機構とを備えた車両用ドア操作装置の駆動用モータ装置において、前記電動モータと前記出力軸体との動力伝達可能状態を遮断するための連結遮断手段が設けられ、前記動力伝達機構は遊星ギヤ機構であって、この遊星ギヤ機構は、サンギヤ、リングギヤ、キャリア及び遊星ギヤを備え、前記サンギヤは自転可能に設けられ、前記リングギヤは前記サンギヤと同一の回転軸線で自転可能に設けられ、前記キャリアは前記サンギヤと同一軸線で自転可能に設けられ、前記遊星ギヤは前記キャリアに自転可能に支持されるとともに前記サンギヤ及びリングギヤに噛み合わされ、前記電動モータの回転動力は、前記サンギヤ、リングギヤ及びキャリアの内のいずれか1つである入力要素に入力され、前記出力軸体は、前記サンギヤ、リングギヤ及びキャリアから前記入力要素を除いた残りの2つの内のいずれか1つである出力要素と一体回転可能に設けられ、前記連結遮断手段は、前記サンギヤ、リングギヤ及びキャリアから前記入力要素及び出力要素を除いた残りの1つである固定要素を自転不能に固定することで前記電動モータと前記出力軸体との間で動力伝達可能とするとともに前記固定要素を自転可能に固定解除することで動力伝達可能状態を遮断するように構成され、前記連結遮断手段は、前記固定要素に設けられた係合部と、前記係合部に係脱可能であって係合時には前記固定要素を自転不能に固定するとともに係合離脱時には固定要素を自転可能とする係脱部材と、前記係脱部材を前記係合部に係合する位置に保持するとともに前記入力要素と出力軸体との動力伝達可能状態を遮断するための操作手段によって操作されることで前記係脱部材を前記係合部に係合する位置から退避させる係合操作手段とを備えていることを要旨とする。
【0007】
請求項1,3に記載の発明によれば、電動モータの回転動力が動力伝達機構を介して出力軸体から出力される。連結遮断手段が電動モータと出力軸体との間の動力伝達可能状態を遮断すると、出力軸体が電動モータと関係なく作動可能な状態となる。このため、逆入力された外力によって出力軸体が回転動作できる。
【0009】
また、遊星ギヤ機構を構成するサンギヤ、リングギヤ、キャリアの内の入力要素に入力された電動モータの回転動力は、自転不能に固定された固定要素を介して回転動作する出力要素と一体回転する出力軸体から出力される。連結遮断手段が、固定要素を自転可能に固定解除すると、入力要素と出力要素との間で動力伝達されなくなり、電動モータと出力軸体との動力伝達可能状態が遮断される。このため、遊星ギヤ機構において回転動作する構成要素の1つを自転不能に固定又は自転可能に固定解除することで電動モータと出力軸体との間で動力伝達可能とし、また、動力伝達可能状態を遮断することができるので、動力伝達可能状態の切り替えを簡単な構成で行うことができる。
【0011】
また、請求項に記載の発明によれば、サンギヤに入力された電動モータの回転動力は、自転不能に固定されたリングギヤを介して自転及び公転する遊星ギヤに伝達され、遊星ギヤによって自転するキャリアから出力される。連結遮断手段がリングギヤを自転可能に固定解除すると、サンギヤとキャリアとの動力伝達可能状態が遮断され、電動モータと出力軸体との動力伝達可能状態が遮断される。このため、サンギヤとキャリアとの動力伝達可能状態が遮断されない状態では、電動モータの回転動力が減速されより大きなトルクで出力される
【0013】
また、請求項に記載の発明によれば、係合操作手段によって保持された係脱部材が、固定要素に設けられた係合部に係合することで自転不能に固定される。また、操作手段によって操作された係合操作手段が係脱部材を係合部に係合させた位置から退避させることで固定要素が自転可能となる。このため、簡単な機構で固定要素の自転を禁止又は許容することができる。
【0014】
請求項に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記係合部は、前記固定要素の外周面に全周に渡って設けられた歯車状係合部であり、前記係脱部材は、前記固定要素の回転軸線に対しほぼ径方向に移動可能に支持されるとともに前記歯車状係合部に前記径方向に係脱可能な歯状係合部を備えていることを要旨とする。
【0015】
請求項に記載の発明によれば、請求項2又は請求項3に記載の発明の作用に加えて、固定要素の回転軸線の径方向に移動可能な係脱部材の歯状係合部が、固定要素の全周に渡って設けられた歯車状係合部のどこかに係合することで固定要素が自転不能に固定される。また、係脱部材が径方向に係合部から離されることで係合状態が解除され、固定要素が自転可能となる。従って、簡単な機構で固定要素の自転が確実に禁止される。
【0016】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記係合操作手段は、前記操作手段によって回動操作される軸体と、前記軸体に支持されたカム部材と、前記カム部材を付勢する付勢手段とを備え、前記カム部材は、前記係脱部材に当接して前記歯状係合部が前記固定要素の歯車状係合部に係合する位置に配置可能であるとともに前記軸体の回動動作によって前記係脱部材を径方向に移動させて歯状係合部が前記歯車状係合部に係合する位置から後退配置させることが可能であり、前記付勢手段は、前記カム部材を介して前記係脱部材を前記径方向に付勢し前記歯状係合部が前記歯車状係合部に係合する位置に保持することを要旨とする。
【0017】
請求項に記載の発明によれば、請求項に記載の発明の作用に加えて、軸体に支持されるとともに付勢手段によって付勢されたカム部材によって、係脱部材が径方向に移動して歯状係合部が固定要素の歯車状係合部に係合することで固定要素が自転不能に固定される。また、操作手段によってカム部材が操作され、付勢手段の付勢力に抗して係脱部材が径方向に固定要素から離されることで歯状係合部が歯車状係合部と係合しなくなり、固定要素が自転可能となる。このため、簡単な機構で係脱部材を径方向に移動させて、固定要素を自転不能に固定し、また、自転可能に固定解除することができる。
【0018】
請求項に記載の発明は、車両ドアを半開状態及び全閉状態で保持可能なラッチ機構と、前記ラッチ機構に係合して半開状態の車両ドアを全閉状態とするラッチ操作機構と、前記ラッチ操作機構に動力伝達する出力軸体を備えるとともに電動モータから入力する回転動力によってラッチ操作機構を動作させ前記ラッチ機構を作動させて半開状態の車両ドアを全閉状態とするモータ装置とを備えた車両用ドアクローザ装置において、前記モータ装置は、請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の車両用ドア操作装置の駆動用モータ装置であることを要旨とする。
請求項7に記載の発明は、車両ドアを半開状態及び全閉状態で保持可能なラッチ機構と、前記ラッチ機構に係合して半開状態の車両ドアを全閉状態とするラッチ操作機構と、前記ラッチ操作機構に動力伝達する出力軸体を備えるとともに電動モータから入力する回転動力によってラッチ操作機構を動作させ前記ラッチ機構を作動させて半開状態の車両ドアを全閉状態とするモータ装置とを備えた車両用ドアクローザ装置において、前記モータ装置は、電動モータの回転動力を出力するための出力軸体と、前記電動モータから入力される回転動力を前記出力軸体に伝達する動力伝達機構とを備えた車両用ドア操作装置の駆動用モータ装置であって、前記モータ装置には、前記電動モータと前記出力軸体との動力伝達可能状態を遮断するための連結遮断手段が設けられていることを要旨とする。
【0019】
請求項6,7に記載の発明によれば、モータ装置において電動モータと出力軸体との間の動力伝達可能状態が遮断されると、ラッチ操作機構がラッチ機構と係合している状態であっても電動モータとラッチ機構との間で動力伝達されない状態となる。このため、電動モータの作動状態に関係なく、ラッチ機構を操作してラッチ状態からアンラッチ状態に切り替えることが可能となる。従って、車両ドアを半開状態から全閉状態とするように電動モータが制御されている状態であっても、あるいは、車両ドアを半開状態から全閉状態とするように制御されていた電動モータがそのまま停止した状態であっても、車両ドアを開くことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を車両用ドアクローザ装置の駆動用モータ装置に具体化した実施形態を図1〜図6に従って説明する。
【0021】
本実施形態の駆動用モータ装置(以下、単にモータ装置という。)10は、公知のラッチ機構と、回転動力を出力するモータ装置10によって駆動されるラッチ操作機構と共に車両用ドア操作装置としての車両用ドアクローザ装置を構成する。ラッチ機構は、車両ドアを半開状態及び全閉状態で保持する。ラッチ操作機構は、モータ装置10から出力される回転動力を例えばレバーの回動動作に変換し、この回動動作によってラッチ機構のラッチをアンラッチ状態からフルラッチ状態に切り替えることで半開状態の車両ドアを全閉状態とする。
【0022】
図2,3,4に示すように、モータ装置10はハウジング11を備え、このハウジング11は基部12及び蓋部13からなる。ハウジング11の内部には、電動モータ(以下、単にモータという。)14、出力軸体としての出力軸15、動力伝達機構としての遊星ギヤ機構16、連結遮断手段としての連結遮断機構17等が収容されている。
【0023】
モータ14は回転動力を出力する回転軸18を備え、この回転軸18にはウォーム19が固定されている。モータ14は図示しないドアコントローラによって制御され、回転軸18を正転又は逆転駆動する。
【0024】
出力軸15は、基部12に設けられた凹部12aと、蓋部13に設けられた孔部とで回転可能に支持され、その一端が孔部からハウジング11の外部に延出されている。この出力軸15は、ラッチ操作機構の入力側に動力伝達する。
【0025】
遊星ギヤ機構16は減速ギヤ機構であって、サンギヤとしてのサンギヤ体20、リングギヤ及び固定要素としてのリングギヤ体21、出力要素としてのキャリア22及び3つの遊星ギヤ23を備えている。
【0026】
サンギヤ体20はウォームホイール部24及びサンギヤ部25を備え、出力軸15に回転可能な状態で軸支されている。ウォームホイール部24は出力軸15周りに自転する状態で、モータ14の回転軸18に固定されたウォーム19に噛合わされている。そして、ウォームホイール部24及びウォーム19によって、モータ14が回転軸18から出力する回転動力を減速してサンギヤ部25に伝達するウォームギヤが構成されている。一方、サンギヤ部25は、ウォームホイール部24と共に出力軸15周りで自転する。
【0027】
リングギヤ体21は内歯部26及び外歯部27を備え、基部12に設けられた凹部12b内に自転可能に支持されている。内歯部26は内周面の周方向全体に渡って形成され、係合部及び歯車状係合部としての外歯部27は外周面の周方向全体に渡って形成されている。
【0028】
キャリア22は、支持板28、連結板29、それぞれ3つの連結軸30及び支持軸31を備えている。支持板28は円環状に形成され、凹部12b内で出力軸15に外嵌固定されている。連結板29は円環状に形成され、3つの連結軸30によって支持板28に連結固定されている。3つの支持軸31は、支持板28と連結板29との間に支持されている。
【0029】
各遊星ギヤ23はそれぞれキャリア22の支持軸31に軸支されている。そして、各遊星ギヤ23はそれぞれが軸支されている支持軸31周りに自転可能であるとともに、キャリア22の回転に伴って出力軸15周りで公転する。そして、各遊星ギヤ23は、サンギヤ体20のサンギヤ部25と、リングギヤ体21の内歯部26とに噛合わされている。
【0030】
このように構成された遊星ギヤ機構16は、モータ14からサンギヤ体20に入力される回転動力によって各遊星ギヤ23を回転駆動し、連結遮断機構17によって自転不能に固定されたリングギヤ体21に噛合う各遊星ギヤ23を自転させるとともに出力軸15回りに公転させる。そして、各遊星ギヤ23が支持されているキャリア22を自転させることで出力軸15から減速された回転動力を出力する。
【0031】
連結遮断機構17は、図示しない車両室内のインサイドハンドルや車両室外のアウトサイドハンドル等のドアハンドルが開操作されないときには、遊星ギヤ機構16におけるサンギヤ体20と出力軸15との間で動力伝達されるようにする。また、ドアハンドルが開操作されたときに、サンギヤ体20と出力軸15との動力伝達可能状態を遮断する。そして、連結遮断機構17は、モータ14からリンク機構を経てラッチ機構に至るまでの動力伝達可能状態を解除する。
【0032】
連結遮断機構17は、図3,4に示すように、リングギヤ体21の外周面に設けられた外歯部27と、リングギヤ体21の外周に設けられた係脱部材としての係脱ブロック32と、ドアハンドルの開操作によって係脱ブロック32を操作するための係合操作機構33とからなる。
【0033】
リングギヤ体21の外歯部27の一部は、リングギヤ体21の外周でその回転軸線にほぼ径方向に延びるように基部12に設けられた溝12cの一端に面している。
【0034】
係脱ブロック32は、図5(a)に示すように、その一端側にリングギヤ体21の外歯部27に係合可能な歯状係合部34を備え、他端側に当接面32aを備えている。また、係脱ブロック32の上面(図3における上面)にはピン状係合部35が設けられている。係脱ブロック32は基部12の溝12c内に収容され、リングギヤ体21の回転軸線に対しほぼ径方向に移動可能に案内される。そして、係脱ブロック32は歯状係合部34がリングギヤ体21の外歯部27に係合する位置と、歯状係合部34が外歯部27に係合しない位置とに移動可能となっている。係脱ブロック32は、歯状係合部34が外歯部27に係合する状態ではリングギヤ体21を自転不能に固定し、係合しない状態ではリングギヤ体21を自転可能に固定解除する。
【0035】
係合操作機構33は、図3,4に示すように、係脱操作部材36及び捻りコイルばね37を備えている。係合操作機構33は、係脱ブロック32を歯状係合部34がリングギヤ体21の外歯部27に噛合う位置に保持するとともに、ドアハンドルが開操作されることで係脱ブロック32を歯状係合部34が外歯部27に係合する位置から退避させる。本実施形態では、係脱操作部材36及び捻りコイルばね37が係合操作手段を構成する。また、外歯部27、係脱ブロック32及び係合操作機構33が連結遮断手段を構成する。
【0036】
係脱操作部材36は、図5(b)に示すように、一体に形成された軸部38及びカム部39を備えている。
図3,4に示すように、軸部38は基部12に設けられた軸部12dに回動可能に軸支されている。軸部38はドアハンドルの開操作によって図4における反時計方向に回動操作され、この回動操作によってカム部39を回動させる。
【0037】
カム部39は、図5(b)に示すように、係脱ブロック32の当接面32aに当接可能な凸状係合部40と、係脱ブロック32のピン状係合部35が係入されるカム孔41とを備えている。そして、カム部39は、図3,4に示すように、凸状係合部40を係脱ブロック32の当接面32aに当接させることで、係脱ブロック32を歯状係合部34がリングギヤ体21の外歯部27に係合する位置に配置可能となっている。一方、カム部39は、図1,6に示すように、カム孔41の内周面に係脱ブロック32のピン状係合部35を当接させることで、係脱ブロック32を歯状係合部34がリングギヤ体21の外歯部27に係合する位置から後退させることが可能となっている。
【0038】
捻りコイルばね37は、図5(c)に示すように、巻回部37aから固定端37b及び自由端37cが延出されている。図3,4に示すように、捻りコイルばね37は、その巻回部37aが軸部38に軸支され、その固定端37bが基部12の凹部12e内に当接されている。そして、カム部39の凸状係合部40に当接された自由端37cによって、係脱操作部材36を図4における時計方向に回転させる向きに付勢している。さらに、捻りコイルばね37は係脱操作部材36を付勢することで係脱ブロック32を径方向にリングギヤ体21側に付勢し、歯状係合部34がリングギヤ体21の外歯部27に係合する位置に保持する。
【0039】
このように構成された連結遮断機構17は、ドアハンドルが開操作されていない状態では、捻りコイルばね37の付勢力により係脱操作部材36を介して係脱ブロック32を径方向に移動させる。そして、歯状係合部34がリングギヤ体21の外歯部27に係合する位置に係脱ブロック32を保持する。一方、ドアハンドルが開操作されるときには、捻りコイルばね37の付勢力に抗し係脱操作部材36が係脱ブロック32を径方向に後退させる。そして、歯状係合部34がリングギヤ体21の外歯部27に係合しない位置まで係脱ブロック32を後退させる。
【0040】
次に、以上のように構成された本実施形態の作用について説明する。
ドアハンドルが開操作されない状態では、図3,4に示すように、捻りコイルばね37の付勢力によって、歯状係合部34がリングギヤ体21の外歯部27に係合する位置に係脱ブロック32が保持される。その結果、リングギヤ体21が自転不能に固定され、モータ14と出力軸15との間で動力伝達される。
【0041】
この状態においてモータ14がラッチ機構をハーフラッチ状態からフルラッチ状態に切り替えるために回転制御されたとする。すると、モータ14の回転軸18からサンギヤ体20に入力された回転動力によって各遊星ギヤ23が回転し、自転不能に固定されたリングギヤ体21を介して各遊星ギヤ23が自転及び公転する。このため、キャリア22が回転して出力軸15から減速された回転動力がラッチ操作機構の入力側に出力される。すると、ラッチ操作機構は、ラッチを回動させてハーフラッチ状態のラッチ機構をフルラッチ状態に切り替える。その結果、ハーフラッチ状態のドアがドアクローザ装置によって自動でフルラッチされる。
【0042】
ここで、ラッチ機構をハーフラッチ状態からフルラッチ状態に切り替えるようにモータ14が制御されているときにドアハンドルを開操作すると、係脱操作部材36が捻りコイルばね37の付勢力に抗して回動操作される。すると、図1,6に示すように、カム部39のカム孔41にピン状係合部35を介して係合されている係脱ブロック32がリングギヤ体21から径方向に後退動作し、歯状係合部34が外歯部27に係合しなくなる。その結果、リングギヤ体21が自転可能に固定解除され、モータ14と出力軸15との動力伝達可能状態が遮断される。
【0043】
この状態でモータ14から回転動力がサンギヤ体20に入力されると、出力軸15側の負荷が大きいことから、サンギヤ体20から各遊星ギヤ23に伝達される回転動力がリングギヤ体21を回転させるだけとなり、各遊星ギヤ23が公転しなくなる。このため、キャリア22が回転せず、モータ14の回転動力が出力軸15からラッチ操作機構に伝達されなくなる。また、ラッチ操作機構から各遊星ギヤ23までの減速比がそれほど大きくないことから、ラッチ操作機構側から入力されるそれほど大きくない外力により出力軸15及びキャリア22が回転し各遊星ギヤ23が公転する。その結果、ドアハンドルの開操作によってラッチ機構がラッチ状態から解除されるように操作されると、ハーフラッチからフルラッチ状態に切り替わろうとしているラッチが、ラッチを付勢するばねの付勢力や車両ドアを全閉状態でシールするウェザーストリップの反力等によってアンラッチ状態に復帰動作する。同時に、ハーフラッチからフルラッチ状態に切り替えようとしていたラッチ操作機構が、ラッチを付勢するばねの付勢力によってラッチがアンラッチ状態となるまで復帰操作される。その結果、ドアがラッチ機構によってラッチされない状態となって開く。
【0044】
また、ラッチ機構をハーフラッチ状態からフルラッチ状態に切り替えるようにモータ14が制御されているときに、車両の電気系統が故障してモータ14に給電されなくなることがある。この場合であっても、ドアハンドルを開操作すると、同様に、モータ14とリンク機構との動力伝達可能状態が遊星ギヤ機構16で遮断され、ラッチ機構がラッチ状態からアンラッチ状態に操作される。
【0045】
以上詳述したように本実施形態によれば、以下に記載する各効果を得ることができる。
(1) モータ装置10においてモータ14の回転動力が入力されるサンギヤ体20とキャリア22との間の動力伝達可能状態が遮断され、モータ14と出力軸15との動力伝達可能状態が遮断される。このため、ラッチ機構をハーフラッチ状態からフルラッチ状態に切り替えている状態のラッチ操作機構を動作前の状態に復帰操作することができ、ラッチ機構をラッチ状態からアンラッチ状態に復帰操作させることができる。
【0046】
その結果、モータ14から入力する回転動力によってラッチ機構を作動させるラッチ操作機構に、モータ14とラッチ機構との動力伝達可能状態を遮断するための機構を設ける必要をなくし、ラッチ操作機構の構成を従来技術におけるリンク機構の構成に較べて簡単にすることができる。
【0047】
また、従来技術におけるドアクローザ装置のように、モータ装置72から減速されてより大きなトルクで出力された回転動力によって動作しているパッシブレバー75に係合するキャンセルレバー78を回動操作する場合と異なり、より小さい操作力で動力伝達可能状態を遮断することができる。
【0048】
さらに、アクティブレバー74の動作を無効化するためのパッシブレバー75、キャンセルレバー78及び連結レバー79は、大きなトルクの回転動力に対応するために、その形状、板厚を十分に確保する必要があった。しかし、このような各レバー75,78,79が不要となるので、ドアクローザ装置の小型化、軽量化を図ることができる。
【0049】
(2) 遊星ギヤ機構16のリングギヤ体21を自転不能に固定することでモータ14と出力軸15との間で動力伝達し、また、自転可能に固定状態を解除することで動力伝達可能状態を遮断するようにした。
【0050】
このため、自転不能に固定しているリングギヤ体21を自転可能に固定解除するだけでモータ14と出力軸15との動力伝達可能状態を遮断することができるので、動力伝達可能状態の遮断を簡単な構成で行うことができる。
【0051】
(3) モータ14の回転動力をサンギヤ体20に入力し、自転不能に固定したリングギヤ体21を介してキャリア22に一体化された出力軸15から出力するようにした。このため、モータ14と出力軸15との間で動力伝達されるときには、モータ14の回転が減速されより大きなトルクで出力される。
【0052】
従って、ラッチ機構をハーフラッチ状態からフルラッチ状態に切り替えるために加わる負荷が大きなラッチ操作機構及びラッチ機構を、比較的小型のモータ14で作動させることができる。このため、ドアクローザ装置の小型化を図ることができる。
【0053】
(4) リングギヤ体21に設けた外歯部27に係脱ブロック32が係合することでリングギヤ体21が自転不能に固定される。また、ドアハンドルの開操作によって係合操作機構33が操作され、係脱ブロック32を外歯部27に係合する位置から後退させることでリングギヤ体21が自転可能となる。
【0054】
従って、簡単な機構でリングギヤ体21を自転不能に固定し、また、自転可能に固定解除することができる。
(5) リングギヤ体21の外周面全体に渡って設けた外歯部27のどこかににリングギヤ体21の回転軸線の径方向に移動する係脱ブロック32の歯状係合部34が係合すると、リングギヤ体21が自転不能に固定される。また、係脱ブロック32が径方向にリングギヤ体21から後退操作されると、歯状係合部34が外歯部27に係合しなくなってリングギヤ体21が自転可能な状態となる。
【0055】
従って、簡単な機構でリングギヤ体21に係脱ブロック32を確実に係合させて、リングギヤ体21を自転不能に確実に固定することができる。
(6) リングギヤ体21の外歯部27に係合可能な係脱ブロック32が、ドアハンドルの開操作によって操作される係脱操作部材36のカム部39によって径方向に移動操作されることで径方向に移動操作される。
【0056】
このため、簡単な機構で係脱ブロック32を径方向に移動操作して、リングギヤ体21を自転不能に固定し、また、自転可能に固定解除することができる。
次に、上記実施形態以外の実施形態を箇条書きで記載する。
【0057】
・ 上記実施形態で、カム部39を備えた係脱操作部材36を設けず、係脱ブロック32を圧縮コイルばね等でリングギヤ体21に係合する位置に保持する。そして、係脱ブロック32に連結したワイヤをドアハンドルの開操作によって引っ張ることで径方向に移動させ、リングギヤ体21に係合する位置から後退させてもよい。
【0058】
・ 上記実施形態で、リングギヤ体21の外周に外歯部27に代えて沿って多数の孔を設け、係脱ブロック32の代わりにリングギヤ体21の外周に設けたピンをいずれかの孔に嵌入することでリングギヤ体21を自転不能に固定してもよい。
【0059】
・ 上記実施形態で、サンギヤを出力軸15に外嵌固定し、キャリア22にウォームホイールを一体に設ける。そして、キャリア22を入力要素とし、サンギヤを出力要素として、モータ14からキャリアに入力される回転動力を固定要素としてのリングギヤを介してサンギヤと一体回転する出力軸15から出力してもよい。この場合には、モータ14の回転動力が増速されより小さいトルクで出力される。
【0060】
・ 上記実施形態で、リングギヤを出力軸と一体回転するように設けて出力要素とし、キャリアを自転不能に固定、また、自転可能に固定解除する。これにより、入力要素であるサンギヤとリングギヤとの間で動力伝達されるようにし、また、動力伝達可能状態が遮断されるようにする。この場合にも、モータ114の回転を減速しより大きなトルクを出力することができる。
【0061】
・ 上記実施形態で、連結遮断機構は、ドアハンドルの開操作に限らず、運転者等によるスイッチ操作によって作動するアクチュエータによって操作されてもよい。
【0062】
・ 上記実施形態で、動力伝達機構を、大径の平歯車と小径の平歯車とが一体化された平歯車を順に噛合わせて構成した減速歯車機構としてもよい。この場合には、1つの平歯車を歯車列から取り外すことで入力側と出力側との動力伝達可能状態を遮断することができる。
【0063】
・ 上記実施形態で、ドアクローザ装置は、車両のフロント又はリアドア、スライド、バックドア、ラゲージドア等のいずれのドアを閉じるためのものであってもよい。
【0064】
・ 上記実施形態で、ドアクローザ装置は、ラッチ機構がフルラッチ状態のときに、ラッチ機構を操作してアンラッチ状態とし、ドアを自動で開く機構を併せ備えたものであってもよい。
【0065】
・ 上記実施形態では、ドアクローザ装置としたが、ラッチ機構を操作してアンラッチ状態とするドアリリース装置であってもよい。
以下、前述した各実施形態から把握される技術的思想をその効果とともに記載する。
【0066】
(1) 記動力伝達機構は減速歯車機構であることを特徴とする。このような構成によれば、作動に伴って大きな負荷が加わるラッチ操作機構及びラッチ機構を、より小型の電動モータで作動させることができる。
【0067】
【発明の効果】
請求項1〜請求項5に記載の発明によれば、連結遮断手段が電動モータと出力軸体との間の動力伝達可能状態を遮断すると、出力軸体が電動モータと関係なく作動可能な状態となる車両用ドア操作装置の駆動用モータ装置を提供することができる。
請求項6,7に記載の発明によれば、電動モータから入力する回転動力によって作動してラッチ機構を作動させるラッチ操作機構に、電動モータとラッチ機構との動力伝達可能状態を遮断するための機構を設ける必要をなくし、ラッチ操作機構の構成を簡単にすることができる車両用ドアクローザ装置を提供することができる。また、ドアクローザ装置の小型化、軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態におけるドアクローザ装置のモータ装置を示す概略平断面図。
【図2】 同じく出力軸を含む概略縦断面図。
【図3】 同じく出力軸及び軸体を含む概略縦断面図。
【図4】 同じく概略平断面図。
【図5】 (a)は係脱ブロック、(b)は係脱操作部材、(c)は捻りコイルばねを示す平面図。
【図6】 出力軸及び軸体を含む概略縦断面図。
【図7】 従来のドアクローザ装置のリンク機構を示す概略正面図。
【図8】 同じくリンク機構を示す概略正面図。
【符号の説明】
10…駆動用モータ装置、14…電動モータ、15…出力軸体としての出力軸、16…動力伝達機構としての遊星ギヤ機構、17…連結遮断手段としての連結遮断機構、20…サンギヤとしてのサンギヤ体、21…リングギヤ及び固定要素としてのリングギヤ体、22…出力要素としてのキャリア、23…遊星ギヤ、27…連結遮断手段を構成する係合部及び歯車状係合部としての外歯部、32…連結遮断手段を構成する係脱部材としての係脱ブロック、33…連結遮断手段を構成する係合操作手段としての係合操作機構、34…歯状係合部、36…連結遮断手段及び係合操作手段を構成する係脱操作部材、37…連結遮断手段及び係合操作手段を構成する付勢手段としての捻りコイルばね、38…連結遮断手段及び係合操作手段を構成する軸体としての軸部、39…連結遮断手段及び係合操作手段を構成するカム部材としてのカム部。

Claims (7)

  1. 電動モータの回転動力を出力するための出力軸体と、
    前記電動モータから入力される回転動力を前記出力軸体に伝達する動力伝達機構とを備えた車両用ドア操作装置の駆動用モータ装置において、
    前記電動モータと前記出力軸体との動力伝達可能状態を遮断するための連結遮断手段が設けられ
    前記動力伝達機構は遊星ギヤ機構であって、
    この遊星ギヤ機構は、サンギヤ、リングギヤ、キャリア及び遊星ギヤを備え、
    前記サンギヤは自転可能に設けられ、
    前記リングギヤは前記サンギヤと同一の回転軸線で自転可能に設けられ、
    前記キャリアは前記サンギヤと同一軸線で自転可能に設けられ、
    前記遊星ギヤは前記キャリアに自転可能に支持されるとともに前記サンギヤ及びリングギヤに噛み合わされ、
    前記電動モータの回転動力は、前記サンギヤ、リングギヤ及びキャリアの内のいずれか1つである入力要素に入力され、
    前記出力軸体は、前記サンギヤ、リングギヤ及びキャリアから前記入力要素を除いた残りの2つの内のいずれか1つである出力要素と一体回転可能に設けられ、
    前記連結遮断手段は、前記サンギヤ、リングギヤ及びキャリアから前記入力要素及び出力要素を除いた残りの1つである固定要素を自転不能に固定することで前記電動モータと前記出力軸体との間で動力伝達可能とするとともに前記固定要素を自転可能に固定解除することで動力伝達可能状態を遮断するように構成され、
    前記電動モータの回転動力は前記サンギヤに入力され、
    前記出力要素は前記キャリアであり、
    前記固定要素は前記リングギヤであって、
    前記連結遮断手段は前記リングギヤを自転不能に固定するか自転可能に固定解除することを特徴とする車両用ドア操作装置の駆動用モータ装置。
  2. 前記連結遮断手段は、
    前記固定要素に設けられた係合部と、
    前記係合部に係脱可能であって係合時には前記固定要素を自転不能に固定するとともに係合離脱時には固定要素を自転可能とする係脱部材と、
    前記係脱部材を前記係合部に係合する位置に保持するとともに前記入力要素と出力軸体との動力伝達可能状態を遮断するための操作手段によって操作されることで前記係脱部材を前記係合部に係合する位置から退避させる係合操作手段とを備えていることを特徴とする請求項に記載の車両用ドア操作装置の駆動モータ装置。
  3. 電動モータの回転動力を出力するための出力軸体と、
    前記電動モータから入力される回転動力を前記出力軸体に伝達する動力伝達機構とを備えた車両用ドア操作装置の駆動用モータ装置において、
    前記電動モータと前記出力軸体との動力伝達可能状態を遮断するための連結遮断手段が設けられ、
    前記動力伝達機構は遊星ギヤ機構であって、
    この遊星ギヤ機構は、サンギヤ、リングギヤ、キャリア及び遊星ギヤを備え、
    前記サンギヤは自転可能に設けられ、
    前記リングギヤは前記サンギヤと同一の回転軸線で自転可能に設けられ、
    前記キャリアは前記サンギヤと同一軸線で自転可能に設けられ、
    前記遊星ギヤは前記キャリアに自転可能に支持されるとともに前記サンギヤ及びリングギヤに噛み合わされ、
    前記電動モータの回転動力は、前記サンギヤ、リングギヤ及びキャリアの内のいずれか1つである入力要素に入力され、
    前記出力軸体は、前記サンギヤ、リングギヤ及びキャリアから前記入力要素を除いた残りの2つの内のいずれか1つである出力要素と一体回転可能に設けられ、
    前記連結遮断手段は、前記サンギヤ、リングギヤ及びキャリアから前記入力要素及び出力要素を除いた残りの1つである固定要素を自転不能に固定することで前記電動モータと前記出力軸体との間で動力伝達可能とするとともに前記固定要素を自転可能に固定解除することで動力伝達可能状態を遮断するように構成され、
    前記連結遮断手段は、
    前記固定要素に設けられた係合部と、
    前記係合部に係脱可能であって係合時には前記固定要素を自転不能に固定するとともに係合離脱時には固定要素を自転可能とする係脱部材と、
    前記係脱部材を前記係合部に係合する位置に保持するとともに前記入力要素と出力軸体との動力伝達可能状態を遮断するための操作手段によって操作されることで前記係脱部材を前記係合部に係合する位置から退避させる係合操作手段とを備えていることを特徴とする車両用ドア操作装置の駆動用モータ装置。
  4. 前記係合部は、前記固定要素の外周面に全周に渡って設けられた歯車状係合部であり、
    前記係脱部材は、前記固定要素の回転軸線に対しほぼ径方向に移動可能に支持されるとともに前記歯車状係合部に前記径方向に係脱可能な歯状係合部を備えていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の車両用ドア操作装置の駆動用モータ装置。
  5. 前記係合操作手段は、
    前記操作手段によって回動操作される軸体と、
    前記軸体に支持されたカム部材と、
    前記カム部材を付勢する付勢手段とを備え、
    前記カム部材は、前記係脱部材に当接して前記歯状係合部が前記固定要素の歯車状係合部に係合する位置に配置可能であるとともに前記軸体の回動動作によって前記係脱部材を径方向に移動させて歯状係合部が前記歯車状係合部に係合する位置から後退配置させることが可能であり、
    前記付勢手段は、前記カム部材を介して前記係脱部材を前記径方向に付勢し前記歯状係合部が前記歯車状係合部に係合する位置に保持することを特徴とする請求項に記載の車両用ドア操作装置の駆動用モータ装置。
  6. 車両ドアを半開状態及び全閉状態で保持可能なラッチ機構と、
    前記ラッチ機構に係合して半開状態の車両ドアを全閉状態とするラッチ操作機構と、
    前記ラッチ操作機構に動力伝達する出力軸体を備えるとともに電動モータから入力する回転動力によってラッチ操作機構を動作させ前記ラッチ機構を作動させて半開状態の車両ドアを全閉状態とするモータ装置とを備えた車両用ドアクローザ装置において、
    前記モータ装置は、請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の車両用ドア操作装置の駆動用モータ装置であることを特徴とする車両用ドアクローザ装置。
  7. 車両ドアを半開状態及び全閉状態で保持可能なラッチ機構と、
    前記ラッチ機構に係合して半開状態の車両ドアを全閉状態とするラッチ操作機構と、
    前記ラッチ操作機構に動力伝達する出力軸体を備えるとともに電動モータから入力する回転動力によってラッチ操作機構を動作させ前記ラッチ機構を作動させて半開状態の車両ドアを全閉状態とするモータ装置とを備えた車両用ドアクローザ装置において、
    前記モータ装置は、
    電動モータの回転動力を出力するための出力軸体と、
    前記電動モータから入力される回転動力を前記出力軸体に伝達する動力伝達機構とを備えた車両用ドア操作装置の駆動用モータ装置であって、
    前記モータ装置には、前記電動モータと前記出力軸体との動力伝達可能状態を遮断するための連結遮断手段が設けられていることを特徴とする車両用ドアクローザ装置。
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