JP5460485B2 - ドア開閉装置 - Google Patents

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この発明は、電動モータを用いて車両のドアを自動で開閉可能にするドア開閉装置に関するものである。
従来から、例えば、四輪自動車等の車両において、車両本体に対してスライドドアが半閉位置にある場合、このスライドドアを全閉位置にまで自動で閉め込むドアクローザ装置が知られている。この種のドアクローザ装置は、車両本体に固定されているストライカと、スライドドアに設けられ、ストライカに係合可能なラッチユニットとを有し、このラッチユニットが駆動源である電動モータに連結されている(例えば、特許文献1参照)。
また、スライドドアを開操作する場合、スライドドアに設けられているハンドルレバーを操作し、ストライカに対するラッチユニットの係合を解除する。この解除操作を自動で行うリリースアクチュエータを備えたものがある。リリースアクチュエータは、ドアクローザ装置とは別体で設けられることが多く、例えばハンドルレバーの近傍に配置されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2008−8118号公報 特開2008−190171号公報
ところで、四輪自動車等に搭載される電装品は、小型化、レイアウト性の向上化の要望が高い。しかしながら、スライドドアを開閉動作させたり、開閉状態を維持させたりするために必要な駆動力は安全性確保の観点からも大きく設定する必要があり、この分電動モータが大型化したり、大きな減速比を有する減速機構を設ける必要がある。このため、装置の小型化、レイアウト性の向上化を図りにくいという課題がある。
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、効率よく小型化、レイアウト性の向上化を図ることが可能なドア開閉装置を提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、車両本体、およびドアの何れか一方に設けられたストライカと係合可能なラッチの係脱動作を行うためのドア開閉装置において、電動モータと、前記電動モータの回転力が入力される遊星歯車減速機構と、前記遊星歯車減速機構の駆動を規制するロック機構と、前記回転力が前記遊星歯車減速機構を介して伝達され、前記ラッチの係脱動作を行う出力部とを備え、前記遊星歯車減速機構は、前記回転力が入力される太陽歯車と、前記太陽歯車に噛合い、この太陽歯車を中心に公転可能に設けられた複数の遊星歯車と、前記複数の遊星歯車に連結されると共に、前記出力部に連結される遊星キャリアと、前記複数の遊星歯車の外周側に設けられ、前記太陽歯車と同心円上に設けられた外輪歯車とを有し、前記ロック機構は、前記回転力が入力される入力部と、前記入力部に前記回転力が入力されると、前記外輪歯車、および前記遊星キャリアの何れか一方の外周面側に係合する爪機構とを有し、前記外輪歯車、および前記遊星キャリアの何れか他方と、前記出力部とを連結したことを特徴とする。
このように、遊星歯車減速機構を用いることによって減速比を大きく設定することができる。また、遊星歯車減速機構を構成する外輪歯車、および遊星キャリアの何れか一方の外周面側にロック機構の爪機構を係脱させることにより、外輪歯車、および遊星キャリアの何れか一方の回転を規制することにより、他方の回転を出力部に伝達することができる。ここで、外輪歯車、および遊星キャリアの何れか一方の回転を規制するにあたって、これらの何れか一方の外周面側と爪機構とを係脱させることは、中心側と爪機構とを係脱させる場合と比較してロック機構にかかる負荷を低減できる。
このため、装置全体の小型化を図ることが可能になる。また、ロック機構にかかる負荷を低減できるので、装置の耐久性を向上させることができる。
さらに、ロック機構を用いて外輪歯車、および遊星キャリアの何れか一方を回転・停止させるだけで、他方の回転を出力部に伝達させ、ストライカにラッチを係合させたり離脱させたりすることができる。このため、ドア開閉装置の構造を簡素化でき、装置全体の小型化、レイアウト性の向上を図ることが可能になる。
請求項2に記載した発明は、前記爪機構を前記外輪歯車、および前記遊星キャリアの何れか一方から離脱させる方向に向かって付勢するバネ部材を備え、前記爪機構と、前記外輪歯車、および前記遊星キャリアの何れか一方は、この一方に前記爪機構が係合した状態において、前記外輪歯車、および前記遊星キャリアの何れか一方の一方向の回転を許容すると共に、他方向の回転を阻止するように形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、外輪歯車、および遊星キャリアが、爪機構と係合されている状態から一方向に回転する際、バネ部材のバネ力が作用して爪機構が外輪歯車、および遊星キャリアから離脱する方向に向かって変位する。このため、外輪歯車、および遊星キャリアの何れか一方に対する爪機構の解除動作をスムーズに行うことができる。
請求項3に記載した発明は、前記電動モータと前記遊星歯車減速機構との駆動伝達系の途中に、ウォーム減速機構を設け、前記ウォーム減速機構は、前記電動モータの回転軸に連結され、前記回転力が入力されるウォーム軸と、前記ウォーム軸に噛合い、このウォーム軸を介して前記回転力を前記遊星歯車減速機構へと伝達するウォ−ムホイールとを有し、前記ウォームホイールの内側に、前記遊星歯車減速機構を収納すると共に、前記遊星歯車減速機構のうち、前記外輪歯車の一部が前記ウォームホイールの外部に露出し、この露出した部位に前記爪機構が係合することを特徴とする。
このように構成することで、より減速比を大きくすることができ、電動モータの出力を小さく設定することが可能になる。このため、さらに装置全体の小型化を図ることが可能になる。また、ウォーム減速機構を設けることにより、セルフロック機能を持たせることができ、フェールセーフ機能を向上させることができる。
さらに、ウォームホイール内に遊星歯車減速機構を収納することにより、装置全体をより小型化できる。
請求項4に記載した発明は、前記爪機構は、前記外輪歯車、および前記遊星キャリアの何れか一方と係合可能な第1爪部と、前記外輪歯車、および前記遊星キャリアの何れか他方と係合可能な第2爪部とを有し、前記入力部に前記電動モータの一方向の回転力が入力されると、前記外輪歯車、および前記遊星キャリアの何れか一方に前記第1爪部が係合する一方、前記入力部に前記電動モータの他方向の回転力が入力されると、前記外輪歯車、および前記遊星キャリアの何れか他方に前記第2爪部が係合することを特徴とする。
このように構成することで、電動モータの正・逆転に伴って、外輪歯車の回転と遊星キャリアの回転とを切換えることが可能になる。このため、2つの回転を別々にラッチに作用させ、ストライカに対してラッチを係合させたり離脱させたりすることができる。すなわち、1つの装置にスライドドアのドアクローズ機能とドアリリース機能とを持たせることができ、さらに装置の小型化、レイアウト性の向上化を図ることができる。
請求項5に記載した発明は、前記外輪歯車に小出力部を連結し、この小出力部の動力を、前記ストライカに対する前記ラッチの係合を解除する際に用いる一方、前記出力部の動力を、前記ストライカに前記ラッチを係合させる際に用いることを特徴とする。
このように構成することで、ストライカにラッチを係合させる際の動力伝達系の減速比を、ラッチを解除する際の動力伝達系の減速比よりも大きく設定することができる。すなわち、ラッチの係合動作力を、ラッチの解除動作力よりも大きく設定することができ、ストライカに対するラッチの係脱動作を確実に行うことが可能になる。
本発明によれば、遊星歯車減速機構を用いることによって減速比を大きく設定することができる。また、遊星歯車減速機構を構成する外輪歯車、および遊星キャリアの何れか一方の外周面側にロック機構の爪機構を係脱させることにより、外輪歯車、および遊星キャリアの何れか一方の回転を規制することにより、他方の回転を出力部に伝達することができる。ここで、外輪歯車、および遊星キャリアの何れか一方の回転を規制するにあたって、これらの何れか一方の外周面側と爪機構とを係脱させることは、中心側と爪機構とを係脱させる場合と比較してロック機構にかかる負荷を低減できる。
このため、装置全体の小型化を図ることが可能になる。また、ロック機構にかかる負荷を低減できるので、装置の耐久性を向上させることができる。
さらに、ロック機構を用いて外輪歯車、および遊星キャリアの何れか一方を回転・停止させるだけで、他方の回転を出力部に伝達させ、ストライカにラッチを係合させたり離脱させたりすることができる。このため、ドア開閉装置の構造を簡素化でき、装置全体の小型化、レイアウト性の向上を図ることが可能になる。
本発明の実施形態における車両の側面図である。 本発明の第一実施形態におけるドアリリース装置の斜視図である。 本発明の第一実施形態における遊星歯車減速機構の分解斜視図である。 本発明の第一実施形態におけるロック機構の分解斜視図である。 本発明の第一実施形態におけるドアリリース装置のリリース動作の説明図である。 本発明の第一実施形態におけるドアリリース装置の元位置動作の説明図である。 本発明の第二実施形態におけるドアリリース装置の斜視図である。 図7のA−A線に沿う断面斜視図である。 本発明の第二実施形態におけるドアリリース・クローザ装置の動作説明図であって、(a)は、ドアクローズ動作の手順を示し、(b)は、ドアクローズ動作後、元の位置に戻る元位置動作の手順を示す。 本発明の第二実施形態におけるドアリリース・クローザ装置の動作説明図であって、(a)は、ドアリリース動作の手順を示し、(b)は、ドアリリース動作後、元の位置に戻る元位置動作の手順を示す。
(第一実施形態)
次に、この発明の第一実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るドアリリース装置が搭載された車両の側面図である。
図1に示すように、車両100の車両本体101には、車幅方向側部に車両本体101の開口部102を開閉するためのスライドドア103が設けられている。このスライドドア103は、車両本体101の開口部102の上側、および下側に固定されたガイドレール104a,104bと、開口部102の上下方向略中央であって、かつ後方側に固定されたガイドレール104cとにスライド移動自在に支持されている。これにより、スライドドア103は、開口部102を全閉した状態から斜め後方に向かって後退し、途中から車両本体101の側面に沿って後退し、開口部102を全開状態にすることができるようになっている。
また、車両100には、ドアクローザ装置110、およびドアリリース装置1が設けられている。ドアクローザ装置110は、スライドドア103を半閉位置から全閉位置にまで自動で閉め込むドアクローズ動作を行うためのものである。
ドアクローザ装置110は、車両本体101側に設けられているストライカ201と、スライドドア103側に設けられ、ストライカ201と係合するドアクローザ本体203とを有している。ドアクローザ本体203は、スライドドア103の内部後端であって、ドアガラス105の下方、つまり、ガイドレール104cの下側に対応する箇所に配置されている。そして、不図示の電動モータなどの駆動源に連結されている。
また、ドアクローザ本体203はラッチ106を有しており、このラッチ106を不図示の電動モータにより駆動することでストライカ201に係合させることができるようになっている。ラッチ106は、ストライカ201に対して係脱可能に形成されている。
さらに、スライドドア103の前側には、外面にスライドドア103の開閉動作を行うためのドアハンドル108が設けられている。ドアハンドル108とドアクローザ本体203は、スライドドア103の内部に配索されている不図示のケーブルを介して互いに連結されている。そして、ドアハンドル108を開操作することにより、ストライカ201に対するラッチ106の係合を解除することができる。
一方、ドアリリース装置1は、ストライカ201に対するラッチ106の係合を自動で解除し、スライドドア103を自動で開放させる所謂ドアリリース機能を有するものであって、スライドドア103の内部におけるドアハンドル108の近傍に配置されている。そして、ドアハンドル108とドアクローザ本体203とを連結する不図示のケーブルを操作可能に構成されている。
(ドアリリース装置)
(遊星歯車減速機構)
図2は、ドアリリース装置の斜視図、図3は、ドアリリース装置を構成する遊星歯車減速機構の分解斜視図である。
図2、図3に示すように、ドアリリース装置1は、ハウジング3内に、電動モータ4と、電動モータ4に連結されたウォーム減速機構5と、ウォーム減速機構5に連係された遊星歯車減速機構6とが収納されたものであって、遊星歯車減速機構6に噛合うセクターギヤ7とロック機構8とがハウジング3に支持されている。
ウォーム減速機構5は、電動モータ4の回転軸(不図示)に連結され、この回転軸と一体となって回転するウォーム軸9と、ウォーム軸9に噛合うウォームホイール10とにより構成されている。ウォームホイール10は、有底筒状に形成された本体部11を有しており、この本体部11の内部を、遊星歯車減速機構6を収納する収納部13として構成している。
また、本体部11の周壁11aにおける外面には、ウォーム軸9に噛合う歯部12が形成されている。さらに、本体部11の底壁11bには、開口部11cとは反対側の面に、ロック機構8の一部を構成する平歯車33が一体形成されている。この平歯車33についての詳細は後述する。
また、本体部11の底壁11bには、径方向略中央に、本体部11の開口部11c側に向かって突出する太陽歯車14が一体形成されている。
太陽歯車14は、遊星歯車減速機構6の一部を構成するものであって、径方向中央の大部分にシャフト15を挿通可能な挿通孔16が形成されている。この挿通孔16は、ウォームホイール10における本体部11の底壁11bを貫通するように形成されている。挿通孔16に挿通されたシャフト15は、この両端がハウジング3に支持されている。すなわち、ウォームホイール10、および太陽歯車14は、一体となってシャフト15に回転自在に支持された状態になっている。
遊星歯車減速機構6は、太陽歯車14の他に、この太陽歯車14に噛合い、太陽歯車14を中心に公転可能に設けられた3つの遊星歯車17と、これら3つの遊星歯車17に連結される遊星キャリア18と、遊星歯車17の外周側に設けられ、シャフト15と同心円上に設けられた外輪歯車19とを有している。
遊星キャリア18は、3つの遊星歯車17を回転自在に支持するための3つのキャリアピン21と、3つの遊星歯車17の軸方向両端に配置され、各キャリアピン21の軸方向両端を各々連結する一対のキャリアプレート22と、一対のキャリアプレート22のうち、ウォームホイール10とは反対側に配置された一方のキャリアプレート22に固定されているピニオンギヤ25とにより構成されている。
各キャリアプレート22は平面視略三角形状に形成されたものであって、3つの頂点部22aに、それぞれキャリアピン21の端部を圧入可能な貫通孔23が形成されている。また、一対のキャリアプレート22のうち、ウォームホイール10側に配置された他方のキャリアプレート22には、中央の大部分に開口部24が形成されている。この開口部24の内径は、太陽歯車14の外径よりも大きく設定されており、これによって遊星キャリア18をウォームホイール10の内側に配置することができるようになっている。
また、一方のキャリアプレート22と、これに固定されているピニオンギヤ25とには、それぞれシャフト15を挿通可能な挿通孔26が形成されている。この挿通孔26にシャフト15が挿通されることにより、3つの遊星歯車17が太陽歯車14を中心に公転する。
外輪歯車19は、ウォームホイール10の周壁11aに内嵌可能に形成されており、その内周面に遊星歯車17と噛合う内歯19aが形成されている。また、外輪歯車19の軸方向の長さは、ウォームホイール10に内嵌した状態でウォームホイール10の開口部11cから外輪歯車19の一部が突出するような長さに設定されている。この突出した部位には、外周面にロック機構8を構成する外輪ロック用爪車31が一体成形されている。
(ロック機構)
図4は、ロック機構の分解斜視図である。
図2、図4に示すように、ロック機構8は、外輪歯車19に一体成形されている外輪ロック用爪車31と、外輪ロック用爪車31に対して係脱可能に設けられている爪機構32と、ウォームホイール10の底壁11bに一体成形されている平歯車33と、平歯車33に噛合う小平歯車34と、この小平歯車34、および爪機構32とを回転自在に支持するためのシャフト35とを有している。
爪機構32は、外輪歯車19の接線方向に沿って長くなるように直方体状に形成されたケース36を有している。ケース36の長手方向一方(図4における上方)の外側面であって、外輪ロック用爪車31に対応する部位には、外輪ロック用爪車31に係合可能な爪部37が一体成形されている。爪部37は、ケース36の長手方向一方から他方(図4における下方)に向かうに従って徐々に短手方向外側に突出するように形成されている。したがって、爪部37の先端内側が、外輪ロック用爪車31に係合する係合面37aとして構成される。
一方、外輪ロック用爪車31は複数の爪31aからなり、各爪31aの爪部37と係合する一辺は他辺よりも傾斜が急となるように形成されている。そして、一辺側の急斜面29に爪部37の係合面37aが当接することにより、外輪ロック用爪車31に爪機構32が係合した状態になる。
すなわち、爪機構32、および爪部37は、外輪歯車19の図4における左回り方向(図4における矢印CCW参照)への回転を許容する一方、外輪歯車19の図4における右回り方向(図4における矢印CW参照)への回転を規制可能に形成されている。
また、ケース36には、長手方向一方から長手方向中央よりもやや他方に至る間に、ブレーキ収納凹部38が形成されている。このブレーキ収納凹部38には、ブレーキユニット39が収納されている。
ブレーキユニット39は、小平歯車34に摩擦抵抗を付与するためのものであって、ブレーキ収納凹部38内をスライド可能に設けられたブレーキスライダ41と、このブレーキスライダ41をケース36の長手方向他方(図4における下方)に向かって付勢するスプリング42とにより構成されている。ブレーキスライダ41は、樹脂や硬質ゴム等によって形成されている。
また、ケース36のブレーキ収納凹部38よりも他方には、ケース36を軸方向に貫通する貫通孔45が形成されており、ブレーキ収納凹部38と連通している。貫通孔45には、小平歯車34が相対回転可能に挿入されている。
小平歯車34には、ケース36の貫通孔45に挿入される軸部43が一体成形されている。この軸部43の外周面をブレーキスライダ41が押圧することにより、軸部43、ケース36に形成されている貫通孔45の内周面、およびブレーキスライダ41に摩擦抵抗が生じる。
また、小平歯車34、および軸部43には、シャフト35が挿通される挿通孔44が形成されている。挿通孔44に挿入されたシャフト35は、この両端がハウジング3に支持されている。これにより、シャフト35を中心にして小平歯車34が回転自在に支持されると共に、シャフト35を中心にして爪機構32が回動自在に支持される。そして、爪機構32が外輪歯車19に向かって回動することにより、外輪ロック用爪車31と爪部37とが係合する。
さらに、ロック機構8には、爪機構32の爪部37を外輪ロック用爪車31から離反する方向に向かって付勢するリターンスプリング46が設けられている。このリターンスプリング46は、所謂トーションスプリングであって、小平歯車34の軸部43に取り付けられていると共に、一端がハウジング3に固定されている。
ここで、ブレーキユニット39のスプリング42によって軸部43、ケース36に形成されている貫通孔45の内周面、およびブレーキスライダ41に生じる摩擦抵抗をμ1とし、リターンスプリング46によるバネ力をF1とし、電動モータ4が回転することにより小平歯車34に入力される回転力をP1としたとき、摩擦抵抗μ1、バネ力F1、および回転力P1は、
F1<μ1 ・・・(1)
μ1<P1 ・・・(2)
を満たすように設定されている。これにより、小平歯車34が回転すると、リターンスプリング46のバネ力に抗して爪機構32が回動し、爪機構32が外輪歯車19の外輪ロック用爪車31と係合した後、ブレーキスライダ41の押圧力に抗して小平歯車34の回転を継続させることができる(詳細は後述する)。
図2に示すように、遊星歯車減速機構6のピニオンギヤ25には、セクターギヤ7が噛合されている。セクターギヤ7は、回転軸51を介してハウジング3に回動自在に支持されている。また、回転軸51には、レバー52の基端が取り付けられており、セクターギヤ7と一体となって回動するようになっている。レバー52の先端は、不図示のケーブルを介してドアハンドル108やドアクローザ本体203に連結されている。すなわち、セクターギヤ7、およびレバー52が元位置(図2に示す位置)から回動することによって、ストライカ201に対するラッチ106の係合が解除されるようになっている。
さらに、レバー52には、このレバー52とセクターギヤ7とを元位置に戻すように付勢するリターンスプリング53が取り付けられている。リターンスプリング53は、所謂トーションスプリングであって、その一端はハウジング3に固定されている。
(ドアリリース装置の動作)
(リリース動作)
次に、図5、図6に基づいて、ドアリリース装置1の動作について説明する。
図5は、ドアリリース装置のリリース動作の説明図である。
図1、図5に示すように、ストライカ201に対するラッチ106の係合を解除するにあたって、ドアリリース装置1を駆動させると、電動モータ4の不図示の回転軸を介してウォーム軸9が回転する(図5における矢印Y101参照)。
ウォーム軸9が回転することにより、このウォーム軸9に噛合うウォームホイール10が回転する(図5における矢印Y102参照)。そして、ウォームホイール10が回転することにより、このウォームホイール10の平歯車33に噛合う小平歯車34が回転する(図5における矢印Y103参照)。
ここで、小平歯車34に一体成形されている軸部43には、爪機構32のブレーキスライダ41が押圧されており、軸部43、ケース36に形成されている貫通孔45の内周面、およびブレーキスライダ41に摩擦抵抗μ1が生じている(図5におけるY104参照)。
しかも、この摩擦抵抗μ1と、リターンスプリング46によるバネ力F1は、それぞれ式(1)を満たすように設定されている。このため、小平歯車34が回転することにより、爪機構32がリターンスプリング46に抗して外輪歯車19の外輪ロック用爪車31に向かって回動する(図5における矢印Y105参照)。
爪機構32が回動することにより、この爪機構32の爪部37が外輪歯車19の外輪ロック用爪車31と係合する(図5におけるY106参照)。
一方、ウォーム軸9の回転に伴ってウォームホイール10が回転すると、このウォームホイール10に一体成形されている太陽歯車14が回転する(図5における矢印Y107参照)。太陽歯車14の回転力は、この太陽歯車14に噛合う3つの遊星歯車17に伝達される(図5における矢印Y108参照)。
ここで、爪機構32の爪部37が外輪歯車19の外輪ロック用爪車31に係合しており、この結果、外輪歯車19の回転が規制される(図5におけるY109参照)。しかも、ウォームホイール10が回転することにより、このウォームホイール10の平歯車33に噛合う小平歯車34に入力される回転力P1と、ブレーキスライダ41により摩擦抵抗μ1は、それぞれ式(2)を満たすように設定されている。このため、外輪歯車19の回転を規制しつつ、太陽歯車14が回転し続ける。
すると、遊星歯車17が太陽歯車14を中心に公転し、遊星歯車17と一体となって遊星キャリア18が回転する(図5における矢印Y110参照)。
遊星キャリア18が回転することにより、これに固定されているピニオンギヤ25が回転し、さらにこれに噛合うセクターギヤ7が回動する(図5における矢印Y111参照)。そして、セクターギヤ7と一体になっているレバー52が回動し(図5における矢印Y112参照)、ストライカ201に対するラッチ106の係合が解除される。
ラッチ106の係合が解除されることにより、スライドドア103を開動作させることができる。スライドドア103の開動作が開始されると、ドアリリース装置1の電動モータ4が停止し、ドアリリース装置1のリリース動作が完了する。この後、ドアリリース装置1は、爪機構32、セクターギヤ7、およびレバー52を元位置に戻す動作を行う。
(元位置動作)
次に、図6に基づいて、ドアリリース装置の元位置動作について説明する。
図6は、ドアリリース装置の元位置動作の説明図である。
同図に示すように、ドアリリース装置1は、電動モータ4を停止させるとリターンスプリング46の復元力により(図6における矢印Y201参照)、爪機構32に外輪歯車19の外輪ロック用爪車31との係合を解除する方向に向かって力が付勢する(図6における矢印Y202参照)。
このとき、爪機構32に設けられているブレーキユニット39の摩擦抵抗によって、爪機構32と小平歯車34とが共回りしようとする(図6における矢印Y203参照)。
小平歯車34が回転しようとすることにより、この小平歯車34に噛合うウォームホイール10が僅かに回転しようとする(図6における矢印Y204参照)。そして、ウォームホイール10に噛合うウォーム軸9が僅かに回転しようとする(図6における矢印Y205参照)。
ここで、ウォーム軸9が回転することにより、電動モータ4の不図示の回転軸も回転する。この回転軸にはコギングトルクが生じるが、このコギングトルクをT1とし、リターンスプリング46のバネ力F1によって小平歯車34、ウォームホイール10、およびウォーム軸9を介して電動モータ4の回転軸に出力される力をF1’としたとき、コギングトルクT1、および力F1’は、
T1<F1’ ・・・(3)
を満たすように設定されている。このため、電動モータ4を停止したとき、リターンスプリング46の復元力により、爪機構32、および小平歯車34を回動させることができる。
一方、セクターギヤ7には、リターンスプリング53の復元力が作用しているので、セクターギヤ7に元位置方向に向かう力が付勢されている。そして、セクターギヤ7にかかる力が遊星キャリア18を介して外輪歯車19に伝達され、この外輪歯車19に回転力が付与される。この回転力は、図6における左回り方向に向かって作用する。すなわち、外輪ロック用爪車31を構成する各爪31aの傾斜が緩やかな他辺側に向かって回転力が付勢される。
これらの合力によって、爪機構32が外輪歯車19から離反する方向に向かって回動する。そして、爪機構32と外輪歯車19の外輪ロック用爪車31との係合が解除され、外輪歯車19の回転規制が解除される(図6における矢印Y206参照)。このような状態でセクターギヤ7には、リターンスプリング53の復元力が作用しているので、セクターギヤ7が元位置方向に向かって回動すると共に、セクターギヤ7に噛合う外輪歯車19が回転する(図6における矢印Y207,Y208,Y209参照)。
外輪歯車19が回転することにより、この外輪歯車19の内歯19aと噛合う遊星歯車17が回転する(図6における矢印Y210参照)。
一方、セクターギヤ7の回動に伴って、このセクターギヤ7と一体化しているレバー52が元位置に向かって回動する(図6における矢印Y211参照)。これにより元位置動作が終了する。
(効果)
したがって、上述の第一実施形態によれば、ドアリリース装置1に遊星歯車減速機構6を用いることによって減速比を大きく設定することができる。また、遊星歯車減速機構6を構成する外輪歯車19に外輪ロック用爪車31を一体成形し、この外輪ロック用爪車31に対して爪機構32を係脱可能に設けることによって、外輪歯車19の一方向の回転を許容したり、阻止したりしている。つまり、外輪歯車19の最外周部を爪機構32で押さえることで外輪歯車19の回転を規制すると、例えば外輪歯車19の径方向中央近傍を押さえて外輪歯車19の回転を規制する場合と比較して外輪歯車19に大きな回転規制力がかかる。このため、爪機構32にかかる負荷を低減でき、この分爪機構32の小型化が可能になる。この結果、ドアリリース装置1全体の小型化を図ることができると共に、ドアリリース装置1の耐久性を向上させることができる。
さらに、爪機構32を用いて外輪歯車19を回転・停止させることにより、遊星キャリア18の回転をピニオンギヤ25を介してセクターギヤ7に伝達したり、遮断したりすることができるようになっている。このため、簡素な構造でスムーズなリリース動作を実現することができ、ドアリリース装置1の小型化、レイアウト性の向上化を図ることが可能になる。
そして、遊星歯車減速機構6に加え、ウォーム減速機構5を介して電動モータ4の動力がセクターギヤ7に伝達されるように構成されている。このため、より大きな減速比を得ることができ、電動モータ4の出力を小さく設定しつつ、確実にリリース動作を行うことが可能になる。よって、さらにドアリリース装置1の小型化を図ることが可能になる。
また、ウォーム減速機構5を設けることにより、ドアリリース装置1にセルフロック機能を持たせることができ、フェールセーフ機能を向上させることができる。
さらに、ウォームホイール10内に遊星歯車減速機構6を収納することにより、ドアリリース装置1全体をより小型化できる。
そして、ロック機構8を構成する爪機構32、および爪部37は、外輪歯車19の図4における左回り方向(図4における矢印CCW参照)への回転を許容する一方、外輪歯車19の図4における右回り方向(図4における矢印CW参照)への回転を規制可能に形成されている。これに加え、ロック機構8には、爪機構32の爪部37を外輪ロック用爪車31から離反する方向に向かって付勢するリターンスプリング46が設けられている。このため、ドアリリース装置1の元位置動作時において、爪部37に対する爪機構32の解除動作をスムーズに行うことができる。
なお、上述の第一実施形態では、ロック機構8の爪機構32が外輪歯車19の爪部37と係合することにより、外輪歯車19の回転を規制すると共に、遊星キャリア18の回転力をピニオンギヤ25を介してセクターギヤ7に出力するように構成した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、ロック機構8の爪機構32が遊星キャリア18の外周部と係合するように構成し、遊星キャリア18の回転を規制すると共に、外輪歯車19の回転力をセクターギヤ7に出力するように構成してもよい。
また、上述の実施形態では、爪機構32を元位置に戻すためのリターンスプリング46、およびセクターギヤ7を元位置に戻すためのリターンスプリング53を、それぞれ所謂トーションスプリングとした場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、各リターンスプリング46,53は、それぞれ爪機構32、およびセクターギヤ7を元位置方向に向かって付勢可能なバネ部材であればよい。
(第二実施形態)
(ドアリリース・クローザ装置)
(遊星歯車減速機構)
次に、この発明の第二実施形態について、図1を援用し、図7〜図11に基づいて説明する。なお、第一実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明する。
図7は、第二実施形態におけるドアリリース装置の斜視図、図8は、図7のA−A線に沿う断面斜視図である。
図1、図7、図8に示すように、この第二実施形態のドアリリース・クローザ装置61は、所謂ドアリリース機能に加え、スライドドア103を半閉位置から全閉位置にまで自動閉め込む所謂ドアクローズ機能を有するものであって、スライドドア103の内部に設けられている。
ここで、ドアリリース・クローザ装置61は、不図示のハウジング内に、電動モータ4と、電動モータ4に連結されたウォーム減速機構62と、ウォーム減速機構62に連係された遊星歯車減速機構63とが収納されたものであって、遊星歯車減速機構63に噛合うセクターギヤ64とロック機構65とが不図示のハウジングに支持されている等の基本的構成は、前述の第一実施形態におけるドアリリース装置1と同様である。
また、ウォーム減速機構62を構成するウォームホイール66は、有底筒状に形成された本体部11を有しており、この本体部11の内部を、遊星歯車減速機構63を収納する収納部13として構成している点、本体部11の周壁11aにおける外面には、ウォーム軸9に噛合う歯部12が形成されている一方、本体部11の底壁11bには、径方向略中央に、本体部11の開口部11c側に向かって突出する太陽歯車14が一体形成されている点は、前述の第一実施形態と同様である。
一方、第二実施形態では、本体部11の底壁11bに平歯車33が一体成形されておらず、平歯車33に代わってキャリアロック用爪車67が配置されている。キャリアロック用爪車67は、遊星歯車減速機構63を構成する遊星キャリア68に一体成形され、リリーサ出力軸70に回転自在に支持されている。
リリーサ出力軸70は、不図示のケーブル等を介してドアハンドル108やラッチ106に連結されており、ラッチ106に向かってストライカ201に対する係合を解除するための動力を出力するためのものである(詳細は後述する)。
遊星キャリア68は、太陽歯車14を中心に公転可能に設けられた2つの遊星歯車69を回転自在に支持するものであって、各遊星歯車69を軸支する2つのキャリアピン21と、2つのキャリアピン21の軸方向両端を各々連結する一対のキャリアプレート71,72とを有しており、これら一対のキャリアプレート71,72のうちの一方のキャリアプレート71にキャリアロック用爪車67が一体成形されている。
各キャリアプレート71,72は、平面視略菱形状に形成されており、リリーサ出力軸70を中心に対向する2つの頂点部71a,71a、および頂点部72a,72aに、それぞれキャリアピン21の軸方向両端が固定されている。
一対のキャリアプレート71,72のうちの他方のキャリアプレート72は、径方向中央に開口部72bが形成されている。この開口部72bの内径は、太陽歯車14の外径よりも大きく設定されており、これによって遊星キャリア68をウォームホイール66の内側に配置することができるようになっている。
これに対し、一方のキャリアプレート71には、径方向略中央にリリーサ出力軸70を挿通可能な筒部73が一体成形されている。一方、太陽歯車14には、筒部73を挿通可能な挿通孔14aが形成されており、筒部73は、挿通孔14aを介してウォームホイール66の底壁11bから軸方向外側に向かって突出している。この筒部73の突出した部位に、キャリアロック用爪車67が一体成形されている。
キャリアロック用爪車67は略円板状に形成されたものであって、外周に複数の爪67aが形成されている。また、キャリアロック用爪車67の径方向中央には、ウォームホイール66とは反対側に向かって突出するピニオンギヤ74が一体成形されている。これらピニオンギヤ74、およびキャリアロック用爪車67には、リリーサ出力軸70を挿通可能な挿通孔75が形成されており、リリーサ出力軸70によって回転自在に支持されている。
また、この第二実施形態と前述の第一実施形態とが同様である点として、外輪歯車19は、ウォームホイール10の周壁11aに内嵌可能に形成されており、その内周面に遊星歯車17と噛合う内歯19aが形成されている点がある。
一方、この第二実施形態と前述の第一実施形態との相違点として、外輪歯車19に一体成形されている外輪ロック用爪車76の形状が、第一実施形態の外輪ロック用爪車31の形状と異なるという点がある。
すなわち、この第二実施形態の外輪ロック用爪車76は、ウォームホイール66の開口部11cを閉塞するように略円板状に形成されており、外周部に複数の爪76aが形成されている。外輪ロック用爪車76の径方向中央には、ウォームホイール10とは反対側に向かって突出するボス部77が一体成形されており、ここにワンウェイクラッチ59を介してリリーサ出力軸70が取り付けられている。
このため、外輪歯車19が図7における右回り方向(正転方向)に向かって回転するとワンウェイクラッチ59がONとなり、外輪歯車19と一体となってリリーサ出力軸70が回転する。一方、外輪歯車19が図7における左回り方向(反転方向)に向かって回転するとワンウェイクラッチ59がOFFとなり、外輪歯車19の回転のリリーサ出力軸70への伝達が遮断される。この結果、リリーサ出力軸70は停止したままの状態になる。
また、リリーサ出力軸70には、回転方向とは逆向きに力が作用する不図示のバネが設けられている。つまり、リリーサ出力軸70は、ワンウェイクラッチ59によって右回り方向に向かってのみ回転するので、左回り方向に向かって力が作用する不図示のバネが設けられている。換言すれば、リリーサ出力軸70には、常に元位置に向かってバネ力が付勢された状態になっている。このバネ力は、リリーサ出力軸70に回転力が付与された場合、リリーサ出力軸70の回転を許容可能な大きさに設定されている。
(ロック機構)
ここで、キャリアロック用爪車67、および外輪ロック用爪車76は、ロック機構65の一部を構成している。
ロック機構65は、キャリアロック用爪車67、および外輪ロック用爪車76の他に、これらキャリアロック用爪車67、および外輪ロック用爪車76に対して係脱可能に設けられている爪機構78と、ウォームホイール66に噛合うロックギヤ79と、ロックギヤ79、および爪機構78を回動自在に支持するためのクローザ出力軸80とを有している。
クローザ出力軸80には、不図示のケーブル等を介してドアクローザ装置110(図1参照)に連結されており、ドアクローザ装置110に駆動力を出力するようになっている(詳細は後述する)。
爪機構78はウォームホイール66の外周側に配置されており、断面略コの字状に形成された支持フレーム81を有している。支持フレーム81は、キャリアロック用爪車67、および外輪ロック用爪車76に対応するように配置された一対の側壁プレート82a,82bと、一対の側壁プレート82a,82bのウォームホイール66とは反対側に配置され、両者82a,82bに跨る連結プレート83とにより構成されている。
外輪ロック用爪車76側に配置された側壁プレート82aには、この側壁プレート82aの先端から外輪ロック用爪車76の周方向に沿って延出する外輪ロック用アーム84aが一体形成されている。外輪ロック用アーム84aは、基端から先端に向かうに従って徐々に先細りとなるように形成されており、その先端に、外輪ロック用爪車76の爪76aに係脱可能な外輪ロック爪85aが一体形成されている。
一方、キャリアロック用爪車67側に配置された側壁プレート82bには、この側壁プレート82bの先端からキャリアロック用爪車67の周方向に沿って、かつ外輪ロック用アーム84aとは反対側に向かってキャリアロック用アーム84bが一体形成されている。キャリアロック用アーム84bも基端から先端に向かうに従って徐々に先細りとなるように形成されており、その先端に、キャリアロック用爪車67の爪67aに係脱可能なキャリアロック爪85bが一体形成されている。
ここで、外輪ロック用爪車76の爪76a、および外輪ロック爪85aは、それぞれ一方向への回転を許容可能、かつ他方向への回転を阻止可能に形成されている。また、キャリアロック用爪車67の爪67a、およびキャリアロック爪85bは、それぞれ一方向への回転を許容可能、かつ他方向への回転を阻止可能に形成されている。
より詳しくは、図7において、各ロック用爪車76,67の爪76a,67aは、右回り方向(正転方向)側の一辺が左回り方向(反転方向)側の他辺よりも傾斜が緩やかになるように形成されている。一方、外輪ロック爪85aは、この先端内側が外輪ロック用爪車76の爪76aの一辺側である急斜面57aに当接する係合面57bとして構成されている。また、キャリアロック爪85bは、この先端外側がキャリアロック用爪車67の爪67aの一辺側である急斜面56aに当接する係合面56bとして構成されている。
これにより、各ロック用爪車67,76に、それぞれ対応するロック爪85a,85bが係合すると、各ロック用爪車67,76の一方向への回転が許容される一方、他方向への回転が阻止される。
また、支持フレーム81の内側には、ロックギヤ79が配置されている。ロックギヤ79は、ウォームホイール66に噛合うヘリカル歯を有するギヤ本体79aと、ギヤ本体79aと同軸上に一体形成されているボスシャフト79bとにより構成されている。
外輪ロック用アーム84aの基端には、ボスシャフト79bを挿通可能な挿通孔86が形成されている。ギヤ本体79aの軸方向の厚さは、外輪ロック用アーム84aの挿通孔86にボスシャフト79bを挿通した状態で、外輪ロック用アーム84aとギヤ本体79aとの間に隙間が形成されるように設定されている。
さらに、ロックギヤ79、およびキャリアロック用アーム84bの基端には、クローザ出力軸80を挿通可能な挿通孔87a,87bが形成されている。これにより、クローザ出力軸80を中心にして各ロック用アーム84a,84bが回動可能になると共に、ロックギヤ79が回転可能になる。
ここで、各ロック用アーム84a,84bは、外輪ロック爪85a、およびキャリアロック爪85bの何れも各ロック用爪車67,76の爪67a,76aに係合しない中立状態と、キャリアロック用爪車67にキャリアロック用アーム84bのみが係合したキャリア側係合状態と、外輪ロック用爪車76に外輪ロック用アーム84aのみが係合した外輪側係合状態の3つの状態を採ることができるようになっている。
また、外輪ロック用アーム84aの内面側には、この外輪ロック用アーム84aとギヤ本体79aとの間に形成されている隙間を埋めるように、ブレーキホルダ88が一体形成されており、ここにブレーキユニット89が収納されている。
ブレーキユニット89は、ロックギヤ79に摩擦抵抗を付与するためのものであって、ブレーキホルダ88内を進退可能に設けられたブレーキスライダ91と、このブレーキスライダ91をロックギヤ79のボスシャフト79bに向かって付勢するスプリング92とにより構成されている。ブレーキスライダ91は、樹脂や硬質ゴム等によって形成されている。
さらに、支持フレーム81には、各ロック用アーム84a,84bを中立状態となる位置に向かって付勢するリターンスプリング93が設けられている。このリターンスプリング93は、所謂トーションスプリングであって、クローザ出力軸80の周囲を取り囲むように取り付けられている。
ここで、ブレーキユニット89のスプリング92によって、外輪ロック用アーム84aに形成されている挿通孔86の内周面、ロックギヤ79のボスシャフト79b、およびブレーキスライダ91に生じる摩擦抵抗をμ2とし、リターンスプリング93によるバネ力をF2とし、電動モータ4が回転することにより、ロックギヤ79に入力される回転力をP2としたとき、摩擦抵抗μ2、バネ力F2、および回転力P2は、
F2<μ2 ・・・(4)
μ2<P2 ・・・(5)
を満たすように設定されている。
これにより、ロックギヤ79が回転すると、リターンスプリング93のバネ力に抗して爪機構78が回動し、爪機構78がキャリア側係合状態になったり、外輪側係合状態になったりした後、ブレーキスライダ91の押圧力に抗してロックギヤ79の回転を継続させることができる(詳細は後述する)。
また、クローザ出力軸80には、キャリアロック用アーム84bよりも外側にセクターギヤ64がスプライン嵌合しており、このセクターギヤ64がクローザ出力軸80と一体回転するようになっている。セクターギヤ64は、キャリアロック用爪車67に一体形成されているピニオンギヤ74に噛合わされており、ピニオンギヤ74の回転に伴って回転する。
さらに、セクターギヤ64には、回転方向とは逆向きに力が作用する不図示のバネが設けられている。つまり、セクターギヤ64には、常に元位置側に向かってバネ力が付勢されている。このバネ力は、セクターギヤ64に回転力が付与された場合、セクターギヤ64の回転を許容可能な大きさに設定されている。
(ドアリリース装置の動作)
次に、図7、図9、図10に基づいて、この第二実施形態のドアリリース・クローザ装置61の動作について説明する。
ここで、ドアリリース・クローザ装置61は、爪機構78の状態が外輪側係合状態、およびキャリア側係合状態の何れかの状態を採ることにより、クローザ出力軸80を回転させたり、リリーサ出力軸70を回転させたりする。そして、ストライカ201にラッチ106を係合させ、スライドドア103を半閉位置から全閉位置にまで自動で閉め込むドアクローズ動作を行ったり、ストライカ201に対するラッチ106の係合状態を解除し、スライドドア103を自動で開放させるドアリリース動作を行ったりする。
(ドアクローズ動作)
まず、図9に基づいて、ドアクローズ動作について説明する。
図9は、ドアリリース・クローザ装置の動作説明図であって、(a)は、ドアクローズ動作の手順を示し、(b)は、ドアクローズ動作後、元の位置に戻る元位置動作の手順を示す。
図7、図9(a)に示すように、ドアクローズ動作を行う場合、電動モータ4を正転させる(図7における矢印Y301参照、図9(a)におけるST101参照)。すると、ウォーム軸9を介してウォームホイール66が正転する(図7における右回り、矢印Y302参照、図9(a)におけるST102)。
ウォームホイール66が正転することにより、これに噛合うロックギヤ79が反転する(図7における左回り、矢印Y303参照、図9(a)におけるST103)。
ここで、ロックギヤ79のボスシャフト79bには、ブレーキユニット89のブレーキスライダ91が押圧されており、外輪ロック用アーム84aに形成されている挿通孔86の内周面、ロックギヤ79のボスシャフト79b、およびブレーキスライダ91に摩擦抵抗μ2が生じている。しかも、この摩擦抵抗μ2と、リターンスプリング93によるバネ力F2は、それぞれ式(4)を満たすように設定されている。このため、ロックギヤ79が反転することにより、爪機構78の支持フレーム81がリターンスプリング93に抗して反転する(図9(a)におけるST104)。
一方、ウォームホイール10が正転することにより、これと一体形成されている太陽歯車14が正転し、遊星歯車69を介して外輪歯車19が反転する(図9(a)におけるST105)。このような状態で支持フレーム81が反転することにより(ST104)、外輪ロック用爪車76に外輪ロック爪85aが係合する。そして、外輪ロック用爪車76の回転が規制される(図9(a)におけるST106)。
ここで、外輪ロック用爪車76に外輪ロック爪85aが係合すると、支持フレーム81が停止した状態になるが、外輪ロック用アーム84aに形成されている挿通孔86の内周面、ロックギヤ79のボスシャフト79b、およびブレーキスライダ91に生じる摩擦抵抗μ2と、ロックギヤ79に入力される回転力P2は、式(5)を満たすように設定されているので、摩擦抵抗μ2に抗してロックギヤ79が回転し続ける。このため、外輪歯車19が停止した状態でウォームホイール66、および太陽歯車14が回転し続け、遊星キャリア68が正転する(図7における矢印Y304参照、図9(a)におけるST107)。
遊星キャリア68が正転することにより、これと一体化されているピニオンギヤ74が正転する。すると、このピニオンギヤ74に噛合うセクターギヤ64が反転する(図7における矢印Y305参照、図9(a)におけるST108)。
そして、セクターギヤ64が反転することにより、ドアクローズ動作が行われる(図9(a)におけるST109)。すなわち、セクターギヤ64が反転することにより、これに不図示のケーブルを介して連結されているラッチ106が駆動し、ストライカ201と噛合う。ストライカ201にラッチ106が噛合うと、スライドドア103が全閉位置に移動する。この後、支持フレーム81やセクターギヤ64を元位置に戻す動作を行う。
図9(b)に示すように、スライドドア103が全閉位置に移動すると、電動モータ4が停止する(図9(b)におけるST201)。すると、リターンスプリング93の復元力により、爪機構78の支持フレーム81に元位置である中立状態に向かう力が作用する(図7における矢印Y401参照、図9(b)におけるST202)。そして、支持フレーム81が正転する(図9(b)におけるST203)。
支持フレーム81が正転し、中立状態に戻ることにより、外輪ロック用爪車76と外輪ロック爪85aとの係合が解除される(図9(b)におけるST204)。このとき、支持フレーム81が正転しようとすることにより、ブレーキユニット89を介してロックギヤ79に支持フレーム81と共に正転しようとする力が作用する。また、ロックギヤ79に噛合うウォームホイール66に反転しようとする力が作用する。
しかも、図7において、各ロック用爪車76,67の爪76a,67aは、正転方向側の一辺が反転方向側の他辺よりも傾斜が緩やかになるように形成されているので、外輪ロック爪85aに外輪ロック用爪車76から離反する方向に向かって力が作用する。このため、外輪ロック用爪車76に対する外輪ロック爪85aの係合がスムーズに解除される。
また、ウォームホイール66が回転することにより、このウォームホイール66に噛合うウォーム軸9を介して電動モータ4にも反転力が付勢される。ここで、電動モータ4にはコギングトルクが生じるが、このコギングトルクをT2とし、リターンスプリング93のバネ力F2によってロックギヤ79、ウォームホイール66、およびウォーム軸9を介して電動モータ4の回転軸に出力される力をF2’としたとき、コギングトルクT2,および力F2’は、
T2<F2’ ・・・(6)
を満たすように設定されている。
このため、外輪ロック用爪車76と外輪ロック爪85aとの係合が解除されることにより、ロックギヤ79が僅かに正転する(図9(b)におけるST205)。続いて、ウォームホイール66が僅かに反転する(図9(b)におけるST206)。そして、電動モータ4が僅かに反転する(図9(b)におけるST207)。
一方、セクターギヤ64には、不図示のバネによって常に元位置側に向かう力が付勢されている(図9(b)におけるST208)。これにより、反転したセクターギヤ64が正転する(図7における矢印Y306参照、図9(b)におけるST209)。セクターギヤ64が正転することにより、これに噛合うピニオンギヤ74が回転し、キャリアロック用爪車67、および遊星キャリア68が反転する(図7における矢印Y307参照、図9(b)におけるST210)。
このとき、外輪ロック用爪車76と外輪ロック爪85aとの係合が解除されており(図9(b)におけるST204)、外輪歯車19の回転が規制されることがないので、外輪歯車19が反転する(図9(b)におけるST211)。
ここで、外輪歯車19とリリーサ出力軸70は、互いにワンウェイクラッチ59を介して連結されている。このワンウェイクラッチ59は、外輪歯車19が正転した場合、この回転をリリーサ出力軸70に伝達する一方、外輪歯車19が反転した場合、この回転のリリーサ出力軸70への伝達を遮断するように構成されている。すなわち、ST211のように外輪歯車19が反転した場合、ワンウェイクラッチ59がOFFとなり(図9(b)におけるST212)、リリーサ出力軸70は非作動となる(図9(b)におけるST213)。これにより、ドアクローズ動作が完了する。
(ドアリリース動作)
図10は、ドアリリース・クローザ装置の動作説明図であって、(a)は、ドアリリース動作の手順を示し、(b)は、ドアリリース動作後、元の位置に戻る元位置動作の手順を示す。
図7、図10(a)に示すように、ドアリリース動作を行う場合、電動モータ4を反転させる(図7における矢印Y401参照、図10(a)におけるST301参照)。すると、ウォーム軸9を介してウォームホイール66が反転する(図7における左回り、矢印Y402参照、図10(a)におけるST302)。
ウォームホイール66が反転することにより、これに噛合うロックギヤ79が正転する(図7における右回り、矢印Y403参照、図10(a)におけるST303)。
ロックギヤ79が正転すると、ブレーキユニット89によって生じる摩擦抵抗μ2が作用し、リターンスプリング93に抗して支持フレーム81が正転する(図10(a)におけるST304)。
一方、ウォームホイール10が反転することにより、これと一体形成されている太陽歯車14が反転し、遊星歯車69を介してキャリアロック用爪車67が反転する(図10(a)におけるST305)。このような状態で支持フレーム81が反転することにより(ST304)、キャリアロック用爪車67にキャリアロック爪85bが係合する。そして、キャリアロック用爪車67の回転が規制される(図10(a)におけるST306)。
ここで、キャリアロック用爪車67にキャリアロック爪85bが係合すると、支持フレーム81が停止すると共に、キャリアロック用爪車67の回転が規制される。このような状態において、ロックギヤ79は、ブレーキユニット89による摩擦抵抗μ2に抗して回転し続け、ロックギヤ79に噛合うウォームホイール66を介して太陽歯車14が回転し続ける。一方、遊星キャリア68の遊星歯車69は、太陽歯車14の周りを公転せずに、同じ位置でキャリアピン21を中心に回転する。この結果、外輪歯車19が正転する(図10(a)におけるST307)。
このとき、外輪歯車19が正転することにより、ワンウェイクラッチ59がONとなり(図10(a)におけるST308)、リリーサ出力軸70の回転力が不図示のケーブルを介してラッチ106に伝達される。これにより、ストライカ201に対するラッチ106の係合が解除され、スライドドア103の開放動作が行われる(図10(a)におけるST309)。この後、支持フレーム81や外輪歯車19を元位置に戻す動作を行う。
図10(b)に示すように、スライドドア103が開放動作を始めると、電動モータ4が停止する(図10(b)におけるST401)。すると、リターンスプリング93の復元力により、爪機構78の支持フレーム81に元位置である中立状態に向かう力が作用する(図7における矢印Y501参照、図10(b)におけるST402)。そして、支持フレーム81が反転する(図10(b)におけるST403)。
支持フレーム81が反転し、中立状態に戻ることにより、キャリアロック用爪車67とキャリアロック爪85bとの係合が解除される(図10(b)におけるST404)。このとき、支持フレーム81が反転しようとすることにより、ブレーキユニット89を介してロックギヤ79に支持フレーム81と共に反転しようとする力が作用する。また、ロックギヤ79に噛合うウォームホイール66に正転しようとする力が作用する。
しかも、図7において、各ロック用爪車76,67の爪76a,67aは、正転方向側の一辺が反転方向側の他辺よりも傾斜が緩やかになるように形成されているので、キャリアロック爪85bにキャリアロック用爪車67から離反する方向に向かって力が作用する。このため、キャリアロック用爪車67に対するキャリアロック爪85bの係合がスムーズに解除される。
ここで、電動モータ4のコギングトルクT2、およびウォーム軸9を介して電動モータ4の回転軸に出力される力をF2’は、式(6)を満たすように設定されている。このため、キャリアロック用爪車67とキャリアロック爪85bとの係合が解除されることにより、ロックギヤ79が僅かに反転する(図10(b)におけるST405)。続いて、ウォームホイール66が僅かに正転する(図10(b)におけるST406)。そして、電動モータ4が僅かに正転する(図10(b)におけるST407)。
一方、リリーサ出力軸59には、不図示のバネによって常に元位置側に向かう力が付勢されている。つまり、リリーサ出力軸70には、不図示のバネによって反転方向に向かう力が付勢されている(図10(b)におけるST408)。
ここで、リリーサ出力軸70からワンウェイクラッチ59を介して外輪歯車19に回転力が伝達される回転方向は、外輪歯車19からワンウェイクラッチ59を介してリリーサ出力軸70に回転力が伝達される回転方向と逆になる。すなわち、リリーサ出力軸70からワンウェイクラッチ59を介して外輪歯車19に回転力が伝達される回転方向は、反転方向になる。このため、ST408のように、リリーサ出力軸70が反転しようとすると、ワンウェイクラッチ59がONとなる(図10(b)におけるST409)。
そして、リリーサ出力軸70の回転がワンウェイクラッチ59を介して外輪歯車19に伝達され、外輪歯車19が反転する(図10(b)におけるST410)。
このとき、キャリアロック用爪車67とキャリアロック爪85bとの係合が解除されており(図10(b)におけるST404)、遊星キャリア68の回転が規制されることがないので、遊星キャリア68が反転する(図10(b)におけるST411)。これにより、ドアリリース動作が完了する。
(効果)
したがって、上述の第二実施形態によれば、前述の第一実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、前述の第一実施形態の効果に加え、外輪歯車19に外輪ロック用爪車76を一体形成すると共に、遊星キャリア68にキャリアロック用爪車67を一体形成する一方、正・逆回転させることによって外輪ロック用爪車76に係合したり、キャリアロック用爪車67に係合したりする爪機構78を設けているので、電動モータ4の正・逆転に伴って、外輪歯車19の回転と遊星キャリア68の回転とを切換えることができる。
このため、これら外輪歯車19の回転と遊星キャリア68の回転とを別々にラッチ106に作用させ、ストライカ201に対してラッチ106を係合させたり離脱させたりすることが可能になる。すなわち、1つのドアリリース・クローザ装置61としてスライドドア103のドアクローズ機能とドアリリース機能とを持たせることができ、さらに装置の小型化、レイアウト性の向上化を図ることができる。
さらに、ドアリリース動作を行うリリーサ出力軸70の回転力を外輪歯車19から伝達されるように構成していると共に、ドアクローズ動作を行うクローザ出力軸80の回転力をセクターギヤ64から伝達されるように構成している。すなわち、ラッチ106を駆動させるにあたって、より大きな力が必要となるドアクローズ動作を行うクローザ出力軸80がセクターギヤ64と一体となって回転するように構成されている。
ここで、外輪歯車19、およびセクターギヤ64の電動モータ4の回転に対する減速比は、歯車の噛合数が多い分、外輪歯車19の減速比と比較してセクターギヤ64の減速比のほうが大きい。すなわち、外輪歯車19にリリーサ出力軸70を連結すると共に、セクターギヤ64にクローザ出力軸80を連結することにより、電動モータ4からリリーサ出力軸70に至る間の動力伝達系の減速比と比較して、電動モータ4からクローザ出力軸80に至る間の動力伝達系の減速比を大きく設定できる。このため、ドアリリース動作と比較してドアクローズ動作を大きな力で行うことができ、ストライカ201に対するラッチ106の係脱動作を確実に行うことが可能になる。
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の第二実施形態では、支持フレーム81を中立状態に戻すためのリターンスプリング93を、所謂トーションスプリングとした場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、リターンスプリング93は、支持フレーム81が回動した際、この支持フレーム81を中立状態に戻す方向に向かって付勢可能なバネ部材であればよい。
また、上述の実施形態では、スライドドア103に、ドアリリース装置1やドアリリース・クローザ装置61を設けると共に、ドアクローザ本体203を設ける一方、車両本体101の開口部102にストライカ201を設けた場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、車両本体101にドアリリース装置1やドアリリース・クローザ装置61を設ける一方、スライドドア103にストライカ201を設けてもよい。
さらに、上述の実施形態では、ドアリリース装置1やドアリリース・クローザ装置61をスライドドア103に適用した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、車両本体101に取り付け可能なドアであれば、例えば、ヒンジドアやバックドア等の他のドアに、ドアリリース装置1やドアリリース・クローザ装置61を適用することが可能である。
1 ドアリリース装置(ドア開閉装置)
2 ストライカ
4 電動モータ
5,62 ウォーム減速機構
6,63 遊星歯車減速機構
7,64 セクターギヤ(出力部)
8,65 ロック機構
9 ウォーム軸
10,66 ウォームホイール
17,69 遊星歯車
18,68 遊星キャリア
19 外輪歯車
25,74 ピニオンギヤ
29,56a,57a 急斜面
31,76 外輪ロック用爪車
32,78 爪機構
33 平歯車
34 小平歯車(入力部)
37 爪部
46 リターンスプリング(バネ部材)
52 レバー(出力部)
56b,57b 係合面
59 ワンウェイクラッチ
61 ドアリリース・クローザ装置(ドア開閉装置)
67 キャリアロック用爪車
70 リリーサ出力軸(小出力部)
79 ロックギヤ(入力部)
80 クローザ出力軸(出力軸)
84a 外輪ロックアーム
84b キャリアロック用アーム
85a 外輪ロック爪(第1爪部)
85b キャリアロック爪(第2爪部)
93 リターンスプリング
101 車両本体
103 スライドドア(ドア)
106 ラッチ

Claims (5)

  1. 車両本体、およびドアの何れか一方に設けられたストライカと係合可能なラッチの係脱動作を行うためのドア開閉装置において、
    電動モータと、
    前記電動モータの回転力が入力される遊星歯車減速機構と、
    前記遊星歯車減速機構の駆動を規制するロック機構と、
    前記回転力が前記遊星歯車減速機構を介して伝達され、前記ラッチの係脱動作を行う出力部とを備え、
    前記遊星歯車減速機構は、
    前記回転力が入力される太陽歯車と、
    前記太陽歯車に噛合い、この太陽歯車を中心に公転可能に設けられた複数の遊星歯車と、
    前記複数の遊星歯車に連結されると共に、前記出力部に連結される遊星キャリアと、
    前記複数の遊星歯車の外周側に設けられ、前記太陽歯車と同心円上に設けられた外輪歯車とを有し、
    前記ロック機構は、
    前記回転力が入力される入力部と、
    前記入力部に前記回転力が入力されると、前記外輪歯車、および前記遊星キャリアの何れか一方の外周面側に係合する爪機構とを有し、
    前記外輪歯車、および前記遊星キャリアの何れか他方と、前記出力部とを連結したことを特徴とするドア開閉装置。
  2. 前記爪機構を前記外輪歯車、および前記遊星キャリアの何れか一方から離脱させる方向に向かって付勢するバネ部材を備え、
    前記爪機構と、前記外輪歯車、および前記遊星キャリアの何れか一方は、
    この一方に前記爪機構が係合した状態において、前記外輪歯車、および前記遊星キャリアの何れか一方の一方向の回転を許容すると共に、他方向の回転を阻止するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のドア開閉装置。
  3. 前記電動モータと前記遊星歯車減速機構との駆動伝達系の途中に、ウォーム減速機構を設け、
    前記ウォーム減速機構は、
    前記電動モータの回転軸に連結され、前記回転力が入力されるウォーム軸と、
    前記ウォーム軸に噛合い、このウォーム軸を介して前記回転力を前記遊星歯車減速機構へと伝達するウォ−ムホイールとを有し、
    前記ウォームホイールの内側に、前記遊星歯車減速機構を収納すると共に、
    前記遊星歯車減速機構のうち、前記外輪歯車の一部が前記ウォームホイールの外部に露出し、この露出した部位に前記爪機構が係合することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のドア開閉装置。
  4. 前記爪機構は、
    前記外輪歯車、および前記遊星キャリアの何れか一方と係合可能な第1爪部と、
    前記外輪歯車、および前記遊星キャリアの何れか他方と係合可能な第2爪部とを有し、
    前記入力部に前記電動モータの一方向の回転力が入力されると、前記外輪歯車、および前記遊星キャリアの何れか一方に前記第1爪部が係合する一方、
    前記入力部に前記電動モータの他方向の回転力が入力されると、前記外輪歯車、および前記遊星キャリアの何れか他方に前記第2爪部が係合することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載のドア開閉装置。
  5. 前記外輪歯車に小出力部を連結し、
    この小出力部の動力を、前記ストライカに対する前記ラッチの係合を解除する際に用いる一方、前記出力部の動力を、前記ストライカに前記ラッチを係合させる際に用いることを特徴とする請求項4に記載のドア開閉装置。
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