JP4616901B2 - 搬送ローラ、および厚さ検知ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、紙幣や有価証券等の紙葉類を搬送する搬送ローラ、および、この搬送ローラを適用し、搬送している紙葉類の厚さを検知する厚さ検知ユニットに関する。
従来、金融機関の店舗では、現金自動預け払い機(以下、ATMと言う。)を設置し、利用者との間における入出金取引をATMで処理している。ATMは、本体前面に設けた入出金口と、本体内部にセットされている紙幣カートリッジと、の間で紙幣を搬送する紙幣搬送路を備えている。ATMは、この紙幣搬送路を搬送している紙幣毎に、その真偽、および金種の鑑別を行う。紙幣の鑑別に用いる要素には、紙幣の磁気パターンや、透過光パターンだけでなく、紙幣の幅、長さ、厚さ等が含まれている。
紙幣の厚さは、例えば特許文献1で提案されているように、紙幣を挟持して搬送する搬送ローラにおいて、挟持した紙幣の厚さを検知することで行われている。この特許文献1では、駆動ローラと、従動ローラと、を対向して配置し、駆動ローラと、従動ローラと、で紙幣を挟持して搬送する。駆動ローラは、金属ローラである。従動ローラは、金属パイプを、回転自在に取り付けたシャフトの外周に設けたゴム部材を介して保持する構成である。この搬送ローラでは、駆動ローラと、従動ローラと、によって紙幣が挟持されると、その紙幣の厚さに応じて、ゴム部材が変形し、金属パイプが変位する。この金属パイプの変位量をセンサで検出し、これを、駆動ローラと、従動ローラとが挟持している紙幣の厚さとして検知している。
特開2006−44834号公報
しかしながら、特許文献1では、シャフトの外周に設けたゴム部材を介して金属パイプを保持する構成であるので、ゴム部材の厚さや、このゴム部材によって生じる弾性力を、金属パイプの回転位置に関係なく均一にしなければならない。また、従動ローラを構成するシャフトの中心と、金属パイプの中心と、を一致させなければならない。このため、従動ローラを構成する、シャフト、ゴム部材、および金属パイプのそれぞれについて高い加工精度が要求されるとともに、その組み立て精度も要求され、その結果、各部品の加工時間や、組み立て時間が多くかかり、高価になるという問題があった。
この発明の目的は、安価で、且つ、搬送している紙幣の厚さを精度良く検知できる搬送ローラ、および、この搬送ローラを適用した厚さ検知ユニットを提供することにある。
この発明の搬送ローラは、上記課題を解決し、その目的を達するために、以下の構成を備えている。
この搬送ローラは、駆動源から伝達された駆動力によって回転駆動される駆動ローラと、前記駆動ローラの回転にともなって回転する従動ローラと、で紙葉類を挟持して搬送する。従動ローラは、複合シャフトをローラベアリングの内径に嵌挿した構成である。この複合シャフトは、ローラベアリングの取付位置において、このローラベアリングの幅方向にわたって切欠き部を形成した金属シャフトに対して、粘弾性体部を前記切欠き部に配置したシャフトである。金属シャフトは、例えばステンレス等を素材とし、剛性を有する。粘弾性体部は、ゴムやエラストマ等を素材とした粘弾性体である。そして、この搬送ローラは、ローラベアリングの外輪が駆動ローラに当接し、且つ複合シャフトの粘弾性体部が駆動ローラに対向する側に位置している。
このように、ローラベアリングを用いて従動ローラを構成したので、安価に製造できる。また、駆動ローラと、従動ローラと、が紙葉類を挟持すると、挟持した紙葉類の厚さだけ、ローラベアリングが押し上げられ、複合シャフトの粘弾性体部が変形する。この粘弾性体の変形量を検出することで、挟持している紙幣の厚さを検知できる。
例えば、前記金属シャフトの前記切欠き部の表面と、前記粘弾性体部の表面と、の間に空隙を設けておき、この空隙の大きさの変化を、前記粘弾性体部の変形量として検出すればよい。この空隙の大きさの変化を検出する方法としては、例えば、粘弾性体部に取り付けたコイルに交流電流を流し、このコイル両端の電圧に基づいて、切欠き部の表面と、粘弾性体部表面と、の間の空隙の大きさの変化を検出することができる。具体的に言えば、コイルと、金属シャフトと、の距離の変化に応じて、金属シャフトでのうず電流損が変化する。このため、金属シャフトでのうず電流損の大きさを検出することで、切欠き部の表面と、粘弾性体部表面と、の間の空隙の大きさの変化を検出することができる。
また、このコイルは、電磁波ノイズの影響を抑えるために、粘弾性体部の内部に埋め込むのが好ましい。
この発明によれば、安価で、且つ、搬送している紙幣の厚さを精度良く検知できる。
以下、この発明の実施形態について説明する。
まず、この発明の実施形態にかかる厚さ検知ユニットが適用される現金自動預け払い機(以下、ATMと言う。)について簡単に説明する。図1は、ATMの外観を示す概略図であり、図2は、このATMの主要部の構成を示すブロック図である。ATM1は、図2に示すように、主制御部2と、表示・操作部3と、紙幣処理部4と、硬貨処理部5と、カード・明細書処理部6と、通帳処理部7と、通信部8と、を備えている。このATM1は、金融機関の店舗やコンビニエンスストア等に設置され、利用者が要求する種別の取引(入金取引や出金取引等)を処理する。主制御部2は、ATM1本体各部の動作を制御する。
表示・操作部3は、本体正面に設けた表示器3a、およびこの表示器3aの画面上に貼付したタッチパネル3bを有している。表示・操作部3は、利用者に対する操作案内画面を表示器3aに表示する。また、表示・操作部3は、タッチパネル3bの押下位置を検知することにより、暗証番号や取引内容(取引種別、入出金金額等)にかかる利用者の入力操作を受け付ける。また、表示・操作部3は、利用者の生体情報(指紋、指静脈、掌紋等)を読み取る生体情報読取部等を有していてもよい。
紙幣処理部4は、本体正面に設けた紙幣入出金口4aと、本体内部に収納されている紙幣カートリッジと、の間に形成した紙幣搬送路に沿って紙幣を搬送する。また、紙幣処理部4は、紙幣搬送路に沿って搬送している紙幣毎に、金種、および真偽を鑑別する紙幣鑑別部を有している。この発明の実施形態にかかる厚さ検知ユニットは、この紙幣処理部4に適用され、紙幣搬送路に沿って搬送している紙幣の厚さを検知し、紙幣鑑別部に出力する。紙幣鑑別部は、紙幣から読み取った磁気パターンや、透過光パターンだけでなく、厚さ検知ユニットから入力された紙幣の厚さ等を用いて、その紙幣の真偽、および金種を鑑別する。この厚さ検知ユニットの詳細については後述する。
硬貨処理部5は、本体正面に設けた硬貨入出金口5aと、本体内部に収納されている硬貨カートリッジと、の間に形成された硬貨搬送路に沿って硬貨を搬送する。また、硬貨処理部5は、硬貨搬送路に沿って搬送している硬貨毎に、金種、および真偽を鑑別する硬貨鑑別部を有している。
カード・明細書処理部6は、本体正面に設けたカード挿入口6aに挿入されたカードを取り込み、このカードに記録されているカード情報(金融機関番号、店舗番号、口座番号等)の読み取りや、カード情報の書き換え等を行う。カード・明細書処理部6は、磁気カードを処理する構成であってもよいし、ICカードを処理する構成であってもよいし、両方のカード(磁気カード、およびICカード)を処理する構成であってもよい。また、カード・明細書処理部6は、取引内容を明細書に印字する印字部(不図示)を有する。カード・明細書処理部6は、取引内容を印字した明細書を本体正面に設けた明細書放出口6bに放出する。
通帳処理部7は、本体正面に設けた通帳挿入口7aに挿入された通帳を取り込み、この通帳に対して取引履歴を印字する印字部(不図示)を有している。また、通帳処理部7は、取り込んだ通帳のページを捲るページ捲り機構や、通帳に印刷されているページ番号を示すバーコードを読み取るバーコードリーダ、通帳に貼付されている磁気ストライプに記録されている通帳情報(金融機関番号、店舗番号、口座番号等)を読み取る磁気ヘッド等も有している。通信部8は、センタに設置されている上位装置(不図示)との間におけるデータ通信を制御する。
次に、紙幣処理部4による紙幣の搬送について説明する。図3は、ATMの内部に形成されている紙幣搬送路を示す概略図である。紙幣搬送路10は、駆動源であるパルスモータ(不図示)が異なる複数の搬送路を並べて形成しており、紙幣処理部4が駆動源であるパルスモータの駆動/停止を個別に制御する。ATM1の下部には、金種別に紙幣を収納する紙幣カートリッジ11(11a〜11d)や、不良紙幣を回収する回収カートリッジ12が収納される。紙幣カートリッジ11、および回収カートリッジ12は、ATM1本体に対して着脱自在に構成されている。また、ATM1の上部には、紙幣を一時的に保留する一時保留部13、紙幣入出金口4aに設けられた入出金紙幣保留部14、紙幣の真偽、および金種を鑑別する紙幣鑑別部4bが設けられている。紙幣搬送路10は、紙幣カートリッジ11、回収カートリッジ12、一時保留部13、入出金紙幣保留部14、紙幣鑑別部4bを結んでいる。紙幣処理部4は、紙幣搬送路10の分岐点に設けたゲート16(16a〜16f)を制御し、紙幣搬送路10上を搬送されている紙幣の搬送先(搬送経路)を切り替える。また、紙幣処理部4は、紙幣搬送路10に沿って配置した複数のセンサにより、紙幣搬送路10上を搬送している紙幣を検知する。このセンサは、例えば、紙幣搬送路10を挟んで、発光部と、受光部と、を対向させて配置した透過型の光センサである。
ここで、出金紙幣、および入金紙幣の搬送経路について、簡単に説明しておく。出金紙幣は、紙幣カートリッジ11から繰り出される。紙幣カートリッジ11から繰り出された出金紙幣は、紙幣搬送路10に沿って紙幣鑑別部4bに搬送され、この紙幣鑑別部4bで金種や真偽が鑑別される。紙幣鑑別部4bで金種、および真券であることが鑑別された紙幣は、紙幣搬送路10に沿って入出金紙幣保留部14に搬送され、それ以外の紙幣は一時保留部13に搬送される。その後、一時保留部13の紙幣(紙幣鑑別部4bで金種、および真券であることが鑑別されなかった紙幣)は、紙幣搬送路10を逆転させ、回収カートリッジ12に搬送される。
また、入金紙幣は、入出金紙幣保留部14から繰り出され、紙幣搬送路10に沿って紙幣鑑別部4bに搬送され、金種や真偽が鑑別される。紙幣鑑別部4bで金種、および真券であることが鑑別された紙幣は、紙幣搬送路10に沿って一時保留部13に搬送される。一方、紙幣鑑別部4bで金種、および真券であることが鑑別されなかった紙幣は、紙幣搬送路10に沿って入出金紙幣保留部14に戻される。一時保留部13に保留した紙幣は、取引の終了後、この一時保留部13から繰り出され、紙幣搬送路10に沿って紙幣鑑別部4bに搬送され、再度金種や真偽が鑑別される。その後、紙幣搬送路10に沿って、該当する金種の紙幣カートリッジ11に搬送される。
次に、この発明の実施形態にかかる厚さ検知ユニットについて説明する。この厚さ検知ユニットは、紙幣を挟持して搬送する搬送ローラ(以下、厚さ検知用搬送ローラと言う。)を有している。この厚さ検知用搬送ローラは、紙幣搬送路の適当な場所、例えば紙幣鑑別部4bの紙幣の出入口、に取り付けられる。
図4は、厚さ検知用搬送ローラの外観を示す図である。この厚さ検知用搬送ローラ50は、対向させて配置した基準ローラ60と、検知ローラ70と、を有している。基準ローラ60が、この発明で言う駆動ローラに相当し、検知ローラ70が、この発明で言う従動ローラに相当する。この厚さ検知用搬送ローラ50は、基準ローラ60と、検知ローラ70とで紙幣を挟持して搬送する。
基準ローラ60は、図4に示すように、回転軸である金属シャフト61と、この金属シャフト61に取り付けた複数の金属ローラ62と、を有している。金属シャフト61、および金属ローラ62は、ステンレス等の金属を素材とし、剛性を有する。金属シャフト61は、その両端に取り付けたベアリング(不図示)を用いて、回転自在にATM1本体に取り付けている。また、金属シャフト61の一端には、ギヤやベルトを介して、モータ等の駆動源が連結されている。紙幣処理部4が、この駆動源の駆動/停止を制御する。金属シャフト61は、この駆動源によって回転駆動される。複数の金属ローラ62は、金属シャフト61に一体化されており、金属シャフト61とともに回転する。
なお、基準ローラ60は、切削加工により、金属製の丸材を図4に示す形状に加工したものであってもよい。
検知ローラ70は、金属ローラ62毎に設けられている。図5(A)は、検知ローラの外観図であり、図5(B)は、検知ローラの分解図である。検知ローラ70は、複合シャフト71を、ローラベアリング75の内径に嵌挿した構成である。検知ローラ70は、ローラベアリング75の外周面と、金属ローラ62の外周面と、が当接する位置で、複合シャフト71の両端をATM1本体に固定している。例えば、検知ローラ70は、複合シャフト71の両端に保持部材(不図示)を取り付け、この保持部材をATM1本体に固定している。複合シャフト71は、ATM1本体に固定されており、回転しない。検知ローラ70は、金属ローラ62の回転にともなって、ローラベアリング75の外輪が回転する。
図6(A)は複合シャフトの外観を示す図であり、図6(B)は複合シャフトの分解図である。複合シャフト71は、図6に示すように、ステンレス等の金属で形成した金属シャフト72と、ゴムやエラストマ等の粘弾性体で形成した粘弾性体部73と、で構成されている。金属シャフト72には、ローラベアリング75を取り付ける取付位置に、このローラベアリング75の幅方向にわたる切欠き部72aが形成されている。この切欠き部72aは、ローラベアリング75の幅よりも少し長い。切欠き部72aの両側には、嵌挿したローラベアリング75が軸方向に移動するのを規制するeリング(不図示)を取り付ける溝72bが形成されている。さらに、切欠き部72aの両側には、金属シャフト72の両端まで延びる連通路72cが形成されている。
粘弾性体部73は、切欠き部72a、および連通路72cに合う形状であるが、金属シャフト72に取り付けたとき、切欠き部72aにおいて、数100μm程度(200〜300μm程度)の空隙が形成される形状である。複合シャフト71は、粘弾性体部73が金属ローラ62に対向する向きにして、ATM1本体に取り付けている。したがって、基準ローラ60(金属ローラ62)と、検知ローラ70(ローラベアリング75)との間に、紙幣が挟持されると、この紙幣の厚さだけ、粘弾性体部73が金属シャフト72に近づく。
なお、粘弾性体部73は、金属シャフト72に対して加硫接着等により接着、固定すればよい。
また、粘弾性体73には、図7に示すように、金属シャフト72の切欠き部72aに対向する位置に、コイル80を埋め込んでいる。このコイル80の両端は、金属シャフト72に形成した連通路72cを通して、外側に引き出されている。
ここで、厚さ検知用搬送ローラ50が挟持している紙幣の厚さを検知する厚さ検知部について説明する。厚さ検知部90は、図8に示すように、共振回路91と、検知回路92と、出力回路93と、を備えている。共振回路91は、粘弾性体73に埋め込んでいるコイル80と、このコイル80に並列に接続したコンデンサ(不図示)とを有している。また、共振回路91は、予め定めた周波数の交流電流をコイル80に流す。検知回路92は、コンデンサの両端の電圧を検知する回路である。出力回路93は、検知回路92の検知結果を紙幣鑑別部4bに出力する。
厚さ検知用搬送ローラ50は、上述したように、基準ローラ60(金属ローラ62)と、検知ローラ70(ローラベアリング75)との間に、紙幣が挟持されると、この紙幣の厚さだけ、粘弾性体部73(コイル80)が金属シャフト72に近づく。金属シャフト72は、ATM1本体に固定されているので、殆ど変位しない。コイル80と、金属シャフト72と、の距離変動に応じて、金属シャフト72におけるうず電流損が変化し、これにともなってコンデンサ81の両端の電圧が変化する。したがって、検知回路92は、コンデンサ81の両端の電圧変化を検知することにより、コイル80と、金属シャフト72と、の距離変動、すなわち基準ローラ60(金属ローラ62)と、検知ローラ70(ローラベアリング75)とで挟持している紙幣の厚さを検知することができる。したがって、出力回路92は、基準ローラ60(金属ローラ62)と、検知ローラ70(ローラベアリング75)とで挟持している紙幣の厚さを紙幣鑑別部15に出力する。
このように、厚さ検知用搬送ローラ50は、検知ローラ70を、複合シャフト71をローラベアリング75の内径に嵌挿した構成とし、且つ、この複合シャフト71を金属シャフト72と、粘弾性体部73と、で構成したので、各部品の加工時間や、組み立て時間が抑えられる。したがって、製造コストを安価にできる。また、厚さ検知部90によって、厚さ検知用搬送ローラ50が挟持している紙幣の厚さを検出することができる。しかも、コイル80を粘弾性体部73に埋め込んでいるので、外部の電磁波ノイズが抑えられ、厚さ検知用搬送ローラ50が挟持している紙幣の厚さを精度よく検知できる。
また、図9に示すように、複数のローラベアリング75を適当な間隔で、1本の複合シャフト71に取り付けてもよい。この場合、複合シャフト71は、ローラベアリング75の取り付け位置毎に、上述の切欠き部72a、および溝72bを金属シャフト72に形成し、各切欠き部72aに上述の粘弾性体部73を取り付ける構成とすればよい。この場合、連通路72cは、粘弾性体部73に埋め込まれているコイル81の両端が外部に引き出せるように形成すればよい。
このようにすれば、複数のローラベアリング75の配置間隔を狭く設定でき、紙幣の幅方向(複合シャフト71の軸方向)における厚さ分布を精密に検知することができる。また、ATM1本体に取り付ける複合シャフト71の本数も抑えられる。
なお、金属シャフト72の径は、複合シャフト71にたわみが生じない大きさにすればよい。
また、図10に示すように、複数個(図では3個)のローラベアリング75を殆ど間隔を開けずに、隣接させて金属シャフト72に嵌挿してもよい。この場合、金属シャフト72の切り欠き部72aの長さは、複数個のローラベアリング75が並べられる幅にすればよい。また、粘弾性体部73は、切り欠き部72aの大きさに応じて形成すればよい。
このように構成すれば、いずれかのローラベアリング75が変位しても粘弾性体部73が変位するので,複合シャフト71の軸方向の検知幅を長くできる。
また、複数個のローラベアリング75のいずれが変位したかの区別が行えるように、複数のコイル80を金属シャフト72の軸方向に並べて配置してもよい。
また、図11に示すように、粘弾性体部73を、コイル80を埋め込んだ中央部の両側に比較的肉厚の薄い変形部を設けてもよい。このようにすれば、大きなゴム硬度の粘弾性体73を用いることができるので、付勢力及びゴム硬度の選択肢の幅が広げられる。
さらに、粘弾性体部73は、図12に示すように、コイル80を埋め込んだ中央部の両側に比較的肉厚の薄い変形部を設けるとともに、その外側に設置面を備えた設置部を形成してもよい。この場合、粘弾性体部73は、設置面で金属シャフト72に当接させて接着する。これにより、粘弾性体部73の設置面の法線方向と、付勢により粘弾性体部73が力を受ける方向と、が一致する。したがって、ローラベアリング75の変位に対して、より大きな付勢力を作用させることができる。
なお、この発明にかかる搬送ローラ、および厚さ検知ユニットは、上述したATMに限らず、紙幣や有価証券等の紙葉類を搬送する装置に適用できる。
ATMの外観を示す図である。 ATMの主要部の構成を示す図である。 ATMの紙幣搬送路を示す図である。 厚さ検知用搬送ローラの外観図である。 検知ローラの外観図である。 複合シャフトの外観図である。 粘弾性体部の外観図である。 厚さ検知部の構成を示す図である。 別の実施形態にかかる検知ローラの外観図である。 別の実施形態にかかる検知ローラの外観図である。 別の実施形態にかかる粘弾性体部の外観図である。 別の実施形態にかかる粘弾性体部の外観図である。
符号の説明
50−厚さ検知用搬送ローラ
60−基準ローラ
70−検知ローラ
71−複合シャフト
72−金属シャフト
72a−切欠き部
73−粘弾性体部
80−コイル
90−厚さ検知部
91−共振回路
92−検知回路
93−出力回路

Claims (5)

  1. 駆動源から伝達された駆動力によって回転駆動される駆動ローラと、
    前記駆動ローラの回転にともなって回転する従動ローラと、を備え、
    前記駆動ローラと、前記従動ローラと、で紙葉類を挟持して搬送する搬送ローラであって、
    前記従動ローラは、ローラベアリングと、このローラベアリングの内径に嵌挿した複合シャフトと、を有し、
    前記複合シャフトは、前記ローラベアリングの取付位置において、前記ローラベアリングの幅方向にわたって切欠き部を形成した金属シャフトと、この金属シャフトの前記切欠き部に配置した粘弾性体部と、を有し、さらに、
    前記ローラベアリングの外輪が前記駆動ローラに当接し、且つ前記複合シャフトの前記粘弾性体部が前記駆動ローラに対向する側に位置している、搬送ローラ。
  2. 駆動源から伝達された駆動力によって回転駆動される駆動ローラと、前記駆動ローラの回転にともなって回転する従動ローラと、で紙葉類を挟持して搬送する搬送ローラと、
    前記駆動ローラと、前記従動ローラと、が挟持している紙葉類の厚さを検知する厚さ検知部と、を備えた厚さ検知ユニットであって、
    前記従動ローラは、ローラベアリングと、このローラベアリングの内径に嵌挿した複合シャフトと、を有し、
    前記複合シャフトは、前記ローラベアリングの取付位置において、前記ローラベアリングの幅方向にわたって切欠き部を形成した金属シャフトと、この金属シャフトの前記切欠き部に配置した粘弾性体部と、を有し、さらに、
    前記ローラベアリングの外輪が前記駆動ローラに当接し、且つ前記複合シャフトの前記粘弾性体部が前記駆動ローラに対向する側に位置しており、
    厚さ検知部は、前記粘弾性体部の変形量を検出し、ここで検出した変形量に基づいて、前記駆動ローラと、前記従動ローラと、で挟持している紙葉類の厚さを検知する、厚さ検知ユニット。
  3. 前記複合シャフトは、前記金属シャフトの前記切欠き部の表面と、前記粘弾性体部表面と、の間に空隙を設けており、
    前記厚さ検知部は、前記切欠き部の表面と、前記粘弾性体部表面と、の間の空隙の大きさの変化を、前記粘弾性体部の変形量として検出する、請求項2に記載の厚さ検知ユニット。
  4. 前記厚さ検知部は、前記粘弾性体部に取り付けたコイルに交流電流を流し、このコイル両端の電圧に基づいて、前記切欠き部の表面と、前記粘弾性体部表面と、の間の空隙の大きさの変化を検出する、請求項3に記載の厚さ検知ユニット。
  5. 前記コイルは、前記粘弾性体部に埋め込んでいる、請求項4に記載の厚さ検知ユニット。
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