JP4616867B2 - エンジン用空気案内通路が形成された自動車 - Google Patents
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Description
また、ボンネットには、その所要の剛性を確保するために、その内面は、隆起した部分に複数の凹部が設けられた凹凸構造を有する。しかしながら、空気案内通路が空気ダクト単体で形成されると、前記凹部により形成される空間は空気案内通路には関与しないので、該空間が活用されておらず、このことが、空気ダクトのコンパクトな配置の妨げとなるばかりか、所要の通路面積を有する空気案内通路を形成するために、空気ダクトの大型化を招来していた。
そして、エンジンルームの小容積化を図る場合には、この空気ダクトの小型・軽量化およびエンジンルーム内での配置のコンパクト化の要請は一層強いものとなる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の自動車において、前記ボンネット部分は、前記ボンネットの前記内面に設けられて前記ボンネットの外面に向かって凹んだ凹部を有するものである。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の自動車において、前記通路形成部品は、前記ボンネットに取り付けられると共に前記ボンネット部分と当接する縁部が前記空気案内通路に沿った開放口を形成する空気ダクトであり、前記空気ダクトは、前記凹部内に配置されるものである。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項記載の自動車において、前記通路形成部品は、前記空気案内通路を挟んで前記ボンネット部分と対向する位置に前記空気案内通路の出口を形成し、前記ボンネット部分は、前記空気案内通路内の空気の流れを前記出口に向けて偏向させるものである。
また、空気案内通路において、湾曲部と隆起部とにより形成される増速部では、湾曲部に向かって隆起する隆起部により、吸気装置の空気取入口に近づく方向に湾曲する湾曲部に沿って空気の流速が増加するので、吸気装置の空気取入口が通路形成部品と離間した位置に設けられていても、空気案内通路による吸気装置への空気の案内効率が向上する。
請求項2記載の事項によれば、ボンネットの内面に設けられた凹部により形成される空間が空気案内通路になるので、その分、通路形成部品を小型化しながら、空気案内通路の所要の通路面積を確保することができる。この結果、ボンネットに設けられた凹部を利用することにより、通路形成部品が小型・軽量化され、その配置がコンパクト化される。
請求項3記載の事項によれば、空気案内通路を形成するためのダクトとして、空気案内通路に沿った開放口を有する、いわゆる開断面を有する空気ダクトが使用されるので、空気案内通路内の空気の流れ方向の設定が容易になって、ボンネットの凹部と協働して空気案内通路を形成する空気ダクトの配置の自由度が大きくなる。しかも、該空気ダクトが凹部に配置されるので、ボンネットに一体に取り付けられる空気ダクトの小型・軽量化およびエンジンルーム内での空気ダクトの配置のコンパクト化が可能になる。
請求項4記載の事項によれば、空気案内通路内で空気を出口に向けて偏向させるために空気が衝突する部分が、剛性が高いボンネットの一部であるボンネット部分であるので、空気ダクトの剛性を高めることなく、吸気装置の吸気脈動に起因する空気案内通路内の空気圧の変動により発生する振動を低減できる。この結果、ボンネットを利用して空気の流れを偏向させる偏向部が構成されるので、通路形成部品または空気ダクトの振動を抑制することができると共に空気ダクトを軽量化できる。
図1〜図3を参照すると、本発明が適用された自動車は、そのボディの前部であるフロントボディ1により形成されるエンジンルーム2内に配置されたエンジンとしての内燃機関20と、フロントボディ1に開閉可能に設けられてエンジンルーム2を上方から覆うフード部材としてのボンネット10と、フロントグリル3からエンジンルーム2内に流入した空気を内燃機関20の吸気装置20iに案内する空気通路を形成する通路形成部品である空気ダクト40とを備える。
フロントボディ1は、内燃機関20および変速機6を支持するフレーム構造(図示されず)と、エンジンルーム2内への外気の導入部であるフロントグリル3と、ヘッドランプ4とを備える。
ボンネット10は、その左端部および右端部のそれぞれの後端部とフロントボディ1とを連結するヒンジ(図示されず)を中心に上下方向に回動可能にフロントボディ1に取り付けられる。
排気装置20eは、前記燃焼室から前記排気ポートを通って排出された排気ガスを集合する排気マニホルド25と、排気マニホルド25を通過した排気ガスを内燃機関20の外部に導く排気管26と、そして排気浄化装置および排気消音器(いずれも図示されず)とを備える。排気マニホルド25はエンジン本体21の後側に配置されて前記シリンダヘッドに取り付けられる。
なお、凹部14,15は、貫通孔16が形成されない場合には、インナパネル12のみにより形成されてもよい。
それゆえ、空気案内通路60の通路壁は、ボンネット部分30および空気ダクト40により構成される。
また、空気ダクト40は、ゴム状弾性を有する材料であるエラストマ、例えば軟質の合成樹脂により、一体成形されて形成される。そして、アウタパネル11およびインナパネル12は、空気ダクト40の形成材料よりも弾性係数が大きいまたは強度が大きい材料から形成される。また、空気ダクト40を形成する材料には、空気案内通路60内での空気の温度上昇を抑制するために、断熱性に優れたものが使用される。
ほぼ一定の肉厚を有する通路部41は、ボンネット部分30と協働して空気案内通路60の入口61を形成する入口縁部42と、空気案内通路60の出口62を形成する出口縁部43と、ボンネット部分30と当接する当接面を有する縁部44とを有する。
空気案内通路60(または通路部41)の前端部に位置する入口61は、左右方向でフロントグリル3の一部と同じ位置にあり、空気案内通路60(または通路部41)の後端部に位置する出口62は、左右方向で空気取入口22bと同じ位置にあると共に、前後方向で、ボンネット10の、左右方向での中央部の後端部10aとほぼ同じ位置にある。このため、空気取入口22bは、左右方向で出口62の、左右方向での形成範囲内にある。
また、通路部41は、左右方向でエアクリーナ22の左部と同じ位置にあり、前後方向でエアクリーナ22の前部と同じ位置にある。さらに、通路部41の全体、さらには空気ダクト40の全体は、前後方向でのヘッドランプ4の範囲内に配置される。
開断面部41aは、上下方向で空気案内通路60を挟んでボンネット部分30と対向する底壁46と、底壁46から立ち上がる1対の側壁47,48とを有する。このため、開断面部41aの横断面はコ字状を呈する。1対の側壁47,48は、左右方向で空気案内通路60を挟んで対向する。
各側壁47,48および後述する流出部49の上端である縁部44は、フランジ状であり、前記取付状態で、空気ダクト40とボンネット部分30との間から空気案内通路60を流れる空気の漏れが少なくなるように、好ましくは空気ダクト40とボンネット部分30との間がほぼ気密になるように、弾性変形してボンネット部分30に当接する。それゆえ、縁部44は空気ダクト40のシール部でもある。
両側壁47,48は、入口61から上流側通路60aに流入した空気の流れを、左右方向において、出口62および空気取入口22bに向けて左方に偏向させる。
出口縁部43を有する閉断面部41bは、上流側通路60aからの空気を、空気取入口22bに指向するように、下方に向けて排出する流出部49を構成する。閉断面を有することにより空気ダクト40において開断面部41aよりも剛性が大きい部分である流出部49は、ほぼ四角形状の出口62および下流側通路60bを形成する。出口62は、上下方向で空気案内通路60を挟んでボンネット部分30の一部分である隆起部13と対向する位置にある(図2参照)。
前後方向で1対の取付部40a,40bよりも流出部49に近い位置にある1対の取付部40c,40dは、それぞれ1対の側壁47,48から右方および左方に突出する。底壁46の外面には、補強リブ55がそれぞれ前後方向および左右方向に延びて格子状に設けられ、各側壁47,48の外面には、該補強リブ55が上下方向に延びて設けられる。
一方、ボンネット部分30を構成する周囲部14bにおいて、底部15aよりも下流であって出口62寄りに位置する部分は、上流側通路60a内の空気の流れを、出口62および空気取入口22bに向けて下方に偏向させる偏向部31を構成する。偏向部31は、下流に向かうにつれて、上下方向で、湾曲部51を含む底壁46に向かって徐々に近づくように滑らかに隆起する隆起部である。
エンジンルーム2内に流入した空気は、入口61から空気案内通路60に流入し、空気案内通路60を流通して出口62から空気取入口22bに向かって流出する。このとき、走行中は、フロントグリル3からエンジンルーム2内に流入する走行風が、入口61から空気案内通路60に流入する。
空気案内通路60内の空気は、増速部63および先細形状の流出部49により、出口62での流速が速められる。そして、空気取入口22bへの指向性が高い空気が空気取入口22bに向かって出口62から流出し、該空気が吸気装置20iを通じて前記燃焼室に吸入される。
エンジンルーム2内に流入した空気を吸気装置20iに案内するエンジン用の空気案内通路60を形成する空気ダクト40がボンネット10の内面10iに一体に取り付けられた自動車において、空気ダクト40は、ボンネット10の一部であるボンネット部分30を空気案内通路60の通路壁として、ボンネット部分30との間に空気案内通路60を形成する。これにより、ボンネット10が、空気ダクト40と共に空気案内通路60を形成する通路壁を構成するので、空気案内通路60が空気ダクト40およびボンネット10の協働により形成される。この結果、空気案内通路60が空気ダクト単体で形成される場合に比べて、空気案内通路60の通路壁の一部がボンネット10により構成される分、空気ダクト40が小型・軽量化され、さらに該空気ダクト40をボンネット10により近接させて配置することができるので、ボンネット10に一体に設けられる空気ダクト40をエンジンルーム2内でコンパクトに配置することができる。
通路形成部品は、コ字状以外の横断面を有するダクトであってもよく、また平板状の部材であってもよい。
通路形成部品は、ボンネット10またはインナパネル12に一体成形されて、ボンネット10に一体に設けられてもよい。
フード部材は、前記実施形態ではボンネット10であったが、エンジンを上方以外の方向から覆うフード部材であってもよい。
ボンネット部分30と空気ダクト40との間に、両者とは別個のシール部材が配置されてもよく、その場合に該シール部材は、ボンネット部分30の一部または空気ダクト40の縁部44の一部であるとする。
Claims (4)
- ボンネットにより覆われるエンジンルーム内に配置されたエンジンと、前記ボンネットの内面に一体に設けられた通路形成部品とを備え、前記通路形成部品は、前記エンジンルーム内に流入した空気を前記エンジンの吸気装置に案内するエンジン用の空気案内通路を形成し、前記吸気装置の空気取入口は前記通路形成部品と離間した位置に設けられた自動車において、
前記通路形成部品は、前記ボンネットの一部であるボンネット部分を前記空気案内通路の通路壁として、前記ボンネット部分との間に前記空気案内通路を形成するとともに、下流に向かうにつれて前記吸気装置の前記空気取入口に近づく方向に湾曲した湾曲部を有し、
前記ボンネット部分は、前記湾曲部に向かって隆起する隆起部を有し、
前記空気案内通路は、前記湾曲部と前記隆起部とにより挟まれて形成される増速部を有し、
前記増速部では、前記空気案内通路の面積が減少することにより、前記隆起部により偏向されて前記湾曲部に沿って流れている空気の流速が増加することを特徴とする自動車。 - 前記ボンネット部分は、前記ボンネットの前記内面に設けられて前記ボンネットの外面に向かって凹んだ凹部を有することを特徴とする請求項1記載の自動車。
- 前記通路形成部品は、前記ボンネットに取り付けられると共に前記ボンネット部分と当接する縁部が前記空気案内通路に沿った開放口を形成する空気ダクトであり、
前記空気ダクトは、前記凹部内に配置されることを特徴とする請求項2記載の自動車。 - 前記通路形成部品は、前記空気案内通路を挟んで前記ボンネット部分と対向する位置に前記空気案内通路の出口を形成し、前記ボンネット部分は、前記空気案内通路内の空気の流れを前記出口に向けて偏向させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の自動車。
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