JP4616792B2 - 光学式ピックアップの対物レンズ駆動装置 - Google Patents

光学式ピックアップの対物レンズ駆動装置 Download PDF

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Description

本発明は、デジタルバーサタイルディスク(DVD)やコンパクトディスク(CD)等のディスク状記録媒体に対して情報を記録/再生する光学式ピックアップに係り、特に、対物レンズが搭載されたレンズホルダを弾性的に支持する4本のワイヤを介してフォーカスコイルとトラッキングコイルに対する通電がなされる光学式ピックアップの対物レンズ駆動装置に関するものである。
一般的にこの種の光学式ピックアップの対物レンズ駆動装置は、対物レンズを搭載したレンズホルダが4本の導電性ワイヤを介して支持部材に弾性的に支持されており、フォーカスコイルとトラッキングコイルがレンズホルダに取着されたムービングコイル方式の場合、4本のワイヤの各一端部がレンズホルダ側のフォーカスコイルおよびトラッキングコイルに接続されると共に、各ワイヤの他端部が支持部材に固定された可撓性を有する背面基板に接続されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
図15は上記特許文献1に開示された従来例に係る対物レンズ駆動装置の平面図、図16は該対物レンズ駆動装置に備えられる支持部材と背面基板の斜視図、図17は図15のE−E線に沿う断面図である。
これらの図に示すように、ディスクの記録面に対向する対物レンズ100はレンズホルダ101に保持されており、このレンズホルダ101にはフォーカスコイル102とトラッキングコイル103が取り付けられている。ベース部材104にはマグネットとヨーク(いずれも図示省略)およびトップヨーク105からなる磁気回路が搭載されており、この磁気回路で発生する磁束がフォーカスコイル102とトラッキングコイル103を横切るようになっている。ベース部材104上には空所106aを有する支持部材106が固定されており、この支持部材106の背面側には中央の凸部106bを挟んで左右両側に段差面106cが形成されている。支持部材106の凸部106bには背面基板107の中央部が接着固定されており、この背面基板107の長手方向両端部は支持部材106の段差面106cと間隙gを介して対向する自由端部となっている。なお、背面基板107は図示せぬフレキシブル配線基板を介して外部駆動回路と接続されており、背面基板107の四隅に穿設された小孔107aの周囲はランド部107bとなっている。
レンズホルダ101の両側部には片側について2本、合計で4本のワイヤ108が架設されており、各ワイヤ108の一端にフォーカスコイル102またはトラッキングコイル103の端末が接続されている。これらワイヤ108は支持部材106の空所106aを挿通して段差面106cから背面側へ突出しており、各ワイヤ108の他端は背面基板107の小孔107aを貫通してランド部107bに半田付けされている。これにより、外部駆動回路から各ワイヤ108を介してフォーカスコイル102とトラッキングコイル103に駆動電流が供給されるようになっている。なお、図17に示すように、支持部材106の空所106a内にはゲル状のダンパ剤109が充填されており、このダンパ剤109によって各ワイヤ108の径方向の変位に対して粘性抵抗力が作用するようになっている。また、支持部材106の段差面106cと背面基板107間の間隙gにもゲル状のダンパ剤110が充填されており、このダンパ剤110によって各ワイヤ108の長手方向の変位に対して粘性抵抗力が作用するようになっている。
このように概略構成された光学式ピックアップの対物レンズ駆動装置においては、対物レンズ100で収束された光ビームを図示せぬディスクのデータトラックに照射することによって情報の記録/再生が行われ、その際、光ビームのスポット径をデータトラックに対して制御するフォーカスサーボとトラッキングサーボがかけられる。すなわち、フォーカスコイル102に通電すると対物レンズ100の光軸に沿った方向(図16の矢印F方向)に電磁力が発生するため、その方向へレンズホルダ101を駆動して対物レンズ100のフォーカス補正が行え、また、トラッキングコイル103に通電すると対物レンズ100の光軸と直交する方向(図16の矢印T方向)に電磁力が発生するため、その方向へレンズホルダ101を駆動して対物レンズ100のトラッキング補正が行えるようになっている。
かかる対物レンズ100の補正動作時に、各ワイヤ108は支持部材106の空所106a内に充填されたダンパ剤109を圧縮しながら曲げ変形するが、この曲げ変形に伴う各ワイヤ108の径方向の変位に対してダンパ剤109が粘性抵抗力を示すため、各ワイヤ108の径方向に働く不要共振が減衰される。また、各ワイヤ108の曲げ変形に追従して背面基板107の非固定な自由端部が弾性変形すると共に、間隙g内のダンパ剤110が圧縮されて各ワイヤ108の長さ方向に働く不要共振が減衰されるため、対物レンズ100の光軸が前後方向(図16の矢印Z方向)へ倒れるピッチング動作時や、該光軸を中心として左右方向へ回転するヨーイング動作時の高次共振周波数を、フォーカス補正動作やトラッキング補正動作のサーボ帯域に影響のない低い領域に下げることができる。
特開2001−34971号公報(第5−7頁、図5)
前述した従来の対物レンズ駆動装置のように、ワイヤ108の曲げ変形に追従して撓む背面基板107によってダンパ剤110を変形させることで、ピッチング動作時やヨーイング動作時の高次共振に対して有害な位相変動を抑制するようにしたダンピング機構を採用した場合、ダンパ剤110が充填される背面基板107と支持部材106の段差面106cとの間の間隙gが狭くなるほど、ダンパ剤110の変形量が大きくなってダンピング効果も大きくなる。しかしながら、レンズホルダ101を弾性的に支持する4本のワイヤ108のうち、上下方向で対向する2本のワイヤ間ピッチが左右方向で対向する2本のワイヤ間ピッチに比べて格段に小さく設定されており、この傾向は光学式ピックアップの薄型化に伴って顕著となるため、左右方向ピッチに比例する大きなダンピング効果が得られるヨーイング動作時に対して、上下方向ピッチに比例するピッチング動作時のダンピング効果は不足しがちになる。このような理由から、ピッチング動作時に十分なダンピング効果が得られるような狭い間隙gに設定しているが、かかる狭い間隙gによってヨーイング動作時に過剰なダンピング効果が発揮されてしまい、ヨーイング動作時の共振周波数が大幅に高い周波数帯域にシフトしてしまうという問題があった。なお、ヨーイング動作時の共振周波数が不必要に高くなると、高帯域の外乱振動が対物レンズに伝達するようになり、トラッキングサーボを不安定にさせる大きな要因となる。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、ピッチング動作時とヨーイング動作時の両方共に効果的なダンピングが得られる光学式ピックアップの対物レンズ駆動装置を提供することにある。
本発明は、ピッチング動作時における背面基板の変位量が上下方向の中央付近で小さく上下両端で大きくなると共に、ヨーイング動作時における背面基板の変位量が左右方向の中央付近で小さく左右両端で大きくなることに着目し、背面基板の自由端部と対向する支持部材の段差面に上下2本のワイヤ間を横切って側端縁まで延びる凹部を形成し、この凹部によってダンパ剤の充填される隙間を中央部に比べて上下両端側が狭くなるように設定した。
本発明による光学式ピックアップの対物レンズ駆動装置は、背面基板の自由端部と対向する支持部材の段差面に上下2本のワイヤ間を横切って側端縁まで延びる凹部を形成し、この凹部によってダンパ剤の充填される隙間を中央部に比べて上下両端側が狭くなるようにしたので、背面基板の上下両端の変位量が大きいピッチング動作時に効果的なダンピングが得られるのみならず、背面基板の左右両端の変位量が大きいヨーイング動作時に必要以上にダンピングをかけ過ぎることがなくなり、ヨーイング動作時の共振周波数の上昇を最小限に抑えることができる。
本発明は、磁束を発生させる磁気回路が配設されたベース部材と、前記磁束を横切るフォーカスコイルとトラッキングコイルが取着されると共にディスク状記録媒体に光ビームを収束させる対物レンズが保持されたレンズホルダと、このレンズホルダの両側部に上下2本ずつ架設されると共にそれぞれの一端部を前記フォーカスコイルおよびトラッキングコイルに接続させた4本のワイヤと、これら各ワイヤが挿通される空所を有して前記ベース部材に固着された支持部材と、前記各ワイヤの他端部が接続されると共に前記支持部材の中央の凸部に固定された可撓性を有する背面基板とを備え、前記凸部を挟んだ前記支持部材の背面両側部の段差面に前記空所の開口端が露出していると共に、この段差面と前記背面基板の自由端部との間に画成される隙間にダンパ剤を充填してなる光学式ピックアップの対物レンズ駆動装置において、前記段差面に上下方向で対向する2本の前記ワイヤ間を横切って前記支持部材の側端縁まで延びる凹部を形成した。
このように構成された光学式ピックアップの対物レンズ駆動装置では、支持部材の段差面に形成された凹部によってダンパ剤の充填される隙間が中央部に比べて上下両端側が狭くなるため、背面基板の上下両端の変位量が大きいピッチング動作時に効果的なダンピングが得られるのみならず、背面基板の左右両端の変位量が大きいヨーイング動作時に必要以上にダンピングをかけ過ぎることがなくなり、ヨーイング動作時の共振周波数の上昇を最小限に抑えることができる。
上記の構成において、凹部はワイヤの挿通される空所から完全に離れた位置に形成されても良いが、凹部が空所の開口端に連通するように形成されていると、すなわち空所が段差面と凹部とに跨って形成されていると、距離の限られたワイヤの上下方向ピッチ間に極力大きな凹部を形成することができて好ましい。
また、上記の構成において、凹部は少なくとも上下2本のワイヤの外側領域で段差面を上下方向に分割していれば良いが、段差面が凹部によって上下方向に2分割されて上側段差面と下側段差面のように島状に形成されていると、凹部を左右方向に大きく形成することができて好ましい。
また、上記の構成において、段差面の下端部を支持部材のベース部材への取付面よりも下方へ突出させると、上下方向の限られたスペース内でワイヤの上下方向ピッチを最大限に稼げるため、ピッチング動作時により効果的にダンピングをかけることができる。
実施例について図面を参照して説明すると、図1は実施例に係る光学式ピックアップを上方から見た斜視図、図2は該光学式ピックアップを下方から見た斜視図、図3は該光学式ピックアップの平面図、図4は該光学式ピックアップの裏面図、図5は該光学式ピックアップに備えられるアクチュエータの斜視図、図6は該アクチュエータの平面図、図7は該アクチュエータの側面図、図8は該アクチュエータから背面基板を取り除いて示す斜視図、図9は図6のA−A線に沿う断面図、図10は図6のB−B線に沿う断面図、図11は図9のC−C線に沿う断面図、図12は該アクチュエータに備えられる補助ヨークの斜視図、図13は図6のD−D線に沿う断面図、図14は該アクチュエータに備えられる保護部材の型抜き工程を示す説明図である。
図1〜図4に示すように、本実施例に係る光学式ピックアップは、アルミニウム等からなるシャーシ1と、シャーシ1の一側部に固定された受発光ユニット2と、シャーシ1の内部に組み込まれたアクチュエータ3と、シャーシ1内に配置された光学部品や回路基板(いずれも図示せず)を覆うカバー4と、前記回路基板からシャーシ1の外部に導出されたフレキシブル配線基板5とによって概略構成されている。シャーシ1は図示せぬガイドシャフトによってディスクの半径方向へ往復移動されるものであり、シャーシ1の底面にはアクチュエータ3を臨出させる矩形状の開口1aが設けられている。受発光ユニット2は半導体レーザと光検出器をユニット化したものであり、この受発光ユニット2はフレキシブル配線基板5を介して外部駆動回路に接続されるようになっている。
アクチュエータ3は対物レンズ駆動装置であり、図5〜図10に示すように、このアクチュエータ3は、対物レンズ6が取り付けられた合成樹脂製のレンズホルダ7と、このレンズホルダ7を弾性的に支持する4本のワイヤ8と、各ワイヤ8の基端側が挿通された合成樹脂製の支持部材9と、この支持部材9の反レンズホルダ7側の面に固着された背面基板10と、支持部材9が載置固定されたベース部材(アクチュエータベース)11等を備えている。
レンズホルダ7にはフォーカスコイル12とトラッキングコイル13が巻装されており、図6から明らかなように、これらフォーカスコイル12とトラッキングコイル13をベース部材11側に配設された一対のマグネット14の磁路が横断している。このベース部材11はヨークを兼ねており、マグネット14はベース部材11の底面から上方へ直角に折れ曲がる一対の起立部11aに固着されている。これらマグネット14とヨーク(ベース部材11)は磁気回路部を構成しており、この磁気回路部とフォーカスコイル12およびトラッキングコイル13によってレンズホルダ7を駆動する電磁駆動手段が構成されている。ヨークはトップヨーク15と補助ヨーク16を備えており、トップヨーク15は一方の起立部11aとフォーカスコイル12の上方に配置されてヨーク上面の漏洩磁束を低減させるようにしている。補助ヨーク16は両起立部11aの下方に跨って配置されており、この補助ヨーク16によってヨーク底面の磁束の飽和しやすい部位が補完されている。補助ヨーク16は鉄等の金属板をプレス加工することによって形成され、図12に示すように、この補助ヨーク16は固定部16aと薄肉部(支持部)16bを有している。固定部16aは原材料である金属板をL字状に折り曲げたものであり、この固定部16aは一方の起立部11aの下部とベース部材11の底面に固着されている。薄肉部16bは原材料である金属板の板厚を部分的に薄くしたもので、この薄肉部16bは固定部16aの相対向する両端部からベース部材11の底面に沿ってマグネット14の磁路と直交する方向へ延出している。すなわち、補助ヨーク16の固定部16aはヨークを兼ねるベース部材11の底面に密着しているが、両薄肉部16bはベース部材11の底面から離反し、このベース部材11および後述するフレキシブル配線基板21に下方から対向しており、図11に示すように、ベース部材11の底面と薄肉部16bとの間に間隙Sが形成されている。
なお、ベース部材11には半球状の突部を有する腕部11bが形成されており、この腕部11bを板ばね17によってシャーシ1に揺動可能に支持すると共に、2本の調整ねじ18をシャーシ1の下方からベース部材11に螺合させることにより、対物レンズ6の光軸を調整した状態でベース部材11がシャーシ1に固定されている。すなわち、ディスクの記録面に対して正確に信号を記録/再生するためには、反射ミラーの真上に位置する対物レンズ6の光軸を該ディスクの記録面に対して垂直に設定しておく必要があるので、シャーシ1にアクチュエータ3を取り付ける際には、調整ねじ18の締め付け力を加減することによって対物レンズ6の光軸調整(スキュー調整)を行えるようになっている。そして、かかるスキュー調整時のベース部材11の動きを逃がす開口1aがシャーシ1の底面に設けられているため、ベース部材11の下部が開口1a内で上下方向にオーバーラップする分だけ光学式ピックアップの高さ寸法が低背化されている。
ワイヤ8は導電性の金属材からなり、レンズホルダ7の左右両側部には片側について上下2本ずつ、合計で4本のワイヤ8が取り付けられている。図5に示すように、上下方向に対向する2本のワイヤ8間寸法を上下方向ピッチP1、左右方向に対向する2本のワイヤ8間寸法を左右方向ピッチP2とすると、上下方向ピッチP1は左右方向ピッチP2に比べて格段に小さく設定されている。フォーカスコイル12とトラッキングコイル13の両端末は各ワイヤ8の一端部(自由端部)に接続されており、各ワイヤ8の他端部(基端部)は支持部材9に形成された空所9aを貫通して背面側へ突出している。図8に示すように、支持部材9の背面側には中央の凸部9bを挟んで左右両側部に段差面9cが形成されており、これら段差面9cには空所9aの開口端が露出していると共に、空所9aの開口端を横切って左右方向に延びる凹部9dが形成されている。この凹部9dは空所9aの開口端から突出する上下2本のワイヤ8間を横切って支持部材9の側端縁まで達しており、左右両側の段差面9cは凹部9dによってそれぞれ上下方向に2分割されている。なお、支持部材9はベース部材11の内底面を取付面として固着されているが、段差面9cの下端部はこの取付面よりも下方へ突出している(図10参照)。
支持部材9の凸部9bの平坦面には背面基板10の中央部が接着固定されており、背面基板10の長手方向両端部は支持部材9の段差面9cと間隙gを介して対向する自由端部となっている。この背面基板10は、弾性金属薄板からなる4枚の導体板パターンを互いに非接触に並設し、これら4枚の導体板パターンの両面を耐熱絶縁性のカバーフィルムで挟み込んだラミネート構造の基板であり、背面基板10の自由端部には上部と下部に2箇所ずつ、合計で4箇所(四隅)に小孔10aが穿設されている。各小孔10aの周囲には前記導体板パターンの一部を露出させたランド部10bが形成されており、各ワイヤ8の基端部は背面基板10の小孔10aを貫通してランド部10bに半田付けされている。図10に示すように、支持部材9の空所9a内にはゲル状のダンパ剤19が充填されており、このダンパ剤19によって各ワイヤ8の径方向の変位に対して粘性抵抗が作用するようになっている。また、支持部材9の段差面9cと背面基板10間の間隙gにもゲル状のダンパ剤20が充填されており、このダンパ剤20によって各ワイヤ8の長手方向の変位に対して粘性抵抗が作用するようになっている。ここで、段差面9cには左右方向へ延びる凹部9dが形成されているので、背面基板10と凹部9dは広い隙間Gを介して対向することとなり、ダンパ剤20はこの隙間Gに比べて十分に狭い間隙gに充填される。なお、ディスペンサ等を用いることによってダンパ剤20を背面基板10と段差面9c間の間隙gのみに充填することができるが、背面基板10と凹部9d間の隙間Gにもダンパ剤20を充填しても良い。
背面基板10の中央下端部には前記各導体板パターンを外部へ突出させた接続端子部10cが形成されており、これら接続端子部10cにリード用のフレキシブル配線基板21が接続されている。このフレキシブル配線基板21はシャーシ1の開口1aから露出するアクチュエータ3の下方を通って前述したフレキシブル配線基板5に接続されており、外部駆動回路からフレキシブル配線基板21と背面基板10および各ワイヤ8を介してフォーカスコイル12とトラッキングコイル13に駆動電流が供給されるようになっている。なお、フレキシブル配線基板5とフレキシブル配線基板21は一体品としても良く、また、フレキシブル配線基板21と背面基板10を一体品とすることも可能である。図2と図4に示すように、フレキシブル配線基板21の一部はベース部材11の底面と補助ヨーク16の薄肉部16bとの間に形成された間隙S(図11参照)に挿入されており、これによってフレキシブル配線基板21の弛みが防止されるようになっている。
前記レンズホルダ7の上面には対物レンズ6を挟んで一対の保護部材22が取り付けられており、これら保護部材22は対物レンズ6の表面よりも上方へ突出しているため、何らかの理由でレンズホルダ7がディスクの方向に過度に変動したとしても、保護部材22が対物レンズ6よりも先にディスクに接触するようになっている。図13に示すように、保護部材22はレンズホルダ7の上面に形成した溝部7aによって位置決めされており、この溝部7a内に充填した接着剤23によってレンズホルダ7の所定位置に接着固定されている。保護部材22はPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム24上にシリコンゴム25を一体化した積層構造体からなり、下層のPETフィルム24は溝部7aの内底面に載置されている。上層のシリコンゴム25は円柱体の厚み方向中央をくびれさせた断面鼓形に形成されており、シリコンゴム25はくびれ部25aの真ん中付近が溝部7aの開口端を横切って上方へ突出する程度の厚みを有している。したがって、接着剤23は溝部7aの開口端付近まで充填された時点でシリコンゴム25のくびれ部25aに入り込み、このくびれ部25aに入り込んだ接着剤23のアンカーボルト効果によって、少量の接着剤23にも拘わらず保護部材22を十分に高い接着強度でレンズホルダ7に固定することができる。
図14に示すように、保護部材22はPETフィルム26aとシリコンゴム26bを一体化した大判のシート状積層構造体26をポンチ27で型抜きすることによって多数個取りされるようになっており、その際、ポンチ27の型抜きをシリコンゴム26bの上端面からPETフィルム26aに向かって行うようにしている。このように型抜きして個々の保護部材(PETフィルム24とシリコンゴム25)22を多数個取りすると、型抜きされたシリコンゴム25の上端部寸法がポンチ27の直径に依存して安定するため、寸法のばらつきの少ない保護部材22を多数個取りすることができる。
このように構成された光学式ピックアップでは、受発光ユニット2の半導体レーザから出射されて図示せぬ反射ミラーで反射された光ビームを対物レンズ6で収束させてディスクのデータトラックに照射することによって情報の記録/再生が行われ、その際、光ビームのスポット径をデータトラックに対して制御するフォーカスサーボとトラッキングサーボがかけられる。すなわち、外部駆動回路からフレキシブル配線基板21と背面基板10および各ワイヤ8を介してフォーカスコイル12に駆動電流が供給されると、対物レンズ6の光軸に沿った方向に電磁力が発生するため、その方向へレンズホルダ7を駆動して対物レンズ6のフォーカス補正が行える。また、同様にしてトラッキングコイル13に駆動電流が供給されると、対物レンズ6の光軸と直交する方向に電磁力が発生するため、その方向へレンズホルダ7を駆動して対物レンズ6のトラッキング補正が行える。
かかる対物レンズ6の補正動作時に、各ワイヤ8は支持部材9の空所9a内に充填されたダンパ剤19を圧縮しながら曲げ変形するが、この曲げ変形に伴う各ワイヤ8の径方向の変位に対してダンパ剤19が粘性抵抗力を示すため、各ワイヤ8の径方向に働く不要共振が減衰される。また、各ワイヤ8の曲げ変形に追従して支持部材9の段差面9cに対向する背面基板10の自由端部が弾性変形すると共に、段差面9cと背面基板10間の間隙gに充填されたダンパ剤20が圧縮されて各ワイヤ8の長さ方向に働く不要共振が減衰されるため、対物レンズ6の光軸が前後方向へ倒れるピッチング動作時や、該光軸を中心として左右方向へ回転するヨーイング動作時の高次共振周波数を、フォーカス補正動作やトラッキング補正動作のサーボ帯域に影響のない低い領域に下げることができる。
本実施例に係る光学式ピックアップの対物レンズ駆動装置では、背面基板10の自由端部と対向する支持部材9の段差面9cに上下2本のワイヤ8間を横切って側端縁まで延びる凹部9dが形成されており、この凹部9dによってダンパ剤20の充填される隙間gが中央部に比べて上下両端側が狭くなっているため、背面基板10の上下両端の変位量が大きいピッチング動作時に効果的なダンピングが得られるのみならず、背面基板10の左右両端の変位量が大きいヨーイング動作時に必要以上にダンピングをかけ過ぎることがなくなり、ヨーイング動作時の共振周波数の上昇を最小限に抑えることができる。また、支持部材9の段差面9cの下端部をベース部材11への取付面よりも下方へ突出させてあり、支持部材9の背面側の上下方向に限られたスペース内でワイヤ8の上下方向ピッチを最大限に稼げるため、ピッチング動作時により効果的にダンピングをかけることができる。
また、本実施例に係る光学式ピックアップでは、シャーシ1の底面にアクチュエータ3を臨出させる開口1aを設けることによって薄型化が図れており、しかも、このアクチュエータ3に備えられる磁気回路部の構成部品であるヨーク(ベース部材11)の底面に薄肉部16bを有する補助ヨーク16を固着し、これら薄肉部16bとヨークの底面間に画成される間隙Sに背面基板10から導出するフレキシブル配線基板21の一部を通過させたので、ヨークの飽和磁束を補完するために必要とされる補助ヨーク16をフレキシブル配線基板21の弛み防止部材として兼用することができ、それゆえ、フレキシブル配線基板21の開口1aからのはみ出しを特段のコストアップを伴うことなく確実に防止することができる。
さらに、本実施例に係る光学式ピックアップでは、対物レンズ6とディスクとの接触を回避する保護部材22として、厚み方向の中央部が細くなったくびれ部25aを有する断面鼓形のシリコンゴム25をPETフィルム24上に一体化した積層構造体を用い、このPETフィルム24をレンズホルダ7の上面に形成した溝部7aの内底面に載置すると共に、シリコンゴム25のくびれ部25aの真ん中付近を溝部7aの開口端を横切って上方へ突出させた状態で、溝部7a内に接着剤23を充填してくびれ部25aに入り込ませるようにしたので、シリコンゴム25のくびれ部25aに入り込んだ接着剤23のアンカーボルト効果によって、少量の接着剤23にも拘わらず保護部材22を十分に高い接着強度でレンズホルダ7に固定することができ、余剰分の接着剤23が保護部材22の上面まではみ出てディスクを傷付けることを確実に防止できる。
本発明の実施例に係る光学式ピックアップを上方から見た斜視図である。 該光学式ピックアップを下方から見た斜視図である。 該光学式ピックアップの平面図である。 該光学式ピックアップの裏面図である。 該光学式ピックアップに備えられるアクチュエータの斜視図である。 該アクチュエータの平面図である。 該アクチュエータの側面図である。 該アクチュエータから背面基板を取り除いて示す斜視図である。 図6のA−A線に沿う断面図である。 図6のB−B線に沿う断面図である。 図9のC−C線に沿う断面図である。 該アクチュエータに備えられる補助ヨークの斜視図である。 図6のD−D線に沿う断面図である。 該アクチュエータに備えられる保護部材の型抜き工程を示す説明図である。 従来例に係る対物レンズ駆動装置の平面図である。 該対物レンズ駆動装置に備えられる支持部材と背面基板の斜視図である。 図15のE−E線に沿う断面図である。
符号の説明
1 シャーシ
2 受発光ユニット
3 アクチュエータ
6 対物レンズ
7 レンズホルダ
8 ワイヤ
9 支持部材
9a 空所
9b 凸部
9c 段差面
9d 凹部
10 背面基板
11 ベース部材
12 フォーカスコイル
13 トラッキングコイル
14 マグネット
19 ダンパ剤
20 ダンパ剤
g 間隙

Claims (4)

  1. 磁束を発生させる磁気回路が配設されたベース部材と、前記磁束を横切るフォーカスコイルとトラッキングコイルが取着されると共にディスク状記録媒体に光ビームを収束させる対物レンズが保持されたレンズホルダと、このレンズホルダの両側部に上下2本ずつ架設されると共にそれぞれの一端部を前記フォーカスコイルおよびトラッキングコイルに接続させた4本のワイヤと、これら各ワイヤが挿通される空所を有して前記ベース部材に固着された支持部材と、前記各ワイヤの他端部が接続されると共に前記支持部材の中央の凸部に固定された可撓性を有する背面基板とを備え、前記凸部を挟んだ前記支持部材の背面両側部の段差面に前記空所の開口端が露出していると共に、この段差面と前記背面基板の自由端部との間に画成される隙間にダンパ剤を充填してなる光学式ピックアップの対物レンズ駆動装置において、
    前記段差面に上下方向で対向する2本の前記ワイヤ間を横切って前記支持部材の側端縁まで延びる凹部を形成したことを特徴とする光学式ピックアップの対物レンズ駆動装置。
  2. 請求項1の記載において、前記凹部が前記空所の開口端に連通していることを特徴とする光学式ピックアップの対物レンズ駆動装置。
  3. 請求項1または2の記載において、前記段差面が前記凹部によって上下方向に2分割されていることを特徴とする光学式ピックアップの対物レンズ駆動装置。
  4. 請求項1の記載において、前記段差面の下端部が前記支持部材の前記ベース部材への取付面よりも下方へ突出していることを特徴とする光学式ピックアップの対物レンズ駆動装置。
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